JP4774220B2 - 引戸の任意位置停止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自閉式の引戸を全開を含む所定区間において任意の開き位置に保持すると共に火災時にはその保持を解除する引戸の任意位置停止装置の改良に関する。
一般に、引戸は、例えば引戸を吊り下げるためのレールを閉じ側に傾斜させたり、つるまきバネ等の蓄勢力を利用して引戸を閉じ側に付勢する等して、開いた状態から自動的に閉じるように自閉式に構成されることがある。その一方、この自閉式の引戸を任意の開き位置に保持する構成を備える場合もある。この任意位置停止装置は通常時においては引戸を任意の開き位置に保持するため、引戸はその開き位置で停止する。そして、火災時には火災検知機からの信号を受けてその保持が解除されるため、引戸は自閉して全閉となる。
このような任意位置停止装置としては例えば下記公知文献1、2に記載されたようなものが存在する。この任意位置停止装置は、引戸に取り付けられて引戸の開閉動作と共に左右に移動するものであって、通常時には、レールを押圧することによって引戸を停止させたり、レール上を走行するローラを押圧することによって引戸を停止させたりする。そして、火災時には、火災検知機からの信号を受けてレールやローラの押圧をソレノイド等によって解除する。
しかしながら、ソレノイド等の駆動機構が引戸側に取り付けられて引戸の開閉動作に応じて左右に移動するためその電力供給のための配線処理が問題となり、また、火災検知機からの信号を受ける際の信号受信の配線処理も問題となる。これに対して電池による駆動も考えられるが長期使用には適していないため実用には不向きであり、無線受信も考えられるが火災時は万一の事態であるため受信の確実性に乏しいなどの問題がある。何れにしても、現実的には電力供給や受信のための配線を壁側から行うこととなり、その配線処理が困難であるという問題が生じる。
かかる配線処理の問題を解消すべく、下記特許文献3,4では、保持及び解除のために可動部材を駆動する部分と火災検知機から受信する部分とを引戸側ではなく壁側に取り付ける構成が提案されている。
特開平9−119259号公報 特開2000−87638公報 特開平10−159435号公報 特開2003−27827公報
しかしながら、可動部材の長さが短いために引戸を保持できる区間が短いという問題がある。該区間を長くしようとすると可動部材も長くなり、その駆動が大がかりなものとなって故障の要因にもなる。
そこで本発明は、駆動や受信等のための配線処理が楽で、且つ、簡単な構成によって広い区間に亘って引戸を保持することができる引戸の任意位置停止装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る引戸の任意位置停止装置は、自閉式の引戸を全開を含む所定区間において任意の開き位置に保持すると共に火災時等の緊急時には外部から信号を受けて引戸の保持を解除する引戸の任意位置停止装置において、上下方向の位置調節が可能に引戸の戸先側と戸尻側に設けられた取付部材を介して引戸側に取り付けられる被保持部材と、壁側に取り付けられる装置本体とを備え、被保持部材は、引戸の開閉方向に沿って伸びる長尺状部を有し、装置本体は、長尺状部をその長手方向の任意の位置で上下方向に押圧することにより保持する保持部材を備え、該保持部材は、緊急時には外部から信号を受けて長尺状部から離れる方向に移動して長尺状部の保持を解除する構成であり、引戸の全開時において、長尺状部の、保持部材によって押圧される箇所は、押圧側とは反対側から引戸の戸先側の取付部材によって支えられることを特徴とする。
該構成の引戸の任意位置停止装置にあっては、長尺状部を保持すると共に外部から信号を受けて長尺状部の保持を解除する装置本体が、引戸側ではなく戸枠等の壁側に取り付けられる構成であるので、長尺状部を保持したり解除したりするために要する電力供給のための配線や、外部から信号を受けるための配線が壁側に配置されることになる。そして、引戸側に長尺状部を有する被保持部材を取り付けてその長手方向の任意の位置を保持する構成であるため、被保持部材を保持するための部材が小型で済むと共に、長尺状部を有する被保持部材を駆動等する必要がないので、容易に長い区間で停止させることができる。しかも、装置本体を全閉時の引戸の戸尻側端部の近くに配置することが可能となり、引戸を壁に収納する仕様にも適用可能となる。また、引戸の全開時は最も停止される頻度の高い箇所であるが、その全開時において、長尺状部の、保持部材によって押圧される箇所は、押圧側とは反対側から引戸の戸先側の取付部材によって支えられるために保持部材によって押圧されても変形等しにくく、従って、引戸をその全開位置に確実に保持することができる。
