JP4743755B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッドにブロックパターンを備えた空気入りタイヤに関し、詳細には、摩耗末期まで良好な排水性及びトラクション性能を維持しつつショルダーブロックにおけるヒールアンドトウ摩耗(偏摩耗)の抑制を可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤのトレッドに形成するトレッドパターンとして、ブロックパターンが多用されている。ブロックパターンは、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝(リブ溝)と、この主溝に交差して延びる多数の副溝(ラグ溝)とによって区画される多数のブロック(陸部)を備えている。ブロックパターンは乾燥路は勿論のこと、ウェット路面や氷雪路面でも良好なトラクションを発揮する全天候性を有するため、重荷重用空気入りタイヤに適用される割合が増加しつつある。
しかし、重荷重用空気入りタイヤに使用される場合のトレッドのブロックパターンは溝が深く、しかも高荷重下で使用されるため、個々のブロックが変形し易くなっている。このため、タイヤ接地時のブロックの変形(倒れ込み)が大きくなることで、特にショルダーブロックにおいてタイヤ周方向の前後で蹴り出し側ほど多く摩耗するヒールアンドトウ摩耗が発生し易い。ヒールアンドトウ摩耗は、タイヤ転動時にブロックが路面から離脱しようとする際、ブロック蹴り出し部に路面からの制動力とブロックのクラッシング変形による剪断力との合力が作用して滑りが生じ、早期に摩耗が進展し、各ブロックが鋸刃状に摩耗する現象である。
そこで、タイヤ周方向に並ぶショルダーブロック列のブロックの間の副溝に底上げ部を形成して副溝を主溝よりも浅くすることにより、ブロックのタイヤ周方向の曲げ剛性を高め、タイヤ接地時のブロックの変形を抑制してヒールアンドトウ摩耗の発生を防止するようにした空気入りタイヤが提案されている(特許文献1)。
特開平6-297917号公報
しかしながら、ショルダーブロックの変形を十分に抑えられる程度にタイヤ周方向の曲げ剛性を高めるには、ラグ溝の大部分にわたって底上げ部を形成する必要があり、その結果、摩耗中期以降における排水性やトラクション性能の低下が避けられなかった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、空気入りタイヤにおいて摩耗末期まで排水性及びトラクション性能を良好に維持しつつショルダーブロックにおけるヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制することである。
請求項1に係る発明は、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、タイヤ幅方向の最も外側の主溝とトレッド端との間のタイヤ周方向に配列された複数のブロックからなるショルダーブロック列とをトレッドに備えた空気入りタイヤであって、前記ブロックは、前記タイヤ幅方向の最も外側の主溝と、トレッド端と、前記トレッド端からタイヤ幅方向中央に向かって前記最も外側の主溝に到達しない位置まで延びる外側ラグ溝と、前記最も外側の主溝における前記外側ラグ溝のトレッド中央側縁と対向しない位置と前記外側ラグ溝とを連結する、内部にプラットフォームを有する細溝とにより区画され、前記細溝は、前記最も外側の主溝における前記位置から前記トレッド端に向かって前記トレッド端に到達しない位置まで延びるショルダー幅方向内側細溝と、該ショルダー幅方向内側細溝と前記外側ラグ溝とを連結するショルダー周方向細溝とからなることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記ブロックの幅は前記トレッドの幅の12乃至35%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記外側ラグ溝の幅は前記ブロックのタイヤ周方向の配列ピッチの12乃至30%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記外側ラグ溝の長さは前記ブロックの幅の20乃至80%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項5に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記細溝の幅は2.0乃至5.0mmであることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項6に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー幅方向内側細溝の長さは前記ブロックの幅の20乃至80%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項7に係る発明は、請求項記載の空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー周方向細溝の長さは前記ブロックのタイヤ周方向の配列ピッチの20乃至60%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項8に係る発明は、請求項記載の空気入りタイヤにおいて、前記プラットフォームの長さは前記細溝の長さの20乃至60%であることを特徴とする空気入りタイヤである。
