JP4732180B2 - 1,3−アミノアルコール誘導体の立体選択的製造方法 - Google Patents

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本発明は、1,3−アミノアルコール誘導体の立体選択的製造方法に関する。より詳細には、本発明は、アルデヒド基を有する化合物とアルデヒド由来のエナミンを反応させて、対応する1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法において、不斉炭素原子を含有する配位子を有する金属錯体、又は不斉炭素原子を含有する化合物及び金属化合物の存在下で、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンをアルドール付加型の求核付加反応をさせて、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンが付加した付加体を製造し、次いで当該付加体を求核試薬の存在下で処理することを特徴するアルドール付加型求核付加反応による1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法に関する。
また、本発明は、アルデヒドと、アルデヒド由来のエナミンとを1価の銅化合物とキラルなジアミン配位子とからなる不斉触媒の存在下で反応させる不斉求核付加反応において、中間体として生成する重合体をエタノール中でスカンジウムトリフラートなどのルイス酸と処理することにより効果的に分解し、N,O−アセタール構造を有する光学活性アルコール誘導体を製造する方法に関する。さらに本発明は、前記重合物をルイス酸存在下、アリル化剤或いは還元剤と処理することにより、対応する光学活性1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法に関する。
医薬品、農薬、香料、機能性高分子等のファインケミカル分野においては、化学物質の有効性や安全性の観点からより高純度の物質を提供することが望まれてきている。特に、分子中に不斉炭素原子を有する物質については、光学的にもより高純度の物質の提供が望まれてきており、立体選択的又はエナンチオ選択的な化学物質の製造法の開発が望まれてきている。このような製造方法は、一般に不斉合成法として呼ばれており、不斉水素化反応はすでに工業化されてきている。
触媒的不斉アルドール反応は、カルボニル基と水酸基を有する化合物のエナンチオ選択的な製造方法としてファインケミカル分野における重要な化合物の合成方法として活発に検討されてきたが、アルドール反応は自己縮合やオリゴマー化などの副反応が生じやすく必ずしも十分な収率で目的物を得ることはできなかった。特に、アルデヒドを求核剤として用いた場合、自己縮合や、生成物の再反応といった問題を伴うことがよく知られている。近年、アルデヒドを直接、あるいはアルデヒド由来のケイ素、エノレートを用いた触媒的不斉交差アルドール反応が報告され注目されている(非特許文献1〜3参照)。
本発明者らは、このような状況において、キラル銅触媒を用いてイミン、アルデヒド、ケトンに対する、ケトン由来のエンカルバメート又はエナミドの触媒的不斉求核付加反応を報告している(特許文献1、及び非特許文献4〜7参照)。
しかしながら、これまでの本発明者らによる検討による求核付加反応においては、カルボニル化合物とエナミンからβ−ヒドロキシカルボニル化合物(アルドール誘導体)を製造する方法が主体とされており、1,3−アミノアルコール誘導体、特に光学活性1,3−アミノアルコール誘導体を高い立体選択性で高収率で製造する方法としては必ずしも十分ではなかった。また、β−ヒドロキシカルボニル化合物(アルドール誘導体)の製造方法としては、ケトンより誘導されたエナミン又はその誘導体については十分な収率が得られたが、アルデヒド由来のエナミン又はその誘導体では必ずしも十分な収率を期待することはできなかった。
WO 2005/070864号 Cordoba,A. 他 J.Org.Chem. 2002,67,301. Chowdari,R. 他 Tetrahedron Lett. 2002,43,9591. Denmark,S. E. 他 Angew.Chem.,Int.Ed. 2001,40,4759. J.S.Fossey et al.,Org. Biomol. Chem.,2005,3,2910-2913 R.Matsubara et al.,Tetrahedron,60,2004,9769-9784 R.Matsubara et al.,Angew. Chem. Int. Ed.,2004,43,1679-1681 R.Matsubara et al.,Angew. Chem. Int. Ed.,2004,43,3258-3260
本発明は、医薬品、農薬、香料、機能性高分子等の製造のための原料や合成中間体として有用な光学活性アミノアルコールを、エナミン又はその誘導体を用いる触媒的不斉求核付加反応により製造する方法を提供することを目的としている。より詳細には、本発明は、光学活性1,3−アミノアルコール誘導体を、カルボニル化合物とエナミン又はその誘導体を用いるアルドール付加反応型の触媒的不斉求核付加反応により簡便でかつ高収率で立体選択的な製造方法を提供することを目的としている。
一般に、カルボニル化合物とエナミン又はその誘導体を用いたアルドール付加反応型の求核付加反応においては、アルドール付加反応により生成した付加体を加水分解してアルドール誘導体を製造するものであるが、この反応は原料のカルボニル化合物もエナミンも、いずれもカルボニル誘導体であることから、自己縮合やオリゴマー化などの副反応が生じやすく、生成物を単離することが困難な場合があった。特に使用するエナミンがアルデヒド由来のものである場合には、生成物が複雑となり十分な収率をえることは困難であった。本発明者らは、この原因について検討したところ、カルボニル化合物とエナミン又はその誘導体を用いたアルドール付加反応型の求核付加反応においては、付加生成物のオリゴマー化やポリマー化が生じ、反応混合物中に存在するこのようなオリゴマーやポリマーの加水分解が進行せず、この結果、十分な収率が得られなかったことを見いだした。そして、本発明者らは、反応混合物中に存在するこのようなオリゴマーやポリマーの分解方法を検討してきたところ、求核試薬によりこのようなオリゴマーやポリマーを分解することができることを見いだした。
即ち、本発明は、アルデヒド基を有する化合物とアルデヒド由来のエナミンを反応させて、対応する1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法において、不斉炭素原子を含有する配位子を有する金属錯体、又は不斉炭素原子を含有する化合物及び金属化合物の存在下で、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンをアルドール付加型の求核付加反応をさせて、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンが付加した付加体を製造し、次いで当該付加体を求核試薬の存在下で処理することを特徴するアルドール付加型求核付加反応による1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、前記エナミンとして、エナミンの窒素原子がアシル基で保護されているエナミン(エナミド)又は炭化水素オキシカルボニル基で保護されているエナミン(エンカーバメート)を用いることを特徴とするものである。
本発明をより具体的に説明すれば次のとおりとなる。
(1)アルデヒド基を有する化合物とアルデヒド由来のエナミンを反応させて、対応する1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法において、不斉炭素原子を含有する配位子を有する金属錯体、又は不斉炭素原子を含有する化合物及び金属化合物の存在下で、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンをアルドール付加型の求核付加反応をさせて、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンが付加した付加体を製造し、次いで当該付加体を求核試薬の存在下で処理することを特徴するアルドール付加型求核付加反応による1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法。
(2)アルデヒド基を有する化合物が、次の一般式(1)
Figure 0004732180
(式中、Rは、−R基、−C(=O)−R基、又は−COO−R基を示し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。)
で表される化合物であり、アルデヒド由来のエナミンが次の一般式(2)
Figure 0004732180
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Rは−R基、−CO−R基、又は−COO−R基を示し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。)
で表される化合物である前記(1)に記載の方法。
(3)一般式(1)におけるRが、−C(=O)−R基又は−COO−R基(式中、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。)である前記(2)に記載の方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかの方法により製造される1,3−アミノアルコール誘導体が、次の一般式(4)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、Rは求核試薬による求核基を示す。)
で表される化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)不斉炭素原子を含有する配位子又は不斉炭素原子を含有する化合物が、エチレンジアミン構造を有する化合物である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)不斉炭素原子を含有する配位子又は不斉炭素原子を含有する化合物が、光学活性体であり、生成するアミノアルコール誘導体が少なくとも一種の光学活性体を過剰に含むものである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)不斉炭素原子を含有する配位子又は不斉炭素原子を含有する化合物が、次の一般式(3)
Figure 0004732180
(式中、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を示す。)
で表されるシクロヘキシルジアミン誘導体である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)金属錯体又は金属化合物における金属が、銅又はニッケルである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に、アルデヒド由来のエナミンをアルドール付加型の求核付加反応が、さらに炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルカノールの存在下で行われる前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)アルカノールが、イソプロピルアルコールである前記(9)に記載の方法。
(11)求核試薬が、アルコール、アリル化剤、及び水素化物イオン供与体の群から選ばれる求核試薬である前記(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)求核試薬が、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノールであり、希土類金属トリフラート(OTf)塩の存在下で処理される前記(11)に記載の方法。
(13)希土類化合物の希土類元素が、スカンジウムである前記(12)に記載の方法。
(14)前記(12)又は(13)に記載の方法により製造される1,3−アミノアルコール誘導体が、次の一般式(4)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、この場合のRは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を示す。)
で表される化合物である前記(12)又は(13)に記載の方法。
(15)求核試薬が、アリル化剤であり、ルイス酸の存在下で処理される前記(11)に記載の方法。
(16)アリル化剤が、アリル化シラン誘導体であり、ルイス酸がトリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)である前記(15)に記載の方法。
(17)前記(15)又は(16)に記載の方法により製造される1,3−アミノアルコール誘導体が、次の一般式(4)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、この場合のRはアリル基を示す。)
で表される化合物である前記(15)又は(16)に記載の方法。
(18)求核試薬が、水素化ケイ素化合物、水素化ホウ素化合物、及び水素化アルミニウム化合物の群から選択される1種又は2種以上からなる水素化物イオン供与体であり、ルイス酸の存在下で処理される前記(11)に記載の方法。
(19)水素化物イオン供与体が、水素化ケイ素化合物であり、ルイス酸がトリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)である前記(18)に記載の方法。
(20)前記(18)又は(19)に記載の方法により製造される1,3−アミノアルコール誘導体が、次の一般式(4)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、この場合のRは水素原子を示す。)
で表される化合物である前記(18)又は(19)に記載の方法。
(21)前記(15)若しくは(16)、又は前記(18)若しくは(19)に記載の方法により製造される1,3−アミノアルコール誘導体が、次の一般式(4)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、この場合のRは水素原子又はアリル基を示す。)
で表される化合物である前記(15)若しくは(16)、又は前記(18)若しくは(19)に記載の方法。
次に、本発明の態様をさらに詳細に説明する。
