JP4871828B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層絶縁フィルム、及びこの多層絶縁フィルムを回路基板に積層した多層プリント配線板の製造方法に関する。
近年、IT機器の小型化・軽量化の要請に伴い、多層プリント配線板には、薄型化、高密度化及び高信頼性化が要求されている。高密度化は多層プリント配線板の面方向だけでなく、厚さ方向へも要求が高まっている。この要求に応えるべく、絶縁層の厚さを薄くすることが行われてきているが、厚さを薄くすると、層の厚さの不均一に起因する、層間接続距離の不均一による電気信号の遅延などといった問題が発生している。又、厚さ方向の高密度化のために、多層プリント配線板内に電気部品や半導体素子など内蔵する手法がとられているが、配線板と部品との間に絶縁性樹脂が充填されずボイドが発生し易いなどといった問題があった。
例えば、特許文献1では、最低溶融粘度の異なる2種類の接着剤シートを用いることにより、最低溶融粘度の低い方の樹脂で、内層スルーホールを埋め込み、最低溶融粘度が高い方の樹脂で、均一で厚みばらつきの少ない絶縁層を形成するとされている。特許文献2では、内層の絶縁基板に貫通孔を設け、その上に部品を設置し、絶縁基材と導体基材とを積層し、この積層と同時に絶縁基材にて部品を封止する工程とを有する部品内蔵型プリント配線板の製造方法が開示されている。この貫通孔が絶縁基材の樹脂流れ性を向上させることにより部品下部及び周辺にボイドなどの不具合要因を発生させないとされている。
しかしながら、特許文献1に開示された接着剤シート及び積層方法では、回路基板上の凹凸が大きくなったりスルーホールなどの孔が大きくなったりした場合には、絶縁層の表面の平坦性が不充分である恐れがある。特許文献2に開示されたプリント基板では、部品の下に貫通孔が必要であり、近年の高密度化の要求において、このような制約があるのは好ましくない。
特開2005−123436号公報 特開2006−41000号公報
上記事情に鑑み、本発明は、スルーホールやビアホール等の孔や回路パターン等の凹凸を有する回路基板上に多層絶縁フィルムを積層する場合に、基板内部にボイドが生じにくく、表面平坦性が充分に確保される多層絶縁フィルム、及びこの多層絶縁フィルムを回路基板上に積層した多層プリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は(イ)基材と、(ロ)熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤を含む樹脂組成物からなり、高分子材料として重量平均分子量5000以上の樹脂を5〜60wt%含有し、基材に接する第1層と、この第1層上に設けられ、無機充填材の合計量を30〜90wt%含有する第2層とを含んで積層された絶縁層とを備える多層絶縁フィルムであることを要旨とする。
本発明の第2の態様は(イ)基材と、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤を含む樹脂組成物からなり、高分子材料として重量平均分子量5000以上の樹脂を5〜60wt%含有し、基材に接する第1層と、この第1層上に設けられ、無機充填材の合計量を30〜90wt%含有する第2層とを含んで積層された絶縁層とを備える多層絶縁フィルムを用意し、第2層が回路基板に対向するように多層絶縁フィルムを回路基板上に載置し、温度60〜200℃、かつ、圧力1〜30MPaにて加熱加圧する第1の工程と、(ロ)多層絶縁フィルムを温度60〜140℃で加温処理する第2の工程と、(ハ)第2の工程の温度よりも20℃以上高く、かつ、140〜200℃の範囲の温度で多層絶縁フィルムを加温処理する第3の工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、スルーホール等のような孔やビアホール等の凹凸等を有する回路基板に多層絶縁フィルムを積層する場合でも、ボイドが生じにくく、かつ、表面平坦性が充分に確保される多層絶縁フィルム、及びこの多層絶縁フィルムを回路基板上に積層した多層プリント配線板の絶縁厚みを一定に保つことが可能な多層プリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(多層プリント配線板及び多層絶縁フィルム)
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板は、多層絶縁フィルムを回路基板やプリント基板(回路基板やプリント基板を総称して、以下において「回路基板」と言う。)上に積層して構成される。この多層絶縁フィルムは、(イ)基材と、(ロ)原料として、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤を含む樹脂組成物からなり、高分子材料として重量平均分子量5000以上の樹脂を5〜60wt%含有し、基材に接する第1層と、この第1層上に設けられ、無機充填材の合計量を30〜90wt%含有する第2層とを含んで積層された絶縁層とを備える。即ち、多層絶縁フィルムは、基材、第1層、第2層の順に積層されている。第1層と第2層との間には、追加で第1層や第2層と同等の層が積層されてもよい。又、層と層との間に接着剤、プライマー等が塗布されて積層されていてもよく、これらの接着剤、プライマー等が層と層との間に挿入された場合は、層間強度を高めることができるため好ましい。第1層に重量平均分子量が5000以上の高分子材料を5〜60wt%含有するようにすることにより、プレス時に圧力がかかっても流動しない非流動層(高粘度層)を形成し、初期厚みを維持できるので、狙いの絶縁層厚みに仕上げることが可能である。又、第2層に無機材料を多く含ませることにより、高流動性層(流動層)とすることにより、表面にビアホール等の孔や回路パターンの凹凸を有する基板上に、第1層と第2層からなる絶縁膜を積層した場合において、部位による収縮率に差が生じにくく、かつ、樹脂シートの表面平坦性が充分に確保され、絶縁層厚みが一定に保たれた多層プリント配線板を得ることができる。第2層は無機充填材の合計量を30〜90wt%とすることで、プレス時の樹脂流動後の収縮量を小さくできるので平坦性を充分確保することができる。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板に用いられる回路基板は、特に限定されないが、例えば、多層積層板用途向けにスルーホールビアを有する基板、ブラインドビアを有する基板、金属が配線された基板等、表面が平坦ではなく、凹凸を有する基板等が挙げられる。ここで、基板の材質については、特に限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板は、ビアホール等の孔や回路パターンの凹凸を有する回路基板上に多層絶縁フィルムを積層する場合でも、多層絶縁フィルムの積層部位による収縮率に差が生じにくく、極めて良好な厚さ精度を有し、かつ、多層絶縁フィルムの表面平坦性が充分に確保される。このため、本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板は、金属配線を用いて回路基板上に回路を形成した際に、厚さ方向の電気抵抗と電気信号の長さのばらつきが少なくなり、信号のノイズ等が低減できる。
