以下、本発明を適用した実施形態を図面を参照しながら説明する。
<<第一の実施形態>>
第一の実施形態の光増幅器システムは、多段に接続された2以上の光増幅器と、1つもしくは複数個の制御可能な可変光減衰器とを備え、可変光減衰器は、光減衰量を光減衰後の光強度検出信号で制御する。可変光減衰器は、制御の目標値を後段の光増幅器の光強度検出信号により補正する機能を備える。
図1は、本発明の第一の実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態図に示すように、本実施形態の光増幅器システム100は、前段光増幅器10と、光分散補償器12と、次段光増幅器11とをこの順に接続した構成を有する。
前段光増幅器10は、光学回路部101と、光増幅器制御回路110と、光可変減衰部103と、可変光減衰器制御回路130とを備える。光学回路部101は、希土類添加光ファイバと、励起光源と、入力および出力の双方または片方に光強度検出手段とを備える。前段光増幅器10は、光学回路部101と、光増幅器制御回路110とにより、入力光強度および出力光強度とから実際の利得を算出し、目標の利得との誤差を補償するよう励起光源を駆動し、利得一定制御を実現する。
次段光増幅器11は、光学回路部102と、光増幅器制御回路120とを備える。光学回路部102は、希土類添加光ファイバと、励起光源と、必要に応じて入力光強度検出手段とを備える。そして、光増幅器制御回路120は、出力光強度検出回路121と、光増幅器制御回路120全体の動作を制御する主要制御回路122と備える。次段光増幅器111では、光学回路部102および光増幅器制御回路120により、入力光の強度と出力光の強度とから実際の利得を算出し、目標利得との誤差を補償するよう励起光源152を駆動し、利得一定制御を実現する。
可変減衰部103と可変光減衰器制御回路130とにより可変光減衰器を構成し、可変光減衰器制御回路130は、可変減衰部103の出力光強度がシステムに要求される目標光強度になるよう自身の出力光強度により可変減衰部103の減衰量を制御し、かつ、定期的に次段光増幅器11の出力光強度により前記制御を補正する機能を備え、次段光増幅器11の出力を高精度に一定とする制御を行う。目標光強度は、入力波長数などにより、予め定められる。詳細については、後述する。
前段光増幅器10と次段光増幅器11との間に備えられる光分散補償器12は、光ファイバ伝送後の分散補償を行う。
本実施形態の光増幅システム100においては、前段光増幅器10に入力された信号光は、まず光学回路部101と光増幅器制御回路110により構成される光増幅器で利得一定制御などにより増幅される。そして、その後段に接続された光可変減衰部103と可変光減衰器制御回路130とにより構成される可変光減衰器で、出力が一定になるよう制御される。その後、光分散補償器12を経て次段光増幅器11に入力される。次段光増幅器11に入力された信号光は、光学回路部102の光検出器151で検出された入力光強度および光検出器108で検出された出力光強度に基づいて光増幅器制御回路120により励起光源152を駆動することで、利得一定制御などにより増幅される。
次に、可変減衰部103と可変光減衰器制御回路130とにより構成される可変光減衰器の詳細について説明する。
光可変減衰部103は、可変光減衰器104と、分光器105と、光検出器106とを備える。また、可変光減衰器制御回路130は、出力光強度検出回路131と、誤差検出回路132と、フィルタ回路133と、駆動回路134と、目標値設定回路135と、次段差分検出回路136と、減衰器目標値補正回路137と、目標値設定回路138と、切替制御回路139と、スイッチ回路140と、前値保持回路141とを備える。
可変光減衰器104は、入力された光を駆動回路134の制御に従って減衰させる。
分光器105は、可変光減衰器104から出力された減衰後の出力光の5%程度を分岐し、光検出器106に出力する。
光検出器106は、分光器105において分岐された光を検出し、電流信号に変換し、出力する。
光強度検出回路131は、光検出器106から出力された信号を電流電気変換し、信号増幅する。
目標値設定回路135は、各波長数毎に次段光増幅器11の出力光の強度の目標値(次段出力光目標値)を保持し、伝送システム全体の制御システム等から通知される波長数に従って、対応する次段出力光目標値を選択し、次段目標値差分検出回路136に出力する。
次段目標値差分検出回路136は、次段光増幅器11の出力光強度検出回路121から、次段光増幅器11の出力光強度を受け取る。そして、次段光出力目標値設定回路135から通知された次段出力光目標値と次段光増幅器11の出力光強度との差分を算出する。
目標値設定回路138は、各波長数毎に、光可変減衰後の前段光増幅器10の出力光の強度の目標値(減衰器出力光目標値)を保持し、伝送システム全体の制御システム等から通知される波長数に従って、対応する減衰器出力光目標値を選択し、減衰器目標値補正回路137に出力する。
