JP4784671B2 - 振動型角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、振動型角速度センサに関するものである。
従来より、基体ウェハにキャップウェハが結合された構造エレメントが、例えば特許文献1で提案されている。基体ウェハは、該基体ウェハの表面側に物理量を検出するための表面組織を備えたものである。また、キャップウェハは基体ウェハの表面組織と対向する部位に表面組織に接触しないための凹部を備えたものである。そして、キャップウェハが基体ウェハに接合されることで、表面組織が基体ウェハとキャップウェハとの間の空間に封止されている。
特表2002−500961号公報
上記従来の技術では、基体ウェハとキャップウェハとの間の空間は一つの閉じた空間であるので、表面組織は単一の空間にのみ配置されることとなる。ここで、物理量を検出するための表面組織として振動型角速度センサを形成した場合、振動型角速度センサは、角速度を検出するための検出部と、この検出部を一方向に駆動する駆動部とを備えて構成される。しかしながら、検出部と駆動部とを単一の空間に封止するとなると、以下の問題が生じる。
すなわち、空間に気体を封止した場合、気体のダンピング効果により駆動部による検出部の振動振幅が抑制されてしまうという問題が生じる。これにより、検出部を一方向に駆動しにくくなり、角速度の検出精度に影響を及ぼす。したがって、駆動部による検出部の振動振幅を確保するためには空間を真空にすることが好ましい。しかし、空間を真空にした場合、気体のダンピング効果が効かないために検出部内の検出電極が過大な衝撃により大変位して電極同士が衝突して破損したりスティッキングしたりするという問題が生じる。
このように、振動型角速度センサでは、駆動部に適した環境と検出部に適した環境とが相反するため、駆動部と検出部とを同一の空間に配置することには問題がある。
本発明は上記点に鑑み、振動型角速度センサにおいて、検出部と駆動部とがそれぞれ適する環境に配置されるような構造を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、検出固定電極(38)、検出可動電極(36)、検出錘(35)および検出梁(34)を含む検出部(30)と、駆動可動電極(42)、駆動固定電極(43)および駆動梁(41)を含む駆動部(40)から離間するように基板(1)の一面に固定され、検出部(30)が配置された第1空間(11)と駆動部(40)が配置された第2空間(21)とを分離した分離部(10、20)を備え、第2空間(21)の気圧は、第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることを特徴とする。
これによると、分離部(10、20)により検出部(30)が配置される第1空間(11)と駆動部(40)が配置される第2空間(21)とが分け離されるので、検出部(30)が配置される環境と駆動部(40)が配置される環境とをそれぞれ異ならせることができる。したがって、第1空間(11)を検出部(30)に適した環境にすることができると共に、第2空間(21)を駆動部(40)に適した環境にすることができる。
また、第1空間(11)よりも第2空間(21)におけるダンピングの効果が低減するので、第2空間(21)に配置された駆動部(40)による検出部(30)の駆動振動がダンピングの効果によって抑制されてしまうことはない。一方、第2空間(21)よりも第1空間(11)におけるダンピングの効果は高いので、第1空間(11)に配置された検出可動電極(36)は過大な衝撃により大変位して検出固定電極(38)と衝突して破損したりスティッキングしたりすることを抑制できる。以上のように、第1空間(11)と第2空間(21)との気圧の関係を規定することにより、各電極(36、38)および駆動部(40)をそれぞれに適した環境に配置することができる。
請求項2に記載の発明では、検出部(30)は、駆動部(40)の周囲に位置しており、分離部(20)は、駆動部(40)を覆うと共に駆動部(40)から離間するように基板(1)の一面に固定されていることを特徴とする。
これによると、分離部(20)のみで第1空間(11)と第2空間(21)とを完全に分離することができる。
請求項3に記載の発明では、駆動部(40)は、検出部(30)の周囲に位置しており、分離部(10)は、検出固定電極(38)および検出可動電極(36)から離間すると共にこれらを覆うように基板(1)の一面に固定されていることを特徴とする。
これによると、分離部(10)のみで第1空間(11)と第2空間(21)とを完全に分離することができる。
請求項4に記載の発明では、基板(1)の一面のうち検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、基板(1)の一面のうち駆動部(40)が配置された位置の周囲に固定され、駆動部(40)から離間すると共に駆動部(40)を覆うことにより駆動部(40)を第1空間(11)から分離した第2空間(21)に封止した第2キャップ部(20)とを備えており、第2空間(21)の気圧は、第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることを特徴とする。
これによると、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)により検出部(30)が配置される第1空間(11)と駆動部(40)が配置される第2空間(21)とが分け離されるので、検出部(30)が配置される環境と駆動部(40)が配置される環境とをそれぞれ異ならせることができる。したがって、第1空間(11)を検出部(30)に適した環境にすることができると共に、第2空間(21)を駆動部(40)に適した環境にすることができる。また、第2空間(21)の気圧が第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることについては、請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明では、基板(1)の一面のうち検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、第1キャップ部(10)を覆うように第1キャップ部(10)から離間して基板(1)に固定され、第1キャップ部(10)との間に第1空間(11)から分離した第2空間(21)を形成した第2キャップ部(20)とを備え、第2空間(21)の気圧は、第1空間(11)の気圧よりも低くなっており、駆動部(40)は、第1キャップ部(10)に設けられた移動方向に平行な配線(14)と、第2キャップ部(20)の一部であると共に基板(1)の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体とにより構成されており、配線(14)に電流が流れると共に配線(14)に磁界が作用することにより配線(14)に発生するローレンツ力を利用して検出部(30)を駆動方向に振動するようになっていることを特徴とする。
