JP4834623B2 - タンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法 - Google Patents

タンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法に関するものである。
タンデム圧延装置における圧延では、圧延材を圧延する前に、タンデム圧延装置の入側の板厚、最終の圧延スタンド出側の目標板厚が設定され、これらに基づいて、各スタンドの出側の板厚をどのようにするかというパススケジュールが決定される。そして、タンデム圧延装置では、決められたパススケジュールに応じて、各スタンドのロールギャップとロール速度が設定される。
タンデム圧延装置におけるパススケジュール計算方法として、例えば、各圧延スタンドへの圧延荷重の配分量やモータ負荷の配分量を、あらかじめ規定された目標値となる規定する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
このように、圧延荷重やモータ負荷の配分量を圧延スタンド毎に決定する方法では、目標とする配分量をあらかじめ圧延理論あるいは圧延実績あるいはその双方から、サイズや強度クラス別に求めてテーブル値として保存しておき、圧延開始前に、次の圧延材のサイズや強度から、当該の層別のテーブル値を読み込むことで、パススケジュールの決定を行うようにしている。
また、所望の板クラウンや圧延形状が得られるよう、評価関数を用いてパススケジュールを決定する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平9-327711号公報 特開2001−47116号公報
さて、実際の圧延操業では、設備や圧延ロールの状態、操業の状況(生産の負荷が高いか低いか)、特定ユーザ向けの個別対応などの状況に応じて、平坦度を重視、生産性を重視、クラウンを重視などの様々な圧延目的があり、状況によっては、圧延目的に応じて予め設定しておいたパススケジュールを変更しなければならないことがある。
このとき、特許文献1に示すように、圧延荷重やモーター負荷の配分量を圧延スタンド毎に決定してパススケジュールを求めた場合には、個々の圧延目的に応じて、各圧延スタンドにおける圧延荷重やモーター負荷の配分量の変更(以降、負荷配分)を行う必要がある。個々の圧延目的に応じて負荷配分の変更を行う場合、圧延作業に熟練した作業者の場合には、負荷配分の変更を容易に行うことができるが、経験の浅い作業者の場合には、圧延目的を実現するための適切な負荷配分の変更量を決定するのは容易ではない。
また、評価関数を用いてパススケジュールを決定する方法を用いている場合は、圧延目的に応じて、評価関数を設定してパススケジュールを変更することになる。しかしながら、評価関数を用いてパススケジュールを変更する場合は、新たなモデル構築や多大な計算を伴うため、実用化するのは非常に困難である。
そこで、本発明は、圧延目的に応じたパススケジュールを容易に決定することができるタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、複数の圧延スタンドで圧延材を連続的に圧延するタンデム圧延装置におけるパススケジュールの決定方法において、圧延する際の圧延条件に応じて当該パススケジュールを求めておくと共に、この当該パススケジュールとは別に圧延目的を重視した目的別パススケジュールを求めておき、前記圧延目的を当該パススケジュールに加味する必要が生じた際に、当該パススケジュールと前記目的別パススケジュールとの偏差に基づいて、前記圧延目的を含めた新たなパススケジュールを決定する点にある。
当該パススケジュールと前記目的別パススケジュール間での偏差を求め、前記偏差を比例配分した前記比例配分量に基づいて、前記圧延目的を重視した新たなパススケジュールの決定を行うことが好ましい。
