以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態による画像形成装置について説明するための全体構成図である。同図に示すように、本実施の形態による画像形成装置は、電子写真方式のデジタル複写機や中間転写方式のMFP(Multi Function Peripheral)装置等に適用されている。
画像形成装置1は、本体ケーシング11のプリンタ部に画像形成部10が格納される。画像形成部10は、回転自在に支持された感光体ドラム(像担持体)12と、中間転写ベルト13を備えた中間転写装置14とを有する。
感光体ドラム12のドラム外周側に、ドラム表面をクリーニングするドラムクリーニング装置15と、ドラム表面を所要の電位に一様に帯電させる帯電装置16と、一様に帯電されたドラム表面に画像情報に応じてレーザビームLBを照射してビーム露光させ、静電潜像を形成するレーザ光学装置17と、静電潜像が形成されたドラム表面を現像し、所定の色のトナー像を形成する現像装置18と、ドラム表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト13に一次転写させる一次転写装置19とを順次この順に有する。
現像装置18は、黒(K)トナー(黒色の永久色トナー)の現像器24を保持する現像装置21(固定現像ユニット)と、カラートナーおよび消色トナーを回転移動可能に保持するロータリ方式の現像装置(回転現像ユニット)22とを独立して備える。
現像装置21は、第1の現像器および第2の現像器の内いずれか他方を、感光体ドラム12に対する第2の現像位置(図1における感光体ドラム12とマグローラ27Kとの当接位置)近傍の所定位置で、感光体ドラム12における第2の現像位置に対して当接離間可能に保持する。
黒トナーの現像装置21は回動支点23廻りに回動してドラム表面に離接自在なマグローラ27Kを有する。黒トナーの現像装置21には黒トナーボトル25から図示しないトナー供給路を介して黒トナーが供給されるようになっている。黒トナーはカラートナーに比べ、使用量が多いため、黒トナーの現像装置22はカラートナーの現像装置22から独立している。なお、ここでの消色トナーは、例えば黒色であるものとする。このように、消色トナーの色を黒色トナーと同じにすることにより、黒色の永久色トナーおよび消色トナーのいずれを用いて画像形成処理を行なうかを、画像の色調に拘らず任意に選択可能にすることができる。
なお、消色トナーの色を黒色トナーと同じにする場合には、現像器に対して着脱可能であるトナー収容器の形状を、現像器24および現像器31の内いずれか一方のトナー収容器は、現像器24および現像器31の内いずれか他方に対して装着不能な形状に形成されていることが望ましい。このようにすることにより、消色トナーのトナー収容器と黒色トナーのトナー収容器とを取り違えて装着してしまうことを防止することができる。
図2は、ロータリ方式の現像装置22の詳細を示した図で、消色(e)の現像器(第2の現像器)31は、他のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)(互いに異なる黒色以外の永久色トナー)の現像器28,29,30(第3の現像器)よりも現像剤の容量が大きく、(Y)〜(C)間および(C)〜(M)間は各々中心角α°をなして配置され、中心角αは90°以下、望ましくは80°以下となっている。各色トナーの現像器28〜31は感光体ドラム12のドラム表面に選択的に当接可能なマグローラ27Y、27M、27C、27eを有する。このように、現像装置22は、第1の現像器および第2の現像器の内いずれか一方と第3の現像器とを回転移動可能に保持するとともに、該回転移動により所望の現像器を感光体ドラム12に対する第1の現像位置(図1における感光体ドラム12とマグローラ27Yとの当接位置)に移動させる。
現像装置18は、感光体ドラム12のドラム表面に形成された静電潜像を所定の色(K,Y,M,Cおよびe)のトナーで現像し、ドラム表面に所定の色のトナー像を形成する。
但し、消色トナーが選択される場合には他のトナーとの動作は行なわず、消色トナーのみでの画像形成を独立して行なう「消色トナーモード」となる。一方、永久色トナーを用いて画像形成を行なう場合は「永久色トナーモード」であり、これらモードは、印字対象である画像データに基づいて、あるいはユーザの操作入力に基づいて、選択される。
感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、回転体としての感光体ドラム12の回転により一次転写装置19の転写位置に送られ、この一次転写位置で回転体の1つとしての中間転写ベルト13上に、転写ローラ35の接触・帯電により一次転写される。この一次転写装置19により、中間転写ベルト13上に感光体ドラム12のトナー像が転写され、トナー転写像が形成される。
