JP4826996B2 - 超電導ケーブル線路 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導ケーブルを具える電力供給用線路に関するものである。特に、超電導ケーブルへの熱侵入を効果的に低減して、エネルギー消費効率(COP)を向上させることができる超電導ケーブル線路に関するものである。
従来、超電導導体層を有するケーブルコアを断熱管内に収納させた超電導ケーブルが知られている。このような超電導ケーブルとして、例えば、断熱管内に1条のケーブルコアを収納した単心ケーブルや、3条のケーブルコアを一括に収納した三心一括型のものがある。図8は、三心一括型の三相交流用超電導ケーブルの断面図である。この超電導ケーブル100は、断熱管101内に3条のケーブルコア102を撚り合わせて収納させた構成である。断熱管101は、外管101aと内管101bとからなる二重管の間に断熱材(図示せず)が配置され、かつ両管101a,101b間を真空引きさせた構成である。各ケーブルコア102は、中心から順にフォーマ200、超電導導体層201、電気絶縁層202、超電導シールド層203、保護層204を具え、内管101bと各ケーブルコア102とで囲まれる空間103が液体窒素などの冷媒の流路となる。ケーブルコア102の超電導導体層201や超電導シールド層203は、この冷媒により冷却されて、超電導状態が維持される。断熱管101の外周には、防食層104を具える。
超電導ケーブルでは、超電導導体層や超電導シールド層が超電導状態を維持できるように、液体窒素などの冷媒により常時冷却する必要がある。従って、超電導ケーブルを用いた線路には、通常、冷媒の冷却システムを具え、このシステムにより、ケーブルから排出された冷媒を冷却して再度ケーブルに流入するといった循環冷却を行っている。
上記冷却システムにより冷媒を適切な温度に冷却することで超電導ケーブルは、通電による発生熱や大気などの外部からの侵入熱による冷媒の温度上昇が十分に低減されて超電導導体層や超電導シールド層の超電導状態を維持することができる。しかし、冷媒が液体窒素の場合、これら発生熱や侵入熱を処理するために冷媒を冷却するエネルギーは、冷媒がケーブルを冷却するために処理するエネルギーの10倍以上となる。従って、冷媒の冷却システムを含む超電導ケーブル線路全体で考えると、エネルギー消費効率(COP)が0.1以下程度と低くなってしまう。このCOPの低下は、超電導ケーブルの適用効果を小さくしている要因の一つである。一方、特許文献1,2では、液化天然ガス(LNG)の冷熱を利用して、超電導コイルの冷媒を冷却することを提案している。
特開2002-130851号公報 特開平10-92627号公報
上記特許文献1,2では、超電導コイルの冷媒の冷却にLNGの冷熱を利用することを開示しているに過ぎず、外部からの侵入熱そのものの低減については、検討されていない。
そこで、本発明の主目的は、外部からの侵入熱を低減し、エネルギー消費効率を向上させることができる超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明は、低温の流体を輸送する断熱管内に超電導ケーブルを配置することで上記目的を達成する。即ち、本発明超電導ケーブル線路は、常温未満の流体が輸送される第一断熱管と、この第一断熱管内に収納される超電導ケーブルとを具えることを特徴とする。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明において超電導ケーブルは、超電導材料からなる超電導部と、この超電導部を収納すると共に、超電導部の冷却を行う冷媒が充填される断熱管(以下、ケーブル用断熱管と呼ぶ)とを具える構成のものを利用する。超電導部としては、電力供給用の電流が流される超電導導体層の他、超電導導体層とほぼ同じ大きさで逆方向の電流が流される外部超電導層が挙げられる。これら超電導部は、通常、ケーブルコアに形成される。従って、超電導ケーブルは、上記超電導層を具えるケーブルコアをケーブル用断熱管に収納して構成するとよい。ケーブルコアのより具体的な構成としては、中心から順にフォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、外部超電導層、保護層を具えたものが挙げられる。ケーブル用断熱管に収納するケーブルコアは、1条(単心(1心))としてもよいし、複数条(複数心)具えていてもよい。具体的には、例えば、本発明線路を3相交流送電に用いる場合、3条のコアを撚り合わせてケーブル用断熱管に収納した三心ケーブルを利用するとよく、単相交流送電に用いる場合、1条のコアをケーブル用断熱管に収納した単心ケーブルを利用するとよい。本発明線路を直流送電(単極送電)に用いる場合、例えば、1条のコアをケーブル用断熱管に収納した単心ケーブルを利用するとよく、直流送電(双極送電)に用いる場合、2条のコア又は3条のコアを撚り合わせてケーブル用断熱管に収納した2心ケーブル又は3心ケーブルを利用するとよい。このように本発明超電導ケーブル線路は、直流送電、交流送電のいずれにも利用することができる。
超電導導体層は、例えば、Bi系酸化物超電導材料、具体的には、Bi2223系超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シースなどのマトリクス中に配されたテープ状線材を螺旋状に巻回することで形成するとよく、単層でも多層でもよい。多層とする場合、層間絶縁層を設けてもよい。層間絶縁層は、クラフト紙などの絶縁紙やPPLP(住友電気工業株式会社 登録商標)などの半合成絶縁紙を巻回して設けることが挙げられる。このような超電導導体層は、上記超電導材料からなる線材をフォーマの外周に巻回して形成する。フォーマは、銅やアルミニウムなどの金属材料にて形成した中実体でも中空体でもよく、例えば、銅線を複数本撚り合わせた構成のものが挙げられる。上記銅線は、絶縁被覆されたものを利用してもよい。フォーマは、超電導導体層の形状維持部材として機能する。フォーマと超電導導体層との間にクッション層を介在させてもよい。クッション層は、フォーマと超電導線材との間における金属同士の直接接触を回避し、超電導線材の損傷を防止する。特に、フォーマを撚り線構造とした場合、クッション層はフォーマ表面をより平滑な面にする機能も有する。クッション層の具体的材質としては、絶縁紙やカーボン紙が好適に利用できる。
電気絶縁層は、PPLP(登録商標)などの半合成絶縁紙やクラフト紙などの絶縁紙を超電導導体層上に巻回して形成することが挙げられる。電気絶縁層の内外周の少なくとも一方、つまり超電導導体層と電気絶縁層との間や、電気絶縁層と外部超電導層(後述)との間にカーボン紙などにて半導電層を形成してもよい。前者の内部半導電層、後者の外部半導電層を形成することで、超電導導体層と電気絶縁層間、又は電気絶縁層と外部超電導層間での密着性を高め、部分放電の発生などに伴う劣化を抑制する。