請求項9に係る発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記プラットフォームの高さは前記細溝の深さの40乃至70%であることを特徴とする空気入りタイヤである
(作用)
本発明によれば、ショルダーブロック列を構成する各ブロックのタイヤ周方向の端は、トレッド端側は外側ラグにより区画され、トレッド中央側はショルダー幅方向内側細溝により区画されるため、タイヤ周方向の端の位置がトレッド端側とトレッド中央側とで異なる。これにより、ブロックのトレッド端側とトレッド中央側とで、タイヤ接地時の踏み・蹴りのタイミングをずらすことができるので、路面に接触している部分と既に離脱した部分とが互いの動きを拘束し合い、変形を抑制する。
また、ショルダー幅方向内側細溝及びショルダー周方向細溝はタイヤ周方向に隣り合うブロック間の境界を構成している。さらに、細溝は排水性を確保する機能を有する。また、細溝内のプラットフォームはショルダーブロックの剛性を確保し、タイヤ接地時に細溝を挟んで隣り合うブロック間にプラットフォームを介して作用する押圧力がブロックの剛性を補完し合い、ブロックの変形を抑制する。
本発明によれば、ショルダーブロック列を構成するブロックを略S字状とし、溝内にプラットフォームを有する細溝を挟んで隣接ブロックを対向させることにより、ラグ溝の底上部を不要とし、摩耗末期まで排水性及びトラクション性能を良好に維持しつつショルダーブロックにおけるヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。
この空気入りタイヤのトレッドパターン1は、タイヤ赤道の両側において周方向に延びるそれぞれ一対の中央主溝2及び両側主溝3と、中央主溝2と両側主溝3とを連結する内側ラグ溝4と、中央主溝2からタイヤ幅方向中央側、即ち対向する中央主溝2に接近する方向へ互い違いに分岐した分岐溝5と、隣り合う分岐溝5の間を連結する連結溝6とを備えている。これらの溝により、タイヤ周方向に延びるそれぞれ一対のセンターブロック列7及びセカンドブロック列8が形成される。
また、このトレッドパターン1は、トレッド端から両側主溝3の方向、即ちタイヤ幅方向中央に向かって両側主溝3に到達しない位置まで延びる外側ラグ溝9と、両側主溝3のトレッド端側の縁の外側ラグ溝9に対向しない部位からトレッド端に向かって、外側ラグ溝9のタイヤ幅方向内側(中央側)端に対応するタイヤ半径方向位置を越え、トレッド端に到達しない位置まで延びるショルダー幅方向内側細溝10と、ショルダー幅方向内側細溝10のトレッド端側と外側ラグ溝9のタイヤ周方向側の縁とを連結するショルダー周方向細溝11とを備えている。これらの溝及び細溝をタイヤ周方向に所定のピッチで配列することにより、タイヤ周方向に延びる一対のショルダーブロック列12が形成される。
ショルダーブロック列12を構成するショルダーブロック13のタイヤ幅方向の外側端はトレッド端に一致し、ショルダーブロック13のタイヤ幅方向の内側端は両側主溝3の外側端に一致する。また、ショルダーブロック13のタイヤ周方向の端については、トレッド端側とトレッド中央側とで周方向の位置(位相)が異なる。即ちトレッド端側は外側ラグ溝9のタイヤ周方向の縁により位置が規定され、トレッド中央側はショルダー幅方向内側細溝10により位置が規定される。さらに、ショルダー周方向細溝11は、タイヤ周方向に隣り合うショルダーブロック13同士のタイヤ幅方向の境界を構成し、ショルダー幅方向内側細溝10はそのタイヤ周方向の境界を構成している。なお、ここでは、ショルダー幅方向内側細溝10、ショルダー周方向細溝11は何れも平面視直線状であり、それらを折れ線状に連結しているが、これらの細溝を滑らかな1本の曲線状に構成してもよい。また、直線と曲線とを混在させてもよい。
ショルダー幅方向内側細溝10内にはプラットフォーム14が配置されており、ショルダー周方向細溝11内にはプラットフォーム15が配置されている。プラットフォーム14は図2の斜視図に示すように、ショルダー幅方向内側細溝10の底面から所定の高さを有し、かつショルダー幅方向内側細溝10の長手方向に所定の長さを有する略直方体状に形成されている。プラットフォーム15も同様である。
