JP4921777B2 - 2軸延伸積層ポリアミドフィルム - Google Patents

2軸延伸積層ポリアミドフィルム Download PDF

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Description

本発明は、滑り性と耐ピンホール性の優れた積層ポリアミドフィルムに関する。さらに詳しくは、高いガスバリア性と、特に高湿度下における優れた滑り性と、高い耐ピンホール性を併せ持つ積層ポリアミドフィルムに関する。
一般に、ポリアミド樹脂層とガスバリア性樹脂層とからなる積層フィルムは、ガスバリア性はもちろん、機械的特性、光学的特性、熱的特性、強靭性などに優れており、包装用途、特に食品包装用途を主体に広く使用されている。この積層フィルムは高いガスバリア性を有することから、食品包装においては内容物の変色や、腐敗、酸化などを抑制し、シェルフライフ延長に大きく寄与している。積層フィルムにピンホールがあると、ガスバリア性が低下するため、内容物の保存にとって耐ピンホール性は重要な特性である。
しかし、一般にガスバリア性樹脂はポリアミド樹脂に比較して柔軟性が劣るため、ポリアミド樹脂層とガスバリア性樹脂層とからなる積層フィルムは、ポリアミド単層フィルムに比較して耐ピンホール性が悪化する傾向がある。耐ピンホール性の改善を目的として変性ポリオレフィンなどの柔軟化剤をポリアミド樹脂層に添加することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
一方、包装用フィルムは、印刷、蒸着、ラミネート、製袋などの加工時における作業性、加工速度の高速化のために、滑り性が優れていることが要求される。特に水分を多く含む食品の包装においては、高湿度環境下で使用されることから、高湿度下での滑り性が重要視されている。しかし、ポリアミド系樹脂フィルムは、高い湿度の環境では、滑り性が悪化する傾向があり、高湿度下での滑り性の改善が望まれていた。
ポリアミド系樹脂の単層フィルムの高湿度下での滑り性を改善する手段として、ポリアミド樹脂に特定のシリカ(特許文献3)や、シリカとタルクの併用(特許文献4)など無機粒子を添加する方法、架橋有機ポリマー微粒子を添加する方法(特許文献5)、層状珪酸塩と不活性無機粒子の併用(特許文献6)、シリカと特定の脂肪酸系ビスアミドの併用(特許文献7)、溶融押出したポリアミド樹脂を特定の温度範囲で直接水冷固化させる方法(特許文献8)、ポリアミドフィルムに易滑性層を積層する方法(特許文献9、特許文献10)が提案されている。
しかしこれらの方法をガスバリア性積層フィルムに適用した場合、近年要求されるレベルにおいて高湿度下での滑り性は十分ではなかったり、滑り性が十分であっても耐ピンホール性は十分ではなかったりした。すなわち、特に高湿度下での滑り性の改善効果の高い脂肪酸系ビスアミドと、耐ピンホール性改善効果の高い変性ポリオレフィンを併用した場合、上記文献記載の脂肪酸系ビスアミドの配合量では高湿度下において満足な滑り性を有するフィルムを得ることができなかった。
特許第3545132号公報 特開2002−347195号公報 特開平9−143283号公報 特開平7−138471号公報 特開平9−241504号公報 特開2004−149555号公報 特開2002−348465号公報 特開2001−64415号公報 特許第3624492号公報 特開平9−156046号公報
本発明の課題は、上記問題を解決し、耐ピンホール性を改善しつつ高湿度下において優れた滑り性を発現させることのできる積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂層に変性ポリオレフィンと脂肪酸系ビスアミドとを配合した場合、変性ポリオレフィンが一定量の脂肪酸系ビスアミドを吸収して脂肪酸系ビスアミドの添加効果を低減することを突き止めた。そこで、ポリアミド樹脂層に配合する脂肪酸系ビスアミドと変性ポリオレフィンの量及び比率を規定することによって、その目的を達成することを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、ポリアミド樹脂からなる層(X)とガスバリア性樹脂からなる層(Y)がX/Y/Xの順に積層された積層ポリアミドフィルムであって、X層は炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドと変性ポリオレフィンとを下記式を満足するように含有することを特徴とする高湿度下における滑り性と耐ピンホール性に優れた2軸延伸積層ポリアミドフィルムである。
0.5≦O≦5
0.04≦B−O/7≦0.2
O:X層に含有する変性ポリオレフィンの質量%
B:X層に含有する炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドの質量%