本発明線路を直流送電に用いる場合、上記電気絶縁層には、その径方向(厚さ方向)の直流電界分布が平滑化されるように、電気絶縁層の内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングを施してもよい。このようにρグレーディングを施して、電気絶縁層の厚さ方向において段階的に抵抗率を異ならせることで、電気絶縁層の厚さ方向全体の直流電界分布を平滑化でき、電気絶縁層の厚みを低減することができる。抵抗率を異ならせる層数は、特に問わないが、実用的には、2,3層程度である。特に、これら各層の厚みを均等にすると、直流電界分布の平滑化をより効果的に行える。
ρグレーディングを施すには、抵抗率(ρ)の異なる絶縁材料を用いるとよく、例えば、クラフト紙といった絶縁紙を利用する場合、クラフト紙の密度を変化させたり、クラフト紙にジシアンジアミドを添加するなどにより、抵抗率を変えることができる。絶縁紙とプラスチックフィルムからなる複合紙、例えばPPLP(登録商標)の場合、複合紙全体の厚みTに対するプラスチックフィルムの厚みtpの比率k=(tp/T)×100を変えたり、絶縁紙の密度、材質、添加物などを変えることにより、抵抗率を変えることができる。比率kの値は、例えば40%〜90%程度の範囲が好ましい。通常、比率kが大きいほど抵抗率ρが大きくなる。
更に、電気絶縁層は、超電導導体層の近傍に、他の箇所よりも誘電率が高い高ε層を有すると、直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上させることができる。なお、誘電率ε(20℃)は一般的なクラフト紙で3.2〜4.5程度、比率kが40%の複合紙で2.8程度、同60%の複合紙で2.6程度、同80%の複合紙で2.4程度である。特に、比率kが高く、かつ気密度も高めのクラフト紙を用いた複合紙により電気絶縁層を構成すれば、直流耐電圧とImp.耐圧の双方に優れて好ましい。
上記ρグレーディングに加えて、電気絶縁層は、その内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低くなるように構成すると、交流送電にも適したケーブルとなる。このεグレーディングも電気絶縁層の径方向全域に亘って形成する。また、上述のようにρグレーディングを施した超電導ケーブルは、直流特性に優れたケーブルとなり、直流送電線路に好適に利用することができる。一方、現行の送電線路は、大半が交流で構成されている。今後、送電方式を交流から直流へ移行することを考えた場合、直流送電へ移行する前に過渡的に上記ρグレーディングを施した超電導ケーブルを用いて交流を送電するケースが想定される。例えば、送電線路の一部のケーブルを上記ρグレーディングを施した超電導ケーブルに交換したが残部が交流送電用ケーブルのままであるとか、送電線路の交流送電用ケーブルを上記ρグレーディングを施した超電導ケーブルに交換したが、ケーブルに接続される送電機器は交流用のままとなっている場合などである。この場合、上記ρグレーディングを施した超電導ケーブルで過渡的に交流送電を行い、その後、最終的に直流送電に移行されることになる。従って、直流交流の双方に利用されるような超電導ケーブルにおいては、直流特性に優れているのみならず、交流特性をも考慮した設計とすることが好ましい。交流特性をも考慮した場合、内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低い電気絶縁層とすることで、サージなどのインパルス特性に優れた超電導ケーブルを構築することができる。そして、上記過渡期が過ぎて直流送電が行われることになった場合には、過渡期に用いていた上記ρグレーディングされた超電導ケーブルをそのまま直流ケーブルとして利用することができる。即ち、ρグレーディングに加えてεグレーディングを施した超電導ケーブルを用いた線路では、直流送電、交流送電のそれぞれに好適に利用できるだけでなく、交流直流両用の線路として好適に利用することができる。
通常、上述したPPLP(登録商標)は、比率kを高くすると高ρ低εとなる。そのため、電気絶縁層の外周側ほど比率kの高いPPLP(登録商標)を用いて電気絶縁層を構成すれば、外周側ほど高ρになり、同時に外周側ほど低εにできる。
一方、クラフト紙は、一般に気密度を高くすると高ρ高εになる。そのため、クラフト紙だけで外周側ほど高ρであると共に外周側ほど低εの電気絶縁層を構成することは難しい。そこで、クラフト紙を用いる場合は、複合紙と組み合わせて電気絶縁層を構成することが好適である。例えば電気絶縁層の内周側にクラフト紙層を形成し、その外側にPPLP層を形成することで、抵抗率ρはクラフト紙層<PPLP層となり、誘電率εはクラフト紙層>PPLP層となるようにすればよい。
上記電気絶縁層の外周には、外部超電導層を設ける。外部超電導層は、上記超電導導体層と同様に超電導材料にて形成する。外部超電導層に用いる超電導材料は、上記超電導導体層の形成に利用したものと同様のものを用いてもよい。この外部超電導層は、本発明超電導ケーブル線路を直流送電に利用する場合、例えば、単極送電では帰路導体として、双極送電では中性線層として利用するとよい。特に、双極送電を行う場合、この外部超電導層は、正極と負極でアンバランスが生じた際のアンバランス電流を流したり、一方の極に異常が生じて双極送電から単極送電に変更する際、超電導導体層に流れる送電電流と同等の電流を流す帰路導体に利用してもよい。本発明超電導ケーブル線路を交流送電に利用する場合、外部超電導層は、超電導導体層に流れる電流により誘導されるシールド電流を流すシールド層として利用するとよい。外部超電導層の外周には、絶縁を兼ねた保護層を設けていてもよい。
上記構成を具えるケーブルコアを収納するケーブル用断熱管としては、外管と内管とからなる二重構造で、両管の間に断熱材を具えて所定の真空度に真空引きした真空断熱構成のものが挙げられる。内管内は、ケーブルコア(特に、超電導導体層や外部超電導層)を冷却する液体窒素などの冷媒を充填して流通させる冷媒流路として利用する。このようなケーブル用断熱管は、可撓性を有するコルゲート管が好ましい。特に、ケーブル用断熱管は、強度に優れるステンレスなどの金属材料にて形成されたものが好ましい。
そして、本発明は、上記ケーブル用断熱管を有する超電導ケーブルを常温未満の流体の輸送に用いられる断熱管(以下、流体用断熱管と呼ぶ)に収納する構成である。この構成により、流体用断熱管に収納された超電導ケーブルは、常温未満の流体により、ケーブル外周が常温未満の低温環境となることに加えて、流体用断熱管の断熱構造とケーブル自体の断熱構造を合わせた二重の断熱構造を具えることができる。従って、外部からの侵入熱を従来よりも効果的に低減して、超電導ケーブルに充填される冷媒を冷却するためのエネルギーの削減を図ることができる。