特に、引戸の保持力が調節可能に構成されていることが好ましい。被保持部材を保持する構成は押圧によるものや磁力によるものなど種々あるが、何れにしても、その保持力が調節可能に構成されることによって設置箇所の条件に応じて適宜保持力を調節できて確実に停止させることができる。
また、長尺状部の上下位置が調節可能に構成されることにより保持力が被保持部材側で調節可能とされていることが好ましい。保持部材によって長尺状部を上下方向に押圧して保持し離れる方向に移動することでその保持を解除する構成の場合には、長尺状部の上下位置を調節可能とすることによって保持力の調節を被保持部材側で容易に調節することができる。尚、緊急時において保持部材が長尺状部から完全に離れなくてもよい。また、被保持部材自体の上下位置を調節可能とするものの他に、被保持部材のうちの長尺状部のみがその上下位置を調節可能に構成されていてもよい。
特に、引戸に対する被保持部材の取付位置を上下方向に調節可能に構成することにより、簡単な構成によって長尺状部の上下位置を調節可能とすることができ、被保持部材を引戸に取り付ける際に保持力を容易に調節することができる。
また、保持部材の上下位置が調節可能に構成されることにより保持力が装置本体側で調節可能とされていることが好ましい。上述したように保持力を被保持部材側で調節できるようにすることもできるが、保持部材の上下位置を調節可能に構成することによって装置本体側でも保持力を容易に調節することができる。この場合、装置本体全体を上下方向に位置調節可能に構成しても、あるいはまた、保持部材のみを調節可能としてもよい。
特に、装置本体の取付位置が上下方向に調節可能に構成されていれば、簡単な構成によって保持部材の上下位置を調節可能とすることができ、装置本体を引戸に取り付ける際に保持力を容易に調節することができる。
持部材は引戸の全閉時においては長尺状部を押圧しないように構成されていることが好ましい。保持部材が全閉時において長尺状部を押圧しないことによって、開き始めの際の力が小さくて済む。
また、壁には、引戸の開き動作によって開口する開口部の上方所定領域を点検口とすべく該上方所定領域を着脱自在に覆う蓋パネルが設けられ、装置本体の取付部は蓋パネルの取り外しにより表出することが好ましい。装置本体を壁側に取り付けるための取付部が蓋パネルを取り外すことによって表出するので、点検口となった上方所定領域を介して装置本体を取り外して修理や交換等を容易に行うことができ、特に、壁内に引戸が収納されるいわゆる壁収納仕様に適している。
更に、装置本体の取付部が、装置本体の戸先側に偏心した位置に設けられていることが好ましく、装置本体全体を表出させずとも装置本体の取付部を容易に表出させることができる。
以上のように、本発明における引戸の任意位置停止装置にあっては、装置本体を壁側に取り付ける構成としたため電力供給や外部からの信号受信に対する配線の処理が楽になり、しかも、引戸側に長尺状部を有する被保持部材を取り付ける構成としたため、被保持部材を保持するための構成が簡素化でき、且つ、広い区間に亘って引戸を保持することができる。
以下、本発明に係る引戸の任意位置停止装置の一実施形態について図1乃至図8を参酌しつつ説明する。
本実施形態における引戸の任意位置停止装置は、例えば、図1に示すように、開いた状態から自動的に閉じる構成のいわゆる自閉式の引戸4に適用され、図1は引戸4が全閉状態である場合を、図2は通常時において引戸4が全開の位置に保持されている場合を、図3は火災時において引戸4の保持が解除された瞬間の状態をそれぞれ示している。ここで、1は戸先側の縦枠で、2は戸尻側の縦枠で、3は両縦枠1,2の上端部同士を横方向に連結する上枠であり、縦枠1,2と上枠3は戸枠を構成する。該上枠3には引戸4を吊り下げるレール5が取り付けられ、引戸4の上端部に取り付けられた戸車6がレール5上を走行することで引戸4がスライドして開閉する。尚、戸車6は、引戸4の戸先側と戸尻側の二箇所にそれぞれ戸車支持部材7(図4参照)を介して取り付けられている。
