JP4842084B2 - 極端紫外光源装置及びコレクタミラー - Google Patents
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さらに、EUV光の集光率を高くするためには、コレクタミラーの反射面の表面粗さや形状について、高い精度を維持しなくてはならない。
これらの要因から、EUV光源装置において用いられるコレクタミラーの価格は、非常に高価になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る極端紫外(EUV)光源装置用コレクタミラー(以下において、単に、コレクタミラーと言う)の構造を示す図である。図1の(a)は、本実施形態に係るコレクタミラーの正面図であり、図1の(b)は、図1の(a)に示す一点鎖線1B−1Bにおける断面図である。
また、交換用ミラー姿勢制御部160は、図1に示す交換用ミラー姿勢調整部14を制御することにより、交換用ミラー12の姿勢を調整する。
図1に示すコレクタミラー10の内の交換用ミラー12の形状及び大きさは、プラズマ3から放出されるイオンがコレクタミラー10の反射面に与えるダメージの位置や形状や面積や深さに応じて決定される。これらの要素は、ターゲット物質1に照射されるレーザビーム2の波長、プラズマ発光点におけるレーザビーム2の集光サイズ、レーザビーム2の入射方向、ターゲット物質1の状態及びサイズ、ターゲット物質1の入射方向、ターゲット物質1に対するレーザビーム2の照射位置(即ち、プラズマ発光点)からコレクタミラー10までの距離、及び、集光立体角等に応じて異なってくる。
図5の(a)に示すように、コレクタミラー20を、その焦点がプラズマ発光点に来るように設置し、ターゲット物質1にレーザビーム2を照射することによってプラズマ3を生成する。それにより、EUV光が、コレクタミラー20によって所定の方向に集光される。この実験を繰り返すことにより、コレクタミラー20の反射面21が次第に損耗して、損耗領域22が生じる。図5の(b)には、反射面21の一部が削られて、Mo/Si多層膜が薄くなっている損耗領域22が示されている。
図6は、本実施形態に係るコレクタミラーの反射面を示す正面図である。本実施形態に係るコレクタミラーは、図1に示す交換用ミラー12の替わりに、図6に示す交換用ミラー31を有している。その他の構成については、図1に示すものと同様である。
このように、交換用ミラーをさらに複数の領域に分割し、各々を独立して交換できるようにすることにより、コレクタミラーのメンテナンスコストをさらに低減することが可能になる。
図6においては、交換用ミラーを2つの領域に分割していたが、3つ以上の領域に分割しても良い。例えば、図7に示すコレクタミラーの交換用ミラー33は、4つの分割ミラー33a〜33dを含んでいる。この場合には、例えば、レーザビームの入射方向側(図5参照)に位置する分割ミラー33aを高頻度で交換するようにし、それ以外の分割ミラー33b〜33dを、低頻度で交換するようにする。それにより、反射面の消耗が激しい領域のみをミラー交換できるので、メンテナンスコストをさらに低減できるようになる。
ここで、図1や図6や図7に示すコレクタミラーにおいては、所定のタイミングで交換用ミラー12を交換することにより、コレクタミラー全体についてのメンテナンスの手間やコストを低減できる。しかしながら、以下に説明するようにコレクタミラーを使用することにより、コレクタミラーや交換用ミラー自体の寿命を延ばすことも可能になる。
本実施形態によれば、交換用ミラーをさらに複数の領域に分割することにより、損耗度合いに応じて効率良くミラー交換することが可能になる。
図13に示すように、コレクタミラー本体11及び交換用ミラー12を含むコレクタミラー10は、コレクタミラー本体支持部13及びコレクタミラー姿勢調整部140を介して、姿勢調整可能な状態で真空チャンバ110(図3)内に設置されている。
二次調整が終了すると、IFイメージセンサ170は、観測位置から退避させられ、通常の露光動作のためのEUV光の生成が開始される。
