JP4764363B2

JP4764363B2 - エンジン駆動式ヒートポンプ

Info

Publication number: JP4764363B2
Application number: JP2007041347A
Authority: JP
Inventors: 秀喜金井; 進村井; 栄治太田
Original assignee: Yanmar Co Ltd
Current assignee: Yanmar Co Ltd
Priority date: 2007-02-21
Filing date: 2007-02-21
Publication date: 2011-08-31
Anticipated expiration: 2027-02-21
Also published as: KR101181881B1; EP2113729B1; EP2113729A1; CN101595352B; JP2008202895A; EP2113729A4; CN101595352A; WO2008102798A1; KR20090086131A

Description

本発明は、圧縮機を駆動するエンジンと冷媒液を貯溜するレシーバーとを有するエンジン駆動式ヒートポンプの床板構成技術に関する。

従来、空気調和機の一つであり、圧縮機をエンジンで駆動する構成としたエンジン駆動式ヒートポンプは公知である。エンジンから圧縮機への動力伝達部（フライホイール又は伝達軸）のオイルシール部の損傷等によりエンジンオイルが飛散する、或いはエンジンの配管等よりエンジンオイルが漏出する場合がある。そのため、機器室底面に構成は、エンジンオイルの機外漏出防止、並びにエンジンオイル漏出時における収集のため、様々な試みがなされてきた。

例えば、特許文献１は、オイル貯溜室をプレス加工にて形成した底パネルを有するエンジン駆動式ヒートポンプを開示している。万が一エンジンオイルが漏出した際には、このオイル貯溜室にエンジンオイルが貯溜される。
特開２００３−２７９０７７号公報

しかし、特許文献１記載のエンジン駆動式ヒートポンプの底パネルは、４隅に支柱に沿って流下する雨水を排水する水切り室を形成しており、４隅以外の部分をオイル貯留室としている。そして、オイル貯留室と水切り室をオイル堰によって区切っている。このため、機器室に配置される冷媒機器の表面に発生する結露は凝縮水となってオイル貯留室に滞留する恐れがある。例えばレシーバーは、運転中に内部に貯溜される冷媒液が低温になるため、表面に結露が生じる。この結露が集まり凝縮水となって機器室底面に滞留する恐れがある。また、エンジンは、運転振動による騒音を伴うものである。そのため、エンジン駆動式ヒートポンプの底面全体を一枚の底パネルで構成すると、振幅の大きな騒音発生の原因となる場合もある。そこで、解決しようとする問題は、簡易な構成にて、エンジンオイル漏出防止、冷媒機器の結露による凝縮水排水、並びにエンジン振動を起振源とする騒音の低減が可能であるエンジン駆動式ヒートポンプの床板構成を提供することである。

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

請求項１においては、圧縮機を駆動するエンジンと、冷媒液を貯溜するレシーバーと、を有するエンジン駆動式ヒートポンプにおいて、該エンジン駆動式ヒートポンプの底面を分割して、少なくとも、前記レシーバーを設ける冷媒機器用床板と、前記エンジンを設けるエンジンマウント用床板との、別体から成る構成とし、前記冷媒機器用床板は、排水口が設けられ、周縁に側壁が設けられる皿型形状または箱型形状に形成され、前記エンジンマウント用床板は、周縁に側壁が設けられる皿型形状または箱型形状に形成されて、前記冷媒機器用床板とは、開口部や隙間を設けることなく遮断されているものである。

請求項２においては、請求項１記載のエンジン駆動式ヒートポンプにおいて、前記エンジンと前記圧縮機との動力伝達部の側方箇所において、前記動力伝達部付近から飛散される飛散物を、前記エンジンマウント用床板に導くための板部材を設けるものである。

本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。

請求項１においては、起振源であるエンジンのみをエンジンマウント用床板に載置するため、機器室床板全体がエンジンによって振動する場合と比べて振幅を抑えることができて、騒音を低減できる。
また、冷媒機器用床板とエンジンマウント用床板とを別構成とすることで、結露による凝縮水の収集、並びにエンジンオイルが漏出した際のエンジンオイルの収集をそれぞれ別にできる。

また、上記の効果に加え、機器室で発生する凝縮水をエンジン駆動式ヒートポンプ外へ確実に排水できる一方で、また、エンジンオイルが漏出した際は、エンジンマウント用床板は開口部を有さず外部と遮断されているため、漏出したエンジンオイルがヒートポンプ外へ漏れ出るのを防止できる。

請求項２においては、エンジンの出力軸端部からエンジンオイルが飛散した際であっても、エンジンマウント用床板へエンジンオイルを落下させることができる。そのため、飛散したエンジンオイルがヒートポンプ外へ漏れ出るのを防止できる。

