以下、本発明に係るパチンコ機の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、パチンコ機の一形態を示す正面図である。このパチンコ機1は、遊技領域5の略中央部にいわゆるセンター役物として画像表示装置2を備えたパチンコ機である。画像表示装置2には、例えば、複数列あるいは複数行に、複数種類の演出図柄が変動表示あるいは停止表示される。
図示を省略する発射装置から遊技球が打ち出され、打ち出された遊技球が所定の入賞口(例えば、始動入賞口10)へ入賞すると、その入賞に基づいて画像表示装置2に複数の図柄(数字や文字あるいは絵柄等)が予め定められた所定時間変動表示される。所定時間が経過すると、乱数の中から抽選によって選択された図柄が停止表示され、その停止表示された図柄が予め定められた特定の組み合わせ図柄の場合、大入賞口3が所定時間(例えば、30秒間)連続して開放し遊技球の入賞し易い状態となって短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態(当たり状態)が発生する。また、当たり遊技状態の発生に伴って当たり演出の画像が画像表示装置2に表示される。
パチンコ機1は前面枠21を備えており、その前面枠21に対して開閉可能に窓枠22が蝶着されている。窓枠22の裏側には、略正方形状の遊技盤が配設されている。遊技盤上には、発射装置から打出された遊技球を誘導する略円弧状の外レール8a及び内レール8bが設けられ、この二つのレール8aと8bによって囲まれた部分が遊技領域5を形成している。発射装置から打出された遊技球はこの遊技領域5を流下する。そして遊技球が遊技領域5に設けられている入賞口に入賞する等の所定の条件を満たすと、予め定められている数の賞球が背面側に設けられている貯留部から球皿部13に払い出される。画像表示装置(例えば、液晶表示装置)2には、図柄の変動表示と停止表示、および動画像による当たり演出表示、はずれ演出表示等が行われる画像表示部(液晶表示部)9が設けられている。画像表示部9には、この形態では3列からなる左表示部9a、中表示部9b、右表示部9cが設けられており、それぞれの表示部に複数種類の図柄が上下方向へ独立して変動表示、および停止表示される。また、画像表示部9の全体を使用して、特別遊技状態発生時に当たり演出画像が表示される。
画像表示装置2の下側には始動入賞口10が設けられており、この始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて、画像表示部9に図柄の変動表示動作が開始される。変動表示動作中(一回の変動表示動作が行なわれている間)に、さらに遊技球が始動入賞口10に入賞すると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで保留(ストック)される。保留された旨およびその保留回数は、可変表示装置2の上部に設けられた保留表示器7(例えば、LED)の点灯によって表示される。始動入賞口10の下側には、表示部9a〜9cに特定の図柄の組み合わせが停止表示したとき、例えば、「6」「6」「6」、「7」「7」「7」のように同じ図柄が3つ停止表示したとき(以下、当たり発生時ともいう)に開状態と閉状態とに変化する大入賞口(アタッカーともいわれる)3が設けられている。大入賞口3には、開閉動作する扉が設けられ、扉の閉鎖時には遊技領域5から大入賞口3内に遊技球が入賞することはなく、開放時にのみ入賞可能な構成になっている。
大入賞口3の左右両側には、一般入賞口11が設けられている。また、大入賞口3の下側には、遊技領域5を流下していずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球、いわゆる外れ球が排出されるアウト口12が設けられている。遊技盤の前面を覆う窓枠22の下方部には、球皿部13を備えた一体皿14が設けられている。一体皿14の右側下部には、回転操作によって発射装置から発射される遊技球の発射強度、即ち、遊技球の飛距離を調整するためのハンドルグリップ15が設けられている。各入賞口への遊技球の入賞に対する賞球数は予め定められており、この形態では、例えば、始動入賞口10へ入賞すると3球の賞球が、一般入賞口11へ入賞すると10球の賞球が、大入賞口3へ入賞すると15球の賞球が払い出される。
また、パチンコ機1の左側には、貸出し可能球数等の有価価値情報が記録されている情報記録媒体(プリペイドカード)を挿入することによって、遊技球の貸出しを可能とするための遊技球貸出装置(CRユニット)16が配置されている。一体皿14に設けられた貸出ボタン18を押下操作することにより、予め定められた所定数単位の貸出球、例えば、1操作あたり25球の貸出球が貯留部から球皿部13に払い出される。貸出球の払い出しに伴ってプリペイドカードの有価価値情報は減少していく。また、返却ボタン19を押下操作することによりプリペイドカードがCRユニット16から排出返却される。
図2は、パチンコ機1の背面に取り付けられる払出機構部25の斜視図である。また、図3は、払出機構部25内を送出される球の様子を示した断面図である。賞球あるいは貸出球のために払い出す遊技球は、貯留部26に貯留されている。貯留部26の遊技球数が所定球数以下になると、パチンコホールの設備として設けられている遊技球循環システムから貯留部26に遊技球が補給されるように設定されている。この貯留部26とパチンコ機前面下部の一体皿14とは背面側に設けられた払出球案内路24と払出装置46等によって連通されており、貯留部26から送り出された球はこの案内路24及び払出装置46を通って球皿部13に繋がる連通口17から払い出される。図2は、払出球案内路24と払出装置46とを取り外した状態を表わしている。
貯留部26の遊技球は払出機構部25の動作によって順次、送出され、払い出される。この払い出しには、前述したように、遊技の進行に応じて所定の入賞口に遊技球が入賞したときに払い出される賞球のための払い出しと、遊技者に遊技球を貸出すときに払い出される貸出球のための払い出しの2種類があり、払出機構部25の動作によって所定数の遊技球が払い出される。貯留部26は、遊技球が複数層重なった状態で貯留される受入部26aと、受入部26aに受け入れられた遊技球を整列させて送り出す送出部26bから構成されている。受入部26aの低部は、所定の角度を有する勾配となっており、貯留された遊技球は、徐々に送出部26b方向へ流動する構成となっている。送出部26bには、2本の球送出通路27a、27bが設けられている。これらの球送出通路27a、27bを通った球は、同様に払出球案内路24内に設けられた球送出通路27a、27bを通り、さらに、払出装置46内の球送出通路27a、27bに送られる。
図4は、払出装置46を構成している払出モータ60と払出モータに取り付けられて駆動されるスプロケット29、及び払出モータの取り付け板28を示す図である。スプロケット29には、その前部と背部それぞれの周面に複数の凹部30(この形態では前部に3個、背部に3個)が周方向の重ならない位置に互い違いに設けられている。スプロケット29の回転軸31は、払出モータ60に連結されている。払出モータにはステッピングモータが使用されており、1ステップの速度を変更することで回転速度を調整することができる。払出モータが回転するとスプロケット29が一方向、例えば、反時計廻りに回転して、球送出通路27a、27bを流動してきた球(球の一部分、例えば、球の約半分)を順次、前部、背部それぞれの凹部30に収容する。球の収容は、球送出通路27aと27bがそれぞれ前部と背部の凹部30に対応しており、例えば、球送出通路27a内を流動してきた球が前部の凹部30に収容され、球送出通路27b内を流動してきた球が背部の凹部30に収容される。スプロケット29に形成されている前部凹部と背部凹部の互い違いの構造により、球送出通路27a内の球と球送出通路27b内の球とは、1個ずつ交互に凹部30に収容されて行く。
そして、スプロケット29が所定角度回転する毎に、それぞれの凹部30に収容された遊技球は、前部と背部の凹部30から1個ずつ交互に排出され、今度は1個の球送出通路27cを通ってさらに下流部に送り出される。スプロケット29から送出された遊技球は、遊技者に対して実際に払い出された球として球送出通路27cの下流端部に設けられている払出計数スイッチ32によって検出される。
払出モータ60(スプロケット29)の回転状態は、払出モータ位置検出部によって検出される。例えば、払出モータ60には、周縁に沿って複数のスリット33が形成され、スリット部とスリットの形成されていない部分(遮断部)34とが略均等に設けられている。スリット33及び遮断部34の数は、スプロケット29に設けられた凹部30の数に対応して設けられている(この形態では6個)。これらのスリット33と遮断部34を挟むように払出モータ位置検出スイッチ61としての光電センサが設けられている。このスリット33及び遮断部34と光電センサとによってパルスエンコーダ(払出モータ位置検出部)が構成され、回転軸31の所定角度(この形態では、凹部30の1/2ピッチ)の回転によって、スリット33部と遮断部34とが交互に光電センサ61の位置を通過し、光を透過および遮蔽して、透過(センサがオン)する毎に、あるいは遮蔽(センサがオフ)する毎に1パルスの信号が光電センサから払出制御部(後述する)に送信される。即ち、この1パルスの信号が、払出モータによって球送出通路27cから1個の遊技球を払い出すための動作回数信号であるといえる。この動作回数信号に基づいて、遊技球を払い出すと共に、払出計数スイッチ32によって検出された実際の払出球数と動作回数信号数とを対比することにより、払出球数の適否を判別することができる。払出球が不足なく払い出されるとき、動作回数信号が1パルス出力される毎に、送出部26bから1個の遊技球が払い出され、実際の払出球数と動作回数信号数とが同数となり払出球数が適切であると判別される。
