JP4909293B2 - 樹脂製部材及び金属製部材からなる複合体の製造に用いられる熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、LEDデバイスが開示されており、このLEDデバイスは、リードフレームと、ナイロン系樹脂、液晶ポリマー系樹脂、熱硬化性樹脂又はシリコーン系樹脂からなる樹脂製カップ部と、リードフレームから離れて樹脂製カップ部の内側面に配置されたステンレス製の錐体状金属部材とを備える。そして、このLEDデバイスは、予め、錐体状金属部材に、ショットブラスト、エッチング等の表面加工を施した後、インサートモールド加工して、樹脂製カップ部と、リードフレーム及び錐体状金属部材とを一体化している。
また、特許文献2には、LED用リフレクターを形成するためのポリアミド樹脂組成物が開示されている。この組成物は、テレフタル酸単位を含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とを含有するジアミン単位とからなるポリアミド樹脂、酸化チタン、水酸化マグネシウム、並びに、繊維状充填剤及び/又は針状充填剤からなる強化剤を含有する。この文献には、この組成物を、金属からなる成形体等と複合化させることができる旨の記載がある。
更に、特許文献3には、ランプリフレクター(照明装置用反射鏡)に有用な、ポリフェニレンサルファイドと、表面処理されていない合成無機充填材(炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、珪酸等)とを含有する樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4には、ランプリフレクター(照明装置用反射鏡)等の光反射用成形品に有用な、ポリフェニレンサルファイドと、脂肪酸エステルと、ポリオレフィンと、充填材(炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、珪酸等)とを含有する樹脂組成物が開示されている。
特許文献2に開示された技術においても同様であり、LEDデバイスの使用を重ねるにつれて、上記ポリアミド樹脂組成物からなるLED用リフレクターと、このリフレクターと接着している金属製部材とが分離(剥離)したり、LED用リフレクターが変形又は破壊されることがあった。
また、特許文献3及び4に開示された樹脂組成物によると、樹脂成形部における吸水を抑制することができ、得られる複合体を、LED実装用基板として用い、表面実装部品等を、リフロー炉において製造する際に、ブリスター(膨れ)等の発生を抑制することができるものの、耐衝撃性が十分ではないといった問題があった。
本発明は、発光関連部材、発熱関連部材等の形成に好適であり、金属製部材に対して、高い接着性を有する樹脂成形部を効率よく形成することができ、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性、放熱性、耐衝撃性、低吸水性、絶縁性、及び、光に対する反射特性の間のバランスに優れた複合体を効率よく製造することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
1.金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材を配置し、射出成形法により、該金属製部材の表面の少なくとも一部に樹脂成形部を形成し、複合体を製造する方法において、該樹脂成形部を形成するために用いられる熱可塑性樹脂組成物であって、〔A〕ポリアリーレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドからなり、且つ、該ポリアリーレンサルファイド及び該ポリテトラメチレンアジパミドの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び10〜60質量%である熱可塑性樹脂と、〔B〕窒化ホウ素とを含有し、該熱可塑性樹脂〔A〕及び該窒化ホウ素〔B〕の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、15〜80質量%及び20〜85質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
2.上記窒化ホウ素〔B〕は、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3.上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
4.上記ポリアリーレンサルファイドがポリフェニレンサルファイドである上記1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
5.LED実装用基板又はLED用リフレクターの形成に用いられる上記1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
上記窒化ホウ素〔B〕において、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である場合には、得られる複合体の耐熱性、放熱性、絶縁性、及び、光に対する反射特性が優れる。
上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである場合には、得られる複合体の耐熱性、放熱性、絶縁性、及び、光に対する反射特性が優れる。
上記ポリアリーレンサルファイドがポリフェニレンサルファイドである場合には、より優れた耐衝撃性を有する複合体を得ることができる。
尚、上記ポリアリーレンサルファイドが、他の単位を30モル%未満の量で含有する場合、上記式(4)〜(9)から選ばれた少なくとも1種の単位が含まれた重合体とすることができる。
上記成分〔B〕の純度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
また、上記成分〔B〕のアスペクト比は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5〜10である。
また、上記成分〔B〕のタップ密度は、好ましくは0.5g/cm3以上、より好ましくは0.7g/cm3以上である。
更に、上記成分〔B〕のL値は、好ましくは93以上、より好ましくは95以上である。
上記成分〔B〕の性質について、上記各範囲とすることにより、放熱性、熱伝導性、及び光に対する反射特性に優れた樹脂成形部を得ることができる。尚、上記各範囲を構成するものであれば、異なる種類の窒化ホウ素を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記成分〔B〕は、一次粒子が凝集している凝集タイプのものより、分散しているものの方が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、着色剤を含有する場合、その含有量は、上記成分〔A〕及び〔B〕の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部、更に好ましくは7〜15質量部である。