次に、発明の実施の形態を説明する。

図１は本発明の実施例に係るエンジン駆動式ヒートポンプの全体的な構成を示す正面図、図２は同じく機器室におけるエンジン、レシーバー、及びオイルセパレータの配置を示す斜視図、図３は同じくエンジンのフライホイール部分の断面を示す部分断面図である。

まず、図１を用いて、本発明を適用するエンジン駆動式ヒートポンプ１について、簡単に説明する。図１に示すように、エンジン駆動式ヒートポンプ１は、上下に区切られた二つの装置室１０・２０で構成されている。上側の装置室は熱交換室１０であり、下側の装置室は機器室２０とされている。熱交換室１０は、室外熱交換器１１の熱交換のために外気が通風できる構成とされた室である。熱交換室１０には、室外熱交換器１１、ラジエータ（図示略）、室外ファン１２及び室外ファン電動機１３が配置されている。室外熱交換器１１は、熱交換室１０の正面及び背面に配置されている。室外ファン１２は、外気を正面及び背面より吸込み、室外熱交換器１１にて熱交換させ、上面へ吹き出すように通風構成する。この通風構成によって、ラジエータも同様に熱交換される。なお、この通風構成は、大型の空気調和装置に良く用いられる上吹き型と称される形式の構成である。

他方、機器室２０は、換気口（図示略）、エンジン吸気管（図示略）及び排気管（図示略）を通じてのみ外部と連通する略密閉式の装置室である。また、機器室２０には、エンジン系統機器、冷媒機器、及び電気品箱（図示略）等のエンジン駆動式ヒートポンプ１の主要機器が配置されている。エンジン系統機器としては、エンジン２２、及びその周囲部品等が配置されている。一方、冷媒機器としては、圧縮機２３、オイルセパレータ２５、及びレシーバー２４等が配置されている。また、機器室２０は、外板２１によって側面周囲が被装されている。なお、斜板５０については、詳しくは後述する。

ここで、図２を用いて、冷媒機器用床板４０の構成について詳細に説明する。なお、図２は、分かり易く説明するため、機器室２０においてエンジン２２、レシーバー２４、及びオイルセパレータ２５のみを記載し、外板２１及び斜板５０を省略して図示している。図２に示すように、冷媒機器用床板４０は、その周囲に側壁４３を有する皿型形状に形成されている。側壁４３の高さは、本実施例では特に限定しないが、５０ｍｍ〜１００ｍｍの高さで十分である。また、冷媒機器用床板４０は、その底面に排水口４２が設けられている。排水口４２は、該排水口４２からエンジン駆動式ヒートポンプ１外へ連通している。また、冷媒機器用床板４０は、エンジン駆動式ヒートポンプ１の幅方向においてエンジン２２の出力側（すなわち、圧縮機２３側）に、奥行き方向において略中央に配置されている。冷媒機器用床板４０には、取り付け台４５に取り付けられたレシーバー２４及びオイルセパレータ２５が載置されている。

このような構成とすることで、以下の作用が得られる。機器室２０に配置される冷媒機器は、運転中に低温になる機器がある。例えばレシーバー２４は、運転中に内部に貯溜される冷媒液が低温になるため、その表面に空気中の水分が結露する。そのため、結露が下方に滴下し集まることで、機器室２０底面に凝縮水として滞留する。レシーバー２４周囲の液配管にも同様の現象が発生する。冷媒機器用床板４０は、これらの凝縮水を収集し、排水口４２によって確実にエンジン駆動式ヒートポンプ１外に排水することができる。

また、同様に図２を用いて、エンジンマウント用床板３０の構成について詳細に説明する。図２に示すように、エンジンマウント用床板３０は、その周囲に側壁３３を有する皿型形状に形成されている。側壁３３の高さは、本実施例では特に限定しないが、前記冷媒機器用床板４０の高さと略同じ高さとしている。また、エンジンマウント用床板底面３１は、開口部又は隙間等を設けることなく、冷媒機器用床板４０及び機器室２０のその他部分の床板とは遮断されている。また、エンジンマウント用床板３０は、エンジン駆動式ヒートポンプ１の幅方向において右方に、奥行き方向において略中央に配置されている。エンジンマウント用床板３０には、エンジンマウント５１（図３参照）に取り付けられたエンジン２２が載置されている。

