JP4769084B2 - 塗装金属板の製造方法及び塗装金属板 - Google Patents

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Description

本発明は建材等に用いることができる塗装金属板の製造方法及び塗装金属板に関し、特に塗膜の意匠性に優れた塗装金属板を得るための技術に関するものである。
従来、外装材等の建築材の表面には、様々な意匠模様を付して外観の向上が図られており、かかる意匠模様の一つして、塗装を施した建築材の塗膜表面にすじ状の凹凸模様を付すことがなされている。かかる模様を塗膜表面に付すための手法としては、建築現場等において構造材表面に塗料を塗布した後、この塗料が硬化する前に熊手状の治具を用いて作業者が塗膜表面を引っ掻くことが行われている(特許文献1参照)。
しかし、このような手法にて建築材表面の塗膜に凹凸模様を外観良く付すためには作業者の熟練を必要とし、またかかる手法ではすじ状の凹凸の間隔を狭く形成することは難しく、微細な模様を形成することは困難なものであった。また、建築現場での塗装及び模様形成の作業が必要となるため煩雑な作業を必要とするものであった。
一方、建築材などに使用される金属板材料として、ステンレス鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板等に、耐食性等の機能性の向上や外観の向上のために予め塗装(プレコート)を施した塗装金属板が提供されている。
そこで、このような塗装金属板に、予めすじ状の凹凸模様を有する塗膜を塗装し、このような塗装金属板を建築材等として使用すれば、建築現場において塗装や模様付与のための作業を行う必要がなくなるが、従来、塗装金属板に凹凸模様を形成する手法としては、塗料としてビーズを含有するものや縮み塗料を用いて縮み凹凸模様を形成する手法(特許文献2参照)や、成膜後の塗膜にエンボス加工を施す手法(特許文献3参照)等は提案されているものの、塗膜にすじ状の凹凸模様を効率よく形成するための手法は未だ案出されてはいなかった。
特開2005−7288号公報 特開平11−104559号公報 特開平11−309807号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、金属板の表面にすじ状の凹凸模様を有する意匠性の高い塗膜を、作業者の熟練を要することなく、簡便な手法で効率よく形成することができる塗装金属板の製造方法及び塗装金属板を提供することを目的とするものである。
本発明に係る塗装金属板の製造方法は、金属板1を連続的に搬送しながらこの金属板1の表面に塗装を施す塗装金属板の製造方法であって、前記金属板1の搬送経路上において、前記金属板1の表面に液状の外層塗料2を塗布した後、前記金属板1上の未硬化状態の外層塗料2に複数の突起3を有する凹凸形成治具4を摺接させ、次いで前記外層塗料2を硬化成膜することで、すじ状の凹凸模様を有する外層塗膜5を形成する工程を含むことを特徴とする。これにより、金属板1の連続塗装工程中に凹凸形成治具4を配設するだけで金属板1が連続的に搬送されることを利用して、すじ状の凹凸模様を有する意匠性の高い外層塗膜5を形成することができ、かかる凹凸模様を作業者の熟練を要することなく、簡便な手法で効率よく形成することができる。
上記複数の突起3は、金属板1の搬送方向の配置位置を異ならせて配設することができる。このようにすれば、隣接する突起3の金属板1の搬送方向と直交する方向の間隔が短くなるようにして突起3を配設することが容易なものとなり、外層塗膜5に形成される凹凸模様の微細化が容易なものとなる。
このように突起3を、金属板1の搬送方向の配置位置を異ならせて配設するにあたっては、上記凹凸形成治具4において、一列に配列した複数の突起3からなる突起列6を、金属板1の搬送方向の配置位置を異ならせて複数列設けることができる。
また、複数の突起列6を設ける場合には、各突起列6内における隣接する突起3間の間隔を各突起列6ごとに異ならせるようにしても良い。この場合、凹凸形成治具4全体では突起3間の搬送方向と直交する方向の間隔が周期的に変化し、外層塗膜5に変化に富んだ凹凸模様を形成することができる。
また、上記外層塗料2としては、着色材を含有するものを用いることができる。このようにすると、外層塗膜5に色彩を付与し、凹凸模様と相まって高い意匠性を付与することができる。
上記着色材としては、少なくとも金属粉末を含有するものを用いることができる。この場合は外層塗膜5にメタリックな外観を付与することができ、また外層塗膜5の光反射性が向上することで凹凸模様が非常に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができる。
更に、上記金属粉末としては、鱗片状のものを用いることができる。この場合、金属板1の表面の外層塗料2に凹凸形成用治具4を摺接させる際に、前記摺接した箇所において鱗片状の金属粉末の配列が乱れて光反射性が大きく変化し、このような光反射性が変化した部分が凹凸模様に沿ってすじ状に形成されることとなって、すじ状の模様が更に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができる。