図5に、払出装置46の動作と払出球の検出との関係を表わすタイミングチャートの一形態を示す。払出装置46による球の払い出しは、N球の払出が基本動作となるが、球貸しによるNの最大値は、一般的な1回の貸出処理によって貸出される球数である25球に設定されている。また、賞球によるNの最大値は、20球に設定されている。スプロケット29には上述したように6個の凹部30が設けられているため、払出モータ60、即ち、スプロケット29が一回転すると、原則として(払い出し不足がなければ)6球の球が払い出される。また、払出モータ60は192ステップで一周回転するように設定されているため、1個の球を払い出すには32ステップ分の回転量が必要となる。そして、払出モータ60のスリット33部と遮断部34とは均等に設けられていることから、払出位置検出用の光電センサは透過(オン=Highレベル)と遮蔽(オフ=Lowレベル)とが16ステップ毎に切り替わる。図5では、ステップ数の0〜10ステップまでと26〜32ステップまでの32ステップがスリットセンサの透過期間、10ステップ〜26ステップまでの32ステップがスリットセンサの遮蔽期間となっている。
払出モータ60の回転動作に伴いスプロケット29の凹部30から球が排出(リリース)されるが、そのリリースタイミングは、1個の球を払い出すための払出モータ60の回転量である32ステップの略2/3の地点(ポイント)に設定してある。つまり、各球の払出処理が開始された後、払出モータが24ステップ分回転した地点で凹部30から球がリリースされる。リリースされた球は、図5の球検出区間に示すステップ数29〜31ステップに掛けて払出計数スイッチ32によって検出される。具体的には、例えば、払出球あるいは賞球のNがN=1の場合には、スリットセンサは、払出処理開始から10ステップ目でオフ(遮蔽)し、26ステップ目でオン(透過)し、その6ステップ後に停止する。また、Nが複数である場合には、モータ動作は払出処理開始から32ステップ後に停止せずに、期間35の経過後に所定時間励磁が保持され、同じ払出処理(図5のタイミング処理)を複数回繰り返す。
払出モータを駆動するステップ周期は、例えば、2msecの周期で出力されたとき、1分間に600〜800個の遊技球の払い出しが可能となる。即ち、動作回数信号が1分間に600〜800出力されることになる。払出モータの回転速度、即ち、ステップ周期は、払出モータの駆動開始時には、より確実な払い出しを確保するために、通常のステップ周期の1/2に設定されている。これにより払出開始時の急激な払出球の移動開始を防止することができ、球送出通路27a、27bに沿って流動する払出球を隙間が生じないように互いにほぼ密着した状態で流動させることができ、スプロケット29の空送りを防止することができる。
具体的には、例えば、払出モータ60が1ステップ分だけ回転する時間(ステップ周期。図5のステップ数の期間36)、即ち、払出モータ回転中の1ステップの励磁時間は、払出処理の開始時(第1球目の払出処理)が2.50msecに設定され、2球目以降の払出処理が1.25msecに設定されている。従って、1球の球を払い出すための時間は、払出処理開始時が80msec(2.50msec×32ステップ)、それ以降が40msec(1.50msec×32ステップ)となる。
上述したように、払出モータが動作回転したか否かは、払出モータ位置検出スイッチ61によるスリット33及び遮断部34の検出によって行なっている。払出モータ位置検出スイッチ61によって回胴通過するスリット33及び遮断部34を所定周期(スイッチサンプリング周期)毎、例えば、1.25msec毎に検出判定し、スリット期間、即ち、スイッチ61のオン期間が所定時間継続したと検出判定した場合には、払出モータが回転動作したと判別する。判別は後述する払出制御部45によって行なわれている。つまり、払出制御部45は、払出モータ位置検出スイッチ61による検出(例えば、スイッチ61のオン状態)が所定時間継続していることを確認することにより、“払出モータ60が球の払い出しを行なうための回転動作を行なった”ということを判定している。この場合、払出モータが回転動作したと判別される検出判定時間、即ち、スイッチオンの継続期間は、払出モータの回転速度に応じて相違するように設定されている。
図6にその一形態を示す。図6に示すタイミングチャートは、払出モータ60が1ステップ1.25msecの速度で回転する場合のものである。また、スイッチの状態とは、払出モータ位置検出スイッチ61による検出状態を指し、スリット33検出時を「オン」、遮断部34検出時を「オフ」とする。また、入力ポートの状態とは、払出制御部45(後述する)のCPUへ入力されるスイッチ61の状態を示しており、この状態が“1”のとき、即ち、スイッチの状態がオンのとき、上記CPUのスイッチHレベルカウンタデータが1ずつ加算されていく。また、スイッチ61によるオン/オフのサンプリングは、1.25msec周期毎に行なわれている。このモータ回転速度の場合、スイッチのオン状態が図のようなタイミングでオン/オフ切り替わっているとき、オン期間37、38に示すようにスイッチHレベルカウンタデータが“2”に達する間、スイッチのオン状態が継続しているとオン検出判定される。即ち、払出モータ60が回転動作して、球の払出動作を行なったと判定される。スイッチのサンプリングは1.25msecであるため、オン検出判定されるためには、少なくともスイッチのオン期間が1.25msec以上継続することが必要となる。従って、図5におけるオン期間39では、スイッチHレベルカウンタデータが“1”までであり、“2”に達していないので、オン検出判定されることはない。
図示は省略するが、払出モータ60が1ステップ2.50msecの速度で回転する場合には、スイッチHレベルカウンタデータが“4”に達する間、スイッチのオン状態が継続していると、オン検出判定されるように設定されている。スイッチのサンプリングはこの場合にも上記と同様に1.25msecであるため、オン検出判定されるためには、スイッチのオン期間が5.00msec間(1.25msec×4ステップ間)継続することが必要となる。同様に、払出モータ60が1ステップ5.00msecの速度で回転する場合には、スイッチHレベルカウンタデータが“8”に達する間、スイッチのオン状態が継続しているとオン検出判定されるように設定されている。スイッチのサンプリングはこの場合にも上記と同様に1.25msecであるため、オン検出判定されるためには、スイッチのオン期間が10.00msec間(1.25msec×8ステップ間)継続することが必要となる。
このように払出モータの回転動作を検出する検出判定時間を払出モータの回転速度に応じて変化させることにより、払出モータが低速で回転している場合であって、スプロケットのバックラッシュにより払出モータ位置検出スイッチ61にチャタリングが発生しても、検出判定の所定時間継続してスイッチ61がオンしなければ、払出モータが回転動作したとは判定されないので、払出モータ動作の誤検出を防止することができる。また、払出モータの回転速度にかかわらず、払出処理の開始時から、回転する払出モータの略一定の位置でオン検出することができるので、繰り返される回転動作の検出に対して安定した確実な検出を行なうことができる。
具体的には、払出モータが1ステップ1.25msecの速度で回転する場合、オン検出判定されるためには(スイッチHレベルカウンタデータが“2”に達するには)少なくともスイッチのオン期間が1.25msec継続していることが必要であり、この場合には払出モータが払出処理を開始してから、即ち、回転動作を開始してから略1ステップ後にオン検出される。また、払出モータが1ステップ2.50msecの速度で回転する場合、オン検出判定されるためには(スイッチHレベルカウンタデータが“4”に達するには)少なくともスイッチのオン期間が3.75msec継続していることが必要であり、この場合には払出モータが払出処理を開始してから、即ち、回転動作を開始してから略1.5ステップ後にオン検出される。払出モータが1ステップ5.00msecの速度で回転する場合、オン検出判定されるためには(スイッチHレベルカウンタデータが“8”に達するには)少なくともスイッチのオン期間が8.75msec継続していることが必要であり、この場合には払出モータが払出処理を開始してから、即ち、回転動作を開始してから略1.75ステップ後にオン検出される。つまり、いずれの回転速度の場合にも、払出モータが回転動作を開始してから1ステップ差以内の位置でオン検出することができる。但し、実際のオン検出処理では、払出モータのいずれの回転速度の場合も、払出モータが回転動作を開始してから2ステップ後にオン検出されるように制御されている。
図7は、本発明に係るパチンコ機の制御部の主な構成を示すブロック図の一形態である。
制御部は、遊技の主な制御を司っている主制御部40と、主制御部40からの制御コマンドに基づいて制御されている演出制御部41、及び払出制御部45とから構成されている。演出制御部41は、主制御部40から送信された制御コマンドの解析を行ない図柄・音声制御部42、表示灯43等の制御を行っている。図柄・音声制御部42は、演出制御部41からの制御コマンドに基づいて演出図柄(デモ図柄)に関する表示部(画像表示装置)2の制御、及びスピーカ44の制御を行なっている。また、払出制御部45は、主制御部40から送信された制御コマンドの解析を行ない、遊技球の払出装置46、発射装置47、球貸出装置(CRユニット)16の制御を行なっている。各制御部は、ROMとRAMを備えたCPUからなり、ROMには各制御プログラム及び各種演出図柄データ等が書き込まれ、RAMはデータの書き込みおよび読み出し領域として使用されている。