これによると、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)により第1空間(11)と第2空間(21)とが分け離されるので、各空間(11、12)の環境をそれぞれ異ならせることができる。したがって、第1空間(11)を検出部(30)に適した環境にすることができると共に、第2空間(21)を駆動部(40)に適した環境にすることができる。また、第1キャップ部(10)が第2キャップ部(20)に覆われた構造を利用して駆動部(40)を振動させる構成とすることができる。さらに、第2空間(21)の気圧が第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることについては、請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項6に記載の発明では、基板(1)の一面のうち検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、第1キャップ部(10)を覆うように第1キャップ部(10)から離間して基板(1)に固定され、第1キャップ部(10)との間に第1空間(11)から分離した第2空間(21)を形成した第2キャップ部(20)とを備え、第2空間(21)の気圧は、第1空間(11)の気圧よりも低くなっており、駆動部(40)は、第1キャップ部(10)の一部であると共に基板(1)の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体と、第2キャップ部(20)に設けられた移動方向に平行な配線(23)とにより構成されており、配線(23)に電流が流れると共に配線(23)に磁界が作用することにより配線(23)に発生するローレンツ力を利用して検出部(30)を駆動方向に振動するようになっていることを特徴とする。
これにより、請求項4と同様に、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)により各空間(11、12)の環境をそれぞれ異ならせることができる。また、第1キャップ部(10)が第2キャップ部(20)に覆われた構造を利用して駆動部(40)を振動させる構成とすることができる。さらに、第2空間(21)の気圧が第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることについては、請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項7に記載の発明では、基板(1)は、第1基板(2)と第2基板(3)とで絶縁層(4)を挟み込んだ構造をなしており、検出部(30)および駆動部(40)は、第1基板(2)にそれぞれ形成されており、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)は、第1基板(2)の一面に固定されていることを特徴とする。
このように、基板(1)を3層で構成することができ、このうちの第1基板(2)に検出部(30)および駆動部(40)を形成し、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)を固定した構造とすることができる。
請求項8に記載の発明では、第1基板(2)は、支持基板(2a)と半導体層(2b)とで犠牲層(2c)を挟み込んだ構造をなしており、検出固定電極(38)および検出可動電極(36)は半導体層(2b)に形成されており、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)は、半導体層(2b)において犠牲層(2c)とは反対側の一面に固定されていることを特徴とする。
このように、第1基板(2)を3層構造とすることができ、このうちの半導体層(2b)に検出部(30)および駆動部(40)を形成し、第1キャップ部(10)および第2キャップ部(20)を固定した構造とすることができる。
請求項9に記載の発明では、第1キャップ部(10)が半導体層(2b)の一面に固定されたことにより、第1キャップ部(10)と検出部(30)とにより振動子(13)が構成され、駆動部(40)は振動子(13)の周囲に配置され、振動子(13)に接続された駆動梁(41)を備えており、駆動梁(41)は第1基板(2)のうちの半導体層(2b)に形成されると共に該半導体層(2b)と第2基板(3)との間の犠牲層(2c)、支持基板(2a)、および絶縁層(4)が取り除かれており、さらに、振動子(13)を第2基板(3)に対して離間して支持しており、第1キャップ部(10)のうち最も厚い部分の厚さと、支持基板(2a)の厚さと犠牲層(2c)の厚さとを合わせた厚さとが同じになっていると共に、振動子(13)の重心と駆動梁(41)の重心とが半導体層(2b)の一面に平行な面に位置していることを特徴とする。
これによると、駆動梁(41)の重心と振動子(13)の重心とが半導体層(2b)の一面に平行な面に揃うので、重心位置のずれによる振動の偏りを生じさせずに駆動方向に振動子(13)を振動させることができる。
請求項10に記載の発明では、半導体層(2b)の一面から第1キャップ部(10)のうち半導体層(2b)に対向する面までの距離と、支持基板(2a)と検出可動電極(36)との間の距離とが等しいことを特徴とする。