次に、図3及び4を参照しながら、本実施形態に係る空気入りタイヤの転動時の作用を説明する。ここで、図3はショルダー幅方向内側細溝10の作用を説明するための図であり、図4は外側ラグ溝9とショルダー幅方向内側細溝10とのタイヤ周方向の位相を異ならせたことによる作用を説明するための図である。
まず図3に基づいて説明する。ここで、図3Aは図1のトレッドパターンを示すものであり、特にショルダーブロック列12において、タイヤ周方向に隣り合う2個のショルダーブロックを説明の便宜上、ショルダーブロック13-1,13-2としたものである。また、図3Bは図3Aにて丸で囲んだ部分を両側主溝3の位置からショルダー幅方向内側細溝10に平行な視線で見たときの図である。さらに、図3Cはショルダー幅方向内側細溝10及びプラットフォーム14を設けた場合及びそれらを設けない場合のショルダーブロック局所変形を模式化したものである。ここでは、図3Bに示すように、タイヤが自由転動により図3Bにて矢印A1の方向(反時計回り)に回転し、ショルダーブロック13-1,13-2の順で路面E1に接触する場合について説明する。
図3Bに示すように、回転方向前方側のショルダーブロック13-2は路面E1に接触しており、回転方向後方側のショルダーブロック13-1は既に路面E1から離れている。このとき、ショルダーブロック13-2は、路面E1から矢印B1に示すような摩擦力を受けることで変形し、ショルダー幅方向内側細溝10を挟んで対向しているショルダーブロック13-1をプラットフォーム14を介して押圧する。このとき、ショルダーブロック13-2は、プラットフォーム14から、プラットフォーム14を押圧した反作用として矢印C1に示す抗力を受けるため、それ以上の変形が抑制される。この図における四辺形H0はショルダーブロックの局所変形を模式化したものである。ショルダー幅方向内側細溝10及びプラットフォーム14を設けない場合、ショルダーブロックの局所変形は図3Cに破線で示すように倒れ込みの大きな四辺形であるのに対し、本実施形態では同図に実線で示すように倒れ込みが小さくなり、変形が抑制されている。
ここまではショルダー幅方向内側細溝10及びプラットフォーム14によるタイヤ周方向の変形抑制作用を説明したが、タイヤ幅方向についても同様にショルダー周方向細溝11及びプラットフォーム15がショルダーブロック13-1の変形を抑制する。つまり、隣り合うショルダーブロックの境界を構成するタイヤ幅方向及び周方向の細溝並びにその内部のプラットフォーム14及び15により、路面E1に接触中のショルダーブロックの変形が路面E1から離脱しているショルダーブロックにより抑制されることになる。
次に図4に基づいて説明する。ここで、図4Aは図3Aと同様、タイヤ周方向に隣り合う2個のショルダーブロックをショルダーブロック13-1,13-2とすると共に、ショルダーブロック13-1についてはトレッド端側部13-1A、トレッド中央側部13-1B、及び連結部13-1Cに区分したものである。また、図4B、Dはそれぞれショルダーブロック13-1を異なるタイミングでトレッド表面側から見た図であり、図4C、Eはそれぞれ図4B、Dのタイミングで両側主溝3の位置からショルダーブロック13-1を見た図である。さらに、図4Fは本実施形態に係るショルダーブロックと通常の矩形のショルダーブロックの局所変形を模式化したものである。なお、図4A,B,Dにおける破線は、トレッド端側部13-1A、トレッド中央側部13-1B、連結部13-1Cの境界線(B,Dでは連結部13-1Cを省略)を示す。以下、タイヤが自由転動により図4C,Eにて矢印A1の方向(反時計回り)に回転し、ショルダーブロック13-1,13-2の順で路面に接触する場合について説明する。
図4B、Cに示すように、ショルダーブロック13-1のトレッド端側部13-1Aの回転方向先端側に接地部(路面との接触部)D1が存在する時点では、路面からトレッド端側部13-1Aに対し、矢印F1に示す摩擦力が作用することで、トレッド端側部13-1Aはタイヤ周方向に変形し、連結部13-1Cを圧縮する。このとき、圧縮力は連結部13-1Cを介して、既に路面から離脱しているトレッド中央側部13-1Bを押圧するので、トレッド中央側部13-1Bから矢印G1に示すような摩擦力F1と逆向きの反発力が作用する。このため、連結部13-1Cに剪断力が働き、トレッド端側部13-1Aの変形が抑制される。この図のCにおける四辺形H1はショルダーブロックの局所変形を模式化したものである。通常の矩形のショルダーブロックでは、その局所変形は図4Fに破線で示すように倒れ込みの大きな四辺形であるのに対し、本実施形態では同図に実線で示すように倒れ込みが小さくなり、変形が抑制されている。