上記超電導ケーブルが収納される流体用断熱管は、輸送する流体に応じた断熱性能を具えるものを利用するとよい。例えば、上記超電導ケーブルと同様に外管及び内管の二重構造で、両管の間に保冷材を配置したものを利用してもよい。このとき、内管内が流体の輸送路となる。また、流体は、常温未満の温度のものとする。超電導ケーブルには、上記のようにケーブル用断熱管内に超電導部を冷却する冷媒が流通され、この冷媒として、例えば、77Kに冷却された液体窒素が利用される。従って、超電導ケーブルが大気中に布設された場合、ケーブル用断熱管内外の温度差(冷媒と大気の温度差)が200K以上となるため、ケーブル内への侵入熱が多くなり易い。そこで、従来は、侵入熱を低減するべく、冷媒の冷却エネルギーを多くしたり、ケーブル用断熱管の断熱性能を高めざるを得なかった。これに対し、常温未満といった低温の流体が輸送される流体用断熱管に収納された超電導ケーブルは、ケーブル用断熱管内外の温度差、具体的には、冷媒と流体の温度差を200K未満とすることができるため、大気中に布設されたケーブルと比較して侵入熱が少なく、冷媒の冷却エネルギーを低減することができる。即ち、冷媒の冷却システムまでを含めて考慮した場合、本発明超電導ケーブル線路は、従来よりもエネルギー消費効率を向上させることが可能である。特に、本発明線路を通電による発生熱(導体ロス)がほとんどない直流用線路とする場合、エネルギー損失の原因が主に侵入熱となるため、この侵入熱の低減は、エネルギー消費効率の向上に非常に有効である。また、本発明において流体用断熱管に収納された超電導ケーブルは、上記のように熱侵入を低減することができるため、ケーブル用断熱管の断熱構造を簡易にする、即ち、侵入熱に対する断熱レベルを低くすることも可能である。
このような流体は、常温未満であればよく、特に、低温であるほどケーブル内への侵入熱を少なくできるため好ましい。流体は、超電導ケーブルの冷媒と同じのものを利用してもよいし、異なるものを利用してもよい。即ち、超電導ケーブルの冷媒温度と同等程度の温度の流体であってもよいし、冷媒温度よりも高い温度の流体であってもよいし、冷媒温度よりも低い温度の流体であってもよい。超電導ケーブルの冷媒温度近傍の温度の流体である場合、ケーブル用断熱管内外の温度差をより小さくすることができる。
超電導ケーブルの冷媒よりも温度が低い流体は、流体からケーブルに熱侵入することがほとんどないため、同冷媒が熱侵入によって温度上昇することがほとんどなく、逆にケーブル用断熱管内の同冷媒を冷却する効果がある。従って、このような流体が輸送される流体用断熱管に収納される超電導ケーブルは、ケーブルに使用する冷媒の冷却システムの冷却性能レベルを比較的低くすることができ、冷媒を冷却するためのエネルギーを格段に低減できる。超電導ケーブルの冷媒よりも温度が高い流体の場合、同冷媒が流体からケーブルへの侵入熱によって昇温されることがあり得るが、気中布設と比較して侵入熱が非常に少ないため、昇温度合いも非常に小さい。そこで、この場合も、気中布設と比較して、超電導ケーブルに用いる冷媒の冷却システムの冷却性能レベルを低くすることができる。具体的な流体としては、例えば、液体ヘリウム(約4K)、液体水素(約20K)、液体酸素(約90K)、液体窒素(約77K)、液化天然ガス(約113K)が挙げられる。
流体用断熱管に超電導ケーブルを収納するには、例えば、ステンレスや鋼などからなる金属板材を溶接して流体用断熱管を形成する場合、板材の上にケーブルを配置して、ケーブルを覆うように板材を湾曲させ、板材の端縁同士を溶接することが挙げられる。また、流体用断熱管としてステンレスや鋼などからなる金属筒材を使用する場合、筒材内に超電導ケーブルを挿入させることで流体用断熱管内にケーブルを収納できる。このとき、超電導ケーブルの挿入性を向上するために、ケーブルの外周にスキッドワイヤ(すべり線)を螺旋状に巻回して挿入してもよい。特に、ケーブル用断熱管が凹凸のあるコルゲート管である場合、スキッドワイヤがコルゲート管の凹部に落ち込まないようにコルゲート管の凹凸よりも大きなピッチ(ロングピッチ)でスキッドワイヤを巻回して、同凹凸の上にスキッドワイヤを存在させ、コルゲート管の外周が流体用断熱管に直接接触しないようにする、即ち、コルゲート管の外周に巻回したスキッドワイヤが流体用断熱管に点接触する構成とすると、挿入性がよい。更に、テンションメンバなどを超電導ケーブルに取り付けて、流体用断熱管内に引き込んでもよい。
流体用断熱管に収納させた超電導ケーブルは、流体用断熱管内で輸送される流体と接触するように配置してもよいし、接触させないようにしてもよい。前者の場合、超電導ケーブルを流体に浸漬させる構成とするとよい。このとき、超電導ケーブルの全周が低温の流体に接触しているため、ケーブルへの外部からの侵入熱を効果的に低減することができる。
一方、超電導ケーブルを流体に浸漬させた状態とすることで、万が一、超電導ケーブルが短絡などして火花が生じた際、流体によっては、引火して爆発するなどの不具合が生じることが考えられる。そこで、流体用断熱管内を流体の輸送領域と超電導ケーブルが配設される領域とに区画してもよい。例えば、流体の輸送領域として、別途流体の輸送管を流体用断熱管内に配置し、超電導ケーブルは、この輸送管に縦添えして配置することが挙げられる。このとき、流体用断熱管内において輸送管と超電導ケーブルとを除く空間、即ち、流体用断熱管の内周面と輸送管の外周面とケーブルの外周面とで囲まれる空間に、熱伝導性に優れる伝熱スペーサを配置すると、伝熱スペーサを介して流体からの熱をケーブルに効率よく伝えられるため、特に、流体がケーブルの冷媒よりも低温である場合、流体にてケーブルを冷却することができる。このような伝熱スペーサは、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性に優れる材料にて形成するとよい。具体的には、伝熱スペーサは、アルミニウム箔を巻回して形成することが挙げられる。
本発明超電導ケーブル線路では、線路を構築する超電導ケーブルの長手方向全長に亘って超電導ケーブルを流体用断熱管に収納させてもよいし、一部のケーブルのみを流体用断熱管に収納してもよい。例えば、一部の超電導ケーブルのみを流体用断熱管に収納し、残部の超電導ケーブルを気中布設とした線路としてもよいし、ケーブルの外周が冷媒温度以下の低温度環境にある低温領域部と、冷媒温度よりも高い温度環境にある高温領域部とを有する線路としてもよい。特に、流体が冷媒よりも温度が低い場合、超電導ケーブルにおいて流体用断熱管内に収納された部分は、冷却され過ぎる恐れがある。このような過冷却により冷媒の一部が固化するなどして、ケーブルの冷媒が流通されにくくなる恐れがある。従って、流体による超電導ケーブルの過剰な冷却を抑制して、ケーブルの冷媒において最も低温の部分が固化して冷媒の流通を妨げるような温度とならないようにするべく、超電導ケーブルにおいて流体により冷却された部分の温度を超電導状態が維持できる温度範囲内において高めることが望まれる。そこで、超電導ケーブル線路においてその長手方向に超電導ケーブルの外部の温度が異なる領域を設け、線路全体として熱収支のバランスをとることを提案する。具体的には、超電導ケーブル線路に上記低温領域部及び高温領域部を設け、低温領域部で冷却され過ぎた超電導ケーブルの冷媒を高温領域部にて昇温させる、或いは、高温領域部で昇温された超電導ケーブルの冷媒を低温領域部にて冷却することを提案する。
低温領域部は、ケーブル用断熱管に充填される冷媒の冷媒温度よりも温度が低い流体が輸送される流体用断熱管(第一断熱管)内に超電導ケーブルを収納することで構成するとよい。高温領域部は、超電導ケーブルを大気中に布設して構成してもよいし、ケーブル用断熱管に充填される冷媒の冷媒温度よりも温度が高い流体が輸送される別の流体用断熱管(第二断熱管)内にケーブルを収納して構成してもよい。例えば、超電導ケーブルの冷媒として液体窒素を用いる場合、低温領域部の流体(第一流体)は、液体水素や液体ヘリウムを用い、高温領域部の流体(第二流体)は、液化天然ガスや液体酸素を用いるとよい。
