JP4837489B2 - 着色麦芽を用いた麦芽使用飲料の製造方法 - Google Patents

着色麦芽を用いた麦芽使用飲料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、麦芽使用飲料の原料としての着色麦芽を、組織別に分画して、分画した組織別画分を単独もしくは複数種組み合わせて配合し、使用する麦芽使用飲料の製造方法に関する。
麦芽使用飲料として、ビール、発泡酒、リキュール、低アルコール発酵飲料およびノンアルコール飲料などが知られている。原料となる麦芽の一般的な製造方法としては、大きく次のような二つのステップがある。第一のステップとしては、まず大麦に水を吸収させて発芽させる発芽工程である。大麦を発芽させることにより大麦中の酵素を働かせ、不溶性の高分子タンパク質・でんぷん・脂質を分解させる工程である。発芽した大麦を緑麦芽という。
緑麦芽は、そのまま水につけておくと成長し続けるため、第二のステップとして、この緑麦芽を高温で乾燥させて、発芽を停止させる焙燥工程がある。
麦芽とは、焙燥工程により発芽が停止されたものであり、この焙燥工程には腐敗を防止し貯蔵性を高めるといった目的や、色素・香味形成物質を生成させるという目的がある。
また、この焙燥工程における焙燥温度を高くすると、麦芽が焦げて、濃色ビール用の着色麦芽になる。
ところで、麦芽使用飲料にはその目的品質によって、原料として様々な種類の麦芽が用いられている。例えば、より魅力的な色合いを付与する麦芽、芳醇さを高め麦芽のキャラクターを強調する麦芽、高分子タンパク質の物質が多いことを利用してビールの芳醇さ・泡持ちを改善する麦芽、pH調整のための麦芽などであり、目的品質に応じてこれらの麦芽を複数種混合配合し、使用している。
一般的に、麦芽発酵飲料について、より魅力的な色合いを付与する麦芽を、着色麦芽と称している。この着色麦芽には、濃色麦芽、黒麦芽、メラノイジン麦芽、カラメル麦芽、ブリュー麦芽、燻製麦芽、チョコレート麦芽と称される麦芽などが知られており、麦芽使用飲料の種類によって、使用する全麦芽のうちの一部、または全麦芽に、これらの着色麦芽が用いられている。
麦芽使用飲料における色合いは、見た目に飲み応え感、重厚感などの影響を及ぼし、外観品質上、非常に重要な要素である。さらに、主に焙燥工程の熱化学反応で生成されるメラノイジン物質をはじめとする麦芽中の各種含有成分は、麦芽使用飲料に適度に存在すると香ばしさ(香味)を感じさせている。
各種着色麦芽は、それぞれの目的を達成するための着色麦芽として、焙燥工程における焙燥温度をコントロールすることによって調製される。このために、一般に麦芽使用飲料の色調を高くする(濃い目の色合いとする)には、焙燥温度が高い麦芽が使用され、それに応じて、得られる着色麦芽使用飲料には、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味が付与され、その程度が強くなってくる。
したがって、しばしば黒ビールなどの着色麦芽使用飲料には、着色麦芽に起因する過剰のエグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味が強く付与されてしまうという問題があった。
その一方で、黒ビールの特徴である上述したエグ味、焦げ味、スス焦げ臭は、適度に存在すると黒ビール自体に香ばしさを感じる芳香でもある。
しかしながら、通常の麦芽使用飲料に黒ビールの有するこの芳香を付与する目的で着色麦芽を用いると、飲料の色合いが濃くなってしまうという問題があった。このため、色合いと、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭を、個別に制御する方法の開発が期待されていた。
かかる方法として、例えば、特許文献1または特許文献2では、麦芽原料の蒸らし処理/乾燥処理を自動制御するカラメル麦芽、特殊麦芽の製造方法が提案されている。
