実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のデータ送出装置を示す構成図である。
図1において、11は番組情報S11を参照し、米国のATSC規格や日本のARIB規格に規定されている伝送フォーマットであるテーブルに変換するためのテーブル生成部、12はテーブル生成部11により生成されたテーブルをビット列(以下、ストリームという。)形式に変換して送出するストリーム送出部である。
まず、日本のARIB規格で規定される番組情報について説明しておくと、この番組情報は、「テーブル」と呼ばれる情報単位で構成される。情報の種類毎によりテーブルにはいくつかの種類が存在し、例えば、伝送路ネットワークに関連する情報を格納するNIT(Network Information Table)、放送事業者が編成するチャンネル(サービス)に関連する情報を格納するSDT(Service Description Table)、チャンネル内の各番組(イベント)に関連する情報を格納するEIT(Event Information Table)と呼ばれる各種テーブルが存在する。ネットワーク名、ネットワークID等ネットワークに関連する情報についてはNITに格納され、サービス名、放送事業者名、サービスID等サービスに関連する情報についてはSDTに格納され、番組名、番組内容、ジャンル、イベントID等番組に関する情報についてはEITにそれぞれ格納される。また、EITに関しては、「現在放送中のイベントと次に放送予定のイベント」と、「本日日付からX日後までのイベント」とがそれぞれ別々のテーブルとして情報が格納されるように規格で決まっており、前者をEIT[現在/次]、後者をEIT[スケジュール]と呼ぶ。さらに後者については4日分毎に区切った上で別個のテーブルとして情報が格納される。
さらに、ARIB規格において、それぞれのテーブルに関して送出頻度の目安が決められている。例えばNITは10秒に1回以上、SDTは2秒に1回以上、EIT[現在/次]は2秒に1回以上、EIT[スケジュール]は10秒に1回以上、といったように、すべて下限レートによって表現されており、これ以下の頻度で送信することは好ましくないとされている。
一方、EPGデータは、映像/音声等のメディアデータとともに多重化されており、送信の伝送路が固定されているため、EPGデータの伝送容量を無制限に増大させると、本来伝送すべきメディアデータの伝送容量を圧迫することになる。そこで、本発明では、EPGデータに関する「上限ビットレート」を定め、EPGデータがある一定の伝送容量をオーバーすることがないように制限をかけるようにしたことを特徴とするものである。
次に動作について説明する。
ここでは、一例として、日本のARIB規格による番組情報の生成・送出を例として説明する。
図1において、テーブル生成部11は、テーブルを生成するための元情報となる番組情報S11およびEPGデータの上限ビットレートS15を受け取り、これらの情報に基づいてテーブルS13を生成すると共に、テーブルS13に対しての送出頻度S12をも決定する。ここでは、送出するテーブルS13の一例として、EIT[現在/次]を挙げている。
ここで、テーブル生成部11における送出頻度S12を決定方法を具体的に説明すると、ARIB規格においてEIT[現在/次]の送出頻度は2秒に1回以上と定められているので、EIT[現在/次]のデータ量が少なければこれ以上の頻度、例えば1秒に1回といった頻度で送出しても差し支えなく、頻度を上げればその分だけ受信側でデータの受け取りの確実性が増す。そこで、テーブル生成部11は、上限ビットレートS15を満たした上で、送出するテーブルの送出頻度の下限値をも満たすように、送出頻度S12を決定する。