上記低温領域部と高温領域部とを具える本発明線路では、温度の異なる流体を輸送する複数の流体用断熱管を利用したり、超電導ケーブルの冷媒よりも低温の流体を輸送する流体用断熱管に収納する構成と気中布設とを組み合わせることで熱収支のバランスをとることができる。例えば、線路の長手方向において低温領域部と高温領域部とを繰り返し具えることで、低温領域部の温度低下と、高温領域部の温度上昇との差を小さくすることができる。その他、線路を構成する超電導ケーブルの断熱性能を変化させることで、線路全体の熱収支のバランスをとってもよい。即ち、本発明線路では、超電導ケーブルが配置される領域の温度状態でケーブル用断熱管の断熱性能を変化させてもよい。例えば、低温領域部に配設される超電導ケーブルのケーブル用断熱管の断熱性能よりも高温領域部に配設さえれるケーブルのケーブル用断熱管の断熱性能を低くさせてもよい。従来の気中布設された超電導ケーブル線路では、ケーブルの全長全周に亘り外周の温度域が常温であるため、断熱性能を全長全周に亘り一定レベル、特に、外部からの侵入熱を防止するべく高レベルにする必要がある。しかし、本発明線路では、超電導ケーブルを流体用断熱管に収納させた部分を具えることでケーブル内への侵入熱を低減しているため、ケーブルが布設される環境に応じて適宜断熱性能を変化させることができる。従って、例えば、超電導ケーブルの冷媒よりも高温の流体を輸送する流体用断熱管に収納されるケーブル部分と、気中布設されるケーブル部分とを具える線路の場合、流体用断熱管に収納されるケーブル部分の断熱性能を気中布設されるケーブル部分の断熱性能よりもレベルを低くしてもよい。流体用断熱管に収納される超電導ケーブルは、上記のように外部からの侵入熱が少ないからである。このように本発明では、線路を構成する超電導ケーブルの断熱性能を部分的に変化させることが可能である。断熱性能を変化させるには、例えば、ケーブル用断熱管が外管と内管との二重構造で、両管の間を断熱材を配置すると共に真空引きした構成である場合、外管と内管間の真空度を変化させる、外管と内管との間に配置する断熱材の巻数を変化させる、断熱材の材料を変えることなどが挙げられる。このように熱収支のバランスをとることで、線路全体において冷媒が処理する熱エネルギーをより小さくすることができる。
また、超電導ケーブルの冷媒を冷却するに当たり、熱交換を流体との間で行う構成、即ち、超電導ケーブル線路に、ケーブルの冷媒と流体との間で熱交換を行う熱交換手段を別途具えた構成とすると、熱交換の効率を向上させることができる。超電導ケーブルの冷媒の冷却は、通常、ヒートポンプを利用した冷却システムで行っており、従来の超電導ケーブル線路では、ヒートポンプの凝縮対象を常温の水や大気としている。すると、熱交換対象間の温度差が200K以上もあることから超電導状態を維持できる温度に冷媒を冷却する場合、同温度差が大きくなるほど、多くの熱エネルギーが必要となり、COPが0.1以下となる。これに対し、常温未満の流体を冷媒の熱交換対象とすることで、従来の常温の大気や水と比較して熱交換対象間の温度差が小さいため、熱交換効率に非常に優れ、COPを0.5以上とすることができる。特に、超電導ケーブルの冷媒よりも温度が低い流体をケーブルの冷媒の熱交換対象とする、具体的には、この流体により冷媒を直接冷却する構成とすると、ケーブルの冷媒用冷凍機を不要とすることもできる。
上記のように超電導ケーブルの冷媒の熱交換対象を常温の大気や水の代わりに流体用断熱管に輸送される流体とすることで、交換効率を高めることができるが、加えて、流体が気化する際の気化潜熱を利用すると、冷媒の冷却エネルギーの更なる低減を図ることができる。例えば、流体として、液化天然ガスを利用する場合、液化天然ガスの気化潜熱(冷熱)を利用することが挙げられる。液化天然ガスのプラント(基地)では、液化天然ガスを気化して、天然ガスを製造することが行われている。そこで、超電導ケーブルの冷媒と液化天然ガスとの間で熱交換が行われるようにすると、ケーブルの冷媒は、液化天然ガスからこの気化潜熱を受け取って冷却され、液化天然ガスは、ケーブルの冷媒から熱を受け取って温められ気化される。このように両者の要求を無駄なく満たすことができる。
上記流体と冷媒との熱交換は、超電導ケーブルだけでなく、低温の冷媒を利用するその他の超電導機器、例えば、超電導変圧器、超電導電力貯蔵システム(SMES)、超電導限流器などの冷媒においても構築すると、エネルギー効率をより向上させることができる。
このような本発明超電導ケーブル線路は、流体の輸送を行う流体用断熱管が配置される箇所、例えば、流体プラントなどに構築し、流体の輸送に用いられる各種電力機器の電力供給に超電導ケーブルを利用する構成とすると、超電導ケーブルのメリットを十分に発揮することができる。
本発明超電導ケーブル線路は、上述のように直流送電、交流送電のいずれにも利用することができる。例えば、3相交流送電を行う場合、3心超電導ケーブルとし、各コアの超電導導体層をそれぞれ相の送電に利用し、各コアの外部超電導層をシールド層として利用するとよい。単相交流送電を行う場合、単心超電導ケーブルとし、コアに具える超電導導体層を相の送電に利用し、外部超電導層をシールド層として利用するとよい。単極直流送電を行う場合、単心超電導ケーブルとし、このコアの超電導導体層を往路導体に利用し、外部超電導層を帰路導体として利用するとよい。双極直流送電を行う場合、2心超電導ケーブルとし、一つのコアの超電導導体層を正極送電に利用し、他のコアの超電導導体層を負極送電に利用し、両コアの外部超電導層を中性線層として利用するとよい。
また、本発明超電導ケーブル線路は、上述のようにρグレーディング、εグレーディングが施された電気絶縁層を有するケーブルコアを具える超電導ケーブルを利用することで、直流交流両用線路としても利用することができる。このとき、超電導ケーブルだけでなく、線路端部に形成され、超電導ケーブルと常温側の導電部(常電導ケーブルや常電導ケーブルに接続されるリードなど)とを接続する端末構造も直流交流両用に適した構成としておくことが好ましい。端末構造は、超電導ケーブルの端部から引き出したケーブルコアの端部と、常温側の導電部に接続される引出導体部と、コア端部と引出導体部とを電気的に接続する接続部と、これらコア端部、引出導体部のコア接続側端部、接続部を収納する終端接続箱とを具える構成が代表的である。終端接続箱は、通常、コア端部や引出導体部の端部を冷却する冷媒槽と、冷媒槽の外周に配置される真空断熱槽を具える。このような端末構造において、交流送電と直流送電とでは、引出導体部に流す電流の大きさが異なることがあるため、引出導体部の導体断面積を変化できることが望まれる。そこで、直流交流両用の端末構造としては、負荷に応じて引出導体部の導体断面積を変化可能な構成とすることが好適である。このような端末構造として、例えば、引出導体部をコア端部に接続される低温側導体部と、常温側の導電部側に配置される常温側導体部とに分割し、これら低温側導体部と常温側導体部とが着脱可能な構成が挙げられる。そして、この着脱可能な引出導体部を複数具え、低温側導体部と常温側導体部との接続数により、引出導体部全体の導体断面積を変化させることができる。各引出導体部の導体断面積は、いずれも同一としてもよいし、異ならせてもよい。このような端末構造を具える本発明超電導ケーブル線路は、引出導体部の着脱を行うことで、直流送電から交流送電への変更、又は交流送電から直流送電の変更を容易に行うことができる。また、このように引出導体部の導体断面積を変更できることで、交流送電時又は直流送電時において、供給電力の変更がなされた場合にも導体断面積を種々変更することで対応することができる。