減衰器目標値補正回路137は、減衰器出力光目標値を、次段目標値差分検出回路136で検出した差分がゼロとなるように補正し、出力する。補正の詳細は後述する。
スイッチ回路140は、切替制御回路139の制御に従って、減衰器目標値補正回路137において補正後の減衰器出力光目標値を前置保持回路141に出力する。
前置保持回路141は、スイッチ回路140を介して受け取った補正後の減衰器出力光目標値を保持する。
切替制御回路139は、減衰器目標値補正回路137において補正後の減衰器出力光目標値を、定期的に前置保持回路141に通知するようスイッチ回路140を制御する。具体的には、スイッチ回路140を接続し、補正後の減衰器出力光目標値が前値保持回路141に通知されると、ただちにスイッチ回路140の接続を解除する。次に、切替制御回路139に予め設定された一定時間(Y秒)後、再度スイッチ回路140を接続し、その時点での補正後の減衰器出力光目標値が前置保持回路141に通知されると、ただちにスイッチ回路140の接続を解除する。本制御を繰り返すことにより、切替制御回路139は、Y秒毎に最新の減衰器出力光目標値を前置保持回路141に通知するようスイッチ回路141の制御を行う。前置保持回路141は、Y秒間、同じ減衰器出力光目標値を保持する。言い換えると、前置保持回路141に保持される減衰器出力光目標値は、Y秒毎に切り替えられる。
誤差検出回路132は、光強度検出回路131から受け取った可変光減衰器104から出力された減衰後の出力光の強度と、前置保持回路141が保持する減衰器出力光目標値とを比較し、誤差を検出し、誤差検出信号としてフィルタ回路133に出力する。
フィルタ回路133は、誤差検出信号に従って、所望の特性を得る制御方式に応じた信号を駆動回路134に出力する。
駆動回路134は、可変光減衰器104の減衰量を補正後の減衰器出力光目標値を達成する減衰量になるよう制御する。
次に、減衰器目標値補正回路137において、減衰器出力光目標値を、次段光増幅器11の出力光強度を用いて補正する仕組みについて説明する。
図2は、可変光減衰器の減衰器出力光目標値を補正するしくみを説明するための図である。
ここでは、次段目標値差分検出回路136にて検出した、次段光増幅器11の実際の出力と次段出力光目標値との差分をΔXdBとする。
次段光増幅器11の出力は、光分散補償器12を挿入することにより、光分散補償器12の損失ばらつきと次段光増幅器11自身の利得ばらつきや変動との影響を受け、次段光増幅器目標値からあるばらつきを持つこととなる。このばらつきが、上記の差分ΔXdBに該当する。
本実施形態では、この差分ΔXdBを用いて、可変光減衰器制御回路130の減衰器出力光目標値を補正する。すなわち、次段光増幅器11からの実際の出力を次段出力光目標値に合致させるため、可変光減衰器11の減衰器出力光目標値をΔXdB分補正する。具体的には、次段光増幅器11の実際の出力が次段出力光目標値より大きい場合は、その分、可変光減衰器104における減衰量を大きくする必要があり、逆の場合は、その分、可変光減衰器104における減衰量を小さくする必要がある。従って、次段光増幅器11の出力がΔXdB大きい場合は減衰器目標値をΔXdB小さく補正し、次段光増幅器の出力がΔXdB小さい場合は減衰器目標値をΔXdB大きく補正する。なお、図2には、次段光増幅器11の出力がΔXdB大きい場合を例示する。
以上説明したように、本実施形態の光増幅器システム100は、可変光減衰器の減衰量は、自身の出力光強度に基づいて制御する。このとき、次段光増幅器11の出力光の強度の目標値(次段出力光目標値)との誤差に応じて、可変光減衰器の減衰量を制御するための目標値(減衰器出力光目標値)を補正する。従って、光分散補償器12が光増幅器システムの内部に挿入された場合であっても、高速に制御を行うことができるとともに、最終的な出力光の強度を反映した目標値を用いるため、高精度な出力一定制御を実現することができる。
また、本実施形態の光増幅器システム100は、OADM方式の光伝送システムに適用可能であり、その効果を発揮する。OADM方式の光伝送システムにおけるOADM装置に、本実施形態の光増幅器システム100を適用した場合の一例を図3に示す。
本図に示すように、OADM装置は、前段光増幅器80と、光分散補償器82と、次段光増幅器81と、OADM回路84と、後段光増幅器85とをこの順に備える。前段光増幅器80と、光分散補償器82と、次段光増幅器81とに本実施形態の光増幅器システム100を適用する。次段光増幅器81より高精度に出力一定制御された出力光が、OADM回路84に入力することとなる。なお、本OADM装置は、長距離ファイバ83、86を介して、数セット接続する構成をとることも可能である。