上記金属製部材の形状は、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができ、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。また、貫通穴、折り曲げ部等を有してもよい。更に、樹脂成形部が形成されることとなる、金属製部材の表面形状は、特に限定されないが、平面、曲面、凹凸面、角部、尖状部等が挙げられる。尚、上記のように、樹脂成形部の形成は、金属製部材の表面の一部であってよいし、全面であってもよい。
上記トリアジン系化合物を用いる前処理は、少なくとも樹脂成形部を形成することとなる金属製部材表面に対して行えばよい。
上記金型は、図1及び図2に示すように、本発明の熱可塑性樹脂組成物を溶融状態として注入する導入口及びそのための部品が配設された固定型と、成形品(複合体)を取り出す等の目的で、開閉の往復運動をする可動型とを備える(図1及び図2において、金属製部材11の配設位置を示すために、金属製部材11を表示している。)。上記固定型は、所定の目的を達するものであれば、複数の型を組み合わせてなるものであってもよい。また、上記可動型は、その内部において、表面処理された金属製部材が固定され、熱可塑性樹脂組成物を注入する際に、射出圧に耐えうる圧力で閉め(型閉じし)、成形後は、成形品(複合体)を取り出すために開く(型開きする)。更に、上記の固定型及び可動型は、加熱手段、冷却手段等を備えてもよい。
上記金型としては、ツープレート金型、スリープレート金型等のいずれでもよい。また、上記金型の構成材料は、通常、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等である。
図1に示す金型を用いて、図21に示す複合体を製造することができる。図1の金型3は、互いに対称形状を有する2箇所の凹部(キャビティ)を有する、通常、可動型であるコア型31と、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を導入するための導入口を備える樹脂導入口付き固定型32a、及び、コア型31の上記凹部と共通の空間を形成するキャビティを有するキャビティ付き固定型32bが一体化してなる、通常、固定型であるキャビティ型32と、を備える概略断面図である。複合体の製造に際しては、この金型3において、2つの金属製部材11の端部を、コア型31において縦方向に設けられた凹部に嵌合させた状態で、型閉じし、上記金型3のキャビティ空間に、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を注入(射出)する。
キャビティ空間の形状に応じた樹脂成形部が形成された後、金型の冷却及び型開きを順次行い、金属製部材と、この金属製部材の表面の少なくとも一部に形成された樹脂成形部とを備える複合体を得ることができる。
この複合体は、金属製部材及び樹脂成形部の接合部(接合面)において、トリアジン系化合物を介して、両者が化学結合した構成となっているので、両者間の高い接着性(密着性)が得られている。また、上記複合体においては、熱履歴を付与された場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性(金属製部材からの熱放射、樹脂成形部からの熱放射、及び、熱伝導により金属製部材又は樹脂成形部の低温部側に熱を逃がすこと)に優れる。樹脂成形部及び金属製部材のいずれの部位に熱の負荷を受けても、他方の部位への熱伝導が良好であり、複合体の変形等の不良現象を招くことなく、効率よく熱を外部に逃がすことができる。
図3は、板状又は線状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側に形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図4は、板状又は線状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、及び、全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図5は、板状又は線状の複合体1を示す概略断面図であり、2つの平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。また、図5の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する円板等であり、樹脂成形部12が、該貫通孔に埋設された部分と、金属製部材11の外周表面に形成された部分とからなる態様とすることもできる。
上記の図3〜図5は、いずれも、平板状の複合体を示したが、曲板状であってもよい。
図7は、平板状の金属製部材11aと、この金属製部材11aの一面側に形成された、凹部125を有する樹脂成形部12aと、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図8は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設した樹脂成形部12bと、この樹脂成形部12bを縦方向に貫通して配設された金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図9は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設するとともに且つ図面で上側表面に配設され連続相を形成する樹脂成形部12cと、この樹脂成形部12cの埋設部を縦方向に貫通して配設された金属製部材11cとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図11は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の全ての下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図12は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図12の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された態様とすることもできる。