上記構成を具える本発明超電導ケーブル線路は、ケーブルへの侵入熱を効果的に低減して、エネルギー消費効率を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。特に、低温領域部と高温領域部とを具える本発明超電導ケーブル線路では、線路全体で熱収支のバランスをとることができ、ケーブルの冷媒の冷却エネルギーを低減することができる。
本発明線路においてρグレーディングを施した電気絶縁層を有するケーブルコアを具える超電導ケーブルを利用することで、直流耐電圧特性に優れ、直流送電に適した線路とすることができる。また、ρグレーディングに加えて超電導導体層の近傍が高εとなるように電気絶縁層を設けたケーブルコアを具える超電導ケーブルを本発明線路に利用した場合、上述した直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上できる。特に、電気絶縁層の内周側ほど高εとし外周側ほど低εとすると、本発明線路は、交流電気特性にも優れる。そのため、本発明超電導ケーブル線路は、直流送電、交流送電のそれぞれに好適に利用できる。加えて、本発明線路として、上記ρグレーディング及びεグレーディングが施された電気絶縁層を有するケーブルコアを具える超電導ケーブルを利用し、かつ線路端部に形成される端末構造を、超電導ケーブルと常温側導電部との間に配置される引出導体部の導体断面積を変化可能な構成とすることで、送電方式を交流と直流の間で変更する過渡期においても、本発明線路は、好適に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明超電導ケーブル線路を構築した状態を示す概略構成図であり、(A)は、横断面図、(B)は正面図である。以下、図中同一符号は同一物を示す。本発明電導ケーブル線路は、常温未満の流体1が輸送される流体用断熱管2と、流体用断熱管2に収納される超電導ケーブル10とを具える。
本例で利用した超電導ケーブル10は、ケーブル用断熱管11に3条のケーブルコア12を撚り合わせて収納させた構成であり、基本的構成は図8に示す超電導ケーブルと同様である。各ケーブルコア12は、中心から順にフォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、外部超電導層、保護層を具える。超電導導体層及び外部超電導層は、Bi2223系超電導テープ線(Ag-Mnシース線)にて形成した。超電導導体層はフォーマの外周に、外部超電導層は電気絶縁層の外周にそれぞれ、上記超電導テープ線を螺旋状に巻回して構成した。フォーマは、銅線を複数本撚り合わせたものを用いた。フォーマと超電導導体層との間には、絶縁紙によりクッション層を形成した。電気絶縁層は、超電導導体層の外周に半合成絶縁紙(PPLP:住友電気工業株式会社 登録商標)を巻回して構成した。電気絶縁層の内周側に内部半導電層、同外周側(外部超電導層下)に外部半導電層を設けてもよい。保護層は、外部超電導層の外周にクラフト紙を巻回して設けた。このようなケーブルコア12を3条用意し、熱収縮に必要な収縮代を有するように弛みを持たせて撚り合わせ、断熱管11内に収納している。本例において断熱管11には、SUSコルゲート管を用い、外管11aと内管11bとからなる二重管の間に断熱材(図示せず)を多層に配置し、かつ外管11aと内管11bの間を所定の真空度に真空引きした真空多層断熱構成とした。内管11bの内周面と3心のケーブルコア12の外周面とで囲まれる空間13が冷媒の流路となる。この流路内に、ポンプなどを用いて超電導導体層や外部超電導層を冷却する冷媒を流通させる。本例では、冷媒として液体窒素(約77K)を利用した。
上記構成を具える超電導ケーブル10を流体用断熱管2内に収納している。本例において流体用断熱管2は、外管2aと内管2bとの二重構造で、両管2a,2b間に保冷材(図示せず)を配置した構成である。内管2bの内周と超電導ケーブル10の外周とで囲まれる空間が流体1の輸送路となる。両管2a,2bは、共に鋼製の溶接管であり、内管2bを構成する鋼板に超電導ケーブル10を配置し、鋼板の両端縁を溶接することで、内管2b内にケーブル10を収納した。そして、本例において超電導ケーブル10は、流体に浸漬された状態で内管2bに配置される。本例では、流体として液化天然ガス(約111K)を利用した。
上記構成を具える本発明超電導ケーブ線路では、常温未満の流体が輸送される流体用断熱管に超電導ケーブルを収納することで、ケーブル内の温度とケーブル外周の周囲環境の温度との差を200K未満とすることができる。従って、本発明線路は、気中布設された超電導ケーブル線路と比較して、大気などの常温環境からの侵入熱を低減することができる。特に、本発明線路は、流体の断熱管を利用することで、超電導ケーブル自体の断熱管と合わせて二重の断熱構造となるため、外部などからのケーブルへの侵入熱をより効果的に低減することができる。従って、本発明超電導ケーブル線路では、超電導ケーブルの冷媒を冷却するためのエネルギーの低減を図ることができ、線路全体でみると、エネルギー消費効率を格段に向上できる。
上記実施例1では、超電導ケーブルを流体に浸漬させた構成としたが、流体に浸漬させないように流体用断熱管に超電導ケーブルを収納する構成としてもよい。例えば、流体用断熱管内に流体の輸送路を別途設けてもよい。図2は、流体用断熱管内に流体の輸送管及び伝熱スペーサを具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図であって、横断面を示す。この超電導ケーブル線路では、流体用断熱管2の内管2b内に別途流体の輸送管3を具える構成である。そして、内管2bの内周面と輸送管3の外周面と超電導ケーブル10の外周面とで囲まれる空間には、熱伝導性に優れる伝熱スペーサ4を配置している。この構成により上記実施例1と同様に超電導ケーブル10は、流体用断熱管2とケーブル10自身の断熱管11(図1参照)との二重の断熱構造を具えるため、外部からの侵入熱を低減することができる。また、流体からの熱が伝熱スペーサ4を介して超電導ケーブル10に伝えられるため、特に、流体がケーブル10の冷媒(液体窒素)よりも低温である場合、例えば、液体水素(約20K)や液体ヘリウム(約4K)の場合、流体1によりケーブル10を冷却することも可能である。また、伝熱スペーサ4,輸送管3により流体1は、超電導ケーブル10と物理的に隔絶されているため、ケーブル10に短絡などの事故が生じて火花が生じた際に流体1に引火するなどの不具合を防止できる。本例において伝熱スペーサは、アルミニウム箔を巻回することにて形成した。