また、本実施形態の光増幅器システム100では、前段光増幅器10において、光学回路部101と光増幅器制御回路110とによる利得一定制御の光増幅と、可変光減衰部103と可変光減衰器制御回路130とによる出力一定制御とが、常に実行される構成とは限られない。
例えば、光学回路部101と光増幅器制御回路110とによる利得一定制御は常に行い、一方、可変光減衰部103と可変光減衰器制御回路130とによる出力一定制御は、適宜行うよう構成してもよい。すなわち、通常は、可変光減衰部103における減衰量が一定となるよう制御し、定期的に、上記の減衰器出力光目標値に従って、可変光減衰部103と可変光減衰器制御回路130とにより出力一定制御を行う、または、波長変動発生後に、上記の減衰器出力光目標値を波長に応じた目標値に設定し、出力一定制御を行う、等構成してもよい。
さらに、上記の実施形態では、光増幅器が2段の場合を例にあげて説明したが、光増幅器の接続段数は2段以上であってもよい。光増幅器を2段以上接続した場合、減衰器出力光目標値を補正するために用いられる出力光強度は、可変光減衰器の次に接続された光増幅器のものに限られない。次段以降に接続されたいずれの光増幅器の出力光強度で目標値を補正することも可能である。
図4に光増幅器を3段とした場合の本実施形態の光増幅器システムの一例を示す。本例では、前段光増幅器90、光分散補償器92、次段光増幅器93、最終段光増幅器91の順に接続されている。ここでは、本実施形態の前段光増幅器10を前段光増幅器90に、光分散補償器12を光分散補償器92に、次段光増幅器11を最終段光増幅器91に適用する。本例では、次段光増幅器93ではなく最終段光増幅器91の出力光強度検出信号94を前段光増幅器90に通知し、前段光増幅器90が備える光減衰器の減衰器出力光目標値を補正する。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。
本実施形態の光増幅器システムは、多段に接続した2以上の光増幅器を備える。多段接続された光増幅器の次段以降の入力光には、自然放出光(ASE)を含むため、次段光増幅器の入力光強度はその分補正される必要がある。本実施形態では、前段の光増幅器は、自身の出力信号光に含む自然放出光(ASE)光強度を補正するための情報を次段の光増幅器に通知する機能を備え、次段の光増幅器は、前段の光増幅器から通知された自然放出光(ASE)情報により自身の入力光強度を自然放出光(ASE)を含まない信号光に補正する機能を備える。
図5は、本実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態の光増幅器システム200は、前段光増幅器20と光受動部品23と光分散補償器22と次段光増幅器21とをこの順に接続した構成を有する。
前段光増幅器20は、光学回路部210と光増幅器制御回路230とを備え、次段光増幅器21は、光学回路部250と光増幅器制御回路240とを備える。光受動部品23、光分散補償器22は、その有無を問わない。
前段光増幅器20および次段光増幅器21は、それぞれ、光増幅器制御回路230、240により光学回路部210、250の励起光源を制御することにより、利得一定の光増幅器を実現する。各光増幅器は入力および出力の双方または片方に光強度検出手段を備える。光受動部品23としては、出力一定制御などの目的で可変減衰器などが必要に応じて挿入される。光分散補償器22は、光ファイバ伝送後の光入力の場合に挿入するなど、ネットワークの構成により必要に応じて挿入される。
前段光増幅器20に入力された信号光は、光学回路部210と光増幅器制御回路230とにより利得一定制御などの方式で増幅され、出力される。前段光増幅器20からの出力は光受動部品23、光分散補償器22を経て、次段光増幅器21に入力される。次段光増幅器21に入力された信号光は、光学回路部250と光増幅器制御回路240により利得一定制御などの方式で増幅される。
次に、前段光増幅器20および次段光増幅器21における利得一定制御の方法について説明する。本実施形態では、前段光増幅器20および次段光増幅器21が、入力および出力の双方に光強度検出手段を備える場合を例にあげて説明する。
本実施形態の前段光増幅器20の光増幅器制御回路230は、入力光強度検出回路231と、出力光強度検出回路232と、出力光ASE補正回路234と、出力光ASE補正値設定回路233と、主要機能制御回路235と、駆動回路236とを備える。
入力光強度検出回路231、出力光強度検出回路232は、それぞれ、光学回路部210が備える光検出器により検出された入力光強度と出力光強度とを受け取り、電流電圧変換し、増幅した後、入力光強度検出信号および出力光強度検出信号として出力する。このとき、出力光は自然放出光(ASE)を含むため、入力光の強度に応じて出力光からASEを除去するために、入力光強度検出信号はASE補正値設定回路233に入力され、出力光強度検出信号は、出力光ASE補正回路234に入力される。また、入力光強度検出信号は、実際の利得を算出するために主要制御機能回路235に入力される。さらに、入力光強度検出信号は、後述する次段光増幅器21の入力光ASE補正値設定回路248に入力される。