また、上限ビットレートS15は、映像/音声等メディアデータの伝送ビットレートに基づき変動する場合と、あらかじめ固定上限ビットレートとして定められる場合の両方が考えられるが、例えば、ある時点での上限ビットレートS15を1Mbpsとした場合で、図1のように送出するテーブルがEIT[現在/次]のみであった場合を考えると、EIT[現在/次]のデータ量を128Kバイト、すなわち1Mbitとした場合、伝送できる最大の送出頻度は1秒に1回ということになる。従って、テーブル生成部11は2秒に1回〜1秒に1回の間で送出頻度の値を決定することになる。
一方、ストリーム送出部12では、テーブル生成部11が生成したテーブルS13および送出頻度S12を受け取り、テーブルをトランスポートストリーム(TS)パケット化し、テーブル生成部11より与えられる送出頻度S12に基づいて、テーブルS13のデータに変更が起こらない限り、パケット化したストリームを上限ビットレートS15以下の送出量でかつそのテーブルS13の送出頻度以上で繰り返し送出するようにする。
従って、本実施の形態1のデータ送出装置によれば、テーブル生成部11が上限ビットレートS15とテーブルの送出頻度の下限値を考慮した上でテーブルの送出頻度S12を決定するようにしているので、ストリームの送出に関して上限ビットレートの制限と送出頻度の制限の両方を満たした上での送出を行うことができる。その結果、EPGデータのテーブルの情報量が増大した場合でも、所定の上限ビットレートだけでなく、テーブル毎の特定の送出頻度をも守りつつ、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できる。
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、テーブル生成部11が上限ビットレートの制限に合わせてテーブルの送出頻度を決定するようにしたものであるが、次に、テーブルの情報量を調節することにより上限ビットレートの制限を満たすようにした実施の形態2のデータ送出装置について説明する。
各番組(イベント)に関連した情報を提供するためのEITテーブルにおいては、番組の「放送開始時間」、「放送継続時間」、「番組名」、「(番組の)簡単な説明」、「(番組に関する)詳細説明」等の情報が格納されている。これらの情報のうち、「開始時間」、「継続時間」、「番組名」については、番組についての必須な情報として欠かすことのできないものであるが、「簡単な説明」あるいは「詳細説明」等については比較的に重要度は低くなるため、場合によっては省略することが可能である。
このため、本実施の形態2のデータ送出装置におけるテーブル生成部では、EITに含むことのできる全ての情報を盛り込んでEITを構成した場合にテーブル生成部11に与えられた上限ビットレートS15をオーバーしてしまう、といったような場合、番組の「簡単な説明」や「詳細説明」等の比較的重要度の低い情報については、重要度の低い「詳細説明」等から順に省略することで、EITの情報量を削減するようにする。
従って、本実施の形態2のデータ送出装置によれば、EITテーブルの伝送ビットレートが上限ビットレートS15をオーバーしてしまうような場合でも、テーブルの情報量を重要度の低いものから順に削除することにより、EITテーブルの送出頻度を保ちつつ上限ビットレートS15を超えないように伝送ビットレートを減少させることが可能である。その結果、EPGデータ等のテーブルの情報量が増大した場合でも、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できると共に、重要なEPGテーブルを確実に伝送できることになる。
実施の形態3.