本発明により、機械的特性、熱的特性、バリア性はもちろんのこと、透明性、耐衝撃性及び耐ピンホール性に優れるとともに、シーラント層とのラミネート適性を維持した上で、特に高湿度下において優れた滑り性を有する2軸延伸ポリアミドフィルムが提供される。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において使用されるポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミド樹脂を用いることが出来る。具体的には、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどの重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸との塩を重縮合せしめて得られる重合体またはこれらの共重合体、例えば、ナイロン4、6、7、8、11、12、6・6、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6T、6I/6Tなどが挙げられる。機械的特性や熱的特性に優れる点から、包装用ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6やナイロン66を主成分とする構成が好適である。
本発明におけるガスバリア性樹脂は、上記ポリアミド樹脂よりガスバリア性に優れたものであればよく、ポリアミド樹脂との共押出適性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)、ポリメタキシリレンジアジパミド(MXD6)が好ましい例として挙げられる。
本発明に適した積層構成は、高湿度下での滑り性を発現するために、ポリアミド樹脂からなる層(X)とガスバリア性樹脂からなる層(Y)が、X/Y/Xの順に積層されることが必要で、好ましい例として、X/Y/X、X/Y/X/Y/Xが挙げられる。各X層の厚みは等しいことが好ましい。必要に応じて各層の間に接着剤層や回収層を設けることができる。
フレキシブルなフィルムとして用いるために、積層フィルムの総厚みは8〜50μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。X層の厚みは3〜9μmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜8μmである。X層の厚みが3μm未満の場合、ポリアミドの優れた機械的特性(強靭性、耐ピンホール性)が十分に発揮されなかったり、延伸できなかったりする。X層の厚みが9μmを超えると相対的にY層の厚みが小さくなり、ガスバリア性が低くなる。
本発明において、X層は炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドを含有することが必要である。炭素数20未満の脂肪酸からなるビスアミドでは、低湿度領域での滑り性改良効果は十分であるが、高湿度下での滑り性を改良する効果が少なく十分でない。具体的な炭素数20以上の脂肪酸としては、ベヘン酸(C22)などの飽和脂肪酸や、エルカ酸(C22)などの不飽和脂肪酸が挙げられる。これらの脂肪酸からなるビスアミドとしては、具体的には、一般的に市販されているものとしてエチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどのエチレンビスアミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミドなどのヘキサメチレンビスアミドなどを挙げることができる。特に、エチレンビスアミドの方が、高湿度下での滑り性改良効果に優れているので好ましい。
また、本発明においてX層は変性ポリオレフィンを含有することが必要である。変性ポリオレフィンとしては、炭素数2から8個のα−オレフィンと、共重合可能なカルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基などの官能基を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。なかでもエチレン、不飽和カルボン酸、および不飽和カルボン酸のアルキルエステルからなるエチレン系3元共重合体が好ましく用いられる。
エチレン系3元共重合体を構成する不飽和カルボン酸とは、3〜8個の炭素原子を有するα,β−不飽和モノ又はジカルボン酸及びその誘導体であり、それらの金属塩や酸無水物が挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸及びその誘導体が挙げられ、ポリアミドに対する親和性やコストパフォーマンスの点から無水マレイン酸が最も好適である。
また、エチレン系3元共重合体を構成する不飽和カルボン酸のアルキルエステルとは、不飽和カルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステルであり、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート等を挙げることができ、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートが特に好適である。
エチレン系3元共重合体を構成する各成分の比率は、エチレン95〜50質量%、不飽和カルボン酸0.1〜10質量%、不飽和カルボン酸のアルキルエステル4.9〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、エチレン89.5〜60質量%、不飽和カルボン酸0.5〜5質量%、不飽和カルボン酸のアルキルエステル10〜35質量%である。不飽和カルボン酸の共重合比率が上記範囲より少ない場合には、得られる共重合体のポリアミドへの親和性が不十分となり、一方、この範囲を超えると、得られる共重合体の溶融粘度が極度に上昇するためポリアミドとの混練が困難となる。また、不飽和カルボン酸アルキルエステルの共重合比率が上記範囲より少ない場合には、得られる複層フィルムの耐ピンホール性が不十分となり、一方、この範囲を超えると、通常の重合装置では3元共重合体を得ることが困難となる。