また、外層塗膜5を形成した後、この外層塗膜5の表面にクリア塗膜7を形成するようにしても良い。このようにすると、外層塗膜5に凹凸模様を形成したことにより塗膜厚が薄い部分が形成されたとしても、クリア塗膜7により塗装金属板上の塗膜の全体厚みを十分に厚く形成して耐薬品性、耐候性等の塗膜性能を向上することもでき、しかもこのようにクリア塗膜7を形成して塗膜表面を平滑に形成しても、このクリア塗膜7を透かして外層塗料2の凹凸模様が視認でき、優れた意匠性を発現することができる。
また、金属板1表面に、外層塗膜5を形成する前に、中塗り塗膜8を形成しても良く、この場合は塗装金属板における耐食性、耐候性、耐薬品性等の塗膜性能を向上することができ、特に塗装金属板を外装建材として用いる場合に好適である。
また、凹凸形成治具4が摺接した位置に形成される外層塗膜5の凹条13の底面に、外層塗膜5の下地を露出させることも好ましい。この場合、凹条13の底面に下地の色を表出させることで、更に高い意匠性を付与することができる。
本発明によれば、外層塗膜にすじ状の凹凸模様が予め付された意匠性の高い外観を有する塗装金属板を簡便な手法で効率よく製造することができ、かかる凹凸模様を形成するために建築現場等において塗装や模様付与のための作業を行う必要がなくなるものであり、且つこのような凹凸模様を作業者の熟練を要することなく形成することができるものである。
以下、本発明をその実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
本発明にて用いる金属板1としては、特に制限されるものではないが、例えばアルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)等のアルミニウム−亜鉛めっき鋼板、ステンレス板等を挙げることができる。また、このような金属板1としては、長尺のものを用いることができる。
金属板1に塗装を施すにあたっては、この金属板1をコイル状に巻回したペイオフロールから金属板1を繰り出して搬送しながら、各種処理を施した後、塗装処理後の金属板1を所望の寸法に切断し、或いは切断せずに再びコイル状に巻き取る連続処理工程により行うことができる。
このような金属板1への塗装工程においては、塗装に先立って、必要に応じてクロメート処理やリン酸亜鉛処理等といった化成処理や、金属板1の表面の油脂、埃等の汚れの除去等の前処理を施し、この後に外層塗装を施す。
また、金属板1には、外層塗装を施すに先立って、必要に応じて適宜の下塗り塗膜15を形成し(図6(a)乃至(d)参照)、或いは更に適宜の中塗り塗膜8を形成することができる(図6(c)(d)参照)。
下塗り塗膜15を形成する場合、塗料(下塗り塗料)としては、例えばエポキシ樹脂ワニスやエポキシウレタン樹脂ワニス、ポリエステル樹脂ワニス等の熱硬化性樹脂ワニスに、酸化チタン、微粉末クレー、炭酸カルシウム等の体質顔料や、防錆顔料などを分散させたエポキシ樹脂系塗料を用いることができる。防錆顔料としては、例えばクロム酸ストロンチウムやクロム酸カルシウム等のクロム酸塩を主体としたものを用いることができる。下塗り塗装にあたっては、このような組成を有する下塗り塗料を、金属板1の一面に塗布するものであり、また場合によっては金属板1の他面にも下塗り塗料を塗布する。また、金属板1の他面には、下塗り塗料とは異なる組成を有する裏塗り塗料を塗布しても良い。下塗り塗料や裏塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。
下塗り塗料の塗布後は、金属板1を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、下塗り塗膜15を形成することができる。
下塗り塗膜15の厚みは特に制限されず、適宜設定されるものであるが、3〜25μmの範囲とすることが好ましい。
また、中塗り塗膜8を形成する場合、塗料(中塗り塗料)としてはプレコート用途の適宜の液状の塗料を用いることができるが、例えばポリエステル系、ウレタン系、アルキッド系等の熱硬化性塗料や、フッ素系、アクリル系、塩化ビニル系等の熱可塑性塗料を用いることができる。中塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、カーテンコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができ、中塗り塗料の塗布後は、金属板1を必要に応じて加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、中塗り塗膜8を形成することができる。このときの中塗り塗膜8の厚みは適宜調整されるが、乾燥塗膜厚みが5〜40μm、特に10〜30μmとなるようにすることが好ましい。このような中塗り塗膜8を形成すると、塗料の塗布可能な塗膜厚の範囲内で塗装金属板における耐食性、耐候性、耐薬品性、隠蔽性等の塗膜性能を向上することができ、特に塗装金属板を外装建材として用いる場合に好適である。
