JP4869823B2 - 衣料用洗剤組成物 - Google Patents
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本発明の衣料用洗剤組成物は(a)成分として粘土鉱物を1〜30質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、衣料用洗剤組成物中の(a)成分の含有量は、2〜25質量%が好ましく、4〜20質量%がより好ましく、6〜18質量%が更に好ましく、8〜15質量%が更に好ましい。
[Si8(MgaAlb)O20(OH)4]X-・MeX+ (3)
(0<a≦6、0<b≦4、X=12−2a−3b、Me:Na、K、Li、Ca1/2、Mg1/2及びNH4の少なくとも1種)
で表される粘土鉱物が好ましい。かかる一般式(3)で表される粘土鉱物の例としては、ズード・ケミ社製の「ラウンドロジルDGA212」、「ラウンドロジルPR414」、「ラウンドロジルDGAパウダー」、ラヴィオッサ・チミカ・ミネラリア・ソシエタ・ペル・アチオニ(Laviosa Chimica Mineraria S.p.A.)製の「デタソフトG1S」、「デタソフトG1B」、「デタソフトG1SW」等が挙げられる。
本発明の衣料用洗剤組成物は、(b)成分として平均分子量が50万以上であって、構成モノマーの60モル%以上がスルホン酸基もしくはその塩型の基、又は硫酸基もしくはその塩型の基を有するポリマー(以下、スルホン酸基及び/又は硫酸基含有ポリマーともいう)0.1〜10質量%含有する。ここで、構成モノマーとは、ポリマー中の構成単位(いわゆるモノマーユニット)をいう。例えば、 CH2=CH(X)の重合体である [CH2−CH(X)]n の構成モノマーとは、モノマー CH2=CH(X)に由来する、−CH2−CH(X)−で表される基を示す。
(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物のことをいう]及びその塩類、スチレンカルボン酸及びその塩類、マレイン酸系モノマー[無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、並びにマレイン酸モノアミド又はそれらの2種類以上からなる混合物]及びその塩類並びにイタコン酸及びその塩類等であり、これらから選ばれる1種以上を用いることができる。これらのうち、共重合が容易であることから、(メタ)アクリル酸及びその塩類、スチレンカルボン酸及びその塩類が好ましく、(メタ)アクリル酸及びその塩類がより好ましい。ここで塩類を形成する対イオンとしては、前記の対イオンであればよい。
1) 無置換、あるいは窒素上の水素原子を炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和のアルキル基又はアラルキル基で置換した(メタ)アクリルアミド類。例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
本発明に用いる(b)成分の平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)測定により決定できる。標準サンプルにはポリエチレンオキサイド(PEO)を使用し、PEO換算分子量を用いる。なお本発明においては、数平均分子量や重量平均分子量ではなく、GPC溶出曲線の検出強度が最も高い留分のPEO換算値(以下、ピークトップ分子量と言う)をもって、(b)成分の平均分子量とする。即ち、例えば「平均分子量が150万以上のポリマー」とは、そのピークトップ分子量がPEO換算分子量にして150万以上の値を呈するポリマーを示す。
カラムはPW/GMPWXL/GMPWXL(東ソー(株)製)、溶離液に0.2Mリン酸バッファー(KH2 PO4 、Na2 HPO4 、pH=7)/CH3 CN=9/1(質量比)を用い、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/min、サンプル濃度は1〜100μg/mLとする。検出器は、RALLS(90°光散乱解析計)を用いる。尚、前記測定方法で測定することが出来ない場合は、RID(示差屈折計)を用いても平均分子量の概算値は見積もることができる。RIDを用いたGPC分析は、例えば、カラム:GMPWXL+ GMPWXL、溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(質量比)、カラム温度:40℃、流速:0.5mL/min、濃度:0.05mg/mLとして測定する。