生成されたEUV光によってコレクタミラーが照射された時間の積算値が所定値を超えた場合に、交換用ミラーを交換する。この照射時間は、次式によって求められる。
照射時間=(EUV光の発光信号がオンになっていた継続時間)
−(エラー等により、実際には発光していなかった時間)
図4に示すEUV光源制御装置100は、この照射時間を積算し、その積算値がシミュレーションや実験等によって予め取得された値を超えた場合に、ミラー交換信号を出力して、ミラー交換時に至ったことを画面表示や警告音等によりユーザに通知する。
ショット数の積算値を求め、この積算値が所定値を超えた場合に交換用ミラーを交換する。
図14は、EUV光源装置において、ショット数の積算値を求める際に用いられるEUV光源装置の構成を示す模式図である。図14に示すように、この場合には、図4に示す構成に対して、EUV光を検出するEUV発光モニタ200が追加される。このEUV発光モニタ200は、コレクタミラー10周辺であって、EUV光の放射領域内に設置される。また、EUV光源制御装置100には、EUV発光モニタ200から出力される検出信号に基づいてショット数をカウントするための積算回路が設けられている。
生成されたEUV光のエネルギー積算値が所定値を超えた場合に交換用ミラーを交換する。
図15は、EUV光源装置において、EUVエネルギーの積算値を求める際に用いられるEUV光源装置の構成を示す模式図である。図15に示すように、この場合には、図4に示す構成に対して、EUVエネルギーを検出するEUVエネルギーモニタ210が追加される。また、EUV光源制御装置100には、EUVエネルギーモニタ210から出力される検出信号に基づいてEUVエネルギーの積算値を算出するための積算回路が設けられている。
コレクタミラー反射面の損耗量(損耗した厚さ)の総量が所定値を超えた場合に、交換用ミラーを交換する。コレクタミラーの損耗量を求めるためには、(i)コレクタミラーの表面を直接モニタする方法、又は、(ii)ダミーのコレクタミラーをモニタする方法が用いられる。
図16は、コレクタミラーの損耗量を検出する装置の構成例を示している。この装置は、コレクタミラー10の反射面に光を照射する参照光投光器221と、コレクタミラー10の反射面から反射された光を受光する参照光受光器222とを含んでいる。参照光投光器221は、例えば、単波長光を射出するレーザ光源であり、EUV光源制御装置100(図4参照)の制御の下で、コレクタミラー10の反射面を2次元的に照射する。一方、参照光受光器222は、受光面に偏光フィルタが配置された撮像素子(例えば、CCD)であり、コレクタミラー10からの反射光を受光することにより検出信号を生成して、EUV光源制御装置100に出力する。EUV光源制御装置100は、この検出信号に基づいて干渉縞画像を生成し、それによって得られたコレクタミラー10の反射面の凹凸情報に基づいて、コレクタミラー10における損耗量を求める。
図17は、ダミーのコレクタミラーの損耗量を検出する装置の構成例を示している。この場合には、ダミーのコレクタミラー231と、ダミーのコレクタミラー231の反射面に光を照射する参照光投光器232と、ダミーのコレクタミラー231の反射面から反射された光を受光する参照光受光器233とが用いられる。
コレクタミラーの反射率が所定の値を下回った場合に、交換用ミラーを交換する。コレクタミラーの反射率を求めるためには、(i)コレクタミラーの表面を直接モニタする方法、又は、(ii)ダミーのコレクタミラーをモニタする方法が用いられる。
まず、損耗していないコレクタミラーにおける反射率を予め求めておく。例えば、図14に示す構成において、EUV発光モニタ200によって検出された直接光の光量と、IFイメージセンサ170によって検出された反射光の光量との関係を取得し、それらの値に基づいて反射率Aを算出する。ミラー交換のタイミングを判断する際には、IFイメージセンサ170を随時観察位置に配置し、EUV光の集光イメージから光量を測定し、一方で、そのときのEUV発光モニタ200による直接光の光量も測定する。そして、それらの値に基づいて反射率Bを算出し、当初の反射率Aと比較する。その結果、反射率Bが所定の値より下回っていた場合、例えば、反射率Aの50%より小さい場合に、EUV光源制御装置100は、ミラー交換信号を出力する。
