JP4921767B2 - 細胞の分化誘導方法 - Google Patents

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本発明は、上皮系細胞から硬組織形成細胞への分化誘導法、および硬組織の再生方法に関する。より詳細には、本発明は、上皮系細胞にTGF−βを用いて上皮間葉転換を生じさせ、さらに、間葉系に転換した上皮系細胞をサイトカイン類や生理活性因子等の分化誘導因子の存在下で培養することによって、上皮由来の間葉系細胞を骨芽細胞や象牙芽細胞、軟骨細胞などの間葉系組織形成細胞へと分化誘導する方法に関する。
再生医療で用いる硬組織再生技術に関する主な技術は、間葉系幹細胞(以下、MSC)や骨芽細胞を患者より採取し、培養し、これらの細胞にデキサメタソンや、Bone morphogenetic protein(BMP)などの骨誘導因子を添加する方法が報告されているが、これらの分化誘導技術は間葉系細胞に適用範囲が限られており、間葉系細胞以外の細胞から別の間葉系組織を誘導する技術は報告されていない。
細胞を用いて硬組織形成細胞や硬組織を誘導する技術の例として、Maniatopoulosらは、骨髄より採取したストローマ細胞にデキサメタソンを加えることにより骨芽細胞を誘導する技術を報告している(非特許文献1)。また、ストローマ細胞のみならず、間葉系幹細胞、骨芽細胞など様々な間葉系細胞でデキサメタソンを用いることで分化を生じさせることができることが報告されている。
また、この因子により分化させた間葉系細胞を用いて、骨組織などの間葉系組織を再生させる再生医療への応用が試みされているが、現在のところ、この技術は間葉系細胞に限られている。
また、乳腺上皮細胞などにおいて、TGF−βを作用させることで、上皮系細胞から間葉系細胞を誘導する技術が知られている(非特許文献2及び3)。しかしながら、誘導された間葉系細胞の種類は不明であり、誘導された間葉系細胞に機能を持たせることや、さらに目的とする細胞へ誘導する技術は報告されていない。
Cell Tissue Res., 254(2):317-330, 1988 J Cell Biol., 127(6):2021-2036, 1994.4e5 Am J Pathol., 159(4):1187-1192, 2001
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、上皮系細胞から目的の間葉系細胞に分化誘導する方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上皮系細胞に対して間葉系細胞への転換因子であるTGF−βを添加させることで上皮系細胞を間葉系細胞に転換させ、さらに上皮系細胞から転換した間葉系細胞に対して、目的に応じた分化誘導処理を施すことで、上皮系細胞を目的とする間葉系細胞や組織に分化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、上皮系細胞をTransforming growth factor-β(TGF−β)の存在下で培養し、次いで、分化誘導因子の存在下で上記細胞を培養することを特徴とする、細胞の分化誘導方法が提供される。
好ましくは、分化誘導因子は、デキサメタソン、ビタミンD3、β−グリセロリン酸、アスコルビン酸、BMP−2、BMP−4、BMP−7、グルココルチコイド、インスリン、トランスフェリン、インドメタシン、Fibroblast growth factor(FGF)、Epidermal growth factor(EGF)、Brain-derived neurotrophic factor (BDNF)、Hepatocyte growth factor (HGF)、Tumor necrosis factor(TNF−α)、又はニコチンアミドから選択される少なくとも1種以上の物質である。
好ましくは、上皮系細胞をTransforming growth factor-β(TGF−β)の存在下で培養し、次いで、デキサメタソン、β−グリセロリン酸、及びアスコルビン酸の存在下で上記細胞を培養する。
好ましくは、上皮系細胞は、口腔粘膜上皮細胞、消化管上皮細胞、腎上皮細胞、腎尿細管上皮細胞、膀胱上皮細胞、皮膚上皮細胞、扁平上皮細胞、円柱上皮細胞、移行上皮細胞、胸腺上皮細胞、乳腺上皮細胞、内エナメル上皮細胞、外エナメル上皮細胞、マラッセ上皮遺残細胞、エナメル芽細胞、類上皮細胞、又はこれらの前駆細胞である。
特に好ましくは、上皮系細胞は、口腔粘膜上皮細胞である。
好ましくは、上皮系細胞は、骨系細胞、軟骨系細胞又は筋系細胞に分化誘導される。
好ましくは、担体上で、上皮系細胞の培養を行う。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明による細胞の分化誘導方法により得られる、分化誘導した細胞が提供される。