金属板1に外層塗装を施すにあたっては、塗料(外層塗料2)としては、上記中塗り塗料と同様にプレコート用途の適宜の液状の塗料を用いることができ、例えばポリエステル系、ウレタン系、アルキッド系等の熱硬化性塗料や、フッ素系、アクリル系、塩化ビニル系等の熱可塑性塗料を用いることができる。
また、この外層塗料2としては、適宜の顔料等の着色材を含有するものを用いることが好ましい。このような着色材としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド(ベンガラ)、アルミニウムフレーク、マイカフレーク、着色ガラスフレーク、有機ブルー(フタロシアニンブルー)などが挙げられる。また染料としては保土谷化学興業株式会社製の「AIZEN SPILON 染料シリーズ」等が挙げられる。このような着色料の外層塗料2中における配合割合は適宜の範囲とすることができるが、通常0.1〜40重量%が好ましく、特に0.5〜35重量%が好ましい。
特に、外層塗料2中には顔料としてアルミニウム粉末、ニッケル粉末、銅粉末等の金属粉末を含有させることにより、塗膜にメタリックな外観を付与することができる。この金属粉末には、金属被覆を施したガラス粉などのような金属と無機物との複合物の粉末も含まれる。また外層塗膜5の表面の凹凸模様は、主としてすじ状の凹凸模様を有することで生じる外層塗膜5の表面の光の反射方向の変化に基づいて視認されるが、外層塗料2に金属粉末を含有させることで外層塗膜5の光反射性を向上すると、前記のような光の反射方向の変化が看者によって非常に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができるものである。
このような金属粉末としては、特に鱗片状のものを用いることが好ましい。この場合、後述するように金属板1の表面の外層塗料2に凹凸形成用治具4を摺接させる際、この摺接した箇所において鱗片状の金属粉末の配列が乱れて光反射性が大きく変化し、このような光反射性が変化した部分が凹凸模様の凹状13に沿ってすじ状に形成されることとなって、すじ状の模様が更に明確に視認することができるようになる。
また金属粉末の平均粒径は5〜100μmの範囲、特に10〜30μmの範囲とすることが好ましい。この粒径が過大であると外層塗料2の塗布の際の塗布性が悪化し、特にロールコーターにて塗布する場合に均一な塗布が困難となる。またこの粒径が過小であると外層塗膜5に十分なメタリック感を付与することができず、また鱗片状の金属粉末を用いる場合にその配列の乱れによる光反射性の変化が十分に発揮されなくなる場合がある。
このような金属粉末を用いる場合の、その外層塗料2中の配合量は、0.5〜15重量%の範囲とすることが好ましい。
外層塗料2の塗布にあたっては、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、カーテンコーター、エアーナイフ、静電塗布等による通常の塗布装置を用いて行うことができる。
液状の外層塗料2を塗布した後、この外層塗料2を焼き付け硬化する前に、外層塗料2の塗膜に対して凹凸形成処理を施す。この凹凸形成処理は、外層塗料2が塗布された後の金属板1が搬送される搬送路上に複数の突起3を有する凹凸形成治具4を配設し、この凹凸形成治具4の突起3を金属板1上の外層塗料2に摺接させながら金属板1を搬送することにより行う。
凹凸形成治具4による凹凸形成処理は、金属板1に外層塗料2が塗布された後、この金属板1が加熱炉16に搬送されるまでの適宜の位置にて行うことができる。図1は凹凸形成治具4の設置例を示すものである。
図示の例では、外層塗料2を貯留した塗料パン9の上方に、ピックアップロール10をその下部が前記塗料パン9中の外層塗料2に浸漬されるように配設し、塗布ロール11をその周面が前記ピックアップロール10の周面と接触するように配設し、この塗布ロール11と、塗布ロール11に対向して配設されるバックアップロール12との間を長尺な金属板1が搬送されるようになっている。このとき、ピックアップロール10は回転駆動することによりその周面に外層塗料2が供給され、この外層塗料2が、バックアップロール12の回転方向と同方向又は逆方向に回転する塗布ロール11の周面に供給され、更にこの外層塗料2が金属板1の表面に供給されて塗布されるようになっている。外層塗料2が塗布された金属板1はバックアップロール12の周面に沿って一定長搬送された後、この周面から離間して加熱炉16へと搬送される。
このとき、凹凸形成治具4は、バックアップロール12と接触している状態の金属板1上の外層塗料2の塗膜と摺接するように配設される。このようにすれば、金属板1に外層塗料2が塗布された後、この金属板1がバックアップロール12に支持されてその配置位置が安定した状態で、金属板1に塗布された外層塗料2の塗膜に凹凸形成治具4を摺接させることにより、安定した凹凸形成処理が可能となる。