図13は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図14は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図15は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図15の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に埋設された態様とすることもできる。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図16は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に埋設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
尚、図10〜図16において、凹部125の形状は、階段状に示されているが、これに限定されず、直線であってよいし、曲線であってもよい。以下、他の図面においても同様である。
図18の複合体1は、図11の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図19の複合体1は、図12の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図20の複合体1は、図13の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図22は、凹部126を有し、円形又は角形の皿状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図23は、樹脂成形部12dが円形である、図21及び図22の複合体1の上面図の一例である。上記のように、樹脂成形部12dは角形であってもよい。
図24は、凹部126を有する円形又は角形の樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を縦方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図25は、凹部126を有し、円形又は角形の平板状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの外周側が露出するように配設された、平面状又は曲面状の金属製部材11eを備える態様を示す概略断面図である。また、図25の複合体1は、金属製部材11が円筒等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12dにおける凹部126の中心と同軸として、樹脂成形部12dに埋設された態様とすることもできる。
(a)金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板。
この態様としては、図3〜図5の複合体1を適用することができる。図3〜図5において、LED素子が金属製部材11の側に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11だけでなく、樹脂成形部12から放熱させることができる。また、LED素子が樹脂成形部12の側に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。図3及び図4の複合体1においては、金属製部材11をヒートシンクとして作用させることができる。
尚、この態様(a)のLED実装用基板において、上記樹脂成形部12は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図10〜図16参照)。このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図10〜図13のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、図14〜図16において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、主として樹脂成形部12から放熱させることができる。尚、図10〜図16の複合体1においては、金属製部材11をヒートシンクとして作用させることができる。
この態様としては、図6〜図9の複合体1を適用することができる。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図6〜図9においてLED素子は表示していないが、図6及び図7において、LED素子は、凹部125の底面に配設される。また、図8及び図9においては、LED素子は、通常、2つの金属製部材11bの間に配設される。図9において、LED素子は、図面における上面側(樹脂製部材12cの表面)に配設されてよいし、下面側(金属製部材11cの表面)に配設されてもよい。
図6及び図7において、LED素子が凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12から、熱抵抗なく金属製部材11aに熱伝導させ、この金属製部材11aにより十分に放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。また、図6及び図7の複合体1においては、金属製部材11をヒートシンクとして作用させることができる。
図8において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
図9において、LED素子が樹脂成形部12cの表面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12cから、熱抵抗なく金属製部材11cに熱伝導させ、この金属製部材11cの表面(図9における金属製部材11cの下面側)から放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
また、図9において、LED素子が、金属製部材11cの表面(図9における金属製部材11cの下面側)に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cから、熱抵抗なく樹脂成形部12cに熱伝導させ、この樹脂成形部12cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
尚、この態様(b)のLED実装用基板において、樹脂成形部は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図17〜図20参照)。樹脂成形部12cは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図17〜図20のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。
この態様としては、図21〜図24の複合体1を適用することができる。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図21〜図24においてLED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図21〜図24において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