主制御部40には、始動入賞口10へ入賞した入賞球を検出するための始動入賞スイッチ50と、大入賞口3へ入賞した入賞球数を検出するカウントスイッチ51と、一般入賞口11へ入賞した入賞球を検出するための入賞口スイッチ52が接続されている。また、大入賞口3内には大入賞口の開閉動作を継続するためのV入賞ゾーンが設けられており、V入賞ゾーンへ入賞した入賞球を検出するためのVスイッチ53も主制御部40に接続されている。さらに、主制御部40には、始動入賞口10に設けられた可動部材としての電動チューリップを開閉させるための始動入賞口ソレノイド55と、大入賞口3を開閉させるための大入賞口ソレノイド56が接続されている。また、パチンコ機1の遊技進行状態を示す情報をホールコンピュータへ出力するために、主制御部40には盤用外部端子57が接続されている。
ハンドル15操作によって発射装置47から打ち出された遊技球が始動入賞口10へ入賞すると、その遊技球は始動入賞口10に設けられた始動入賞スイッチ50によって検出される。始動入賞スイッチ50の検出信号は、始動入賞信号として主制御部40に入力される。主制御部40は、この始動入賞信号の入力に基づいて、その遊技球の入賞に対する演出図柄の変動表示を画像表示装置2に開始すると共に、乱数の抽選処理を行ない、演出図柄変動表示の当たり/はずれを決定する。
主制御部40は、決定された演出図柄変動表示の態様(当たり/はずれ)に基づいて、変動のモード(通常変動、時短1変動、時短2変動)、リーチ変動、当たりの場合にはノーマル当たり/確変当たり等の情報を含む変動パターンを、変動パターンコマンドとして演出制御部41に送信する。また、主制御部40は、はずれを示す情報、または当たり及びその種類(例えば、確率変動を伴う当たり、単発の当たり、大当たり、中当たり、小当たりのいずれであるか)を示す情報である特別演出図柄情報を指定して図柄指定コマンドとして演出制御部41に送信する。ここで確率変動を伴う当たりとは、当たり遊技終了後の当たり抽選遊技の確率が、通常時と変えて設定(例えば、通常の当たり確率より高く設定)される当たりのことをいう。また、単発の当たりとは、当たり遊技終了後の当たり抽選遊技の確率が通常の当たり確率に設定される当たりのことをいう。また、大当たり、中当たり、小当たりとは、それぞれ賞球獲得数が異なる当たりのことをいう。
演出制御部41は、主制御部40から変動パターンコマンドを受信することにより始動入賞口10への遊技球の入賞を検出している。演出制御部41はこの検出に基づいて、変動パターンコマンドを図柄・音声制御部42に送信している。そして、図柄・音声制御部42は、この変動パターンコマンドに基づいて画像表示装置2に演出図柄の変動表示を行い、スピーカ44から演出音声を出力している。
図8は、図7に示すブロック図のうち、払出制御部45の詳しい構成を示す図の一形態である。
発射装置47には、払出制御部45に球貸出装置16が接続されている状態であることを表わす遊技球貸出装置接続信号が送信される。この信号の受信により発射装置47の機能が有効となる。払出装置46には、その駆動源である払出モータ60と、払出モータ60の位置(1個の払出球を排出するための動作回数に相当する)を検出するための払出モータ位置検出スイッチ61が設けられている。払出制御部45から払出モータ60へ払出駆動信号が送出されることで払出モータ60が駆動を開始し、この払出モータ60の駆動状態が払出モータ位置検出スイッチ61によって検出され、その結果を払出制御部45へフィードバックしている。また、払出制御部45には、払出経路を流動する払出球が球切れであることを検出する払出路球切スイッチ62と、球皿部13が満タン状態になっていることを検出する満タンスイッチ63と、払出装置46から実際に払い出された払出球を検出する払出計数スイッチ32が接続されている。
球貸出装置16は、パチンコ機1とは別に設置されるものであり、互いの通信プロトコルを確立するために、球貸出装置16から払出制御部45に対して、球貸出装置16の電源投入状態を判別するための電源+18V信号、貸出装置16に搭載されたカードユニットのレディー状態を示すカードユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号を送信している。これに対して貸出制御部45から球貸出装置16ヘは、台端末貸出完了信号、台READY信号が送信されている。
払出制御部45は、主制御部40からのコマンドに基づいて賞球、貸出し等の制御を行なっているが、その制御結果の応答信号として、例えば、球皿部13が満タンになったことを知らせる満タン状態信号を主制御部40へ送信している。その結果、例えば、主制御部40から演出制御部41へコマンドが送信され、その満タンである旨が、スピーカ44、画像表示装置2、表示灯43等によって報知される。さらに、図示は省略するが、払出制御部45は、この他、払出路が球切れ状態であることを知らせる払出路球切れ状態信号、払い出しにエラーが発生した場合にはその旨を知らせる払出エラー信号を主制御部40へ送信し、払出計数スイッチ32によって計数された払出球の計数信号も主制御部40へ送信している。この場合、これらの信号に基づき主制御部40でも払出管理を行なうようにしてもよい。
また、払出制御部45は、払出制御部に設けられた状態表示灯の制御を行なっている。遊技球等の球貸出装置16が接続されていないとき遊技球等貸出装置未接続状態表示灯を点灯あるいは点滅等させ、払出球にエラーが発生したとき払出エラー状態表示灯を点灯/点滅等させ、払出路が球切れ状態になったとき払出路球切れ状態表示灯を点灯/点滅等させ、電源が供給されているとき電源表示灯を点灯させる制御を行なっている。さらに、これらの表示灯に対応してパチンコ機1の枠左側あるいは枠右側に設けられている枠左状態表示灯65あるいは枠右状態表示灯66の制御を行なっている。
また、払出制御部45には、賞球、貸出球の払い出し制御を行なうため、制御に関連する球数を記憶するための複数のカウンタが設けられている。具体的には、遊技者の獲得した遊技球数、即ち、遊技者に対して払い出すべき球数(例えば、賞球、貸出球等)が記憶される“賞球総数カウンタ”75、払い出し個数の1単位が記憶される“払出数カウンタ”76、払出モータの動作回数が記憶される“払出モータの動作回数カウンタ”77、及び払出球数の不足数が記憶される“不足カウンタ”78が設けられている。
また、払出制御部45には、各制御部に必要な電源を供給する電源部67が接続されている。電源部67から払出制御部45へは、RAMクリア信号、電源断検出信号が送信され得る。電源部67に設けられているRAMクリアスイッチが操作されると、その旨を表わすRAMクリア信号が電源部67から払出制御部45へ送信される。さらに、電源部67から供給している電源の遮断を検出した場合、その旨を示す電源断検出信号が電源部67から払出制御部45へ送信されている。
払出装置46による球の払い出し動作には、主制御部40から受信したコマンドを解析して、記憶した獲得遊技球分の賞球を払い出す賞球払出制御による動作と、球貸出装置16から信号を受けて、遊技者の要求する貸出球を払い出す球貸払出制御による動作とがある。以下、これらの払出制御について詳述する。
先ず、賞球払出制御には、主制御部40から受信したコマンドを解析する処理と、獲得遊技球数分の賞球を払い出す基本賞球払出処理と、賞球の払出リトライ処理と、主制御部40から送信された払出状態を設定する処理と、払出動作の停止処理と、払出動作の再開処理がある。
(1)受信したコマンドの解析処理
払出制御部45は、主制御部40から送信されるコマンドデータを受信し、そのコマンドデータを解析して、獲得遊技球数の記憶及び指定された状態の設定を行なう。具体的には、払出制御部45は、図9に示すような種類のコマンド70を受信する。コマンド70は、MODEデータ1バイトとEVENTデータ1バイトの合計2バイトのコマンドからなる。コマンドには、払出個数を指示するデータ15種類(MODE 80H、EVENT 01H〜0FH)と、払出状態を設定するデータ1種類(MODE 90H、EVENT 20H)とがある。MODE 80Hの受信により賞球系のコマンドであることが判別でき、MODE 90Hの受信により電源投入系のコマンドであることが判別できる。
例えば、遊技球が大入賞口3に入賞した場合、その賞球数は15個であるため、主制御部40から払出制御部45に払出個数(15個)を指定するコマンド(80H、0FH)が送信される。払出制御部45は、このコマンド(80H、0FH)を受信すると払出個数(15個)をRAM上に設けられた2バイト長(0〜65535)の獲得遊技球数に加算して記憶する。払出装置46から払い出される1回分の賞球数は、予め所定数(例えば、最大20球)に設定されており、次の入賞に基づく払出個数指定コマンドを受信する前に、それまでの払出処理が完了したときは、そのときに記憶している賞球数を払い出す。これに対して、上記記憶した15個の賞球の払出処理の前に、次の入賞に基づく払出個数指定コマンドを受信したときは、そのコマンドで指定された払出個数を獲得遊技球数に加算記憶して行く。そして、払出処理時に獲得遊技球数が20球を超えていた場合には最大払出球数である20球を払い出す。
また、払出制御部45は、払出状態を設定するコマンド(90H、20H)を主制御部40から受信すると、電源投入時に設定された払出禁止状態を解除して払い出しを可能とする状態に設定する。これが賞球払出制御の主制御部40から送信された払出状態を設定する処理に相当する。
(2)基本賞球払出処理
図10は、基本賞球払出処理のタイミングチャートの一形態を示す。主制御部40からのコマンドを受信して、獲得した遊技球数が、払出制御部45に設けられた“賞球総数カウンタ”75に記憶されると、払い出し個数の1単位として所定数N個が、払出制御部45に設けられている“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定される。この形態ではNの最大個数は20個に設定されており、払出時点において賞球総数カウンタ75に記憶されている獲得遊技球数が20個以下であれば、その記憶されているカウント値と同数の値がカウント値として(払い出し個数の1単位として)“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定される。一方、獲得遊技球数が20個を超えているときは、最大個数である20個が、払い出し個数の1単位として設定される。