これによると、検出可動電極(36)において第1キャップ部(10)までの距離と支持基板(2a)までの距離とが等しいので、検出可動電極(36)が形成された半導体層(2b)における第1キャップ部(10)側の封止媒体によるダンピング効果と支持基板(2a)側の封止媒体によるダンピング効果とを均一にすることができる。このため、検出可動電極(36)の上下方向の不要振動を低減することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。 図1のA−A断面図である。 振動型角速度センサの製造工程を示した図である。 図3に続く製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る振動型角速度センサの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る振動子の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る振動型角速度センサの一部の断面斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る振動型角速度センサの一部の断面斜視図である。 他の実施形態に係る振動型角速度センサの一部の断面斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される振動型角速度センサは、物理量として角速度を検出するためのセンサであり、例えば車両の角速度の検出に用いられるものである。
図1は、本実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。以下、図1および図2を参照して、振動型角速度センサについて説明する。
振動型角速度センサは、図2に示されるように、板状の基板1の一面に、板状の第1キャップ部10および第2キャップ部20が張り合わされて構成されている。
まず、基板1の構造について説明する。基板1は、第1基板2と第2基板3とで絶縁層4を挟み込んだ3層の構造をなしている。第2基板3の材料は例えばシリコン基板であり、絶縁層4の材料は例えばSiOである
また、第1基板2は、角速度を検出するための構造が形成されたものである。具体的に、第1基板2は、支持基板2aと半導体層2bとで犠牲層2cを挟み込んだ構造をなしており、いわゆるSOI基板として構成されている。このような積層構造によると、第1基板2のうち絶縁層4とは反対側の面すなわち半導体層2bのうち犠牲層2cとは反対側の面が基板1の一面に相当する。
支持基板2aの材料は例えば単結晶シリコンであり、半導体層2bの材料は例えばポリシリコンである。犠牲層2cの材料は例えばSiOである。また、支持基板2aの厚さは例えば450μm〜600μm、犠牲層2cの厚さは例えば数μm、半導体層2bの厚さは例えば15〜30μmである。
そして、半導体層2bには、検出部30、駆動部40、および周辺部50がそれぞれ形成されている。このうちの検出部30は、角速度に伴うコリオリ力を検出するためのものであり、可動部31と固定部32および検出錘配線部33とを備えている。
可動部31は、検出梁34と、検出錘35と、検出可動電極36とを備えている。
検出錘配線部33は、支持基板2aに対して検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36を浮かせて支持するためのものである。この検出錘配線部33は、犠牲層2cの上に固定されている。
検出梁34は、検出錘配線部33と検出錘35とを連結するものであり、バネ性を有するものである。この検出梁34により、検出錘35が検出錘配線部33に一体に連結されて支持されている。したがって、検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36は、支持基板2aの上に一定の間隔で浮遊した状態になっている。
また、検出錘35は、振動型角速度センサに角速度が印加されたときにコリオリ力を受けて検出錘配線部33に対して検出可動電極36を変位させる錘として機能するものであり、四角形状をなしている。検出可動電極36は、検出錘35の長手方向(y軸方向)に対して直角方向に延設され、複数本が櫛歯状に配置されている。
固定部32は、検出固定電極配線部37と検出固定電極38とを備えている。検出固定電極配線部37は、各検出固定電極38と外部とを電気的に接続する部位である。また、検出固定電極配線部37は犠牲層2cの上に固定されており、各検出固定電極38を支持基板2aに対して支持している。
検出固定電極38は、各検出可動電極36の隙間にかみ合うように櫛歯状に配列された断面矩形の梁である。そして、検出固定電極38は、半導体層2bの一部である検出固定電極配線部37に固定されている。したがって、検出可動電極36が検出固定電極38に対向配置されると共に検出固定電極38に対して移動可能とされ、各検出可動電極36と各検出固定電極38とが櫛歯状に配置された櫛歯電極、すなわちコンデンサがそれぞれ構成されている。
上記のように、半導体層2bには電位が異なる検出錘配線部33および検出固定電極配線部37が形成されているが、これらは半導体層2bを貫通して犠牲層2cに達するトレンチ内にSiO等の絶縁体39が埋め込まれたことにより電気的に分離されている。
上記構造を有する検出部30では、支持基板2aの下部の絶縁層4が取り除かれていることにより、第2基板3に対して浮いた状態になっている。
駆動部40は、検出可動電極36の移動方向(y軸方向)に対して直角の駆動方向(x軸方向)に検出部30を振動させるものであり、検出部30の周囲に配置されたものである。このような駆動部40は、駆動梁41と、駆動可動電極42と、駆動固定電極43とを備えている。
駆動梁41は、第2基板3に対して検出部30を浮かせて支持すると共に、検出部30を駆動方向(x軸方向)に振動可能とするための梁として機能するものである。この駆動梁41は、コの字形状における互いに平行な一対の平行棒部が、その長手方向と直交する方向にたわむようになっている。本実施形態では、該平行棒部がy軸方向に平行に配置されているため、検出部30はy軸方向に直交するx軸方向つまり駆動方向に振動可能となっている。本実施形態では、4つの駆動梁41が検出部30に接続されることにより該検出部30を支持している。
駆動可動電極42は、検出部30を構成する支持基板2aの外周部に設けられている。具体的には、駆動可動電極42は、支持基板2aの外周部のうち検出固定電極配線部37において検出固定電極38が突出する方向とは反対側の方向すなわち周辺部50の内周部に向かって突出する櫛歯状の突起部として複数形成されている。
駆動固定電極43は、周辺部50のうち駆動可動電極42に対向する位置に設けられている。このため、駆動固定電極43は、半導体層2bを貫通して犠牲層2cに達するトレンチ内にSiO等の絶縁体44が埋め込まれたことにより周辺部50から電気的に分離されている。また、駆動固定電極43は、駆動可動電極42とかみ合うように櫛歯状の突起部を備えている。