実施例1では、線路全体に亘って超電導ケーブルを流体用断熱管に収納する構成を説明したが、線路において、一部のケーブルを流体用断熱管に収納し、他部のケーブルを気中布設とした構成としてもよい。図3は、低温領域部と高温領域部とを具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。この超電導ケーブル線路は、超電導ケーブル10が流体用断熱管2に収納された低温領域部と、ケーブル10が流体用断熱管2に収納されず気中布設された高温領域部とを具える。特に、流体用断熱管2にて輸送する流体は、超電導ケーブル10の冷媒よりも温度が低いもの、例えば、液体水素とする。この構成により、線路において流体用断熱管2に収納された超電導ケーブル、即ち、低温領域部では、ケーブルの外周が冷媒温度以下の低温環境に配置され、かつケーブル10自体の断熱管に加え流体用断熱管2が存在するため、ケーブルへの侵入熱を低減することができる。その反面、超電導ケーブルの外周が冷媒の温度よりも低温であるため、冷媒が冷却され過ぎて固化し、冷媒が流通しにくくなる恐れがある。そこで、図3に示すように線路を構築する超電導ケーブルのうち、一部の超電導ケーブルを流体用断熱管2に収納させず気中布設とすることで、冷却され過ぎた冷媒を大気からの侵入熱により温めて、冷媒の過剰な冷却を緩和させることができる。即ち、この線路は、超電導ケーブル線路全体として、熱収支のバランスをとることができる。なお、流体用断熱管内の超電導ケーブルは、実施例1に示すように流体に浸漬された状態としてもよいし、実施例2に示すように流体の輸送路とケーブルとを区画した状態としてもよい。このことは、以下の実施例についても同様である。
上記実施例3では、流体として、超電導ケーブル10の冷媒よりも温度が低いものを用いる例を説明したが、同冷媒よりも温度が高いもの、例えば、液体酸素や液化天然ガスを利用してもよい。このとき、流体用断熱管2に収納させる超電導ケーブルの断熱性能と、気中布設する超電導ケーブルの断熱性能とを異ならせてもよい。流体用断熱管2に収納させる超電導ケーブルは、気中布設するケーブルと比較して、大気からの侵入熱が少ない。そこで、流体用断熱管2に収納させる超電導ケーブルの断熱性能を気中布設するケーブルの断熱性能と比較して、小さくしてもよい。このように本発明超電導ケーブル線路では、部分的に断熱性能を変化させることができる。超電導ケーブルの断熱性能を変化させるには、ケーブルコアを収納するケーブル用断熱管の真空度を変化させたり、断熱管に配置する断熱材の量を変化させたり、断熱材の材質を変化させることが挙げられる。
上記実施例3では、線路において、一部のケーブルを一つの流体用断熱管に収納する構成を説明したが、異なる流体を輸送する流体用断熱管が複数存在する場合、各流体用断熱管内にそれぞれ超電導ケーブルを収納させてもよい。図4は、異なる流体を輸送する二つの流体用断熱管にそれぞれ超電導ケーブルを収納した本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。この超電導ケーブル線路では、超電導ケーブル10の冷媒(液体窒素)よりも温度が低い流体(例えば、液体水素など)を輸送する流体用断熱管2A、同冷媒よりも温度が高い流体(例えば、液化天然ガス)を輸送する流体用断熱管2Bとを具え、各断熱管2A,2Bにそれぞれ超電導ケーブル10を収納させている。即ち、この構成では、線路において低温の流体を輸送する流体用断熱管2Aに収納された超電導ケーブル部分が低温領域部となり、常温未満の高温の流体を輸送する流体用断熱管2Bに収納されたケーブル部分が高温領域部となる。この構成により、低温領域部において超電導ケーブルの冷媒が過剰に冷却されても、高温領域部において冷媒は流体からの熱を受けて昇温されるため、線路全体では、熱収支のバランスをとることができる。なお、本例では、図4に示すように、低温領域部と高温領域部間に超電導ケーブル10の冷媒の温度調節を行う温度調節手段5を具えて、冷媒の温度を微調整している。この例では、超電導ケーブル10の冷媒と低温領域部の流体(液体水素)との温度差、同冷媒と高温領域部の流体(液化天然ガス)との温度差が比較的小さいため、上記温度調節手段5も調整レベル(温度差の調整幅)が小さいものを利用することができる。
本発明線路は、超電導ケーブルの冷媒を冷却する際の熱交換の対象として、流体を利用することもできる。図5は、超電導ケーブルの冷媒を冷却する冷却システムを具える本発明超電導ケーブルの概略構成図であり、冷媒と流体間で熱交換を行う熱交換手段を具える例を示す。この超電導ケーブル線路は、超電導ケーブル10の冷媒の冷却を行うにあたり、熱交換の対象として流体を利用する熱交換手段20を具える。この熱交換手段20は、ヘリウムなどの熱交換用媒体が流通される流路21と、この熱交換用媒体を膨張させる膨張弁22と、膨張された熱交換用媒体を圧縮する圧縮機23と、これらを収納する断熱ケース24とを具える。そして、膨張された熱交換用媒体にて超電導ケーブル10の冷媒が冷却されるように、流路21において、膨張弁22を通過した部分にケーブル10の冷媒を輸送する配管10aを配置し、圧縮された熱交換用媒体が流体で凝縮されて昇温されるように、流路21において、圧縮機23を通過した部分に流体を輸送する配管25を配置している。
上記構成により、通電に伴う導体ロスなどにより昇温した超電導ケーブル10の冷媒は、熱交換手段20により冷却されて、ケーブル10内に戻される。このとき、熱交換手段20の凝縮対象を常温未満の流体とすることで、常温の大気や水を対象とした場合と比較して、ケーブル10の冷媒を冷却するためのエネルギー、具体的には膨張弁22や圧縮機23を駆動させるエネルギーなどを格段に小さくすることができる。また、流体は、熱交換手段20により昇温され、気化されることがあるが、流体プラントでは、流体を気化して適宜利用することが行われている。従って、気化された流体を別途具える冷凍機などの冷却手段により適宜冷却して液化してもよいが、そのまま気化された状態で利用する構成としてもよい。このように超電導ケーブルの冷媒と流体との間で熱の受け渡しを行うことで、冷媒を冷却するためのエネルギーを低減することができ、この線路は、エネルギー消費効率をより高めることができる。また、この線路は、同時に流体の気化潜熱を利用して、超電導ケーブルの冷媒を冷却することもできるため、冷媒を冷却するためのエネルギーをより低減できる。更に、この線路は、超電導ケーブルの冷媒の冷却と同時に、流体の気化を行うことができるため、流体の気化に伴うエネルギーをも低減することができる。このような流体としては、液化天然ガスが好適である。