そして先ず、払出制御部45の制御(払出駆動信号)により払出モータ60が1ステップ2.500msecの速度で正転方向に駆動される。次に、払出モータ位置検出スイッチ61の1回目のオフからオンのエッジを確認した時点より、払出モータの速度を1ステップ1.250msecに設定する。払出モータ位置検出スイッチのオフからオンのエッジを初回を含めてN回検出した後に、その時のモータの励磁状態を所定時間(例えば、300msec)保持する。図10に示す形態では、N=4に設定され、4回のオンエッジが検出された後に、正転方向に駆動されている払出モータの励磁を保持、即ち、正転しようとしている払出モータの回転を強制的にロックし、停止させた状態にしている。この一連の制御が1単位の賞球払い出し動作となる。励磁保持時間の経過後に、次の払い出しがない場合(獲得遊技球数がない場合)には、払出モータを停止させる。払出モータ位置検出スイッチ61による払出モータの回転動作検出は、この形態のようにオフからオンのエッジを検出する手段もあるが、前述した(図4から図6で説明した)ように所定時間のオン期間を検出する手段であってもよい(以下の説明でも同様とする)。払出モータの回転速度に応じて、モータが動作したことを判定する継続オン期間を変化させ、スプロケットのバックラッシュを要因とするモータ動作の誤検出を防止する。
払出モータ60によって駆動されるスプロケット29(図3)には、その周面に凹部30がそれぞれ32ステップ間隔で設けられている。従って、払出モータ60が32ステップ駆動される毎に凹部30に収容された払出球は、1個ずつ送出されることになる。また、払出モータ60が32ステップ駆動される毎に“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定されたカウント値が1カウントずつ減少される。スプロケット29によって実際に送出された払出球は、払出計数スイッチ32により検出される。従って、スプロケット29により不足無く払出球が送出された場合には、払出モータの動作回数カウンタ77の減少したカウント値数と、払出モータ位置検出スイッチ61によって検出された数を示すオンエッジ数(前述した形態の場合は所定時間のオン期間数)と、払出計数スイッチ32によって検出された払出球数を示すオンエッジ数とは同数となる。
図10では、不足無く正常に4球の払出球が払い出されており、払出モータ位置検出スイッチ61により検出された4個のオンエッジに対応して、払出計数スイッチ32によって4個の払出球が検出されている。払出計数スイッチ32によって4球検出されたことにより“賞球総数カウンタ”75のカウント値は4カウント減少される。また、300msecの励磁保持の後に払出モータが停止しており、獲得遊技球数の記憶が4球であったことを示している。尚、記憶した獲得遊技球数が残っている場合には、300msecの励磁保持の後に払出モータを停止させずに一連の1単位の賞球払い出し動作(A期間の処理)を繰り返す。
(3)賞球の払出リトライ処理
賞球の払出リトライ処理は、異常払出処理が発生したときに行なわれる処理であり、(i)1単位の賞球払い出し動作を行なっても、払出計数スイッチ32による検出数が正常でなく(不足払出数が発生し)、その不足個数を加算した累計が予め定められた所定数(例えば、20個)以上になった場合に行なう払出機構障害時の処理、(ii)払出モータ60の回転中に、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジが48ステップ間、確認できなかった場合に行なうスリットエラー処理、(iii)前記スリットエラー処理を行なってもスリット復帰しなかった場合に行なうモータエラー時の処理がある。
(i)払出機構障害時の処理
図11は、払出機構障害時の処理のタイミングチャートの一形態を示す。1単位の賞球払い出し動作(基本賞球払出処理)を行ない、払い出し不足球が発生した場合、即ち、“払出モータの動作回数カウンタ”77のカウント数と払出計数スイッチ32によって検出された払出球数とに差が生じた場合には、その不足分の球数が、払出制御部45に設けられている“不足カウンタ”78に加算されていく。そして、その累積加算球数が所定数(例えば、20個)に達した場合には、基本賞球払出処理(B期間の処理)が終了した後、5secの停止時間が確保され、その後にエラー時払出処理が開始される。エラー時払出処理においてその払出処理を正常に行なうことができたと確認できた場合には、払出装置の機構的には障害はないと判別し、その後、通常の払い出しに戻って基本賞球払出処理を再開する。尚、エラー時払出処理において正常な払出処理を確認できない場合には、再度、5secの停止時間が確保された後にエラー時払出処理(合わせて“払出機構障害時の処理”という)が繰り返される。これにより、賞球(払い出し)不足によるエラー処理回数を減らし、且つ、不足分の賞球の払い出しを確実に行なうことができる。
図11に示す基本賞球払出処理(B期間の処理)では、払出モータ位置検出スイッチ61によって2回のオンエッジが検出されているため、2個の賞球を払い出す旨の払出駆動信号が払出制御部45から払出装置46に送信されている。この場合、“払出数カウンタ”76には“2”の値がセットされる。払出モータ60が駆動される毎に“払出モータの動作回数カウンタ”77のカウント値がデクリメントされ、払出計数スイッチ32が払出球を検出する毎に“払出数カウンタ”76のカウント値がデクリメントされる。そして、“払出モータの動作回数カウンタ”77のカウント値が“0”まで達すると払出モータの駆動が停止し、払出処理が終了する。1回の基本賞球払出処理が終了すると、“払出モータの動作回数カウンタ”77の減算数(ここでは払い出すべき払出球である2カウント)と払出計数スイッチ32によって検出された実際の払出球数(“払出数カウンタ”76のカウント値の変化)とが対比され、その数に差が生じた場合には、その差の球数分が“不足カウンタ”78に累積加算される。
尚、払出数カウンタ”76のカウント値の変化は、例えば、払出計数スイッチ32が払出球を検出する毎にインクリメントさせるようにしてもよい。2個の賞球を払い出す旨の払出駆動信号の送信に基づいて“払出数カウンタ”76に“0”の値をセットし、払出計数スイッチ32が払出球を検出する毎にインクリメントする。払出処理が終了したら、払い出すべき払出球である2カウントと“払出数カウンタ”76のカウント値の変化とを対比して、その数に差が生じた場合に、その差の球数分を“不足カウンタ”78に累積加算するようにしてもよい。
図11では、払出モータ60の動作回数が2回であるため、正常の払出処理が行なわれた場合には、払出計数スイッチ32によって2個の払出球の検出が行なわれなければならない。しかしながら、その払い出されるべき2個の賞球のオンエッジ(破線で示すパルス80、81のオンエッジ)は検出されていない。従って、この場合その差の球数分である2球が不足球数として“不足カウンタ”78に加算される。不足球数の加算は、定められたある初期値(例えば、“0”)に対して累積されていく。そして、この加算後の累積球数が20個に達したとき図に示すように5secの停止時間が確保された後エラー時払出処理が行なわれる。
但し、加算後の累積球数が20個に達していないときは、払出機構障害時の処理は行なわれず、次の基本賞球払出処理が引き続き行なわれる。次の基本賞球払出処理では、新たな遊技球が獲得されていなければ、今回の基本賞球払出処理(ここでは図8に示す処理)と同様に、獲得遊技球数として“賞球総数カウンタ”75に記憶されている2球が払出球数として“払出数カウンタ”76にセットされる。そして、次の基本賞球払出処理においても払出不足球数が発生した場合には、その球数分が“不足カウンタ”78に加算される。今回の基本賞球払出処理(ここでは図8に示す処理)で2球が不足球数として“不足カウンタ”78に加算されているので、今回の基本賞球払出処理までの“不足カウンタ”78の値が、例えば、2球であったとすれば、次の基本賞球払出処理における払出不足球数、例えば、また2球の払出不足球数があったとすれば、その2球が加算され“不足カウンタ”78の値は4球となる。
同様にして、加算後の累積球数が20個に達しない限りは基本賞球払出処理が繰り返される。そして、累積球数が20個に達した時点で払出機構障害時の処理が行なわれる。もっとも、繰り返し行なわれる基本賞球払出処理の中で不足球なく正常な払出処理が行なわれた場合、即ち、払出制御部45から送信された払出駆動信号の球数を不足なく払出装置46によって払い出された場合には、その時点で払出装置の機構に障害はないと判断され、それまで記憶されていた“不足カウンタ”78の累積球数は、初期値にセット(例えば、0(ゼロ)にクリア)される。これにより、賞球(払い出し)不足によるエラー処理回数を減らし、且つ、不足分の賞球の払い出しを確実に行なうことができる。
また、加算後の累積球数が20個に達していないときであって、次の基本賞球払出処理までに新たな遊技球が獲得された場合、例えば、10球の獲得遊技球数があった場合には、その遊技球数が“賞球総数カウンタ”75に加算され、その総数はそれまでに記憶されていた球数(2球)と合わせて12球となる。従って、次の基本賞球払出処理では、その12球(Nの最大個数(20個)以下)が払出球数として“払出数カウンタ”76にセットされる。そして、上記と同様に、次の基本賞球払出処理においても払出不足球数が発生した場合には、その球数分が“不足カウンタ”78に加算される。尚、不足球数の累積は、初期値に対して加算される手段に限定されるものではなく、例えば、初期値を“20”として、生じた不足球数をその初期値から順次減算して行き、その累積が20個に達した時点、即ち、“0”になった時点で払出機構障害時の処理を行なうようにしてもよい。
