JP4732797B2 - 組立式コンテナ - Google Patents

Description

この発明は、物品の運搬に繰り返して使用する組立式のコンテナに関するものである。

従来、本出願人は、下記特許文献１に開示した構成に基づいて、図７に示すように、滑材５０を底皿５１の底面に釘等で固定して、フォークリフトでの荷役作業に対応した底盤５６を形成し、側板５２の両側部に隅柱５４をリベットやビスで取り付け、一対の側板５２を底皿５１の縁部の内側に沿って起立させ、対向する隅柱５４の溝に他対の側板５３の両側部を差し込んで周壁５７を形成し、その上部を包囲するように蓋５５を被せる組立式コンテナを提供している。

特許第３１０１７００号公報

しかしながら、上記のような組立式コンテナでは、底皿５１に滑材５０を取り付けて底盤５６を製作するのにコストがかかるだけでなく、梱包作業時に側板５２，５３が安定せず、転倒する恐れもあった。

そこで、この発明は、側板が底盤に安定して支持されるコンテナを低コストで提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、この発明は、底盤の端縁に沿って側板を起立させ、側板を継ぎ合わせて周壁を形成し、周壁の上部を包囲するように蓋を被せる組立式コンテナにおいて、底盤は、パレットから成り、上面が周縁部まで平坦となったものとし、一対の側板の両側に下部から上方へ高さ方向の途中まで溝付きＬ字状の隅柱を取り付け、この隅柱の上端に相当する高さから上端部まで、他対の側板の両側に溝付きＬ字状の隅柱を取り付け、一対の側板の隅柱の下部外側面に突起を設け、底盤の四隅に底支柱を立設し、底支柱の底盤から立ち上がる部分は、直角をなす各辺部のみとし、そのうち一方の辺部に切込を形成し、底盤の対向する２辺に沿って一対の側板を起立させ、側板の隅柱を底支柱の各辺部の内面に沿わせ、隅柱の突起を底支柱の切込に挿入して、底盤と側板とを係合させ、一対の側板の隅柱の対向する溝に他対の側板の両側部を差し込み、他対の側板の隅柱の溝に一対の側板の両側上部を差し込んで、隣接する側板を継ぎ合わせ、底支柱の各辺部で側板の下部を外側から支持するようにしたのである。

このように、底盤にパレットを用いて、その四隅に立設した底支柱で側板の下部を支持すると、底皿に滑材を取り付けて専用の底盤を製作する必要がなく、コストを抑制することができ、また、底支柱で梱包時における側板の転倒を防止することもできる。

また、側板の隅柱に設けた突起を、底支柱の切込に挿入して、底盤と側板とを係合させると、梱包時における側板の安定性が向上すると共に、輸送時に側板が底盤から跳び上がる現象も防止される。

以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

図１に示すように、この組立式コンテナは、底盤１の周縁部から各一対の側板２，３を起立させ、側板２，３を繋ぎ合わせて周壁４を形成し、周壁４の上部に蓋５を被せるように構成されている。底盤１には、汎用のプラスチック製パレットが使用され、側板２，３及び蓋５には、リブを有する中空構造のプラスチック板が用いられている。

また、図５及び図６に示すように、側板２，３の両側には、高さ方向の途中で分割して金属又はプラスチックから成る溝付きＬ字状の隅柱６がリベットやビスにより取り付けられ、蓋５のプラスチック板は、各辺の縁部５ａを下方へ折り曲げ、四隅にＬ字状のコーナー材をリベット等で止めて保形されている。

上記コンテナの製造に際しては、図２に示すように、底盤１の四隅に底支柱７を立設しておく。底支柱７は、図３に示すように、垂直方向に延びて直角又は直角よりやや開いた角度をなす各辺部７ａの下部に取付板７ｂを水平に設け、一方の辺部７ａに切込７ｃを形成した板金やプラスチックから成るものとし、取付板７ｂをビス８で底盤１に固定する。