感光体ドラム12には、形成されるトナー像の色に応じて1回乃至4回転するトナー像形成工程が繰り返され、感光体ドラム12上に形成されるトナー像は、中間転写ベルト13上で重ね合され、1色乃至4色が重ね合されたトナー転写像となる(1回の場合には、各色単色コピー、4回の場合には、消色を除く4色コピーとなる)。
中間転写装置14の中間転写ベルト13は、ドライブローラ36とドリブンローラ37との間に巻き架けられる。中間転写ベルト13は、ドライブローラ36から一次転写装置19の転写ローラ35、巻付けローラ38を経てドリブンローラ37に至り、続いてこのドリブンローラ37からベルトテンション機構39を構成するテンションローラ40を経てドライブローラ36に至る回転体を構成している。
中間転写ベルト13は、図1において反時計方向に走行駆動せしめられる。走行中のベルト張力はテンションローラ40にて調整され、中間転写ベルト13の感光体ドラム12への接触力は巻付けローラ38にて調整される。巻付けローラ38は中間転写ベルト13を感光体ドラム12側に巻き付け、ドラム接触面積を大きくとるように調整している。
中間転写ベルト13をベルト駆動させるドライブローラ36と一次転写ローラ35との間に、ベルトクリーニング装置44が設けられる。ベルトクリーニング装置44は中間転写ベルト13に外接するクリーニングブレード45が支点46廻りに回動自在に支持される。クリーニングブレード45はばね部材47のばね力により中間転写ベルト13に弾力的に押圧接触せしめられ、中間転写ベルト13上のトナーをクリーニングして除去する一方、除去された排トナーはスパイラルシャフト等の排トナー搬送手段により排トナーボックス(図示せず)に搬送される。
また、ベルトクリーニング装置44には、ばね部材47のばね力に抗してクリーニングブレード45を中間転写ベルト13から離間させるカム機構49が設けられる。このカム機構49により、トナー転写像形成時にはクリーニングブレード45は中間転写ベルト13から離間され、非接触の状態に保たれる。
さらに、中間転写ベルト13のドリブンローラ37は、アイドラローラを構成しており、対向設置される二次転写ローラ50との間で二次転写装置51を構成している。二次転写装置51は、二次転写位置で二次転写ローラ50が記録媒体である転写用紙に接触し、二次転写ローラ50の接触および帯電により、中間転写ベルト13上のトナー像が転写用紙に二次転写されるようになっている。
二次転写装置51の二次転写ローラ50は、中間転写ベルト13のドリブンローラ(アイドラローラ)37から離接自在に設けられ、トナー転写像の二次転写時には、二次転写ローラ50が中間転写ベルト13に外接される。一方、二次転写時以外には、例えば中間転写ベルト13にトナー転写像の重ね合せ作成時には、二次転写ローラ50は中間転写ベルト13から離間せしめられる。二次転写ローラ50を中間転写ベルト13から離間させることにより、中間転写ベルト13上に重ね合された一次転写像としてのトナー像に悪影響が及ばないようにしている。
二次転写装置51の二次転写位置で中間転写ベルト13のトナー像が転写用紙に二次転写されるが、この転写用紙は、本体ケーシング11下部に収容された給紙カセットから取り出され、搬送路53に沿って搬送される。この搬送路53には搬送路53に沿って転写用紙の位置合せを行なうレジストローラ55、転写用紙にトナー像を二次転写させる二次転写装置51および二次転写されたトナー転写像を定着させる定着装置56および案内ゲート57が順次配設される。定着装置56にて二次転写されたトナー像が定着された転写用紙は搬送路51から排紙トレイ58上に排出され、堆積される。排紙トレイ58は本体ケーシング11の頂部に形成される。
一方、記録媒体としての転写用紙の給紙は、給紙カセットからだけではなく、手差しトレイ81からも行ない得るようになっている。手差しトレイ81からの給紙は給紙ガイド路59を経てレジストローラ55の手前側で搬送路51に導かれるようになっている。
なお、図1に示す本実施例においては、消色トナーを内包する現像器はロータリ式の現像装置22内にあるが、黒(K)現像器の位置にあってもよく、ユーザ自身によって消色トナーの使用頻度により適正な位置に装着することが可能である。
ところで、感光体ドラム12および中間転写ベルト13は図3および図4に示された回転体駆動装置60により駆動される。回転体駆動装置60は、画像形成装置1のリア側に配設され、感光体ドラム12および中間転写ベルト13の駆動源として共通の駆動モータ61を有する。駆動モータ61としては回転振動の少ないサーボモータや微小ステップのステッピングモータ、DCブラシレスモータ等が用いられる。