この態様としては、図25の複合体1を適用することができる。図25において、リードフレームは、金属製部材として用いられておらず、図面の上方から形成されるものである。また、LED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図25において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、金属製部材11eにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
図28におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12eと、金属製基板11fとが複合化されて得られたものであってもよい。
また、図29におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12fの内面は、LED素子51からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられている。
また、上記態様(c)及び(d)のLED用リフレクター、並びに、上記他の構造を有するLED用リフレクターにおいて、本体に相当する樹脂成形部12dにおける、特に、凹部126の内表面が高い白色度を有する場合には、発光したLED素子の光に対する高い反射特性を得ることができるが、更に高い反射特性を得るために、内壁面に、光反射層を形成したものであってもよい。上記光反射層の厚さは、熱抵抗を低くする等の観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
図26の発光装置6は、図17に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものであり、更に、LED素子51、LED素子51及びリードフレーム11bを接続するボンディングワイヤ53並びにレンズ55を備える。尚、LED素子51の搭載方法は、特に限定されず、また、符号57で表される部分は、後述のように、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。以下も同様である。
図27の発光装置6は、図20に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものである。
図28の発光装置6は、金属製部材(リードフレーム)11b、他の金属製基板11f、及び、略筒状の樹脂成形部12eからなる複合体(LED用リフレクター)と、金属製基板11fの表面に配設された絶縁性台座54と、絶縁性台座54の表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
また、図29の発光装置6は、凹部を有する樹脂製基板4と、この樹脂製基板4の表面に配設された金属製部材(リードフレーム)11b、及び、略筒状の樹脂成形部12fからなる複合体(LED用リフレクター)と、樹脂製基板4の凹部表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
図26〜図29に示す発光装置は、いずれも、ワイヤボンディング実装による例であるが、これらに限定されない発光装置とすることもできる。例えば、ボンディングワイヤ53を用いず、バンプを介して、LED素子51の近くに配設された配線パターンにフリップチップ実装される形態とすることができる。
尚、上記透明封止部57は、必要に応じて、LED素子51から発せられた光の波長を所定の波長に変換する、無機系及び/又は有機系の蛍光物質を含んでもよい。
組成物の調製に用いる原料成分を以下に示す。
1−1.熱可塑性樹脂
ポリフェニレンサルファイド(A1)
ポリプラスチックス社製「フォートロン0220A9」(商品名)を用いた。リニア型構造である。
(2)ポリテトラメチレンアジパミド(A2)
ディー・エス・エムジャパン社製「スタニールTS300」(商品名)を用いた。融点は295℃である。
(1)B1
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末SGP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は2m2/g、タップ密度は0.8g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は16.6μmである。また、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90は、それぞれ、5.4μm及び41.6μmである(D90/D10=7.7)である。
(2)B2
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末GP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は8m2/g、タップ密度は0.5g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は6.2μmである。また、粒子径D10及びD90は、それぞれ、3.2μm及び17.1μmである(D90/D10=5.3)である。
神島化学工業社製「A−10」(商品名)を用いた。
1−4.着色剤
石原産業社製酸化チタン「タイペークPF691」(商品名)を用いた。
実施例1〜4及び比較例1〜9
複合体の製造に用いる熱可塑性樹脂組成物は、上記の原料成分を、表1及び表2に示された配合割合に基づいてヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットとした。尚、二軸押出機におけるシリンダー温度は、実施例1〜4において280℃〜330℃、比較例1〜9において、280℃〜330℃である。
2−1.熱放射率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、ジャパンセンサー社製サーモスポットセンサー「TSS−5X」(型式名)を用い、赤外線検出による反射エネルギー測定方式により、雰囲気温度25℃で測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
2−2.熱伝導率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、その溶融物を、直径10mm及び長さ50mmのキャビティ空間を有する金型の下方から射出して、直径10mm及び長さ50mmの円柱体を作製した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
その後、ほぼ中央部において、厚さが1.5mmの円板となるように切り出し、これを試験片(直径10mm及び厚さ1.5mm)とした。熱伝導率を放熱性樹脂組成物の流動方向に対して測定するために、この試験片における、上面及び下面の各表面にプローブを当て、アルバック理工社製レーザーフラッシュ法熱定数測定装置「TR−7000R」(型式名)を用い、25℃で測定した。