以上の実施の形態1,2では、単独の種類のテーブルに関して、送出頻度あるいはテーブルの情報量を調節することにより、与えられた上限ビットレートおよびそのテーブルの送出頻度を満たすストリーム送出を可能にするものについて説明したが、次に、複数の種類のテーブル間に送出に関する「優先順位または優先度(以下、単に優先順位という。)」を設定し、その優先順位に基づいてテーブル毎の送出頻度を調節することにより、上限ビットレートを満たすストリーム送出を可能にする実施の形態3のデータ送出装置について説明する。
図2は、この発明の実施の形態3のデータ送出装置を示す構成図である。
この実施の形態3のテーブル生成部21では、複数の種類のテーブルを生成するもので、例えば、SDTテーブルS231、EIT[現在/次]テーブルS232、EIT[スケジュール]テーブルS233を生成し、それぞれSDTの送出頻度S221、EIT[現在/次]の送出頻度S222、EIT[スケジュール]の送出頻度S223を決定する。
ここで、本実施の形態3のテーブル生成部21では、上限ビットレートS25に基づいて、すなわち3つのテーブルをそれぞれの送出頻度で送出する場合に合計で必要となるビットレートが上限ビットレートS25を超えないようにそれぞれのテーブルの送出頻度を決定するが、決定基準としてテーブル間の優先順位S26を受け取り、これをもとに送出頻度を定める。優先順位S26は、テーブルに対する優先順位の形で与えられ、例えば、SDTとEIT[現在/次]は送出必須として同一順位とし、EIT[スケジュール]はその次の順位とする。このようにすると、テーブル生成部3は、通常の送出頻度において上限ビットレートをオーバーしてしまう場合には、EIT[スケジュール]の送出頻度をまずその下限値まで落とすように決定し、次いでSDTおよびEIT[現在/次]の送出頻度をそれらの下限値まで落とすように決定する。
ストリーム送出部22は、SDTテーブルS231、EIT[現在/次]テーブルS232、EIT[スケジュール]テーブルS233を受け取り、それぞれをトランスポートストリーム(TS)パケット化し、テーブル生成部21より与えられるSDTの送出頻度S221、EIT[現在/次]の送出頻度S222、EIT[スケジュール]の送出頻度S223に基づいて、テーブルのデータに変更が起こらない限り、パケット化したストリームを繰り返し送出する。
従って、本実施の形態3のデータ送出装置によれば、送出すべきテーブルが複数ある場合でも、各テーブルに設定した優先順位に基づいて、優先順位の低いテーブルからその送出頻度を各テーブルの送出頻度の下限値まで削減して上限ビットレート以下に抑えるようにしたので、複数種類のテーブルの送出する際に通常の送出頻度では全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーしてしまう場合には、優先順位(重要度)の高いテーブルほど送出頻度をなるべく落とすことなく送出することが可能となる。その結果、EPGデータ等のテーブルが複数種類あって、それらの情報量が増大した場合でも、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できると共に、重要なEPGテーブルにおける重要なEPGデータを確実に伝送できる。
尚、上記実施の形態3では、テーブル間の優先順位に基づいてテーブルの送出頻度を削減することによりテーブル全体の上限ビットレートおよび規格で決められている送出頻度下限値の制限を満たすようにしているが、本発明ではこれに限らず、優先順位の低いテーブルについては、規格以下の値、極端にはテーブルの送出頻度下限値を0に設定して、全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーしてしまう場合、最も優先順位の低いテーブルから順に非送出として、全体のビットレートを落とすようにしても良い。このように、全てのテーブルについて所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上でテーブルが送出できない場合には、優先順位の低いテーブルについては送出せず、残りの優先順位の高いテーブルについては、所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上で送出するようにしたので、優先順位(重要度)の高いテーブルについては確実に送信できる等、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できる。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、テーブルの優先順位を、テーブルの種類間の優先順位によって設定したが、次に、各テーブルの種類に対して各テーブル間の優先順位だけでなく、各テーブルの送出頻度の削減率をも設定して、この優先順位および削減率に基づいて各テーブルの送出頻度を決定するようにした実施の形態4のデータ送出装置について説明する。