更には、特許文献3では、カラメル麦芽のカラメル化効率を高めたカラメル麦芽の製造方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法で得られたカラメル麦芽或いは特殊麦芽は、その麦芽の全成分(全粒麦芽)が使用されることを意図しており、麦芽を組織別に分画して、分画した組織別画分を単独もしくは複数種組み合わせて配合、使用するものではない。
ところで、本発明者等は先に、麦芽自体を組織別に分画して、分画した組織別画分を単独もしくは複数種組み合わせて配合し、使用する麦芽使用飲料の製造方法を提供している(特許文献4)。この組織別画分を使用することにより、麦芽使用飲料の香味、泡品質、香味安定性、懸濁安定性がコントロールされるものである。
今回本発明者等は、着色麦芽についても、その色合い、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味は、着色麦芽の組織別画分に由来して、異なるのではないかと考えた。すなわち、着色麦芽を組織別に分画して、分画した組織別画分を単独もしくは複数種組み合わせて配合、使用すれば、得られる麦芽使用飲料の色合い(カラー)の調整、さらにはエグ味、焦げ味、スス焦げ臭等を、個別的にコントロールできるのではないかと考え、その検討の結果、本発明を完成させるに至った。
特許第3545515号公報 特許第3545516号公報 特開平11−169159号公報 国際公開WO 2004/106483号公報
したがって本発明は、着色麦芽を組織別に分画して、分画した組織別画分を単独もしくは複数種組み合わせて配合、使用し、麦芽使用飲料の色合い、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味を個別に制御した、麦芽発酵飲料の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、従来から麦芽使用飲料に色合いや香ばしさを付与する目的で、黒麦芽やメラノイジン麦芽などの着色麦芽が用いられてきたが、これら着色麦芽は一般に淡色麦芽よりもその製造工程中においてより高温で焙燥されているため、エグ味、焦げ味がより強化されており、その結果、新たなスス焦げ臭が発生する。
本発明者らは、これらのエグ味、焦げ味、さらにはスス焦げ臭が、着色麦芽の組織画分によって異なることを新たに見出したのである。
かかる組織別画分によって麦芽使用飲料に与える色合い、芳醇味、エグ味、焦げ味、更にはスス焦げ臭を調整し得る点は、本発明者等によって初めて見出されたものであって、その点で、本発明は極めて特異的なものである。
しかして、本発明の基本的態様は、麦芽使用飲料中に用いられる着色麦芽の成分を制御したことを特徴とする麦芽使用飲料の製造方法であり、具体的には、下記の各態様からなる麦芽使用飲料の製造方法である。
(1)着色麦芽を組織ごとに分画し、分画した画分を任意の割合で使用することを特徴とする麦芽使用飲料の製造方法;
(2)着色麦芽の組織ごとの画分が、胚乳画分、内皮層画分、穀皮画分および幼芽画分、またはこれらの未分離の画分であって、分画した組織別の画分を単独または複数種配合し、麦芽使用飲料の原料とすることを特徴とする上記(1)に記載の麦芽使用飲料の製造方法;
(3)麦芽使用飲料の色合いの調整をコントロールする上記(1)または(2)に記載の麦芽使用飲料の製造方法;
(4)麦芽使用飲料の香味をコントロールする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の麦芽使用飲料の製造方法;
(5)麦芽使用飲料の香味が、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭であり、その低減または強化をコントロールするものである上記(4)に記載の麦芽使用飲料の製造方法;
である。
また、本発明は別の態様として、
(6)上記(1)ないし(5)に記載のいずれかの方法により製造された麦芽使用飲料;
(7)麦芽使用飲料がビールテイスト様飲料である上記(6)に記載の麦芽使用飲料;
