JP4763909B2 - コンタクトレンズ用クリーナー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はコンタクトレンズ用クリーナーに関し、さらに詳しくは、払拭後コンタクトレンズを水やすすぎ液などで洗浄しなくてもそのまま装着することができるコンタクトレンズ用クリーナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンタクトレンズには、ハ−ドコンタクトレンズ(酸素透過性タイプと非酸素透過性タイプ)と、ソフトコンタクトレンズ(非含水タイプ、低含水タイプ、高含水タイプ)とがあるが、装着中に違和感を感じた場合、あるいは脂質やたん白質などの眼の分泌物や空気中のゴミなどがレンズに付着した場合、コンタクトレンズを外して洗浄液に浸し、指先で擦り洗いをした後、洗浄液をすすぎ洗いして使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外出時に洗浄液、すすぎ液を携帯することは殆ど行なわれておらず、外出先において目に違和感を覚えたり、レンズにごみが付着した場合などには応急的に水で洗うなどの処置を取っていたのであるが、水がない場合においては処置の施しようがなかった。
【0004】
これまでにも、外出時の携帯に便利で、急を要する場合にレンズに付着した汚れを払拭することが出来るレンズクリーナーが提供されている。例えば、特公平7−74865号においては、吸水性材料からなる紙もしくは布に界面活性剤と防腐剤、さらにはキレート剤、等張化剤、緩衝剤の1以上を含有する水溶液を含浸させたレンズクリーナーが開示されている。
【0005】
また、他のシート状洗浄剤として、特開2000−19464では、タンパク質に対して親和性のある繊維シート体に、界面活性剤、防腐剤、タンパク溶解剤、タンパク軟化剤、研磨粒子、酵素、還元剤、過酸化物、キレート剤、塩類(無機塩、有機塩)、pH調整剤、緩衝剤等を配合した洗浄液を含浸処理した洗浄シートが開示されている。
【0006】
しかしながら、これらのレンズクリーナー、洗浄シートは、コンタクトレンズを擦り洗いした後、すすぎ水によりコンタクトレンズをすすいで、レンズ面に付着した、界面活性剤等の目に刺激を与える成分やシートから毛羽立った繊維くずを、洗い流さなければならず、外出時に携帯に便利だとしても、水を使用できない場合にはすすぎ洗いができないため、使用できないという問題がある。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、携帯に便利であり、外出時などにおいて急を要する場合に簡便にレンズを払拭することができ、しかもすすぎ洗いを要せず、そのまま装着可能なコンタクトレンズ用クリーナーを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、界面活性剤等、目に刺激性のある成分を含有しない清浄液を用い、これを吸水性シート材、好ましくは親水性の長繊維を用いたノーバインダー製の実質的にシート面にリントがない不織布に含浸させたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係るコンタクトレンズ用クリーナーは、吸水性シート材に、塩化ナトリウムと塩化カリウムの少なくともいずれかと、防腐剤を含有し、界面活性剤を含有しない清浄液を含浸させたことを特徴とするコンタクトレンズ用クリーナーである。塩化ナトリウム、塩化カリウムは、いわゆる等張化剤で、払拭後にレンズを再装着した際、眼に刺激を与えないように作用する。
【0010】
防腐剤としては、各種のものが使用可能であり、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、クロロヘキシジン酸塩から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0011】
また、その他の成分として、当該技術分野で通常用いられる緩衝剤、例えば、ホウ酸系、リン酸系、炭酸系、クエン酸系、酒石酸系、乳酸系、酢酸系、フタル酸系等の緩衝剤を加えても良い。
【0012】
等張化剤としての塩化ナトリウム、塩化カリウムの添加量は、塩化ナトリウムと塩化カリウムの少なくともいずれかを0.11〜1.5重量%程度添加するのが好ましく、塩化ナトリウムと塩化カリウムの両者を配合する場合には、塩化ナトリウムを0.1〜1.0重量%、塩化カリウムを0.01〜0.5重量%程度とするのが望ましい。また防腐剤は0.005〜0.2重量%程度の含有量とする。
【0013】
吸水性シート材の素材としては、コットン、セルロース、レーヨン、アセテートなどを使用することができ、できるだけ柔らかく、払拭時にレンズ表面に損傷を与えないシート材が望ましく、また、払拭後にレンズ表面にシート材に由来する繊維くずやリントなどが付着しない素材が望ましい。この点から本発明では吸水性シート材として、親水性の長繊維を用いたノーバインダー製不織布を用いている。このような吸水性シート材としては、例えば、コットンリンターを使用したセルロース100%の長繊維不織布で、バインダーを用いずに、紡糸した繊維同士が自己接着力でくっつき合いシート状の不織布を構成するノーバインダー不織布、例えば旭化成工業株式会社製の「ベンリーゼ」などが好適に使用できる。
【0014】