図3に、本実施の形態4における各テーブルに対し設定する優先順位および削減率の一例を示す。つまり、本実施の形態4では、図3に示すように、それぞれのテーブルに対して優先順位および削減率を共に1の数値により設定している。例えば、優先順位および削減率の範囲を0以上とし、数字が小さいほど優先順位が高くなるとする。そして、本実施の形態4の場合、実施の形態3のようにただ単純に優先順位の高いほうから送出頻度を落とすのではなく、優先順位および削減率の値の大きさに応じて送出頻度の削減の度合を決定する。
つまり、図3の例では、EIT[スケジュール]の優先順位および削減率2.5がSDTの優先順位および削減率1の2.5倍であるため、EIT[スケジュール]の送出頻度の削減率は、SDTの送出頻度の削減率の2.5倍でなければならないと考え、例えばSDTの送出頻度を10%を落とす場合には、EIT[スケジュール]の送出頻度は25%落とすようにする。また、EIT[現在/次]の優先順位および削減率は0であるため、最も優先順位が高く、他のテーブルの送出頻度をすべてビットレートの下限まで削減してなお全体の上限ビットレートをオーバーする場合に、はじめてEIT[現在/次]の送出頻度を落とすことを意味する。
従って、本実施の形態4のデータ送出装置によれば、テーブル間に優先順位だけでなく優先順位および削減率を設定することにより、送出頻度の削減について、より柔軟なきめの細かい対応をとることが可能である。その結果、EPGデータ等のテーブルの情報量が増大した場合でも、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できると共に、よりきめ細かく重要なEPGテーブルのEPGデータを確実に伝送できることになる。
尚、上記実施の形態4では、各テーブルに対して優先順位および削減率を共に1の数値により設定して説明したが、本発明では、これに限られず、優先順位および削減率をそれぞれ別の数値により設定するようにしても勿論良い。このようにすれば、優先順位および削減率をそれぞれ関係なしに設定できるので、各テーブルの送出頻度の削減に際し、より柔軟なきめの細かい対応をとることが可能となる。
また、上記実施の形態4では、削減率の設定値は、各テーブルの送出頻度下限値の制限を満たすようにするのが望ましいが、本発明ではこれに限らず、例えば、優先順位の低いテーブルについては、規格以下の値になるように設定しても良い。
また、上記実施の形態4では、各テーブルに対して優先順位および削減率の両方を設定するように説明したが、本発明では、これに限らず、優先順位は設定せず、あるいは全ての優先順位を1に設定して、削減率のみを設定するようにしても良い。この場合、複数種類のテーブルを送出する際に通常の送出頻度では全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーしてしまうと、各テーブルの削減率に基づいて全てのテーブルの送出頻度を削減することになるが、この場合でも、優先順位(重要度)の低いテーブルについては送出頻度の削減率を大きくしておく一方、優先順位(重要度)の高いテーブルについては送出頻度の削減率を小さく、極端には削減率0、すなわち非削除に設定することにより、優先順位(重要度)の高いテーブルほど送出頻度をなるべく落とすことなく送出することが可能となる。尚、優先順位は設定し、削減率を設定しない場合は、上記実施の形態3の場合となる。
このように、電子番組案内情報のテーブルが複数ある場合でも、優先順位(重要度)の低いテーブルから順に送出頻度や情報量を削減して送信する等、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できると共に、よりきめ細かく重要なテーブルの情報を確実に伝送できる。
実施の形態5.
上記実施の形態2では、テーブルの情報量を調節することにより上限ビットレートの制限を満たすようにしたが、次に、複数種類のテーブルがあった場合に、これらのテーブルの情報量を調節する基準としてテーブル間の優先順位を利用する実施の形態5のデータ送出装置について説明する。
図4に、本実施の形態5における各テーブルに対し設定する優先順位の一例を示す。本実施の形態5では、図4に示すように、例えば、EIT[現在/次]、SDT、EIT[スケジュール]の順に優先順位が決まっているものとする。そして、各テーブルの主な構成要素として、SDTは、「サービス名」、「事業者名」、「デジタルコピー制御」、「国別受信可否」等の情報を含むものとし、EIT[現在/次]およびEIT[スケジュール]は、それぞれ「イベントの開始時間」、「継続時間」、「(イベントの)簡単な説明」、「(イベントの)詳細説明」等を含むものとする。また、SDTの構成単位としては、1つのトランスポートストリーム(TS)に含まれる全てのサービスに関する情報、EIT[現在/次]に関しては現在と次のイベント、EIT[スケジュール]に関しては指定日数分のイベント、というようになっているものとする。