(8)麦芽使用飲料がビール、発泡酒、リキュール、低アルコール飲料またはノンアルコール飲料である上記(6)に記載の麦芽使用飲料;
(9)麦芽使用飲料が黒ビールである上記(6)に記載の麦芽使用飲料;
(10)EBC(European Brewery Convention)に定めるコングレス麦汁色度が10〜2000EBCの範囲になる着色麦芽の組織画分を使用した上記(6)〜(9)に記載の麦芽使用飲料;
(11)着色麦芽が濃色麦芽、黒麦芽、メラノイジン麦芽、カラメル麦芽、ブリュー麦芽、燻製麦芽またはチョコレート麦芽である上記(10)に記載の麦芽使用飲料;
である。
さらに本発明は、また別の態様として、
(12)麦芽使用飲料の製造方法において、原料としての着色麦芽を胚乳画分、内皮層画分、穀皮画分および幼芽画分に分画し、麦芽使用飲料の色合い、香味を設計するにあたり、分画した組織別の画分を単独または複数種選定して組み合わせ配合させることを特徴とする麦芽使用飲料の原料の選定方法;
(13)麦芽使用飲料の香味が、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭である上記(12)に記載の選定方法;
である。
本発明の着色麦芽を組織ごとに分画し、分画した画分を任意の割合で使用することにより、麦芽使用飲料に与える色合い、芳醇味、エグ味、焦げ味等の香味、更にはスス焦げ臭を調整し、制御することが可能となった。
この麦芽使用飲料における芳醇味、エグ味、色合いの調整は、消費者の好みに併せた麦芽使用飲料を製造し得るものであって、その点で、本発明は極めて特異的なものである。
以下に本発明を、着色麦芽の各組織部分への分画手段、分画された各組織画分の特性を説明しながら、詳細に説明していく。
本発明が提供する麦芽使用飲料とは、麦芽を原料の全部または一部として使用して製造したアルコール飲料又はノンアルコール飲料をいい、具体的には、ビール、発泡酒、リキュール、低アルコール麦芽醗酵飲料、アルコールを除去する操作を加えたノンアルコール発酵飲料等をあげることができる。
麦芽について、ビール等の発酵飲料への着色の影響の観点から大別すると、通常の淡色ビールに用いられる淡色麦芽と、黒ビール等の着色麦芽使用飲料の一部に用いられる着色麦芽に分けることができる。
本発明でいう着色麦芽とは、緑麦芽を加熱処理(焙燥処理)等を施して得られる、淡色麦芽に比較して着色度が濃いことが特長の麦芽をいう。また、原料の一部として用いて発酵飲料を製造すると、発酵飲料に着色の効果をもたらし得る着色麦芽をいう。
この着色の程度は、EBC(European Brewery Convention)に定めるコングレス麦汁色度が10〜2000EBCの範囲になる着色麦芽であるのが好ましい。
コングレス麦汁色度が10EBC未満の着色麦芽を用いると、本発明の目的とする、麦芽使用飲料の色合い、香味等の調整ができず、また2000EBCを超える場合には、色合い、香味が強すぎて使用することができない。
なお、通常のビールに使用する淡色麦芽のコングレス麦汁色度は、3〜8EBC程度である。
このような着色麦芽としては、例えば、濃色麦芽、黒麦芽、メラノイジン麦芽、カラメル麦芽、燻製麦芽、チョコレート麦芽と呼ばれているのが含まれる。このコングレス麦汁色度は、焙燥温度/時間を調整することにより所望の範囲内の着色麦芽とすることが可能となる。
このような着色麦芽としては、例えば、濃色麦芽、黒麦芽、メラノイジン麦芽、カラメル麦芽、ブリュー麦芽、燻製麦芽、チョコレート麦芽と呼ばれているのが含まれる。このコングレス麦汁色度は、焙燥温度/時間を調整することにより所望の範囲内の着色麦芽とすることが可能となる。
メラノイジン麦芽(濃色麦芽):
不溶性の高分子タンパク質・でんぷん・脂質がよく分解した緑麦芽をゆっくりと脱水させる。100〜105℃の焙燥温度で処理し、糖やアミノ酸のような低分子化合物が反応して着色し、香りのあるメラノイジンを生成する。
緑麦芽中に豊富に存在していた酵素の一部は失活して、高分子タンパク質の一部も凝固する。淡色麦芽に比べ焙燥温度が高く時間も長い。