また、引戸4は、つるまきバネ等の蓄勢力を利用して引戸4を閉じ側に付勢する自閉力蓄勢装置11により自動的に閉じる構成である。該自閉力蓄勢装置11は上枠3の戸先側に取り付けられてそのつるまきバネを蓄勢させるワイヤ12が引戸4に繋がれており、従って、引戸4の開き動作に応じてワイヤ12が図中右側へと引っ張り出され、それに伴ってつるまきバネは蓄勢し、その蓄勢力がワイヤ12を介して引戸4へと伝達されて引戸4を閉じ側に付勢する。尚、レール5を戸先側に向けて下方に傾斜させることで、引戸4をその自重により閉じ側に付勢する構成としてもよい。
更に、戸先側の戸車支持部材7には、ピニオンギヤ(図示省略)を有する制動装置8が取り付けられており、引戸4が全閉する手前で制動装置8のピニオンギヤがレール5の戸先側に設けられたラック9に噛合することによって引戸4は減速し、従って引戸4は勢い良く全閉しない。尚、戸尻側の縦枠2には全開時の引戸4の衝突を緩和すべく戸当たり10が取り付けられている。
そして、このような自閉式の引戸4に、引戸4を全開を含む所定区間において任意の開き位置に保持すると共に火災時には火災検知機から信号を受けて引戸4の保持を解除する引戸の任意位置停止装置が用いられている。具体的には、該任意位置停止装置は、引戸4に取り付けられる被保持部材としての保持レール20と、上枠3に取り付けられる装置本体30とを備える。保持レール20は、引戸4の開閉方向に沿って伸びる長尺状部を有するものであって、本実施形態においては一本の棒状体、具体的には角棒であって、全体が長尺状部として構成されている。より詳細には、二つの戸車6間を橋渡しするように戸車6の上方に位置しており、図4のように各戸車支持部材7に取付部材21を介して取り付けられている。
取付部材21は、逆L字状に折り曲げ形成された板状のものであって、その縦板部21aには上下方向に長い取付用の長孔22が上下一対設けられ、該長孔22を介して戸車支持部材7に上下方向に位置調節可能に取り付けられる。そして、該取付部材21の天板部21b上に保持レール20がネジ止めにより取り付けられる。尚、保持レール20は、天板部21bの下方からネジを螺入することにより取り付けられる。従って、保持レール20は、取付部材21を戸車支持部材7に長孔22により上下方向に位置調節可能に取り付ける構成とすることにより、その取付位置が上下方向に調節可能とされており、その結果、その上面20aの高さが調節可能とされている。尚、戸先側、戸尻側の何れも同様に取付部材21には長孔22が形成されており、戸先側と戸尻側の二箇所で保持レール20の高さ調節が可能になっている。尚、図4では、保持レール20を最も下方の位置に調節した場合を示している。保持レール20を保持部材31から相対的に上下方向に離すと押圧力(保持力)を減少方向に調節できる。
このようにして取付部材21を介して引戸4に取り付けられる保持レール20は、その上面20aが平坦であって、図1のように、その平坦な上面20aが略水平となるように取り付けられる。そして、戸尻側の取付部材21から更に戸尻側に所定長さ延設されるが、その戸尻側端部20bは引戸4の戸尻側端部4aからは突出しないように設定されている。
一方、装置本体30は、前記保持レール20をその長手方向の任意の位置で保持する保持部材31と、火災時に図示しない煙検知機等の火災検知機から信号を受けて保持部材31による保持レール20の保持を解除する解除機構とを備えている。図6に示すように、装置本体30は上枠3に取り付けるための板状のベース32を備えている。該ベース32の戸先側には、上枠3への取付部として、上下方向に長い取付用の長孔33が左右一対設けられている。そして、該ベース32には可動アーム34がその戸先側端部を支点として上下に回動可能に取り付けられている。
該可動アーム34は、図6に示す通常時においては略水平状態にあるが、付勢手段としての引っ張りバネ35によって常時上側に付勢される一方その上側への移動は後述するフック部材36によって阻止されている。この可動アーム34の戸尻側端部に前記保持部材31が取り付けられている。該保持部材31は、可動アーム34の回動面に沿って回動するように可動アーム34に回動可能に取り付けられている。保持部材31は、弾性を有する例えばゴム製であり、その先端部31aは外側凸の弧状に形成されている。尚、保持部材31の先端部31aの弧状面には凹凸が多数形成されている。また、保持部材31は可動アーム34との枢着部が長孔状に形成されて可動アーム34に対して相対的に移動可能であって内蔵する付勢手段としてのバネ37により通常は先端部31aが回動中心から離れるように付勢されている。尚、保持部材31はフリー状態ではその自重により先端部31aが下方を向くように回動中心から下方に垂れ下がった状態となる。
