JP4819944B2 - 熱補償手段並びに冷却手段を有するリニア電気モータ用のスタンド - Google Patents

Description

本発明は、スタンドの膨張の熱補償手段並びに冷却手段を有するリニア電気モータ用のスタンドに関する。
より詳細には、本発明は、第１の部分と第２の部分とを有するリニア電気モータ用のスタンドであって、このスタンドは、第１の部分と共に垂直平面内に延び、第２の部材を有する構造体に案内手段により長手方向に可動に装着され、また、このスタンドは、第１の部分が取着された中央プレートを有し、この中央プレートは、第１の接続部分により第１の上側のウィングに接続され、第２の接続部分により第２の下側のウィングに接続され、これらウィングの各々は、案内手段の他の整合用の部分を有する前記構造体に対してスタンドを案内するための手段の一部を有し、また、このスタンドは、動作時に第１の部分の熱により生じるスタンドの材料の熱膨張を吸収するように、スタンドの熱膨張を補償するための手段を有している。

リニア電気モータ、特に「フラット」タイプのリニアモータ用の多くのスタンドが、知られている。
詳細には、このようなモータは、特に、マシンの搬送動作又は移送動作を行うための多くの適用例で、産業上使用されることができる。

リニアモータは、特に、動作の実質的な加速において、移動速度の速さと位置付けの優れた精度とを得ることを可能にしている。

しかし、所定の例用例において、案内手段が早期に磨耗してしまうという問題が、特に、このようなリニアモータが、連続的な搬送動作、時には高速で反復される搬送動作を行うためのマシンに使用されるときに、留意される。
このような磨耗の問題は、特に、付加的にマシンを停止させる必要があるマシンのメインテナンスの頻繁かつコストのかかる介入の元となっている。

本発明の目的は、特に、上述された欠点を克服するスタンドを提案している。

この目的のために、本発明は、補償手段が、接続ブリッジを規定している細長いスロットで構成され、これらスロットは、冷却用の通気孔を形成し、これら通機構を通して、強制された空気の循環が、スタンドの動作中に生じ、かくして第１の部分を対流により冷却し得る、上述されたタイプのリニアモータ用のスタンドを提案している。

好適には、本発明に係わるスタンドのスロットは、動作時の第１の部分の熱により生じるスタンドの材料の熱膨張を吸収並びに限定するように、スタンドの熱膨張を補償する手段と、スタンドを冷却するための手段とを形成している。

好適には、本発明に係わる補償手段は、熱膨張を補償し得る変形機能を有する弾性のゾーンをスタンドに局所的に与えることにより、スタンドの材料の熱膨張を吸収することを可能にしている。

本発明の他の特長に従えば、
前記スロットを構成している補償手段は、案内手段への力の伝達を制限するように、スタンドの移動の方向に直交する所定の方向へのスタンド材料の熱膨張を吸収することが可能であり、
スタンドの熱膨張を補償するための手段を形成している前記スロットは、ウィング、即ち上側のウィングと下側のウィングとの各々を有する中央プレートの第１の接続部分と第２の接続部分とに配置され、
前記スロットは、互いに平行に延び、スタンドの両接続部分の長さの部分又は全体に渡って延び、
スタンドは、第１の部分が中に入れられた内側のハウジングを有し、このハウジングは、長手方向の両端部と、対向して配置された第２の部分の方向で横方向とに開いており、また、
スタンドは、横方向の断面を通る垂直セクションで、前記ハウジングを規定しているほぼ「Ｕ字」形状の中央部分を有し、この中央部分の中央の垂直プレートは、互いにほぼ水平に延びている上側の接続部分と下側の接続部分とにより形成された互いに平行なブランチに接続された中間ブランチを形成し、
前記スロットは、スタンドの上側の接続部分と下側の接続部分にまっすぐに横方向に延び、
前記構造体は、パッケージマシンのようなマシンに属し、このマシンの搬送手段は、この搬送手段を長手方向に駆動させ得るスタンドの垂直外面に取着されている。

本発明の他の特長並びに利点は、理解のために、添付図面を参照した以下の詳細な説明を読むことにより明らかになる。

以下の説明では、同じ参照符号が、同じパーツ又は同様の機能を有したパーツを示している。

本発明は、図示されている表示Ｌ，Ｖ，Ｔに従った長手方向、垂直方向、並びに横方向を理解するのを容易にするために、非限定的な態様で説明される。尚、垂直方向は、必ずしも重力の方向を示すものではない。