まず本発明の、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基にアルデヒド由来のエナミンをアルドール付加型の求核付加反応について説明する。
本発明における「アルデヒド基を有する化合物」としては、アルデヒド基(−CHO基)を有し、当該アルデヒド基の一端に炭素原子が結合したものであって、反応条件下で副反応を生じさせるような官能基を有さないものであれば特に制限はない。そして、当該アルデヒド基(−CHO基)に対する反応が、求核反応であることから電子吸引性の官能基を有し、当該アルデヒド基(−CHO基)の炭素原子における電子がより不足系となっているものが好ましい。
本発明における好ましい「アルデヒド基を有する化合物」をより具体的に示せば、次の一般式(1)
Figure 0004732180
(式中、Rは、−R基、−C(=O)−R基、又は−COO−R基を示し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(1)における基Rの炭化水素基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルキニル基;炭素数3〜15、好ましくは炭素数3〜10の飽和又は不飽和の単環式、多環式又は縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜20のアルキル基が結合した、炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基(炭素環式芳香脂肪族基)が挙げられる。これらの炭化水素基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ビニル基、1−メチル−ビニル基、2−メチル−ビニル基、n−2−プロペニル基、1,2−ジメチル−ビニル基、1−メチル−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ビシクロ[1.1.0]ブチル基、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[2.2.2.]オクチル基、アダマンチル基(トリシクロ[3.3.1.1]デカニル基)、ビシクロ[4.3.2]ウンデカニル基、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチル−メチル基などが挙げられる。また、これらの炭化水素基における置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;前記したアルキル基から誘導されるアルコキシ基;前記したアルキル基から誘導されるアルコキシカルボニル基;前記したアルキル基から誘導されるアルキルカルボニルオキシ基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルコキシ基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルコキシカルボニル基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルキルカルボニルオキシ基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールオキシ基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールオキシカルボニル基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールカルボニルオキシ基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルオキシ基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルオキシカルボニル基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルカルボニルオキシ基;シアノ基;ニトロ基などや、場合によっては、前記したアルキル基やアルケニル基やシクロアルキル基などを置換基とすることもできる。
一般式(1)で表されるアルデヒド基を有する化合物の中でもさらに好ましい化合物としては、一般式(1)における基Rが−C(=O)−R基又は−COO−R基である場合が挙げられる。本発明の方法において、さらに好ましい一般式(1)で表されるアルデヒド基を有する化合物としては、次の一般式(5)
Figure 0004732180
(式中、Rは、置換基を有してもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭化水素オキシ基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。一般式(5)における置換基を有してもよい炭化水素基としては前記した基Rとして説明したものと同じものが挙げられる。好ましいRとしては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基;前記した炭素数1〜20のアルキル基に酸素原子が結合したアルコキシ基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基、前記したアリール基に酸素原子が結合したアリールオキシ基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜20のアルキル基が結合した、炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基;前記したアラルキル基に酸素原子が結合したアラルキルオキシ基などが挙げられる。これらの基の置換基としては、前記してきた置換基群が挙げられる。
本発明の方法における好ましい「アルデヒド基を有する化合物」の具体例としては、例えば、グリオキシル酸エチルエステルなどのグリオキシル酸エステル類、フェニルグリオキサールなどのグリオキサール類などが挙げられる。
本発明の方法における「アルデヒド由来のエナミン」としては、前記してきたアルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に由来するエナミンが挙げられる。好ましい「アルデヒド由来のエナミン」としては、次の一般式(2)
Figure 0004732180
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Rは−R基、−CO−R基、又は−COO−R基を示し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。一般式(2)における基R、R、R、及びRにおける炭化水素基や置換基を有してもよい炭化水素基としては、前記した基Rにおいて説明してきたものが挙げられる。
本発明の方法における好ましい「アルデヒド由来のエナミン」のより好ましい「アルデヒド由来のエナミン」としては、一般式(2)における基Rが、−CO−R基又は−COO−R基、さらに好ましくは−COO−R基である、エナミドやエンカーバメートが挙げられる。即ち、本発明の方法における好ましい「アルデヒド由来のエナミン」としては前記一般式(2)のRが、−CO−R基又は−COO−R基を示し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を示すものが挙げられる。−COO−R基における好ましいR基としては、例えば、ベンジル基、アリル基、tert−ブチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、p−メトキシベンジル基などが挙げられる。
本発明の方法における好ましい「アルデヒド由来のエナミン」の具体例としては、N−ベンジルオキシカルボニル−ビニルアミン、N−アリルオキシカルボニル−ビニルアミン、N−ベンジルオキシカルボニル−1−プロペンアミン、N−ベンジルオキシカルボニル−1−ブテンアミン、N−ベンジルオキシカルボニル−2−クロロビニルアミン、N−ベンジルオキシカルボニル−2−メチル−1−プロペンアミンなどが挙げられる。
本発明の方法におけるアルデヒド基を有する化合物と、アルデヒド由来のエナミンとの使用割合は、1:1とすることが基本ではあるが、原料化合物の反応性や価格などを考慮して適宜決めることができる。両者のモル比としては、0.1〜10程度の広い範囲で選択することができる。
本発明のカルボニル基を有する化合物のカルボニル基にエナミンをアルドール付加型の求核付加反応の方法としては、通常のアルドール付加反応の反応条件下で行うこともできるが、触媒としてキラルな触媒の存在下で、エナンチオ選択的な生成物を得る方法が好ましい。このような方法としては、各種のキラル触媒を使用することもできるが、本発明者らが先に報告してきたキラル触媒(WO 2005/070864号参照)の使用が好ましい。例えば、触媒としてキラルな銅触媒又はキラルなニッケル触媒が挙げられる。これらの触媒におけるキラリティーは、配位子として使用する有機化合物によって生じさせることができる。
このようなキラリティーを有する配位子の好ましい例としては、ジアミン系の化合物が挙げられる。より好ましくはアルキレンジアミン構造、より具体的にはエチレンジアミン構造を有する化合物が挙げられる。不斉炭素原子を含有する配位子であって、キラルな配位子の好ましい例としては次の化合物、
Figure 0004732180
(式中、Rは、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)
が挙げられる。基Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、例えば、t−ブチル基などが挙げられる。また、基Rにおけるアリール基としては、炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基が挙げられる。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、などが挙げられる。好ましいアリール基としてはフェニル基やナフチル基が挙げられる。これらのアルキル基やアリールの置換基としては前記した基Rで説明してきた置換基が挙げられる。
これらの中で、さらに好ましい不斉炭素原子を含有する配位子又は不斉炭素原子を含有する化合物としては、次の一般式(3)
Figure 0004732180
(式中、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を示す。)
で表されるシクロヘキシルジアミン誘導体が挙げられる。基Arにおけるアリール基としては、炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基が挙げられる。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、などが挙げられる。好ましいアリール基としてはフェニル基やナフチル基が挙げられる。これらのアリールの置換基としては、メチル基やエチル基やi−プロピル基やt−ブチル基などの炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基;メトキシ基やエトキシ基などの炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基;塩素原子、フッ素原子、臭素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。より好ましいAr基としてはハロゲン置換フェニル基が挙げられる。特に好ましいAr基の具体例としては、両方のAr基が同じで4−ブロモ−フェニル基が挙げられる。
キラルな銅触媒又はキラルなニッケル触媒を形成させるための銅化合物又はニッケル化合物としては、1価又は2価の化合物として塩、錯塩、有機金属化合物等の各種のものから選択されてよいが、なかでも、有機酸または無機酸との塩、もしくはこの塩との錯体や有機複合体が好適なものとして挙げられる。より好ましくは強酸との塩、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸や過塩素酸、硫酸等の塩、それらの錯体や有機複合体が挙げられる。このような銅化合物又はニッケル化合物としては、例えば、Cu(OTf)、CuOTf、CuClO・4CHCN、Cu(ClO・6HO、Ni(OTf)、NiX+AgOTf(Xはハロゲン原子を示す。)等が挙げられる。
本発明の方法におけるキラルな銅触媒又はキラルなニッケル触媒は、前記したような銅化合物やニッケル化合物とキラルな不斉炭素原子を含有する配位子とを、あらかじめ混合して錯体を調製してから、これを触媒として用いてもよいし、あるいは反応系において銅化合物やニッケル化合物と不斉炭素原子を含有する化合物とを混合して使用するようにしてもよい。触媒としての使用割合については、銅化合物やニッケル化合物もしくは銅化合物やニッケル化合物とキラル有機分子との錯体として、アルデヒド化合物に対して、通常は、0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜20モル%程度の割合とすることができる。
本発明のアルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に、アルデヒド由来のエナミンをアルドール付加型の求核付加反応の方法は、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素、アセトニトリル等のニトリル類、THF等のエーテル類などの有機溶媒の存在下で行うのが好ましい。反応温度としては、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点、−20℃〜40℃程度の範囲で適宜選択することができる。雰囲気は大気中もしくは不活性雰囲気とすることができる。
前記したようなキラルな触媒を使用することにより、アルデヒド由来のエナミンの付加が立体選択的に生成し、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基の位置に生成する水酸基が(R)又は(S)のいずれか一方の鏡像体が優位に生成する。本明細書ではこの位置における(R)体又は(S)体のいずれか一方の過剰率をエナンチオマー過剰率(ee)(%)として表す。このエナンチオマー過剰率は、((R)−(S))/((R)+(S))×100、又は((S)−(R))/((R)+(S))×100として計算される値である。
アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基にエナミンをアルドール付加型の求核付加反応の方法においては、通常はイミノアルコールが生成し、これを加水分解することによりアルドール誘導体を得ることができるが、原料、特にエナミンがアルデヒド由来のものである場合には、加水分解ができない生成物となることがある。本発明者らは、このような付加生成物について、さらに詳細にH−NMRスペクトルにより検討したところ、次の一般式(6)
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、及びRは、前記したと同じものを示し、nはポリマー又はオリゴマーの繰り返し数を示す。)
で表されるポリマー又はオリゴマーが生成していることを見出した。この構造は、アルデヒド由来のエナミンの炭素−炭素二重結合とアルデヒド基の炭素−酸素二重結合が、1,4−付加重合を起こしたような構造であり、アルデヒド由来のエナミンによる求核付加とアルデヒド基のπ結合の開裂が連鎖的に生起したものと考えられる。
そして、本発明者らは、このようなポリマー又はオリゴマーを選択的に解重合することができれば目的の1,3−アミノアルコール誘導体を製造できると考え、この解重合法について検討した。その結果、適当な求核試薬を用いることにより、酸素原子及び窒素原子が結合している炭素原子の部位で選択的な解重合ができることを見出した。
そして、このような求核試薬としては、アルコール、アリル化剤、及び水素化物イオン供与体の群から選ばれる求核試薬が好ましいことがわかった。
求核試薬として、一般式R−Z(式中、Rは求核基を示し、Zはその残基を示す。)を使用した場合には、アルデヒド由来のエナミンのアミノ基に結合している炭素原子の位置に求核基Rが導入された一般式(4)で表される化合物を得ることができる。
即ち、求核試薬として、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノールを用いた場合には、一般式(4)におけるRが、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基である化合物が得られ、求核試薬としてアリル化剤を用いた場合には、一般式(4)におけるRが、アリル基である化合物が得られ、求核試薬として水素化物イオン供与体を用いた場合には、一般式(4)におけるRが水素原子である化合物が得られることになる。
求核試薬としてアルコール、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノールを用いた場合には、希土類化合物の存在下で反応されるのが好ましい。炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノールなどの低級アルコールが好ましいが、これに限定されるものではない。希土類化合物としては、スカンジウム、イットリウム、セリウムなどの希土類元素の塩、錯体などが挙げられるが、塩、特にトリフラート(OTf)塩が好ましい。好ましいルイス酸としては、例えば、Sc(OTf)などが挙げられる。希土類化合物の使用量としては、使用したエナミンに対して1〜50モル%、好ましくは5〜20%モル%が好ましい。反応温度としては、−20℃〜室温程度が好ましく、より好ましくは−20〜0℃程度が挙げられる。反応時間としては、5〜50時間、好ましくは10〜25時間程度が挙げられる。反応には添加するアルコールをそのまま溶媒として使用することもできるが、さらにアセトニトリルなどのニトリル類やジクロルメタンなどのハロゲン化炭化水素類を混合して使用することもできる。
求核試薬としてアリル化剤を用いた場合には、ルイス酸の存在下で反応されるのが好ましい。アリル化剤としては、アリル化シラン類が好ましい。好ましいアリル化シラン類としては、例えば、アリルトリメチルシランなどのアリルトリアルキルシラン、アリルトリメトキシシランなどのアリルトリアルコキシシラン、テトラアリルシランなどが挙げられる。アリル化剤の使用量としては、使用したエナミンに対して1〜5当量、好ましくは1〜3当量、通常は約3当量が好ましい。ルイス酸としては、金属塩化物などでもよいが、シリル系のルイス酸が好ましい。好ましいルイス酸としては、トリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)などが挙げられる。ルイス酸の使用量としては、使用したエナミンに対して0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量、通常は1〜2当量が好ましい。反応温度としては、−20℃〜室温程度が好ましく、より好ましくは−10℃〜0℃程度が挙げられる。反応時間としては、5〜50時間、好ましくは10〜20時間程度が挙げられる。反応には溶媒を使用することが好ましく、溶媒としてはアセトニトリルなどのニトリル類やジクロルメタンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
求核試薬として水素化物イオン供与体を用いた場合には、ルイス酸の存在下で反応されるのが好ましい。水素化物イオン供与体としては、水素化ケイ素化合物、水素化ホウ素化合物、及び水素化アルミニウム化合物の群から選択される1種又は2種以上からなる水素化物イオン供与体などを使用することもできるが、Si−H結合を有するシラン類が好ましい。好ましいシラン類としては、例えば、トリアルキルシラン、特にトリエチルシランなどが挙げられる。水素化物イオン供与体の使用量としては、使用したエナミンに対して1〜10当量、好ましくは2〜6当量、通常は約5当量が好ましい。ルイス酸としては、金属塩化物などでもよいが、シリル系のルイス酸が好ましい。好ましいルイス酸としては、トリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)などが挙げられる。ルイス酸の使用量としては、使用したエナミンに対して0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量、通常は1〜2当量が好ましい。反応温度としては、−20℃〜室温程度が好ましく、より好ましくは−10℃〜0℃程度が挙げられる。反応時間としては、5〜50時間、好ましくは10〜20時間程度が挙げられる。反応溶媒としてはアセトニトリルなどのニトリル類やジクロルメタンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
本発明の方法は、アルデヒド基を有する化合物とアルデヒド由来のエナミンを反応させて、対応する1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法であり、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に、アルデヒド由来のエナミンとの求核付加反応により生成したをアルドール付加型の付加体を、求核試薬を使用することにより分解させて1,3−アミノアルコール誘導体を生成させることを第一の特徴とするものであり、さらに当該付加体が通常の加水分解反応の条件(酸性条件での加水分解など)では加水分解できないようなポリマーやオリゴマーを形成した場合であっても、これを解重合して目的のモノマー体を生成させることができることを第二の特徴とするものである。さらに、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基にアルデヒド由来のエナミンとの求核付加反応をキラル触媒の存在下で行った場合には、片方の鏡像体をより過剰に生成させることができ、当該立体配置を維持したまま求核試薬が付加した1,3−アミノアルコール誘導体を得ることができることを第三の特徴とするものである。即ち、本発明の方法は、生成物のエナンチオ選択性が高く、さらにジアステレオ選択性も高く、極めて優れた立体選択な製造方法を提供するものである。
本発明のこのような方法を原料のアルデヒド基を有する化合物として一般式(1)で表される化合物を用いて、アルデヒド由来のエナミンとして一般式(2)で表される化合物を使用した例で示せば、次の反応式で示される。
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、R、及びR、並びにZは、前記したものと同じであり、炭素原子に付されているアスタリスク(*)は不斉炭素で光学活性体であることを示す。)
即ち、本発明の方法は、一般式(1)で表されるアルデヒド基を有する化合物と、一般式(2)で表されるアルデヒド由来のエナミンとを、キラル触媒の存在下にアルドール付加型の求核付加反応をさせて、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基にアルデヒド由来のエナミンが付加した付加体を製造する工程、次いで前記工程で得られた付加体を一般式R−Zで表される求核試薬で処理する工程により、一般式(4)で示される1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法である。
また、本発明のより好ましい方法としては、アルデヒド基を有する化合物としてカルボニル−アルデヒド基を有する化合物を用いて、アルデヒド由来のエナミンを使用する場合が挙げられ、これを一般式(5)で表されるアルデヒド基を有する化合物と、一般式(2)で表されるエナミンを使用した例で示せば、次の反応式で示される。
Figure 0004732180
(式中、R、R、R、R、R、及びZは、前記したものと同じであり、炭素原子に付されているアスタリスク(*)は不斉炭素で光学活性体であることを示す。)
これらのエナミンにおけるR基としては、−CO−炭化水素基又は−COO−炭化水素基で示されるエナミド型又はエンカーバメート型のものが好ましい。そして、例えば、エナミンにおけるR基が、ベンジルオキシカルボニル基のようなエンカーバメートのばあいには、E体のエンカーバメートを原料として用いた場合には、主としてアンチ体の生成物が得られ、Z体のエンカーバメートを原料として用いた場合には、主としてシン体の生成物が得られる。
本発明の方法によって製造される1,3−アミノアルコール誘導体は、光学活性体として得ることができ、医薬品、農薬、香料、機能性高分子等の製造のための原料や合成中間体として有用なものである。例えば、本発明の方法において、アルデヒド基を有する化合物として一般式(5)におけるRが炭化水素オキシ基で表されるグリオキシル酸エステルを用いた場合には、α−ヒドロキシ−γ−アミノカルボン酸エステルを光学活性体として製造することことができる。光学活性α−ヒドロキシ−γ−アミノカルボン酸エステルは、水酸基、アミノ基、エステル基などの多数の有用な官能基を有する化合物でしかも光学活性体であることから、各種の光学活性体の製造原料として有用である。例えば、この光学活性α−ヒドロキシ−γ−アミノカルボン酸エステルから、光学活性α−ヒドロキシ−γ−ラクトンとすることができ、さらにこれをシアノ化して還元することにより、エラスターゼ阻害剤ノストペプチン(nostpeptin)の構成要素として知られているタンパク質非構成アミノ酸である(2S,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルプロリン(HMP)を立体選択的に製造することができる。
本発明は、医薬品、農薬、香料、機能性高分子等の製造のための原料や合成中間体として有用な光学活性1,3−アミノアルコールを、高収率で、高光学収率で製造する方法を提供するものである。また、本発明の方法は、特に従来は不可能であるとされていたエナンチオ選択的かつジアステレオ選択的なアルデヒド由来のエンカルバメートの、グリオキシル酸エステルのアルデヒド基への求核付加反応方法と、これを応用した光学活性α−ヒドロキシ酸エステル等の合成方法を提供するものである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
H−NMRと13C−NMR は JEOL JNM-LA300、JNM-LA400、JNM-DE400、JNM-DE600またはJNM-LA500を使用しCDClを溶媒とし(他の溶媒を使用した場合は個別に記載)、テトラメチルシラン (δ=0、H NMR)またはCDCl (δ=77.0、13C NMR)を内部標準物質として測定した。IRスペクトルの測定は JASCO FT/IR-610 を、旋光度の測定は JASCO P-1010 を使用した。HPLCの測定にはSHIMADZU LC-10AT、SHIMADZU SPD-10A及びSHIMADZU C-R6A Cを使用した。質量分析にはSHIMADZU GC-17A又はSHIMADZU GCMS-QP5050Aを使用し、融点の測定には、YAZAWA BY-1を使用した。カラムクロマトグラフィーには、Silica gel 60 (Merck) を使用し、調製用薄層クロマトグラフィーにはWakogel B-5Fを使用した。全ての反応はアルゴン雰囲気下で実施し、溶媒は定法に従い蒸留したものを使用した。グリオキシル酸エチルは使用直前に蒸留した。
参考例1
エンカルバメートの製造
エンカルバメート2a−b及び2c−fは文献記載の方法により合成した(Cordoba,A.他 J.Org.Chem. 2002,67,301.;Chowdari,R. 他 Tetrahedron Lett. 2002,43,9591.;Denmark,S. E. 他 Angew.Chem.,Int.Ed. 2001,40,4759.)。エンカルバメート2gは2aをTHF中でNaHとMeIによりメチル化することにより合成した。
これらの方法により製造されたエンカルバメートの物性値を以下に示す。なお、化合物名の後の括弧内は以下の説明で使用する化合物の番号である。
参考例1−1
アリル ビニルカルバメート(2b)
Figure 0004732180
H NMR (C) δ ;
4.09 (d,1H,J = 8.7 Hz),4.24 (d,1H,J = 15. 6 Hz),
4.43 (d,1H,J = 5.5 Hz),4.96 (d,1H,J = 10.5 Hz),
5.08 (d,1H,J = 17.4 Hz),5.62-5.78 (m,1H),6.35-6.70 (brs,1H),
6.78-6.94 (m,1H);
13C NMR (C) δ ;
65.8,93.0,117.6,130.4,132.9,153.6;
IR (neat) 3316,3170,3085,3026,2954,1704,1650,1517,1399,1328,1254,
1091,976,930,847,773,670 cm−1;
元素分析 CNOとして、 計算値: C,56.68; H,7.13; N,11.02.