周辺部50は、検出部30に所定の電位を与えるものであり、検出部30から離間して検出部30の周囲に配置されている。具体的には、周辺部50の一部は、駆動梁41を介して検出部30の検出錘配線部33に電気的に接続されている。また、周辺部50の他の一部は、別の駆動梁41を介して検出部30の検出固定電極配線部37に電気的に接続されている。これにより、検出部30の検出可動電極36は、検出錘35、検出梁34、検出錘配線部33、駆動梁41、および周辺部50の一部を介して外部と電気的に接続される。また、検出部30の検出固定電極38は、検出固定電極配線部37、駆動梁41、および周辺部50の他の一部を介して外部と電気的に接続される。
次に、第1キャップ部10および第2キャップ部20について説明する。各キャップ部10、20は、基板1に形成された構造への水や異物の混入などを防止するものである。また、各キャップ部10、20は、基板1のうち検出部30が配置された空間と、駆動部40が配置された空間とを分離する役割も果たす。
第1キャップ部10は、検出部30を第1空間11に気密封止するものである。このため、第1キャップ部10は、半導体層2bのうち検出部30が形成された領域の一面に固定されている。
第1キャップ部10は、該第1キャップ部10のうち可動部31および検出固定電極38と対向する位置に凹部12を有している。この凹部12は、第1キャップ部10が半導体層2bに張り合わされたときに、可動部31および検出固定電極38が第1キャップ部10に接触しないようにするためのものである。
そして、第1キャップ部10は、半導体層2bの一面のうち検出部30の周囲に固定されている。「検出部30の周囲」とは、検出錘配線部33、検出固定電極配線部37、および絶縁体39の領域である。これにより、第1キャップ部10は、検出部30から離間すると共にこれらを覆うことにより検出部30を第1空間11に気密封止している。
第1空間11は、検出部30に適した環境になっている。具体的には、第1空間11は真空でなく適度に気体が充填した大気圧になっており、検出可動電極36と検出固定電極38との間にダンピング効果を持たせている。したがって、センサ全体に不意な衝撃が加わったとしても、検出可動電極36と検出固定電極38とが衝突して破損する可能性を大幅に減らすことができる。
ここで、気体の圧力としては、大気圧のような1気圧に限らず、1気圧よりも高い気圧でも構わない。高い気圧の場合、高いダンピング効果を得ることができる。一方、第1空間11が減圧されて1気圧よりも低い気圧になっていても構わない。この場合、例えば0.5気圧程度の気圧であっても、第1空間11が真空状態になっていなければダンピングの効果は得られる。また、第1空間11に封入される媒体としては、空気の他、水やオイル等の液体、不活性ガス等の気体が用いられても良い。
そして、検出部30と第1キャップ部10とが一体化されたことにより振動子13が構成されている。この振動子13が駆動梁41により周辺部50に支えられ、駆動可動電極42および駆動固定電極43により駆動振動する。
第2キャップ部20は、駆動部40を第1空間11から分離した第2空間21に気密封止するものである。本実施形態では、第2キャップ部20は、半導体層2bの一面のうち駆動部40が配置された位置の周囲に固定され、駆動部40から離間すると共に駆動部40を覆っている。ここで、「駆動部40が配置された位置の周囲」とは周辺部50、駆動固定電極43、および絶縁体44の領域である。
また、第2キャップ部20は、第1キャップ部10を覆うように第1キャップ部10から離間して基板1に固定されている。このため、第2キャップ部20は、該第2キャップ部20のうち第1キャップ部10と駆動部40と対向する位置に凹部22を有している。これにより、第2空間21は、第1キャップ部10と基板1と第2キャップ部20により囲まれた空間とされ、駆動部40はこの第2空間21内に配置される。
なお、「半導体層2bの一面のうち駆動部40が配置された位置の周囲」とは、周辺部50および駆動固定電極43の領域を指す。
第2空間21は、駆動部40に適した空間になっている。具体的には、第2空間21は真空状態になっている。これにより、駆動部40を構成する駆動可動電極42および駆動固定電極43は空気による抵抗(ダンピング)を受けることはない。このため、駆動可動電極42と駆動固定電極43とに小さな電位差を与えるだけで駆動可動電極42の大きな振幅が得られる。
第1キャップ部10および第2キャップ部20の材料としては、例えば、シリコン基板、ガラス、金属、セラミック基板等が用いられる。各キャップ部10、20は直接接合や金属接合等の方法により基板1の一面に接合される。
このように、検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とが完全に分離されているので、検出部30および駆動部40をそれぞれに適した環境に配置することが可能となる。
本実施形態では、第1空間11には気体が封入され、第2空間21は真空状態とされ、各空間11、21の環境は異なっている。すなわち、各空間11、21については、第2空間21の気圧は第1空間11の気圧よりも低くなっているという相対的な気圧の関係になっている。このような気圧の関係によると、第1空間11よりも第2空間21におけるダンピングの効果が低減する。このため、第2空間21に配置された駆動部40による検出部30の駆動振動が抑制されてしまうことはない。
また、第2空間21よりも第1空間11におけるダンピングの効果が高いと言える。このため、第1空間11に配置された検出固定電極38および検出可動電極36は、センサが過大な衝撃を受けても、ダンピングの効果により互いが衝突して破損したりスティッキングしたりすることはない。以上が、本実施形態に係る振動型角速度センサの全体構成である。
次に、上記振動型角速度センサの製造方法について、図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4は、図1のA−A断面に相当する図である。
まず、図3(a)に示す工程では、支持基板2aの上に犠牲層2cが形成され、この犠牲層2cの上に半導体層2bが形成されたSOI基板を用意する。このSOI基板が第1基板2に相当する。
図3(b)に示す工程では、フォトリソグラフィ・エッチング工程により半導体層2bに検出部30、駆動部40、および周辺部50のパターンを形成する。
また、本工程では、検出錘配線部33と検出固定電極配線部37とを絶縁分離し、周辺部50と駆動固定電極43とを絶縁分離するため、半導体層2bを貫通する図示しないトレンチを形成すると共に、各トレンチに絶縁体39、44をそれぞれ埋め込む。