このメラノイジン麦芽のコングレス麦汁色度は、20〜80EBC程度である。
黒麦芽:
様々なタイプのビールの色調整に用いられる麦芽である。淡色麦芽を湿らせ60〜80℃の温度で加熱させ始め、最終的には180〜220℃まで加熱する。その際、希望する色度を得るために30〜40分間の保持を行う。この時メラノイジンが形成され、各種のヘテロサイクリック化合物(複素環式化合物)、例えばフルフラール、フルフリルメルカプタン、その他、マルトール、イソマルトール、ピラジンが増大するが、それに伴い、焦げ臭い苦み物質も形成される。
この黒色麦芽のコングレス麦汁色度は、1000〜1800EBC程度である。
ブリュー麦芽:
ブリュー麦芽はアロマが強く、濃醇な濃色ビール製造に用いられる。緑麦芽の麦層を、30〜40時間通気を止め、麦層の温度を40〜50℃まであげる。この温度では幼芽生育が抑制・炭酸ガスが蓄積され、蛋白質と糖は低分子へ分解し、エステルと有機酸を生成する。この時、粒内粉体は粥状又は液状化する。乾燥の後、90〜100℃の焙燥温度を3〜4時間とる。
このブリュー麦芽のコングレス麦汁色度は、10〜50EBC程度である。
カラメル麦芽:
麦芽を水に浸漬して水分を含ませた後、60〜75℃で焙焦器の中で穀粒内容物を力強く分解させる。その時澱粉の糊化、液化、糖化が起り、その結果得られる分解生成物が既に生成されているアミノ酸や糖と150〜180℃で反応して、メラノイジンをつくり、次いでカラメル物質を生成する。
このカラメル麦芽のコングレス麦汁色度は、50〜120EBC程度である。
本発明により提供される麦芽使用飲料について、原料として使用する着色麦芽は、組織学的には様々な組織から成り立っている。本発明においては、上記の各種着色麦芽を組織ごとに分画し、得られた組織画分を麦芽使用飲料の原料として使用する。着色麦芽を組織ごとに分画するに際しては、飲料の品質に特徴を与える特性を有する組織分画単位に画分することが肝要である。また分画のし易さを考慮して、適宜、分画する組織単位を任意に選択することができる。
工業的な規模での分画のし易さや、麦芽使用飲料の香味、品質等に与える影響を考慮すると、着色麦芽を組織ごとに分画する場合には、例えば図1に示したような、穀皮画分および幼芽画分、胚乳画分、内皮層画分の3種類の画分に分けることが好ましい。
それぞれの画分は、具体的には、例えば以下の方法により分画することができる。なお目的とする組織ごとに分画された否かは、得られた分画物を外観観察、顕微鏡観察、あるいは成分の分析をすることで確認できる。
胚乳画分:
一般に、穀物の表層を研磨して、穀皮などを胚乳から分離することを「搗精」という。着色麦芽を搗精機により搗精することで、核部分にあたる胚乳部分と周囲部分のいわゆる糠とに分離することができる。搗精の不留まりは、胚乳部分と糠との分離が的確に行われるように、供する着色麦芽の品質を考慮して、適宜調整することができる。胚乳画分は麦芽の内側部分であるので、高温で焙燥されてもエグ味、焦げ味、スス焦げ臭は付与されにくい。
内皮層画分:
本発明でいう内皮層画分とは、上記で得られた糠について、篩にかけることによって分離し、その結果、篩いを通過した画分を言う。篩サイズは、糠の品質等により、分離を適当に行われるものを適宜選択できるが、例えば、目開き600〜850μm、特に710μm程度のものを用いるのが好ましい。
内皮層画分は、高温で焙燥されることによって、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭が付与される。しかしながら穀皮部分及び幼芽画分ほどではない。
穀皮画分および幼芽画分:
上記した糠の篩分けにより、穀皮画分および幼芽画分が得られる。穀皮画分および幼芽画分は麦芽の最外層に位置するため、外環境の影響を最も受ける。高温で焙燥される場合には、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭は付与され易く、特に焦げ臭は穀皮画分に由来するものである。