出力光ASE補正値設定回路233は、各入力光強度信号に応じた最適な出力光ASE補正値を保持し、入力光強度検出信号に応じて、出力光ASE補正回路234に出力光ASE補正値を設定する。また、出力光ASE補正値設定回路233は、後述する次段光増幅器21の入力光ASE補正値設定回路248に出力光ASE補正値をASE情報として通知する。
出力光ASE補正回路234は、出力光ASE補正値設定回路233により設定される補正値に従って、入力された出力光強度検出信号を補正し、ASEを除去後の出力光強度検出信号を出力する。
主要機能制御回路235は、入力光強度検出回路231からの入力光強度検出信号と、出力光ASE補正回路234からの補正後の出力光強度検出信号とを用いて実際の利得を算出し、予め与えられた目標利得となるよう駆動回路236を介して光学回路部210に備えられた励起光源を制御し、利得一定制御を実現する。
また、本実施形態の次段光増幅器21の光増幅器制御回路240は、入力光強度検出回路241と、出力光強度検出回路242と、出力光ASE補正回路244と、出力光ASE補正値設定回路243と、主要機能制御回路245と、駆動回路246とを備える。さらに、次段光増幅器21の光増幅器制御回路240は、入力光ASE補正回路247と、入力光ASE補正値設定回路248とを備える。
入力光強度検出回路241、出力光強度検出回路242は、それぞれ、光学回路部240が備える光検出器により検出された入力光強度と出力光強度とを受け取り、電流電圧変換し、増幅した後、入力光強度検出信号および出力光強度検出信号として出力する。
このとき、出力光はASEを含むため、入力光の強度に応じて出力光からASEを除去するために入力光強度検出信号および出力光強度検出信号は、出力光ASE補正回路244に入力される。また、次段光増幅器21は次段以降の光増幅器であるため、同様に、入力光もASEを含む。入力光からこのASEを除去するため、入力光強度検出信号は、入力光ASE補正回路247に入力される。
出力光ASE補正値設定回路243は、各入力光強度信号に応じた最適な出力光ASE補正値を保持し、入力光強度検出信号に応じて、出力光ASE補正回路244に出力光ASE補正値を設定する。
出力光ASE補正回路244は、出力光ASE補正値設定回路243により設定される補正値に従って、入力された出力光強度検出信号を補正し、ASEを除去後の出力光強度検出信号を出力する。
入力光ASE補正値設定回路248は、前段の出力光ASE補正値設定回路233から、各入力光強度信号に応じた最適な出力光ASE補正値をASE情報として受け取り、入力光ASE補正値として保持する。さらに、前段の入力光強度検出回路231から受け取った入力光強度検出信号に応じて、保持する入力光ASE補正値から最適な補正値を入力光ASE補正回路247に設定する。次段以降の入力光に含まれるASEの補正量は、前段光増幅器20に依存するためである。
入力光ASE補正回路247は、入力光ASE補正値設定回路248により設定される補正値に従って、入力された入力光強度検出信号を補正し、ASEを除去後の入力光強度検出信号を出力する。
主要機能制御回路245は、入力光ASE補正回路247からの補正後の入力光強度検出信号と、出力光ASE補正回路234からの補正後の出力光強度検出信号とを用いて予め与えられた目標利得となるよう駆動回路246を介して光学回路部210に備えられた励起光源を制御し、利得一定制御を実現するとともに、シャットダウン機能、その他付随する各種の機能を実現する。
なお、前段光増幅器20の出力光ASE補正値設定回路233から、次段光増幅器21に受け渡すASE情報の内容は、補正方式による。
例えば、入力光強度に応じたASE補正量のテーブルを前段光増幅器の出力光ASE補正値設定回路233が保持する場合、そのテーブルの情報をそのまま次段の光増幅器に送信する。この場合、前段光増幅器20と次段光増幅器21との接続時に一度ASE情報を通知する機能を備えることで、次段光増幅器21はテーブル情報を取得できる。通常時は、入力光強度検出回路231の出力値のみ通知を受けるよう構成することで、入力光のASE補正に必要な情報を取得できる。
以上説明したように、本実施形態の光増幅器システム200によれば、次段光増幅器20は、前段光増幅器21からASE補正情報の通知を受け、それを利用して次段光増幅器21において、高精度なASE補正が可能となる。すなわち、次段以降の光増幅器においても、利得一定制御を行うために用いる入力光強度信号および出力光強度信号からASEを適切に除去可能である。従って利得一定制御の精度も高まる。さらに、付随機能として備える、常にシステムでモニタする信号光強度表示、アラーム検出等の精度が向上する。
