JP4796856B2 - 振動撹拌式研掃機、および振動撹拌式研掃方法 - Google Patents
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Description
大形の被研掃物は、これを静止させたままで研掃機を移動させながら、周囲の各方向から研掃材を投射する。
小形の被研掃物は、バケットもしくはドラム、またはトラフ(後に詳述)に入れて撹拌しながら、ほぼ一定方向から研掃材を投射する。
なお、本発明は後者の小形被研掃物を適用の対象とする。
3個のローラ1a,1b,1cの周囲にエンドレスのベルト2が巻き掛けられており、該ベルトはローラ1aと同1cとの間でサイドデスク3にも巻き掛けられている。
このようにしてベルト2は、ローラ1aと同1cとの間にトラフ4(上向きの凹部)を形成している。
多数の小形被研掃物(図示を省略)は、上記トラフ4に入れられる。すなわち、下方をベルト2で支えられ、側方をサイドデスク3とキャビネット8とで囲まれる。
被研掃物(図示せず)は転動しつつ撹拌されているので、均等に研掃を受ける。すなわち、多数の被研掃物相互が同等に、かつ1個の被研掃物の全面が均一に研掃を施される。
なお、研掃作用を果たした研掃材がエレベータの取り入れ口まで自由に落下し得るように、前記のベルト2には多数の孔が設けられている。
イ.周回する部材であるベルト2と静止部材であるキャビネット8との間に被研掃物が挟み込まれる。
両者の間には、微小でもクリアランスが無ければならず、クリアランスが有れば被研掃物の突起部分が挟まれる。
ロ.3個のローラにエンドレスベルトを巻き掛けた構造は複雑で、研掃装置全体を大形大重量ならしめ、従って製造コストが割高になる。
ハ.ベルト2は研掃作業中、常に研掃材の投射を受けるので損耗が進み、耐久性が良くない。このため、ランニングコストが高価である。
ニ.研掃作業を終えた後、ドア9を開いて被研掃物を取り出す作業に時間と労力とを要する。これを解消するために装置の一部分を傾けて被研掃物を落下させることも提案されているが、被研掃物の山が勢い良く崩れるので被研掃物が損傷を受ける虞れが少なくない。
トラフを形成して被研掃物を入れるエンドレスのベルトに代えて、鉄鋼製のドラム10を設ける。
ベルトを周回させる代りに、前記ドラムを振動させて内部の被研掃物を転動撹拌せしめる(振動はバイブレータ15によって与える)。
振動を与えなければ図2(A)のようにドラム10を大きく傾けないと被研掃物16が崩れないが、バイブレータ15によってドラムに振動を与えると、図2(B)のようにドラムを僅かに傾けるだけで被研掃物が排出される。
被研掃物を入れるドラム(10)を具備しており、
上記のドラムにバイブレータ(15)が設置されていて、
該バイブレータを作動させてドラムに振動を与えることにより、ドラム内の被研掃物を撹拌し得るようになっていることを特徴とする。
上記のベースを傾動させるとドラムが傾いて、内部の被研掃物を排出し得るようになっていることを特徴とする。
(図1参照)前記バイブレータ(15)の振動が直線往復運動であって、ドラム(10)の底壁に対して直角でなく斜め方向であり、
又は、振動が楕円振動であることを特徴とする。
その上、周回ベルトや、これを支持して駆動する機構が無いので、装置全体が小形軽量に構成され、製造コストが低廉である。しかも、消耗性部材のベルトが無いので耐久性に優れ、ランニングコストが安い。
その上、被研掃物を入れているドラムが傾動可能なベースに設置されているので、該ベースを傾動させてドラムを傾けることができる。ドラムを傾けると、内部の被研掃物を容易に排出することができ、作業能率を向上させる。
読図の便宜上、地面に対して静止している部分の断面に斑点を付してある。
かつ、振動を受ける部材の断面に右上がりのハッチングを付するとともに、振動を受けない部材の断面には右下がりのハッチングを付してある(断面が現れていない部材には斑点もハッチングも付していない)。
本実施形態においては、パンチングプレートによってドラムを構成した。その理由は、投射された研掃材を通過,落下させるためである。
図1および図2に表されているように、前記傾動ベース11の上に、スプリング14を介してドラム10が設置されている。
この構造から容易に理解されるように、傾動ベース11は軸12を中心として振り子状に傾動することができる。
上記のドラム10に、バイブレータ15が固着されている。このため、該バイブレータを作動させるとドラム10が振動する。
該ドラム10はスプリング14によって支承されているので、傾動ベース11に対して振動的に切り離されている。