2−3.熱変形温度
ISO75に準じて、荷重1.80MPaの条件にて測定した。
2−4.耐ブリスター性
射出成形にて大きさ127×12.7×0.8mmの試験片を作製し、温度23℃の水に24時間浸漬し、浸漬後の試験片を、厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板に固定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
その後、この一体化物を、予熱部の温度が150℃±3℃であり、通過時間が120秒、リフロー部の最高温度が230℃±3℃であり、通過時間が60秒となるような条件に設定した卓上型遠赤外式リフロー炉内を通過させた。そして、試験片の表面を目視観察し、耐ブリスター性を、下記基準で判定した。
○ : 試験片の表面に変化は見られなかった。
× : 試験片の表面に膨れ、変色が見られた。
また、上記リフロー炉内における通過条件として、最高温度を260℃±3℃、通過時間を10秒とした場合における耐ブリスター性についても、上記と同様に評価した。
2−5.シャルピー衝撃強さ
ISO179に準じて、室温におけるシャルピー衝撃強さ(Edgewise Impact、ノッチ付き)を測定した。測定条件は、以下の通りである。
試験片タイプ : Type 1
ノッチタイプ : Type A
荷重 : 2J
2−6.表面固有抵抗
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径200mm及び厚さ2mmの円形の試験片を作製し、Agilent Technologies社製ハイ・レジスタンス・メータ「4339B」(型式名)を用いて測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
2−7.光線反射率
上記熱伝導率の測定に用いた試験片について、紫外線(波長460nm)に対する反射率を、日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計「V−670」(型式名)により、入射角60度で測定した。
2−8.吸水率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径50mm及び厚さ3.2mmの円形の試験片を作製し、絶乾状態として、温度23℃の水中に24時間浸漬し、浸漬前後の重量変化量を算出し、増加量を吸水率とした。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
2−9.絶縁破壊特性
射出成形にて作製された、大きさ100×100×1mmの試験片を、温度23℃及び相対湿度62%に調節された恒温恒湿槽に48時間放置した後、ASTM D149に準じて、絶縁破壊特性を測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1〜4において90℃〜150℃、比較例1〜9において、90℃〜150℃である。
複合体の製造に用いる金属性部材として、幅1.2cm、長さ5.0cm及び厚さ0.1cmの銅板に対し、予め、特開平2−298284号に記載された方法により表面処理(トリアジン処理)を施したものを用いた。
(1)金属製部材と、樹脂成形部との接着安定性試験
島津製作所社製精密万能試験機「オートグラフAG5000E」(商品名)を用いて、試験片5つについて、引張速度50cm/分で接着強度を測定した。その際、破壊形態を目視観察し、接着安定性を、下記基準で評価した。尚、「材料破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部が接着した状態で、樹脂成形部が破壊されることであり、「界面破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部の接着界面で剥離することである。
○ : 5つとも破壊モードが材料破壊であり、接着強度にばらつきがない。
× : 5つのうち、2つ以上、破壊モードが接着面における界面破壊である。
アクリル樹脂製の透明板で作製された、縦、横及び高さが1mの室内(25℃)の中心部に、支持用スタンド及び樹脂製クランプを用いて上記評価用試験片(複合体)を設置し(図31及び図32)、シリコーンラバーヒーター7を用いて電圧を印加することにより、温度分布の測定を行った。具体的には、試験片における銅板111の端部を、シリコーンラバーヒーター7(13×50×1.7mm)で被覆し、15V(12W)の電圧を印加した。その後、15分放置し、温度が平衡に達した状態で、銅板111に接触しているシリコーンラバーヒーター7表面の中心部、及び、該中心部から70mm離れた樹脂板(樹脂成形部)121、の各温度を、図31の手前側から、サーモグラフィーにより測定した(測定点は、図32において、それぞれ、T1及びT2と表示した)。
比較例1は、熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイドのみを用いた例であり、耐衝撃性が十分ではない。比較例2は、熱可塑性樹脂として、ポリテトラメチレンアジパミドのみを用いた例であり、耐衝撃性に優れるものの、吸水率が高く、260℃におけるブリスター性が十分ではなかった。比較例3は、熱可塑性樹脂として、含有割合が本発明の範囲外である、ポリフェニレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドを用いた例であり、耐衝撃性に優れるものの、吸水率が高かった。比較例4は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が少ない、本発明の範囲外である例であり、熱伝導性が十分ではなく、複合体の熱伝導性試験においてT1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が48℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例5は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が多い、本発明の範囲外である例であり、耐衝撃性が劣る。比較例6は、熱可塑性樹脂としてポリフェニレンサルファイドのみを用い、比較例1の場合と異なる窒化ホウ素(B2)を用いた例であり、複合体の熱伝導性試験において、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が73℃であり、T2における温度が28℃であり、その差が45℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例7は、窒化ホウ素を含有しない例であり、熱伝導率が十分ではなく、T1における温度が79℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が52℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例8は、トリアジン系化合物による表面処理を行っていない銅板を用いて複合体を作製した例であり、樹脂成形部と、銅板と接着しなかった。