勿論、凹凸形成治具4の配置位置はこのようなものに限られず、外層塗料2が塗布された後、加熱炉16等で硬化成膜される前の金属板1上の外層塗料2の摺接するように配設すれば良い。
凹凸形成治具4としては、図2,3に示すように金属板1上の外層塗料2に摺接する複数の突起3を有するものを用いることができる。外層塗料2が塗布された金属板1をこの外層塗料2が前記突起3に摺接するようにして搬送すると、外層塗料2には突起3が摺接した位置に複数の凹条13が形成されると共にこの各凹条13間に凸条14が形成される。このとき、各突起3はその先端部が金属板1上に膜状に塗布された外層塗料2に浸漬された状態とし、この状態で金属板1を搬送することにより、各突起3によって外層塗料2がかき分けられて、各突起3が摺接した部分が凹条13として形成されものである。尚、図2,3中では下塗り塗膜15や中塗り塗膜8等は図示を省略している。
上記凹凸形成治具4としては適宜のものを用いることができるが、例えば図2に示すように突起3として複数の細線状のものを金属板1の搬送方向と直交する方向に配列して設けた凹凸形成治具4を用い、この突起3の先端を金属板1上の外層塗料2の表面に摺接することができる。
また、図3に示すように櫛歯状の複数の突起3が金属板1の搬送方向と直交する方向に配列して形成された凹凸形成治具4を用い、この突起3の先端を金属板1状の外層塗料2の表面に摺接するようにしても良い。
また凹凸形成治具4の材質も特に制限されないが、吸水性の低い材質が好ましく、適宜の金属材や樹脂成形体にて形成することができる。
このような凹凸形成処理時の、金属板1の搬送速度、金属板1に塗布される外層塗料2塗布量、粘度等の性状、凹凸形成治具4における突起3間の間隔、各突起3における外層塗料2への浸漬寸法等の処理条件は、外層塗膜5に要求される凹凸形状に応じて適宜設定される。
例えば金属板1の搬送速度は10〜150m/minの範囲とすることができる。この搬送速度が過度に速い場合は突起3間に外層塗料2の目詰りが生じやすく、これが自重により落下して塗膜表面にダマ等の不良が発生するおそれがある。またこの搬送速度が遅すぎると生産性が悪化する。
また、外層塗料2の塗布量や粘度等の性状は、上記の凹凸形成処理において凹凸形成治具4を摺接した後、焼付硬化までの間、凹凸形成治具4を摺接したことにより形成される凹凸形状が保持されるように適宜調整することが好ましい。そのための具体的な条件は適宜調整されるものであるが、例えば外層塗料2として粘度(フォードカップNo.4)が40〜120秒、チクソトロピックインデックス(TI)が0.5〜3.5のものを用い、その塗布量を湿潤状態の塗膜厚みで10〜60μmの範囲となるようにすることが好ましい。このような条件で、突起3間における外層塗料2の目詰りの発生を抑制しつつ、明確なすじ状の凹凸模様を形成することができる。
また、隣接する突起3間の間隔は、凹凸模様における所望の凹条13間の幅に応じて適宜調整されるものであるが、この突起3間の隙間に外層塗料2が詰まり、この詰まった外層塗料2が自重等により落下すると、形成される外層塗膜5にダマ等の不良が発生するおそれがあるため、突起3間に外層塗膜5が詰まらないように適宜調整することが好ましい。このような外層塗料2の詰まりの発生には、突起3間の隙間の間隔だけでなく、外層塗料2の粘度等の性状、突起3の形状、突起3と金属板1上の外層塗料2との接触角度、突起3の表面と外層塗料2との間の親和性等の要因が関係するため、一概にはいえないが、詰まりの発生を防止するためには突起3間の隙間の幅を2.0mm以上とすることが好ましい。
また、各突起3の寸法も適宜調整されるが、細線状の突起3の場合は例えば線径が0.1〜5.0mmの範囲のものを用いることができ、また櫛歯状の突起3の場合には例えば金属板1の搬送方向の寸法が0.5〜20mm、金属板1の搬送方向と直交する方向の寸法が0.2〜5.0mmのものを用いることができる。
また、各突起3における外層塗料2への浸漬寸法、すなわち外層塗料2に摺接する際に各突起3の先端部がどの程度外層塗料2に浸漬されるかは、外層塗料2の塗布厚みや所望の凹条13の深さに応じて適宜調整されるが、例えば10〜60μmの範囲が望ましい。
また、凹凸形成治具4を配設するにあたっては、複数の突起3を金属板1の搬送方向と直交する方向に一直線状に配列するほか、その各突起3の配置位置を金属板1の搬送方向にずらしても良い。このようにすると、金属板1上の外層塗膜5に更に微細な凹凸模様を形成することができる。また突起3間における外層塗料2の詰まり発生防止のために突起3間の隙間の間隔が規制される場合でも、このような詰まりの発生を防止しつつ凹凸模様における凹条13間の幅を所望のものとすることができるものである。