図3(c)に示す工程では、半導体層2bに形成されたパターンのうち、可動部31の検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36の下部の犠牲層2cをHF(フッ化水素)の気相または液相のエッチング媒体で除去する。これにより、検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36を支持基板2aからリリースする。
図4(a)に示す工程では、凹部12が形成された第1キャップ部10を用意し、この第1キャップ部10を大気圧中で半導体層2bの一面に直接接合の方法により接合する。本実施形態では、検出錘配線部33、検出固定電極配線部37、および絶縁体39の上に、第1キャップ部10を接合する。これにより、検出部30を大気圧の第1空間11に気密封止する。
図4(b)に示す工程では、フォトリソグラフィ・エッチング工程により支持基板2aのうち周辺部50、検出部30、駆動梁41、駆動可動電極42、駆動固定電極43となる部分を除いた部分を除去する。これは、支持基板2aのうち犠牲層2cとは反対側の面にレジストを形成し、該レジストをマスクとして支持基板2aをエッチングすることにより行う。これにより、検出部30と第1キャップ部10とにより構成された振動子13は、4本の駆動梁41によりx軸方向にのみ振動可能に支持される。
図4(c)に示す工程では、支持基板2aにおいて犠牲層2cとは反対側の面のうち周辺部50および駆動固定電極43に対応した位置に例えばCVD法により絶縁層4を形成する。そして、この絶縁層4に第2基板3を張り合わせる。
この後、凹部22が形成された第2キャップ部20を用意し、真空雰囲気中で第2キャップ部20を半導体層2bのうち駆動部40の周囲に直接接合の方法により張り合わせる。すなわち、第2キャップ部20を周辺部50、駆動固定電極43、および絶縁体44に張り合わせることにより、駆動部40を第2空間21に気密封止する。こうして、振動型角速度センサが完成する。
なお、上記各工程は1つの振動型角速度センサの製造方法について説明したが、実際には1枚のウェハに多数のセンサを形成し、最終的にウェハをダイシングカットすることにより、個々のセンサに分割する方法が採用される。
上記のようにして製造された振動型角速度センサの角速度検出方法について説明する。振動型角速度センサでは、駆動部40による検出部30の駆動振動中に角速度が発生したとき、検出錘35および検出可動電極36に対して作用するコリオリ力によって検出固定電極38と検出可動電極36との間隔が変化するので、この電極間の容量変化量に基づいて角速度が検出される。
具体的には、駆動固定電極43と振動子13との間に電位差を与えると振動子13はx軸方向に変位する。したがって、駆動固定電極43に振動子13を振動させたい周波数(通常は振動子13の固有振動数)の交流電圧を加えるとその周波数で振動子13は振動を始める。
上述のように、振動子13には2本の検出梁34で振動子13に対してy軸方向にのみ可動なように支持された検出錘35がある。振動子13が振動しているときに、x軸およびy軸に垂直なz軸を中心とする角速度が印加された場合、y軸方向へコリオリ力が発生する。その力によって検出錘35は振動子13に対して相対的にy軸方向へ変位する。
この検出錘35の変位量は、検出可動電極36と検出固定電極38との距離が変化することにより生じる容量の変化を検出することで測定する。このため、検出可動電極36から検出錘35、検出梁34、検出錘配線部33を通じて出力された電気信号と、検出固定電極38から検出固定電極配線部37を通じて出力された電気信号とをC/V変換回路などを用いて電圧信号に変換する。このようにして、角速度を測定する。
以上説明したように、本実施形態では、第1キャップ部10により検出部30を第1空間11に気密封止し、第2キャップ部20により駆動部40を第1空間11とは異なる第2空間21に気密封止したことが特徴となっている。
これによると、検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とが第1キャップ部10および第2キャップ部20により完全に分離されるので、各空間11、21の環境を異ならせることができる。すなわち、検出部30が配置された第1空間11を真空ではない気圧に設定することでダンピング効果を高め、各検出電極36、38が衝突することやスティッキングを起こすことを防止できる。一方、駆動部40が配置された第2空間21を真空とすることでダンピング効果を無くし、振動子13の駆動を容易に行うことができる。このようにして、第1空間11を各検出電極36、38に適した環境にすることができると共に、第2空間21を駆動部40に適した環境にすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上述のように、検出部30には第1キャップ部10が接合されて振動子13が構成されているが、駆動梁41には何も接合されていない。そして、検出部30に第1キャップ部10が接合されたことにより振動子13は駆動梁41よりも重くなる。このため、振動子13の重心は第2キャップ部20側に位置する一方、駆動梁41の重心は第2基板3側に位置することになる。これにより、振動子13の振動が円弧を描くようになってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、半導体層2bの一面に平行な方向における振動子13の重心と駆動梁41との重心の位置を揃えたことが特徴となっている。
図5は、本実施形態に係る振動型角速度センサの断面図であり、図1のA−A断面に相当する図である。この図に示されるように、駆動梁41は、半導体層2bのみにより構成され、振動子13を第2基板3に対して離間して支持している。すなわち、駆動梁41を構成する半導体層2bの下部の犠牲層2c、支持基板2a、および絶縁層4が取り除かれており、駆動梁41を構成する半導体層2bが第2基板3から離間している。これにより、駆動梁41の重心は半導体層2bのみにより決まる。また、振動子13は駆動梁41により第2基板3に対して離間して支持されている。
また、第1キャップ部10のうち最も厚い部分の厚さと支持基板2aの厚さと犠牲層2cの厚さとを合わせた厚さとが同じになっている。すなわち、第1キャップ部10のうち最も厚い部分の厚さをaとし、支持基板2aの厚さと犠牲層2cの厚さとを合わせた厚さをbとすると、a=bという関係になっている。