本発明において、X層における変性ポリオレフィンの含有量(O質量%)は、0.5〜5質量%であることが必要であり、1.0〜3.5質量%であることが好ましい。変性オレフィンの含有量が0.5質量%未満の場合、得られる積層ポリアミドフィルムの耐ピンホール性の改善効果が認められず、また、5質量%を超えると、フィルムの強度、透明性が低下するため好ましくない。
本発明において、X層における脂肪酸系ビスアミドの含有量(B質量%)は、変性ポリオレフィン含有量(O質量%)に依存する。すなわち、Bは0.04≦B−O/7≦0.2を満足する必要があり、0.1≦B−O/7≦0.15を満足するのが好ましい。B−O/7が0.04未満の場合、高湿度下での滑り性改良効果が得られず、一方、B−O/7が0.2を超えると、得られたフィルムの高湿度下での滑り性改良効果は十分であるが、シーラント層とのラミネート強力が低下するなどの問題が生じやすい。
上述したことから明らかなように、X層に添加される脂肪酸系ビスアミドの量は、0.11質量%以上(変性ポリオレフィンの含有量が0.5質量%の場合)、0.91質量%以下(変性ポリオレフィンの含有量が5質量%の場合)であり、好ましくは0.24質量%以上(変性ポリオレフィンの含有量が1.0質量%の場合)、0.65質量%以下(変性ポリオレフィンの含有量が3.5質量%の場合)であり、これまで適当と考えられてきた添加量を上回るものである。
このことは、変性ポリオレフィンは、脂肪酸系ビスアミドとの親和性が高いため、変性ポリオレフィンがその質量の1/7の質量の脂肪酸系ビスアミドを吸収し、X層の表層へブリードアウトさせないことを意味している。従って、変性ポリオレフィンの1/7量を超えた分の脂肪酸系ビスアミドが高湿度下での滑り性改善効果を奏するのである。
本発明においてX層にはシリカを0.1〜0.4質量%含有するのが好ましい。シリカは、平均粒径1〜2μmのシリカAと平均粒径2〜3μmのシリカBからなり、かつ、それらの質量比A/Bが3/1以上であることが好ましい。シリカAの平均粒径が1μm未満では、フィルムの表面突起を形成する能力が低く、滑り性が改良されず、平均粒径が2μmを超えると、滑り性改良効果は発現するが、フィルムの透明性が悪くなる。特に高湿度下での滑り性に注目した場合、平均粒径1〜2μmのものを用いると、透明性と滑り性に優れたフィルムが得られる。シリカBの含有量はシリカAの質量に対し、1/3以下であることが好ましく、1/3を超えて配合すると、透明性と滑り性能を同時に満足することができなくなる。また、平均粒径3μm以上のシリカの添加は、滑り性の改良効果が少なく、透明性を悪化させるので、含有しないのがよい。
ポリアミド樹脂に脂肪酸系ビスアミド、変性ポリオレフィン、およびシリカを添加する方法については特に制限はなく、通常用いられる方法に従って添加することができる。例えば、ポリアミド樹脂ペレットに、脂肪酸系ビスアミド、変性ポリオレフィン、シリカを、それぞれ所定の割合でドライブレンドして使用してもよいし、マスターバッチを作成してもよい。マスターバッチを作成する場合、脂肪酸系ビスアミドと変性ポリオレフィンの混合マスターとするのが高濃度マスターを作成しやすく好ましい。脂肪酸系ビスアミドは溶融して、押出機に直接液体注入することもできる。シリカについては、ポリアミド樹脂の重合時に、ポリアミド樹脂形成原料に配合し、あらかじめ樹脂中にシリカを分散させて使用することが良い。
本発明においてX層の変性ポリオレフィンと脂肪酸系ビスアミドの含有量を規定することにより、ガスバリア性、高湿度下での滑り性、および耐ピンホール性に優れた積層ポリアミドフィルムを提供することが可能となった。滑り性として、20℃、90%RHという高湿度下で、静摩擦係数が0.6以下、好ましくは0.55以下であることが、また、耐ピンホール性として、5℃雰囲気下での500回繰り返し屈曲疲労テストにおけるピンホールの発生個数が20個以下であることが好ましい。ガスバリア性として、20℃、65%RHにおける酸素透過度が100ml/(m・day・MPa)以下、好ましくは80ml/(m・day・MPa)以下であることが好ましい。シーラント層とのラミネート適性として、ラミネート強力が4N/cm以上、好ましくは5N/cm以上であることが望ましい。透明性としてヘーズが7%以下、好ましくは6%以下であることが望ましい。
本発明においては、さらに必要に応じて、通常配合される各種の添加剤および改質剤、例えば、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤および着色剤(顔料、染料など)などを配合してもよい。
本発明の積層ポリアミドフィルムは、公知のフィルム製膜法によって、成形することができる。例えば、Tダイから溶融ポリマーを積層、押出後、キャスティングロールで冷却して未延伸シートを作成し、これを同時2軸延伸、または、逐次2軸延伸する。延伸後のフィルムは寸法安定性を良くするために、200℃前後の温度で短時間の熱処理を施す。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。なお、フィルムの各物性は、以下に示す方法によって求めた。
(1)静摩擦係数:
相対湿度90%、温度20℃の条件下、JIS K7125に準じ、フィルム/フィルムでの静摩擦係数を測定した。