このような構成とすることで、以下の効果が得られる。エンジン２２のフライホイール２７又はエンジン２２と圧縮機２３の伝達軸においてオイルシール部の損傷等によりエンジンオイルが飛散する、或いはエンジン２２の配管等よりエンジンオイルが漏出する場合がある。そこで、エンジンマウント用床板３０が密閉の箱型形状であるため、万が一エンジンオイルが漏出した場合でも、エンジンマウント用床板３０のみでエンジンオイルを収集し、エンジンマウント用床板３０より外部にエンジンオイルが漏出することを防止できる。

また、以下の効果も得られる。すなわち、冷媒機器用床板４０とエンジンマウント用床板３０とを別構成とすることで、結露による凝縮水の排水、並びにエンジンオイルが漏出した際のエンジンオイルの収集をそれぞれ別にできる。また、本実施例の冷媒機器用床板４０及びエンジンマウント用床板３０は、単なる箱型形状であり簡易に製造できる。さらに、エンジン２２は、エンジンマウント用床板３０のみによって載置されているため、エンジン駆動式ヒートポンプ１の底面全体を一枚の床板で構成する場合と比べて、エンジン２２の振動による床板の振幅を抑えられる。つまりエンジン駆動式ヒートポンプ１の騒音を低減できる。

また、図３を用いて、斜板５０の構成について詳細に説明する。なお、図３は、分かり易く説明するため、機器室２０においてエンジン２２のみを図示している。図３に示すように、斜板５０は、機器室２０において正面及び背面の外板２１の内部側にそれぞれ設けられている。また、斜板５０は、エンジン駆動式ヒートポンプ１の側面視において、上ストレート部５０ａと傾斜部５０ｂと下ストレート部５０ｃとから構成されている。本実施例の斜板５０は、上ストレート部５０ａを正面又は背面の外板２１と隣接させ、傾斜部５０ｂをエンジンマウント用床板３０の内部に向かうように傾斜させ、下ストレート部５０ｃをエンジンマウント用床板３０の側壁３３よりエンジン２２に向かって内側に位置するように設けられ、下ストレート部５０ｃの下端は側壁３３上端より下方のエンジンマウント用床板底面３１上面まで延設している。さらに、斜板５０の高さは、少なくとも機器室２０に載置されたエンジン２２の高さ以上とされている。なお、斜板５０の厚さは、特に限定しないが、本実施例では外板２１同等の厚さとしている。一方、斜板５０は、エンジン駆動式ヒートポンプ１の正面視において、圧縮機２３とエンジン２２との動力伝達部を覆う幅であって少なくともフライホイール２７を覆う幅とされる（図１参照）。

このような構成とすることで、以下の効果が得られる。すなわち、エンジン２２のフライホイール２７又はエンジン２２と圧縮機２３の伝達軸においてオイルシール部の損傷等により飛散するエンジンオイルを確実に受け止め、傾斜によってエンジンマウント用床板３０に収集することができる。

このようにして、万が一エンジンオイルが漏出した際のエンジンマウント用床板３０への収集性能をさらに向上できる。また、斜板５０の設置をフライホイール２７等のエンジン２２と圧縮機２３の接続部近傍とすることで、外板２１の重量増加を最小に抑えて外板２１の脱着性が悪化するのを防止できる。

本発明の実施例に係るエンジン駆動式ヒートポンプの全体的な構成を示す正面図。同じく機器室におけるエンジン、レシーバー、及びオイルセパレータの配置を示す斜視図。同じくエンジンのフライホイール部分の断面を示す部分断面図。

１エンジン駆動式ヒートポンプ
２０機器室
２２エンジン
２３圧縮機
２４レシーバー
２７フライホイール
３０エンジンマウント用床板
４０冷媒機器用床板
４２排水口
５０斜板

Claims

圧縮機を駆動するエンジンと、冷媒液を貯溜するレシーバーと、を有するエンジン駆動式ヒートポンプにおいて、該エンジン駆動式ヒートポンプの底面を分割して、少なくとも、前記レシーバーを設ける冷媒機器用床板と、前記エンジンを設けるエンジンマウント用床板との、別体から成る構成とし、前記冷媒機器用床板は、排水口が設けられ、周縁に側壁が設けられる皿型形状または箱型形状に形成され、前記エンジンマウント用床板は、周縁に側壁が設けられる皿型形状または箱型形状に形成されて、前記冷媒機器用床板とは、開口部や隙間を設けることなく遮断されていることを特徴とするエンジン駆動式ヒートポンプ。
請求項１記載のエンジン駆動式ヒートポンプにおいて、前記エンジンと前記圧縮機との動力伝達部の側方箇所において、前記動力伝達部付近から飛散される飛散物を、前記エンジンマウント用床板に導くための板部材を設けることを特徴とするエンジン駆動式ヒートポンプ。