また、例えば、それまでの獲得遊技球数(賞球総数カウンタ75の値)が、100球記憶されていた場合には以下のような処理となる。次の基本賞球払出処理では20個の賞球を払い出す旨の払出駆動信号が払出制御部45から払出装置46に送信される。この場合、“払出数カウンタ”76には20の値がセットされる。そして、払出モータ60が駆動される毎に“払出モータの動作回数カウンタ”77のカウント値がデクリメントされ、そのカウント値が20まで達すると払出モータの駆動が停止される。1回の基本賞球払出処理が終了すると、“払出モータの動作回数カウンタ”77の減算数(ここでは払い出すべき払出球である20カウント)と払出計数スイッチ32によって検出された実際の払出球数とが対比され、その数に差が生じた場合には、その差の球数分が“不足カウンタ”78に累積加算される。その累積球数が20個に達していなければ、次の基本賞球払出処理が継続される。そして、累積球数が20個に達した時点で払出機構障害時の処理が行なわれる。繰り返し行なわれる基本賞球払出処理の中で不足球なく正常な払出処理が行なわれた場合、その時点で“不足カウンタ”78の累積球数が0(ゼロ)にクリアさせる点は同様である。
次に、エラー時払出処理について説明する。図12は、エラー時の払出処理のタイミングチャートの一形態を示す。
エラー時の払出処理では、払い出し個数の1単位の数として、予め定められた所定数が設定される。この所定数は、エラー状態が継続して払出機構障害時の処理が繰り返された場合にも、払い出され得る球数を少なくするため、予め定められた所定の賞球払出数(上述した、例えば20個)よりも少ない球数に設定される。そして、その設定された球数が賞球総数カウンタ75のカウント値以下の数であれば、設定された球数が“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77にカウント値として設定される。一方、設定された球数が賞球総数カウンタ75のカウント値よりも大きい数であれば、賞球総数カウンタ75のカウント値が“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77にカウント値として設定される。
これにより、この払出数カウンタ76のカウント値に応じた払出駆動信号に基づく賞球の払い出し処理が行なわれる。この形態では、N=2個が予め定められた所定の払い出し個数として“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定される。但し、その時点で獲得遊技球数が1個しか記憶されていない場合には、“払出モータの動作回数カウンタ”77には1個が設定される。そして、払出モータ60が1ステップ5msecの速度で正転方向に駆動され、賞球払出処理が行なわれる。払出モータ位置検出スイッチのオフからオンのエッジをN回(図9では2回)検出した後に、その時のモータの励磁状態を所定時間(例えば、300msec)保持する。
この形態の払出装置46は、図2、図3で説明したように、1個のスプロケット29の前部と背部とにそれぞれ凹部30を備え、又、それぞれの凹部に球を誘導する2個の通路を有するものである。そして、スプロケットの周面に設けられた凹部30の互いの位置が、球を送出す方向に対して対向する同じ位置ではなく、ずれた位置に設けられ、前部と背部から交互に球が払い出される構成となる。このような構成の場合、N=2個を設定し、スプロケットに形成された凹部の位置(“前部”と“背部”の2箇所)の数、又は球の誘導通路の数に対応する、最低2個の球の払い出し(それぞれの凹部および誘導通路から少なくとも1個の球の払い出し)動作を行ない、その払い出しによって正常な払い出しが行なわれた場合には払出装置の機構には障害がないと判断している。このような処理を行なうことによって球の払出速度を高めている。但し、球の払出個数は、払出装置の形態、即ち、スプロケットの数、凹部の位置の数、又は球の誘導通路の数に対応するものであればよい。つまり、スプロケット、凹部の位置、及び通路の数が1個の払出装置であれば、N=1個が、また、スプロケット、凹部の位置、及び通路の数が3個の払出装置であれば、N=3個が予め定められた所定の払い出し個数として“払出数カウンタ”76及び“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定され、最低その個数の球の払い出しが行なわれればよい。
エラー時払出処理において、1回の賞球払出処理を行ない、払い出し不足球が発生した場合、即ち、“払出モータの動作回数カウンタ”77の減算数と払出計数スイッチ32によって検出された払出球数とに差が生じた場合には、エラーが継続している状態であると判断し、払出機構障害時の処理(5secの停止時間後エラー時払出処理)を繰り返す。一方、払い出し不足球が発生していない場合には、払い出しの機構的には障害がない、即ち、エラー状態は解消していると判断し、励磁保持時間の経過後に基本賞球払出処理に移行する。尚、エラー時払出処理で、払い出し個数の1単位である所定数をN=2個とすることにより、エラー状態が継続して払出機構障害時の処理が繰り返された場合にも、払い出され得る球数をできる限り少なくすることができる。
これにより、“不足カウンタ”78の累積球数が20個に達して一旦は払出処理にエラーが発生したと判断された場合であっても、その判断後に行なわれる払出機構障害時の処理で正常な払い出しが行なわれれば、その時点で基本賞球払出処理に復帰するので、賞球の払出不足が生じた時でもその不足払出が一時的なものであれば、より早く通常の払出処理に復帰できるので払出不足時における払出速度の低下を防ぐことができる。図12に示すタイミングチャートの形態は、エラー時払出処理において正常な払い出しが行なわれた場合を示している。即ち、N=2に設定され2回の払出モータ60の動作に対して、払出モータ位置検出スイッチ61により2回のオンエッジが検出され、払出計数スイッチ32によって2個の払出球の検出が行なわれている。従って、この場合、払い出しの機構的には障害がない、即ち、エラー状態は解消していると判断され、励磁保持時間82の経過後に基本賞球払出処理が開始される。
(ii)スリットエラー処理、
図13は、スリットエラー時の処理のタイミングチャートの一形態を示す。基本賞球払出処理を行ない、払出モータの回転中に、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジが48ステップ間(1個の球を払い出す為の払出モータのステップ数は32ステップ、払出モータの1周は6×32=192ステップ)、確認できなかった場合には、払出処理にエラーが発生したと判断してスリットエラーの処理を開始する。図13に示す破線のパルス83は、通常状態であれば検出されるパルスを示す。前述したように、基本賞球払出処理における払出モータの駆動速度は、例えば、1ステップ2.500msecあるいは1ステップ1.250msecに設定される(図10参照)。従って、この場合の48ステップとは、120msecあるいは60msecになる。
スリットエラー処理では、先ず、その時点での払出モータの励磁状態が300msec保持される。300msec経過後、1ステップ5msecの速度で払出モータが逆転方向に4ステップ駆動され、次にその逆転駆動の励磁状態が300msec保持される。この逆転方向駆動により、例えば、賞球の球噛み等を解除することができる。そして、払出モータが500msec間、停止された後、上述したエラー時の払出処理が行なわれる。エラー時払出処理において、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジ84が検出された場合には、その時点でエラー状態が解消したと判断されエラー復帰となり、そのエラー時払出処理の終了後、基本賞球払出処理が行なわれる。図10は、オンエッジ84が示されるように、エラー状態が解消したときのタイミングチャートを表わしている。
尚、エラー時払出処理において、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジが48ステップ間、確認できなかった場合は、スリットエラー処理を繰り返す。但し、スリットエラー処理を3回繰返しても払出モータ位置検出スイッチのオフからオンのエッジが検出できなかった場合には、以下に示すモータエラー時の処理に移行する。
(iii)モータエラー処理、
図14は、モータエラー時の処理のタイミングチャートの一形態を示す。モータエラー処理は、基本的にはスリットエラー処理と同様の処理である。先ず、その時点での払出モータの励磁状態が300msec保持された後、1ステップ5msecの速度で払出モータが逆転方向に4ステップ駆動され、続いてその逆転駆動の励磁状態が300msec保持される。そして、次に、モータエラー処理では、払出モータが5sec間、停止された後、上述したエラー時の払出処理が行なわれる。
エラー時払出処理では、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジ85が検出された場合には、その時点でエラー状態が解消したと判断されエラー復帰となり、そのエラー時払出処理の終了後、基本賞球払出処理が行なわれる。図14は、オンエッジ85が示されるように、エラー状態が解消したときのタイミングチャートを表わしている。一方、エラー時払出処理において、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジが48ステップ間、確認できなかった場合は、モータエラー処理を繰り返す。
(4)払出動作の停止処理