一般に用いられているバイブレータには、偏心重錘式、ピストン式、電磁式などが有り、いずれも適用し得るが、本実施形態においては偏心重錘式を用いた。
右下がりのハッチングを付した傾動ベース11、傾動アーム13、及び軸12は、X軸を中心として回動(傾動)するが、「バイブレータ15及びドラム10」との間にスプリング14が介装されているので振動しない。
この図2において右上がりのハッチングを付したドラム10とバイブレータ15とが一つの振動系を形成している。
すなわち、多数の被研掃物全体を見ると循環流動して撹拌され、1個の被研掃物に注目すると転動せしめられる。
この状態で、ドラムの上方から矢印bのように研掃材を投射すると、多数の被研掃物が均一に研掃される。
すなわち、それぞれの被研掃物相互に均等な研掃を受け、かつ、1個の被研掃物の全面が均等に研掃される。
上記の斜め方向振動によって、底板に接している被研掃物が矢印c,c′方向に撥ね上げられて循環,撹拌される。
上述と同様の効果を奏するため、バイブレータに楕円振動を発生させても良い。
例えば偏心重錘式のバイブレータは一般に、偶数個の偏心重錘を相互に同期回転させ、直線往復振動を合成するのであるが、上記の同期回転に位相差を与えて楕円振動させることは、公知技術を適用して容易に可能である。
ドラム10に楕円振動を行わせると、内部の被研掃物は効率良く循環撹拌される。
また、フレキシブルなベルトなどのように摩滅し易い部材を有していないので、耐久性が大きい。
従来例(図4)において最も頻繁に交換しなければならなかったベルト2に代えて、鉄鋼材料製のドラムを設けたことのみに着目しても耐久性の向上は明らかである。
従来例においてベルトを周回させていたのは、被研掃物を撹拌,転動させるためであった。これに対し、本発明においては剛性部材であるドラムを振動させることによって被研掃物を撹拌,転動させている。単なる構造の違いではなく、作動原理が本質的に新規であることに御注目いただきたい。
ドラム10がバイブレータ15によって揺すられると、多数の被研掃物は反転案内バー17に案内されて円滑に反転流動する。
被研掃物の形状が複雑で相互に引っ掛かり易い場合は前記反転案内バー17の設置が特に有効である。
なお、本実施形態においては、ドラム10の内面すなわち被研掃物に接触する面に耐摩耗性ゴムのライニング(内張り)を施した。本発明を実施する際、前記のライニングにウレタン樹脂(又はこれに類似する材料)を用いても良い。このようなライニングを施しておくと、比較的柔軟な被研掃物であっても損傷を被る虞れが無い。
これを解消するため、トラフ4を形成している部材全体(ベルト2、ローラ1a,1b、1c、サイドデスク3等)を傾けて被研掃物1を排出する工夫も為されているが、被研掃物を損傷させる虞れが有った。この問題について次に説明する。
そこで図3(B)のように、ドラムの底板を水平線H−Hに対して僅少角度ψだけ傾けた状態でバイブレータ15を作動させ、比較的弱い振動を与えると、多数の被研掃物16は円滑に流動して滑り降りる。このようにして、溢れ落ちる虞れ無く被研掃物を次工程へ受け渡すことができる。
11…傾動ベース
12…軸
13…傾動アーム
14…スプリング
15…バイブレータ
16…被研掃物
17…反転案内バー
Claims (2)
- 傾動可能なベースと、該ベースにスプリングを介して搭載され上面を開口して多数の被研掃物を収容するドラムと、該ドラムの底壁に対して斜め方向に振動を加えるバイブレータとを備える振動撹拌式研掃機であって、
前記ドラムの内面には被研掃物を撹拌、転動させるために前記ベースの傾動軸と平行に反転案内バーが設けられて研掃時に前記バイブレータの振動により被研掃物を撹拌、転動させるとともに、
研掃終了後に被研掃物を排出するに際し前記バイブレータによりドラムに振動を与えつつドラムを傾けることにより被研掃物を流動して排出させることを特徴とする振動撹拌式研掃機。 - 傾動可能なベースと、該ベースにスプリングを介して搭載され上面を開口して多数の被研掃物を収容するドラムと、該ドラムの底壁に対して斜め方向に振動を加えるバイブレータとを備える振動撹拌式研掃機による振動撹拌式研掃方法であって、
前記ドラムの内面には被研掃物を撹拌、転動させるために前記ベースの傾動軸と平行に反転案内バーが設けられて研掃時に前記バイブレータの振動により被研掃物を撹拌、転動させるとともに、
研掃終了後に被研掃物を排出するに際し前記バイブレータによりドラムに振動を与えつつドラムを傾けることにより被研掃物を流動して排出させることを特徴とする振動撹拌式研掃方法。
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