駆動モータ61の出力軸62にはモータ駆動ギア63が一体あるいは一体的に設けられ、このモータ駆動ギア63は多段かつシリーズに組み付けられた減速ギア列を構成する減速ギア機構64を介してベルト駆動軸65に設けられたベルト駆動ギアとしての中間ドリブンギア66に噛合し、作動連結される。ベルト駆動軸65は図4に示すようにベルト駆動カップリング67を介してローラ支持軸68に連結される。ローラ支持軸68は中間転写ベルト13のドライブローラ36を回転一体に支持している。
多段減速ギア機構64はモータ駆動ギア63に噛合するドリブンギア70で初段の減速ギア列を構成し、このドリブンギア70と一体に設けられた中間ドライブギア71とこのドライブギア71に噛合する中間ドリブンギア67とで第2段の中間減速ギア列を構成している。中間減速ギア列の中間ドリブンギア67は中間転写ベルト13のドライブローラ36を回転駆動させるベルト駆動ギアとして機能する。
また、中間減速ギア列の中間ドリブンギア66には、最終段のドライブギア73が一体あるいは一体的に設けられており、この最終段ドライブギア73は最終段のドリブンギア74に直接噛合し、最終段の減速ギア列が感光体ドラム12駆動用の減速ギア列として構成される。最終段の減速ギア列を構成するドライブギア73は、ベルト駆動ギア66と一体に構成される一方、このドライブギア73はドラム駆動ギアを構成するドリブンギア74と直接噛合している。このように、ベルト駆動ギア66は、ドライブギア73を介してドラム駆動ギア74と噛合している。ドラム駆動ギアとしてのドリブンギア74はドラム駆動軸75に軸装される。なお、図3において、減速ギア機構64を構成する多段の減速ギア列の各ギアは一点鎖線のピッチ円で表わしている。
このドラム駆動軸75には、フロント側にドラム駆動カップリング76が設けられ、このカップリング76を介してドラム支持軸77に連結される。ドラム駆動軸75のリア側に慣性量の大きなフライホィール78が回転一体に設けられる。フライホィール78は亜鉛等の金属鋼板をディスク状に形成して構成される。ドラム支持軸77には感光体ドラム12が回転一体に支持され、ドラム駆動軸75の回転駆動により、感光体ドラム12は回転駆動される。感光体ドラム12の回転駆動は、ドラム駆動軸75に軸着されたフライホィール78の慣性量により、回転ムラを生じさせることなく安定的かつスムーズに行なわれる。
この回転体駆動装置60においては、中間転写ベルト13を駆動させるベルト駆動ギア66と最終段ドライブギア73とを一体あるいは一体的に構成してベルト駆動軸65に取付け、ベルト駆動軸65に取付けた最終段ドライブギア73をドラム駆動軸75に取付けたドラム駆動ギア(最終段ドリブンギア)74と直接噛合させる。しかも、ドラム駆動軸75にフライホィール78を取付けることで、感光体ドラム12のドラム駆動を安定化させることができ、さらに、感光体ドラム12のドラム駆動の上流側で駆動される中間転写ベルト13もフライホィール78の慣性作用を及ぼしてベルト駆動させることができ、ベルト駆動の慣性量も大きくなって安定化させることができる。
この感光体駆動装置60は、減速ギア機構64の多段、例えば3段の減速ギア列をシリーズ状に一系統で構成して中間転写ベルト13のベルト駆動ギア66(73)と感光体ドラム12のドラム駆動ギア74とを直接噛み合せ、かつ、感光体ドラム12のドラム駆動軸75にフライホィール78を取付けたので、感光体ドラム12のドラム駆動と中間転写ベルト13のベルト駆動との双方の挙動を同期化させることができ、双方にフライホィールの効果(慣性力の作用)を働かせ、駆動を安定化させることができる。
また、大きな減速比で回転駆動される感光体ドラム12を、中間転写ベルト13を駆動させるベルト駆動ギア66(73)の下流側で減速駆動させることで、駆動モータ61から感光体ドラム12に至る減速ギア機構64の多段の減速ギア列を緩やかな減速比で継ぐことができる。
ところで、減速ギア機構64を構成する減速ギア列の各ギアは、インジェクション成形等の樹脂成形で形成されるヘリカルギアあるいはハスバギアである。ギア材料としては、寸法安定性、自己潤滑性、成形性に優れたポリアセタール樹脂を用いても、また、熱膨脹の少ないポリイミドやポリカーボネートのような合成樹脂を用いても、さらに、ポリカーボネートにガラス強化繊維を充填させ、強度や剛性を向上させた樹脂を用いても、また、ポリカーボネートにフッ素樹脂をブレンドさせて自己潤滑性を向上させたものを用いてもよい。
減速ギア列の各ギアをヘリカルギアに樹脂成形させた場合、ギア噛合による振動を極力小さく抑えるために、ギアのモジュールを0.5以下の小モジュールに形成したり、減速ギア列のギアの噛合い幅を12mm以上25mm以下、好ましくは実機では18mm程度に設定することで、噛合によるギア振動を小さく抑え、ギア騒音を低減化させることができる。ギア噛合い幅が25mm以上のヘリカルギアでは、精度の良い抜き勾配が得られず、ギアの成形が困難でギアの製作に困難性を伴なう一方、ギア噛み合い幅が12mm以下では噛合いによるギア振動を小さく抑えることが困難となる。