本発明に使用される界面活性剤は、従来知られている物質を使用することができる。なお洗浄性を高める点で界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を主界面活性剤として使用することが好ましい。
本発明に使用される(d)成分のアルカリ剤としては、従来知られているアルカリ剤を配合することが好ましい。アルカリ剤の例としては、デンス灰やライト灰と総称される炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2号、3号珪酸ナトリウム等の非晶質のアルカリ金属珪酸塩、結晶性アルカリ金属珪酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩は、本発明の(b)成分による「すべり性」をさらに高める効果をもつ。この点から、洗剤組成物中のアルカリ金属塩の含有量は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、配合のバランスの観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、更に(e)成分として水中で過酸化水素を放出する化合物を0.5〜20質量%含有することが好ましい。柔軟性能、洗浄性能の点で、衣料用洗剤組成物中の(e)成分の含有量は、1.5〜20質量%が好ましく、2〜16質量%がより好ましく、2.5〜13質量%が更に好ましく、3〜10質量%が更に好ましく、3.5〜8質量%が更に好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、(f)成分として下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物を0.1〜20質量%含有することが好ましい。柔軟性能、洗浄性能の点で、衣料用洗剤組成物中の(f)成分は、1.5〜20質量%が好ましく、2〜16質量%がより好ましく、2.5〜13質量%が更に好ましく、3〜10質量%が更に好ましく、3.5〜8質量%が更に好ましい。
また、本発明の衣料用洗剤組成物は、生産性、溶解性、耐ケーキング性の点で、(g)成分として金属キレート作用、アルカリ緩衝作用、固体粒子分散作用の少なくともいずれかを有するビルダーを含有することが好ましい。その含有量としては、組成物中20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%が更に好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。
また、本発明の衣料用洗剤組成物は、保存安定性、生産性の点で、水(JIS K 3362:1998記載の加熱減量法による水分)を0.1〜10質量%含有することが好ましく、0.2〜6質量%がより好ましく、0.5〜4質量%が更に好ましく、0.5〜3質量%が更に好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、衣料用洗浄剤の分野で公知の、(a)成分以外の柔軟化剤、蛍光染料、抑泡剤(シリコーン等)、酵素、酵素安定化剤、着色剤、香料等を含有させることができる。
本発明の衣料用洗剤組成物は、流動性及び耐ケーキング性の点で、表面改質剤を用いて表面改質されてもよい。表面改質剤としては、例えば、アルミノケイ酸塩、粘土鉱物、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、金属石鹸、粉末の界面活性剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー、脂肪酸が挙げられる。より好ましくはアルミノ珪酸塩、粘土鉱物、結晶性シリケート化合物であり、更に好ましくはアルミノ珪酸塩、(a)成分の粘土鉱物である。表面改質剤の含量は保存安定性の点で、本発明の衣料用洗剤組成物中の20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。また、表面改質剤の含量は、表面改質の点で、本発明の衣料用洗剤組成物の1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、安定性の点で、粉末や錠剤形態であることが好ましく、粉末形態がより好ましい。低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載のふるい分け機械によるふるい分け方法によって測定される粒度から求められる平均粒径は200〜1000μmが好ましく、より好ましくは250〜900μm、更に好ましくは300〜800μmである。低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載方法によって測定される見かけ密度は300〜1200g/Lが好ましく、400〜1100g/Lがより好ましく、600〜1000g/Lが更に好ましく、700〜980g/Lが更に好ましい。