ここで、全ての構成要素あるいはすべての単位において各テーブルを構成すると、ビットレートの上限をオーバーする場合、テーブルの情報量を削減することになるが、本実施の形態5の場合、優先順位の低いEIT[スケジュール]から実施の形態2の場合と同様に重要度の低い削除可能な情報から削減するようにする。つまり、最も優先順位の低いEIT[スケジュール]において、まず重要度が低く省略可能な「詳細説明」に関し、例えば全ての日数に対して削減する方法もあれば、本日より4日目までは「詳細説明」を付加するが、5日目以降は「詳細説明」を省く、といった情報の優先順位に基づいて省略する方法等もある。また、最も優先順位の低いEIT[スケジュール]において、5日目以降の情報をまるごと、すなわち「イベントの開始時間」、「継続時間」、「(イベントの)簡単な説明」、「(イベントの)詳細説明」等を全て省略する、時間の優先順位に基づいて削除するという方法も考えられる。
いずれの方法にせよ、EIT[スケジュール]のみではテーブルの情報量の削減が限界に達し上限ビットレートをオーバーする場合に、はじめて次の優先順位を有するSDTの情報量の削減を行う。SDTの情報量の削減としては、同様に、付加が任意とされ省略可能な「デジタルコピー制御」や、「国別受信可否」に関する情報の省略等が考えられる。さらにそれでもテーブルの情報量の削減が限界に達し上限ビットレートをオーバーする場合に、最も優先順位の高いEIT[現在/次]において重要度が低く省略可能な「詳細説明」等からに情報を削除して上限ビットレート以下になるようにする。
従って、本実施の形態5のデータ送出装置によれば、テーブル間の優先順位に基づいて上限ビットレートの制限を満たすよう各テーブルの情報量を調節する際に、優先順位(重要度)の低いテーブルから順に省力可能な情報で重要度が低いものから省略するようにしたので、各テーブルの情報量の削減に際し、より柔軟なきめの細かい対応をとることが可能である。その結果、EPGデータ等のテーブルの情報量が増大した場合でも、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できると共に、よりきめ細かく重要なEPGテーブルのEPGデータを確実に伝送できることになる。
尚、上記実施の形態5では、複数種類のテーブルがあった場合に、テーブル間の優先順位を利用してこれらのテーブルの情報量を調節するように説明したが、本発明では、これに限らず、実施の形態4のように、テーブル間の優先順位だけではなく、各テーブルにおける情報量の削減率をも設定して、テーブル間の優先順位および削減率に基づいて各テーブルの情報量を削減するようにしても良いし、さらには、テーブル間の優先順位は設定せず、あるいは全ての優先順位を1に設定して、各テーブルの情報量の削減率のみを設定するようにしても良い。前者のようにテーブル間の優先順位だけではなく、各テーブルにおける情報量の削減率も設定すれば、各テーブルの情報量の削減に際し、上記実施の形態5の場合よりも、より柔軟なきめの細かい対応をとることが可能となる。また、後者のように情報量の削減率のみを設定した場合でも、複数種類のテーブルを送出する際に通常の送出頻度では全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーすると、各テーブルの削減率に基づいて全てのテーブルの送出頻度を削減することになるが、優先順位(重要度)の低いテーブルについては情報量削減率を大きく設定しておく一方、優先順位(重要度)の高いテーブルについては送出頻度の削減率を小さく、極端には削減率0、すなわち非削除に設定することにより、テーブル間の優先順位は設定せずに、優先順位(重要度)の高いテーブルほどその情報量をなるべく落とすことなく送出することが可能となる。
また、上記実施の形態5では、テーブル間の優先順位に基づいて各テーブルの情報量を削減することによりテーブル全体の上限ビットレートおよび規格で決められている送出頻度下限値の制限を満たすようにしているが、本発明ではこれに限らず、優先順位の低いテーブルについては、テーブルの情報量が0になるように情報量削減率を設定して、全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーしてしまう場合、優先順位の低いテーブルについては情報量を0、すなわちそのテーブルを生成せずに非送出として、全体のビットレートを落とすようにしても良い。このように、全てのテーブルについて所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上でテーブルが送出できない場合には、優先順位の低いテーブルについては送出せず、残りの優先順位の高いテーブルについては、所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上で送出するようにすると、優先順位(重要度)の高いテーブルについては確実に送信できる等、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できる。
実施の形態6.