先ず、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを構成する、第1層、第2層及び基材について説明する。
<第1層>
先ず、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムの絶縁層(高粘度層)を構成する第1層について説明する。高粘度層(非流動層)となる第1層の絶縁層は、原料として、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤を含む樹脂組成物からなる。高分子材料としては、重量平均分子量が5000以上であれば特に限定されず、従来公知のポリアセタール、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PPB)、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミドなどのエンジニアプラスチック、及びこれらの樹脂に官能基を付与した樹脂や、又、フェノキシ樹脂などの高分子量の熱硬化性樹脂等を用いることができる。この中で、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムの第1層を製造するに当たり、原料として用いられる後述のエポキシ樹脂との相溶性の観点からフェノキシ樹脂を用いるのが好ましい。
高分子材料の重量平均分子量は、5000以上であることが好ましく、より好ましくは20000以上である。重量平均分子量が5000未満であると、高温時において高分子材料の粘度が低くなるため、例えば真空プレス機などを用いた回路基板への加熱加圧時に、第1層が均一な絶縁厚みを維持できなくなる傾向がある。高分子材料は少量の添加で増粘効果が高いことが望ましいことから、分子量が大きい方が好適に使用できる。
高分子材料は、用いる原料全体に対して、5〜60wt%であることが好ましく、より好ましくは30〜50wt%である。5wt%未満であると、原料混合物全体の粘度が低下し、例えば真空プレス機などを用いて回路基板への加熱圧着する際に、第1層が均一な絶縁厚みを維持できなくなる傾向がある。一方で、60wt%を超えると、原料混合物全体の粘度が増大しすぎてボイドが発生し易くなる傾向がある。本発明において高分子材料は第1層の粘度を上昇させることで流動性を抑制し、プレス時にほとんど流動せず、圧力が開放された後も平坦性を確保できるという役割を果たしている。つまり回路基板と多層絶縁フィルムとが積層された積層基板表面の平滑性を向上することができる。
本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを構成する第1層の絶縁層の原料としての熱硬化性樹脂には、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、少なくとも1個のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物が挙げられる。エポキシ樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、
1)ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂といった芳香族エポキシ樹脂、
2)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの脂環族エポキシ樹脂、
3)ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ樹脂、
4)フタル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、
5)トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、
6)グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体などのグリシジルアクリル型エポキシ樹脂、
7)1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂などのポリエステル型エポキシ樹脂、
8)エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ジシクロペンタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体又はその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合を有する化合物をエポキシ変性したエポキシ樹脂
9)スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体など、あるいはこれらを水添した化合物にエポキシ変性したエポキシ樹脂
10)更には、エポキシ樹脂の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂、
などが挙げられる。この中で、絶縁フィルムを製造する際の原料の溶媒への溶解性や成形性の向上という観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を、絶縁フィルムの耐久性・耐薬品性向上、更には、耐熱性向上、吸水性低減、熱履歴付与に対する寸法安定性向上及び電気特性の向上という観点からビフェニル構造を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
又、エポキシ樹脂には、例えば、1)分子内にブタジエン骨格を有する可撓性エ
ポキシ樹脂などといったエポキシ樹脂の誘導体、2)エポキシ樹脂の水添物、3)熱硬化
型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などといったエポキシ樹脂と
共重合可能な樹脂が含有されていてもよい。
多層絶縁フィルムの第1層の原料としての硬化剤としては、例えば、フェノール化合物、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、活性エステル化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤及びそれらの誘導体などが挙げられる。この中で、樹脂組成物の電気的特性、機械的特性及び成形性の向上という観点からフェノール化合物を、又、特に、樹脂組成物の耐熱性向上、吸水性低減、熱履歴付与に対する寸法安定性向上及び電気特性の向上という観点からビフェニル構造を有するフェノール化合物を用いることが好ましい。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化剤の配合割合は、本発明の課題達成を阻害しない限り特に限定されないが、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部である。硬化剤が、1重量部より少ないとエポキシ樹脂が充分に硬化しないことがあり、一方で、200重量部より多いとエポキシ系樹脂を硬化するのに過剰となることがある。