カルシウム捕捉量は、特開平3-277696号公報3頁右下欄6行目から4頁左上欄6行目記載の方法(但し、陰イオン性界面活性剤を衣料用洗剤組成物と読み替える)により求める。
本発明の繊維製品の洗浄方法は、前記衣料用洗剤組成物で被洗浄物を洗浄する工程を有する。ここで、被洗浄物としては、綿、麻、毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維等を原料とする繊維製品が挙げられる。
表1に、以下の実施例及び比較例で用いる洗剤A〜F、及び本発明の組成物として好適な洗剤Gを示す。表1中、洗剤A〜Gは全て、造粒物であり、JIS K3362:1998記載の20℃で測定する0.05質量%の水溶液のpHは10〜11の範囲、カルシウム捕捉量は50〜200CaCO3 mg/gの範囲、平均粒径は300〜800μmの範囲、見掛け密度は700〜980g/Lの範囲であった。
・LAS−Na:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・ノニオン:炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均10モル付加させたもの
・石鹸:アルキル基の炭素数14〜18の脂肪酸ナトリウム
・AS−Na:アルキル基の炭素数12〜16のアルキル硫酸エステルナトリウム
・ゼオライト:(PQ Chemicals(Thailand)Ltd 製)
・トリポリリン酸ナトリウム:(Jiangyin Chengxing Household Chemicals Co ., Ltd.製)
・重曹:炭酸水素ナトリウム(東ソー(株)製)
・1号シリケート:(TOKUYAMA SIAM SILICA CO., LTD 製)
・結晶性シリケート:「プリフィード顆粒品」(株式会社トクヤマシルテック製)
・芒硝:硫酸ナトリウム(四国化成工業(株)製)
・亜硫酸ソーダ:(三井化学(株)製)
・塩化ナトリウム:(Nippon Salt Manufacturing Co., Ltd.製)
・PEG13000:ポリエチレングリコール(三井化学(株)製) 「PEG13000」
・AA/MAコポリマー:アクリル酸−マレイン酸コポリマー(「ACUSOL479N」(Rohm & Haas Taiwan製))
・AAポリマー:ポリアクリル酸(ピークトップ平均分子量1万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・CMC:カルボキシメチルセルロース「サンローズB(B2B)」(日本製紙ケミカル(株)製)
・過炭酸ナトリウム:(日本パーオキサイド(株)製)
・ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム造粒物:特開2000-256699号公報の段落0018記載の漂白剤粒子
・蛍光染料:「チノパールCBS-X」(チバガイギー社製)
・酵素(プロテアーゼ):「カンナーゼ24TK」(ノボザイム社製)
・酵素(セルラーゼ):「セルラーゼK」(特開昭63-264699号公報記載)
表1の洗剤A、B又はCと、表2に示す成分とを用いて表2の組成の衣料用粉末洗剤組成物を調製し、再汚染防止性を以下の方法に従って評価した。
1Lビーカーにカーボンブラック(旭カーボン株式会社製、旭洗浄用標準カーボン、平均粒径150nm)0.25g入れ、表2の衣料用洗剤組成物を溶解させた洗浄溶液と混合させる(使用濃度は表2の通り)。カーボンブラックを効率良く分散させるために、超音波(国際電気エルテック社製U0600PB−Y)を使用し、10分間分散させる。その後、木綿2003(染色試材株式会社谷頭商店製綿巾金3号)をJIS K 3362洗浄力判定用指標洗剤(蛍光染料は配合しない)(以下、JIS標準洗剤という)にて5回洗濯(全自動洗濯機;ナショナル NA−F70AP2、標準モード)した後に、8cm×8cmに切り取って調製した木綿試験布8枚を入れ、25℃条件下で10分間、ターゴトメータ(回転数100±5rpm)にて洗浄する。洗浄後、上記試験布を脱水し、アイロン仕上げを行ったのち、下式から再汚染防止率を求める。