この図6に示したような可動アーム34が略水平な状態が通常時の状態であり、火災時には図7に示すような可動アーム34が上方に所定角度回動した状態へ移行する。このように可動アーム34を上方に退避させることによって保持部材31を上方に所定量移動させる機構が前記解除機構であり、それについて説明する。火災検知機からの信号を配線38を経由してソレノイド39が受けると、ソレノイド39はその心棒40を図6の状態から図7の状態へと上方に退避させる。ソレノイド39の心棒40はその先端部が可動アーム34に取り付けられた袋ナット41を当て面としてそれ以上の進出が阻止されている。そして、ソレノイド39がその心棒40を上方に退避させると、心棒40の先端部にその径方向に向けて突出させた引っ掛けピン42がトグル機構を構成する二つのリンクアーム43,44のうちの一方のリンクアーム43を下方側から上方に向けて押す。ここで、トグル機構を構成する二つのリンクアーム43,44は、ねじりバネ45によって下側に向けて付勢され、図6に示すような略水平状態より下側凸にならないように、一方のリンクアーム43が当て面としてのネジ46に当接している。そして、火災時にソレノイド39が作動してその心棒40が上方に退避すると、二つのリンクアーム43,44は図7のように上側凸のへの字状となり、他方のリンクアーム44に枢着されたレバー47がその上端部を支点として図中左側に振り子の如く回動する。該レバー47が時計周りに回動すると、レバー47に係止されていたフック部材36が引っ張りバネ48の付勢力によって反時計回りに回動する。該フック部材36には規制部材としてのローラ49が装着されており、通常時は可動アーム34を下方に押してその上側への回動を阻止している。また、フック部材36の切欠部には引っ張りバネ50によって右側に付勢されたスライダ51のピン52が係合している。従って、フック部材36が反時計回りに回動すると、可動アーム34を下方に押圧しているローラ49が上方に移動し、それによって可動アーム34は引っ張りバネ35によって上側に回動すると共に、スライダ51のピン52がフック部材36の切欠部から外れて引っ張りバネ50によってスライダ51が右側に移動する。このスライダ51には上方に向けてピン53が突出しており、該ピン53にはワイヤ54が繋げられている。従って、火災時にソレノイド39が作動して図7に示すような状態になった後においてワイヤ54を左側に引っ張ると、スライダ51は引っ張りバネ50の付勢力に抗して左側に移動し、保持部材31等は図6に示す元の状態に復帰する。
以上のように構成された装置本体30は、図1に示すように、上枠3に取り付けられるのであるが、その上下方向の取付位置をベース32の長孔33により調節することができ、例えば、図5に示すように最も高い位置にセットするなど、保持部材31の上下位置を調節できる。また、装置本体30の取付位置は例えば上枠3の左右方向(引戸4の開閉方向)の略中央である。図1に示す全閉状態においては、引戸4に取り付けられた保持レール20と装置本体30の保持部材31とは左右方向に離間した状態にあり、従って、保持部材31は保持レール20に当接せずそれを押圧保持していない。
ここで、装置本体30の上枠3への取付位置について更に説明する。本実施形態における引戸の任意位置停止装置は、図8に示すような壁100の一部を戸袋101として形成し、開いた引戸4が壁100の戸袋101内に収納される構成のいわゆる壁収納仕様に適したものである。図中の101aが壁100の戸袋101の開口縁部であり、引戸4の開き動作によって開口する開口部102の上方には、正面視横長長方形の領域(上方所定領域)があり、該領域は蓋パネル103で覆われている。該蓋パネル103は着脱可能に取り付けられており、取り外した時に前記領域は点検口として使用される。即ち、蓋パネル103を開けると、全閉時における引戸4の二つの戸車6や保持レール20の取付部材21も表出する。従って、容易に保持レール20の高さ調節を行ったり、その交換等を行うことができる。また、蓋パネル103の戸尻側端部103aは壁100の戸袋101の開口縁部101aと面一であり、この蓋パネル103の戸尻側端部103aを左右に跨ぐようにして装置本体30は上枠3に取り付けられている。