払出制御部45によって図15に示す条件1から4の状態が確認された場合には、賞球の払出動作が停止される。条件1にいう払出路球切れ状態とは、賞球の払出路に設けられている払出路球切れスイッチ62のオフ期間、例えば、受入部26a(図2、図3参照)を賞球が流動してこない期間が300msec以上継続したときに発生する状態である。条件2にいう満タン状態とは、球皿部13に設けられている満タンスイッチのオン期間、例えば、球皿部に払い出され貯留された賞球(遊技球)が満タンになった期間が200msec以上継続したときに発生する状態である。条件3にいう払出計数スイッチ異常状態とは、図3(b)に示す位置に設けられている払出計数スイッチ32のオン期間、例えば、払出計数スイッチよりも下流の払出路に賞球が停留し流動しないでスイッチがオンしたままの期間が200msec以上継続したときに発生する状態である。条件4にいう電源未投入状態とは、主制御部40からの電源が投入された旨を示すコマンドが、払出制御部45によって未受信のときに発生する状態である。
賞球の1単位N個分の払出動作、即ち、1回の基本賞球払出処理が開始されると、その払出処理は、上記条件1から条件3の状態であるか否かに拘わらず、その1単位N個分の払出動作が完了するまで継続する。そして、1単位N個分の払出動作が完了した後は、上記条件1から条件4のいずれかの状態が成立していると、新たな払出動作は行なわれず賞球の払出動作は停止され、報知手段(例えば、状態表示灯の点灯、点滅等)によってエラー状態の発生している旨が報知される。尚、条件4の状態が成立している場合には、賞球の1単位N個分の払出動作中であってもその払出動作は停止される。しかし、電源未投入状態(コマンド未受信状態)であれば払出動作が開始されることはないので、条件4で払出動作が停止されるのは電源復帰時の場合のみとなる。
(5)払出動作の再開処理
払出動作の停止処理状態において、図16に示す条件1から条件4の状態が全て成立した場合には、賞球の払出処理が再開される。条件1にいう払出路球切れ解除状態とは、払出路球切れスイッチのオン期間、例えば、受入部26aに貯留された賞球によって払出路球切れスイッチがオンされている期間が300msec以上継続したときに発生する状態である。条件2にいう満タン解除状態とは、球皿部13に設けられている満タンスイッチのオフ期間、例えば、満タンであった球皿部の賞球(遊技球)が満タンではない状態となりその期間が1sec以上継続したときに発生する状態である。条件3にいう払出計数スイッチ異常解除状態とは、図3に示す位置に設けられている払出計数スイッチ32のオフ期間が3sec以上継続したときに発生する状態である。条件4にいう電源投入状態とは、主制御部40からの電源が投入された旨を示すコマンドを払出制御部45が受信したときに発生する状態である。
次に、球貸払出制御には、球貸出装置16から信号を受信して1回の貸出分であるN個(例えば、25個)の貸出球を払い出す基本球貸払出処理と、球貸しの払出リトライ処理と、主制御部40から送信された各状態の設定による払出動作の停止処理と、払出動作の再開処理がある。
(1)基本球貸払出処理
図17は、基本球貸払出処理のタイミングチャートの一形態を示す。払出装置46は、払出制御部45を介して、球貸出装置16からのカードユニットREADY信号(図8参照)及び台端末貸出要求完了確認信号のオンを受信すると、台端末貸出完了信号のオンを払出制御部45を介して球貸出装置16へ送信する。その後、払出制御部45は、台端末貸出要求完了確認信号を受信すると、1ステップ2.500msecの速度で払出モータ60を正転方向に駆動させる。払出モータ位置検出スイッチ61の1回目のオフからオンのエッジを確認すると、今度は、払出モータ60を1ステップ1.250msecの速度で駆動させる。払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジを初回を含めて25回検出した後に、その時のモータの励磁状態を所定時間(例えば、300msec)保持する。図17に示す形態では、N=25に設定され、25回のオンエッジが検出された後に、正転方向に駆動されている払出モータの励磁を保持、即ち、正転しようとしている払出モータの回転を強制的にロックし、停止させた状態にしている。この一連の制御が1単位の貸出球払い出し動作となる。
前述した賞球払出処理の場合と同様に、払出モータ60によってスプロケット29(図3)が駆動され、凹部30収容されている払出球が1個ずつ送出される。また、払出モータ60が駆動される毎に“払出モータの動作回数カウンタ”77に設定されたカウント値が1カウントずつ減少する。スプロケット29によって実際に送出された払出球は、払出計数スイッチ32により検出される。従って、スプロケット29により不足無く払出球が送出された場合には、払出モータの動作回数カウンタ77の減少したカウント値数と、払出モータ位置検出スイッチ61によって検出された数を示すオンエッジ数と、払出計数スイッチ32によって検出された払出球数を示すオンエッジ数とは同数となる。不足無く正常に払い出しが行なわれた場合には、払出制御部45は、払出モータを停止させると共に、台端末貸出完了信号のオフを球貸出装置16に送信する。
図17では、不足無く定常に25球の払出球が払い出されており、払出モータ位置検出スイッチ61により検出された25個のオンエッジに対応して、払出計数スイッチ32によって25個の払出球が検出されている。払出計数スイッチ32によって25球の検出されたことにより“賞球総数カウンタ”75のカウント値は25カウント減少される。但し、連続して貸出し要求がある場合には、球貸出装置16からの台端末貸出要求完了確認信号のオンを受信し、次の一連の1単位の球貸払い出し動作(C期間の処理)を行なう。貸出し要求がない場合には、球貸出装置からのカードユニットREADY信号のオフを受信し球貸払出処理を終了する。
(2)球貸しの払出リトライ処理
球貸しの払出リトライ処理は、異常払出処理が発生したときに行なわれる処理であり、前述した賞球の払出処理における賞球の払出リトライ処理と同様の処理内容である。その概要は、(i)1単位の球貸払い出し動作を行なっても、払出計数スイッチ32による検出数が正常でなく(不足払出数が発生し)、その不足個数を加算した累計が予め定められた所定数(例えば、20個)以上になった場合に行なう払出機構障害時の処理、(ii)払出モータ60の回転中に、払出モータ位置検出スイッチ61のオフからオンのエッジが48ステップ間、確認できなかった場合に行なうスリットエラー処理、(iii)前記スリットエラー処理を行なってもスリット復帰しなかった場合に行なうモータエラー時の処理であり、詳細は賞球の払出リトライ処理を参照する。
る。
(3)払出動作の停止処理
払出制御部45によって図18に示す条件1から7の状態が確認された場合には、球貸しの払出動作が停止される。条件1から条件4にいう状態とは、前記賞球の払出動作で説明した状態(図15の条件1から条件4にいう状態)と同様である。条件5にいう払出ケース異常状態とは、払出機構障害が発生している状態、即ち、賞球の1単位N個分の払出動作を行ない、払出計数スイッチによって計数された不足払出個数の累計が、例えば20個以上になった場合に行なわれる処理が継続している状態である。条件6にいう払出モータ異常状態とは、払出モータエラーが発生している状態、即ち、スリットエラーの処理を行なってもスリット復帰しなかった場合に行なわれる処理(モータエラー時の処理)が継続している状態である。条件7にいう賞球払出残数有り状態とは、未だ払い出されるべき賞球が残っている状態、例えば、何らかのエラー状態が発生して賞球の払い出しが停止し未払出賞球が残っている状態である。
貸出球の1単位25個分の払出動作、即ち、1回の基本球貸払出処理が開始されると、先ず、上記条件1から条件3及び条件5から条件7の状態であるか否かに拘わらず、その1単位25個分の払出動作を完了するまで継続する。そして、1単位25個分の払出動作が完了した後は、上記条件1から条件7のいずれかの状態が成立していれば、新たな払出動作を行なわず球貸しの払出動作を停止する。尚、条件4の状態については、貸出球の1単位25個分の払出動作中であってもその払出動作は停止される。しかし、電源未投入状態(コマンド未受信状態)であれば払出動作が開始されることはないので、条件4で払出動作が停止されるのは電源復帰時の場合のみとなる。
(4)払出動作の再開処理
払出動作の停止処理状態において、図19に示す条件1から条件7の状態が全て成立した場合には、賞球の払出処理が再開される。条件1から条件4にいう状態とは、前記賞球の払出動作で説明した状態(図16の条件1から条件4にいう状態)と同様である。条件5にいう払出ケース正常状態とは、払出機構障害時の処理において、正常な払出処理が確認でき払出機構障害状態が解除され状態である。条件6にいう払出モータ正常状態とは、モータエラー時の処理において、正常な払出処理が確認でき払出モータエラー状態が解除された状態である。条件7にいう賞球払出残数無し状態とは、例えば、エラー状態が解消して賞球が払い出され未払出賞球が残っていない状態である。
図20から図31は、本発明に係るパチンコ機の制御内容を示すフローチャートである。
図20は、払出制御部45におけるメイン処理を示すフローチャートである。
パチンコ機に電源が投入されると、スタックポインタの設定(ステップ90)、割込みモードの設定(ステップ91)、RAMアクセス許可(ステップ92)、内蔵デバイスレジスタの設定(ステップ93)、電源投入時のウエイト処理(ステップ94)等の各種初期設定が行なわれる。また、ステップ95においてRAMクリアスイッチの状態が判別され、オン状態であればステップ98に進みRAM領域が全クリアされる。一方、RAMクリアスイッチがオフ状態であればステップ96に進み電源断発生の情報は有効であるか否かの判別が行なわれる。電源断発生情報が有効でないと判別された場合にはステップ98に進みRAM領域が全クリアされる。