以上の実施の形態1〜5においては、テーブル生成部が上限ビットレートを受け取り、それに基づいてテーブルの送出頻度およびテーブルの情報量を決定していたが、次にストリーム送出部が上限ビットレートを受け取る場合の実施の形態6のデータ送出装置について説明する。
図5に、この発明の実施の形態6のデータ送出装置の構成図を示す。
図5において、51は番組情報S51を参照し、米国のATSC規格や、日本のARIB規格に規定されている伝送フォーマットであるテーブルに変換するためのテーブル生成部、52はテーブル生成部51により生成されたテーブルをストリーム形式に変換して送出するストリーム送出部である。テーブル生成部51はテーブルを生成するための元情報となる番組情報S51を受け取り、これらの情報に基づいてテーブルS53を生成する。ここでは、テーブルS53の一例として、EIT[現在/次]を挙げている。ストリーム送出部52は、テーブル生成部51が生成したテーブルS53、および外部等から直接EPGデータの上限ビットレートS55を受け取り、テーブルをストリーム情報に変換すると共に、上限ビットレートS55に基づき送出頻度S12をも決定した上で、その送出頻度でストリームS54を送出する。従って、本実施の形態6は上記実施の形態1とはテーブルの送出頻度の決定主体が異なるだけであるので、この実施の形態6のデータ送出装置によっても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態7.
上記実施の形態6においては、テーブルの送出頻度の判断基準としてストリーム送出部に対し上限ビットレートが与えられただけであったが、次に、ストリーム送出部に対し複数の種類のテーブル間に送出に関する「優先順位」を設定し、その優先順位に基づいてテーブル毎の送出頻度を調節することにより、上限ビットレートを満たすストリーム送出を可能にする実施の形態7のデータ送出装置について説明する。
図6に、この発明の実施の形態7のデータ送出装置の構成図を示す。
この実施の形態7では、上記実施の形態3の場合と同様に、テーブル生成部61が複数の種類のテーブル、例えば、SDTテーブルS631、EIT[現在/次]テーブルS632、EIT[スケジュール]テーブルS633を生成するものとする。そして、本実施の形態7のストリーム送出部62では、SDTテーブルS631、EIT[現在/次]テーブルS632、EIT[スケジュール]テーブルS633を受け取り、それぞれをトランスポートストリーム(TS)パケット化すると同時に、受け取った上限ビットレートS65および優先順位S66に基づいて、それぞれSDTの送出頻度、EIT[現在/次]の送出頻度、EIT[スケジュール]の送出頻度を上記実施の形態3の場合と同様に決定して、これらの送出頻度に基づいて、テーブルのデータに変更が起こらない限り、パケット化したストリームを繰り返し送出する。
従って、本実施の形態7は上記実施の形態3とはテーブルの送出頻度の決定主体が異なるだけで、テーブル間に優先順位を設定し、ストリーム送出部62がその優先順位を受け取って各々のテーブルの送出頻度を決定することになるので、本実施の形態7のデータ送出装置によっても、上記実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施の形態7では、ストリーム送出装置62がテーブル間の優先順位に基づいてテーブルの送出頻度を決定し、その決定に基づきテーブルの送出頻度を削減することによりテーブル全体の上限ビットレートおよび規格で決められている送出頻度下限値の制限を満たすようにしているが、上記実施の形態3でも説明したように、本発明ではこれに限らず、優先順位の低いテーブルについては、規格以下の値、極端にはテーブルの送出頻度下限値を0に設定して、全テーブル送出のために必要なビットレートがその上限ビットレートをオーバーしてしまう場合、最も優先順位の低いテーブルから順に非送出として、全体のビットレートを落とすようにしても良い。このように、全てのテーブルについて所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上でテーブルが送出できない場合には、優先順位の低いテーブルについては送出せず、残りの優先順位の高いテーブルについては、所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上で送出するようにしたので、優先順位(重要度)の高いテーブルについては確実に送信できる等、各テーブル間の優先順位に応じてきめ細かく対処した上で、本来送信すべきメディアデータの伝送に悪影響を与えることを防止できる。
実施の形態8.