以上の構造により、振動子13の重心と駆動梁41の重心とが半導体層2bの一面に平行な面に揃う。したがって、振動子13の重心と駆動梁41の重心との位置のずれによる振動の偏りを生じさせずに振動子13を振動させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図6は、本実施形態に係る振動子13の断面図であり、図1のA−A断面に相当する図である。この図に示されるように、半導体層2bの一面から第1キャップ部10のうち半導体層2bに対向する面までの距離と、支持基板2aと半導体層2bとの間の距離とが等しくなっている。
すなわち、支持基板2aから離間している検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36を構成する半導体層2bの一面から第1キャップ部10のうち検出梁34等に対向する面までの距離をcとし、支持基板2aと検出梁34等との間の距離をdとすると、c=dという関係になっている。
このような構造により、検出梁34、検出錘35、および検出可動電極36を構成する半導体層2bにおいて第1キャップ部10側の封止媒体によるダンピング効果と支持基板2a側の封止媒体によるダンピング効果とを揃えることができる。このため、検出錘35のz方向の不要振動を低減することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、駆動部40は、駆動梁41、駆動可動電極42、および駆動固定電極43により構成され、駆動固定電極43に交流電圧が印加されることにより振動子13を振動させていた。一方、本実施形態では、第2キャップ部20が第1キャップ部10を覆っているという構造を利用して、振動子13を電磁駆動することが特徴となっている。
図7は、本実施形態に係る振動型角速度センサの一部の断面斜視図である。上述のように、第2キャップ部20は、第1キャップ部10を覆うように第1キャップ部10から離間して基板1に固定されている。
第1キャップ部10は、該第1キャップ部10の一部または全部が基板1の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体により構成されている。
第2キャップ部20は、図7に示されるように、検出可動電極36の移動方向に平行な配線23を備えている。この配線23は、第2キャップ部20において第1キャップ部10に対向する面とは反対側の面に設けられており、図示しないパッドを介して外部と電気的に接続されている。配線23の材料としては例えばAlが用いられる。
そして、本実施形態では、駆動部40は、第1キャップ部10の磁性体と、第2キャップ部20の配線23とにより構成されている。
このような駆動部40の構成によると、配線23に電流が流れると共に配線23に磁界が作用することにより、配線23に駆動方向のローレンツ力が発生する。したがって、配線23に交流電流を流すことにより所定の周波数で振動子13にローレンツ力が発生するので、このローレンツ力を利用して検出部30を駆動方向に振動する。
以上のように、第1キャップ部10が第2キャップ部20に覆われた構造を利用することにより振動子13を駆動方向に振動させることができる。また、上記のように駆動部40を構成することにより、駆動可動電極42および駆動固定電極43の構造を不要とすることもできる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図8は、本実施形態に係る振動型角速度センサの一部の断面斜視図である。
第1キャップ部10は、図8に示されるように、検出可動電極36の移動方向に平行な配線14を備えている。この配線14は、第1キャップ部10のうち第2キャップ部20と対向する面に設けられており、図示しない経路を介して外部と電気的に接続されている。配線14の材料としてはAlが用いられる。
第2キャップ部20は、該第2キャップ部20の一部または全部が基板1の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体により構成されている。すなわち、磁界の向きは、第1キャップ部10と第2キャップ部20との積層方向に平行な方向である。
そして、本実施形態では、駆動部40は、第1キャップ部10の配線14と、第2キャップ部20の磁性体とにより構成されている。
以上のように、第1キャップ部10に配線14を設け、第2キャップ部20の一部または全部を磁性体としても、第4実施形態と同様に、配線14に発生するローレンツ力を利用して振動子13を駆動方向に振動させることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された振動型角速度センサは一般的に2つを1組として用いられる。また、各センサは逆相で用いられる。この場合、第2キャップ部20に1つの凹部22を設け、この1つの凹部22により形成された第2空間21に2つの振動子13を配置する構造を採用することができる。また、1つの第2キャップ部20に2つの凹部22を設け、各凹部22により形成された2つの第2空間21に2つの振動子13をそれぞれ配置する構造を採用することもできる。
このように、2つの振動子13をセットで用いる構造は、例えば、第4実施形態で示されたように駆動部40を構成した場合にも適用することができる。この場合、図9に示されるように、各振動子13を構成する各第1キャップ部10の磁界の向きを互いに逆方向に設定する。これにより、各配線23に同じ方向に交流を流すことにより、各振動子13を逆相で駆動することができる。なお、第5実施形態の構造に適用する場合には、各振動子13の各配線14に流れる電流の方向を互いに逆方向にすれば良い。
上記各実施形態では、半導体層2bに一定の間隔を設けて周辺部50と検出部30とに間隔を設けていたが、振動子13の可動範囲のみの隙間が設けられていれば良い。これにより、第2空間21の空間領域が小さくなる。これによると、製造上、センサを作りやすいという利点がある。また、第2空間21の空間領域が小さくなるので、リーク等が起こりにくい構造とすることができ、センサの信頼性も向上する。
上記各実施形態では、検出部30の周囲に駆動部40が配置された構造を有する振動型角速度センサについて示されているが、駆動部40の周囲に検出部30が配置された構造についても検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とを分離することができる。