例えば図2,3に示す例では、複数の突起3を間隔をあけて金属板1の搬送方向と直交する方向に一列に設けた第一の突起列6を設け、この第一の突起列6の配置位置から金属板1の搬送方向にずらした位置に、第二の突起列6を設けるようにしている。このとき第二の突起列6における突起3の配置位置(金属板1の搬送方向と直交する方向の配置位置)は、第一の突起列6における突起3の配置位置からずらした位置とし、第一の突起列6における隣接する突起3の間に、第二突起列6における突起3が配置されるようになっている。これにより凹凸形成治具4における突起3の配置間隔よりも、実効間隔を狭くすることができる。また、このような突起列6を二つ以上設け、各突起列6における突起3の金属板1の搬送方向と直交する方向の配置位置をずらすことで、更に微細な凹凸を形成することもできる。
ここで、図3に示すように突起3を樹脂成形体等で櫛歯状に形成する場合には、各突起列6ごとに図4に示すような櫛歯状の突起3を有する樹脂成形体等からなる治具分体4aを形成し、この二つの治具分体4aを金属板1の搬送方向に沿って配設することで凹凸形成治具4を形成することができる。
また、凹凸形成治具4における突起3の搬送方向と直交する方向の間隔は全て同一にするほか、この間隔を異ならせて外層塗膜5に形成される凹凸模様に変化をつけるもできる。例えば二つの治具分体4aにて凹凸形成治具4を構成する場合、各治具分体4aにおいて、図4(a)(b)にそれぞれ示すように、一方の治具分体4aの突起列6内では突起3の間隔P1を全て同一とすると共に、他方の治具分体4aの突起列6内でも突起3の間隔P2を全て同一とし、更に図4(a)に示す一方の治具分体4aの突起3の間隔P1と、図4(b)に示す他方の治具分体4aの突起3の間隔P2とを異ならせるものである。このようにすると、凹凸形成治具4全体では突起3間の搬送方向と直交する方向の間隔は周期的に変化し、図5に示すように金属板1上の外層塗料2に凹条13間の間隔が変動する変化に富んだ凹凸模様を形成することができる。尚、図5では形成される凹凸模様の凹条13の位置のみを直線で示している。
以上のような凹凸形成処理を施すことにより、外層塗料2に突起3を摺接させる際に、図8に示すように、この突起3が摺接した部分において外層塗料2がかき分けられ、突起3が通過した経路に凹条13が形成される。またこのとき外層塗料2中に顔料(図8中に符号17で示す)が含有されている場合には、凹条13の部分において顔料17の密度が粗になって顔料17の分布に偏在が生じる。また特に外層塗料2中に鱗片状の顔料17が含有されている場合には、突起3が通過した経路における顔料17の粒子の配列が乱されることとなる。これにより、例えば隣接する凹条13間の間隔が0.1〜3.0mm、凹条13の深さが5〜25μmの微細な凹凸模様を形成することができる。勿論、凹条13間の幅を3.0mm以上に形成して凹条13間の間隔が広い凹凸模様を形成するようにしても良い。
このように外層塗料2に複数の凹条13及び凸条14が形成された金属板1を加熱炉16等に連続に通板させるなどして前記外層塗料2を焼き付け硬化することで、複数の凹条13及び凸条14を有する外層塗膜5が形成される(図6(a)(c)参照)。加熱炉16等による外層塗料2の焼付硬化条件は外層塗料2の組成や塗布量等に応じて適宜設定されるが、例えば200〜250℃で0.5〜1分間とすることができる。
このようにして凹凸模様を有する外層塗膜5を形成するにあたっては、凹凸模様を外層塗膜5の全体に形成するほか、特定の領域のみに凹凸模様を形成することもできる。
例えば上記のような凹凸形成治具4による凹凸形成処理において、金属板1の搬送方向と直交する方向の一端縁から他端縁の間の一又は複数の特定の領域のみに凹凸形成治具4を金属板1上の外層塗料2に摺接させることで、この特定の領域のみに凹凸模様を形成することができる。
また凹凸形成治具4を金属板1に対して近接離間させることにより突起3が金属板1上の外層塗料2に摺接した状態とこの外層塗料2から離れた状態とに適宜切り換えることで、金属板1の搬送方向に沿って凹凸模様が形成された領域を断続的に形成することができる。
また、突起3が金属板1上の外層塗料2に摺接した状態で、凹凸形成治具4を金属板1の搬送方向と直交する方向に移動させると、凹凸模様の凹条13及び凸条14の方向を金属板1の搬送方向とは異なる方向に形成することができる。このとき、凹凸形成治具4の移動速度を一定とすることで金属板1の搬送方向に対して傾斜する方向の凹凸模様を形成し、凹凸形成治具4の移動速度に緩急をつけることで凹条13及び凸条14を曲線状に形成し、凹凸形成治具4の移動方向を変更することで凹条13及び凸条14の方向を屈曲させることができて、更に変化に富んだ凹凸模様を形成することができる。
また、二以上の複数の治具分体4aにて凹凸形成治具4を構成する場合には、各治具分体4aを別個に金属板1の搬送方向と直交する方向に移動させれば、複数の凸条14及び凹条13が交差する複雑な凹凸模様を形成することもできる。