第1の圧延目的に応じた第1目的パススケジュールと第2の圧延目的に応じた第2目的パススケジュールとを求めておき、前記第1目的パススケジュールと第2目的パススケジュールとの偏差をM等分して比例配分量Δmを求め、第1目的パススケジュール側をm=1、第2目的パススケジュール側をm=Mと設定すると共に、目的を加味する対象のパススケジュールの修正後の位置をm=m+Δmとしておき、前記圧延目的を加味する対象のパススケジュールに対して第1の圧延目的を加味する必要が生じた際には、Δm<0として、新たなパススケジュールを決定し、前記圧延目的を加味する対象のパススケジュールに対して第2の圧延目的を加味する必要が生じた際には、Δm>0として、新たなパススケジュールを決定することが好ましい。
全圧延スタンドにかける総圧延荷重に対する各圧延スタンドにおける圧延荷重の割合を示す圧延荷重比を、圧延スタンド毎に求めておき、前記目的別パススケジュールは、前記圧延荷重比を所定の範囲内とする制約条件下で求めたものであることが好ましい。
全圧延スタンドにかける総圧延荷重に対する各圧延スタンドにおける圧延荷重の割合を示す圧延荷重比の上下範囲を求めておき、前記第1目的パススケジュールは、前記圧延荷重比の上限値をとるような制約条件下で求めたもので、第2目的パススケジュールは、前記圧延荷重比の下限値をとるような制約条件下で求めたものであることが好ましい。
前記圧延目的は、圧延後の圧延材の形状重視、クラウン重視、生産性重視の少なくともいずれかを含むものであることが好ましい。
本発明によれば、圧延目的に応じたパススケジュールを容易に決定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図を基に説明する。
図1は本発明のパススケジュール決定方法が採用されるタンデム圧延装置を示している。このタンデム圧延装置1は、例えば、圧延材2を薄鋼板に圧延するもので、複数の圧延スタンド3と、圧延された圧延材2を巻き取る巻き取り機4と、制御装置5とを有している。
図1に示すように、各圧延スタンド3は、ワークロール6と、このワークロール6をバックアップするバックアップロール7とを有していて、ワークロール6のロールギャップやロール速度を適宜設定することで、圧延材2が所定の厚みに圧延される。
制御装置5は、ワークロール6のロールギャップやロール速度を制御したり、圧延目的に応じたパススケジュールを求めるもので、プロセスコンピュータにより構成されている。プロセスコンピュータは、目的設定手段8と、パススケジュール決定手段9とを有している。
以下、目的設定手段8、パススケジュール決定手段9及びパススケジュールの決定方法について説明する。
目的設定手段8は、圧延を行う際の様々な圧延目的(例えば、平坦度を重視、生産性を重視、クラウンを重視など)を設定するためのもので、具体的には、プロセスコンピュータに具備された押しボタン、キーボードなどで構成されている。
パススケジュール決定手段9は、圧延後のサイズ(厚み、幅)や強度(変形抵抗)の圧延条件に基づいて、各圧延スタンド3における板厚を最適化手法や荷重比配分法などを用いてパススケジュールを求めるものである。本実施形態では、パススケジュール決定手段9は、圧延中や圧延後に目的設定手段8により圧延目的が設定された場合に、その圧延目的を加味したパススケジュールを求めるものである。
図2は、圧延する前に圧延条件によって予めパススケジュール決定手段9により求めたパススケジュールP1(当該パススケジュールということがある)と、当該パススケジュールP1とは別に、パススケジュール決定手段9により圧延目的から求めた目的別パススケジュールP2とを示したものである。
図2に示すように、パススケジュール決定手段9は、圧延を行う前には、当該パススケジュールP1と、目的別パススケジュールP2とを記憶している。この目的別パススケジュールP2は、第1目的パススケジュールP2aと第2目的パススケジュールP2bとを有したものとなっている。
第1目的パススケジュールP2a及び第2目的パススケジュールP2bは、荷重比配分法により求めたものである。荷重比配分法とは、全圧延スタンド3にかけることのできる総圧延荷重対して、各圧延スタンド3でかけることのできる圧延荷重の割合(圧延荷重比)を求め、各圧延スタンド3における圧延荷重比の範囲を圧延装置1の設備制約として、各圧延スタンド3おける板厚を設定するものである。