図5は、消色トナーの消色原理について説明するための図である。消色トナーの中には「色素」と「発色剤」のほかに「消去剤」が添加されている。色素は発色剤と分子的に結びつくことで色を表示するが,熱か溶剤を加えると,結合が切断されて色が消える。この際,切り離された発色剤を消去剤と結びつかせて色素と発色剤の再結合を防ぎ,色が消えた状態を維持し、印刷した紙は所定温度以上で、数時間加熱する消去装置に入れて加熱することで、白紙に戻る。
図1に示すように、本実施の形態による画像形成装置1には、用紙搬送経路におけるレジストローラ55上流側近傍に1対の検知手段32および検知手段33(第2の検知部)が配置されている。なお、検知手段32および検知手段33は、例えば、用紙搬送経路を搬送される用紙の搬送方向と直交する方向における中央位置近傍を読み取り可能に配置されている。検知手段32および33は、各々画像面側および非画像面側の用紙面の印字状態(使用済みか、未使用か、特定のマークが印字されているか等の状態)を検知する。検知手段32および検知手段33には、例えば光学式センサ等が使用される。
なお、図1に示す本実施の形態においては、ロータリ式の現像装置22内にある消色トナーを内包する現像器31は、黒(K)現像器24と入替可能となっており、ユーザにより消色トナーの使用頻度が高いユーザには、消色トナーを内包する現像器31を黒(K)現像器24と入れ替えることにより、ユーザ毎に調整可能となっている。ここで、消色トナーを内包する現像器31と黒(K)現像器24とを入替可能とする方法としては、例えば、両現像器の外形を同一にすることによって実現することができる。このように、現像装置21には、現像器31および現像器24のうち利用頻度が高い方を保持させることが好ましい。
本実施の形態では、消色トナーの現像器31をロータリ式の現像装置22内に組み込むとともに、消色トナーの現像器31(第1および第2の現像器の内いずれか一方)にてトナーを収容するトナー収容器の容量が、カラートナーの現像器28〜30(第3の現像器)にてトナーを収容する各トナー収容器の容量よりも大きくなるように設定されている。このように、消色トナーの現像剤容量を、カラートナーの現像剤容量よりも大きい構成とすることで、モノクロ使用ユーザに配慮した構成とするだけでなく、通常黒トナー使用よりも消色トナーの使用が多いユーザに対しては、黒現像器と消色トナー現像器の互換性を保つことで、黒現像器位置に消色トナー現像器を設定することで、消色トナー現像時のコピー速度を速くすることが可能となり、カラーコピーの場合にはリボルバー内に4色配置されるので、速度は維持されることになる。
また、さらに消色トナーの使用比率が大きいユーザに対しては、消色トナー現像器31と黒現像器24とを入れ替えて、現像器31を現像装置21に保持させることにより、消色トナーを大容量のトナー供給ボトルから補給することが可能となる。
すなわち、YMCK+消色トナーという構成の現像装置を有する感光体ドラム1個で4回転によりカラー画像を形成する画像形成装置で、さらにロータリ式の現像装置内にYMC+消色トナーの4個の現像器を有する画像形成装置において、モノクロのトナー消費量がカラートナーよりも多いことから、黒ならびに消色トナーの現像器の現像剤容量をカラー現像剤の容量よりも大きくすることで、モノクロ使用が多いユーザにも消耗品の交換頻度を少なくすることができる。
この他、現像装置21にて保持される現像器(例えば現像器24)にてトナーを収容するトナー収容器の容量が、現像装置22にて保持される現像器(例えば現像器31)にてトナーを収容するトナー収容器の容量よりも大きくなるように設定することもできる。これにより、ユーザの各トナーの利用頻度に対応したトナー容量を確保することができ、メンテナンスコスト等の低減に寄与することができる。なお、現像器31が現像装置21側に保持され、現像器24が現像装置22側に保持される構成とする場合には、現像器31のトナー収容器の容量が現像器24のトナー収容器の容量よりも大きくなるように設定されることが好ましい。
図6は、本実施の形態による画像形成装置の機能について説明するための機能ブロック図である。本実施の形態による画像形成装置は、モード判別部901、画像調整部902、識別画像形成部903、検知部904、再給紙部905、処理制御部906、CPU801およびMEMORY802を備えてなる構成となっている。