また、突起3が金属板1上の外層塗料2に摺接した状態で、凹凸形成治具4を金属板1上の外層塗料2の表面と直交する方向の軸を中心に回動(例えば首振り回動)させるようにしても良い。このようにすると、隣り合う凹条13間の間隔が金属板1の搬送方向に沿って変化するような凹凸模様を形成することができ、これによっても変化に富んだ凹凸模様を形成することができる。
また、複数の突起3を外周面の全周に亘り突設したロール状の凹凸形成治具4を用い、この凹凸形成用治具4を金属板1の搬送方向に対して逆回転させることで、その周面の突起3が順次外層塗料2に摺接するようにすれば、長さの短い複数の凹条13を多数有する凹凸模様を形成することができ、このとき各凹条13はその長手方向の両端ほど深さが浅い独特な形状に形成される。また、前記凹凸形成治具4を金属板1の搬送方向に対して順回転させれば、長さが非常に短く或いはドット状の複数の凹条13(凹部)を多数有する凹凸模様を形成することもできる。
このように外層塗膜5を形成して得られる塗装金属板は、既述のようにコイル状に巻回し、或いは所定長さに切断することができる。
また、金属板1に外層塗膜5を形成した後、上記のように金属板1を巻回し或いは切断する前に、必要に応じて更に金属板1を連続的に搬送しながら、外層塗膜5を被覆するクリア塗膜7を形成するようにしても良い(図6(b)(d)参照)。このようにすると、外層塗膜5に凹凸模様を形成したことにより塗膜厚が薄い部分が形成されたとしても、クリア塗膜7により塗装金属板上の塗膜の全体厚みを十分に厚く形成して耐薬品性、耐候性等の塗膜性能を向上することもできる。またこのようにクリア塗膜7を形成して塗膜表面を平滑に形成しても、このクリア塗膜7を透かして外層塗料2の凹凸模様が視認でき、優れた意匠性を発現することができる。
クリア塗膜7を形成するためのクリア塗料としてはポリエステル系等の熱硬化性透明塗料や、フッ素系等の熱可塑性透明塗料など適宜のものを用いることができる。またクリア塗料の塗布は浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。そして、クリア塗料の塗布後、金属板1を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、クリア塗膜7を形成することができる。
クリア塗膜7の塗布量は適宜調整されるが、外層塗膜5に形成される凹凸模様の深さに応じ、この凹凸模様の凹凸を埋めてクリア塗膜7の表面が平滑となるように塗布することが好ましい。具体的には例えばクリア塗膜7の厚みが5〜25μmの範囲となるように塗布することができる。
また、上記のように凹凸状の外層塗膜5を形成するにあたり、図6に示す例では凹凸形成治具4が摺接した位置に形成される外層塗膜5の凹条13が形成されている位置ではこの外層塗膜5の下地である下塗り塗膜15又は中塗り塗膜8が隠蔽されているが、図7に示すように凹条13の底面で外層塗膜5の下地を露出させるようにしても良い。この場合、外層塗料2に凹凸形成治具4を摺接するにあたり、凹凸形成治具4の突起が下地である下塗り塗膜15又は中塗り塗膜8に接触させることで、この突起3が摺接した位置に外層塗料2が残存しないようにし、この外層塗料2を成膜することで、凹条13の底面で下地が露出する外層塗膜5を形成することができる。
このようにすると、凹条13の底面に外層塗膜5の下地の色を表出させることで、更に高い意匠性を付与することができる。例えば中塗り塗膜8を形成した後に外層塗膜5を形成する場合、中塗り塗膜8として外層塗膜3の色と色相が同一又は近似すると共に明度と彩度のうち少なくとも一方が異なる色を有するものを設けていれば、全体的に同一の色調を有するすじ状模様を現出させることがでる。また中塗り塗膜8として外層塗膜5の色と異なる色相を有するものを形成すると、凹条13の形成位置で外層塗膜3と異なる色相の色がすじ状に現れるすじ状模様を現出させることができるものである。
以上のようにして凹凸模様を有する外層塗膜5を備えた塗装金属板を製造すると、塗装金属板の連続製造工程に大きな変更を加えることなく、凹凸形成治具4を配設するだけで、作業者の熟練を要することなく意匠性の高い外観を有するすじ状の凹凸模様を備えた塗装金属板を生産効率よく製造することができるものである。
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例1)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、これを長手方向に100m/minの通板速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、中塗り塗料の塗布及び焼付硬化、外層塗料2の塗布、凹凸形成処理、外層塗料2の焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
また下塗り塗料としてはエポキシ系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「P667」を用い、その塗布量は5g/m2(乾燥膜厚3μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間20秒とした。