図１は、本発明の好ましい実施形態に係わるリニアモータ１４用のスタンド１２と、マシン（図示されず）のフレームのような構造体１６の一部とを主に有する装置１０を示している。

前記リニア電気モータ１４は、ほぼ平行六面体の形状の第１の部分１８と、第２の部分２０とで構成された「フラット」タイプのリニアモータである。

好ましくは、前記第１の部分１８は、第２の部分２０が取着されている前記構造体１６に対して移動され得る設備の物品を形成するように、スタンド１２に取着されている。

図示されている表示（Ｌ，Ｖ，Ｔ）に応じて、この例で第１の部分１８を支持している前記スタンド１２は、垂直方向の平均的な平面(average plane)に延びている。

前記第２の部分２０は、決定されたエアギャップの値「ｅ」に対応した距離だけ離れて、横方向で第１の部分１８と対向して、垂直方向に配置されている。

この例の第２の部分２０は、前記構造体１６に対するスタンド１２と第１の部分１８との移動のパスを決定する磁気パスを形成するように、長手方向にまっすぐ延びている。

前記スタンド１２は、構造体１６に沿って移動するように装着され、この構造体に対して、スタンドは、案内手段２２により、長手方向に水平に移動する。

前記案内手段２２は、スタンド１２と構造体１６との間で、前記第２の部分２０の両側に配置されている。

前記スタンド１２は、第１の部分１８が取着されている中央のプレート２４を有している。この中央のプレートは、第１の接続部分２８により、上側のウィング２６と称される第１のウィングに接続され、第２の接続部分３２により、下側のウィング３０と称される第２のウィングに接続されている。

前記スタンド１２の案内手段２２は、上側の案内手段３４と称される案内手段と、下側の案内手段３６と称される案内手段とを有している。

前記上側の案内手段３４と下側の案内手段３６とは、この例では、同一であり、「ボールガイド(ball guide)」タイプであることが好ましい。

前記案内手段２２の各々は、構造体１６に固定された細長いレールを構成している第１の固定部分と、このレール上を摺動可能な可動部分とを有している。この可動部分は、スタンド１２の前記両ウィング２６，３０の一方に固定して装着された少なくとも１つのスキッドで構成されている。

前記上側の案内手段３４は、前記構造体の垂直面４０に取着された細長い上側レール３８と、１対の上側スキッド４２、即ち前方の上側スキッド４２Ａと後方の上側スキッド４２Ｂとを有している。

同様に、前記下側の案内手段３６は、構造体１６の垂直面４０に取着された細長い下側レール４４と、１対の下側スキッド４６、即ち前方の下側スキッドと後方の下側スキッド（図示されず）とを有している。

図２に良好に示され得るように、前記両上側スキッド４２は、スタンド１２の前記上側のウィング２６の内側垂直面４８に固定して装着され、また、前記両下側スキッド４６は、スタンド１２の前記下側のウィング３０の内側垂直面５０に固定して装着されている。

従って、前記両ウィング、即ち、上側のウィング２６と下側のウィング３０との各々は、構造体１６の細長いレール３８，４４に対してスタンド１２を案内するように設計された案内手段２２の可動部分を形成している１対のスキッド４２，４６を夫々有している。

前記スタンド１２の前記案内手段２２には、隙間がなく、即ち、前記両スキッドは、案内手段２２が、少なくとも垂直方向に隙間を有することのないように、両レールに対して「浮上」装着されていない。

従って、スタンド１２が、例えば前後に往復移動したとき、前記第１の部分１８は、熱せられ、伝導性により熱をスタンド１２に伝達する。

複数の適用例に応じて、前記スタンド１２は、スタンド１２の材料の熱膨張の現象をもたらす６４℃ないし９０℃のオーダーの温度に達し得る。

材料の熱膨張の影響を受けて、前記スタンド１２は、変形し、かくして、前記上側の案内手段３４へと上方に与えられる垂直方向の圧力と、前記下側の案内手段３６へと下方に与えられる垂直方向の圧力とを生じさせる。