実測値: C,56.78; H,7.10; N,11.10.
参考例1−2
ベンジル (E)−ブテニル−1−カルバメート((E)−2d)
Figure 0004732180
融点 34.5−35.0℃
H NMR (DMSO−d) δ;
0.91 (t,3H,J = 7.6 Hz),1.94 (dq,2H,J = 6.9,7.3 Hz),
5.04-5.12 (m,3H),6.33 (dd,1H,J = 10.1,14.2 Hz),7.28-7.38 (m,5H),
9.32 (d,1H,J = 10.1 Hz);
13C NMR (DMSO−d) δ;
14.5,22.5,65.7,117.1,123.6,127.9,127.9,128.4,136.7,153.6;
IR (neat) 3309,3034,2962,2876,1706,1679,1524,1455,1402,1330,1290, 1228,1136,1042,946,734,696 cm−1;
HRMS (FAB); C1216NO として [M+H],206.1181.
実測値 206.1189.
参考例1−3
ベンジル (Z)−ブテニル−1−カルバメート((Z)−2d)
Figure 0004732180
H NMR (DMSO−d) δ;
0.87 (t,3H,J = 7.3 H z),2.03 (dq,2H,J = 7.4,7.4 Hz),
4.50 (q,1H,J = 8.1 Hz),5.10 (s,2H),6.20-6.27 (m,1H),
7.30-7.40 (m,5H),9.08 (d,1H,J = 10.5);
13C NMR (DMSO−d) δ;
14.1,18.4,65.8,111.3,122.1,128.0,128.0,128.4,136.6,154.2;
IR (neat) 3424,3326,3033,2966,2876,1711,1672,1508,1454,1399,1329,
1228,1105,1024,741,696,535 cm−1;
HRMS (FAB); C1216NO として、[M+H],206.1181.
実測値 206.1174.
参考例1−4
ベンジル (E)−2−クロロビニルカルバメート((E)−2e)
Figure 0004732180
融点 110.0−111.0℃
H NMR (DMSO−d) δ;
5.10 (s,2H),5.89 (d,1H,J = 12.4 Hz),6.75 (t,1H,J = 10.8 Hz),
7.30-7.40 (m,5H),9.81 (d,1H,J = 7.3 Hz);
13C NMR (DMSO−d) δ;
66.3,100.8,128.0,12 8.1,128.4,136.2,153.3;
IR (neat) 3270,3156,3073,3013,2967,1726,1697,1523,1453,1367,1288,
1229,930,838,768,696,556,479 cm−1;
参考例1−5
ベンジル (Z)−2−クロロカルバメート((Z)−2e)
Figure 0004732180
融点 25.0−26.0℃
H NMR (DMSO−d) δ;
5.15 (s,2H), 5.54 (d,1H,J = 6.0 Hz),6.84 (dd,1H,J = 6.0,10.6 Hz),
7.30-7.45 (m,5H),9.46 (s,1H);
13C NMR (DMSO−d) δ;
66.5,97.7,125.3,127.9,128.1,128.4,136.2,153.9;
IR (neat) 3422,3312,3085,3039,2960,1729,1666,1478,1321,1213,1132,
1047,968,909,780,696,541 cm−1;
元素分析: C1010ClNOとして、計算値: C,56.75; H,4.76; N,6.62.
実測値: C,56.65; H,4.85; N,6.37.
参考例1−6
ベンジル 2−メチルプロペ−1−ニルカルバメート(2f)
Figure 0004732180
融点 38.5−39.0℃
H NMR (DMSO−d) δ;
1.5 6 (s,3H),1.60 (s,3H),5.06 (s,2H),6.05-6.13 (m,1H),
7.28 -7.40 (m,5H),8.80 (d,1H,J = 10.1 Hz);
13C NMR (DMSO−d) δ;
16.6,22.4,65.7,112.9,118.6,127.9,128.0,128.4,136.8,154.1;
IR (neat) 3326,3033,2961,2920,1702,1509,1450,1405,1333,1233,1052,
837,743,698,499 cm−1;
HRMS (FAB); C1216NO として、 [M+H],206.1181.
実測値 206.1178.
過塩素酸銅(CuClO・4CHCN)とキラルジアミン配位子1(一般式(3)における両方のArが、4−ブロモフェニル基である化合物)から調整されたキラル銅触媒を用いる、エンカルバメート2a(ベンジル ビニルカルバメート)のグリオキシル酸エチルへの付加反応
実施例1の方法を次の化学反応式で示す。
Figure 0004732180
配位子1(9.9 mg,0.022 mmol)の塩化メチレン溶液 (1.5 mL) をCuClO・4CHCN(6.5 mg,0.020 mmol) の入ったフラスコに加えた。この黄色溶液を室温で12時攪拌後、その中の0.15 ml をシリンジで別のフラスコに移した。このフラスコに塩化メチレ(1.35 ml) を加え0℃に冷却し、蒸留したグリオキシル酸エチル(0.40 mmol) の塩化メチレン溶液(0.8 mL) 、イソプロピルアルコール(0.20mmol)の塩化メチレン溶液(0.3mL)及びベンジル ビニルエンカルバメート2a(0.20 mmol) の塩化メチレン溶液を順次加えた。混合物を0℃で1時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。反応液を室温に戻し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、残渣にアセトニトリル(4 mL) とエタノール(2 mL)を加えた。溶液を−10℃に冷却し、Sc(OTf) (9.8 mg,0.02 mmol)を加え、12時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した後、エーテル抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去、し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的のベンジル 1−エトキシ−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシプロピルカルバメート([(1S,3S)−3a]:[(1R,3R)−3a]:[(1R,3S)−3a]:[(1S、3R)−3a]の比が約48:2:48:2の異性体混合物)として(3a)を得た。収率80%。92%ee(HPLC)。
H NMR (CDCl) δ;
1.16 (t,3H,J= 6.9 Hz),1.16 (t,3H,J = 6.9 Hz),1.26-1.31 (m,6H),
1.90-2.22 (m,4H),3.26 (d,1H,J = 4.1 Hz),3.32 (d,1H,J = 5.5 Hz),
3.46-3.54 (m,2H),3.63-3.73 (m,2H),4.16-4.26 (m,4H),
4.32 (dt,1H,J = 2.6,5.3 Hz),4.44 (m,1H),5.11 (m,4H),
5.20-5.32 (m,2H),5.59 (d,1H,J = 9.6 Hz),5.83 (d,1H,J = 9.6 Hz),
7.28-7.38 (m,10H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,14.9,15.0,38.6,61.7,61.8,63.5,63.6,66.8,66.8,67.2,67.8,
78.9,79.2,128.1,128.1,128.1,128.2,128.5,136.2,136.2,155.7,
155.9,174.4,174.5;
HRMS (FAB); C1418NO として、 [M-OEt],280.1185.