第1層の絶縁層の原料としての無機充填剤としては、シリカ、層状珪酸塩、タルク、誘電体セラミック粉末が、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、スズ、ネオジウム、ビスマス、リチウム、サマリウム、タンタルなどの金属元素を含む金属酸化物粉末などが挙げられる。無機充填剤の含有量は、第1層中における全固形分量に対して5〜70wt%であることが好ましい。より好ましくは10〜50wt%である。5wt%未満であると、高温時に高分子材料に流動性が生じた場合に流動性を抑制効果が少ない傾向がある。70wt%を超えると、加圧や加熱冷却の繰り返えされるような場合にひずみを吸収できず、ひび割れが生じたりする傾向がある。
無機充填剤としてのシリカとしては、例えば、天然シリカ原料を粉砕して得られる結晶性シリカ、火炎溶融及び粉砕によって得られる破砕溶融シリカ及び球状溶融シリカ、フュームドシリカ(アエロジル)、あるいはゾルゲル法などによって得られる合成シリカなどが挙げられる。ここで、合成シリカは、イオン性不純物を含んでいる場合が多いため、純度の面で溶融シリカを用いるのが好ましい。シリカの形状としては、特に限定されないが、真球状、不定形状などが挙げられる。シリカの粒径は、微細金属配線のファインパターン形成の観点から、平均粒子径が0.01〜2.00μm、最大粒子径が5.00μm以下であることが好ましい。
多層絶縁フィルムの第1層の原料に無機充填剤として用いるシリカは表面処理を施されていることが好ましく、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが使用可能である。シリカは、メッキ前処理して微細なアンカー(粗面)を形成できファインパターンが形成可能であるという観点から、イミダゾールシランカップリング剤により表面処理されていることが好ましい。第1層に用いるイミダゾールシランカップリング剤により表面処理されたシリカの含有量は、第1層中における全固形分量に対して5〜50wt%であることが好ましい。より好ましくは、10〜30wt%である。5wt%未満であると、粗化ピールが低くなる傾向がある。一方で、50wt%を超えると、樹脂成分が少なくなった結果、絶縁フィルムをメッキの前処理する際に処理液で削れ易くなり粗化ピールが低くなる傾向がある。
多層絶縁フィルムの第1層の原料に無機充填剤として用いる層状珪酸塩は、層間に交換性金属カチオンを有する層状の珪酸塩鉱物を意味し、天然物であっても合成物であってもよい。層状珪酸塩として、アスペクト比が大きい層状珪酸塩を用いることで、得られる絶縁フィルムの機械的特性を向上させることができる。アスペクト比が大きい層状珪酸塩としては、例えば、スメクタイト系粘度鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイトなどが挙げられる。スメクタイト系粘度鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどが挙げられる。これらのうち、層状珪酸塩として、モンモリロナイト、ヘクトライト、及び膨潤性マイカからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。層状珪酸塩は、有機化層状珪酸塩であることが好ましい。有機化層状珪酸塩とは、層状珪酸塩を、樹脂中の分散性や、劈開性を向上させるなどの目的で、公知の有機化処理、例えば、層状珪酸塩の結晶層間を炭素数6以上のアルキル基を有する4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩でカチオン交換がされてもよい。
層状珪酸塩は、第1層中における全固形分量に対して0.01〜20wt%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜10wt%である。0.01wt%未満であると、高温時に高分子材料に流動性が生じた場合に流動性を抑制効果が少ない傾向がある。20wt%を超えると、加圧や加熱冷却の繰り返えされるような場合にひずみを吸収できず、ひび割れが生じたりする傾向がある。層状珪酸塩をシリカと併用すると、無機充填剤量が比較的多い場合でも、絶縁フィルムをメッキの前処理する際に処理液で削れ難くなり粗化ピールの低下が抑制される。この場合、第1層中における全固形分量に対して0.01〜10wt%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2wt%である。
なお、第1層の絶縁層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤以外に、本発明の課題達成を阻害しない限り、必要に応じて、原料として、熱可塑性樹脂類、熱可塑性エラストマー類、架橋ゴム、オリゴマー類、無機化合物、造核剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、及び着色剤等の添加剤が配合されてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
<第2層>
次に、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムの絶縁層(流動層)を構成する第2層について記載する。流動層となる第2層の絶縁層も高粘度層となる第1層の絶縁層と同様に、原料として、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤を含む樹脂組成物からなる。第2層の絶縁層の無機充填材としてシリカ及び層状珪酸塩が含有される。第2層の絶縁層に用いられるシリカ及び層状珪酸塩としては、第2層に用いる固形成分に対して、合計して30〜90wt%の含有量であることが好ましく、多層絶縁フィルムの第1層で使用するシリカ及び層状珪酸塩を用いることができる。シリカ及び層状珪酸塩の合計の含有量が30wt%未満であると、固形分全体に対する樹脂分の割合が高くなり、このような原料混合物を用いて絶縁フィルムを作製した場合には、塗工後の加熱処理時に、硬化収縮率が高くなる。このことより、塗工膜厚の厚い部位は、塗工膜厚の薄い部位に比べて、硬化収縮が大きく、結果として、多層絶縁フィルムを回路基板に積層し、多層プリント基板を得た場合に、多層プリント基板表面の凹凸が大きくなる傾向があり、平坦性が充分に確保されない恐れがある。一方、シリカ及び層状珪酸塩の合計の含有量が90wt%を超えると、原料混合物の粘度が高くなり、絶縁フィルム作製時のハンドリング性が低下する傾向にある。斯かる傾向を踏まえた上で、シリカ及び層状珪酸塩の合計のより好ましい含有量は、45〜70wt%である。
第2層の絶縁層の無機充填材としての層状珪酸塩は、第2層の全固形分量に対して0.05〜5wt%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1〜3wt%である。0.05wt%未満であると、スルーホールなどへ充填される際にシリカの流動性に不均一が生じ、硬化収縮を抑制する効果や機械強度などに不均一を生じる傾向がある、5wt%を超えると、増粘により流動性が悪化しビアホール等への充填性が低下する傾向がある。