即ち、装置本体30を全閉時の引戸4の戸尻側の近くに位置させることができる。そして、蓋パネル103を外すと装置本体30の戸先側所定領域も表出することとなり、装置本体30の取付部としての取付用の長孔33が戸尻側に偏心して位置することから取付用の長孔33に螺入しているネジ60を操作することで、例えば、装置本体30を取り外して調節したり、交換したり、その取付位置を調節することで保持部材31の上下方向の位置を調節したりすることができ、その結果、容易に保持力を調節することができる。尚、保持レール20の戸尻側端部20bは蓋パネル103の戸尻側端部103aよりも戸尻側に僅かに位置し、また、保持部材31も蓋パネル103よりも戸尻側即ち戸袋101内に位置する。従って、装置本体30の取付部としての取付用の長孔33は、装置本体30の左右方向の中央から戸先側に偏心した位置にのみ設けることが好ましく、また、保持部材31よりも戸先側に位置することが好ましい。このように蓋パネル103を外すことにより、保持レール20と装置本体30を共に点検することができる。尚、装置本体30への電力供給や火災検知機からの信号受信は配線38を介して行われるが、この配線38も表出するので容易に点検することができ、従って、配線38も装置本体30の左右方向の中央から戸先側に偏心した位置にのみ配置することが好ましく、それにより配線38も容易に点検口から点検することができる。
そして、図1の状態から引戸4を僅かに開くと保持レール20の上面20aに保持部材31が当接し、その摩擦抵抗によって保持部材31はその回動中心を中心として右側即ち戸尻側に回動する。その位置で仮に引戸4を操作する手を離すと引戸4はつるまきバネの蓄勢力によって閉じようとするが、保持部材31が戸尻側に回動した状態で保持レール20の上面20aに当接しているため保持部材31は保持レール20をその位置に保持する。従って、引戸4はその開き位置に保持される。但し、人が引戸4に閉じ側への力を付与すると、保持部材31が保有する弾性により弾性変形すると共に内蔵するバネ37が圧縮することによって保持部材31は戸先側へ回動するので、引戸4を閉じることができる。この開き位置の保持は保持レール20に保持部材31が当接する区間であれば任意の位置で行うことができる。従って、保持レール20の長手方向の任意の位置で引戸4を停止させることができ、本実施形態では保持レール20の全体が長尺状部であるためその全長が停止可能な区間となる。無論、図2に示したように引戸4を全開の位置に保持することもできる。この全開状態が最も使用頻度が高いと考えられるが、その全開の際に、保持部材31は戸先側の取付部材21の上方に位置する。従って、保持部材31によって下方に押圧される保持レール20の箇所は戸先側の取付部材21が支持部となって下側から支持されることとなり、保持レール20が保持部材31から受ける押圧力によって下方に撓むということが防止され、確実にその開き位置である全開状態に保持される。
そして万一火災が発生すると火災検知機がそれを検知して装置本体30に信号を送り、装置本体30はそれに応じてソレノイド39を作動させて可動アーム34を上方に回動させることにより保持部材31を上方に移動させる。この保持部材31の上方への移動により保持部材31は保持レール20の上面20aから上方に離間し、保持部材31が保持レール20を下方に押圧している状態が解除、即ち、保持部材31による保持レール20の保持が解除される。従って、引戸4は自動的に閉じ側へと移動して全閉状態となる。上述したように、その状態はワイヤ54を引っ張り操作するまで維持され、ワイヤ54の操作により元の状態に復帰する。
以上のように構成された引戸4の任意位置停止装置にあっては、火災検知機から信号を受けて保持部材31を作動させる装置本体30を引戸4側ではなく上枠3に取り付けているので、配線38の処理が容易である。しかも、長尺状の保持レール20を引戸4に取り付けてそれを上方から押圧する保持部材31によって保持する構成であるので、保持部材31を小型のものとすることができると共に、保持とその解除の構成を大がかりなものとせずとも長い区間において任意の位置に引戸4を保持することができる。また、装置本体30を上枠3の略中央に配置できるので、蓋パネル103を外すことで容易に点検できる。特に、その取付部としての取付用の長孔33が表出するのでその修理、交換が容易であり、且つ、高さ調節によって保持部材31の上下位置を調節して保持レール20への押圧力、即ち、保持力を調節することができる。尚、保持レール20も高さ調節可能であるので、保持レール20側でも保持力を調節できる。また更に、全閉時には保持レール20に保持部材31が当接しない状態としているので、開き始めが楽であり、しかも、保持レール20が長尺状であるので長い区間に亘って引戸4を保持できる。