従って、材料の熱膨張によるこれら「寄生(parasitic)」力は、前記両レール３８，４４により決定されるスタンド１２の移動の長手方向に対して直角に与えられる。
これら力は、前記両案内手段３４，３６の早すぎる磨耗をもたらし、時には、スタンド１２の案内に影響を与え得る。

従って、好適には、前記スタンド１２は、動作時の第１の部分１８の熱により生じたスタンドの材料の熱膨張を吸収するように、スタンド１２の熱膨張を補償する手段５２を有している。

好適には、前記スタンド１２の補償手段５２は、第１の部分１８が熱せられたときに、スタンド１２の案内手段２２がこれら力により影響されない又は大きく影響されないように、材料の熱膨張を補償することができる。

本発明に係われば、前記補償手段５２は、接続ブリッジ６０を規定している細長いスロット５８で構成されている。これらスロット５８は、冷却用の通気孔を形成しており、これら通気孔を通して、空気の循環が、支持体１２の移動の間に行われ、第１の部分１８を対流により冷却することができる。

本発明のおかげで、この冷却作用により、前記案内手段２２の動作期間は延ばされ、必要なメインテナンス作業は低減される。

好ましくは、スタンドの熱膨張を補償する手段５２を形成している前記スロット５８は、ウィング、即ち前記上側のウィング２６と下側のウィング３０との各々を有する前記中央プレート２４の第１の接続部分２８と第２の接続部分３２とに夫々配置されている。

図１並びに２に示されているスタンド１２の例示的な例に係われば、スタンド１２は、前記第１の部分１８を中に入れている内側のハウジング５４を有している。このハウジング５４は、長手方向の両端部と、構造体１６に対向して配置された第２の部分２０の方向で横方向とに開いている。

従って、前記スタンド１２は、横方向の断面を通る垂直セクションで、前記ハウジング５４を規定している「Ｕ字」形状の中央部分５６を有している。この中央部分の、この例では垂直である中央プレート２４は、この例ではほぼ水平に延びている上側の接続部分２８と下側の接続部分３２とにより夫々形成された互いに平行なブランチに接続された中間ブランチを形成している。

本発明に係われば、前記補償手段５２は、接続ブリッジ６０を規定している複数のスロット５８で構成されている。

より詳細には、各接続ブリッジ６０は、連続した２つのスロット５８により長手方向が規定されている。

図２の断面図に良好に示され得るように、前記スロット５８は、長方形であり、断面が、ほぼ「Ｓ字」形状である。
従って、これらスロット５８は、上側の接続部分２８と下側の接続部分３２とのアッセンブリ中に横方向に延び、かつ中央プレート２４近くの部分中と、ウィング、即ち上側のウィング２６並びに下側のウィング３０の各々近くの部分中とに夫々垂直方向に延びている主中央部分を有している。

好ましくは、前記スロット５８は、互いに平行に延び、上側の接続部分２８と下側の接続部分３２との長さ全体又は一部分に渡って延びている。
この例のスロット５８は、スタンド１２の上側の接続部分２８と下側の接続部分３２とにまっすぐに横方向に延びている。

好適には、前記スロット５８は、冷却用の通気孔を形成し、これら通気孔を通して、「強制された」空気の循環が、スタンド１２の移動中に生じ、第１の部分１８とスタンド１２とを対流により冷却することができる。

変形例（図示されず）に従えば、スタンド１２は、スタンド１２を冷却しながらスタンドの熱を制限するために、フィンのような、更なる熱放散手段を有している。

好適には、スタンド１２は、パッケージマシンのようなマシン（図示されず）に使用されることができる。このマシンでは、装置１０が、例えば、少なくとも２つのワークステーション間の搬送のためのデバイス（図示されず）を形成するのに使用される。

好適には、前記スタンドは、厚紙タイプのパッケージをピックアップするための手段のような、このようなマシンの搬送手段６２を移動させることができる。
この搬送手段６２は、例えば、スタンド１２の中央プレート２４の垂直外面６４に固定して装着されている。

好適には、前記リニアモータ１４は、このリニアモータの移動、特にリニアモータの位置と速度とを制御するように設計されたサーボモータを有している。
好適には、このような搬送デバイスは、電気モータにより駆動されるベルト又はチェーンを有するタイプの周知の搬送手段を備えたマシンよりも小型のマシンを製造可能にするリニアモータを有している。