(2)酸素透過度:
Modern Control社製のOX−TRAN2/20を使用し、20℃、65%RHの条件で測定した。単位:ml/(m・day・MPa)
(3)ラミネート強力:
2軸延伸積層ポリアミドフィルムに、ドライラミネート用ポリウレタン系接着剤(武田薬品工業社製、A515/A50)を4〜5g/m塗工し、ドライラミネート用未延伸ポリプロピレン(東セロ社製、RXC−18、60μm)を、ドライラミネート法(温度80℃、圧力490kPa)によりラミネートし、シーラント層を形成した。シーラント層がラミネートされた幅15mmのフィルム積層体を試料として用い、20℃×65%RHの環境下にて、引張速度300mm/minの速度で剥離し、T型剥離法によりラミネート強力を測定した。
(4)ヘーズ(曇度):
東京電色社製全自動ヘーズメーター(TC−H3DPK)を用いて、JIS−K−6714法により測定した。
(5)耐ピンホール性:
MIL−B−131Fに示されるFed.Test Method Std. 101CのMethod 2017に従い、12インチ×8インチのサンプルを直径3.5インチの円筒状に把持し、初期把持間隔7インチ、最大屈曲時の把持間隔1インチとして、いわゆるゲルボテスター(理学工業社製)で5℃の条件下で500回屈曲を与えた後のピンホール数により評価した。
また、実施例において、下記の樹脂、シリカ、脂肪酸系ビスアミド、変性ポリオレフィン、チップを用いた。
(1)ナイロン6樹脂:ユニチカ社製、商品名:A1030BRF、相対粘度3.0
(2)シリカ
シリカA:富士シリシア化学社製、サイリシア310P、平均粒径1.4μm
シリカB:水澤化学社製、ミズカシルP73、平均粒径2.5μm
(3)脂肪酸系ビスアミド
B−1:日本化成社製、スリパックスB、エチレンビスベヘン酸アミド、脂肪酸の炭素数22
B−2:日本化成社製、スリパックスR、エチレンビスエルカ酸アミド、脂肪酸の炭素数22
B−3:日本化成社製、スリパックスZHB、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、脂肪酸の炭素数22
B−4:日本化成社製、スリパックスE、エチレンビスステアリン酸アミド、脂肪酸の炭素数18
B−5:日本化成社製、スリパックスZHS、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、脂肪酸の炭素数18
B−6:日本化成社製、スリパックスL、エチレンビスラウリン酸アミド、脂肪酸の炭素数12
(4)変性ポリオレフィン
O−1:日本ポリエチレン社製、レクスパールET183B、エチレン86質量%、メチルアクリレート13質量%、無水マレイン酸1質量%の3元共重合体
O−2:住友化学工業社製、ボンダインAX8390、エチレン68.25質量%、エチルアクリレート30%、無水マレイン酸1.75質量%の3元共重合体
O−3:日本油脂社製、モディパーA5200、エチレン56質量%、エチルアクリレート14%、メチルメタクリレート30質量%の3元共重合体
O−4:住友化学工業社製、アクリフトWH206、エチレン80質量%、メチルメタクリレート20質量%の共重合体
(5)ガスバリア性樹脂
ポリメタキシリレンジアジパミド(MXD6):三菱瓦斯化学社製、MXナイロン6007、相対粘度2.6
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH):クラレ社製、エバール F101B
(6)シリカマスターチップの調製:
内容積30リットルのオートクレーブに10kgのε−カプロラクタム、1kgの水、および450gのシリカAおよび150gのシリカBを投入し、100℃に保持して、この温度で反応系内が均一になるまで撹拌した。引き続き、撹拌しながら260℃に加熱し、圧力1.5MPaを1時間維持し、さらに1時間かけて常圧まで放圧し、さらに1時間重合した。重合が終了した時点で、上記反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断して、ポリアミド樹脂からなるペレットを得た。次いでこのペレットを95℃の熱水で8時間精錬し、未反応モノマー等を除去した後、乾燥した。得られたポリアミド樹脂の相対粘度は3.0であった。
(7)混合マスターチップの調製:
ナイロン6樹脂76質量部に、脂肪酸系ビスアミド(スリパックスB)4質量部と、変性ポリオレフィン(レクスパールET183B)20質量部をドライブレンドした後、これをシリンダ温度設定250℃の30mm2軸押出機で溶融混練し、ストランド状に押出し、冷却、固化後、切断して、脂肪酸系ビスアミドと変性ポリオレフィンの混合マスターチップを得た。各脂肪酸系ビスアミドと変性ポリオレフィンの混合マスターチップも同様にして調製した。
実施例1
ナイロン6樹脂86質量部に、混合マスターチップ10質量部とシリカマスターチップ4質量部を混合し、シリンダ温度260℃に設定した単軸押出機に供給し、一方、ポリメタキシリレンジアジパミドをシリンダ温度260℃に設定した単軸押出機に供給し、さらに接着剤を260℃に設定した二軸押出機に供給し、マルチマニホールドタイプのダイスを用いてナイロン6/接着剤/ポリメタキシリレンジアジパミド/接着剤/ナイロン6の順に積層して押出し、設定温度20℃の冷却ロールに接触させて、各層の厚みが45/5/50/5/45μmで総厚み150μm未延伸シートを得た。接着剤にはポリメタキシリレンジアジパミド(三菱瓦斯化学社製、MXナイロン6007、相対粘度2.6)と非晶質ナイロン(EMS社製、Grivory G21)の等量混合物を用いた。得られた未延伸シートを50℃に調整した温水槽に1分間浸漬し、同時2軸延伸機で延伸温度190℃で縦3倍、横3.3倍延伸し、210℃で5秒間の熱処理を行い、さらに横方向に5%の弛緩処理を行い、冷却して、厚さ15μmの2軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムを物性測定に供した。その結果を表1に示した。