本発明線路は、流体が超電導ケーブルの冷媒よりも低温である場合、ケーブルの冷媒を流体にて直接冷却する構成としてもよい。図6は、流体により超電導ケーブルの冷媒を直接冷却する熱交換手段を具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。この超電導ケーブル線路では、超電導ケーブル10の冷媒の冷却を行うにあたり、熱交換の対象として流体を利用する熱交換手段30を具える。この熱交換手段30は、ケーブル10から排出された冷媒を輸送すると共に再度ケーブル10に冷媒を流入する配管10aと、流体用断熱管2から排出された流体を輸送する配管31とが収納される断熱ケース32を具える。そして、冷媒の輸送配管10aが流体の輸送配管31に接するように輸送配管10aを断熱ケース32内に配置している。この構成により、極低温の流体にて超電導ケーブルの冷媒を効率よく冷却することができる。なお、断熱ケース32内には、伝熱材を配置して、極低温の流体の熱が冷媒の輸送配管10aにより伝わり易くしてもよい。伝熱材としては、例えば、アルミニウム材などが挙げられる。
上記実施例1〜7に示す本発明超電導ケーブル線路は、直流送電、交流送電のいずれにも利用することができる。直流送電を行う場合、超電導ケーブルとして、内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングを施した電気絶縁層を有するケーブルコアを具えるものを利用すると、電気絶縁層の厚み方向の直流電界分布を平滑化して、直流耐電圧特性を向上できる。抵抗率は、比率kが異なるPPLP(登録商標)を用いることで変化させることができ、比率kが大きくなると抵抗率が高くなる傾向にある。また、電気絶縁層において超電導導体層の近傍に高ε層を設けると、直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上させることができる。高ε層は、例えば、比率kが小さいPPLP(登録商標)を用いて形成することが挙げられる。このとき、高ε層は、低ρ層ともなる。更に、上記ρグレーディングに加えて、内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低くなるように電気絶縁層を形成したケーブルコアを具える超電導ケーブルは交流特性にも優れるため、このケーブルを利用した本発明線路は、交流送電にも好適に利用することができる。例えば、以下のように比率kが異なるPPLP(登録商標)を用いて、抵抗率及び誘電率が3段階に異なるように電気絶縁層を設けることが挙げられる。以下の三層は、内周側から順に具えるとよい(X,Yは定数)。
低ρ層:比率k=60%、抵抗率ρ(20℃)=X Ω・cm、誘電率ε=Y
中ρ層:比率k=70%、抵抗率ρ(20℃)=約1.2X Ω・cm、誘電率ε=約0.95Y
高ρ層:比率k=80%、抵抗率ρ(20℃)=約1.4X Ω・cm、誘電率ε=約0.9Y
上記ρグレーディング,εグレーディングを施した超電導ケーブルを用いた本発明線路により単極送電を行う場合、3心のケーブルコア12(図1参照)のうち、2心のコアを予備心とし、一つのコアの超電導導体層を往路導体、このコアの外部超電導層を帰路導体としてもよいし、各コアの超電導導体層を往路導体、これらのコアの外部超電導層を帰路導体として、3回線の単極送電線路を構築してもよい。一方、双極送電を行う場合、3心のコアのうち、1心のコアを予備心とし、一つのコアの超電導導体層を正極線路、別のコアの超電導導体層を負極線路、両コアの外部超電導層を中性線層とするとよい。
また、上記ρグレーディング,εグレーディングを施した超電導ケーブルを用いると共に、以下の端末構造を具えた本発明線路は、交流送電を行った後、単極送電や双極送電といった直流送電を行ったり、直流送電後交流送電を行うことが容易にできる。図7は、三心一括型の超電導ケーブルを用いた本発明超電導ケーブル線路の端部に形成された端末構造において、着脱可能な引出導体部を有する端末構造の概略構成図であり、(A)は、交流送電線路の場合、(B)は、直流送電線路の場合を示す。なお、図7では、2心のケーブルコア12のみ示しているが、実際には3心存在する。
この端末構造は、超電導ケーブル10の端部から引き出したケーブルコア12の端部と、常温側の導電部(図示せず)に接続される引出導体部40,61と、コア12の端部と引出導体部40,61とを電気的に接続する接続部と、これらコア12の端部、引出導体部40,61のコア接続側端部、接続部を収納する終端接続箱50とを具える。終端接続箱50は、コア12の端部を段剥ぎして露出された超電導導体層14が導入され、超電導導体層14を冷却する冷媒が充填される冷媒槽51と、同様に段剥ぎにして露出された外部超電導層15が導入され、外部超電導層15を冷却する冷媒が充填される冷媒槽52と、これら冷媒槽51,52の外周に配置される真空断熱槽53とを具える。超電導導体層14には、常温側の導電部と超電導導体層14との間に配置されるブッシング60に内蔵される引出導体部61がジョイント(接続部)を介して接続されて、超電導ケーブル10と常温側の導電部との電力の授受を可能にする。ブッシング60において常温側の導電部との接続側(常温側)は、真空断熱槽53から突出されており、真空断熱槽53に突設される碍管62内に収納される。
一方、外部超電導層15は、常温側の導電部と外部超電導層15との間に配置される引出導体部40が後述する短絡部70(接続部)を介して接続されて、超電導ケーブル10と常温側の導電部との電力の授受を可能にしている。この引出導体部40は、短絡部70に接続される低温側導体部41と、常温側に配置され、低温側導体部41に対して着脱可能な常温側導体部42とからなる。本例では、常温側導体部42を所定の断面積を有する棒状体とし、低温側導体部41を棒状の常温側導体部42が嵌合可能な筒状体とし、常温側導体部42を低温側導体部41に差し込むことで両部41,42は、電気的に接続されて、低温側と常温側との間の電力の授受を可能とし、常温側導体部42を低温側導体部41から引き抜くことで両部41,42は、非導通状態となる。この端末構造では、このような引出導体部40を複数具えている。低温側導体部41は、一端を短絡部70に電気的に接続させ、他端が真空断熱槽53に突出して配置されるように冷媒槽52に固定しており、その固定箇所の外周には、冷媒の漏洩や冷媒槽52と導体部41との短絡などを防止するFRP製の低温側シール部41aを設けている。常温側導体部42は、一端が真空断熱槽53内に配置され、他端が常温である外部に突出して配置されるように真空断熱槽53に固定しており、その固定箇所の外周には、熱侵入を低減でき、真空断熱槽53と導体部42との短絡などを防止するFRP製の常温側シール部42aを設けている。また、引出導体部40を着脱させる際、真空断熱槽53の真空状態が維持されるように真空断熱槽53において常温側導体部42の固定箇所近傍には、コルゲート管からなる伸縮部53aを設けている。なお、3心のコア12の外部超電導層15は、短絡部70にて短絡させている。また、常温側導体部42の常温側端部には、外部の機器などと接続されるリード43や接地線44が取り付けられる。超電導導体層14において冷媒槽51,52間の近傍に配置される箇所の外周にはエポキシユニット63を配置している。
上記構成の端末構造を具える超電導ケーブル線路を例えば三相交流線路として利用する場合、外部超電導層15に接続される引出導体部40は、対地電圧をとるのに必要な導体断面積を有していればよい。そこで、必要な導体断面積となるように、図7(A)に示すように引出導体部40の低温側導体部41と常温側導体部42とを接続させ、不用の引出導体部40の低温側導体部41と常温側導体部42とを離脱させておく。なお、本例では、接続させた引出導体部40の常温側導体部42の常温側端部には、接地線44を接続して接地している。
