JP4779448B2 - 形状測定器 - Google Patents
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Description
前記測定プローブ32を軸方向へ移動可能に支持する支持手段42と、
前記測定プローブ32の軸方向移動量を測定する位置検出器44とを備える形状測定器において、既知の被測定物Wを測定することで(S12)、前記支持手段42により支持された前記測定プローブの軸方向の水平面に対する傾斜角度αを推定する傾斜推測手段(S20)と、推定した傾斜角度αにより生じる誤差を減算することで前記位置検出器44の出力を補正する補正手段(S58)とを備え、
前記支持手段は、前記測定プローブが取り付けられ、自重で後退するように水平面に対して傾斜角度を持たせたシリンダを支持し、前記測定プローブの取り付けられたシリンダを前記被測定物側へ付勢するエアーシリンダを有し、
前記傾斜推定手段は、次式に傾斜角度αとして種々の値を入れて誤差Eを求めて収束計算を行い、誤差Eが最小となる傾斜角度の値を前記傾斜角度と推定することを技術的特徴とする。
E=dZ(1−cosθ/cos(θ+α))
dZ:2点間のZ軸方向の距離 θ:測定面が垂線となす角度
特に、E=dZ(1−cosθ/cos(θ+α))の式に傾斜角度αとして種々の値を入れて誤差Eを求めて収束計算を行い、誤差Eが最小となる傾斜角度の値を傾斜角度と推定するため、設計値に対してプラス側とマイナス側に振った種々の角度値を用いて収束計算を行うことで、微少誤差の範囲で傾斜角度を推定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る形状測定器を搭載する超精密加工機の構成を示している。
超精密加工機10は、ワークWを固定するワーク固定台12と、工具16を保持する砥石軸14と、砥石軸14をX方向へ送るサーボモータ22と、Y軸方向へ送るサーボモータ24と、Z軸方向へ送るサーボモータ26とを備える。ワークWの形状を測定プローブ32により測定する形状測定器30が、砥石軸14と併設されている。
形状測定器30は、エアシリンダ40により付勢される主動シリンダ34と、該主動シリンダ34にブラケット38により連結された従動シリンダ36とを備える。従動シリンダ36には、測定プローブ32が取り付けられている。主動シリンダ34及び従動シリンダ36は、エアベアリング42により傾斜状態で支持されている。即ち、エアベアリング42で、主動シリンダ34及び従動シリンダ36の自重で後退する(図中左方向に向かう)ように微少の傾斜を持たせて支持している。従動シリンダ36には位置検出器としてリニアスケール44が設けられている。形状測定器30は、従動シリンダ36のストロークが10mmに設定され、後述するように測定圧を、数10mgf〜数100mgfの範囲で調整可能に構成されている。なお、この実施形態では、主動シリンダ34と従動シリンダ36とを設けることで、円柱状のシリンダの回り止めがなされる。
形状測定器30には、空気圧を発生する空圧機器50と、形状測定器30のエアシリンダ40への供給気圧を調整するシリンダ給気圧制御機器52とが接続されている。空圧機器50からの気圧は、エアベアリング42へ直接供給されるように構成されている。リニアスケール44からの出力は、位置検出部54へ入力され、検出された位置は、演算部56側へ出力され、後述するように傾斜角度誤差分が補正される。なお、傾斜角度αは図3中では理解のために大きく傾けてあるが、実際には肉眼では水平と区別できない程微少角度である。
本実施形態の形状測定器30では、エアベアリング42で、測定プローブ32を備える従動シリンダ36及び主動シリンダ34の自重で後退するように傾斜角度αを持たせて支持する。エアシリンダ40の摩擦力は非常に小さい。ここで、従動シリンダ36及び主動シリンダ34の後退する力は、エアベアリングでの傾斜角度αによって生じ、自重mに比べて遙かに小さいmgsigαとなる。一方、エアシリンダ40で、測定プローブ32をワークW側へ突出させるように押出力Fcで付勢する。このため、ワークWへの測定プローブ32の接触力Fは、エアベアリング42で傾斜を持たせて支持された従動シリンダ36及び主動シリンダ34の自重による後退力(測定子自重傾斜成分)mgsigαと、エアシリンダ40の押出力Fcとの差分(F=Fc−mgsigα)になるので、接触力Fを非常に小さくするように、数10mgfまで調整することが可能である。このため、アルミニューム製品、樹脂製品等の甦生変形し易い被測定物の表面を変形させることなく測定できる。