次に、実施の形態6あるいは実施の形態7において、与えられた上限ビットレートを満たす送出を実行できない場合に、ストリーム送出部がテーブル生成部に対し、テーブルの再生成を指示する実施の形態8のデータ送出装置について説明する。
図7に、この発明の実施の形態8のデータ送出装置の構成図を示す。
図7において、ストリーム送出部72は、上限ビットレートS75およびテーブル間の優先順位S76を受け取り、各テーブルの送出頻度を決定し、その送出頻度で各テーブルS731〜S733を変換したストリームS74を送出する。ここで、各テーブルの送出頻度を決定する際、送出すべきストリームS74のビットレートの総和が上限ビットレートS75をオーバーする場合、ストリーム送出部S72は、テーブル間の優先順位S76を考慮しながら、テーブル生成部71に対してテーブルを再生成するためのテーブル再生指示S72を送る。
テーブル再生指示S72の内容は、例えば、テーブル間の優先順位が図4に示すように設定されている場合、この優先順位に従って、最も順位の低いEIT[スケジュール]に関し、例えば「詳細説明」を省略したり、イベント(番組)の日数を指定して指定日数分のイベントの情報全てを削減する等の処理によりテーブルの情報量が削減されるようにテーブルの再生成を指示する。
従って、本実施の形態8のデータ送出装置によれば、ストリーム送出部72において各テーブルの送出頻度を決定する際、上限ビットレートおよび各テーブルの送出頻度下限値を満足するように設定できない場合、ストリーム送出部72は、テーブル生成装置71に対しテーブル再生成指示S72を送り、例えば優先順位の低いテーブルについてはその情報量を削減させる等のテーブルを再生成させるようにしたので、テーブルの再生成によって総ビットレート数の削減を図ることが可能となる。
特に、この実施の形態8のように、テーブル生成装置71に上限ビットレートS75が入力していない場合には、テーブル生成装置71において上限ビットレートS75を満足するような各テーブルの情報量が認識できないので有効となる。
このように、生成したテーブルについて所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上でテーブルが送出できない場合には、テーブルの再生成を行うようにしたので、一回で上限ビットレート以下のテーブル送出量を求めることが出来ない場合には、有効である。
実施の形態9.