第2層の絶縁層の原料としての熱硬化性樹脂には従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。即ち、第2層の絶縁層の原料としてのエポキシ樹脂は、特に限定されず、多層絶縁フィルムの第1層で使用するエポキシ樹脂を用いることができる。同様に、第2層の絶縁層の原料としての硬化剤も、特に限定されず、多層絶縁フィルムの第1層で使用する硬化剤を用いることができる。
又、第2層の絶縁層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤以外に、本発明の課題達成を阻害しない限り、必要に応じて、熱可塑性樹脂類、熱可塑性エラストマー類、架橋ゴム、オリゴマー類、シリカと層状珪酸塩以外の無機充填剤、造核剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、軟化剤、可塑剤、及び着色剤等の添加剤が配合されてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを構成する樹脂組成物中に含まれる固形成分とは、加熱硬化によっても実質的に揮発しない成分を指す。例えば、液状の樹脂などは固形成分であり、溶剤などは固形成分ではない。
<基材>
なお、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを構成する基材としては、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、銅箔などが挙げられ、必要に応じて、更に離型処理がされていてもよい。又、基材には、更にごみなどの付着を防ぐために、保護フィルムが積層されていてもよい。このようなものとしては基材で用いることができるフィルムを用いることができ、基材と同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
多層絶縁フィルムを回路基板に積層し、多層プリント基板を得た場合に、多層プリント基板表面の凹凸を小さくするには銅箔などの弾性率の高い基材が好ましい。基材は、そのまま回路パターン形成に用いてもよく、剥離してもよい。基材を剥離するには、機械的に剥離したり、基材を溶解しうる溶解剤を用いて剥離することができる。基材が銅箔の場合は、例えば塩化第2鉄などを含む溶液が挙げられる。剥離した後は銅メッキなどにより導体層を形成した後に回路を形成することもできる。
基材を剥離した多層プリント基板の表面粗さは、元の基材の表面粗さが小さいほど小さくなる傾向がある。一方、元の基材の表面粗さが小さすぎると、積層工程において多層絶縁フィルムの基材と第1層との間で剥離が生じ、ひいては多層プリント基板表面の凹凸を小さくする効果が薄れてしまう恐れがある。より好ましい基材の一例としては、マット処理されたPETなどのプラスチックフィルムや低粗度の銅箔などが挙げられる。表面粗さの小さい基材とイミダゾールシラン処理シリカを5〜50wt%含有されている第1層の組み合わせにより、メッキ前処理の後に微細な粗面を形成するこができ例えばL/S=5μm/5μmのファインパターン形成が可能となる。今後多層プリント基板の高集積化に伴い、L/Sはますます小さくなる一方で、表面粗さの大きいではファインパターンの形成が困難であり、本発明の有効性は非常に高いと考えられる。離型処理方法としては、離型性を有するフィルムに、シリコン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤などを含有させたり、離型性を有するように表面に凹凸を付与する処理、例えば梨地のエンボス加工などを施したり、シリコン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤などの離型性を有する物質を表面に塗布したりする方法などを挙げることができる。これらの離型性を有するフィルムを更に保護するために、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、PETフィルム、PPフィルムなどの保護フィルムが、離型性を有するフィルムに積層されていてもよい。
(多層絶縁フィルムの製造方法)
本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、
(イ)熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤等の原料を、押出機にて溶融混練した後に押出し、Tダイやサーキュラーダイなどを用いてシート状に成形する押出成形法、 (ロ)熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子材料、無機充填剤等の原料を、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させた後、キャスティングしてシート状に成形するキャスティング成形法、 (ハ)従来公知のその他のシート成形法等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムは、基材、第1層、第2層の順に積層されている。多層絶縁フィルムを作成する手順は特に問わない。例えば、基材上に第1層を積層し、その後第1層の上に第2層を積層したり、基材と第1層と第2層を同時に積層したりする手順が挙げられる。第1層と第2層との間には、追加で第1層や第2層と同等の層が積層されてもよい。第1層と第2層は必要に応じて、同時に、又は各々独立して溶剤の乾燥処理や加熱処理を行うことができる。又、層と層との間には、接着剤、プライマー等が塗布されて積層されると、層間強度を高めることができるため好ましい。
(多層プリント配線板の製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを用いた多層プリント配線板の製造方法について一例を用いて説明する。本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、(イ)基材と、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子量成分、無機充填剤を含む樹脂組成物からなり、高分子量成分として重量平均分子量5000以上の樹脂を5〜60wt%含有し、基材に接する第1層と、この第1層上に設けられ、無機充填材の合計量を30〜90wt%含有する第2層とを含んで積層された絶縁層とを備える多層絶縁フィルムを用意し、第2層が回路基板に対向するように多層絶縁フィルムを回路基板上に載置し、温度60〜200℃、かつ、圧力1〜30MPaにて加熱加圧する第1の工程と、(ロ)第1の工程の後、多層絶縁フィルムを温度60〜140℃で加温処理する第2の工程と、(ハ)第2の工程の後、第2の工程の温度よりも20℃以上高く、かつ、140〜200℃の範囲の温度で多層絶縁フィルムを加温処理する第3の工程とを含む。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法においては、回路基板の表面にメッキを施すか銅箔を積層するなどして回路基板上に回路を形成し、必要によっては回路基板にスルーホールやビアホールを形成した後に、回路基板上に多層絶縁フィルムを積層して、多層プリント配線板を得ることができる。更に、この多層プリント配線板(先の多層プリント配線板)を回路基板として用いて、先の多層プリント配線板の表面にメッキを施すか銅箔を積層するなどして先の多層プリント配線板上に回路を形成し、必要によっては先の多層プリント配線板にスルーホールやビアホールを形成した後に、先の多層プリント配線板上に多層絶縁フィルムを積層して、新たな多層プリント配線板を形成するという手順を繰り返すことで、より多層化された多層プリント配線板を得ることができる。