モード判別部901は、実行すべき画像形成処理について、永久色トナーによる画像形成処理を行なう第1のモードおよび消色トナーによる画像形成処理を行なう第2のモードのいずれが選択されているかを判別する。
画像調整部902は、用紙に対して形成すべき画像を、画像形成装置によって用紙に画像形成可能な所定領域よりも小さいサイズに縮小して形成させる
識別画像形成部903は、モード判別部901にて第2のモードが選択されていると判別された場合に、該第2のモードが選択されていると判別された画像形成処理において消色トナーによる画像が形成される用紙に対して、消色トナーによる画像形成処理が施されたことを示すための所定の識別画像を消色トナーによって形成する。また、識別画像形成部903は、画像形成装置における用紙搬送方向と直交する方向における用紙中央部近傍或いは用紙端部近傍に対して所定の識別画像を形成する。また、識別画像形成部903は、画像調整部902にて縮小された画像の外側であり且つ所定領域内に識別画像を形成する構成とすることもできる。
検知部904は、実行すべき画像形成処理の対象となる用紙の第1面および第2面の内少なくともいずれかに、消色トナーによる画像形成処理が施されたことを示すための所定の識別画像が形成されているか否かを検知する
再給紙部905は、検知部904にて所定の識別画像が検知され、且つモード判別部901にて第1のモードが選択されていると判別された場合に、特定の給紙ユニットから再給紙させる。
処理制御部906は、検知部904にて所定の識別画像が検知された場合に、該所定の識別画像が検知された用紙面に対する永久色トナーによる画像形成処理を禁止する。また、処理制御部906は、検知部904にて所定の識別画像が検知され、且つモード判別部901にて第2のモードが選択されていると判別された場合に、該所定の識別画像が検知された用紙面に対して、消色トナーによる画像形成処理を行なわせることもできる。また、処理制御部906は、再給紙部905により再給紙される用紙に対して、永久色トナーによる画像形成処理を行なわせることもできる。
CPU801は、画像形成装置における各種処理を行なう役割を有しており、またMEMORY802に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。MEMORY802は、例えばROMやRAM等から構成されており、画像形成装置において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
次に、本実施の形態に係る画像形成部10の作用を説明する。
画像形成部10の駆動開始により、感光体ドラム12のドラム表面に帯電装置16によって所定電位が一様に帯電させられる。
帯電装置16によって一様に所要の電位で帯電させられたドラム表面に、レーザ光学装置17から画像情報に応じてレーザビームLBが照射されてビーム露光され、ドラム表面に静電潜像が形成される。画像情報は所定の解像度、例えば600dpi、及び協調性に応じて図示しないホストコンピュータやパーソナルコンピュータ等のホスト機器(図示せず)から送られてくる。
一方、静電潜像が形成された感光体ドラム12のドラム表面は、続いて現像装置18により現像され、ドラム表面に所定の色のトナー像が形成される。
具体的には、例えば、黒色トナーの現像装置21により、感光体ドラム12のドラム表面が現像され、黒色トナーによるトナー像が形成される。黒色トナーの現像装置21で感光体ドラム12のドライ表面を現像しているとき、カラートナーの現像装置22は感光体ドラム12のドライ表面から離間した状態に保たれる。
感光体ドラム12上に形成された黒色のトナー像は、中間転写ベルト13上に、一次転写装置19の転写ローラ35の接触、帯電によって一次転写される。
中間転写ベルト13に感光体ドラム12のドラム表面に形成されたトナー像を転写した後、感光体ドラム12のドラム表面に残存したトナーはドラムクリーニング装置15でクリーニングされて除去される。
ドラムクリーニング装置15で感光体ドラム12から残存トナーが除去され、クリーニングされた感光体ドラム12は再び帯電装置16に送られ、ドラム表面への帯電、レーザ照射によるビーム露光、現像、トナー像の一次転写が繰り返される。感光体ドラム12は、中間転写ベルト13に形成されるトナー転写像の重ね合せ色数に応じて1回乃至4回転してトナー像の現像形成工程が繰り返される。
感光体ドラム12上に順次形成されるトナー像は、一次転写装置19による転写作用で中間転写ベルト13上に互いに重ね合せ像状態となるように一次転写される。
感光体ドラム12と中間転写ベルト13は、図2および図3に示すように駆動モータ61のモータ駆動力により、多段のシリーズ状の一系統の減速ギア列を介して同期的に駆動される。感光体ドラム12は中間転写ベルト13より減速ギア列の下流側でギア減速駆動される。