また、本実施形態の光増幅器システム200は、OADM方式の光伝送システムにも適用可能であり、その効果を発揮する。例えば、図3に示すOADM装置において、OADM回路84の前段に設けられる光増幅器80、光分散補償器82および光増幅器81に本実施形態の光増幅器システム200を適用し、ASE情報88を、光増幅器80から光増幅器81に通知するよう構成する。
一般にOADM装置では、OADM回路84(主要光切替制御回路部)の狭帯域光フィルタを用いて波長を分波する。分波フィルタでASE除去がなされるため、OADM回路84の後段の光増幅器では、その入力光からASE成分は除去されているが、OADM回路84の前段の光増幅器ではASE成分が除去されない。このようなOADM装置に、上述のような構成で本実施形態の光増幅器システム200を適用すれば、OADM回路84の前段の光増幅器においても、それぞれの入力光からASEの影響が適切に除去される。従って、全体の制御の精度が高まる。
特に、図3に示す構成のOADM装置では、入力光が小さいため自然放出光(ASE)を多く含む前段光増幅器80の出力光が入力される次段光増幅器81に、高精度な自然放出光(ASE)補正が必要である。従って、このようなOADM装置に本実施形態の光増幅器システム200を適用すると、本実施形態の効果を発揮する。
本適用においても、第一の実施形態と同様に、長距離光ファイバ83、86を介して上記構成のOADMシステムを、数セット接続する構成をとることが可能である。また、上記の実施形態では、光増幅器が2段の場合を例に挙げて説明したが、光増幅器の接続段数は2段以上であってもよい。光増幅器が2段以上接続する構成とした場合、隣接する光増幅器が、それぞれ、前段光増幅器20と次段光増幅器21として機能するよう構成する。中間の光増幅器は、前段光増幅器20および次段光増幅器21の両構成を備えることとなってもよい。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。図6は、本実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態の光増幅器システム200-3は、基本的に第二の実施形態の光増幅器システムと同様の構成を有する。従って、ここではその相違点のみ説明する。
第二の実施形態では、次段光増幅器21は、入力光ASE補正値設定回路248を備え、ASE情報とともに前段光増幅器20の入力光強度検出回路231から出力された入力光強度検出信号の入力を受けていた。しかし、本実施形態の次段光増幅器21は、この入力光補正値設定回路248を備えない。
本実施形態では、前段光増幅器20の出力光ASE補正値設定回路233が、前段光増幅器20の入力光強度検出回路231の出力値に応じた入力光ASE補正量を、直接次段光増幅器21の入力光ASE補正回路247に通知するよう構成する。
本構成により、本実施形態においても、第二の実施形態と同様に、次段以降の光増幅器においても、精度の高いASE補正を行うことができ、それに伴い、光増幅器における制御の精度も高まる。また、本実施形態においても、第二の実施形態と同様、光増幅器の接続段数は2段以上であってもよい。
<<第四の実施形態>>
次に、本発明の第四の実施形態を説明する。図7は、本実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態の光増幅器システム200-4は、基本的に第二の実施形態の光増幅器システムと同様の構成を有する。従って、ここではその相違点のみ説明する。
第二の実施形態では、入力光の強度に応じて出力光からASEを除去していた。しかし、本実施形態では、出力光の強度に応じて出力光からASEを除去する。従って、入力光検出回路231から出力された入力光強度検出信号は、主要昨日制御回路235へ出力される。一方、出力光検出回路232から出力された出力光強度検出信号は、出力光ASE補正回路234、出力光ASE補正値設定回路233および次段光増幅器21の入力光ASE補正値設定回路248へ出力される。
出力光ASE補正値設定回路233は、出力光強度検出信号に応じて、出力光ASE補正回路234に出力光ASE補正値を設定する。
次段光増幅器21の入力光ASE補正値設定回路248では、前段の出力光ASE補正値設定回路233から出力されたASE情報とともに前段光増幅器20の出力光強度検出回路232から出力された出力光強度検出信号の入力を受け取り、ASE情報から最適な出力光ASE補正値を、入力光ASE補正回路247に設定する。
また、入力光強度検出回路241は、入力光強度検出信号をASE補正回路247へ出力する。一方、出力光強度検出回路242は、出力光強度検出信号を、出力光ASE補正回路244および出力光ASE補正値設定回路243へ出力する。