上記した着色麦芽の各組織別画分を適宜選択、配合調整して、麦芽使用飲料の原料として用いることにより、各種の麦芽使用飲料について、その色合い(カラー)、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味を個別に制御することができる。
したがって、本発明はかかる麦芽使用飲料の製造に関し、目的とする麦芽使用飲料の色合い(カラー)、エグ味、焦げ味等の香味、スス焦げ臭を個別に制御するための原料の選定方法でもある。
その着色麦芽の各組織別画分をどの程度配合するかは、目的とする麦芽使用飲料の種類によって異なり、また、その麦芽使用飲料に付与する色合い、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味の程度によって異なる。色合いを濃くする必要があれば、その色合いを強く発揮する組織別画分の配合量を多くし、また、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味を強く出したい時には、かかる香味を発揮する組織別画分の配合量を多くすればよい。
かかる詳細は、後記する実施例を参照に、行うことができる。
なお、本発明が提供する麦芽使用飲料においては、着色麦芽由来の成分の制御は、上述した方法により達成できるが、糖類や大麦などをはじめとする麦芽以外の原料を併用することにより、さらなる成分調整が可能である。また、糖化酵素をはじめとする各種酵素を必要に応じて別途添加しても良い。あるいは、糖化スターチなどのように最初から糖化された原料と組み合わせることもできる。さらに、このように成分調整をした原料にあわせて、粉砕、糖化、麦汁濾過、煮沸、醗酵の諸条件を設定することにより、更なる微調整を行うことが可能である。
また得られた発酵飲料については、通常の発酵飲料と同様、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されない点に注意すべきである。
なお、以下の実施例において、ビールの原麦汁エキス、コングレス麦汁色度、全窒素、アミノ態窒素、全ポリフェノールの測定は、European Brewery Convention(EBC)に定める方法により測定した。
実施例1:黒麦芽の組織別画分の評価
着色麦芽の組織別各画分単独の特徴を確かめるために、以下の検証を行った。
黒麦芽の全粒、組織的画分である胚乳画分、内皮層画分、穀皮画分および幼芽画分に対して、EBCに定めるコングレス麦汁の調製法に準拠し、コングレス麦汁を調製した。
すなわち、それぞれの組織別画分50gを、45℃の温水200gに投入し、45℃にて30分間保持した。その後、1℃/分のスピードで70℃まで昇温させ、70℃にて60分間保持した。その後室温まで冷却し、固形物を取り除き、コングレス麦汁とした。
得られたコングレス麦汁を40倍に希釈し色度を測定し、元のコングレス麦汁色度(EBC)を求めた。
その結果を、下記表1に示す。
Figure 0004837489
続いて、ビールの官能評価に関して述べる。
官能評価は無臭の官能検査室にて、一定の訓練を受けたビール専門パネラーで行った。各コングレス麦汁をプラスチックカップに一定量注ぎ、各パネラーの前に番号順に並べた。各コングレス麦汁をそれぞれ試飲し「エグ味」、「焦げ味」、「スス焦げ臭」の3項目について点数をつけた。
その際、全粒のコングレス麦汁に対する点数を「1」とし、各画分のコングレス麦汁の相対評価を行った。
その結果を、下記表2に示した。
Figure 0004837489
各組織別画分単独のコングレス麦汁の色度(EBC)を比較することにより、例えば、黒ビールの濃色に寄与する順位が明らかとなった。
具体的には、表1に示した結果から明らかなように、胚乳画分、内皮層画分、穀皮画分の組織別画分の順に、黒ビールの色に寄与している。なお、この点は、コングレス麦汁の実際の外観の色度(視覚観察)からも、明らかであった。
また、各組織別画分単独のコングレス麦汁を、一定の訓練を受けたビール専門パネラーで官能した結果、胚乳画分及び内皮層画分のコングレス麦汁にはエグ味、焦げ味、スス焦げ臭の全てが、全粒コングレス麦汁よりも減少していた。