更に、本発明に係わるスタンド１２は、前記案内手段２２の動作期間を最適にし、特に案内手段２２の部材を交換するのにかかるコストを減じ、メインテナンス作業の頻度を低減させることを可能にしている。

従って、本発明に係わるスタンド１２は、特にかさばりコストのかかる例えば水循環により能動的な冷却手段を与えることからなる解決策に比べて、適用が特に経済的である解決策を与えている。

構造体に沿って移動するように装着された本発明に係わるスタンドとリニアモータとを有する装置を分解された状態で概略的に示している斜視図である。 組み合わされた位置に示されている図１の装置の垂直平面に沿った断面図である。

Claims (8)

1. 第１の部分（１８）と第２の部分（２０）とを有するリニア電気モータ（１４）用のスタンド（１２）であって、このスタンド（１２）は、案内手段（２２）により、前記第２の部分（２０）を有する構造体（１６）に長手方向に可動に装着され、また、スタンド（１２）は、前記第１の部分（１８）が取着された中央プレート（２４）を具備し、この中央プレートは、第１の接続部分（２８）により第１の上側のウィング（２６）に接続され、第２の接続部分（３２）により第２の下側のウィング（３０）に接続され、また、これらウィング（２６，３０）の各々は、前記構造体（１６）に対してスタンドを案内するための手段（２２）の一部分を有し、この案内するための手段は、この案内手段（２２）の他の整合部分を有し、また、スタンド（１２）は、動作時の前記第１の部分（１８）の熱により生じるスタンド（１２）の材料の熱膨張を吸収するように、スタンド（１２）の熱膨張を補償するための手段（５２）を具備するスタンドにおいて、前記補償するための手段は、（５２）は、接続ブリッジ（６０）を夫々規定している細長い複数のスロット（５８）で構成され、これらスロット（５８）は、冷却用の通気孔を形成し、これら通気孔を通して、強制された空気の循環が、スタンド（１２）の移動中に生じて、前記第１の部分（１８）を対流により冷却可能であることを特徴とするスタンド。
2. 前記スロット（５８）で構成された前記補償するための手段（５２）は、前記案内手段（２２）への力の伝達を制限するように、スタンド（１２）の移動の方向に直交する所定の方向へのスタンド（１２）の材料の熱膨張を吸収可能であることを特徴とする請求項１のスタンド。
3. 前記スタンド（１２）の熱膨張を補償するための手段（５２）を形成している前記スロット（５８）は、ウィング、即ち前記上側のウィング（２６）と前記下側のウィング（３０）との各々を有する前記中央プレート（２４）の前記第１の接続部分（２８）と第２の接続部分（３２）とに夫々配置されていることを特徴とする請求項１又は２のスタンド。
4. 前記スロット（５８）は、互いに平行に延び、スタンド（１２）の前記両接続部分（２８，３２）の長さの一部又は全体に渡って延びていることを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１のスタンド。
5. このスタンド（１２）は、前記第１の部分（１８）が中に入れられた内側のハウジング（５４）を有し、このハウジング（５４）は、長手方向で両端部と、対向して配置された前記第２の部分（２０）の方向で横方向とに開いていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１のスタンド。
6. このスタンド（１２）は、横方向の断面を通る垂直セクションで、前記ハウジング（５４）を規定しているほぼ「Ｕ字」形状の中央部分（５６）を有し、この中央部分の垂直の中央プレート（２４）は、互いにほぼ水平に延びている前記上側の接続部分（２８）と下側の接続部分（３２）とにより形成され互いに平行したブランチに接続された中央ブランチを形成していることを特徴とする請求項５のスタンド。
7. 前記スロット（５８）は、スタンド（１２）の前記上側の接続部分（２８）並びに下側の接続部分（３２）中にまっすぐに横方向に延びていることを特徴とする請求項６のスタンド。
8. 前記構造体（１６）は、パッケージマシンのようなマシンに属し、このマシンの搬送手段（６２）が、この搬送手段（６２）を長手方向に駆動させ得るスタンド（１２）の垂直外面（６４）に取着されていることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１のスタンド。

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