一方、有効であると判別された場合にはステップ97に進み、チェックサムは正常か否かの判別が行なわれる。チェックサムが正常でないと判別された場合にはステップ98に進みRAM領域が全クリアされる。一方、正常であると判別された場合にはステップ101に進み復帰時のデータをRAMに初期設定し、ステップ100に進む。ステップ98でRAMの全クリアが行なわれるとステップ99に進み、電源初期投入時のデータをRAMに初期設定し、ステップ100に進む。ステップ100においてカウンタタイマの割込み(1.25msec)初期設定が行なわれた後、出力処理(ステップ102)、入力処理(ステップ103)、タイマ処理(ステップ104)、コマンド処理(ステップ105)、カードユニット処理(ステップ106)、払出処理(ステップ107)、計数処理(ステップ108)、情報出力設定処理(ステップ109)、電断処理(ステップ110)の各サブルーチン処理が順次行なわれる。
図21に出力処理のフローチャートを示す。出力処理では、ステップ111において、各出力バッファを該当する出力ポートにセットする。例えば、モータの出力バッファをモータデータ出力ポートに出力する。次に、図22に入力処理のフローチャートを示す。入力処理では、スイッチの入力状態を検出している。ステップ112において、払出計数スイッチ32のオン/オフの状態を検出している。払出計数スイッチがオン、即ち、Highレベル状態のときは、ステップ113に進み、払出計数スイッチH時間カウンタを“1”加算してステップ115に進む。一方、払出計数スイッチがオフ、即ち、Lowレベル状態のときは、ステップ114に進み、払出計数スイッチH時間カウンタをクリアしてステップ115に進む。
タイマカウンタの割込み設定により、入力処理(ステップ102)は1.25msec毎に行なわれるので、払出計数スイッチH時間カウンタがクリアされず(ステップ114に進まず)、例えば、少なくとも“2”まで加算される(ステップ113に進んでいく)ためには、払出計数スイッチが1.25msec以上High状態になっていなければならない。この“2”とは後述する計数処理(ステップ108)の中で設定される値であるが、“2”と設定することにより払出計数スイッチを通過する払出球を確実にカウントすることができる。即ち、払出球が払出計数スイッチを通過した場合、少なくとも1.25msec以上は払出計数スイッチがHigh状態になりその通過を確実にカウントすることができる。また、ノイズ等による短い期間の払出計数スイッチのオンを排除することができる。
続いて、ステップ115において、払出モータ位置検出スイッチ61のオン/オフの状態を検出している。払出モータ位置検出スイッチがオン、即ち、Highレベル状態のときは、ステップ116に進み、スリットH時間カウンタを“1”加算してメインルーチン(図17)に戻る。一方、払出モータ位置検出スイッチがオフ、即ち、Lowレベル状態のときは、ステップ117に進み、スリットH時間カウンタをクリアしてメインルーチン(図17)に戻る。払出モータ位置検出スイッチ61の場合も前記払出計数スイッチ32と同様に確実な検出、この場合には確実な払出モータの回転を検出することができる。
図20に戻り、ステップ104のタイマ処理において、各タイマの時間設定あるいは設定した時間のカウント処理を行なっている。次に、ステップ105のコマンド処理において、主制御部40からのコマンドを受信している場合には、そのコマンド内容の解析処理を行なう。例えば、獲得遊技球のコマンドを受信している場合には、その獲得遊技球数が賞球総数カウンタ75に加算処理される。続いて、ステップ106のカードユニット処理において、貸出装置16から貸出球の要求があった場合には、その貸出処理が行なわれる。
図23に払出処理のフローチャートを示す。払出処理では、払出動作処理(ステップ120)と、払出開始処理(ステップ121)と、励磁処理(ステップ122)の処理が行なわれている。図24に払出動作処理のフローチャートを示す。ステップ125において、モータ処理モードの設定値の判別を行なう。ステップ125において、モータ処理モードが“00H”に設定されていれば、払出処理(図23)に戻りステップ121の払出開始処理(図25の処理)が行なわれる。一方、モータ処理モードが“00H”でなければステップ126に進み設定されているモータ処理モードに応じた処理を行なう。具体的には、モータ処理モードが“01H”であれば通常駆動処理(図27の処理)が行なわれ、“02H”であればエラー時駆動処理(図28の処理)が行なわれ、“03H”であればウエイト処理(図29の処理)、“04H”であればエラー時ウエイト処理(図30の処理)が行なわれる。
図25に払出開始処理のフローチャートを示す。払出開始処理では、ステップ130において、モータ処理モードが“00H”以外のモードであるか否かの判別が行なわれ、“00H”以外、即ち、いずれかの処理が行なわれモータが駆動している(払出動作中である)場合には、払出処理(図23)に戻りステップ122の励磁処理(図26の処理)が行なわれる。一方、処理モードが“00H”である(モータが動作していない)場合にはステップ131に進み、賞球カウンタの設定値が“00H”か、即ち、賞球総数カウンタ値(獲得遊技球数)がゼロ(“0”)であるか否かの判別が行なわれる。獲得遊技球数がゼロの場合には払出処理(図23)に戻りステップ122の励磁処理(図26の処理)が行なわれる。一方、獲得遊技球数がゼロでない場合にはステップ132に進み、個数切り値、即ち、賞球の払い出し個数の1単位としての所定数N個を20にセットする。
続いて、ステップ133に進み、獲得遊技球数が20球以上であるか否かの判別が行なわれ、20球以上でないと判別された場合にはステップ134において、その20球未満の獲得遊技球数を個数切り値にセットしステップ135に進む。一方、獲得遊技球数が20球以上であると判別された場合にはそのままステップ135に進む。次に、ステップ135において、セットされた個数切り値が3未満か否かの判別が行なわれ、3未満ではないと判別された場合にはステップ137に進み、個数切り値として“2”がセットされステップ138に進む。一方、3未満であると判別された場合には、そのままステップ138に進む。
ステップ138において、個数切り値を個数切りカウンタ、即ち、“払出モータの動作回数カウンタ”77にセットする。このカウンタにセットされた個数切り値は、払出モータ位置検出スイッチ61によって検出された払出モータの駆動回数に基づいて減算される。続いて、ステップ139において、個数切り値を払出残数カウンタ、即ち、“払出数カウンタ”76にセットする。このカウンタにセットされた個数切り値は、払出計数スイッチ32によって検出された払出球数に基づいて減算される。
次に、ステップ140において、モータ処理モード値として“1”(通常駆動処理モード)をセットする。ステップ141に進み、払出機構エラーフラグが“00H”であるか、即ち、払出機構にエラーが発生していないかの判別が行なわれる。エラーが発生していないと判別された場合には、ステップ142に進み、スローフラグに“01H”がセーブされる。これにより、通常駆動処理(基本賞球払出処理)時の1回目の払出モータの回転ステップ速度がスローステップ(図10の1ステップ2.500msec)になる。一方、ステップ141で払出機構にエラーが発生していると判別された場合には、ステップ143に進みモータ処理モード値として“2”(エラー時駆動処理)をセットする。続いて、ステップ144に進み、セットされたモード値をモータ処理モードにセーブし払出処理(図23)の励磁処理(ステップ122)に進む。
図26に励磁処理のフローチャートを示す。励磁処理はモータの励磁制御を行なうための励磁パターン設定処理であり、ステップ150において、励磁パターン値として無励磁状態を示す“0”をセットする。続いて、ステップ151においてモータ処理モードが“00H”(払出動作中以外)であるか否かの判別が行なわれ、“00H”であると判別された場合にはステップ154に進み、励磁パターン値をモータ出力バッファにセーブする。一方、ステップ151で“00H”ではないと判別された場合には、ステップ152に進みモータ処理モードが“04H”以上であるか否かの判別が行なわれる。“04H”以上であると判別された場合には、ステップ154に進み励磁パターン値をモータ出力バッファにセーブする。一方、“04H”以上ではないと判別された場合には、ステップ153に進み励磁パターンポインタに対応した励磁パターンデータを選択し、励磁パターン値としてセットし、続いて、ステップ154に進み励磁パターン値をモータ出力バッファにセーブする。
図27から図30は、各モータ処理モードのフローチャートである。図27に示す通常駆動処理では、ステップ160において、先ず、判定値として“2”をセットする。この判定値とは、払出モータ位置検出スイッチ61をどのような状態でオンとするかを判定する値である。通常駆動処理(ステップ126)は、タイマカウンタの割込みの設定により、1.250msec毎に行なわれるように設定されている。従って、判定値を2にセットするということは、2回(設定値の回数)の通常駆動処理が開始される期間を意味している。つまり、通常駆動処理が2回開始される期間、継続して払出モータ位置検出スイッチ61がオン状態であるときに1回の払出モータの回転動作があったと判断されて、払出モータの動作回数カウンタ77の値がアップされることになる。
