JP4757791B2 - ディスクブレーキのモノブロックキャリパおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
この種のディスクブレーキとして、ブレーキディスクの両側にブレーキパッドを配置し、そのブレーキパッドを対を成して対向配置されたピストンによって押圧する対向ピストン型のディスクブレーキが知られている。このディスクブレーキは、ブレーキディスクを挟んでインナ側とアウタ側に配置された別体のキャリパブロックがボルトによって結合されていたが、近年、一体のキャリパブロックにインナ側シリンダ部とアウタ側シリンダ部を形成したモノブロックキャリパを採用したものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、ディスクパス部の強度をさらに高めるためには、ディスクパス部やその周辺部の肉厚を増加せざるを得なくなり、その肉厚の増加によってキャリパ全体の大型化や重量の増加を招くとともに、大型化によってキャリパの脱着性が悪化することが懸念される。
また、ディスク通過リセスの底部とブレーキディスクの間のクリアランスが大きく確保されるため、冷却風の流れが良好になり、制動時におけるキャリパの温度抑制効果を高めることが可能になる。
最初に、図1〜図8に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この発明にかかるモノブロックキャリパ11を採用したディスクブレーキ1を、自動二輪車の車体に取り付けた状態を示す。ディスクブレーキ1は、制動対象となる車輪と一体回転するブレーキディスク12と、制動時に、このブレーキディスク12に摩擦抵抗を付与するこの発明にかかるモノブロックキャリパ11とを備えている。
なお、図2,図3中、34は、キャリパボディ16の開口33に配置されて、ブレーキパッド31をディスク半径方向内方に付勢するパッドスプリングである。
最初に、アウタ側シリンダ部20とインナ側シリンダ部21のディスク円周方向の両縁が相互に結合された(ディスク円周方向両側のトルク受部50にディスク通過リセス51が形成されていない)キャリパブロックを鋳造によって一体に形成し、そのキャリパブロックのディスク通過リセス51の形成位置に、図7に示すように、サイドカッターやエンドミル等の横引き工具によって一定の軸方向幅の溝60を形成する。なお、図7中、61は、溝60を形成したキャリパブロックである。
この例のように溝60を形成した後に図8に示すような特殊な工具65で窪み部62を切削する場合には、工具65によるディスク通過リセス51の底部側の切削抵抗を小さくすることができるため、加工の高速化を図れるというメリットがある。
この実施形態のモノブロックキャリパ111は、ディスクブレーキとして車両に用いられた場合の基本的な機能と基本構造は第1の実施形態とほぼ同様であるが、キャリパボディ116のディスク円周方向の前後に形成されるディスク通過リセス151の形状が第1の実施形態のものと異なっている。
最初に、アウタ側シリンダ部20とインナ側シリンダ部21のディスク円周方向の両縁が相互に結合された(ディスク円周方向両側のトルク受部50にディスク通過リセス151が形成されていない)キャリパブロックを鋳造によって一体に形成し、そのキャリパブロックのうちの、形成しようとするディスク通過リセス151の内側底部に対応する位置に、キャリパブロックのディスク円周方向の端面側からドリル等の孔あけ工具により、ブレーキディスクの接線方向に沿うように直線状の円形孔70を形成する(図11参照)。なお、図11中、161は、円形孔70を形成したキャリパブロックである。
この後、キャリパブロック161のディスク通過リセス151の形成位置に、図11中の鎖線で示すようにサイドカッターやエンドミル等の横引き工具によって一定の軸方向幅(孔あけ工具の直径よりも狭い軸方向幅)の溝71を形成し、その溝71の底部を既にキャリパブロック161に形成されている円形孔70に連通させる。
こうして、キャリパブロック161に円形孔70と溝71が形成されると、これらの円形孔70と溝71が、ディスク通過リセス151の円形断面領域152と定幅領域153となる。
11,111…モノブロックキャリパ
12…ブレーキディスク
17…ピストン
20…アウタ側シリンダ部
21…インナ側シリンダ部
22A,22C…ディスクパス部
31…ブレーキパッド
51,151…ディスク通過リセス
70…円形孔
71…溝
152…円形断面領域
153…定幅領域
D…軸方向幅
W…軸方向幅
Claims (3)
- ブレーキディスクの両側に配置されたブレーキパッドを、対を成して対向配置されたピストンによって押圧する対向ピストン型のディスクブレーキに用いられ、
前記ピストンを摺動自在に嵌合するボアをそれぞれ備えたインナ側シリンダ部とアウタ側シリンダ部が鋳造によって一体に形成されるとともに、前記インナ側シリンダ部とアウタ側シリンダ部の間に、前記ブレーキディスクが通過するディスク通過リセスが設けられたモノブロックキャリパにおいて、
前記ディスク通過リセスは、前記ブレーキディスクの外周側に対応する内側底部を半円以上の円弧角をもつ円弧形状とし、該円弧形状の直径を前記ブレーキディスクの内周側に対応する部位の軸方向幅よりも大きく設定したことを特徴とするディスクブレーキのモノブロックキャリパ。 - 前記ディスク通過リセスは、前記ブレーキディスクの内周側に対応する位置において一定の軸方向幅に形成された定幅領域と、前記ブレーキディスクの外周側に対応する内側底部において、前記定幅領域の幅よりも大きい直径で半円以上の円弧角をもつ円弧形状の空間が前記ブレーキディスクの接線方向に沿って直線状に延出する円形断面領域と、を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキのモノブロックキャリパ。
- 請求項2に記載のモノブロックキャリパを製造する方法において、
鋳造によって形成したキャリパブロックに、前記定幅領域の軸方向幅よりも大きな直径の孔あけ工具によって直線状の円形孔を形成し、この円形孔の形成前または形成後に、この円形孔に連続する一定の軸方向幅の溝を前記キャリパブロックに形成し、前記直線状の円形孔と一定の軸方向幅の溝によって前記円形断面領域と定幅領域を構成することを特徴とするモノブロックキャリパの製造方法。
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