好ましくは、上記の分化誘導した細胞は、骨系細胞、軟骨系細胞又は筋系細胞である。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の細胞分化誘導方法により得られる分化誘導した細胞を用いて、組織を再生する方法が提供される。
本発明によればさらに、上記方法により得られる分化誘導された間葉系細胞、又は上記方法により再生された組織を患者に移植することを含む、歯科疾患の患者の治療方法が提供される。
本発明は、上皮系細胞から各種間葉系細胞への分化誘導技術に関するものである。本発明によれば、消化管、皮膚、口腔など生体の各所に含まれる上皮細胞から、細胞医療、再生医療に用いることのできる骨芽細胞をはじめとする間葉系細胞を得ることができる。
また、現在までにTGF−βを用いて乳腺上皮細胞から間葉系細胞を得た事例は報告されているが、このようにして得られた間葉系細胞をさらに分化させ、骨芽細胞や軟骨細胞などの細胞を得られた事例は報告されていないことから、上皮系細胞から、目的に応じた間葉系細胞を得るための基盤技術として有用性の高いものであると考えられる。
なお、本発明は、実施例に挙げたデキサメタソンを用いての骨芽細胞誘導に限らず、間葉系細胞に対する誘導能を有する因子(各種サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、およびビタミン類などの生理活性物質)であれば、適用可能である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明による細胞の分化誘導方法は、上皮系細胞をTransforming growth factor-β(TGF−β)の存在下で培養し、次いで、分化誘導因子の存在下で上記細胞を培養することを特徴とする。本発明によれば、目的に即した間葉系細胞を製造することができる。即ち、本発明による細胞の分化誘導方法は、上皮系細胞に対してTGF−βを用いて上皮間葉転換を生じさせ、生じた間葉系細胞を、目的に即した分化誘導因子の存在下で培養することにより、上皮間葉転換により生じた間葉系細胞をさらに分化させる方法である(図1を参照)。
上記の通り、本発明は、哺乳類の生体内に含まれる上皮系細胞にTGF−βを添加し、生じた間葉系細胞に適切な分化誘導処理を施すことで、上皮系細胞から目的に即した間葉系細胞を誘導する技術である。本発明は、哺乳類の生体内に含まれる上皮系細胞から、骨、軟骨、脂肪などを誘導する技術であり、本発明以前においては、上皮間葉転換により生じた間葉系細胞をさらに分化させたという報告はない。本発明では、口腔粘膜上皮に対して、TGF−β、並びに適当な分化誘導因子(例えば、デキサメタソンなど)を作用させることにより、口腔粘膜上皮から骨芽細胞のマーカーであるAlkaline phosphatase(ALP)陽性細胞を誘導している。
本発明では、上皮系細胞を用いて間葉系組織・細胞を得ることができる。本発明で用いる上皮系細胞の種類は、上皮系細胞であれば特には限定されないが、好ましくは、
口腔粘膜上皮細胞、消化管上皮細胞、腎上皮細胞、腎尿細管上皮細胞、膀胱上皮細胞、皮膚上皮細胞、扁平上皮細胞、円柱上皮細胞、移行上皮細胞、胸腺上皮細胞、乳腺上皮細胞、内エナメル上皮細胞、外エナメル上皮細胞、マラッセ上皮遺残細胞、エナメル芽細胞、類上皮細胞、又はこれらの前駆細胞が挙げられる。
上皮系細胞は、哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、げっ歯類等)の歯胚、歯根膜(マラッセ上皮遺残)、口腔粘膜、付着上皮、皮膚、腎、肺、消化管等から公知の方法により採取することができる。例えば、内エナメル上皮細胞、外エナメル上皮細胞、エナメル髄細胞、中間層細胞、エナメル芽細胞等の上皮系細胞の場合、哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、げっ歯類等)の下顎骨から採取することができる。埋伏歯を無菌的に取り出し、Hanks balanced salt solution(HBSS)溶液などの適当な保存液で保存する。歯牙の中の石灰化した部分を取り除き、メスにて組織を小片にして、HBSS溶液などを用いて組織を洗浄する。次いで、コラゲナーゼとディスパーゼを用いて組織を酵素処理することが好ましい。酵素処理後、ピペッティング操作と遠心操作により細胞を回収することができる。得られた細胞を、培地として、例えばMCDB153(Kyokuto Co.Ltd.)を用いて培養すると、歯胚中の間葉系細胞が失われ、上皮系細胞のみを得ることができる。
また、口腔粘膜上皮細胞の場合、ヒトより採取した口腔粘膜をディスパーゼで処理した後、上皮部分を剥がし、トリプシンで処理することにより得ることができる。