一方、図7(A)に示す三相交流送電から直流送電に変更する要求があった際、外部超電導層15には、超電導導体層14と同等の電流が流される。即ち、図7(A)に示される交流送電の場合と比較して、外部超電導層13に流れる電流が大きくなり、引出導体部40に流される電流も大きくなる。そこで、図7(B)に示すように交流送電の場合に離脱していた引出導体部40の低温側導体部41と常温側導体部42とを接続させて、必要な電流を流すのに十分な導体断面積を確保する。本例では、接続させた引出導体部40の常温側導体部42の常温側端部には、リード43を接続している。逆に、図7(B)に示す直流送電から交流送電に変更する要求があった際は、直流送電において導通状態させていた引出導体部40のうち、一方を取り外して、非導通状態とする。
本発明超電導ケーブル線路は、各種の電力機器や需要家への電力供給を行う線路に利用することが好適である。特に、常温未満の低温の流体を輸送する流体プラント内の電力機器の電力供給用線路として利用すると、低抵抗で大容量の電力供給を行うといった超電導ケーブルのメリットを十分に利用することができる。また、流体の輸送路を構築する際、ケーブル線路の構築を行うことができ、布設作業性に優れる。
本発明超電導ケーブル線路を構築した状態を示す概略構成図であり、(A)は、横断面図、(B)は正面図である。 流体用断熱管内に流体の輸送管、超電導ケーブル及び伝熱スペーサを具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図であって、横断面を示す。 低温領域部と高温領域部とを具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。 異なる流体を輸送する二つの流体用断熱管にそれぞれ超電導ケーブルを収納した本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。 超電導ケーブルの冷媒を冷却する冷却システムを具える本発明超電導ケーブルの概略構成図であり、冷媒と流体間で熱交換を行う熱交換手段を具える例を示す。 流体により超電導ケーブルの冷媒を直接冷却する熱交換手段を具える本発明超電導ケーブル線路の概略構成図である。 三心一括型の超電導ケーブルを用いた本発明超電導ケーブル線路において、線路端部に形成される端末構造の概略構成図であり、(A)は、交流送電線路の場合、(B)は、直流送電線路の場合を示す。 三心一括型の三相交流用超電導ケーブルの断面図である。
符号の説明
1 流体 2,2A,2B 流体用断熱管 2a 外管 2b 内管 3 輸送管
4 伝熱スペーサ 5 温度調節手段
10 超電導ケーブル 10a 配管 11 ケーブル用断熱管 11a 外管
11b 内管 12 ケーブルコア 13 空間 14 超電導導体層
15 外部超電導層
20,30 熱交換手段 21,31 流路 22 膨張弁 23 圧縮機
24,32 断熱ケース 25 配管
40 引出導体部 41 低温側導体部 41a 低温側シール部
42 常温側導体部 42a 常温側シール部 43 リード 44 接地線
50 終端接続箱 51,52 冷媒槽 53 真空断熱槽 53a 伸縮部
60 ブッシング 61 引出導体部 62 碍管 63 エポキシユニット
70 短絡部
100 三相交流用超電導ケーブル 101 断熱管 101a 外管 101b 内管
102 ケーブルコア 103 空間 104
防食層
200 フォーマ 201 超電導導体層 202 電気絶縁層
203 超電導シールド層 204 保護層

Claims (10)

  1. 超電導部と、この超電導部を冷却する冷媒とを有する超電導ケーブルを具える超電導ケーブル線路であって、
    常温未満の流体が輸送される第一断熱管と、
    超電導ケーブルの外周が前記冷媒温度以下の低温度環境にある低温領域部と、
    超電導ケーブルの外周が前記冷媒温度よりも高い温度環境にある高温領域部とを有し、
    前記低温領域部では、超電導ケーブルが第一断熱管内に収納されていることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  2. 超電導部と、この超電導部を冷却する冷媒とを有する超電導ケーブルを具える超電導ケーブル線路であって、
    常温未満の流体が輸送される第一断熱管と、
    前記第一断熱管内に収納される超電導ケーブルと、
    前記冷媒と流体との間で熱交換を行う熱交換手段とを具えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  3. 超電導導体層と、この超電導導体層の外周に設けられる電気絶縁層とを有する超電導ケーブルを具える超電導ケーブル線路であって、
    常温未満の流体が輸送される第一断熱管と、
    前記第一断熱管内に収納される超電導ケーブルとを具え、
    前記電気絶縁層は、その径方向の直流電界分布が平滑化されるように、電気絶縁層の内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングが施されていることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  4. 電気絶縁層は、超電導導体層の近傍に、他の箇所よりも誘電率が高い高ε層を有することを特徴とする請求項3に記載の超電導ケーブル線路。
  5. 電気絶縁層は、その内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低く構成されていることを特徴とする請求項3に記載の超電導ケーブル線路。
  6. 第一断熱管内の超電導ケーブルは、流体内に浸漬されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導ケーブル線路。
  7. 第一断熱管内には、流体が輸送される輸送領域と超電導ケーブルとが区画されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導ケーブル線路。
  8. 流体は、液体ヘリウム、液体水素、液体酸素、液体窒素、液化天然ガスのいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の超電導ケーブル線路。
  9. 流体は、超電導ケーブルの冷媒と異なることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の超電導ケーブル線路。
  10. 第一流体が輸送される第一断熱管と、第一流体と異なる第二流体が輸送される第二断熱管とを具え、
    高温領域部では、超電導ケーブルが前記第二断熱管内に収納され、
    超電導ケーブルの冷媒は液体窒素、第一流体は液体水素、第二流体は液化天然ガスであることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル線路。
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