それに対して、穀皮画分のコングレス麦汁に関しては、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭の全てが、全粒コングレス麦汁よりも高くなっていた。
以上の結果から、着色麦芽である黒麦芽の穀皮画分は、他画分に比べ麦芽使用飲料に対する色合いへの寄与度が低いばかりでなく、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭といった香味を増強することが確認された。
実施例2:黒麦芽の組織画分を使用したビールの評価
着色麦芽使用製品への品質への効果を、より確実に確かめるために、着色麦芽の組織画分の分画物からビールを試作して、成分と香味を評価した。
基本的なビールの試作は、以下の方法にしたがって行った。
淡色麦芽及び着色麦芽の分画物を一定比率で含んだ1.8kgの総原料を粉砕し、55℃の温水に投入した。塩調整剤として塩化カルシウム3.2g、pH調整剤として乳酸を0.6mL添加した。55℃にて20分間保持した後、1℃/分の速度で昇温させて65℃とした。
その後、65℃で20分間保持した後、1℃/分の速度で昇温させ78℃とした。その後、さらに78℃にて5分間保持した後、糖化を終了した。
糖化終了後、濾過し麦芽粕を取り除いた。濾過麦汁に一定量のホップを添加し70分間煮沸した。煮沸後、ホップ粕を取り除き13℃まで冷却した。その後、一定量の酵母を添加して醗酵を13℃にて開始させた。醗酵が十分に進んだ後、酵母を取り除きビールとした。
ビールの官能評価は、以下のようして行った。
官能評価は無臭の官能検査室にて一定の訓練を受けたビール専門パネラーで行った。各試作品をプラスチックカップに一定量注ぎ、各パネラーの前に試作品を番号順に並べた。試作品をそれぞれ試飲し「エグ味」、「焦げ味」、「スス焦げ臭」の3項目について点数をつけた。
その際、試作品1の点数を「1」とし、試作品1に対する相対評価を行った。
下記表3に記載の各淡色麦芽/着色麦芽(黒麦芽)の組織別画分の混合比率で、黒ビールを試作した。
すなわち、試作品1、2、3及び4は淡色麦芽を90%使用した麦芽比率100%の黒ビールである。
Figure 0004837489
上記の各試作品を、順に説明していく。
試作品1は、淡色麦芽(全粒)90%に加え、黒麦芽全粒を10%使用した通常の黒ビールである。
試作品2は、淡色麦芽(全粒)90%に加え、黒麦芽から穀皮画分と内皮層画分を取り除いた胚乳画分を10%使用した黒ビールである。
試作品3は、淡色麦芽(全粒)90%に加え、黒麦芽の胚乳画分と内皮層画分をそれぞれ5%用いた黒ビールである。
試作品4は、淡色麦芽(全粒)90%に加え、黒麦芽の胚乳画分と殻皮層画分をそれぞれ5%用いた黒ビールである。
各試作品1、2、3及び4のビール分析値を表4に、官能評価を表5まとめて示した。
Figure 0004837489
Figure 0004837489
上記した表4及び表5に示した結果に基づいて、各試作品を比較、検討する。
まず、全窒素、アミノ態窒素、全ポリフェノールの分析値から、本実施例で試作したビール(試作品1〜4)は、通常の淡色麦芽使用比率100%のビールと同等の全窒素、アミノ態窒素、全ポリフェノール含有のビールであることが確認できた。
試作品1(全粒麦芽)と試作品2を比較すると、色度に関しては、全粒黒麦芽から穀皮画分及び内皮層画分を取り除いた胚乳画分を用いることによって、黒ビールの色度は若干上昇した。
製品の官能結果からみれば、全粒黒麦芽から穀皮画分および内皮層画分を取り除いた胚乳画分を用いることによって、明らかにエグ味、スス焦げ臭、焦げ味などの香味が減少していた。
試作品1(全粒麦芽)と試作品3を比較すると、胚乳画分及び内皮層画分をそれぞれ5%ずつ用いた試作品3は、全粒黒麦芽を用いた試作品1とほぼ同等の色度となった。
製品の官能結果から、試作品3は試作品1に比べるとエグ味・焦げ味・スス焦げ臭などの香味が減少していた。