続いて、ステップ161においてスローフラグが“01H”であるか否か、即ち、払出モータの動作速度が低速状態に設定されている否かの判別が行なわれる。具体的には、例えば、図5、図6に示した形態でいえば、払出モータの動作速度が1ステップ2.500msecの速度に設定されているか否かの判別が行なわれる。スローフラグが立っている(動作速度が1ステップ2.500msecの速度に設定されている)と判別された場合には、ステップ162において、判定値が“4”にセットされる。判定値を4にセットするということは、上記と同様に、4回の通常駆動処理が開始される期間、継続して払出モータ位置検出スイッチ61がオン状態であるときに1回の払出モータの回転動作があったと判断されて、払出モータの動作回数カウンタ77の値がアップされることになる。払出モータがスローフラグが立っていると判別された場合には判定値が“4”にセットされ後にステップ163に進む。一方、スローフラグが立っていないと判別された場合には、そのままステップ163に進むが、この場合には、図5、図6に示した形態でいえば、払出モータの動作速度は1ステップ1.25msec(高速状態という)の速度に設定されていることになる。このように払出モータの回転速度に応じてモータが動作したと判定するオン検出時間を変化させ、払出モータが低速状態で回転動作しているときは、高速状態で回転動作しているときよりもオン検出時間を長くしている。
ステップ163において、スリットH時間カウンタ(図22)の値、即ち、払出モータ位置検出スイッチによるHigh期間の検出回数が、判定値の値と同じであるか否か(スローフラグが立っていない場合には“2”、スローフラグが立っている場合には“4”と同じか)の判別が行なわれる。同じであると判別された場合には、ステップ164において、払出モータ位置検出スイッチ61によってオン検出された、即ち、払出モータが払出球1個分回転したと判断し、個数切りカウンタの値、即ち、払出モータの動作回数カウンタ77の値を“1”減算する。続いて、ステップ165においてその減算結果が“0”であるか否かの判別が行なわれ、“0”であると判別された場合には、ステップ166において、次に処理すべきモータ処理モードをウエイト処理(“03H”)にセットしステップ169に進む。一方、減算結果が“0”でないと判別された場合には、ステップ167において、払出球の処理が1個目の払い出しであったか否かの判別が行なわれ、1個目の払い出しであったと判別された場合には、ステップ168においてスローフラグをクリアしステップ169に進む。このスローフラグのクリアにより、2個目以降の払出球の処理では、判定値が“2”にセットされ、払出モータが低速状態で回転動作している1個目のオン検出時間よりも、短いオン検出時間に設定される。一方、1個目の払い出しでないと判別された場合には、そのままステップ169に進む。また、ステップ163で判定値の値と同じではないと判別された場合にもそのままステップ169に進む。
ステップ169において、スローフラグが“01H”であるか否かの判別が行なわれる。“01H”であると判別された場合には、ステップ170に進み、励磁切り替え時間が経過しているか、即ち、設定したタイマカウンタの割込みが2回行なわれたか否かの判別が行なわれる。一方、“01H”ではないと判別された場合には、ステップ171に進み励磁パターンポインタ(図26)の値をロードする。そして、ステップ172において、ロードした励磁パターンポインタの値を“1”加算し、ステップ173においてその加算結果と“07H”との論理積を取り、ステップ174で論理積結果を励磁パターンポインタにセーブしてエラー時駆動処理を終了する。一方、励磁切り替え時間が経過していないと判別された場合には、そのまま通常駆動処理を終了する。終了後は、払出動作処理(図24)から払出処理(図23)に戻る。
図28に示すエラー時駆動処理では、ステップ180において、判定値として“8”をセットする。通常駆動処理(ステップ126)は、タイマカウンタの割込みの設定により、1.250msec毎に行なわれるように設定されているので、判定値を8にセットするということは、8回の通常駆動処理が開始される期間、継続して払出モータ位置検出スイッチ61がオン状態であるときに1回の払出モータの回転動作があったと判断されて、払出モータの動作回数カウンタ77の値がアップされることになる。
ステップ181において、スリットH時間カウンタ(図22)の値、即ち、払出モータ位置検出スイッチによるHigh期間の検出回数が判定値の値(“8”)と同じであるか否かの判別が行なわれる。同じであると判別された場合には、ステップ182において、払出モータが払出球1個分回転したと判断し、個数切りカウンタの値、即ち、払出モータの動作回数カウンタ77の値を“1”減算する。続いて、ステップ183において個数切りカウンタの値が“0”であるか否かの判別が行なわれ、“0”でないと判別された場合には、ステップ185に進む。一方、個数切りカウンタの値が“0”であると判別された場合には、ステップ184に進み、次に処理すべきモータ処理モードをウエイト処理(“03H”)にセットしてステップ185に進む。
ステップ185において、励磁切り替え時間が経過しているか、即ち、設定したタイマカウンタの割込みが4回行なわれたか否かの判別が行なわれる。励磁切り替え時間が経過していると判別された場合には、ステップ186に進み、励磁パターンポインタ(図26)の値をロードする。そして、ステップ187において、ロードした励磁パターンポインタの値を“1”加算し、ステップ188においてその加算結果と“07H”との論理積を取り、ステップ189で論理積結果を励磁パターンポインタにセーブしてエラー時駆動処理を終了する。一方、励磁切り替え時間が経過していないと判別された場合には、そのままエラー時駆動処理を終了する。終了後は、払出動作処理(図24)から払出処理(図23)に戻る。
図29に示すウエイト処理では、ステップ190において、ウエイト時間が経過しているか、具体的には、図10のタイミングチャートにおける300msecの時間が経過しているか否かの判別が行なわれる。ウエイト時間が経過していると判別された場合には、ステップ191に進み、払出残数カウンタの値、即ち、“今回の払出カウンタ”の値がゼロ(「0」)となっているか否かの判別が行なわれる。このカウンタの値がゼロになっていれば不足なく賞球を払い出すことができたことを意味し、ゼロになっていなければ賞球に不足が生じたことを意味する。一方、ウエイト時間が経過していないと判別された場合には、
ウエイト処理を終了し、払出動作処理(図24)から払出処理(図23)に戻る。
ステップ191において、払出残数カウンタがゼロではないと判別された場合には、ステップ192に進み、払出機構エラーフラグが“01H”であるか否か、即ち、払出不足数の累計が所定数(例えば、20個)を超えた状態であるか否かの判別が行なわれる。一方、払出残数カウンタがゼロであると判別された場合には、ステップ198に進み、払出成功時のデータのセット、即ち、各データを初期状態に戻している。具体的には、モータ処理モードを払出動作中以外のモード(“00H”)にセットし、連続不足カウンタ、即ち、“不足カウンタ”78の値をゼロにセットし、払出機構エラーフラグをゼロにセットする。
ステップ192において、払出機構エラーフラグが“01H”ではない、即ち、払出不足の累計が20個を超えていないと判別された場合には、ステップ193に進み、払出失敗時のデータのセット、即ち、モータ処理モードを払出動作中以外のモード(“00H”)にセットする。続いて、ステップ194に進み、連続不足カウンタ、即ち“不足カウンタ”78に、今回の払出不足数として払出残数カウンタの値、即ち、“今回の払出カウンタ”の値を加算し、ステップ195において、連続不足カウンタの値が20未満であるか否かの判別が行なわれる。一方、ステップ192で払出機構エラーフラグが“01H”であると判別された場合には、ステップ197へ進む。
ステップ195において、連続不足カウンタが20以上であると判別された場合には、払出エラーフラグに“01H”をセーブする。続いて、ステップ197に進み、払出機構エラー時のデータをセット、即ち、モータ処理モードをエラー時ウエイト処理(“04H”)にセットしウエイト処理を終了する。
図30に示すエラー時ウエイト処理では、ステップ200において、ウエイト時間が経過しているか、具体的には、図11のタイミングチャートにおける5secの時間が経過しているか否かの判別が行なわれる。ウエイト時間が経過していると判別された場合には、ステップ201に進み、エラー時ウエイト時間経過時のデータをセット、即ち、モータ処理モードを払出動作中以外のモード(“00H”)にセットし、エラー時ウエイト処理を終了する。一方、ウエイト時間が経過していないと判別された場合には、そのままエラー時ウエイト処理を終了する。
図31に計数処理のフローチャートを示す。計数処理では、ステップ210において、払出計数スイッチH時間カウンタが“2”であるか否か、即ち、タイマカウンタの割込みにより、2回の計数処理が開始される期間、払出計数スイッチ32がオン状態であったか否かの判別が行なわれる。カウンタが“2”であると判別された場合には、ステップ211に進み、払出残数カウンタ、即ち、“払出数カウンタ”76の値が“0”であるか否かの判別が行なわれる。一方、カウンタが“2”ではないと判別された場合には、計数処理を終了する。
ステップ211において、払出残数カウンタの値が“0”ではないと判別された場合には、ステップ212に進み、払出残数カウンタの値を1減算してステップ213に進む。一方、払出残数カウンタの値が“0”であると判別された場合には、そのままステップ213に進む。ステップ213において、賞球カウンタ、即ち、“賞球総数カウンタ”75の値が“0”であるか否かの判別が行なわれ、“0”ではないと判別された場合には、ステップ214に進み、賞球カウンタの値を1減算する。一方、賞球カウンタの値が“0”であると判別された場合にはそのまま計数処理を終了する。そしてメインルーチン(図20)に戻る。
ステップ109の情報出力設定処理において、各パチンコ機の払出装置から払い出された払出球数がホールコンピューターに送信されている。次に、ステップ110の電断処理において、パチンコ機の電源が遮断されたことを検出した場合、遊技情報のバックアップ処理を行ない、電源のダウンを待つ。一方、電源が遮断されたと判定されない(遮断されたことを検出していない)場合には、電断処理が終了するとステップ102に戻り、以後、上述した各処理を繰り返す。