この場合、基板1の一面には、検出部30、および駆動部40から離間するように、検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とを分離した分離部が固定される。すなわち、分離部は、駆動部40を覆うと共に駆動部40から離間するように基板1の一面に固定される。これによると、分離部のみで検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とが完全に分離される。例えば、検出部30の各検出電極36、38にはダンピング効果を持たせるために第1空間11を大気圧とし、駆動部40にはダンピング効果を持たせないために分離部により囲まれた第2空間21を真空とすることができる。この場合、第2キャップ部20を分離部として用いることができる。
もちろん、検出部30の周囲に駆動部40が配置された上記各実施形態の各構造において、検出部30を分離部で覆う構造とすることもできる。この場合、第1キャップ部10が分離部として用いられ、第2キャップ部20は用いられない。そして、第1空間11は分離部である第1キャップ部10で封止され、駆動部40が配置された第2空間21は大気中に配置されることとなる。このような場合であっても、第1空間11を1気圧より高い気圧とすれば、第1空間11でのダンピング効果を向上させることができる。
このように1つの分離部を用いるだけでも、駆動部40は分離部によって覆われて検出部30が配置された第1空間11とは異なる第2空間21に配置されることになるから、各空間11、21の環境をそれぞれ異ならせることができる。以上のように、検出部30および駆動部40の配置の状況によっては、1つの分離手段により検出部30が配置された第1空間11と駆動部40が配置された第2空間21とをそれぞれ異なる環境にすることができる。
上記各実施形態では、先に第1基板2を用意し、この第1基板2に検出部30や駆動部40を形成した後、第1基板2に絶縁層4を形成して第2基板3を張り合わせている。しかし、この製造方法は一例を示したものであり、他の方法によってセンサを製造しても良い。例えば、予め基板1を用意し、この基板1に検出部30等を形成していく方法でも良い。
1 基板
2 第1基板
2a 支持基板
2b 半導体層
2c 犠牲層
3 第2基板
4 絶縁層
10 第1キャップ部
11 第1空間
13 振動子
14 配線
20 第2キャップ部
21 第2空間
23 配線
30 検出部
36 検出可動電極
38 検出固定電極
40 駆動部
41 駆動梁

Claims (10)

  1. 基板(1)の一面側に形成され、この基板(1)の一部に支持された検出固定電極(38)と、前記検出固定電極(38)に対向配置されると共に前記検出固定電極(38)に対して変位可能とされた検出可動電極(36)とそれを支持する検出梁(34)を有する検出部(30)と、
    前記基板(1)の一面側に形成され、前記検出可動電極(36)の移動方向に対して直角の駆動方向に前記検出部(30)を振動させる駆動可動電極(42)、駆動固定電極(43)と駆動梁(41)を含む駆動部(40)とを備え、
    前記検出部(30)の駆動振動中に角速度が発生したとき、前記検出部(30)に対して作用するコリオリ力で変位する前記検出可動電極(36)と前記検出固定電極(38)との間隔の変化に伴う容量変化に基づいて前記角速度を検出するようにした振動型角速度センサであって、
    前記検出部(30)、および前記駆動部(40)から離間するように前記基板(1)の一面に固定され、前記検出部(30)が配置された第1空間(11)と前記駆動部(40)が配置された第2空間(21)とを分離した分離部(10、20)を備えており、
    前記第2空間(21)の気圧は、前記第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることを特徴とする振動型角速度センサ。
  2. 前記検出部(30)は、前記駆動部(40)の周囲に位置しており、
    前記分離部(20)は、前記駆動部(40)を覆うと共に前記駆動部(40)から離間するように前記基板(1)の一面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の振動型角速度センサ。
  3. 前記駆動部(40)は、前記検出部(30)の周囲に位置しており、
    前記分離部(10)は、前記検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うように前記基板(1)の一面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の振動型角速度センサ。
  4. 基板(1)の一面側に形成され、この基板(1)の一部に支持された検出固定電極(38)と、前記検出固定電極(38)に対向配置されると共に前記検出固定電極(38)に対して変位可能とされた検出可動電極(36)とそれを支持する検出梁(34)を有する検出部(30)と、
    前記基板(1)の一面側に形成され、前記検出可動電極(36)の移動方向に対して直角の駆動方向に前記検出部(30)を振動させる駆動可動電極(42)、駆動固定電極(43)と駆動梁(41)を含む駆動部(40)とを備え、
    前記検出部(30)の駆動振動中に角速度が発生したとき、前記検出部(30)に対して作用するコリオリ力で変位する前記検出可動電極(36)と前記検出固定電極(38)との間隔の変化に伴う容量変化に基づいて前記角速度を検出するようにした振動型角速度センサであって、
    前記基板(1)の一面のうち前記検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、前記検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより前記検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、
    前記基板(1)の一面のうち前記駆動部(40)が配置された位置の周囲に固定され、前記駆動部(40)から離間すると共に前記駆動部(40)を覆うことにより前記駆動部(40)を前記第1空間(11)から分離した第2空間(21)に封止した第2キャップ部(20)とを備えており、
    前記第2空間(21)の気圧は、前記第1空間(11)の気圧よりも低くなっていることを特徴とする振動型角速度センサ。