本実施形態においても、第二の実施形態および第三の実施形態と同様に、次段以降の光増幅器においても、精度の高いASE補正を行うことができ、それに伴い、光増幅器における制御の精度も高まる。また、本実施形態においても、第二の実施形態と同様、光増幅器の接続段数は2段以上であってもよい。
<<第五の実施形態>>
次に、本発明の第五の実施形態を説明する。図8は、本実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態の光増幅器システム200-5は、基本的に第四の実施形態の光増幅器システムと同様の構成を有する。従って、ここではその相違点のみ説明する。
第四の実施形態では、次段光増幅器21は、入力光ASE補正値設定回路248を備え、ASE情報とともに前段光増幅器20の出力光強度検出回路232ら出力された出力光強度検出信号の入力を受けていた。しかし、本実施形態の次段光増幅器21は、この入力光補正値設定回路248を備えない。
本実施形態では、前段光増幅器20の出力光ASE補正値設定回路233が、前段光増幅器20の出力光強度検出回路232の出力値に応じた入力光ASE補正量を、直接次段光増幅器21の入力光ASE補正回路247に通知するよう構成する。
本構成により、本実施形態においても、第二、第三、第四の実施形態と同様に、次段以降の光増幅器においても、精度が高いASE補正を行うことができ、それに伴い、光増幅器における制御の精度も高まる。また、本実施形態においても、第二の実施形態と同様、光増幅器の接続段数は2段以上であってもよい。
<<第六の実施形態>>
次に、本発明の第六の実施形態を説明する。本実施形態の光増幅器システムは、第一の実施形態の構成と第二の実施形態の構成とを備える。図9は、本実施形態の光増幅器システムの構成を説明するための機能ブロック図である。
本図に示すように、本実施形態の光増幅器システム300は、前段の光増幅器1000と、光分散補償器1002と、次段光増幅器1001とを、この順に接続した構成を有する。
前段光増幅器1000は、光学回路部1010と、光増幅器制御回路1010と、光可変減衰部1030と、可変光減衰器制御回路1300とを備える。光学回路部1010は、希土類添加光ファイバと、励起光源と、入力および出力の双方または片方に光強度検出手段とを備える。前段光増幅器1000は、光学回路部1010と、光増幅器制御回路1100とにより、入力光強度および出力光強度とから実際の利得を算出し、目標の利得との誤差を補償するよう励起光源を駆動し、利得一定制御を実現する。
次段光増幅器1001は、光学回路部1020と、光増幅器制御回路1200とを備える。光学回路部1020は、希土類添加光ファイバと、励起光源1520と、入力光検出器1510と、出力光検出器1080と、分光器1070とを備える。次段光増幅器1001では、光学回路部1020および光増幅器制御回路1200により、入力光の強度と出力光の強度とから実際の利得を算出し、目標利得との誤差を補償するよう励起光源1520を駆動し、利得一定制御を実現する。
また、前段光増幅器1000においては、可変減衰部1030と可変光減衰器制御回路1300とにより可変光減衰器を構成する。可変光減衰器制御回路1300は、可変減衰部1030の出力光強度がシステムに要求される目標光強度になるよう自身の出力光強度により可変減衰部1030の減衰量を制御し、かつ、定期的に次段光増幅器1001の出力光強度により前記制御を補正する機能を備え、次段光増幅器1001の出力を高精度に一定とする制御を行う。目標光強度は、入力波長数などにより、予め定められる。
光可変減衰部1030は、可変光減衰器1040と、分光器1050と、光検出器1060とを備える。また、可変光減衰器制御回路1300は、出力光強度検出回路1310と、誤差検出回路1320と、フィルタ回路1330と、駆動回路1340と、目標値設定回路1350と、次段差分検出回路1360と、減衰器目標値補正回路1370と、目標値設定回路1380と、切替制御回路1390と、スイッチ回路1400と、前値保持回路1410を備える。各機能は、基本的に第一の実施形態の同名の機能と同じである。
前段光増幅器1000と次段光増幅器1001との間に備えられる光分散補償器1002は、光ファイバ伝送後の分散補償を行う。
さらに、本実施形態の光増幅器制御回路1100は、入力光強度検出回路1231と、出力光強度検出回路1232と、出力光ASE補正回路1234と、出力光ASE補正値設定回路1233と、主要機能制御回路1235と、駆動回路1236とを備える。これらの各機能は、基本的に第二の実施形態の同名の機能と同じである。
