JP4773102B2 - 破骨細胞分化抑制剤、及びこれを含んでなる骨粗鬆症用薬剤 - Google Patents
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Description
また、本発明の骨粗鬆症用薬剤は、上記の一般式(I)で示される化合物あるいはその塩を有効成分として含有してなることを特徴とする。
前述したように、本発明の破骨細胞分化抑制剤は、下記の一般式(I)で示される化合物あるいはその塩を含有してなるものである。
また、本発明の破骨細胞分化抑制剤は、塩基を用いた塩の形態とすることも可能である。用いる塩としては、薬学的に(薬剤学的に)許容し得る塩であれば特に限定するものではなく、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リチウムなどの金属塩、アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)との塩あるいはアンモニウム塩などが挙げられる。
本発明の破骨細胞分化抑制剤を用いる対象疾患名としては、例えば骨粗鬆症、高カルシウム血症、ベーチェット病、薬物性骨代謝異常症、糖尿病性骨減少症などの骨代謝性疾患が挙げられる。
本発明の破骨細胞分化抑制剤の投与量(使用量)については、対象となる動物の種類あるいは性別、年齢、症状の程度によって変わるので一概にはいえないが、ヒトにおける経口投与あるいは直腸内投与(坐剤)の場合は、およそのところ1日当たり成人体重1kgに対して0.1〜10mgであり、0.5〜5mgであることが好ましく、また注射剤としての投与の場合には、1日当たり成人体重1kgに対して0.05〜5mgであり、0.25〜2.5mgであることが好ましい。これらの1日量を1回でまたは分2〜分4、あるいはそれ以上の回数に分けて投与することができる。
本発明の破骨細胞分化抑制剤は、医療用薬剤における一般的な形態で以て使用される。一般的な形態としては、例えば、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、顆粒剤、トローチ剤、チュアブル剤、内服液剤や、注射剤(血管内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与など)、あるいは坐剤などが挙げられる。錠剤、顆粒剤、散剤の形態に調製する際には、従来公知の担体を広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、澱粉、結晶セルロース等の賦形剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、トラガント、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等の結合剤、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等の崩壊剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸などの滑沢剤が使用できる。錠剤には、必要に応じて、通常の剤皮を施すこともでき、例えば、糖衣錠、フィルムコーティング錠等とすることができ、さらに二層錠、多層錠としてもよい。また、顆粒剤や散剤も通常の剤皮を施すことができる。
破骨細胞への分化誘導を従来公知の方法によって行った。すなわち、6週齢マウスから大腿骨と脛骨を摘出し、骨髄細胞を回収後、マクロファージ・コロニー刺激因子(macrophage colony stimulating factor、M−CSF)10ng/ml存在下で10%牛胎子血清(FBS)を含むα−MEM中で培養した。24時間後に上清を回収したのち、遠心分離処理を行い、破骨前駆細胞を含む単球画分を採取した。これをα−MEMに投入し懸濁させたのちFicoll試薬の上に積層し、そして密度勾配遠心分離法(500×g・15分間)により調製した単球画分をM−CSFおよびRANKLの存在下で5日間培養した。培養5日目においては、細胞に酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(tartrate-resistant alkaline phosphatase,TRAP)染色を行って破骨細胞を確認した。
以降の実験において、破骨細胞をTRAP染色して観察する際、どの程度の密度の時に破骨細胞の成熟が適切かを判断するため、3種の細胞密度( 1×104cells/cm2,1×105cells/cm2,1×106cells/cm2)に調整した破骨前駆細胞を5日間培養した後、TRAP染色して観察した。その結果、1×105cells/cm2の場合に成熟した破骨細胞数が最も多いことが分かり、以降の実験における破骨細胞の観察もこの密度(1×105cells/cm2)で行うこととした。