実測値 280.2274.;
HPLC,Daicel Chiralcel ASH,hexane/i-PrOH = 4/1,流速:0.4mL/分;
保持時間; 19.1分(3S);21.2分(3S);
24.9分(3R);28.4分(3R);
次に示す化学反応式に従い、
Figure 0004732180
アルデヒドとしてフェニルグリオキサールを用い、CuClO・4CHCNをエンカルバメート(2a)に対して1モル%使用し、2aを2時間かけてゆっくりと添加し、イソプロピルアルコールは添加せず、反応時間を1.5時間としたほかは実施例1と同様にして、化合物3a(ベンジル 1−エトキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フェニルブチルカルバメート)を(1S,3S)−3b及び(1R,3R)−3b、並びに(1R,3S)−3b及び(1S,3R)−3bをそれぞれのジアステレオマー混合物として約1:1で得た。収率54%。それぞれの光学純度はHPLC分析の結果88%eeであった。
(1S,3S)−3b: [α]23 -29.7 (88% ee,c 0.69,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
1.21 (t,3H,J = 6.9 Hz),1.76 (ddd,1H,J = 4.1,9.6,13.8 Hz),
2.28 (ddd,1H,J = 2.7,4.8,13.8 Hz),3.55 (dq,1H,J = 6.9,8.9 Hz),
3.73 (dq,1H,J = 6.9,9.6 Hz),4.00 (d,1H,J = 5.5 Hz),5.10 (s,2H),
5.29 (dt,1H,J = 4.1,8.2 Hz),5.45-5.53 (m,1H),
6.29 (d,1H,J = 9.6 Hz),7.28 -7.42 (m,5H),7.50 (t,2H,J = 7.6 Hz),
7.61 (t,1H,J = 7.2 Hz),7.92 (d,2H,J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
15.1,40.1,63.5,66.8,69.8,79.0,128.1,128.1,128.5,128.7,128.9,
133.1,134.0,136.3,156.1,201.1;
IR (neat) 3331,2973,2935,1715,1516,1448,1405,1237,1086,983,748,
697 cm−1;
HRMS (FAB); C1818NO として、 [M-OEt],312.1236.
実測値 312.1224.;
HPLC,Daicel Chiralcel ADH,hexane/i-PrOH = 4/1,流速:1.0mL/分;
保持時間; 13.4分(1R,3R);14.5分(1S,3S)。
(1R,3S)−3b:[α]23 -41.8 (88% ee,c 0.61,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
1.18 (t,3H,J = 6.9 Hz),1.84-1.92 (m,1H),2.16-2.27 (m,1H),
3.54 (dq,1H,J = 6.9,8.9 Hz),3.67-3.74 (m,1H),3.92 (brs,1H),
5.08 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.12 (d,1H,J = 12.4 Hz),
5.22 (d,1H,J = 7.6 Hz),5.27-5.35 (m,2H),7.30-7.40 (m,5H),
7.48 (t,2H,J = 7.9 Hz),7.60 (t,1H,J = 7.6 Hz),
7.89 (d,2H,J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
15.0,41.2,63.9,66.8,70.7,79.5,128.1,128.2,128.5,128.6,128.9,
133.4,133.9,136.2,155.7,201.1;
IR (neat) 3339,3033,2974,2895,1715,1518,1258,1079,1026,994,746,
696 cm−1;
HRMS (FAB); C1818NO として、[M-OEt],312.1236.
実測値 312.1238.;
HPLC,Daicel Chiralcel OJH,hexane/i-PrOH = 4/1,流速:1.0mL/分:
保持時間;14.1分(1S,3R);17.0分(1R,3S)。
実施例2に示した反応式の、アルデヒドとしてグリオキシル酸エチルを、エンカルバメートとして参考例1−1で製造したアリル ビニルカルバメート(2b)を用い、CuClO・4CHCNを化合物2bに対して0.1モル%使用し、反応時間を1時間としたほかは、実施例2と同様の条件で、Rがエトキシ基で、R、及びRが共に水素原子で、Rがアリルオキシカルボニル基である化合物3c(アリル 1−エトキシ−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシプロピルカルバメート)([(1S,3S)−3c]:[(1R,3R)−3c]:[(1R,3S)−3c]:[(1S、3R)−3c]の比が約49:1:49:1の異性体混合物)として得た。収率50%。96%ee(HPLC)。
H NMR (CDCl) δ;
1.17 (t,6H,J = 7.1 Hz),1.30 (t,3H,J = 7.3 Hz),
1.31 (t,3H,J = 7.1 Hz),1.89-2.27 (m,4H),3.25 (brs,2H),
3.45-3.58 (m,2H),3.63-3.75 (m,2H),4.20-4.30 (m,4H),
4.33 (dd,1H,J = 4.6,6.0 Hz),4.46 (dd,1H,J = 3.2,8.2 Hz),
4.57 (d,4H,J = 5.5 Hz),5.18-5.30 (m,6H),5.55 (d,1H,J = 10.5 Hz),
5.80 (d,1H,J = 10.1 Hz),5.85-5.98 (m,2H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,15.0,15.0,38.7,61.7,61.8,63.5,63.6,65.6,67.3,67.9,78.9,
79.2,117.8,132.5,132.6,155.6,155.8,174.4,174.6;
HRMS (FAB); C1016NO として、[M-OEt],230.1028.
実測値 230.1031.
なお、光学純度の決定は、下式に従い生成物3cの水酸基をトルオイル化した後、HPLCを用いて分析を行った。
Figure 0004732180
アリル (3S)−3−エトキシカルボニル−1−エトキシ−3−(p−トルオイルオキシ)プロピルカルバメート
H NMR (CDCl) δ;
1.11 (t,3H,J = 6.9 Hz),1.16 (t,3H,J = 6.9 Hz),
1.26 (t,3H,J = 7.1 Hz),1.27 (t,3H,J = 7.1 Hz),2.20-2.48 (m,10H),
3.40-3.60 (m,2H),3.60-3.75 (m,2H),4.15-4.27 (m,4H),
4.45-4.67 (m,4H),5.09-5.35 (m,8H),5.39 (dd,1H,J = 5.0,6.8 Hz),
5.44 (t,1H,J = 6.4 Hz),5.80-6.00 (m,2H),7.22-7.27 (m,4H),
7.95-8.05 (m,4H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.0,14.9,21.7,37.0,37.1,61.4,61.5,63.7,63.8,65.7,69.2,69.4,
78.5,78.7,117.9,126.4,126.5,129.1,129.8,129.9,132.4,144.1,
155.5,165.7,165.8,169.5,169.8;
HRMS (FAB); C1822NO として、 [M-OEt],348.1447.
実測値 348.1461.;
HPLC,Daicel Chiralcel ADH+ADH,hexane/i-PrOH = 9/1,
流速:0.65mL/分
保持時間; 37.0分(3R);41.2分(3S);
45.1分(3R);53.9分(3S).
エンカルバメート2としてアリル ビニルカルバメート(2b)を用いた他は実施例2と同様の条件で、Rがフェニル基で、R、及びRが共に水素原子で、Rがアリルオキシカルボニル基である化合物3d(アリル 1−エトキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フェニルブチルカルバメート)を(1S,3S)−3d及び(1R,3R)−3d、並びに(1R,3S)−3d及び(1S,3R)−3dをそれぞれのジアステレオマー混合物として約1:1で得た。収率58%。それぞれの光学純度はHPLC分析の結果91%eeであった。
(1S,3S)−3d:[α]23 -32.5 (91% ee,c 0.65,CHCl);
H NMR (C) δ;
1.09 (t,3H,J = 6.9 Hz),1.32-1.39 (m,1H),1.90-1.96 (m,1H),
3.53 (dq,1H,J = 6.9,9.6 Hz),3.74 (dq,1H,J = 6.9,9.6 Hz),
4.00 (d,1H,J = 5.5 Hz),4.49-4.58 (m,2H),4.96-5.00 (m,1H),
5.13-5.18 (m,1H),5.30-5.40 (m,2H),5.73 (5.85 (m,1H),
6.33 (d,1H,J = 9.6 Hz),6.90-7.00 (m,2H),7.00-7.05 (m,1H),
7.70-7.78 (m,2H);
13C NMR (C) δ;
15.2,40.0,63.5,65.5,70.0,79.3,117.3,128.3,128.7,128.9,133.4,
133.5,133.7,156.0,200.9;
HRMS (FAB); C1416NO として、 [M-OEt],262.1079.
実測値 262.1070.
HPLC,Daicel Chiralcel OJH,hexane/i-PrOH = 4/1,流速:1.0mL/分;
保持時間; 7.7分(3R); 9.4分(3S).
(1R,3S)−3d:[α]23 -47.2 (91% ee,c 0.48,CHCl);
H NMR (C) δ;
1.05 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.34-1.44 (m,1H),1.74-1.80 (m,1H),
3.50 (dq,1H,J = 6.9,9.6 Hz),3.68 (dq,1H,J = 6.9,9.6 Hz),
3.90 (d,1H,J = 6.2 Hz),4.46-4.56 (m,2H),4.88 (d,1H,J = 10.3 Hz),
4.99 (d,1H,J = 11.0 Hz),;5.00-5.05 (m,1H),5.12-5.17 (m,1H),
5.44-5.56 (m,1H),5.72-5.82 (m,1H),6.96 (t,3H,J = 7.6 Hz),
7.03-7.08 (m,1H),7.73 (d,2H,J = 7.6 Hz);
13C NMR (C) δ;
15.2,41.4,63.8,65.5,70.8,79.6,117.2,128.7,128.8,133.4,134.1,
155.5,201.2;
HRMS (FAB); C1416NO として、[M-OEt],262.1079.
実測値 262.1072.
HPLC,Daicel Chiralcel ADH+ADH,hexane/i-PrOH = 4/1,
流速:1.0mL/分;
保持時間;19.5分(3S),20.1分(3R)。
実施例2に示した反応式の、アルデヒドとしてグリオキシル酸エチルを、エンカルバメートとしてベンジル (E)−プロペニルカルバメート((E)−2c)を用いて、反応時間を5.5時間としたほかは実施例2と同様にして、Rがエトキシ基で、R及びRのいずれかがメチル基で、他方が水素原子で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3e(ベンジル 3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−1−エトキシ−2−メチル−プロピルカルバメート)([(1S,2S,3S)−3e]:[(1R,2S,3S)−3e]:[(1S,2R,3S)−3e]:[(1R,2R,3S)−3e]=22:22:3:3)、及びその対称体の混合物を得た。収率84%。シン/アンチ比は約12:88、アンチ体の光学純度は97%eeであった。
HRMS (FAB); C1622NO として、 [M-OEt],294.1341.