また、本実施形態の光増幅器制御回路1200は、入力光強度検出回路1241と、出力光強度検出回路1242と、出力光ASE補正回路1244と、出力光ASE補正値設定回路1243と、主要機能制御回路1245と、駆動回路1246と、入力光ASE補正回路1247と、入力光ASE補正値設定回路1248とを備える。これらの各機能は、基本的に第二の実施形態の同名の機能と同じである。相違点は、出力光ASE補正回路1244において、補正後の出力光強度検出信号が、前段光増幅器1000の次段目標値差分検出回路1360に出力される点である。
以上のように、本実施形態の光増幅器システム300は、第一の実施形態と第二の実施形態の構成を備える。このため、両実施形態により得られる効果が得られる。すなわち、次段光増幅器1001は、前段光増幅器1000からASE補正情報の通知を受け、それを利用して入力光のASE補正も行う。従って、次段光増幅器1001において、高精度なASE補正が可能となる。さらに、次段光増幅器1001の出力光の、実際の強度と目標値との誤差に応じて、可変光減衰器の減推量を制御するための目標値を補正する。従って、光分散補償器1002が光増幅器システム300の内部に挿入された場合であっても、高速に制御を行うことができるとともに、最終的な光増幅器システム300の出力光の強度を反映した目標値を用いる。しかも、この時用いられる出力光の強度は、上記高精度にASE補正がなされ、制御されたものである。よって、本実施形態の光増幅器システム300によれば、より高精度な制御を高速に実現できる。
また、本実施形態の光増幅器システム300は、特に、OADM方式の光伝送システムにおいて効果を発揮する。
例えば、一般に、OADM方式の光伝送システムで用いられる図3のOADM装置では、OADM回路84において、狭帯域光フィルタを用いて波長を分波するため、OADM回路84の後段の光増幅器85においては、その入力光からASE成分が除去されている。しかし、前段の光増幅器80、81からはASE成分は除去されていない。
従って、上記各実施形態において説明した2段構成の光増幅器を、それぞれ光増幅器80、81に適用すれば、OADM回路84の前段の光増幅器においても、高精度にASE除去がなされ、さらに、精度よく出力一定制御された出力光がOADM回路84に入力されることとなるため、OADM装置全体としての制御の精度が高まる。特に、上記OADM装置を1セットとし、長距離ファイバを介して前記構成を数セット接続する構成とした場合、本実施形態を適用する効果が大きい。
なお、本実施形態では、第一の実施形態と第二の実施形態の構成を組み合わせる場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、第一の実施形態と、第三、第四、第五のいずれの実施形態とを組み合わせても同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態では、光増幅器を2段接続する場合を例に挙げて説明したが、接続する光増幅器の段数は2段以上であってもよい。最後段以外の光増幅器のいずれか1つが第一の実施形態の前段光増幅器10の構成を備え、当該増幅器の次段以降のいずれか1つの光増幅器が第一の実施形態の次段光増幅器11の構成を備えるとともに、第二の実施形態と同様に、隣接する光増幅器がそれぞれ、第二の実施形態の前段光増幅器20と次段光増幅器21として機能するよう構成する。中間の光増幅器は、前段光増幅器20および次段光増幅器21の両構成を備えることとなってもよい。
以上説明したように、上記第一および第六の実施形態の光増幅器システムによれば、2以上の光増幅器を多段に接続して行う光増幅において、1つもしくは複数個の制御可能な可変光減衰器を光増幅器間に備え、出力一定制御を行う。この時、可変光減衰器の光減衰量を自身による光減衰後の光強度検出信号で制御する。また、制御において、その目標値を後段の光増幅器の光出力強度検出信号により定期的に補正する。以上の構成により、高精度で高速な制御を実現する。
なお、上記各実施形態の光増幅器システムは、常に可変光減衰器を用いて出力一定制御を行う場合、定期的に可変減衰器を用いて出力一定制御を行う場合、可変減衰器を波長変動時には停止させるといった制御を行う場合、または、光増幅器が波長数変動などにより制御に用いる目標値を変更する機能をもつ場合においても、適用可能である。
さらに、上記第二から第六の実施形態の光増幅器システムによれば、2以上の光増幅器を多段に接続して行う光増幅において、次段光増幅器で必要な自然放出光(ASE)補正情報を前段光増幅器から通知を受ける。本構成により、自然放出光を含まない信号光への補正精度が向上し、光増幅器全体の高精度な制御を実現する。また、多段接続する際に自然放出光(ASE)補正量が異なる、つまり利得や出力が異なる複数種類の光増幅器を接続することが可能となり、柔軟な接続構成をとることができる。