また、図4D、Eに示すように、ショルダーブロック13-1のトレッド端側部13-1Aの回転方向先端側からトレッド中央側部13-1Bの先端側にわたって接地部D2が存在する時点(図4B、Cよりも早い)では、路面からトレッド中央側部13-1Bに対し、矢印F2に示す摩擦力が作用する。また、トレッド端側部13-1Aは路面に接触しているので、路面との摩擦により、矢印G2に示すような摩擦力F2と逆向きの引張力を受ける。このため、連結部13-1Cに剪断力が働き、トレッド中央端部13-1Bの変形が抑制される。この図のEにおける四辺形H2はショルダーブロックの局所変形を模式化したものである。通常の矩形のショルダーブロックでは、その局所変形は図4Fに破線で示すように倒れ込みの大きな四辺形であるのに対し、本実施形態では同図に実線で示すように倒れ込みが小さくなり、変形が抑制されている。
つまり、図4B、C及びD、Eの何れのタイミングにおいても、ショルダーブロック13-1が路面を踏み込むタイミングと蹴り出すタイミングとがトレッド端側部13-1Aとトレッド中央側部13-1Bとでずれており、図4B、Cの場合は、蹴り出し中であるトレッド端側部13-1Aと既に離脱したトレッド中央側部13-1Bとが互いの動きを拘束し合い、図4D、Eの場合は、路面に残っているトレッド端側部13-1Aと蹴り出し中であるトレッド中央側部13-1Bとが互いの動きを拘束し合うことで、ショルダーブロック13-1の変形を抑制する。このように、まず外部ラグ溝9とショルダー幅方向内側細溝10のタイヤ周方向の位相をずらすことで、ショルダーブロック13を略S字状、クランク状、或いはそれらに類似した形状(以下、S字ブロック)にすることにより、図4を参照しながら説明した変形抑制を可能にしている。
次に、図5に示すショルダーブロック13の拡大図を参照しながらショルダーブロック13の形状及び寸法について説明する。
ショルダーブロック13の幅W1は、トレッドの幅W0(図1参照)の12乃至35%に設定することが好ましい。12%に満たないとショルダーブロック13の幅が狭過ぎてS字ブロックの変形抑制効果が発揮される前にショルダーブロック13全体が摩耗し、ショルダー摩耗に至る可能性があり、35%を越えるとショルダーブロック13が大きくなり過ぎてS字の効果が低下し、矩形ブロックと同様な摩耗形態(ヒールアンドトウ摩耗)を呈することになる。
外側ラグ溝9の最大幅(タイヤ周方向の最大寸法)W2はショルダーブロック13のタイヤ周方向の配列ピッチL0の12乃至30%に設定する。12%に満たないと溝の容積が過小となりウェット路面でのトラクション性能が損なわれる問題が生じ易く、30%を越えるとショルダーブロック13のタイヤ周方向長が短くなり、耐摩耗性及び耐偏摩耗性が損なわれる可能性がある。
外側ラグ溝9の長さ(トレッド幅方向の寸法)L1はショルダーブロックの幅W1の20乃至80%に設定する。ウェット路面でのトラクション性能の観点からは、ラグ溝は長い方が有利であるが、S字ブロックを有効に機能させるためには、ショルダーブロック13のトレッド端側部分及びトレッド中央側部分の各々がある程度の幅を持つことが必要となるからである。
ショルダー幅方向内側細溝10のタイヤ幅方向の長さL2はショルダーブロック13の幅W1の20乃至80%とする。これにより、ショルダーブロック13のトレッド端側部分、トレッド中央側部分の各々にある程度の幅を持たせ、かつ両者のバランスをとることにより、幅の狭い方が先行して摩耗し、偏摩耗に至る可能性をなくすことができる。
ショルダー周方向細溝11のタイヤ周方向の長さL3はショルダーブロック13のタイヤ周方向の配列ピッチL0の20乃至60%とする。これにより、S字状ブロックを形成する上でショルダー周方向細溝11の長さをショルダー幅方向細溝10の長さとバランスさせ、ブロック剛性の低い部分が先に摩耗してしまうことを防止できる。
ショルダー幅方向内側細溝10の幅W4、ショルダー周方向細溝11の幅W5は、何れも2.0乃至5.0mmとする。2.0mm未満では排水性能が不十分となり、5.0mmを越えるとショルダーブロック13が小さくなり過ぎて、ショルダー摩耗に至る可能性がある。
プラットフォーム14のタイヤ幅方向の長さL4は、ショルダー幅方向内側細溝10の長さL2と、ショルダー周方向細溝11の長さL3との和(=L2+L3)の20乃至60%とする。20%に満たないとショルダーブロック13の剛性を確保できなくなり、60%を越えると排水性が阻害される。同じ理由で、プラットフォーム15のタイヤ周方向の長さL5もL2+L3の20乃至60%とする。
プラットフォーム14の高さ、プラットフォーム15の高さは、それぞれショルダー幅方向内側細溝10の深さ、ショルダー周方向細溝11の深さの40乃至70%とする。40%に満たないとショルダーブロック13の剛性を確保できなくなり、70%を越えると排水性が阻害される。
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。この図において、図1に示す第1の実施形態と同一又は対応する構成要素には、図1におけるそれらの構成要素と同じ符号を付した。