密度勾配遠心分離法(500×g・15分間)により調製した単球画分を5日間培養、M−CSFおよびRANKLの存在下で培養するに際し、M−CSFとRANKLの各々の濃度をどの程度にするのが最も効果的かを調べるべく、M−CSFとRANKLの濃度(ng/ml)を種々設定(M−CSF/RANKL=0/20,20/0,10/10,20/20,20/50及び20/100)して培養を行った。その結果、M−CSF/RANKL=20(ng/ml)/50(ng/ml)あるいは20(ng/ml)/100(ng/ml)とした場合に破骨細胞への分化が顕著であることが分かったので、以下の実験において、M−CSF/RANKL=20(ng/ml)/50(ng/ml)の濃度で行うこととした。
培養された(単球画分から誘導した)細胞が破骨細胞であるかどうかの確認試験を行った。すなわち、M−CSF存在下(10ng/ml)、10%FBSを含むα−MEM中で24時間培養した細胞(0日目)、及びそれよりM−CSFとRANKL共存下で1日培養後〜6日培養後の細胞におけるmRNAをそれぞれ抽出し(図5参照)、RT−PCR法により半定量を行った(このときに用いたプライマーを図6に示す)。図7に示すとおり、全ての破骨細胞遺伝子マーカーの培養後期における著明な発現が確認できた。
単球画分から破骨細胞へ分化させる培養において、グアヤコール(2MP)、2−メトキシ−4−メチルフェノール(2M4MP)、及び2−メトキシ−4−エチルフェノール(2M4EP)の存在がどのような影響をもたらすかについて実験を行った。
2MP、2M4MP、及び2M4EPの濃度を変更したという以外は上記分化抑制試験[1]と同様にして培養を行った。具体的には、2MP、2M4MP、及び2M4EPの濃度をそれぞれ、10−6M、10−5M、10−4M、10−3Mとして培養を行い、分化した破骨細胞数をTRAP染色して数えた(図11〜図13参照)。なお、図では、2MP、2M4MP、及び2M4EPの濃度を0とした場合の染色陽性破骨細胞数を100とした相対数値(%)で表した。
冒頭でも述べたように、生体には骨を溶かしてカルシウムを血液中に放出する破骨細胞と、血中カルシウムから骨を形成する骨芽細胞のバランスによって、血中カルシウム濃度と骨密度を維持している。女性ホルモンはこの働きに大きな影響を与えており、更年期に女性ホルモンが減少すると、破骨細胞が増加して骨からのカルシウムの溶出、尿中へのカルシウム排出が増加する。これにより、急激に骨密度が減少し、骨粗鬆症を引き起こして頻繁な骨折や日常的な痛みが起こる。
(処方1)
2MP、2M4MPまたは2M4EP 5mg
カンゾウ 25mg
グリセリン 10mg
常水 50mg
下記処方の各成分を練合し、その丸剤塊を切丸機で分割し、製丸機で成丸し、1丸中に本発明の破骨細胞分化抑制剤5mgを含有する丸剤を調製した。
(処方2)
2MP、2M4MPまたは2M4EP 10mg
デンプン 250mg
2MP、2M4MPまたは2M4EPとデンプンを混合して混合末とし、硬カプセルに充填して1カプセル中に本発明の破骨細胞分化抑制剤10mgを含有する硬カプセル剤を調製した。
(処方3)
2MP、2M4MPまたは2M4EP 10mg
オリーブ油 200mg
2MP、2M4MPまたは2M4EPとオリーブ油に溶解して溶液を得、ソフトカプセルに充填して、1カプセル中に本発明の破骨細胞分化抑制剤10mgを含有する軟カプセル剤を調製した。
(処方4)
2MP、2M4MPまたは2M4EP 20mg
乳糖 250mg
メチルセルロース 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
カルボキシメチルセルロース 10mg
上記処方のステアリン酸マグネシウム以外の各成分を混合し、これを水と混練して顆粒とし、この顆粒を乾燥後、ステアリン酸マグネシウムと混合して圧縮成型するか、あるいは上記処方の各成分を混合して直接圧縮成型し、1錠285mgの錠剤を調製した。
Claims (4)
- 2−メトキシ−4−メチルフェノール、2−メトキシ−4−エチルフェノール、及び2−エトキシ−4−メチルフェノールからなる群より選択された少なくとも1種、あるいはその塩を含有してなることを特徴とする破骨細胞分化抑制剤。
- 1日当たり成人体重1kgに対して0.1〜10mgを経口投与あるいは直腸内投与するか、または、1日当たり成人体重1kgに対して0.05〜5mgを注射剤として投与するものであり、
錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、トローチ剤、チュアブル剤、内服液剤、注射剤、あるいは坐剤の形態に調製されたことを特徴とする請求項1に記載の軟骨細胞破壊抑制剤。 - 2−メトキシ−4−メチルフェノール、2−メトキシ−4−エチルフェノール、及び2−エトキシ−4−メチルフェノールからなる群より選択された少なくとも1種、あるいはその塩を含有してなることを特徴とする骨粗鬆症用薬剤。
- 1日当たり成人体重1kgに対して0.1〜10mgを経口投与あるいは直腸内投与するか、または、1日当たり成人体重1kgに対して0.05〜5mgを注射剤として投与するものであり、
錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、トローチ剤、チュアブル剤、内服液剤、注射剤、あるいは坐剤の形態に調製されたことを特徴とする請求項3に記載の軟骨細胞破壊抑制剤。
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