試作品1(全粒麦芽)と試作品4を比較すると、胚乳画分及び穀皮/幼芽画分をそれぞれ5%ずつ用いた試作品4は、全粒黒麦芽を用いた試作品1に比べると、その色度が減少していた。
製品の官能結果から、試作品4は試作品1に比べるとエグ味・焦げ味・スス焦げ臭などの香味が増加していた。
以上の実施例1及び2の結果から、着色麦芽である黒麦芽については、胚乳画分は全粒麦芽から穀皮画分及び内皮層画分を取り除くことによって得られたものであるが、この胚乳画分の使用は、黒ビールの色度を減少させるものではないが、黒ビールの特徴であるエグ味、スス焦げ臭、焦げ味などの香味を減少させるものである。
内皮層画分に関しては、胚乳画分と同様な傾向が見られたが、色度への寄与度は胚乳画分に比べ低く、またエグ味、焦げ味、スス焦げ臭などの香味の下げ幅も胚乳画分ほどではない。
穀皮画分は、全粒麦芽に比べると黒ビールの色度への寄与は少ない。黒ビールの香味に与える影響に関しては、エグ味・焦げ味・スス焦げ臭を強化する傾向にあった。
以上より、着色麦芽として、黒麦芽の各組織画分を適宜組み合わせることによって、色度、更にはエグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味を個別的に制御することが可能となり、より魅力的な黒ビールを製造することが可能となる。
実施例3:メラノイジン麦芽の組織画分を使用したビールの評価
他の着色麦芽に関しても同様の検討を行った。
表6に示した麦芽原料比率で、ビールを試作した。すなわち、試作品5、6、7及び8は淡色麦芽を70%使用した麦芽比率100%のビールである。
Figure 0004837489
上記の各試作品を、順に説明していく。
試作品5は、淡色麦芽(全粒)70%に加え、メラノイジン麦芽全粒を30%使用した通常のビールである。
試作品2は、淡色麦芽(全粒)70%に加え、メラノイジン麦芽から穀皮画分と内皮層画分を取り除いた胚乳画分を30%使用した通常のビールである。
試作品3は、淡色麦芽(全粒)70%に加え、メラノイジン麦芽の胚乳画分と内皮層画分をそれぞれ15%用いた通常のビールである。
試作品4は、淡色麦芽(全粒)70%に加え、メラノイジン麦芽の胚乳画分と殻皮層画分をそれぞれ15%用いた通常のビールである。
各試作品5、6、7及び8のビール分析値を表7に、官能評価を表8まとめて示した。
Figure 0004837489
Figure 0004837489
上記した表7及び表8に示した結果から、メラノイジン麦芽の各組織画分を適宜組み合わせることによって、麦芽使用飲料の色度、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭等の香味を個別的に制御すること可能となる。
したがって、より魅力的な麦芽使用飲料を製造することが可能となる。
なお、他の着色麦芽である濃色麦芽、カラメル麦芽、ブリュー麦芽、燻製麦芽、チョコレート麦芽についても、同様の組織別分画を行い、それらを適宜組み合わせて、淡色麦芽(全粒)と配合することにより、目的とする色合い、香味を有するビールを調製することができた。

以上述べたように、麦芽組織分画技術を用いることによって、着色麦芽特有の過剰なエグ味、焦げ味の付着、スス焦げ臭の発生を調整しながら、麦芽使用飲料、特にビール様飲料に目的の色度、香味を付与することが可能となる。
したがって、消費者の要求に応じた各種麦芽使用飲料を提供することができる点で、産業上の利用可能性は多大なものである。
本発明の着色麦芽の組織断面を示す図である。

Claims (1)

  1. 麦芽使用飲料の製造に際して、麦芽使用飲料の色合い、エグ味、焦げ味、スス焦げ臭である香味を設計するにあたり、原料としての着色麦芽を胚乳画分、内皮層画分、穀皮画分および幼芽画分に分画し、分画した組織別の画分を単独または複数種選定して組み合わせ配合させることを特徴とする麦芽使用飲料の原料の選定方法。
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