図2に示すように、第1目的パススケジュールP2aは、圧延荷重比の上限値をとるような制約条件下で求めたもので、この第1目的パススケジュールP2aは板厚が第1圧延スタンド3付近では急激に変化して、その後徐々に変化するというパススケジュールとなる。
この第1目的パススケジュールP2aは、荷重比配分法を用いて圧延荷重比の上限値をとるような制約条件下で求めたもので求めたものであるが、このパススケジュールに従って圧延をすると、圧延材2の平坦度が良くなり(耳波、中伸びなどがない)、板形状(板プロファイルが良くなる)重視した圧延材2を製造することができると共に、後段の圧延スタンド3では電力消費が少ないことが過去の圧延実績から分かっている。
したがって、第1目的パススケジュールP2aは、形状を重視(以降、形状重視ということがある)するようなパススケジュールといえる。
第2目的パススケジュールP2bは、圧延荷重比の下限値をとるような制約条件下で求めたもので、この第1目的パススケジュールP2bは板厚が第1圧延スタンド3から第7圧延スタンド3にかけて、略均等に徐々に変化するというパススケジュールとなる。
この第2目的パススケジュールP2bは、荷重比配分法を用いて圧延荷重比の下限値をとるような制約条件下で求めたもので求めたものであるが、このパススケジュールに従って圧延をすると、圧延材2のクラウンが小さくなり、クラウンの精度が良く、クラウン重視した圧延材2を製造することができると共に、、後段の圧延スタンド3では電力消費が少ないことが過去の圧延実績から分かっている。
したがって、荷重比配分法を用いて圧延荷重比の下限値をとるような制約条件下で求めた第2目的パススケジュールP2bは、クラウンを重視(以降、クラウン重視ということがある)するようなパススケジュールといえる。
前記パススケジュール決定手段9は、当該パススケジュールP1に基づいて圧延を行っている圧延中などに、例えば、目的設定手段8により第1目的パススケジュールP2aに対応した圧延目的(形状重視)が設定されると、当該パススケジュールP1と、第1目的パススケジュールP2aとの偏差を計算する。そして、求めた偏差を所定数で等分して、その等分量を基に比例配分量を決定して、当該パススケジュールP1が第1目的パススケジュールP2aに近づくように、当該パススケジュールP1を比例移動させ、これにより、新たなパススケジュールの決定を行う。
なお、パススケジュール決定手段9は、圧延中などに、第2目的パススケジュールP2bに対応した圧延目的(クラウン重視)が設定されると、当該パススケジュールP1と、第2目的パススケジュールP2bとの偏差を計算して、求めた偏差を所定数で等分して、その等分量を基に比例配分量を決定して、当該パススケジュールP1が第2目的パススケジュールP2bに近づくように、当該パススケジュールP1を比例移動させ、これにより、新たなパススケジュールの決定を行う。
このように、当該パススケジュールP1を所定の比例配分量だけ比例移動させることで、比例移動したパススケジュールには、目的別パススケジュールP2に応じた圧延目的とが加味されたものとなる。
図2、3を用いて、パススケジュールの決定方法を、さらに詳しく説明する。
図3は、圧延をするにあたってのパススケジュールの決定方法の手順を示したものである。
図3に示すように、まず、圧延するにあたって、プロセスコンピュータに圧延後の圧延材2のサイズ(厚み、幅)や強度を設定して(S1)、当該圧延材2のサイズ及び強度から各圧延スタンド3における圧延荷重比の目標値を求める(S2)。次に、圧延後の圧延材2のサイズ(厚み、幅)や強度、圧延温度などの圧延条件からパススケジュールを求める(S3)。求めたパススケジュールにおいての各圧延スタンド3における圧延荷重を求める(S4)。
各圧延スタンド3における圧延荷重を全圧延スタンド3にかける圧延荷重の総合計を割って、各圧延スタンド3における圧延荷重比を求める(S5)。各圧延スタンド3における圧延荷重比が各圧延スタンド3における圧延荷重比の目標値と一致しているか否かを検証する(S6)。