実測値 294.1342.
なお、3eは次の化学反応式に従いトリエチルシランによりN,O−アセタールを還元した化合物(7e)を用いて2位と3位の相対立体配置の決定をし(NMR)、水酸基をトルオイル化した化合物(6e)を用いて光学純度を決定した(HPLC)。
Figure 0004732180
ベンジル (2R,3S)−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピルカルバメート(還元体アンチ−7e)
H NMR (CDCl) δ;
0.81 (d,3H,J = 6.9 Hz),1.28 (t,3H,J = 7.2 Hz),2.10-2.30 (m,1H),
3.15-3.32 (m,3H),4.20-4.28 (m,3H),5.20 (s,2H),5.33-5.41 (m,1H),
7.26-7.38 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
10.7,14.1,36.5,43.8,61.7,66.7,71.1,128.0,128.4,136.4,156.8,
174.4;
HRMS (FAB); C1522NO として、[M-OEt],296.1498.
実測値 296.1490.
ベンジル (2S,3S)−3−エトキシカルボニル−2−メチル−3−トルオイルオキシプロピルカルバメート(トルオイル体アンチ−6e)
H NMR (CDCl) δ;
1.10 (d,3H,J = 6.9 Hz),1.24 (t,3H,J = 7.2 Hz),2.41 (s,3H),
2.50-2.58 (m,1H),3.36 (t,3H,J = 6.5 Hz),4.14-4.26 (m,2H),
5.09 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.11 (d,1H,J = 12.4 Hz),
7.22 (d,2H,J = 8.2 Hz),7.34-7.38 (m,5H),7.95 (d,2H,J = 8.2 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,14.7,21.7,35.7,42.8,61.5,66.7,74.5,126.5,128.1,128.5,
129.2,129.8,136.4,144.2,156.4,166.0,169.7;
HRMS (FAB); C2327NO として、[M+H],414.1917.;
実測値 414.1915.
HPLC,Daicel Chiralcel ODH,hexane/i-PrOH = 9/1,流速: 0.7 mL/min :
保持時間; 29.9分(2R,3R);
32.8分(2S,3S).
実施例2に示す反応式の、エンカルバメートとしてベンジル (Z)−プロペニルカルバメート((Z)−2c)を用いて、反応時間を28時間としたほかは実施例2と同様にして、Rがエトキシ基で、R及びRのいずれかがメチル基で、他方が水素原子で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3e(ベンジル 3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−1−エトキシ−2−メチル−プロピルカルバメート)([(1S,2R,3S)−3e]:[(1R,2R,3S)−3e]:[(1S,2S,3S)−3e]:[(1R,2S,3S)−3e]=23:23:2:2)及びその対称体の混合物を得た。収率79%。シン/アンチ比は約92:8、シン体の光学純度は95%eeであった。
得られた3eは実施例5と同様に処理することにより、還元体(7e)及びトルオイル体(6e)として相対立体配置及び光学純度を決定した。
ベンジル (2R,3S)−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピルカルバメート(還元体シン−7e)
H NMR (CDCl) δ;
0.81 (d,3H,J = 6.9 Hz),1.28 (t,3H,J = 7.2 Hz),2.10-2.30 (m,1H),
3.15-3.32 (m,3H),4.20-4.28 (m,3H),5.20 (s,2H),5.33-5.41 (m,1H),
7.26-7.38 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
10.7,14.1,36.5,43.8,61.7,66.7,71.1,128.0,128.4,136.4,156.8,
174.4;
HRMS (FAB); C1522NO として、[M-OEt],296.1498.
実測値 296.1490.
ベンジル (2R,3S)−3−エトキシカルボニル−2−メチル−3−トルオイルオキシプロピルカルバメート(トルオイル体シン−6e)
H NMR (CDCl) δ;
1.07 (d,3H,J = 6.9 Hz),1.27 (t,3H,J = 7.2 Hz),2.41 (s,3H),
2.46-2.52 (m,1H),3.05-3.13 (m,1H),3.36 (dq,1H,J = 6.9,6.9 Hz),
4.20-4.28 (m,2H),5.07 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.11 (d,1H,J = 12.4 Hz),
5.21 (t,1H,J = 5.8 Hz),5.34 (d,1H,J = 3.4 Hz),
7.22 (d,1H,J = 8.2 Hz),7.28-7.37 (m,5H),7.96 (d,1H,J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
12.5,14.1,14.1,21.7,35.9,43.5,61.5,66.7,73.1,126.5,128.1,
128.5,129.2,129.9,136.4,144.2,156.4,166.1,169.4;
HRMS (FAB); C2327NO として、[M+H],414.1917.;
実測値 414.1915.
HPLC,Daicel Chiralcel ODH,hexane/i-PrOH = 9/1,流速:0.7 mL/分:
保持時間;42.6分(2S,3R);
62.0分(2R,3S).
実施例2に示す反応式の、エンカルバメート2としてベンジル (E)−ブテニルカルバメート((E)−2d)を用い、実施例2と同様の条件で、Rがエトキシ基で、R及びRのいずれかがエチル基で、他方が水素原子で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3f(ベンジル 3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−1−エトキシ−2−エチル−プロピルカルバメート)([(1S,2R,3S)−3f]:[(1R,2R,3S)−3f]:[(1S,2S,3S)−3f]:[(1R,2R,3S)−3f]=22:22:3:3)及びその対称体の混合物を得た。収率87%。シン/アンチ比は約9:91、アンチ体の光学純度は98%eeであった。
HRMA (FAB); C1622NO として、 [M-OEt],308.1498.
実測値 308.1504.
得られた3fは実施例5と同様に処理することにより、還元体(7f)及びトルオイル体(6f)として相対立体配置及び光学純度を決定した。
ベンジル (2R,3S)−3−エトキシカルボニル−2−エチル−3−ヒドロキシ−プロピルカルバメート(還元体シン−7f)
H NMR (CDCl) δ;
0.89 (t,3H,J = 7.6 Hz),1.27 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.93-2.00 (m,1H),
3.10-3.38 (m,4H),4.05-4.28 (m,4H),5.17 (s,2H),5.32 (brs,1H),
7.25-7.36 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
11.7,14.1,19.0,41.7,43.2,61.7,66.6,71.6,128.0,128.1,128.4,
136.4,156.8,174.6;
HRMS (FAB); C1624NO として、 [M+H],310.1654.
実測値 310.1669.
ベンジル (2R,3S)−3−エトキシカルボニル−2−エチル−3−トルオイルオキシ−プロピルカルバメート(トルオイル体シン−6f)
H NMR (CDCl) δ;
1.04 (t,3H,J = 7.6 Hz),1.26 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.44-1.62 (m,2H),
2.23-2.32 (m,1H),2.40 (s,3H),3.03-3.11 (m,1H),3.46-3.54 (m,1H),
4.20-4.26 (m,2H),5.06 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.10 (d,1H,J = 12.4 Hz),
5.24 (brs,1H),5.38 (d,1H,J = 2.7 Hz),7.20 (d,1H,J = 8.2 Hz),
7.26-7.36 (m,5H),7.92-7.96 (m,2H);
13C NMR (CDCl) δ;
11.7,14.1,20.8,21.6,41.2,42.5,61.5,66.7,73.0,126.5,128.0,
128.4,129.1,129.8,136.4,144.2,156.4,166.1,169.7;
HRMS (FAB); C2430NO として、 [M+H],428.2073.;
実測値 428.2088.
HPLC,Daicel Chiralcel ADH,hexane/PrOH = 19/1,流速:1.0 mL/min :
保持時間; 57.0分(2S,3R);
87.4分(2R,3S).
実施例2に示した反応式の、エンカルバメートとしてベンジル (Z)−ブテニルカルバメート((Z)−2d)を用いて、反応時間を28時間としたほかは実施例2と同様の条件で、Rがエトキシ基で、R及びRのいずれかがエチル基で、他方が水素原子で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3f(ベンジル 3−エトキシカルボニル−1−エトキシ−2−エチル−プロピルカルバメート)([(1S,2S,3S)−3f]:[(1R,2S,3S)−3f]:[(1S,2R,3S)−3f]:[(1R,2R,3S)−3f]=20.5:20.5:4.5:4.5)及びその対称体の混合物を得た。収率79%。シン/アンチ比は約82:18、シン体の光学純度は94%eeであった。
得られた3fは実施例5と同様に処理することにより、還元体(7f)及びトルオイル体(6f)として相対立体配置及び光学純度を決定した。
ベンジル (2S,3S)−3−エトキシカルボニル−2−エチル−3−ヒドロキシ−プロピルカルバメート(還元体アンチ−7f)
H NMR (CDCl) δ;
0.97 (t,3H,J = 7.6 Hz),1.22 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.30-1.55 (m,2H),
2.00-2.10 (m,1H),3.05-3.35 (m,4H),4.08-4.28 (m,4H),
5.00-5.05 (m,1H),5.05 (s,2H),7.25-7.35 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
11.5,14.0,22.2,40.4,43.4,61.7,66.6,71.0,127.7, 128.0,128.0,
128.3,136.3,156.5,175.3;
HRMS (FAB); C1624NO として、 [M+H],310.1654.
実測値 310.1669.