第1の工程は、多層絶縁フィルムの第2層をプリント基板上に形成された回路面上に設置し、プレス機にて温度60〜200℃、かつ、圧力1〜30MPaにて加熱加圧する。第1の工程〜第3の工程は同一の装置で行っても、別の装置で行ってもよい。同一の装置であれば温度の変更に時間がかかり生産性は低くなる傾向があるが、平坦性は良好である。別の装置であれば、温度変更の時間がない代わりに、多くの設備が必要となる。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法に用いる加熱加圧装置としては加熱プレス機やロールラミネーターを挙げることができる。例えばプレス機を用いる場合は、プレス金型と多層積層フィルムの基材との間に表面が平滑な金属板、クッション材、離型フィルム、保護フィルムなど公知の板状物を挿入することができる。同様にロールラミネーターを用いる場合には、クッション材、離型フィルム、保護フィルムなどを用いることができる。
プレス金型と多層積層フィルムの基材との間に表面が平滑な金属板を用いると、得られる多層プリント基板の表面の平滑性が向上する。プレス金型と多層積層フィルムの基材との間にクッション材を用いると、基材面又は第1層面に均一に圧力をかけることができ、ボイドの発生をより低減することができる。プレス金型と多層積層フィルムの基材との間に離型フィルムを用いると、基材面又は第1層面が、上記表面が平滑な金属板あるいはクッション材との離型性を確保することができる。プレス金型と多層積層フィルムの基材との間に保護フィルムを用いると、基材面、第1層面、第2層面などの汚れや傷を防止することができる。又離型フィルムと同様の効果も有する。
又、プレス金型とプリント基板が接する場合にも同様に、プレス金型とプリント基板との間に表面が平滑な金属板、クッション材、離型フィルム、保護フィルムなど公知の板状
物を挿入することができる。更に、2枚の金属板で多層樹脂フィルムとプリント基板の積層体を挟んだまま各工程を移動させると表面平滑性が安定して得ることができる。
多層絶縁フィルムの基材は単層であっても、多層であってもよく、各工程終了後に必要に応じて剥離することができる。基材は、PETフィルムや銅箔などが挙げられるが、第2の工程及び第3の工程が終了するまで剥離せず付着したままで行うと、樹脂の硬化収縮を抑制による凹凸低減が期待できる。又、ごみの付着防止の効果も期待できる。
第1の工程において基材を剥がした後に加熱加圧する際、適切な離型処理を施されたPETフィルムでは、第2の工程後及び第3の工程後でも剥がすことができる。銅箔の場合、塩化第二鉄により常温で5分揺動させながら銅箔をエッチングする。エッチング装置を用いてエッチングをおこなってもよい。又、塩化第二鉄のほかに塩化第二銅、一般的なソフトエッチ液も適用できる。又、基材の銅箔を用いてサブトラクティブ法により導体パターンを形成したり、更に銅箔が10um以下の場合、セミアディティブ法により導体パターンを形成してもよい。
[第1の工程]
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法の第1の工程は、多層絶縁フィルムを、第2層を回路基板に対向させた状態で、真空プレスにて温度60〜200℃、かつ、圧力1〜30MPaにてプレスする工程である。本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法に用いられるプレス機は、特に限定されず、通常のプレス機等も用いられる。例えば北川精機の真空プレス、ミカドテクノスの真空プレス等が挙げられる。以下、加熱加圧に用いる設備として、真空プレス機を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、真空プレス時の温度は、60〜200℃であれば、特に限定されない。60℃未満であると、多層絶縁フィルムの第2層の粘度が充分に低下せず、プレスをしても、絶縁フィルム表面の平坦性が確保されにくく、又充填が不十分となるためにビア部に空隙が発生する傾向がある。一方で、200℃を超えると、絶縁フィルムの第2層を構成している樹脂の硬化反応が進行しすぎることで、樹脂の粘度が充分に低下した状態とならず、プレスをしても、絶縁フィルム表面の平坦性が確保されにくく、又充填が不十分となるためにビア部に空隙が発生する傾向がある。斯かる傾向を踏まえ、真空プレス時のより好ましい温度範囲は、70〜170℃である。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、真空プレス時の圧力は、1〜30MPaであれば、特に限定されない。1MPa未満であると、プレスをしても、絶縁フィルムの第2層の充填が不十分となるためにビア部に空隙が発生する傾向がある。一方で、30MPaを超えると、基材の凹凸が、多層絶縁フィルムの第1層にまで影響し、第1層の厚みムラが生じて絶縁フィルム表面の平坦性が確保されにくくなったり、第1層の厚さが薄くなり絶縁層厚みを確保できなくなる傾向となる。斯かる傾向を踏まえ、真空プレス時のより好ましい圧力範囲は、2〜15MPaである。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法の第1の工程は、熱硬化を完全に終了させないようにすることで、熱硬化による収縮を最小限にとどめている。更に本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法の第2の工程及び第3の工程の2段階の加熱工程を踏むことで、多層絶縁フィルムを緩やかに硬化させることができ、急激な硬化収縮起因の局所的な凹凸形成を抑制することができ、平坦性を確保することができる。したがって、プレス時間については、特に限定されるものではないが、絶縁フィルムの基材凹面への充分な充填及び充分な表面平坦性の確保、生産作業の効率化等の観点から、2〜40分が好ましい。
[第2の工程]
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法の第2の工程は、第1の工程の後で得られた「回路基板付き多層絶縁フィルム」を、温度60〜140℃で加熱処理する工程である。加熱処理については、特に限定されないが、例えば、オーブン等を用いて行われる。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、加熱処理時の温度は、60〜140℃であれば、特に限定されない。60℃未満であると、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応の進行が不十分となり、続く第3の工程の加熱処理時に、樹脂の熱収縮が大きくなり、多層絶縁フィルムの表面の平坦性が確保されにくくなる傾向にある。一方で、140℃を超えると、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応が急激に進行し、樹脂の熱収縮が大きくなり、多層絶縁フィルムの表面の平坦性が確保されにくくなる傾向にある。斯かる傾向を踏まえ、加熱処理時のより好ましい温度範囲は、80〜130℃である。