以上の実施の形態においては、テーブル生成部は実際のテーブルを生成する機能あるいはテーブルの送出頻度を決定する機能のみを保持しているが、次にテーブル生成部がテーブル生成に先立ってあらかじめ生成するテーブルの情報量の計算を行う実施の形態9のデータ送出装置について説明する。
図8(A),(B)は、それぞれ、実施の形態9のデータ送出装置のテーブル生成部におけるテーブル情報量の計算手順を示すフローチャートである。
例えば、EIT[スケジュール]の送出ビットレートを計算する場合、EIT[スケジュール]のデータサイズを知る必要がある。仮にEIT[スケジュール]の構成要素を「開始時間」、「継続時間」、「(番組の)簡単な説明」、「(番組の)詳細情報」に限定すると、通常は、図8(A)に示すように、ステップ200〜240の処理により各イベント毎に「開始時間」、「継続時間」、「(番組の)簡単な説明」、「(番組の)詳細情報」をバッファに記録していき、ステップ250により最後にバッファの総バイト数を測定する方法が1つある。
ところが、データサイズを知るだけであるならば、実際にこのようにテーブル情報をバッファに書き込むというテーブル生成のステップを行う必要はない。
つまり、図8(B)に示すように、まずステップ300〜320の処理により各イベント毎に「(番組の)簡単な説明」および「(番組の)詳細情報」のバイト数を調べて加算し、その終了後、ステップ330により、現在のARIB規格の場合には“イベント(番組)数×8バイト”を計算して加算する。これは、例えばARIB規格においては番組の「開始時間」は1番組に5バイト、「継続時間」は1番組に3バイトで記録することが予め定められているため、番組の「開始時間」と「継続時間」とについては、「イベント(番組)数×8バイト」にて計算すればよいからである。
その結果、番組の「簡単な説明」、「詳細情報」については、図8(A)に示すようにバッファに記録する場合と、図8(B)に示すようにバイト数を加算する場合とでは、処理時間に大きな差が存在し、また「開始時間」、「継続時間」についてはイベント毎のループを省略でき、しかもARIB規格において予め分かっている時間を用いての簡単な計算で済むため、図8(A)に示す場合に比べて図8(B)に示す場合は、処理時間を大幅に短縮できる。このため、例えば実施の形態2等のように、テーブルの情報量を調節する場合に、図8(B)に示すような処理によってあらかじめ各テーブルのデータサイズを計算することによって、テーブル生成部の処理時間の短縮が可能である。
従って、この実施の形態9のデータ送出装置によれば、番組の簡単な説明や詳細情報等の情報についてはバイト数を調べて加算し、規格等により予め決まっている番組の開始時間や継続時間等については計算し加算するようにしたので、全ての情報を記録して最後に総バイト数を測定する方法に比べて処理時間を大幅に短縮できる。
また、テーブル生成に先立って生成するテーブルの情報量の計算を行ない、この計算結果に基づいて所定の上限ビットレート以下の送出量でかつテーブル毎の特定の送出頻度以上でテーブルが送出されるように各テーブルの情報量を調整してテーブルを生成するようにしたので、短時間で上限ビットレート以下のテーブル送出量を求めることができる。
また、テーブル生成に先立って生成するテーブルの情報量の計算を行なう際、各テーブルの情報のうち予め決まっていない情報量を持つ情報についてはその情報量を検出して加算すると共に、予め決まっている情報量を持つ情報については予め記憶しておいたその情報量を読み出して加算することによりテーブルの情報量の計算を行なうようにしたので、より短時間で上限ビットレート以下のテーブル送出量を求めることができる。
尚、以上の実施の形態1〜9では、上限ビットレートおよび各テーブルの優先順位等の情報がテーブル生成部またはストリーム送出部に入力して、テーブル生成部またはストリーム送出部において、全テーブル送出に必要なビットレートが上限ビットレート以下になるように、優先順位や削減率等を用いたり、用いずに各テーブルの情報量を削減したり、各テーブルの送出頻度を削減等するようにに説明したが、本発明では、これに限らず、テーブル生成部およびストリーム送出部とは別に設けられた制御部(図示せず。)等に上限ビットレートや各テーブルの優先順位等の情報が入力して、その制御部等がテーブル生成装置に対しテーブルの情報量の削減率を指示したり、ストリーム送出部に対し各テーブルの送出頻度を指示するように構成していも勿論良い。
また、以上の実施の形態1〜9では、メインデータとして放送番組、メインデータの関連データとして電子番組案内(EPG)情報の送出の場合を例として説明したが、本発明の適用は、放送番組および電子番組案内情報の送出に限るものではなく、データ放送等他のデータ形態の送出に関し、本来放送すべきデータに多重して伝送する当該データに関連する関連データを生成し送出するデータ送出装置についても適用可能であり、その場合においても、以上の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
11 テーブル生成部、12 ストリーム送出部、S11 番組情報、S12 テーブル(EIT[現在/次])の送出頻度、S13 テーブル(EIT[現在/次])、S14 ストリーム。