一次転写位置で一次転写装置19により、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)、消色(e)の1色乃至4色(消色トナーを除く)のトナー像は、中間転写ベルト13上に順次転写され、互いに重ね合されたトナー転写像が感光体ドラム12と同期して回転する中間転写ベルト13上に形成される。一次転写装置19により中間転写ベルト13上に一次転写された重ね合せトナー転写像は、続いて二次転写位置に送られ、ここで二次転写装置51の転写ローラ50の接触および帯電により搬送路53を搬送される記録媒体としての転写用紙上に二次転写される。
二次転写装置51の転写ローラ50は、中間転写ベルト13に一次転写トナー像を形成している間、中間転写ベルト13から離間した状態に保持される。
二次転写装置51の転写ローラ50の接触・帯電によって中間転写ベルト13から転写用紙にトナー像が二次転写された後、中間転写ベルト13に残存するトナーは、ベルトクリーニング装置44によりクリーニングされて除去される。残存トナーが除去された中間転写ベルト13は、再び一次転写位置に搬送され、ここで中間転写装置19により感光体ドラム12のトナー像が中間転写ベルト13上に再び一次転写され、次の転写サイクルが繰り返される。
一方、二次転写装置51の転写位置で、転写ローラ50による接触と帯電による転写作用により、中間転写ベルト13のトナー像が転写用紙に二次転写された後、この転写用紙は搬送路53に沿って搬送され、定着装置56に送られる。定着装置56では、対をなすヒートローラにより二次転写されたトナー像が加熱され、転写用紙に定着される。
トナー像を定着した転写用紙は続いて搬送路53に沿って送られ、案内ゲート57を経て排紙トレイ58に順次排出され、この排紙トレイ57上に堆積される。
なお、二次転写装置51への転写用紙の供給は、図示しない給紙カセットから、あるいは手差しトレイからレジストローラ55を経て行なわれる。
この画像形成部10においては、駆動モータ61からのモータ駆動力で中間転写装置14の中間転写ベルト13および感光体ドラム12を同期化させて駆動させることができる。この回転体駆動装置60を構成する減速ギア機構64は、一系統の多段減速ギア列でシリーズ状に構成しており、しかも、中間転写ベルト13を駆動するベルト駆動ギア66,73と感光体ドラム12を駆動するドラム駆動ギア74を直接噛み合せたので、中間転写ベルト13と感光体ドラム12の挙動や回転ムラを常に同期化させることができ、色合せ精度を向上させて回転ムラにより中間転写ベルト13上の重ね合せトナー転写像にジッタや色ずれが生じることが少ない。
なお、本実施の形態による画像形成装置では、消色トナーにより画像が形成されたシートを、次回も消色トナーによる画像形成処理に再利用する構成となっており、消色トナーによる画像形成時に用紙に対してその印字面が消色トナーによって画像形成されたことを示すためのマーキングを行っている。図7〜図9は、用紙に対して消色トナーを用いてマーキングを行なう際のマーキング方法の一例を示す図である。
具体的に、画像形成部(識別画像形成部)10は、モード判別部901にて「消色トナーモード(第2のモード)」が選択されていると判別された場合に(モード判別ステップ)、該消色トナーモードが選択されていると判別された画像形成処理において消色トナーによる画像が形成される用紙に対して、消色トナーによる画像形成処理が施されたことを示すためのマーキングを施す(識別画像形成ステップ)。
図7は、用紙の四隅に略正方形のベタ画像(所定の識別画像)を印字することにより行われるマーキングの一例を示す図である。用紙端部を用紙搬送および用紙の位置決めの基準とする方式の画像形成装置においては、同図に示すマーキング方法によれば、少なくとも用紙の基準となる端部側に印字されているマークの主走査方向における位置が一定になるため、当該マークを検知するセンサの配置位置を所定位置に特定することができる。
また、図8は、用紙の搬送方向(いわゆる副走査方向)における中央位置と用紙の搬送方向に直交する方向(いわゆる主走査方向)における中央位置に略正方形のベタ画像を印字することにより行われるマーキングの一例を示す図である。用紙中央位置を用紙搬送および用紙の位置決めの基準とする方式(いわゆるセンター通紙方式)の画像形成装置においては、同図に示すマーキング方法によれば、少なくとも用紙の基準となる中央位置に印字されているマークの主走査方向における位置が一定になるため、当該マークを検知するセンサの配置位置を所定位置に特定することができる。
なお、図7および図8に示すマーキング方法では、用紙に対して消色トナーを用いて印字する際に、該用紙の印字領域の外側にマーキングを行なう構成となっている。