本発明のコンタクトレンズ用クリーナーは、吸水性シート材、すなわち、親水性の長繊維を用いたノーバインダー製不織布に、塩化ナトリウムと塩化カリウムの少なくともいずれかと、防腐剤を含有し、界面活性剤を含有しない清浄液を含浸させたものであるから、例えば、防水性の包装に入れて持ち歩くことができ、携帯に便利であり、コンタクトレンズを装着して外出時に眼に違和感を覚えたり、レンズに汚れが付着した場合、すすぎ水のない状況においても、コンタクトレンズを外してコンタクトレンズ用クリーナーで払拭してそのまま再度装着使用することができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例及び比較例を示して説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0016】
実施例1
親水性の長繊維を用いたノーバインダー製不織布(旭化成工業株式会社製「ベンリーゼ」)を吸水性シート材として使用し、等張化剤としての塩化ナトリウムを0.55重量%、塩化カリウムを0.05重量%、防腐剤としてパラオキシ安息香酸メチル0.07重量%、その他としてエタノール2.0重量%、残部精製水からなる清浄液を調整して含浸させ、コンタクトレンズ用クリーナーとした。
【0017】
実施例2
防腐剤としてパラオキシ安息香酸プロピルを用いた以外は実施例1と同様である。
【0018】
実施例3
防腐剤としてソルビン酸カリウムを用いた以外は実施例1と同様である。
【0019】
実施例4
防腐剤としてホウ酸を用いた以外は実施例1と同様である。
【0020】
比較例1
親水性の長繊維を用いたノーバインダー製不織布(旭化成工業株式会社製「ベンリーゼ」)を吸水性シート材として使用し、等張化剤としての塩化ナトリウムを0.55重量%、塩化カリウムを0.05重量%、防腐剤として塩化ベンゼトニウム0.07重量%、界面活性剤(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)2.0重量%、残部精製水からなる清浄液を調整して含浸させ、比較例1とした。
【0021】
比較例2
防腐剤として塩化ベンゼトニウムを用いた以外は比較例1と同様である。
【0022】
比較例3
防腐剤を省略した以外は比較例1と同様である。
【0023】
比較例4
清浄液を省き、綿布のみを用いた。上記各コンタクトレンズ用クリーナーを用いて、ハードコンタクトレンズの払拭を行ない、払拭後直ちに装着した場合の目に対する刺激性の有無、防腐力効果、レンズに対する防腐剤の付着性の有無、シート材に由来するレンズへのごみの付着性についてテストした結果、表1及び表2に示すような結果が得られた。
【0024】
なお、目に対する刺激性の有無は被験者の感覚により、防腐剤の付着性の有無、ごみの付着性については目視観察により、また、防腐力効果については一般的なチャレンジテストで効果試験をおこなった。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
両表の比較から明らかな通り、吸水性シートとしてノーバインダー製不織布を用いた場合、シート材に由来するレンズへのごみの付着は見られなかった。また、界面活性剤を使用していない本発明の実施例においては目に対する刺激性がなく、すすぎ洗いを要せずにそのまま装着可能であったが、界面活性剤を含有する比較例においては、目に対する刺激性があり、すすぎ洗いが必要で、そのまま装着することができず、すすぎ水のない場合には使用に適さなかった。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明に係るコンタクトレンズ用クリーナーは界面活性剤等の目に刺激を与える成分を含有しておらず、携帯に便利であり、外出時などにおいて急を要する場合に簡便にコンタクトレンズの汚れを払拭することができ、しかもすすぎ洗いを要せずそのまま装着可能であり、すすぎ水のない状況においても好適に使用可能な、外出時に使用する簡便なコンタクトレンズ用クリーナーとして最適である。
【0029】
また、清浄液を含浸させる吸水性シート材として、親水性の長繊維を用いたノーバインダー製不織布を用いた場合、払拭後にレンズ表面にシート材に由来するリントの付着を防止することができ、また不純物による刺激性もないためコンタクトレンズ用クリーナーとして最適である。
Claims (4)
- 親水性の長繊維を用いたノーバインダー製の実質的にシート面にリントがない不織布である吸水性シート材に、界面活性剤を含有しておらず、かつ、塩化ナトリウムと塩化カリウムの少なくともいずれかと、防腐剤を含有する清浄液、を含浸させたことを特徴とするコンタクトレンズ用クリーナー。
- 塩化ナトリウムと塩化カリウムの少なくともいずれかを0.11〜1.5重量%、防腐剤を0.005〜0.2重量%含有する請求項1記載のコンタクトレンズ用クリーナー。
- 塩化ナトリウムを0.1〜1.0重量%、塩化カリウムを0.01〜0.5重量%、防腐剤を0.005〜0.2重量%含有する請求項1又は2記載のコンタクトレンズ用クリーナー。
- 防腐剤がパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、クロロヘキシジン酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載のコンタクトレンズ用クリーナー。
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