なお、第2の工程の加熱処理時間については、特に限定されないが、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応及び熱収縮等を考慮した場合、5〜60分が好ましい。
[第3の工程]
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法の第3の工程は、第2の工程の後で得られた「回路基板付き多層絶縁フィルム」を、第2の工程の温度よりも20℃以上高い温度で、かつ、温度140〜200℃で加熱処理する工程である。加熱処理については、特に限定されないが、例えば、オーブン等を用いて行われる。
本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、加熱処理時の温度は、第2の工程の温度よりも20℃以上高い温度で、かつ、140〜200℃であれば、特に限定されない。硬化を均一にかつ段階的に進行させる第3の工程の加熱処理時の温度は、第2の工程の加熱処理時の温度よりも20℃以上高い温度であることが必要である。ここで、第3の工程の加熱処理時の温度が140℃未満であると、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応の進行が不十分となり、その結果、本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法により、プリント基板を製造した後に、更に、多層絶縁フィルムの表面に微細金属を配線するために、多層絶縁フィルムの表面を膨潤処理・粗化処理した場合、多層絶縁フィルムの表面が受ける損傷が大きくなる恐れがある。一方で、第3の工程の加熱処理時の温度が200℃を超えると、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応が急激に進行し、樹脂の熱収縮が大きくなり、多層絶縁フィルムの表面の平坦性が確保されにくくなる傾向にある。斯かる傾向を踏まえ、加熱処理時のより好ましい温度範囲は、150〜180℃である。
なお、加熱処理時間については、特に限定されないが、多層絶縁フィルムの第1層及び第2層を構成している樹脂の硬化反応及び熱収縮等を考慮した場合、30〜90分が好ましい。
積層した多層プリント配線板をセミアディティブ法により導体パターンを形成する際、樹脂表面を膨潤工程、粗化させる工程、粗化した樹脂表面にメッキ触媒を付着させる工程、更にメッキする工程を行うが、膨潤処理方法としては、特に限定されず、従来公知の手法により行われる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N−メチル2ピロリドン、ピリジン、硫酸、スルホン酸などを主成分とする化合物の水溶液や有機溶媒分散溶液による処理方法等が挙げられる。この中で、例えば、エチレングリコールを含んだ水溶液などを用いて、処理温度60〜85℃で1〜20分間、多層プリント配線板を浸漬揺動させる方法が好適である。
多層絶縁フィルムの表面を粗化処理する方法としては、特に限定されず、従来公知の手法により行われる。例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなどのマンガン化合物、重クロム酸カリウム、無水クロム酸カリウムなどのクロム化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸化合物を主成分とする化学酸化剤の水溶液や有機溶媒分散溶液による処理方法などが挙げられる。この中で、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液、30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度70〜85℃で1又は2回、上記多層プリント配線板を浸漬揺動させる方法が好適である。粗化した樹脂表面にメッキ触媒を付着させる工程や、更にメッキする工程については公知の方法を採用することにより行うことができる。
多層プリント配線板においては、多層絶縁フィルム層にビアホールがある場合には、多層絶縁フィルムの表面の粗化処理を行うことで、同時にデスミア処理も行うことが可能である。
高粘度の第1層と、無機材料を多く含み高流動性である第2層の構成よりなる多層絶縁フィルムを用いて上記の工程を経ることで、表面にビアホール等の孔や回路パターンの凹凸を有する基板上に、絶縁膜を積層する場合でも、部位による収縮率に差が生じにくく、かつ、樹脂シートの表面平坦性が充分に確保され、絶縁層厚みが一定に保たれた多層プリント配線板を得ることができる。第1層は重量平均分子量が5000以上の高分子材料を5〜60wt%含有しているのでプレス時に圧力がかかっても流動せずに初期厚みを維持できるので、狙いの絶縁層厚みに仕上げることが可能であると共に、イミダゾールシランカップリング剤により表面処理されたシリカを5〜50wt%含有させることでメッキ前処理後の粗面を微細にすることができる。一方で第2層は無機充填材の合計量を30〜90wt%とすることで、プレス時の樹脂流動後の収縮量を小さくできるので平坦性を充分確保することができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を示して、本発明の実施の形態をより詳細に説明する。実施例及び比較例では、以下の材料を用いた。
[エポキシ系樹脂]
ビフェニル系エポキシ樹脂(1)(商品名「NC−3000FH」、エポキシ当量340、日本化薬社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)(商品名「エピコート828US」、エポキシ当量183、JER社製)
ビフェニル系エポキシ樹脂(3)(商品名「NC−3000H」、エポキシ当量288、日本化薬社製)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(4)(商品名「EPICLON830S」、エポキシ当量168、大日本インキ化学工業社製)
[エポキシ樹脂硬化剤]
フェノール系硬化剤(1)(商品名「MEH7851−4H」、Pst換算での重量平均分子量10200、OH当量241、明和化成社製)
[硬化促進剤]
促進剤(1)(商品名「2MAOK−PW」、四国化成社製)
促進剤(2)(商品名「トリフェニルホスフィン」、和光純薬社製)
[層状珪酸塩(合成ヘクトライト)]
トリオクチルメチルアンモニウム塩で化学処理が施された合成ヘクトライト
[シリカ]
シリカ(1)(龍森社製、平均粒径0.2μm)をイミダゾールシラン(商品名「IM−1000」日興マテリアルズ社製)により表面処理したシリカ
シリカ(2)(アドマテックス社製、平均粒径0.3μm)をイミダゾールシラン(商品名「IM−1000」日興マテリアルズ社製)により表面処理したシリカ
[高分子材料]
フェノキシ樹脂(1)(商品名「YX6954BH30」、Pst換算での重量平均分子量39000、固形分30% MEK35% シクロヘキサノン35%、ジャパンエポキシレジン社製)