また中塗り塗料としてはシルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」を用い、その塗布量は乾燥膜厚が13μmとなるようにし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。
また、外層塗料2としては、シルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」(平均粒径20μmの鱗片状のアルミニウム粉末を揮発性成分を除く固形分に対して11.2重量%含有、粘度(フォードカップNo.4)70秒、TI値1.3)を用い、図1に示す塗布設備にて、塗布量が湿潤膜厚で30μm、乾燥膜厚で13μmとなるようにした。
また、凹凸形成処理は、図4に示す形状の二列の突起列6からなる櫛歯状の凹凸形成治具4(突起3の幅寸法1.0mm、突起3間の間隔が、一列目の突起列6で3.0mm、二列目の突起列6で5.0mm)を用い、これを外層塗料2の塗布設備における図1に示す位置に、その先端部が金属板1上の外層塗料2に摺接すると共にこの外層塗料2への浸漬深さが30μmとなるように配設することで行った。
また、外層塗料2の焼付硬化条件は、加熱温度210℃、加熱時間30秒とした。
(実施例2)
中塗り塗料の塗布成膜を行わなかった以外は実施例1と同様にして凹凸模様を有する外層塗膜5を形成した後、その外層塗膜5に積層してクリア塗料を塗布成膜した。前記クリア塗料としては、ポリエステル系塗料である品番「NSC300HQ」を用い、塗布量を12g/m2(乾燥膜厚10μm)とし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。
(実施例3)
凹凸形成治具4として、突起3の幅寸法が2.0mmのものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
(実施例4)
凹凸形成治具4として、突起3の幅寸法が0.1mmのものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
(実施例5)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、これを長手方向に60m/minの通板速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、中塗り塗料の塗布及び焼付硬化、外層塗料2の塗布、凹凸形成処理、外層塗料2の焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
また下塗り塗料としては日本ファインコーティングス株式会社製のエポキシ系塗料である品番「GL64P」を用い、その塗布量は7g/m2(乾燥膜厚5μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間30秒とした。
また中塗り塗料としてはシルバー調のフッ素樹脂系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の商品名「ディックフロー」を用い、その塗布量は乾燥膜厚が20μmとなるようにし、焼付硬化条件は加熱温度250℃、加熱時間50秒とした。
また、外層塗料2としては、シルバー調のフッ素樹脂系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の商品名「ディックフロー」(平均粒径20μmの鱗片状のアルミニウム粉末を揮発性成分を除く固形分に対して11.8重量%含有、粘度(フォードカップNo.4)90秒、TI値2.6)を用い、図1に示す塗布設備にて、塗布量が湿潤膜厚で50μm、乾燥膜厚で20μmとなるようにした。
また、凹凸形成処理は、図4に示す形状の二列の突起列6からなる櫛歯状の凹凸形成治具4(突起3の幅寸法1.0mm、突起3間の間隔が、一列目の突起列6で3.0mm、二列目の突起列6で5.0mm)を用い、これを外層塗料2の塗布設備における図1に示す位置に、その先端部が金属板1上の外層塗料2に摺接すると共にこの外層塗料2への浸漬深さが50μmとなるように配設することで行った。
また、外層塗料2の焼付硬化条件は、加熱温度250℃、加熱時間50秒とした。
(比較例1)
凹凸形成処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
(比較例2)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、これを長手方向に80m/minの通板速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、中塗り塗料の塗布及び焼付硬化、印刷層の形成、クリア塗料の塗布及び焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