ベンジル (2S,3S)−3−エトキシカルボニル−2−エチル−3−トルオイルオキシ−プロピルカルバメート(トルオイル体アンチ−6f)
H NMR (CDCl) δ;
1.02 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.22 (t,3H,J = 7.2 Hz),1.40-1.54 (m,2H),
2.24-2.34 (m,1H),2.40 (s,3H),3.36-3.42 (m,2H),4.10-4.24 (m,2H),
5.08 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.12 (d,1H,J = 12.4 Hz),
5.33 (d,1H,J = 2.7 Hz),7.20 (d,2H,J = 7.6 Hz),7.29-7.36 (m,5H),
7.94 (d,2H,J = 8.2 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
11.5,14.0,21.6,22.2,41.0,42.3,61.5,66.6,72.5,126.5,128.1,
128.4,129.2,129.8,136.4,144.2,156.3,165.8,170.2;
HRMS (FAB); C2430NO として、 [M+H],428.2073.;
実測値 428.2088.
HPLC,Daicel Chiralcel ADH,hexane/i-PrOH = 19/1,流速: 1.0 mL/min :
保持時間; 44.1分(2R,3R);
68.7分(2S,3S).
実施例2に示した反応式の、エンカルバメートとしてベンジル (E)−2−クロロビニルカルバメート((E)−2e)を用いて、反応時間を24時間としたほかは実施例2と同様の条件で反応を行った。得られた3g(ベンジル 3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−1−エトキシ−2−クロロ−プロピルカルバメート)は単離せず、実施例5と同様に処理することにより、還元体(7g)を得た。[(2S,3R)−3g]:[(2R,3R)−3g]=95:5、及びこれらの対称体の混合物であった。収率50%。シン/アンチ比は約5:95、アンチ体の光学純度は96%eeであった。
ベンジル (2S,3R)−3−エトキシカルボニル−2−クロロ−3−ヒドロキシ−プロピルカルバメート(還元体アンチ−7g)
H NMR (CDCl) δ;
1.30 (t,3H,J = 7.1 Hz),3.50-3.74 (m,2H),3.84 (brs,1H),
4.25 (q,2H,J = 7.0 Hz),4.30-4.48 (m,2H),5.12 (s,2H),
5.25 (brs,1H),7.30-7.45 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,43.1,60.6,62.3,67.3,72.4,128.2,128.3,128.6,135.9,156.8,
170.8;
HRMS (FAB); C1419NClO として、 [M+H],316.0952.;
実測値 316.0963.
さらに、還元体(7g)を実施例5と同様にトルオイル体(6g)として光学純度を決定した。
ベンジル (2S,3S)−3−エトキシカルボニル−2−クロロ−3−トルオイルオキシ−プロピルカルバメート(トルオイル体アンチ−6g)
H NMR (CDCl) δ;
1.26 (t,3H,J = 7.1 Hz),2.42 (s,3H),3.60-3.70 (m,1H),
3.75-3.85 (m,1H),4.23 (q,2H,J = 7.0 Hz),4.56-4.62 (m,1H),
5.10 (s,2H),5.17-5.27 (m,1H),5.55 (d,1H,J = 3.7 Hz),
7.23-7.27 (m,2H),7.30-7.37 (m,5H),7.97 (d,2H,J = 7.8 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
14.0,21.7,43.8,57.9,62.3,67.1,73.4,126.0,128.2,128.3,128.6,
129.3,130.0,136.1,144.6,156.1,165.4,166.8;
HPLC,Daicel Chiralcel ADH,hexane/i-PrOH = 9/1,流速:1.0 mL/min :
保持時間; 25.2分(2R,3R);
32.5分(2S,3S).
実施例2に示した反応式の、エンカルバメートとしてベンジル 2−メチルプロペ−1−ニルカルバメート(2f)を用いて、CuClO・4CHCNをエンカルバメート(2f)に対して5モル%使用し、反応時間を18時間としたほかは実施例2と同様の条件で、Rがエトキシ基で、R及びRが共にメチル基で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3h(ベンジル 1−エトキシ−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピルカルバメート)を[(1S,3S)−3h及び(1R,3R)−3h]、並びに[(1R,3S)−3h及び(1S,3R)−3h]、それぞれのジアステレオマー混合物として約1:1で得た。収率54%。光学純度はHPLC分析の結果88%eeであった。
H NMR (CDCl) δ;
0.92 (s,3H),1.00 (s,3H),1.06 (s,3H),1.08 (s,3H),
1.12-1.20 (m,6H),1.28-1.34 (m,6H),3.31 (d,1H,J = 6.0 Hz),
3.42-3.80 (m,4H),3.98 (d,1H,J = 7.3 Hz),4.14-4.34 (m,6H),
4.82 (d,1H,J = 10.1 Hz),4.95 (d,1H,J = 10.1 Hz),5.11 (s,4H),
5.51 (d,1H,J = 10.1 Hz),6.11 (d,1H,J = 10.1 Hz),
7.27-7.40 (m,10H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,14.9,14.9,18.0,19.9,21.2,22.8,41.8,42.1,61.4,61.7,63.8,
66.6,66.8,74.8,86.2,87.5,127.9,128.0,128.0,128.2 128.5,128.5,
128.6,136.2,136.4,156.3,173.7,174.3;
HRMS (FAB); C1622NO として、 [M-OEt],308.1498.;
実測値 308.1501.
得られた3hは実施例5と同様に処理することにより、トルオイル体(6h)として光学純度を決定した。
ベンジル (3S)−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルカルバメート(還元体−7h)
[α]23 8.2 (78% ee,c 0.96,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
0.91 (s,3H),1.01 (s,3H),1.30 (t,3H,J = 7.2 Hz),
3.04 (dd,1H,J = 6.2,13.8 Hz),3.33 (dd,1H,J = 7.6,13.8 Hz),
3.36 (d,1H,J = 6.9 Hz),3.93 (d,1H,J = 6.2 Hz),4.20-4.30 (m,2H),
5.10 (s,1H),5.28 (brs,1H),7.30-7.38 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.2,20.1,22.5,39.2,49.2,61.6,66.8,75.8,128.1,128.5,136.4,
157.1,173.7; ;
IR (neat) 3382,2971,1721,1527,1461,1367,1240,1143,1088,1029,744,
701 cm−1;
HRMS (FAB); C1624NO として、 [M+H],310.1654.;
実測値 310.1645.
ベンジル (3S)−3−エトキシカルボニル−3−トルオイルオキシ−2,2−ジメチルプロピルカルバメート(トルオイル体−6h)
[α]23 −2.6 (78% ee,c 0.885,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
1.13 (t,3H,J = 7.1 Hz),1.27 (t,3H,J = 7.2 Hz),2.40 (s,3H),
3.26 (dd,1H,J = 6.2,13.8 Hz),4.19-4.29 (m,2H),4.90 (s,1H),
5.09 (d,1H,J = 12.4 Hz),5.12 (d,1H,J = 12.4 Hz),
5.28 (t,1H,J = 6.5 Hz),7.19 (d,2H,J = 8.2 Hz),7.26-7.39 (m,5H),
7.94 (d,1H,J = 8.2 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,21.7,22.2,22.4,38.4,48.4,61.4,66.8,78.0,126.4,128.1,
128.5,129.2,129.8,136.5,144.3,156.7,166.1,169.2;
HRMS (FAB); C2430NO として、 [M+H],428.2073.;
実測値 428.2091.;
HPLC,Daicel Chiralcel OD,hexane/i-PrOH = 19/1,流速:1.0 mL/min :
保持時間; 19.4分(3R);24.4分(3S).
実施例2に示す反応式に従い、反応時間を28時間としたほかは実施例10と同様にして、Rがエトキシ基で、R及びRが共にメチル基で、Rがベンジルオキシカルボニル基である化合物3h(ベンジル 1−エトキシ−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピルカルバメート)を得た。収率39%。主なジアステレオマーの光学純度はHPLC分析の結果78%eeであった。
アリル化剤を用いたアリル化反応
次に示す化学反応式にしたがって製造した。
Figure 0004732180
配位子1(9.9 mg,0.022 mmol)の塩化メチレン(1.5 mL)溶液をCuClO・4CHCN(6.5 mg,0.020 mmol)の入ったフラスコに加え、12時間攪拌した後、溶液の一部(0.15 ml) をシリンジで別のフラスコに移した。塩化メチレン(1.35 ml) を加え0℃に冷却した後、蒸留したグリオキシル酸エチル(0.40 mmol) の塩化メチレン溶液(0.8 ml)とエンカルバメート2a (0.20 mmol)の塩化メチレン溶液(0.8 mL)を加えた。0℃で1時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。反応液を室温に戻し、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去し、残渣にアセトニトリル(2 mL) を加え、溶液を0℃に冷却した後、アリルトリエチルシラン(95.3 μl,0.6 mmol) と TMSOTf (72.4 μl,0.4 mmol)を加え15時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した後、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶媒を減圧留去、し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物8を収率69%、光学純度92%eeで得た。
ベンジル−(1S)−1−エトキシカルボニル−1−ヒドロキシ−ヘキセ−5−エン−3−イルカルバメート(8)
H NMR (CDCl) δ;
1.25 (t,3H,J= 7.2 Hz),1.28 (t,3H,J= 7.2 Hz),1.75-2.10 (m,4H),
2.23-2.35 (m,4H),3.43 (d,1H,J= 4.8 Hz),3.66 (d,1H,J= 4.1 Hz),
3.94-4.06 (m,2H),4.17 (q,2H,J= 7.1 Hz),4.22 (q,2H,J= 6.6 Hz),
4.20-4.30 (m,2H),5.05-5.17 (m,4H),5.70-5.82 (m,2H),
7.28-7.38 (m,10H);
13C NMR (CDCl) δ;
14.1,14.1,38.2,38.8,39.2,39.3,47.4,47.6,61.6,61.7,61.7,62.2,
66.7,66.8,67.8,68.3,118.3,118.3,128.0,128.1,128.4,128.5,133.6,
133.7,136.3. 136.4,156.0,156.6,174.2,174.7;
HRMS (FAB); C1724NO として、 [M+H],322.1654.;
実測値 322.1664.;
HPLC,Daicel Chiralcel ADH+ADH,hexane/i-PrOH = 4/1,流速: 0.6 mL/min :
保持時間; 27.5分(1R);28.5分(1S);
31.0分(1S);34.8分(1R).