  5. 基板(1)の一面側に形成され、この基板(1)の一部に支持された検出固定電極(38)と、前記検出固定電極(38)に対向配置されると共に前記検出固定電極(38)に対して変位可能とされた検出可動電極(36)とそれを支持する検出梁(34)を有する検出部(30)と、
    前記基板(1)の一面側に形成され、前記検出可動電極(36)の移動方向に対して直角の駆動方向に前記検出部(30)を振動させる駆動可動電極(42)、駆動固定電極(43)と駆動梁(41)を含む駆動部(40)とを備え、
    前記検出部(30)の駆動振動中に角速度が発生したとき、前記検出部(30)に対して作用するコリオリ力で変位する前記検出可動電極(36)と前記検出固定電極(38)との間隔の変化に伴う容量変化に基づいて前記角速度を検出するようにした振動型角速度センサであって、
    前記基板(1)の一面のうち前記検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、前記検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより前記検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、
    前記第1キャップ部(10)を覆うように前記第1キャップ部(10)から離間して前記基板(1)に固定され、前記第1キャップ部(10)との間に前記第1空間(11)から分離した第2空間(21)を形成した第2キャップ部(20)とを備え、
    前記第2空間(21)の気圧は、前記第1空間(11)の気圧よりも低くなっており、
    前記駆動部(40)は、前記第1キャップ部(10)に設けられた前記移動方向に平行な配線(14)と、前記第2キャップ部(20)の一部であると共に前記基板(1)の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体とにより構成されており、前記配線(14)に電流が流れると共に前記配線(14)に磁界が作用することにより前記配線(14)に発生するローレンツ力を利用して前記検出部(30)を前記駆動方向に振動するようになっていることを特徴とする振動型角速度センサ。
  6. 基板(1)の一面側に形成され、この基板(1)の一部に支持された検出固定電極(38)と、前記検出固定電極(38)に対向配置されると共に前記検出固定電極(38)に対して変位可能とされた検出可動電極(36)とそれを支持する検出梁(34)を有する検出部(30)と、
    前記基板(1)の一面側に形成され、前記検出可動電極(36)の移動方向に対して直角の駆動方向に前記検出部(30)を振動させる駆動可動電極(42)、駆動固定電極(43)と駆動梁(41)を含む駆動部(40)とを備え、
    前記検出部(30)の駆動振動中に角速度が発生したとき、前記検出部(30)に対して作用するコリオリ力で変位する前記検出可動電極(36)と前記検出固定電極(38)との間隔の変化に伴う容量変化に基づいて前記角速度を検出するようにした振動型角速度センサであって、
    前記基板(1)の一面のうち前記検出部(30)が配置された位置の周囲に固定され、前記検出部(30)から離間すると共にこれらを覆うことにより前記検出部(30)を第1空間(11)に封止した第1キャップ部(10)と、
    前記第1キャップ部(10)を覆うように前記第1キャップ部(10)から離間して前記基板(1)に固定され、前記第1キャップ部(10)との間に前記第1空間(11)から分離した第2空間(21)を形成した第2キャップ部(20)とを備え、
    前記第2空間(21)の気圧は、前記第1空間(11)の気圧よりも低くなっており、
    前記駆動部(40)は、前記第1キャップ部(10)の一部であると共に前記基板(1)の一面に垂直な磁界を発生させる磁性体と、前記第2キャップ部(20)に設けられた前記移動方向に平行な配線(23)とにより構成されており、前記配線(23)に電流が流れると共に前記配線(23)に磁界が作用することにより前記配線(23)に発生するローレンツ力を利用して前記検出部(30)を前記駆動方向に振動するようになっていることを特徴とする振動型角速度センサ。
  7. 前記基板(1)は、第1基板(2)と第2基板(3)とで絶縁層(4)を挟み込んだ構造をなしており、
    前記検出部(30)および前記駆動部(40)は、前記第1基板(2)にそれぞれ形成されており、
    前記第1キャップ部(10)および前記第2キャップ部(20)は、前記第1基板(2)の一面に固定されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
  8. 前記第1基板(2)は、支持基板(2a)と半導体層(2b)とで犠牲層(2c)を挟み込んだ構造をなしており、前記検出固定電極(38)および前記検出可動電極(36)は前記半導体層(2b)に形成されており、
    前記第1キャップ部(10)および前記第2キャップ部(20)は、前記半導体層(2b)において前記犠牲層(2c)とは反対側の一面に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の振動型角速度センサ。
  9. 前記第1キャップ部(10)が前記半導体層(2b)の一面に固定されたことにより、前記第1キャップ部(10)と前記検出部(30)とにより振動子(13)が構成され、 前記駆動部(40)は前記振動子(13)の周囲に配置され、前記振動子(13)に接続された駆動梁(41)を備えており、
    前記駆動梁(41)は前記第1基板(2)のうちの前記半導体層(2b)に形成されると共に該半導体層(2b)と前記第2基板(3)との間の前記犠牲層(2c)、前記支持基板(2a)、および前記絶縁層(4)が取り除かれており、さらに、前記振動子(13)を前記第2基板(3)に対して離間して支持しており、
    前記第1キャップ部(10)のうち最も厚い部分の厚さと、前記支持基板(2a)の厚さと前記犠牲層(2c)の厚さとを合わせた厚さとが同じになっていると共に、前記振動子(13)の重心と前記駆動梁(41)の重心とが前記半導体層(2b)の一面に平行な面に位置していることを特徴とする請求項8に記載の振動型角速度センサ。
  10. 前記半導体層(2b)の一面から前記第1キャップ部(10)のうち前記半導体層(2b)に対向する面までの距離と、前記支持基板(2a)と前記検出可動電極(36)との間の距離とが等しいことを特徴とする請求項8または9に記載の振動型角速度センサ。
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