以上の各実施形態によれば、波長多重光伝送方式における光増幅器が多段に接続された光増幅器システムにおいて、高精度な光出力一定制御または利得一定制御が実現でき、安定した通信システムの提供が可能となる。
100・・・光増幅器システム、10・・・前段光増幅器、11・・・次段光増幅器、12・・・光分散補償器、101・・・光学回路部、102・・・光学回路部、103・・・可変光減衰部、104・・・可変光減衰器、105・・・分光器、106・・・光検出器、107・・・分光器、108・・・光検出器、110・・・光増幅器制御回路、120・・・光増幅器制御回路、121・・・出力光強度検出回路、122・・・主要制御回路、130・・・可変光減衰器制御回路、131・・・出力光強度検出回路、132・・・誤差検出回路、133・・・フィルタ回路、134・・・駆動回路、135・・・次段光出力目標値設定回路、136・・・次段目標値差分検出回路、137・・・次段目標値差分検出回路、138・・・可変光減衰器出力目標値設定回路、139・・・切替制御回路、140・・・スイッチ回路、141・・・前値保持回路、151・・・光検出器、152・・・励起光源、200・・・光増幅器システム、200-3・・・光増幅器システム、200-4・・・光増幅器システム、200-5・・・光増幅器システム、20・・・前段光増幅器、21・・・次段光増幅器、22・・・光分散補償器、230・・・光増幅器制御回路、231・・・入力光強度検出回路、232・・・出力光強度検出回路、233・・・出力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、234・・・出力光自然放出光(ASE)補正回路、235・・・主要機能制御回路、236・・・駆動回路、240・・・光増幅器制御回路、241・・・入力光強度検出回路、242・・・出力光強度検出回路、243・・・出力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、244・・・出力光自然放出光(ASE)補正回路、245・・・主要機能制御回路、246・・・駆動回路、247・・・入力光自然放出光(ASE)補正回路、248・・・入力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、40・・・前段光増幅器、41・・・次段光増幅器、42・・・光検出部、401・・・光学回路部、402・・・可変光減衰器、403・・・光検出器、404・・・分光器、405・・・光学回路部、410・・・光増幅器制御回路、412・・・光増幅器制御回路、430・・・可変光減衰器制御回路、431・・・出力光強度検出回路、432・・・誤差検出回路、433・・・フィルタ回路、434・・・可変光減衰器駆動回路、435・・・目標値設定回路、80・・・前段光増幅器、81・・・次段光増幅器、82・・・光分散補償器、83・・・長距離光ファイバ、84・・・OADM回路、85・・・光増幅器、86・・・長距離光ファイバ、87・・・出力光強度検出信号、88・・・自然放出光(ASE)補正情報、90・・・前段光増幅器、91・・・最終段光増幅器、92・・・光分散補償器、93・・・次段光増幅器、300・・・光増幅器システム、1000・・・前段光増幅器、1001・・・次段光増幅器、1002・・・光分散補償器、1010・・・光学回路部、1100・・・光増幅器制御回路、1231・・・入力光強度検出回路、1232・・・出力光強度検出回路、1233・・・出力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、1234・・・出力光自然放出光(ASE)補正回路、1235・・・主要機能制御回路、1236・・・駆動回路、1020・・・光学回路部、1070・・・分光器、1080・・・光検出器、1510・・・光検出器、1520・・・励起光源、1200・・・光増幅器制御回路、1241・・・入力光強度検出回路、1242・・・出力光強度検出回路、1243・・・出力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、1244・・・出力光自然放出光(ASE)補正回路、1245・・・主要機能制御回路、1246・・・駆動回路、1247・・・入力光自然放出光(ASE)補正回路、1248・・・入力光自然放出光(ASE)補正値設定回路、1040・・・可変光減衰器、1050・・・分光器、1060・・・光検出器、1030・・・可変光減衰部、1300・・・可変光減衰器制御回路、1310・・・出力光強度検出回路、1320・・・誤差検出回路、1330・・・フィルタ回路、1340・・・駆動回路、1350・・・次段光出力目標値設定回路、1360・・・次段目標値差分検出回路、1370・・・次段目標値差分検出回路、1380・・・可変光減衰器出力目標値設定回路、1390・・・切替制御回路、1400・・・スイッチ回路、1410・・・前値保持回路