各圧延スタンド3における圧延荷重比が目標値と一致している場合は、上記のように求めたパススケジュールを当該パススケジュールP1として決定する(S7)。各圧延スタンド3における圧延荷重比が目標値と一致していない場合は、パススケジュールを修正する(S8)。上記S4〜S7においては、各圧延スタンド3における圧延荷重比が目標値に入ることを条件としている。
上記で求めた当該パススケジュールP1を用いて圧延を行う(S9)。そして、圧延中に、例えば、圧延状況に応じて板形状を重視したい(耳波などを抑制したい)との理由により、作業者が押しボタンやキーボードなどを用いて圧延目的の設定を指示したとする(S10)。
パススケジュール決定手段9は、当該パススケジュールP1と目的別パススケジュールP2との間での偏差を求める(S11)。
例えば、図2に示すように、パススケジュール決定手段9は、目的別パススケジュールP2として、第1の圧延目的に応じた第1目的パススケジュールP2aと、第2の圧延目的に応じた第2目的パススケジュールP2bとの2つのパススケジュールを読み出す。そして、第1目的パススケジュールP2aと第2目的パススケジュールP2bとの偏差を所定の量(M等分)して比例配分量Δmを求める。
次に、パススケジュール決定手段9は、当該パススケジュールP1が第1目的パススケジュールP2a又は第2目的パススケジュールP2bに近づくように、比例配分量Δmから得られた移動量だけ、当該パススケジュールP1を移動させる(S12)。
例えば、図2に示すように、パススケジュール決定手段9は、第1目的パススケジュールP2a側をm=1、第2目的パススケジュールP2b側をm=Mと設定すると共に、目的を加味する対象のパススケジュールの修正後の位置をm=m+Δmとする。そして、指示された圧延目的が第1目的パススケジュールP2aに対応するものであれば、Δm<0として、Δm分だけ当該パススケジュールP1を移動させる。一方で、指示された圧延目的が第2目的パススケジュールP2bに対応するものであれば、Δm>0として、Δm分だけ当該パススケジュールP1を移動させる。
第1目的パススケジュールP2a側又は第2目的パススケジュールP2b側に当該パススケジュールP1を移動させたとき、移動後のパススケジュールにおいて求めた各圧延スタンドにおける圧延荷重比が目標範囲内にあるか否かを判断する(S13)。
圧延荷重比が目標範囲内にあれば、移動後のパススケジュールを新しいパススケジュールとして決定する(S14)。そうでなければ、当該パススケジュールP1を移動させるための比例配分量Δmを修正して、当該パススケジュールP1を移動量を変更する(S15)。
次に、第1目的パススケジュールP2a及び第2目的パススケジュールP2bの具体的な求め方と、当該パススケジュールP1を決定する手順の一例を説明する。
まず、式(1)で与えられる各圧延スタンドiへの圧下量の配分比ηiの上限ηi uと下限ηi Lを規定しておく。この圧下量の配分比ηiは、圧延荷重比に対応するものであり、図4に示すように、圧延装置の設備制約等により各圧延スタンド3において圧下量が規定した範囲を超えないようにしている。
Figure 0004834623
圧延装置における入側の板厚h0(第1スタンド)と出側の板厚hNとを設定し、各圧延スタンド3での上限板厚hi uと下限板厚hi Lとから第1目的パススケジュールP2aと第2目的パススケジュールP2bとを式(2)により計算する。
Figure 0004834623
各圧延スタンドiにおいて、その出側板厚hi pについてのパススケジュールコーン内の位置miを式(3)により求める。
Figure 0004834623
圧延目的から比例配分量Δmを決め、式(4)により、各圧延スタンドiでの出側板厚hi pについての新しい位置mi’(以降、修正位置ということがある)を求める。位置mi’で結ばれる線が新しいパススケジュールの候補となる。なお、圧延目的から比例配分量Δmを決めるが、この際、形状重視であれば比例配分量Δmをマイナス値とし、クラウン重視であれば比例配分量Δmをプラス値とする。比例配分量Δmの大きさは、過去の圧延実績等により適宜決定する。
Figure 0004834623
修正位置で決まる各圧延スタンドiにおける出側板厚hi m'は式(5)で求めることができる。
Figure 0004834623