ここでは、図5(A)に示すように、ワークWに対して、測定プローブをY軸上に移動して測定プローブ32の先端がP1からP2に変化した場合を考える。
Y軸方向への移動量dYに対して、測定プローブの変化(リニアスケール44での測定値)はdP(=dZ)となり、誤差を含まない。ここで、θは、測定面と垂線(図5(B)中で測定プローブの軸方向に対する垂線)とのなす角度(傾き)、測定角である。dZは、測定面の傾きθによる形状変化量である。
Y軸方向への移動量dYに対して、測定プローブの傾きα分に起因する誤差が生じ、測定プローブの変化(リニアスケール44での測定値)はdP(≠dZ)となり、正確な測定ができない。
ここでは、dPを斜辺とする直角三角形(dP、L、α+β)を考える。dPは次式で表せる(dZ:2点間のZ軸方向の距離 θ:測定面が垂線となす角度(測定角) L:斜辺dPの測定面側の反対端から測定面に対して結んだ垂線から成る辺 α+β:斜辺dPと辺Lとの成す角)。
dP=L/cos(α+β)
また、dZ、L、βから
dZ=L/cosβ
ここで、β=θとなるため、
dP/dZ=cosθ/cos(θ+α)
従って、dPは次式で表せる
dP=dZcosθ/cos(θ+α)
まず、形状測定器30により真球の形状を測定する(S12)。即ち、ワーク固定台12に傾斜角度誤差測定用の真球を固定し、走査用の移動ステージ(加工機制御軸)を駆動し測定プローブ32を真球側に押し付ける。この状態で、更に走査用の移動ステージ(加工機制御軸)を駆動して測定面をY軸方向へ走査し、被測定物(真球)におけるY軸方向へ走査した時のZ軸方向の誤差Eの総和を、被測定物(真球)の形状データと測定値との差分をY軸走査時の分解能毎に加算して求める。測定プローブ32は、被測定物(真球)の形状に倣って移動するため、そのときの測定プローブ32の軌跡が、被測定物(真球)の形状となる。
図8は、形状測定器による形状測定処理を示すフローチャートである。
形状測定器30により、図1に示す工具16により加工の完了したワーク固定台12上のワークWを形状測定する(S52)。即ち、走査用の移動ステージ(加工機制御軸)を駆動し測定プローブ32をワークWに押し付けた状態で、更に走査用の移動ステージ(加工機制御軸)を駆動して測定面をY軸方向へ走査する。測定プローブ32は、ワークWの形状に倣って移動するため、そのときの測定プローブ32の軌跡が、ワークWの形状となる。この測定した形状の1例を図9(A)に示す。次に、測定した形状を座標変換して、図9(B)に示すように形状の頂点が座標の原点と合うようにする(S54)。
30 形状測定器
32 測定プローブ
34 主動シリンダ
36 従動シリンダ
40 エアシリンダ
42 エアベアリング
44 リニアスケール
W ワーク(被測定物)
Claims (1)
- 被測定物の表面に接触する測定プローブと、
前記測定プローブを軸方向へ移動可能に支持する支持手段と、
前記測定プローブの軸方向移動量を測定する位置検出器とを備える形状測定器において、
既知の真球を測定することで、前記支持手段により支持された前記測定プローブの軸方向の水平面に対する傾斜角度を推定する傾斜推測手段と、
推定した傾斜により生じる誤差を減算することで前記位置検出器の出力を補正する補正手段とを備え、
前記支持手段は、前記測定プローブが取り付けられ、自重で後退するように水平面に対して傾斜角度を持たせたシリンダを支持し、前記測定プローブの取り付けられたシリンダを前記被測定物側へ付勢するエアーシリンダを有し、
前記傾斜推定手段は、次式に傾斜角度αとして種々の値を入れて誤差Eを求めて収束計算を行い、誤差Eが最小となる傾斜角度の値を前記傾斜角度と推定することを特徴とする形状測定器。
E=dZ(1−cosθ/cos(θ+α))
dZ:2点間のZ軸方向の距離 θ:測定面が垂線となす角度
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