本発明の化合物を用いたHMPの製造
次に示す化学反応式にしたがってHMP(11)を製造した。
Figure 0004732180
(1)化合物12の製造
実施例5で製造した、ベンジル−(2R,3S)−3−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピルカルバメート(還元体シン−7c)を、塩化メチレン中で、t−ブチルジメチルシリルトリフラート(TBDMSOTf)1.5当量及び2,6−ルチジン1.6当量の存在下に、12時間室温で反応させて、常法により精製して目的の化合物(12)を得た。収率93%。
ベンジル−(2S,3S)−3−エトキシカルボニル−3−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−2−メチルプロピルカルバメート(12)
H NMR (CDCl) δ;
0.04 (s,3H),0.06 (s,3H),0.92 (s,9H),1.01 (d,3H,J = 6.9 Hz),
1.23 (t,3H,J = 7.1 Hz),2.20-2.32 (m,1H),3.10-3.28 (m,2H),
4.09 (d,1H),J = 3.2 Hz),4.13 (q,2H,J = 7.1 Hz),5.06 (s,2H),
5.18-5.24 (m,1H),7.27-7.38 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
-5.7,-5.2,14.0,15.1,18.0,25.5,37.2,42.5,60.7,66.2,75.1,127.7,
127.8,128.2,136.6,156.3,173.2;
HRMS (FAB); C2136NSiO として、 [M+H],410.2363.;
実測値 410.2382.;
(2)化合物13の製造
前記(1)で得られた化合物(12)を、パラジウム−カーボンの存在下に接触還元して、ベンジルオキシカルボニル基を除去し、環化して、目的の化合物(13)を得た。収率87%。
(3S,4S)−3−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−4−メチルピロリジン−2−オン(13)
H NMR (CDCl) δ;
0.09 (s,3H),0.12 (s,3H),0.88 (s,9H),1.01 (d,3H,J = 6.9 Hz),
2.34-2.46 (m,1H),2.34-2.45 (m,1H),2.97 (dd,1H,J = 4.6,9.6 Hz),
3.33 (dd,1H,J = 6.4,9.6 Hz),4.10 (d,1H,J = 6.4 Hz);
13C NMR (CDCl) δ;
-5.3,-4.7,12.4,18.3,25.7,35.3,46.3,72.7,127.0.
(3)化合物(10)の製造
(2)で製造したγ−ラクタム(13)(183.6 mg,0.800 mmol)と、18−クラウン−6(12.7 mg,6 mol%)のベンゼン(5.4 mL)溶液に水酸化カリウムの粉末(67.4 mg,1.2 mmol)を室温で加えた。反応液を還流させ、ベンジルブロミド(114.2 ml,0.96 mmol)を加え、更に30分間還流した。室温まで放冷後、析出した不溶物を濾別、濾液を減圧濃して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(10)を収率86%で得た。この段階で各ジアステレオマーは調製用薄層クロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により分離した。
(3S,4S)−1−ベンジル−3−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−4−メチルピロリジン−2−オン(10)
[α]26 -43.8 (97% ee,c 3.995,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
0.16 (s,3H),0.20 (s,3H),0.94 (s,9H),0.98 (d,3H,J = 6.9 Hz),
2.25-2.40 (m,1H),2.87 (dd,1H,J = 5.0,9.6 Hz),
3.20 (dd,1H,J = 6.9,9.6 Hz),4.23 (d,1H,J = 6.4 Hz),
4.33 (d,1H,J = 15.1 Hz),4.53 (d,1H,J = 15.1 Hz),7.20-7.36 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
-5.3,-4.5,12.4,18.4,25.8,33.0,46.6,50.6,73.4,127.5,128.0,
128.6,136.3,173.2;
IR (neat) 2956,2929,2856,1707,1499,1444,1359,1293,1252,1159,1091,
1033,934,835,780,700,524 cm−1
HRMS (FAB); C1830NSiO として、 [M+H],320.2046.;
実測値 320.2044.
(4)化合物(14)の製造
前記(3)で得られたN−ベンジル−γ−ラクタム(10)(184.1 mg,0.576 mmol)のTHF(1.4 mL)溶液に、−35℃でDIBAL(ヘキサン溶液,0.94M,0.77 ml,0.72 mmol)を加えた。2時間半攪拌後、−15℃に昇温しシアン化カリウム水溶液(1.65 M,1.4 mL,2.3 mmol)を加えた後、さらに1時間攪拌した。室温に戻して酢酸エチルと水を加え、沈殿物を濾別後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥、乾燥剤を濾別後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してシアノ化体(14)を収率78%で得た。
(2R,3S,4S)−1−ベンジル−3−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−4−メチルピロリジン−2−ニトリル(14)
[α]26 -43.8 (97% ee,c 3.995,CHCl);
H NMR (CDCl) δ;
0.08 (s,3H),0.10 (s,3H),0.90 (s,9H),0.96 (d,3H),J = 6.0 Hz),
2.30-2.44 (m,2H),2.90-3.00 (m,1H),3.33 (d,1H,J = 2.7 Hz),
3.61 (d,1H,J = 13.3 Hz),3.98 (d,1H,J = 13.3 Hz),
4.37 (dd,1H,J 2.7,5.0 Hz),7.23-7.38 (m,5H);
13C NMR (CDCl) δ;
-5.1,-4.8,12.2,18.0,25.7,37.4,58.0,58.3,62.6,77.8,118.7,
127.4,128.4,128.7,137.4;
IR (neat) 3030,2956,2929,2857,2808,1495,1473,1455,1371,1324,
1254,1214,1167,1118,1089,1040,1006,915,836,778,751,
700,671,473 cm−1
HRMS (FAB); C1830NSiO として、 [M-CN],304.2097.;
実測値 304.2099.
(5)HMP(11)の製造
前記(4)で得られた化合物(14)(64 mg,0.193 mmol) と濃塩酸(1.5 mL) をテフロン(登録商標)性スクリューキャップ付きフラスコに入れ密栓した。50℃で80時間処理し、室温に戻し酢酸エチルで洗浄後、水で抽出した。水を減圧濃縮して得られたほぼ純粋なN−ベンジル化HMPに水(2 mL)とパラジウム活性炭(wet,10 mol%)を加えた。室温、水素雰囲気下で12時間攪拌後、触媒を濾別し溶媒を減圧流去した。残渣をイオン交換(Dowex 50W-X2,50-100 mesh)により精製後、得られた茶色固体をメタノールで洗浄して、目的のHMP(11)を白色固体として得た。収率88%。
(2S,3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルプロリン(HMP(11))
[α]28 -27.8 (97% ee,c 0.8,HO) (lit. [α]25 -27 (c 0.8,HO). ;
H NMR (D O) δ;
1.06 (d,3H,J = 6.4 Hz),2.20-2.34 (m,1H),3.06 (t,1H,J = 11.7 Hz),
3.60 (dd,1H,J = 7.8,11.7 Hz),4.09 (s,1H),4.44 (d,1H,J = 3.7 Hz);
13C NMR (D O) δ;
10.0,37.2,49.8,70.0,76.4,172.4;
IR (KBr) 3318,3070,2975,2915,2635,2549,1628,1455,1380,1303,1278,
1229,1040,1008,879,728,652,475 cm−1
HRMS (FAB); C12NO として、 [M+H],146.0817.;
実測値 146.0821.
本発明は、医薬品、農薬、香料、機能性高分子等の製造のための原料や合成中間体として有用な光学活性1,3−アミノアルコールを、高収率で、高光学収率で製造する方法を提供するものであり、化学物質を製造する分野、特にファインケミカル分野における産業に極めて有用なものであり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (9)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0004732180
    (式中、Rは−C(=O)−R基、又は−COO−R基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    で表されるアルデヒド基を有する化合物と次の一般式(2)
    Figure 0004732180
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは−COO−R基を示し、Rは炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    で表されるアルデヒド由来のエナミンを反応させて、次の一般式(4)
    Figure 0004732180
    (式中、R、R、R、及びRは、前記したものと同じであり、Rは炭素数1〜10のアルキコキシ基、アリル基又は水素原子を示す。)
    で表される1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法において、
    次の一般式(3)
    Figure 0004732180
    (式中、Arは、それぞれ独立してハロゲン原子で置換された炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    で表される配位子を有する銅錯体、又は前記一般式(3)で表される化合物及び銅化合物の存在下で、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンをアルドール付加型の求核付加反応をさせて、アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に当該エナミンが付加した付加体を製造し、次いで当該付加体を炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノール、アリルトリアルキルシラン及びトリアルキルシランからなる群より選ばれる求核試薬の存在下で処理することを特徴するアルドール付加型求核付加反応による1,3−アミノアルコール誘導体を製造する方法。
  2. アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基に、アルデヒド由来のエナミンをアルドール付加型の求核付加反応が、さらに炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルカノールの存在下で行われる請求項1に記載の方法。
  3. アルカノールが、イソプロピルアルコールである請求項2に記載の方法。
  4. 求核試薬が、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルカノールであり、希土類金属トリフラート(OTf)塩の存在下で処理される請求項1に記載の方法。
  5. 希土類金属トリフラートの希土類元素が、スカンジウムである請求項4に記載の方法。
  6. 求核試薬が、アリルトリアルキルシランであり、ルイス酸の存在下で処理される請求項1に記載の方法。
  7. ルイス酸がトリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)である請求項6に記載の方法。
  8. 求核試薬が、トリアルキルシランであり、ルイス酸の存在下で処理される請求項1に記載の方法。
  9. ルイス酸がトリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)である請求項8に記載の方法。
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