そして、各圧延スタンドiでの出側板厚hi m'を求め、各圧延スタンドiでの圧延荷重を算出した後圧延荷重比を求め、各圧延スタンドiにおける圧延荷重比が予め設定した圧延荷重比の範囲にあれば、上記で求めたパススケジュールを圧延目的を含んだ新しいパススケジュールとなる。
ここで、各圧延スタンドiにおける圧延荷重比が予め設定した圧延荷重比の範囲外であれば、例えば、比例配分量Δmの変更量が大きいと考えられるため、当該比例配分量Δmを小さくして、比例配分量Δmを修正する。修正後の比例配分量Δmに基づいて求めた各圧延スタンドiにおける圧延荷重比が予め設定した圧延荷重比の範囲に入るまで、当該比例配分量Δmの修正を繰り返す。
なお、圧延目的に応じた比例配分量Δmの設定については、上述したように予め過去の圧延実績により決めておいてもよいが、圧延目的に応じた評価関数を定義して、各評価関数の総和が最小となるように、最適化手法によって比例配分量Δmを求めておいても良い。
図5〜図8は、本発明のタンデム圧延装置1におけるパススケジュールの決定方法により圧延を行った結果を示したものである。パススケジュールの計算条件は表1に示すようにした。
Figure 0004834623
表1及び図5に示すように、CASE1では、当該パススケジュールP1を圧延荷重比や圧延条件のみにより設定して圧延を行った。このCASE1では、当該パススケジュールP1に対して圧延目的を加えなかった(言い換えれば、当該パススケジュールP1を移動しなかった)。
表1及び図6に示すように、CASE2では、薄物材(薄板)の圧延においては後段の圧延スタンド3で形状が乱れないように、後段の圧延スタンド3の負荷を減らすパススケジュールの修正(圧延目的の追加)を行った。この場合、比例配分量Δm=−50として、当該パススケジュールP1を第1目的パススケジュールP2a側に近づけた。これにより、圧延作業者が目的設定手段8で圧延目的を形状重視を設定することで、その圧延目的にあったものにすることができる。
表1及び図7に示すように、CASE3では、厚物材(厚板)の圧延においては板クラウンが小さくなるように、パススケジュールの修正(圧延目的の追加)を行った。この場合、比例配分量Δm=50として、当該パススケジュールP1を第2目的パススケジュールP2b側に近づけた。これにより、圧延作業者が目的設定手段8で圧延目的をクラウン重視を選択することで、その圧延目的にあったものにすることができる。
表1に示すように、CASE4a、CASE4bでは、生産性を向上、即ち、圧延装置における消費電力を最小とするように、パススケジュールの修正(圧延目的の追加)を行った。この場合、各圧延スタンド3への圧延荷重比(負荷配分)を均等化して圧延速度を上げることで、生産性を上げている。
具体的には、表1及び図8に示すように、圧延状況において、前段側の圧延スタンド3の負荷が大きく(前段側のワークロール6を回転駆動させる電動機の出力が定格出力に近く電動機の出力に余裕が無い)、且つ、後段側の圧延スタンド3の負荷が小さい(電動機の出力が定格出力に比べて小さく電動機の出力に余裕がある)場合は、比例配分量Δmを、Δm=40(I−4)[ただし、Iはスタンド、I=1, 2, ・・・, 圧延スタンド数]とし、当該パススケジュールP1の移動を行った。この場合、圧延スタンド3においては、1段〜3段(前段側)では比例配分量Δm<0、4段では比例配分量Δm=0、5段〜7段(後段側)では、Δm<0としている。
また、表1に示すように、圧延状況において、上記とは逆に、前段側の圧延スタンド3の負荷が小さく、且つ、後段側の圧延スタンド3の負荷が大きい場合は、比例配分量Δmを、Δm=−40(I−4)とし、当該パススケジュールP1の移動を行っても良い。
上述したように、生産性重視の場合は、圧延スタンド3の負荷状況に応じて比例配分量Δmを求めることによって、各圧延スタンド3の負荷率(モータ負荷をそのスタンドの定格電力で割ったもの)を均等することができ、よって生産性の最も高いパススケジュールが実現される。
以上、本発明の当該パススケジュールP1をパススケジュールの決定方法により、圧延目的に応じて決定することによって、圧延目的に応じたパススケジュールの決定を容易にすることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