また、図9に示すマーキングは、消色トナーによる印字対象である画像領域を用紙に対して、画像調整部902により画像形成部10によって用紙に画像形成可能な所定領域(図9中の破線)よりも小さいサイズに縮小して印字するとともに、該縮小処理によって得られる印字画像の外側の空き領域(縮小された画像の外側であり且つ所定領域内)に、画像形成部10によってマーキングを行なうという手法である。これによれば、限られた印字領域の範囲内において、印字領域全体に画像を印字するような印字処理を行なう場合でも、印字対象である画像を損なうことなく、上記マーキングを行なうことが可能となる。
本実施の形態では、消色トナーによって画像形成されたことを示すためのマーキングに用いるマークが略正方形である例を示したが、これに限られるものではなく、他の図形や文字であってもよい。なお、用紙がどのような向きで搬送されても、マーキングされたマークの読み取りに影響が出ない(検知しやすい)ように、用紙搬送方向と平行な辺をもつ正方形や円形に近い形状のベタ画像とすることは有効である。
また、本実施の形態では、画像形成部10が識別画像形成部としての役割を有する構成となっているが、これに限られるものではなく、例えば識別画像を用紙に対して形成するための専用の画像形成部を別個に設け、当該専用の画像形成部によって上記マーキングを行なうようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、一度マーキングを行った用紙については、消色トナーによる印字が選択された場合にも、検知手段により消色印字されたものと判断された場合には不要であるため、トナーの消費量の観点からもマーキングを行なわないようになっている。
以上説明した画像形成部を用いて、消色トナーにより印字された用紙の再利用(再度消色トナーによる印字を可能にする)を有効に行なうために、図10に示すフローチャートのように、以下の制御を行っている。
両面コピーが開始されると(S101)、当該コピーの対象である原稿のサイズが確認される(S102)。続いて、上述の処理において確認された原稿のサイズに基づいて、用紙をどの段のカセットから給紙するかを決定する(S103)。
続いて、検知手段32によって用紙の第1面における印字状態を検知し(S104)、第1面に何らかの画像が形成されている場合(S104,Used)、当該第1面に形成されている画像が消色トナーであるか否かを判定する(S105)。消色トナーで印字された後、消色装置で消色された用紙は、肉眼での見た目は画像が消えているが、実際にはほぼ無色のバインダーが残存している。そのバインダーを反射式のセンサで検知することにより、消色トナーが付着しているかどうかを判断することができる。本実施の形態では、消色トナーによる画像形成が行われ消色された用紙を見ただけでは、いずれの面に消色トナーによる印字が行われているかを判別できないため、用紙の両面を検知手段によって検知するようにしている。
上記判定の結果、第1面に消色トナーによる印字が施されている場合(S105,Yes)、モード判別部901は当該両面コピーのコピーモードが、カラーおよびモノクロのいずれであるかを判定し(S106)、モノクロである場合には(S106,Yes)、消色トナーでの画像形成処理を行なう(S107)。
一方、当該両面コピーのコピーモードが、カラーである場合には(S106,No)、再給紙部905は、用紙を供給するカセットを再度選択する旨を画面表示(カセット段の再設定を促すコントロールパネル表示、もしくはクライアントPCのプリンタドライバでの再設定表示など)させるとともに、カセットの再選択を所定のルールに基づいて自動的に行い(S108,S109)、S104に戻る。もちろん、当該カセットの再選択は、ユーザの操作入力に基づいて行われるようにすることも可能である。
検知手段32によって用紙の第1面における印字状態を検知した結果(S104)、第1面に何も画像が形成されていない場合(S104,New)、第1面に対する画像形成処理を行い(S110)、トナー像が用紙に対して加熱定着された後(S111)、当該用紙の第2面に対して画像形成すべく、当該第1面に画像形成された用紙をADU70へと搬送する(S112)。
次に、検知手段33によって用紙の第2面の印字状態を検知した結果、第2面に何らかの画像が形成されている場合(S112,Used)、CPU801は、当該第2面に形成されている画像が消色トナーであるか否かを判定する(S114)。ここでは、実行すべき画像形成処理の対象となる用紙の第1面および第2面の内少なくともいずれかに、消色トナーによる画像形成処理が施されたことを示すための所定の識別画像が形成されている場合には、該識別画像が形成されている面には消色トナーによる画像が形成されていると判定される。
