JP4722635B2 - 抗腫瘍活性を有する化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)式(I)
本発明の化合物は、高い抗腫瘍効果を有しており、医薬品、医薬品原料として有用である。
本発明者らは、上記式(I)で表される化合物は海洋性細菌(ストレプトマイセス・スピーシーズ(Streptomyces sp.)YM8-053株)から得られることを見出した。
1.式(I)で表される化合物の理化学的性質
上記式(I)で表される本発明の化合物の構造式及び理化学的性質は以下のとおりである:
(1)物質の色:黄色
(2)分子量 :270
(3)分子式 :C15H14N2O3
(4)質量分析:高分解能FABMS(高速中性粒子衝突イオン化質量分析)
実測値:271.1090(M+H)+
計算値:271.1083(C15H15N2O3)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中) λmax (1ogε) 238nm(4.06), 290nm(4.09), 396nm(3.48), 483nm(3.15).
(6)1H NMR(メタノール中で測定、750MHz)
δ ppm: 1.34 (3H, t, J=7.5Hz), 2.77 (2H, q, J=7.5Hz), 4.06 (3H, s), 7.18 (1H, s), 7.91 (1H, d, J=1.5Hz), 8.24 (1H, s), 8.735 (1H, d, J=1.5Hz), 8.74 (1H, s).
(7)13C NMR(重メタノール中で測定、125MHz)
δ ppm: 14.84, 20.84, 57.10, 111.56, 113.35, 116.44, 124.99, 133.60, 135.01, 136.09, 137.80, 143.85, 150.66, 155.52, 159.66.
(8)溶解性:メタノールに可溶。
(9)ヒト肺癌由来細胞株A549細胞を本発明の式(I)の化合物9.4μMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞の細胞増殖を50%阻害し、120μMの濃度で48時間培養したところ、A549細胞を完全に死滅させた。
2.1.式(I)の化合物の製造
本発明の式(I)の化合物は、微生物を培地に培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積させ、該培養物から該化合物を採取することにより製造することができる。
(1)微生物
本発明の製造方法において用いることのできる微生物としては、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属し、かつ上記式(I)で表される化合物を生産する能力を有する微生物であれば特に限定されない。
a.形態的および培養的性質
1) 胞子の有無 :有り
2) 運動性の有無 :無し
3) マリンアガー平板培養 :良好に生育する。コロニーは菌糸状、半レンズ状、乳白色
4) ISP培地 No.2 平板培養 :生育が悪い。コロニーは菌糸状、乳白色
5) ISP培地 No.3 平板培養 :生育する。コロニーは不規則な菌糸状、盛上がり厚みがある、乳白色〜白色
2) ISP培地 No.4 平板培養 :良好に生育する。コロニーは菌糸状、半球状、乳白色。コロニーの周囲に透明帯あり
3) ISP培地 No.5 平板培養 :生育する。コロニーは不規則な菌糸状、扁平、乳白色〜白色
4) ISP培地 No.6 平板培養 :生育する。コロニーは不規則な菌糸状、盛上がり厚みがあり、乳白色〜白色
5) ISP培地 No.7 平板培養 :生育する。コロニーは不規則な菌糸状、扁平、乳白色〜白色
1) 生育温度範囲 :15−37℃
2) 生育塩濃度 :0−7%
3) メラニン様色素の生成 :生成しない
本発明における微生物の培養は、通常の微生物の培養方法が用いられる。培地としては、資化可能な炭素源、窒素源、無機物及び必要な生育・生産促進物質を適宜含有する培地であれば、合成培地又は天然培地のいずれでも使用可能である。炭素源としては、グルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜などを単独又は組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて炭化水素、アルコール類、有機酸、アミノ酸(トリプトファン等)なども用いることができる。窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実かす、カザミノ酸などを単独又は組み合わせて用いることができる。そのほか、必要に応じて食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ニカリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛などの無機塩類を加えることができる。さらに使用する微生物の生育や本発明の化合物の生産を促進する微量成分を適当に添加することができ、当業者であればそのような成分として適当なものを選択することができる。
培養物からの本発明の化合物の単離・精製は、微生物代謝生産物を培養物から単離・精製するために常用される方法に従って行われ得る。ここで、「培養物」とは、培養上清、培養菌体、又は菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。例えば培養物を濾過や遠心分離により培養濾液と菌体に分け、菌体をクロロホルム/メタノール(9:1)混合溶媒などで抽出する。また培養濾液は酢酸エチル、クロロホルムなどで抽出することができる。ついで、菌体抽出液、培養濾液若しくは培養濾液の抽出物をそれぞれ単独で又はそれらの2種以上を合わせて濃縮し、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどにより精製を行い、本発明の化合物を得ることができる。得られた化合物は、NMR解析などの通常の化学的手法により、上記「1.式(I)で表される化合物の性質」に記載した性質を示すか否かを調べることにより、本発明の化合物であることを確認することができる。
(1)抗腫瘍剤
本発明の式(I)で表される化合物は、優れた抗腫瘍活性を有するため抗腫瘍剤として有用であり、人体及び動物用医薬品、医薬品原料等として使用することができる。
ば、ヒト、家畜(ウシ、ウマ等)、愛玩動物(イヌ、ネコ等)、実験動物(マウス、ラット、ハムスター等)でありうる。
本発明の抗腫瘍剤は、医薬的に許容される担体又は添加物を共に含む医薬製剤として哺乳動物に投与され得る。このような担体及び添加物の例としては、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤などの他、リボゾームなどの人工細胞構造物などが挙げられる。使用される添加物は、医薬組成物の剤形に応じて上記の中から適宜又は組み合わせて選択される。
本発明の抗腫瘍剤を経口的に投与する場合、本発明の抗腫瘍剤は、それに適用される錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤などの固形製剤、あるいは液剤、シロップ剤などの液体製剤等として製剤化され得る。特に顆粒剤及び散剤は、カプセル剤として単位投与剤形とすることができ、液体製剤の場合は使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。
術的範囲が限定されるものではない。
式(I)の化合物の製造
式(I)の化合物の生産菌としてストレプトマイセス・スピーシーズYM8-053株を用いた。該菌株を、500mLのマリンブロス培地(Difco)を入れた1Lバッフル付き三角フラスコ中で、30℃にて5日間回転震盪(100rpm)培養し、次に行う大量培養の種菌とした。この種菌培養物を1Lのマリンブロス培地の入った2Lバッフル付きフラスコ9本(計9L)に10mLずつ植菌し、30℃、7日間、回転震盪(100rpm)培養した。培養中、培地のpHは特に制御しなかった。
上記の方法により、培養物計9Lから本発明の式(I)の化合物5mg得た。
抗腫瘍活性の評価
本発明の化合物の抗腫瘍活性を以下のようにして評価した。
ヒト肺癌由来細胞A549細胞を96穴マイクロプレートに4×103個/200μL/we11の濃度で播種し、14時間、CO2インキュベーター(5%二酸化炭素、37℃)にて前培養した。ここに、希釈系列を作成した式(I)の化合物を添加し、48時間培養した。48時間後にアラマーブルー(和光純薬より購入)を用いて生存細胞数を測定した。その結果、式(I)の化合物は、9.4μMの濃度でA549細胞の細胞増殖を約50%阻害し(すなわちIC50値は約9.4μM)、120μMの濃度でA549細胞を完全に死滅させた。
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