また、図３及び図４に示すように、側板２の隅柱６には、外側面に突起６ａを形成するボルト６ｂを挿通してナット６ｃで固定しておく。なお、突起６ａは、隅柱６の外側面に他の小片を固着して形成してもよい。

これらの部材から成るコンテナは、保管時や物品納入先からの返送時には、底盤１に側板２，３を倒して載せ、蓋５を被せて扁平な状態にしておき、物品を梱包する際、図２乃至図４に示すように、底盤１の対向する２辺に沿って一対の側板２を起立させ、側板２の隅柱６を底支柱７の各辺部７ａの内面に沿わせ、突起６ａを切込７ｃに挿入する。

次に、図５及び図６に示すように、一対の側板２の隅柱６の対向する溝に他対の側板３の両側部を差し込み、他対の側板３の隅柱６の溝に一対の側板２の両側上部が差し込まれるようにして、隣接する側板２，３を継ぎ合わせ、周壁４を形成した後、周壁４の上部を縁部５ａで包囲するように蓋５を被せる。

このように、底盤１に汎用のパレットを用いて、その四隅に立設した底支柱７により側板２，３の下部を支持する組立式コンテナでは、従来のように、底皿に滑材を取り付けて専用の底盤を製作する必要がなく、製造に要するコストを抑制することができる。

また、底支柱７の背を高くして、梱包時における側板２の転倒を防止できるほか、底支柱７の間には従来の底皿のように立ち上がる縁部がないので、底盤１に物品を積み込みにくくなることもない。

また、側板２の隅柱６に設けた突起６ａを、底支柱７の切込７ｃに挿入して、底盤１と側板２とを係合させているので、梱包時における側板２の安定性が向上すると共に、輸送時に側板２が底盤１から跳び上がる現象も防止される。

なお、上記実施形態では、底盤１としてプラスチック製のパレットを使用した例を示したが、木製パレットや合板製パレット、鋼材やアルミ材から成る金属製パレット等を使用することもできる。

この発明に係る組立式コンテナの組立状態を示す斜視図 同上の一対の側板の立込過程を示す斜視図 同上の底支柱部分を示す拡大斜視図 （ａ）図３の縦断正面図、（ｂ）図３の側面図 同上の一対の側板の立込過程を示す斜視図 同上の蓋を被せる状態を示す斜視図 従来の組立式コンテナの組立過程を示す斜視図

１ 底盤
２，３ 側板
４ 周壁
５ 蓋
５ａ 縁部
６ 隅柱
６ａ 突起
６ｂ ボルト
６ｃ ナット
７ 底支柱
７ａ 辺部
７ｂ 取付板
７ｃ 切込

Claims (1)

1. 底盤１の端縁に沿って側板２，３を起立させ、側板２，３を継ぎ合わせて周壁４を形成し、周壁４の上部を包囲するように蓋５を被せる組立式コンテナにおいて、底盤１は、パレットから成り、上面が周縁部まで平坦となったものとし、一対の側板２の両側に下部から上方へ高さ方向の途中まで溝付きＬ字状の隅柱６を取り付け、この隅柱６の上端に相当する高さから上端部まで、他対の側板３の両側に溝付きＬ字状の隅柱６を取り付け、一対の側板２の隅柱６の下部外側面に突起６ａを設け、底盤１の四隅に底支柱７を立設し、底支柱７の底盤１から立ち上がる部分は、直角をなす各辺部７ａのみとし、そのうち一方の辺部７ａに切込７ｃを形成し、底盤１の対向する２辺に沿って一対の側板２を起立させ、側板２の隅柱６を底支柱７の各辺部７ａの内面に沿わせ、隅柱６の突起６ａを底支柱７の切込７ｃに挿入して、底盤１と側板２とを係合させ、一対の側板２の隅柱６の対向する溝に他対の側板３の両側部を差し込み、他対の側板３の隅柱６の溝に一対の側板２の両側上部を差し込んで、隣接する側板２，３を継ぎ合わせ、底支柱７の各辺部７ａで側板２，３の下部を外側から支持するようにしたことを特徴とする組立式コンテナ。

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