・ベントナイト:「ラウンドロジルDGA212」(ズード・ケミ社製、ベントナイト)
・合成ポリマー:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム=95:5(モル比)の共重合体であり、下記合成例により合成されたものを使用した。
(合成例)
シュガーエステル(S-770、三菱化学フーズ(株))6.00gをn-ヘキサン800gに溶解させて窒素雰囲気下で還流したところに、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸600g、水酸化ナトリウム160g、アクリル酸10g、2,2’−アゾビス(2-メチルプロピオンアミダイン)ジヒドロクロライド(V-50、和光純薬工業(株)製)0.80gをイオン交換水510gに溶解させたものを10℃以下に保ちながら1時間かけて滴下し分散させ、さらに30分攪拌した。共沸還流液から水相のみを分離し、含水率30質量%まで低減したところで放冷、得られた固形粒状物を減圧乾燥し、無色粒状ポリマー674g(99.7%)を得た。得られたポリマーのGPC測定の結果、ピークトップ分子量780万であった。平均粒径は、220μmであった。
表1の洗剤A、D、E又はFに、表3に示す成分(実施例1〜3等と同じもの)を用いた場合の柔軟性を以下の方法に従って評価した。
(1)評価用タオルの調製
市販の新しい綿タオル(サイズ30cm×80cm、綿100%)20枚を、全自動洗濯機(ナショナル NA−F70AP2、標準モード)、前記JIS標準洗剤を用いて、洗剤濃度25g/30Lで5回洗浄を行い、前処理し、評価用タオル(前処理タオル)を調製した。前処理時に使用した水は、硬度4.9°DH、水温26℃であった。また肌着(YG、Lサイズ、グンゼ株式会社製、100%コットン)も同様に前処理された。
全自動洗濯機(ナショナル NA−F70AP2、水量モード;少量)を用い、25℃、5°DHの水40Lに、洗剤A、D、E又はFとベントナイトとを表3に示した割合で混合したもの33.3g(25g/30L)添加し、実施例4では更に合成ポリマーを1.67g、実施例5〜7では合成ポリマーを0.5g添加する。1分間攪拌後、肌着約2.5kg(20枚)、前処理後の評価用タオル5枚の順に入れて、洗濯を開始する。この水量モードに設定すれば、約35分間で洗濯が終了する。洗濯終了後は評価用タオルと肌着を取り出して、また初めから同じ方法で同じ評価用タオルと同じ肌着について洗濯を行う。これを5回繰り返し、終了後は、評価用タオルのみを25℃、40%RHにて1日間乾燥させる。
表1の洗剤Aに、表4に示す成分(実施例1〜3等と同じもの)を用いた場合の柔軟性及び再汚染性を以下の方法に従って評価した。
実施例4〜7と同様に前処理したタオル3枚、肌着2枚を用いる。タオル3枚のうち2枚には、人工汚染布を2枚ずつ縫い付けておく。人工汚染布は、次のように調製される。メリヤス布(谷頭商店製)を1m×10cmの短冊状に切断し、泥溶液(鹿沼泥30μmpass品、100g/Lクロロホルム均一分散液)に静かに浸した。この操作を3回繰り返し、自然乾燥させた。その後、ブラシを使用して表面に付いた過剰の泥を落とし、10cm×10cmに切断し人工汚染布とした。
表1の洗剤Aに、表5に示す成分(実施例1〜3等と同じもの)を用いた場合の柔軟性を以下の方法に従って評価した。
Claims (6)
- (a)粘土鉱物1〜30質量%、(b)ポリエチレンオキサイド換算のピークトップ分子量が500万以上2000万以下であって、構成モノマーの85モル%以上が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来の基又はその塩型の基を有するポリマー0.1〜10質量%、(c)界面活性剤5〜40質量%、及び、(d)アルカリ剤5〜40質量%を含有する衣料用洗剤組成物。
- (b)成分の前記ピークトップ分子量が500万以上780万以下である、請求項1記載の衣料用洗剤組成物。
- 全(c)成分中の陰イオン界面活性剤の比率が50質量%以上である請求項1又は2記載の衣料用洗剤組成物。
- 更に、(e)水中で過酸化水素を放出する化合物0.5〜20質量%を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の衣料用洗剤組成物。
- 手洗い用洗剤組成物である請求項1〜5の何れか1項記載の衣料用洗剤組成物。
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