第1の実施形態では、ショルダー幅方向内側細溝10内にプラットフォーム14を配置すると共に、ショルダー周方向細溝11内にプラットフォーム15を配置し、かつプラットフォーム14が配置されたショルダー幅方向内側細溝10と、プラットフォーム15が配置されたショルダー周方向細溝11とは互いに接続されたものではなく、ショルダーブロック13を挟んで離れている。これに対し、第2の実施形態では、プラットフォーム16は、互いに接続されたショルダー幅方向内側細溝10とショルダー周方向細溝11との接続部(屈曲部)の両側にわたって連続的に配置されている。ここで、プラットフォーム16の長さ(タイヤ幅方向の長さL6とタイヤ周方向の長さL7との和)は、第1の実施形態と同様、ショルダー幅方向内側細溝10の長さL2と、ショルダー周方向細溝11の長さL3との和(=L2+L3)の20乃至60%とする。本実施形態でも、図3及び4を参照しながら説明した第1の実施形態と同様な作用及び効果を奏する。
[第3の実施形態]
図7は本発明の第3の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。この図において、図1に示す第1の実施形態と同一又は対応する構成要素には、図1におけるそれらの構成要素と同じ符号を付した。
第3の実施形態は、互いに接続されているショルダー幅方向内側細溝10、ショルダー周方向細溝11にそれぞれプラットフォーム14、15を配置したものである。また、プラットフォーム14の長さとプラットフォーム15の長さとの和がショルダー幅方向内側細溝10の長さL2と、ショルダー周方向細溝11の長さL3との和(=L2+L3)の20乃至60%に設定されている。本実施形態でも、図3及び4を参照しながら説明した第1の実施形態と同様な作用及び効果を奏する。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、実施例、及び比較例1及び2を各50本作成し、各種テストを行った結果について以下に説明する。このテストに使用したタイヤのサイズは、実施例、及び比較例1、2の全てが11R22.5、リム幅は7.5インチ、内圧は900kPaである。
また、実施例のタイヤは図7に示すトレッドパターンを有するものであり、比較例1、2のタイヤは図8に示すように、ショルダーブロック列22を構成するショルダーブロック23を矩形ブロックとしたものである。
実施例のタイヤにおいて、ショルダーブロック13の幅W1はトレッド幅W0の17%、外側ラグ溝9の幅W2はショルダーブロック13のタイヤ周方向の配列ピッチL0の18%、外側ラグ溝9の長さL1はショルダーブロック13の幅W1の60%、ショルダー幅方向内側細溝10の長さL2はショルダーブロック13の幅W1の46%、ショルダー周方向細溝11の長さL3は、前記配列ピッチL0の42%、ショルダー幅方向内側細溝10の幅W3、ショルダー周方向細溝11の幅W4は共に3mmである。また、プラットフォーム14の長さ、高さはそれぞれ10mm、7mmであり、プラットフォーム15の長さ、高さはそれぞれ10mm、7mmである。
また、比較例1はラグ溝24の深さを主溝25よりも浅くしたものであり、比較例2はラグ溝24の深さを主溝25と同等にしたものである。実施例のタイヤにおいて、外側ラグ溝9の深さは両側主溝3の深さと同等であり、かつ比較例2の主溝25の深さとも同等である。また、ショルダー幅方向内側細溝10及びショルダー周方向細溝11の深さは12mm(両側主溝3の深さの50%)である。
〔1〕ヒールアンドトウ摩耗の抑制効果
実施例、及び比較例1、2について、実地走行を行い、ヒールアンドトウの量を測定した。ここで、実地走行の内容は、テスト走行距離のうち、80%を高速道路で走行(平均時速80km)し、20%を地場(非舗装路)で走行(平均時速30km)した。
試験条件は以下のとおりである。
車両:2D4(操舵軸、駆動軸、遊動軸の3軸からなり、車両フロント部に操舵軸、リヤ部に前から駆動軸、遊動軸の順に配置された車両形式)
方式:装着位置固定、車両間ローテーション
内容:フロント軸に装着したタイヤにて、2万km、4万km走行時に測定
上記試験条件にて測定したヒールアンドトウ摩耗量のタイヤ毎の平均値の測定結果は表1のとおりである。
Figure 0004743755
この表より、実施例のタイヤのヒールアンドトウ摩耗量は、2万km走行時では比較例1の約1/2、比較例2の1/6、4万km走行時では比較例1の約1/2、比較例2の1/3であり、大幅に低減していることを確認した。つまり、実施例により、外側ラグ溝9の深さを比較例2と同等に深く設定しても、ラグ溝24を浅くしてブロック剛性を高めた比較例1を大幅に上回るヒールアンドトウ摩耗抑制効果があることが実証された。
〔2〕性能低下抑制効果
ショルダーブロックの摩耗によりブロックパターンが変化したときの性能低下を測定するために、ウェットトラクション試験を行った。この試験は水膜厚さが2mmの鉄板路上をエンジン回転数2000rpmで走行したときの加速度であり、その測定結果のタイヤ毎の平均値を比較例1の新品時の加速度を100とした指数で表したのが表2である。