ここで、用紙の第2面に消色トナーによる画像が形成されており(S114,Yes)、モード判別部901により判別されるコピー処理のモードが「消色トナーモード(第2のモード)」である場合(S115,消色)、CPU801は消色トナーにより用紙の第2面への画像形成処理を行なわせる(S119)。このように、処理制御部906は、検知手段にて所定の識別画像が検知され、且つモード判別部901にて「消色トナーモード」が選択されていると判別された場合に、該所定の識別画像が検知された用紙面に対して、消色トナーによる画像形成処理を行なわせる。
一方、用紙の第2面に消色トナーによる画像が形成されていない場合(S114,No)、或いはコピー処理のモードが「消色トナーモード」でない場合(第1のモード)(S115,その他)、当該第2面に消色トナーによる画像が形成されている用紙をそのまま排出し(S116)、処理制御部906は、用紙を供給するカセットを再度選択する旨を画面表示させるとともに、カセットの再選択を所定のルールに基づいて自動的に行い(S117,S118)、S104に戻る。もちろん、当該カセットの再選択は、ユーザの操作入力に基づいて行われるようにすることも可能である。再給紙部905は、検知手段にて所定の識別画像が検知され、且つモード判別部901にて「永久色トナーモード」が選択されていると判別された場合に、特定のカセットから再給紙させる。なお、ここでの特定のカセットとは、例えば予め新しい用紙だけがセットされているカセット等を意味している。このようにして、処理制御部906は、所定の識別画像が検知された用紙面に対する永久色トナーによる画像形成処理を禁止する。
用紙の第2面に何も画像が形成されていない場合(S113,New)、当該用紙の第2面に対して予定していた画像形成処理を行い、トナー像を加熱定着させて(S121)、処理を完了する。
上述の画像形成装置での処理における各ステップは、MEMORY802に格納されている画像形成プログラムをCPU801に実行させることにより実現されるものである。
なお、上述の実施の形態では、用紙の第1面および第2面の印字状態を検知するための検知手段(検知部)を用紙搬送経路上におけるレジストローラ55の上流側近傍に配置する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、図11に示す画像形成装置1’のように、用紙の第1面の印字状態(所定の識別画像が形成されているか否か)を検知するための検知手段103および検知手段104を用紙カセット(給紙ユニット)近傍に配置し、用紙の第2面の印字状態を検知するための検知手段101(第1の検知部)を手差しトレイ81近傍に配置する構成とすることもできる。この場合、用紙の第1面の印字状態は、当該用紙が用紙カセット内に位置している段階で検知手段103(第1の検知部)または検知手段104(第1の検知部)によって検知され、第2面の印字状態は、当該用紙が手差しトレイ81から給紙される場合に検知手段101によって検知される。
また、用紙の第2面の印字状態を検知する検知手段についても、必ずしも用紙搬送経路上におけるレジストローラの上流側近傍に配置する必要はなく、例えば図12に示す画像形成装置1”における検知手段100(第2の検知部)のように、ADU70内における用紙搬送経路上に配置するようにしてもよい。このように検知手段をADU内に配置する構成は、検知手段を用紙搬送経路上におけるレジストローラの上流側近傍に配置する場合に比して、検知手段の配置位置等の自由度が高く、小型の画像形成装置においても採用し易いというメリットがある。
また、上述の実施の形態では、検知手段が用紙搬送方向と直交する方向における用紙中央近傍に配置されている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、用紙搬送方向と直交する方向における用紙端部近傍に配置することも可能である。検知手段の用紙搬送方向と直交する方向における配置位置は、上述のようにして用紙に対して消色トナーにより形成される識別画像の印字位置に応じて設定されることが望ましい。
このように、本実施の形態によれば、カラートナーおよび消色トナーでの画像形成を1台の画像形成装置で実現可能とすることにより、コストならびに設置面積等の縮小により、ユーザメリットを生み出すことができる。さらに、用紙の再利用に関し、消色トナーで印字されたことがある用紙に対しては、消色トナー以外のトナーでの印字を行なわないように制御することにより、用紙の再使用効率を上げることができる。
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
1,1’,1” 画像形成装置、10 画像形成部、32,33,100,101,102,103,104 検知手段、801 CPU、802 MEMORY。