実施例2
ナイロン6樹脂86質量部に、混合マスターチップ10質量部とシリカマスターチップ4質量部を混合し、シリンダ温度260℃に設定した単軸押出機に供給し、一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物をシリンダ温度230℃に設定した単軸押出機に供給し、マルチマニホールドタイプのダイスを用いてナイロン6/エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物/ナイロン6の順に積層して押出し、設定温度20℃の冷却ロールに接触させて、各層の厚みが50/50/50μmで総厚み150μm未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを50℃に調整した温水槽に1分間浸漬し、同時2軸延伸機で延伸温度175℃で縦3倍、横3.3倍延伸し、210℃で5秒間の熱処理を行い、さらに横方向に5%の弛緩処理を行い、冷却して、厚さ15μmの2軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムを物性測定に供した。その結果を表1に示した。
実施例3〜8、比較例1〜7
脂肪酸系ビスアミドの種類・含有量、変性ポリオレフィンの種類・含有量を表1のとおり変更した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムを物性測定に供し、その結果を表1に示した。
比較例8
ポリメタキシリレンジアジパミドおよび接着剤を用いずに、単層に押出した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムを物性測定に供し、その結果を表1に示した。
実施例の場合は、耐ピンホール性が良く、かつ、高湿度下(90%RH)での滑り性に優れるフィルムが得られた。本発明の範囲を外れる比較例の場合は、高湿度下での滑り性に劣る、耐ピンホール性に劣る、ラミネート強力が低い、透明性が悪いなどの問題があり、優れたフィルムは得られなかった。

Claims (9)

  1. ポリアミド樹脂からなる層(X)とガスバリア性樹脂からなる層(Y)がX/Y/Xの順に積層された積層ポリアミドフィルムであって、X層は炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドと変性ポリオレフィンとを下記式を満足するように含有することを特徴とする高湿度下における滑り性と耐ピンホール性に優れた2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
    0.5≦O≦5
    0.04≦B−O/7≦0.2
    O:X層に含有する変性ポリオレフィンの質量%
    B:X層に含有する炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドの質量%
  2. 炭素数20以上の脂肪酸からなるビスアミドが、エチレンビスベヘン酸アミド、またはエチレンビスエルカ酸アミドであることを特徴とする請求項1記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  3. 変性ポリオレフィンが、エチレン、不飽和カルボン酸、および不飽和カルボン酸のアルキルエステルからなるエチレン系3元共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  4. 20℃、90%RHにおける静摩擦係数が0.6以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  5. 5℃雰囲気下での500回繰り返し屈曲疲労テストにおけるピンホールの発生個数が20個以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  6. ガスバリア性樹脂が、ポリメタキシリレンジアジパミド(MXD6)、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  7. 20℃、65%RHにおける酸素透過度が100ml/(m・day・MPa)以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  8. ヘーズが7%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
  9. ポリアミド樹脂の主成分がナイロン6であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の2軸延伸積層ポリアミドフィルム。
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