上皮系細胞は、公知の方法により、任意量のTGF−βを添加することで、間葉系の細胞に分化させることができる。例えば、哺乳類の乳房から採取した乳腺上皮細胞をDulbecco's Modified Eagle Medium(DMEM)に10%ウシ胎児結成と2%抗生剤を添加したものを用いて培養したものに、TGF−βを添加すると、間葉系の性質をもった細胞に転換し、間葉系細胞を得ることができる。
本発明では、上記のようにTGF−βを用いて得られた間葉系細胞を、好適な分化誘導因子の存在下でさらに培養する。分化誘導因子としては、タンパク質、ペプチド、又はその他の生理活性物質を用いることができ、具体的には、デキサメタソン、ビタミンD3、β−グリセロリン酸、アスコルビン酸、BMP−2、BMP−4、BMP−7、グルココルチコイド、インスリン、トランスフェリン、インドメタシン、Fibroblast growth factor(FGF)、Epidermal growth factor(EGF)、Brain-derived neurotrophic factor (BDNF)、Hepatocyte growth factor (HGF)、Tumor necrosis factor(TNF−α)、又はニコチンアミドから選択される少なくとも1種以上の物質を使用することができる。
上記の中でも特に好ましくは、デキサメタソン、β−グリセロリン酸、及びアスコルビン酸の組み合わせを用いることができる。デキサメタゾンの添加量は、培地中に、好ましくは1×10-9〜1×10-6mol/l、より好ましくは1×10-9〜1×10-7mol/lである。β−グリセロリン酸の添加量は、培地中に、好ましくは10〜1000mmol/l、より好ましくは20〜500mmol/lである。アスコルビン酸の添加量は、培地中に、好ましくは1×10-5〜1×10-2mol/l、より好ましくは5×10-5〜1×10-3mol/lである。
以下、目的に応じた分化転換因子の具体例を記載するが、これらに限定されるものではない。
(1)骨芽細胞は、一般的には、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、Mesenchymal Stem Cell Supplement (MCGS)、L−グルタミン、β−グリセロフォスフェートなどを含む培地中で分化転換させることができる。
(2)神経細胞は、一般的には、レチノイン酸またはビタミンAのようなレチノイド化合物、および所望により脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、血小板由来成長因子(PDGF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン(NT)−3、ニューロトロフィン(NT)−4、またはソニックヘッジホッグ(sonic hedgehog)(Shh)のような神経成長因子またはニューロトロフィンなどを含む培地中で分化転換させることができる。
(3)軟骨細胞は、一般的には、デキサメタゾン、アスコルビン酸、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、L-グルタミン、トランスフェリン、インスリン、TGF-βなどを含む培地中で分化転換させることができる。
(4)脂肪細胞は、一般的には、インスリン、L−グルタミン、デキサメタゾン、インドメタシンなどを含む培地中で分化転換させることができる。
(5)肝細胞は一般的には、インスリン、デキサメタゾン、アスコルビン酸、FGF-4、FGF、HGFなどを含む培地で分化転換させることができる。
本発明において細胞の培養は担体上で行ってもよいし、担体なしで培養してもよい。担体の使用は、本発明の手法により分化させた細胞から組織・器官を形成させるのに有効である。担体としては、組織形成に必要とされる時間を耐久することができ、かつその後、迅速に吸収されるものが好ましい。即ち、皮下、胃大網又は顎骨内などの口腔内などの生体内において適切な吸収速度を有し、かつ細胞と高い親和性を有する担体を使用することが好ましい。
担体の素材は、上記特性を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、ポリグリコール酸(polyglycolic acid(PGA))、ポリ乳酸(PLLA)、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコシド)(PLGA)、ポリカプロラクトンなどの合成高分子材料、またはコラーゲン、ゼラチン、フィブリンなどの蛋白質材料、あるいはヒアルロン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、象牙質、サンゴなどの天然由来材料を使用することもできる。さらに、リン酸三カルシウム(β−TCP)などの無機材料も使用することができる。