Figure 0004743755
この表より、実施例のタイヤは新品時、50%摩耗時、75%摩耗時の全てにおいて比較例1よりも高い加速度が得られており、特に75%摩耗時に差異が最大になっているので、摩耗末期まで良好なウェットトラクション性能が維持されていることが確認された。
〔3〕寿命延長効果
タイヤは偏摩耗、トレッドパターンの外観変化が原因で完全摩耗に至る前に廃棄されることが多い。実施例、比較例1、各々50本の廃棄時の摩耗率調査結果を表3に示す。
Figure 0004743755
この表より、比較例1(従来品)は65乃至85%摩耗時に廃棄されているのに対し、実施例では75乃至100%(完全摩耗)時に廃棄されているので、タイヤを無駄にすることなく有効に使用できることが確認された。
本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるプラットフォームの斜視図である。 本発明の第1の実施形態におけるショルダー周方向サイプの作用を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における外側ラグ溝とショルダー幅方向内側サイプとのタイヤ周方向の位相をずらしたことによる作用を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態におけるショルダーブロックの拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 比較例のトレッドパターンを示す図である。
符号の説明
1・・・トレッドパターン、2・・・中央主溝、3・・・両側主溝、4・・・内側ラグ溝、9・・・外側ラグ溝、10・・・ショルダー幅方向内側細溝、11・・・ショルダー周方向細溝、12・・・ショルダーブロック列、13・・・ショルダーブロック、14,15,16・・・プラットフォーム。

Claims (9)

  1. タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、タイヤ幅方向の最も外側の主溝とトレッド端との間のタイヤ周方向に配列された複数のブロックからなるショルダーブロック列とをトレッドに備えた空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記タイヤ幅方向の最も外側の主溝と、トレッド端と、前記トレッド端からタイヤ幅方向中央に向かって前記最も外側の主溝に到達しない位置まで延びる外側ラグ溝と、前記最も外側の主溝における前記外側ラグ溝のトレッド中央側縁と対向しない位置と前記外側ラグ溝とを連結する、内部にプラットフォームを有する細溝とにより区画され
    前記細溝は、前記最も外側の主溝における前記位置から前記トレッド端に向かって前記トレッド端に到達しない位置まで延びるショルダー幅方向内側細溝と、該ショルダー幅方向内側細溝と前記外側ラグ溝とを連結するショルダー周方向細溝とからな
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記ブロックの幅は前記トレッドの幅の12乃至35%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記外側ラグ溝の幅は前記ブロックのタイヤ周方向の配列ピッチの12乃至30%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記外側ラグ溝の長さは前記ブロックの幅の20乃至80%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記細溝の幅は2.0乃至5.0mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記ショルダー幅方向内側細溝の長さは前記ブロックの幅の20乃至80%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記ショルダー周方向細溝の長さは前記ブロックのタイヤ周方向の配列ピッチの20乃至60%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 請求項記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記プラットフォームの長さは前記細溝の長さの20乃至60%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、
    前記プラットフォームの高さは前記細溝の深さの40乃至70%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
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