また下塗り塗料としては日本パーカライジング株式会社製のエポキシ系塗料である品番「P667」を用い、その塗布量は5g/m2(乾燥膜厚3μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間20秒とした。
また中塗り塗料としてはシルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」を用い、その塗布量は乾燥膜厚が13μmとなるようにし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。
また印刷層の形成にあたっては、印刷インキ(大日本インキ化学工業株式会社製、品番「ジオテックAN」)を用い、グラビアオフセット印刷法によりすじ状の印刷模様を有する印刷層を形成し、210℃、30秒間で焼付硬化させた。
また、クリア塗料としては、ポリエステル系塗料である品番「NSC300HQ」を用い、塗布量を12g/m2(乾燥膜厚10μm)とし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。
(外観評価)
各実施例及び比較例で得られた塗装金属板の外観を目視で観察し、下記評価基準にて評価した。
◎:明瞭なすじ状意匠が認められる。
○:やや不明瞭なすじ状模様が認められる。
△:すじ状模様が認められるが、クレータ状や盛り上がり状等の外観不良も認められる。
×:すじ状模様が認められない。
また、実施例1についての外観写真を図9に示す。
(凹凸深さ評価)
各実施例及び比較例で得られた塗装金属板の表面の凹凸深さを、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機(品番「ハンディサーフE−35A」)を用いて測定した。
(作業性評価)
各実施例及び比較例にて塗装金属板を得るに際しての作業性を下記評価基準にて評価した。
◎:従来の生産ライン及び通板条件で生産可能
○:ライン速度の抑制等の制限はあるが、既存の生産ラインで生産可能
△:プリント設備の追加が必要
×:クレータ状や盛り上がり状等の外観不良が避けられない
以上の結果を表1に示す。
本発明の実施の形態の一例を示す一部の概略図である。 同上の一部の斜視図である。 同上の他例の一部の斜視図である。 (a)及び(b)は凹凸形成治具の構成の一例を示す正面図である。 図4に示す凹凸形成治具を用いて凹凸模様を形成する様子を示す平面図である。 (a)乃至(d)は塗装金属板の構成を示す断面図である。 (a)乃至(d)は塗装金属板の構成の他例を示す断面図である。 (a)乃至(c)は凹凸形成処理の様子を模式的に示す断面図である。 実施例1で得られた塗装鋼板の外観写真である。
符号の説明
1 金属板
2 外層塗料
3 突起
4 凹凸形成治具
5 外層塗膜
6 突起列
7 クリア塗膜
8 中塗り塗膜

Claims (8)

  1. 金属板を連続的に搬送しながらこの金属板の表面に塗装を施す塗装金属板の製造方法であって、前記金属板の搬送経路上において、前記金属板の表面に、着色材として鱗片状の金属粉末を含有する液状の外層塗料を塗布した後、前記金属板上の未硬化状態の外層塗料に複数の突起を有する凹凸形成治具を摺接させ、次いで前記外層塗料を硬化成膜することで、すじ状の凹凸模様を有する外層塗膜を形成する工程を含むことを特徴とする塗装金属板の製造方法。
  2. 上記複数の突起を、金属板の搬送方向の配置位置を異ならせて配設することを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板の製造方法。
  3. 上記凹凸形成治具において、一列に配列した複数の突起からなる突起列を、金属板の搬送方向の配置位置を異ならせて複数列設けることを特徴とする請求項2に記載の塗装金属板の製造方法。
  4. 上記各突起列内における隣接する突起間の間隔を各突起列ごとに異ならせることを特徴とする請求項3に記載の塗装金属板の製造方法。
  5. 外層塗膜を形成した後、この外層塗膜の表面にクリア塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の塗装金属板の製造方法。
  6. 金属板表面に、外層塗膜を形成する前に、中塗り塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の塗装金属板の製造方法。
  7. 凹凸形成治具が摺接した位置に形成される外層塗膜の凹条の底面に、外層塗膜の下地を露出させることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の塗装金属板の製造方法。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の方法にて製造されたものであることを特徴とする塗装金属板。
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