PGAは、例えばAlbany International Research Co.などから購入することができ、またPLGAはSigmaから購入することができる。PGAの場合、吸収速度が速いため、ポリ(DL−ラクチド)(PLLA)を表面にコートして吸収期間を遅らせることもできる。さらに、PGA、PLLA、PLGAまたはポリカプロラクトンなどの合成材料を使用する場合には、細胞の接着及び増殖性を高めるために、表面にコラーゲン溶液又はフィブロネクチン溶液等をコートして使用することもできる。
上記の担体の形態としては、メッシュ形態、スポンジ形態、ゲル形態、不織布形態、多孔質形態、硬組織などが可能である。
担体は、細胞を移植しやすい形状に加工したものを作製することが好ましい。このためには、目的とする形態をレジンで作製した後に印象材を用いて型を取得する。その後、レジンの型を取り出し、担体を構成する合成材料を流しこむことによって目的の形態を再現することができる。
本発明では、分化誘導した細胞を移植動物に移植し、該移植動物の体内で組織を再生させてもよいし、分化誘導した細胞を直接患者に移植してもよい。細胞の培養の際に用いた担体も細胞と一緒に、移植動物の体内に移植することができる。
移植動物の種類は特に限定されないが、好ましくは哺乳動物であり、例えば、ラット、ウサギ又はマウスなどのげっ歯類動物を使用することができる。移植の部位についてもとくには限定されないが、好ましくは血流の豊富な部位が好ましく、例えば、腹腔内の胃大網などが特に好ましい。このような部位に移植することにより、細胞の成長を促進することができ、移植した細胞による組織の形成を早めることが可能となる。
上記した本発明の方法により分化誘導された細胞を用いて硬組織を形成することができる。本発明の方法により分化誘導された細胞は、例えば、そのままもしくは、必要に応じて組織を再生させた後、担体等と一緒に歯科疾患を有する患者に移植することにより治療に供することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:口腔粘膜上皮の上皮間葉転換
(1)方法
エーテルなどを用いてラットを安楽死させ、安楽死させたラットの口腔よりメスで上顎の口腔組織を切り出した。切り出した口腔組織について、洗浄しながらメスで真皮や血液等を除去、粘膜のみを剥離し、ディスパーゼを用いて口腔粘膜のみを単離した。単離した口腔粘膜をトリプシンを用いて細胞レベルにまで単離し、上皮系細胞のみを選択的に培養できるよう、Keratinocyte Growth Medium-2(KGM-2)培地を用いて口腔粘膜上皮細胞を培養した。
上記の方法により、間葉組織を除去し、選択的に培養した口腔粘膜上皮細胞を、10%ウシ血清を含んだDulbecco Modified Eagle's Medium(DMEM)培地に移し、0〜50ng/ml(即ち、0、2、10、又は50ng/ml)のTGF−βを添加し、5日間培養した。
TGF−β存在下で培養した口腔粘膜上皮細胞に対して、10nMデキサメタソン、100mMβ−グリセロリン酸、100μMアスコルビン酸を添加したものを10日間培養し、これらの処理を施した細胞に対して、アルカリホスファターゼ染色を実施した。
(2)結果
アルカリホスファターゼ染色の結果を図2に示す。TGF−βで処理した後に、デキサメタソン、β−グリセロリン酸、アスコルビン酸で処理した群において、有意なアルカリフォスファターゼ陽性反応を検出した。一方、未処理の口腔粘膜上皮やTGF−βのみで処理した群においては、アルカリフォスファターゼ反応は検出されなかった。
(3)結果の解釈
アルカリフォスファターゼは、骨芽細胞などの間葉系細胞の硬組織化に伴う分化マーカーとして知られている。未処理の群やTGF−βのみで処理した群ではアルカリフォスファターゼ陰性だったのに対し、TGF−βで処理した口腔粘膜上皮細胞に対して、デキサメタソン、β−グリセロリン酸、アスコルビン酸を用いた群では、アルカリフォスファターゼ陽性となったことから、この処理をした口腔粘膜上皮細胞に骨誘導が生じたと考えられる。この結果より、TGF−βにより上皮系細胞から間葉系細胞に上皮間葉転換処理を行った細胞に対して、分化誘導因子などを用いてさらに分化誘導処理を施すと、上皮系細胞から目的に即した細胞を誘導することができる。
図1は、本発明の原理を示す。 図2は、口腔粘膜上皮細胞のアルカリフォスファターゼ染色の結果を示す。

Claims (2)

  1. 口腔粘膜上皮細胞をTransforming growth factor-β(TGF−β)の存在下で培養し、次いで、デキサメタソン、β−グリセロリン酸、及びアスコルビン酸の存在下で上記細胞を培養することにより骨系細胞へと分化誘導することを特徴とする、細胞の分化誘導方法。
  2. 担体上で、口腔粘膜上皮細胞の培養を行う、請求項1に記載の細胞の分化誘導方法。
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