フェノキシ樹脂(2)(商品名「1255HX30BPAタイプ」、Pst換算での重量平均分子量49000、固形分30% キシレン35% シクロヘキサノン35%、ジャパンエポキシレジン社製)
[溶剤]
N,N−ジメチルホルムアミド(特級試薬、和光純薬工業社製)
(実施例)
<回路基板の作成>
ガラスエポキシ基板(商品名「FR−4」、品番「CS−3665(100mm×100mm×0.4mm)」、利昌工業社製)上に、穴開けドリルで、φ300μm、φ700μm、φ1.5mmのスルーホールを50個ずつ形成した。
そのFR−4基板の下側片面に、ノバデュラン5040ZS(三菱エンジニアリング社製)を溶融しTダイで押出成形してなる厚さ80μmのフィルムをロールラミネーターで200℃でラミネートして、片面が保護フィルムでふたをされたガラスエポキシ基板からなる回路基板(A)を得た。
<多層絶縁フィルムの作成>
基材として銅箔(NA−DEF、三井金属社製、mat面、算術平均粗さ(以後Ra):250nm、十点平均粗さ(以後Rz):2.5μm)上に、表1の実施例1に係る多層絶縁フィルムの第1層を構成する原料配合からなる樹脂混合物を、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗工後、ギアオーブン中で100℃、12分間の加熱処理を行うことで、Bステージフィルム(A)を得た。次に、保護フィルムとしてPETフィルム(東洋紡社製、厚み35μm、Ra:70nm、Rz:1.2μm)上に、表1の実施例の第2層を構成する原料配合からなる樹脂混合物を、アプリケーターを用いて膜厚120μmとなるように塗工後、ギアオーブン中で120℃、12分間の加熱処理を行うことで、Bステージフィルム(B)を得た。Bステージフィルム(A)とBステージフィルム(B)を、120℃で真空ラミネートにて張り合わせることにより、基材と第1層及び第2層及び保護フィルムからなる多層絶縁フィルム(C)を得た。
Figure 0004871828
<プレス処理>
多層絶縁フィルム(C)から保護フィルムを剥離した多層絶縁フィルム(C')を準備した。下からSUS板(200mm×200mm×1.5mm)、ガラスエポキシ基板からなる回路基板(A)、多層絶縁フィルム(C')(第2層が作成された回路基板に接するように配置)、SUS板(200mm×200mm×1。5mm)の順に重ねて真空プレス機(ミカドテクノス社製)に設置し、100℃、4MPaで10分間圧着処理を行った。
<加熱処理1>
多層絶縁フィルム(C)が圧着され、スルーホールが樹脂で充填された回路基板(B)を、ギアオーブン中で、120℃、10分間の加熱処理を行った。
<加熱処理2>
更にギアオーブン中で、170℃、60分間の加熱処理を行い回路基板(C)を得た。
<エッチング>
回路基板(C)上の基材の銅箔は、塩化第二鉄により常温で5分間揺動させながらエッチングし銅箔を除去して、第1層を最外面として露出した。その後、純粋でよく洗浄した。
<粗化メッキ>
次いで、多層絶縁フィルム(C')の露出した第1層の表面に粗化処理を行った。70℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に、多層絶縁フィルムを入れて5分間揺動させる処理を行った。又、過マンガン酸塩処理が終了した多層絶縁フィルムを、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)を用いて2分間処理した後、純粋でよく洗浄し、乾燥させた。 次に、粗化処理された第1層が最外面となった多層絶縁フィルムに銅メッキ処理を行った。多層絶縁フィルムを60℃のアルカリクリーナ(クリーナーセキュリガント902)で5分間処理し、表面を脱脂洗浄した。洗浄後、多層絶縁フィルムを25℃のプリディップ液(プリディップネオガントB)で2分間処理した。その後、多層絶縁フィルムを40の℃のアクチベーター液(アクチベーターネオガント834)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(リデューサーネオガントWA)で5分間処理した。次に、多層絶縁フィルムを化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK)に入れ、無電解メッキをメッキ厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解メッキ後は残留水素ガス除去のため、120℃の温度で30分間アニールをかけた。無電解メッキの工程までのすべての工程においては、ビーカースケールで処理液を1Lとし、多層絶縁フィルムを揺動させながら各工程を実施した。次に、無電解メッキ処理された樹脂シートに、電解メッキをメッキ厚さが20μmとなるまで実施した。電気銅メッキとして硫酸銅(リデューサーCu)を用い、電流は0.6A/cm2とした。180℃×1hrのアフターベークを行った。その後、純水でよく洗浄し、真空乾燥機でよく乾燥させた。
(実施例2〜11及び比較例1〜7)
多層絶縁フィルム(C')の原料配合を下記の表1〜表3に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして回路基板の作成、多層絶縁フィルムの作成、プレス処理及び加熱処理を行った。
Figure 0004871828
Figure 0004871828
Figure 0004871828
Figure 0004871828
(実施例12)
多層絶縁フィルムの作成において、銅箔の代わりにPETフィルム(東洋紡社製、厚み35μm、Ra:70nm、Rz:1.2μm)上に、表1の実施例1の第1層を構成する原料配合からなる樹脂混合物を、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗工後、ギアオーブン中で100℃、12分間の加熱処理を行うことで、Bステージフィルム(A)を得た。多層絶縁フィルム(C)の原料配合を下記の表3に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして回路基板の作成、多層絶縁フィルムの作成、プレス処理及び加熱処理を行った。
(実施例及び比較例の評価)
1.埋め込み性
回路基板(C)のスルーホール部分の断面を金属顕微鏡(OLYMPAS MM6-LS22)で観察し、多層絶縁フィルム(C)が下部まで封止されているものを○、封止されていないものを×とした。なお、封止の可否判断は、スルーホール部分の断面の気泡の存在の有無(無しを○、有りを×とした)で行った。
2.粗化接着強度
基材に銅箔を用いた実施例は、銅箔が薄すぎて測定が困難であったため、銅箔を取り除いた後にメッキを施して評価を行った。
多層絶縁フィルム(C)をガラスエポキシ基板(FR-4、品番「CS-3665」、利昌工業社製)に120℃で加熱ラミネートし、基材を剥離して、その後170℃のギアオーブン中で1時間加熱して、第1層の表面を、下記の過マンガン酸塩処理、即ち粗化処理を行った。
(1)過マンガン酸塩処理
70℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に、多層絶縁フィルムを入れて5分間揺動させる処理を行った。又、過マンガン酸塩処理が終了した多層絶縁フィルムを、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)を用いて2分間処理した後、純粋でよく洗浄し、乾燥させた。
(2)銅メッキ処理
次に、粗化処理された第1層が最外面となった多層絶縁フィルムに銅メッキ処理を行った。多層絶縁フィルムを60℃のアルカリクリーナ(クリーナーセキュリガント902、アトテックジャパン社製)で5分間処理し、表面を脱脂洗浄した。洗浄後、多層絶縁フィルムを25℃のプリディップ液(プリディップネオガントB、アトテックジャパン社製)で2分間処理した。その後、多層絶縁フィルムを40の℃のアクチベーター液(アクチベーターネオガント834、アトテックジャパン社製)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(リデューサーネオガントWA、アトテックジャパン社製)で5分間処理した。次に、多層絶縁フィルムを化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK、いずれもアトテックジャパン社製)に入れ、無電解メッキをメッキ厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解メッキ後は残留水素ガス除去のため、120℃の温度で30分間アニールをかけた。無電解メッキの工程までのすべての工程においては、ビーカースケールで処理液を1Lとし、多層絶縁フィルムを揺動させながら各工程を実施した。次に、無電解メッキ処理された樹脂シートに、電解メッキをメッキ厚さが20μmとなるまで実施した。電気銅メッキとして硫酸銅(リデューサーCu、アトテックジャパン社製)を用い、電流は0.6A/cm2とした。180℃×1hrのアフターベークを行った。得られた硬化物の銅層に、10mm幅に切り欠きを入れて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で測定を行い、を測定した。
(粗化接着強度測定)
得られた銅箔メッキを施された回路基板に10mm幅に切り欠きを入れて、この回路基板を引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)に固定し、銅層をチャックにセットして、引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で測定を行い、粗化した絶縁樹脂層と銅メッキとの接着強度を測定した。
3.表面粗さ
ガラスエポキシ基板(FR-4、品番「CS-3665」、利昌工業社製)に多層絶縁フィルムを加圧プレスし、過マンガン酸塩による粗化処理を行った。得られた硬化物を走査型レーザー顕微鏡(品番「1LM21」、レーザーテック社製)にて100μm2の 測定範囲における表面粗さ(Ra,Rz)を測定した。
4.絶縁層厚み
スルーホール部分及びビアが存在しない任意の50箇所の回路基板断面を観察し、多層絶縁フィルム(C)が圧着された回路基板の上面側の面から、多層絶縁フィルムの樹脂成分までの最上点までの距離を計測し、絶縁厚みを算出した。
5.凹凸
スルーホール部分の任意の50箇所の回路基板断面を観察し、回路基板の上面側の面からスルーホール近傍の多層絶縁フィルム(C)の樹脂成分までの最上点までの距離から、多層絶縁フィルム(C)が圧着された回路基板の上面側の面からスルーホール中心部の最下点までの距離を引いた値の平均値を凹凸として算出した。
6.厚みバラツキ
スルーホール部分及びビアが存在しない任意の50箇所の回路基板断面を観察し、多層絶縁フィルム(C)が圧着された回路基板の上面側の面から、多層絶縁フィルムの樹脂成分までの最上点までの距離を計測し、これらの値の最大値から最小値を引いた値をバラツキとして算出した。
以上の結果から、本発明の実施の形態に係る多層プリント配線板の製造方法によれば、ビアホール等の孔や回路パターンの凹凸を有する回路基板上に多層絶縁フィルムを積層する場合でも、多層絶縁フィルムの積層部位による収縮率に差が生じにくく、極めて良好な厚さ精度を有し、かつ、多層絶縁フィルムの表面平坦性が充分に確保された回路基板と多層絶縁フィルムとからなる多層プリント配線板を得ることができる。そのため、本発明の実施の形態に係る多層絶縁フィルムを絶縁層として用いた多層プリント配線板は、金属配線を用いて回路を回路基板上に形成した際に、厚さ方向の電気抵抗と電気信号の長さのばらつきが少なくなり、信号のノイズ等が低減できる。

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材に接する第1層と、該第1層上に設けられ第2層とを含んで積層された絶縁層とを備える多層絶縁フィルムの製造方法であって、
    原料としてエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フェノキシ樹脂、無機充填剤を含む樹脂組成物からなる前記第1層、及び原料としてエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤を含む樹脂組成物からなる前記第2層とを用いて、
    前記基材、前記基材に接した前記第1層と、前記第1層上に設けられた前記第2層とを含んで積層された前記絶縁層を備える多層絶縁フィルムを用意し、前記第2層が回路基板に対向するように前記多層絶縁フィルムを前記回路基板上に載置し、温度60〜200℃、かつ、圧力1〜30MPaにて加熱加圧する第1の工程と、
    前記多層絶縁フィルムを温度60〜140℃で加温処理する第2の工程と、
    前記第2の工程の温度よりも20℃以上高く、かつ、140〜200℃の範囲の温度で前記多層絶縁フィルムを加温処理する第3の工程
    とを含み、前記第1層が前記フェノキシ樹脂を前記第1層の原料全体に対して20〜60wt%含有し、前記第2層が前記無機充填材を30〜90wt%含有し、且つ、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、前記硬化促進剤の合計量に対する前記硬化促進剤の比が、前記第1層の方が前記第2層より大きいことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記第1層において、前記無機充填剤がシリカであり、かつ、イミダゾールシランカップリング剤による表面処理がされてなり、前記シリカが5〜50wt%含有されていることを特徴とする請求項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 前記第2層において、前記無機充填材としてシリカ及び層状珪酸塩を含有し、該層状珪酸塩が5wt%以下であることを特徴とする請求項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 前記第1層に含まれる前記無機充填剤の平均粒径が、前記第2層に含まれる前記無機充填剤の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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