そのため、複合体の熱伝導性試験において、銅板と樹脂板とを輪ゴムで固定して評価し、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が80℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が53℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。また、比較例9は、窒化ホウ素に代えて、酸化マグネシウムを用いた例であり、熱放射率、熱伝導率及び耐衝撃性が十分ではなかった。そして、複合体の熱伝導性試験において、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が48℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。
一方、実施例1〜4は、いずれも、ポリアリーレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドの含有割合が、それぞれ、40〜90質量%及び10〜60質量%であり、耐熱性、放熱性、耐衝撃性、低吸水性、絶縁性、及び、光に対する反射特性の間のバランスに優れている。特に、複合体として、破壊形態が材料破壊であり、樹脂成形部と、銅板との接着安定性に優れることから、熱伝導性試験においても、銅板から樹脂成形部への熱伝導が十分であり、T1における温度が67℃〜68℃であり、T2における温度が41℃〜43℃であり、T1及びT2の温度差が小さくなっており、放熱性に優れる。また、この熱伝導性試験後の評価用試験片(複合体)において、樹脂成形部の変形、銅板及び樹脂成形部の剥離等は観察されなかった。
製造例1
2本の長尺状銅板(リードフレームに相当)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図1参照)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90〜150℃)し、図21に示すようなLED用リフレクターを得た。
実施例2〜4及び比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1及び表2に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させた以外は、製造例1と同様にして、図21に示すようなLED用リフレクターを得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、90℃〜150℃である。
製造例14
平板状銅板(7×7×1mm)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図示せず)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90〜150℃)し、図20に示すようなLED素子を搭載可能なLED実装用基板を得た。
実施例2〜4及び比較例1〜9の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1及び表2に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させた以外は、製造例11と同様にして、図20に示すようなLED実装用基板を得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、90℃〜150℃である。
11:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11a:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11b:金属製部材(リードフレーム)
11c:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11e:金属製部材(補強材又はヒートシンク)
11f:金属製部材(基板又はヒートシンク)
111:銅板
12:樹脂成形部(絶縁性部位)
12a:樹脂成形部(絶縁性部位)
12b:樹脂成形部(絶縁性部位)
12c:樹脂成形部(絶縁性部位)
12d:樹脂成形部(リフレクター部)
12e:樹脂成形部(リフレクター部)
12f:樹脂成形部(リフレクター部)
121:樹脂板
125:凹部
126:凹部
3:金型
31:コア型
32:キャビティ型
32a:樹脂導入口付き固定型
32b:キャビティ付き固定型
4:樹脂製基板
51:LED素子
53:ワイヤボンディング
54:絶縁性台座
55:レンズ
57:透明封止部(又は空隙部)
6:発光装置
7:シリコーンラバーヒーター
Claims (5)
- 金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材を配置し、射出成形法により、該金属製部材の表面の少なくとも一部に樹脂成形部を形成し、複合体を製造する方法において、該樹脂成形部を形成するために用いられる熱可塑性樹脂組成物であって、
〔A〕ポリアリーレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドからなり、且つ、該ポリアリーレンサルファイド及び該ポリテトラメチレンアジパミドの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び10〜60質量%である熱可塑性樹脂と、〔B〕窒化ホウ素とを含有し、
該熱可塑性樹脂〔A〕及び該窒化ホウ素〔B〕の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、15〜80質量%及び20〜85質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 上記窒化ホウ素〔B〕は、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記ポリアリーレンサルファイドがポリフェニレンサルファイドである請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- LED実装用基板又はLED用リフレクターの形成に用いられる請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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