尚、本実施形態では保持レール20と装置本体30の双方の高さ調節を可能としたが、何れか一方でもよく、高さ調節できない仕様であってもよい。また、例えば、保持レール20の上下位置を調節する構成としては、上述したもの以外に例えば、保持レール20を取付部材21に取り付ける取付位置を上下方向に調節可能に構成することもでき、また、保持レール20の取付位置を調節する構成以外に、保持レール20自体の構成によってその長尺状部の上下位置を調節できる構成としてもよい。また、取付用の長孔22,33によって上下位置を調節可能としたが、無論、取付孔を上下に間隔をおいて複数設ける構成とするなど、上下位置の調節方法は任意である。また、保持レール20や装置本体30をネジ以外の手段によって取り付けてもよい。
また、保持レール20の全体が長尺状部である場合について説明したが、その一部に長尺状部を有する構成であってもよく、少なくとも長尺状部を有する被保持部材を引戸4に取り付ける構成であればよい。従って、被保持部材31の取付構成についても適宜設計変更可能である。
また更に、保持レール20を上方から押圧することによって保持する構成について説明したが、押圧の方向も任意である。そして、保持を解除する際も、保持レール20から保持部材31が完全に離間しなくてもよい。同様に、開き始めにおいても保持部材31が保持レール20に接触していてもよい。更に、保持の解除の構成についても適宜設計変更可能である。
尚、壁収納仕様に適しているが、戸袋101を有しない施工仕様にも適していることは無論である。
本発明の一実施形態の引戸の任意位置停止装置の取り付け状態であって引戸4の全閉時を示す正面図。 同装置の取り付け状態であって全開時を示す正面図。 同装置の取り付け状態であって火災時に引戸の保持が解除された状態を示す正面図。 同装置の要部を示す正面図。 同装置の要部を示す正面図。 同装置の要部を示し、装置本体の保持部材が通常時の状態を示す一部破断線を含む正面図。 同装置の要部を示し、装置本体の保持部材が火災時に上方に移動した状態を示す一部破断線を含む正面図。 同装置の施工例を示す正面図。
符号の説明
1…戸先側の縦枠、2…戸尻側の縦枠、3…上枠、4…引戸、5…レール、6…戸車、7…戸車支持部材、8…制動装置、9…ラック、10…戸当たり、11…自閉力蓄勢装置、12…ワイヤ、20…保持レール、20a…上面、20b…戸尻側端部、21…取付部材、21a…縦板部、21b…天板部、22…長孔、30…装置本体、31…保持部材、32…ベース、33…長孔、34…可動アーム、35…引っ張りバネ、36…フック部材、37…バネ、38…配線、39…ソレノイド、40…心棒、41…袋ナット、42…引っ掛けピン、43,44…リンクアーム、45…ねじりバネ、46…ネジ、47…レバー、48…引っ張りバネ、49…ローラ、50…引っ張りバネ、51…スライダ、52…ピン、53…ピン、54…ワイヤ、60…ネジ、100…壁、101…戸袋、101a…開口縁部、102…開口部、103…蓋パネル

Claims (1)

  1. 自閉式の引戸を全開を含む所定区間において任意の開き位置に保持すると共に火災時等の緊急時には外部から信号を受けて引戸の保持を解除する引戸の任意位置停止装置において、
    上下方向の位置調節が可能に引戸の戸先側と戸尻側に設けられた取付部材を介して引戸側に取り付けられる被保持部材と、壁側に取り付けられる装置本体とを備え、被保持部材は、引戸の開閉方向に沿って伸びる長尺状部を有し、装置本体は、長尺状部をその長手方向の任意の位置で上下方向に押圧することにより保持する保持部材を備え、該保持部材は、緊急時には外部から信号を受けて長尺状部から離れる方向に移動して長尺状部の保持を解除する構成であり、引戸の全開時において、長尺状部の、保持部材によって押圧される箇所は、押圧側とは反対側から引戸の戸先側の取付部材によって支えられることを特徴とする引戸の任意位置停止装置。
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