本発明にかかるタンデム圧延装置を示す図である。 パススケジュールを示す図である。 パススケジュール決定方法を示すフローチャートである。 各圧延スタンドにおける圧延荷重比の範囲を示した図である。 圧延目的が無い場合のパススケジュールを示す図である。 圧延目的を形状重視としたパススケジュールを示す図である。 圧延目的をクラウン重視としたパススケジュールを示す図である。 圧延目的を生産性重視としたパススケジュールを示す図である。
符号の説明
1 タンデム圧延装置
2 圧延材
3 圧延スタンド
5 制御装置
8 目的設定手段
9 パススケジュール決定手段

Claims (6)

  1. 複数の圧延スタンドで圧延材を連続的に圧延するタンデム圧延装置におけるパススケジュールの決定方法において、
    圧延する際の圧延条件に応じて当該パススケジュールを求めておくと共に、この当該パススケジュールとは別に圧延目的を重視した目的別パススケジュールを求めておき、
    前記圧延目的を当該パススケジュールに加味する必要が生じた際に、当該パススケジュールと前記目的別パススケジュールとの偏差に基づいて、前記圧延目的を含めた新たなパススケジュールを決定することを特徴とするタンデム圧延装置におけるパススケジュールの決定方法。
  2. 当該パススケジュールと前記目的別パススケジュール間での偏差を求め、前記偏差を比例配分した比例配分量に基づいて、前記圧延目的を重視した新たなパススケジュールの決定を行うことを特徴とする請求項1に記載のタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法。
  3. 第1の圧延目的に応じた第1目的パススケジュールと第2の圧延目的に応じた第2目的パススケジュールとを求めておき、
    前記第1目的パススケジュールと第2目的パススケジュールとの偏差をM等分して前記比例配分量Δmを求め、
    第1目的パススケジュール側をm=1、第2目的パススケジュール側をm=Mと設定すると共に、目的を加味する対象のパススケジュールの修正後の位置をm=m+Δmとしておき、
    前記圧延目的を加味する対象のパススケジュールに対して第1の圧延目的を加味する必要が生じた際には、Δm<0として、新たなパススケジュールを決定し、
    前記圧延目的を加味する対象のパススケジュールに対して第2の圧延目的を加味する必要が生じた際には、Δm>0として、新たなパススケジュールを決定することを特徴とする請求項2に記載のタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法。
  4. 全圧延スタンドにかける総圧延荷重に対する各圧延スタンドにおける圧延荷重の割合を示す圧延荷重比を、圧延スタンド毎に求めておき、
    前記目的別パススケジュールは、前記圧延荷重比を所定の範囲内とする制約条件下で求めたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載のタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法。
  5. 全圧延スタンドにかける総圧延荷重に対する各圧延スタンドにおける圧延荷重の割合を示す圧延荷重比の上下範囲を求めておき、
    前記第1目的パススケジュールは、前記圧延荷重比の上限値をとるような制約条件下で求めたもので、第2目的パススケジュールは、前記圧延荷重比の下限値をとるような制約条件下で求めたものであることを特徴とする請求項3に記載のタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法。
  6. 前記圧延目的は、圧延後の圧延材の形状重視、クラウン重視、生産性重視の少なくともいずれかを含むものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法。
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