コレクタミラーの近傍に、コレクタミラーと同じ材料によって形成されたダミーのコレクタミラーを配置し、EUV発光モニタ200やIFイメージセンサ170等を用いてダミーのコレクタミラーの反射率を測定する。測定方法の詳細については、上記(i)と同様である。ダミーのコレクタミラーを用いる場合には、IFイメージセンサによってEUV光の光路が遮られることがないので、露光中においてもモニタすることができる。
Claims (9)
- ターゲット物質にレーザビームを照射して前記ターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光源装置において、極端紫外光を集光する際に用いられるコレクタミラーであって、
極端紫外光を反射する反射面が複数の領域に分割されており、前記複数の領域の内の一部の領域を含む第1のミラー部分と、前記複数の領域の内の他の領域を含む第2のミラー部分とを具備し、前記第1のミラー部分が、前記第2のミラー部分に対して取り外し可能となっており、
前記第1及び第2のミラー部分の姿勢を調整するコレクタミラー姿勢調整部と、
前記第1のミラー部分の姿勢を前記第2のミラー部分に対して相対的に調整する交換用ミラー姿勢調整部と、
をさらに具備する前記コレクタミラー。 - 前記コレクタミラーが回転体形状を有し、
前記第1のミラー部分が、前記コレクタミラーを、回転軸を含む少なくとも1つの面によって切り取った形状を有する、請求項1記載のコレクタミラー。 - 前記コレクタミラーが回転体形状を有し、
前記第1のミラー部分が、前記コレクタミラーを、回転対称となる複数の部分に分割することにより形成される1つの部分の形状を有する、
請求項1記載のコレクタミラー。 - 前記コレクタミラーが回転体形状を有し、
前記第1のミラー部分が、前記コレクタミラーを、回転対称となる複数の部分に分割し、その内の1つを、回転軸を中心とする円周に沿って更に分割することにより形成される複数の部分の形状を有する、請求項1記載のコレクタミラー。 - ターゲット物質にレーザビームを照射して前記ターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光源装置であって、
ターゲット物質をチャンバ内の所定の位置に供給する手段と、
レーザ光源から射出されるレーザビームを前記所定の位置に集光する集光光学系と、
請求項1〜4のいずれか1項記載のコレクタミラーと、
を具備する前記極端紫外光源装置。 - 前記コレクタミラーによって反射集光された極端紫外光を撮像するイメージセンサと、
前記イメージセンサによって取得された集光イメージに基づいて、前記コレクタミラー姿勢調整部を制御して前記第1及び第2のミラー部分の姿勢を調整した後に、前記交換用ミラー姿勢調整部を制御して前記第1のミラー部分の姿勢を調整する制御部と、
をさらに具備する請求項5記載の極端紫外光源装置。 - 極端紫外光の発光時間、極端紫外光の発生回数、又は、極端紫外光のエネルギーを検出する検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記第1のミラー部分を交換する時期を判断する制御装置と、
をさらに具備する請求項5又は6記載の極端紫外光源装置。 - 前記制御装置が、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記コレクタミラーを所定の角度だけ回転させるタイミングに至ったことを表す信号を出力すると共に、前記コレクタミラーを所定の回数回転させた後で、前記第1のミラー部分を交換するタイミングに至ったことを表す信号を出力する、請求項7記載の極端紫外光源装置。
- 前記制御装置が、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記コレクタミラーの内の複数のミラー部分が交換タイミングに至ったことを表す複数の信号を、それぞれ異なる頻度で出力する、請求項7記載の極端紫外光源装置。
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