JP4720818B2 - 積層コンデンサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層コンデンサの製造方法に関する。
従来、キャリアフィルム上でセラミックグリーンシートを成形する成形工程と、セラミックグリーンシート上に内部導体膜を形成する導体膜形成工程と、前記キャリアフィルムを前記セラミックグリーンシートから剥離する剥離工程と、これらの工程によって得られたセラミックグリーンシートを、交互にずらした状態で複数積層する積層工程とを備える積層コンデンサの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにセラミックグリーンシートを順次積層していく方法は、一般的にシート積層工法と呼ばれている。
特開2004−221100号公報
しかしながら、従来の積層コンデンサの製造方法では、製造される各積層コンデンサ間の静電容量を一定とするために、積層方向に隣り合うセラミックグリーンシート同士のずれ量を高精度に制御する必要があり、セラミックグリーンシートの積層が適切に行われなかった場合には、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきが大きくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能な積層コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層コンデンサの製造方法は、グリーン積層体を形成するグリーン積層体形成工程であって、支持体上に第1の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第1の誘電体グリーン層を形成する第1の工程と、第1の誘電体グリーン層上に第1の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に互いに所定の間隔を有するように配置された帯状の第1及び第2の導電塗膜を形成する第2の工程と、第1及び第2の導電塗膜を共に覆うように第2の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第2の誘電体グリーン層を形成する第3の工程と、第2の誘電体グリーン層上に第2の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て第1の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第3の導電塗膜、並びに、当該第3の導電塗膜とは所定の間隔を有するように配置され、第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て第2の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第4の導電塗膜を形成する第4の工程とを有するグリーン積層体形成工程と、グリーン積層体を、第1の方向と直交すると共に積層方向と直交する第2の方向に沿って切断して二以上に分割することで、第1の方向と交差する一対の側面から第1〜第4の導電塗膜が露出している複数のグリーン分割体を形成する第1の切断工程と、少なくとも複数のグリーン分割体の一対の側面を覆うように第3の誘電体スラリーを供給し、乾燥することで、一対の側面をそれぞれ覆う複数の被覆体を形成する被覆体形成工程と、複数の被覆体を切断することで、一対の側面にそれぞれ被覆層を設ける第2の切断工程と、複数のグリーン分割体を、被覆層と共に第1の方向に沿って切断し、複数のグリーンチップを形成する第3の切断工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、グリーン積層体形成工程において、第1及び第2の誘電体グリーン層並びに第1〜第4の導電塗膜をいわゆる印刷積層工法により形成している。また、これらの帯状の第1〜第4の導電塗膜は、第1の方向に沿って延びるように形成されている。そのため、第1の導電塗膜と第3の導電塗膜、又は、第2の導電塗膜と第4の導電塗膜とが第1の方向においてずれて形成された場合であっても、第1の切断工程において切断箇所の設定を変更するだけで、いずれのグリーン分割体においても、第1の導電塗膜と第3の導電塗膜、又は、第2の導電塗膜と第4の導電塗膜との積層方向から見たときの対向面積を一定にすることができることとなる。その結果、従来の積層コンデンサの製造方法において採用しているシート積層工法と比較して、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能となる。
また、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、第1の切断工程において、グリーン積層体を第2の方向に沿って切断することにより複数のグリーン分割体を形成していることから、グリーン積層体の一対の側面には第1〜第4の導電塗膜が露出した状態となっている。各導電塗膜は、その後の焼成によって内部電極となるものであり、第1〜第4の導電塗膜がこのまま一対の側面に露出した状態であると、その後に端子電極を形成したときに内部電極同士が電気的に接続されて短絡し、コンデンサとして機能しなくなってしまう。そこで、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、被覆体形成工程及び第2の切断工程において、複数のグリーン分割体の一対の側面にそれぞれ被覆層を設け、内部電極同士の短絡を防止している。具体的には、被覆体形成工程では、少なくとも複数のグリーン分割体の一対の側面を覆うように第3の誘電体スラリーを供給し、乾燥することで、一対の側面をそれぞれ覆う複数の被覆体を形成しており、また、第2の切断工程では、複数の被覆体を切断している。そのため、複数のグリーン分割体の一対の側面に、一度に被覆層を形成することができることとなる。その結果、積層コンデンサの製造工程の大幅な簡略化を図ることが可能となる。
ところで、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する工程を含んでいるため、セラミックグリーンシートがある程度の強度を有している必要があり、セラミックグリーンシートを薄くしようとした場合に限界があった。しかしながら、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、印刷積層工法を採用しているので、シート積層工法と比較して第1及び第2の誘電体グリーン層並びに第1〜第4の導電塗膜をより薄くすることができることとなる。その結果、製造される積層コンデンサの一層の小型化を図ることが可能となる。
また、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する際に、セラミックグリーンシートに歪みが生じてしまっていた。しかしながら、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、印刷積層工法を採用しているので、第1及び第2の誘電体グリーン層に歪みが生ずることがほとんどない。その結果、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを一層低減することが可能となる。
好ましくは、第1の誘電体スラリー、第2の誘電体スラリー及び第3の誘電体スラリーは、いずれも同一の成分とされている。このようにすると、第1の誘電体グリーン層、第2の誘電体グリーン層及び被覆層の相互間における焼成時の収縮率を同一とすることができる。その結果、第1の誘電体グリーン層、第2の誘電体グリーン層及び被覆層のそれぞれの界面において、クラックが発生し難くなっている。
好ましくは、第3の誘電体スラリーは、焼成後の硬度が第1の誘電体スラリー及び第2の誘電体スラリーよりも高くなる成分とされている。このようにすると、製造される積層コンデンサの外表面が硬くなるので、外力による割れや欠けを防止することが可能となる。
好ましくは、被覆体形成工程では、複数のグリーン分割体の上面をも覆うように第3の誘電体スラリーを供給する。このようにすると、被覆体に加え、グリーン分割体の外層部分も同時に形成することができる。その結果、積層コンデンサの製造工程をより簡略化すことが可能となる。
好ましくは、グリーン積層体形成工程において形成されたグリーン積層体を支持体から剥離することなく、第1の切断工程、被覆体形成工程、第2の切断工程及び第3の切断工程を行う。このようにすると、グリーン積層体やグリーン分割体を他の支持体に移し替える必要がなくなるので、積層コンデンサの製造工程をより簡略化すことが可能となる。
また、本発明に係る積層コンデンサの製造方法は、グリーン積層体を形成するグリーン積層体形成工程であって、支持体上に第1の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第1の誘電体グリーン層を形成する第1の工程と、第1の誘電体グリーン層上に第1の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に互いに所定の間隔を有するように配置された帯状の第1及び第2の導電塗膜を形成する第2の工程と、第1及び第2の導電塗膜を共に覆うように上に第2の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第2の誘電体グリーン層を形成する第3の工程と、第2の誘電体グリーン層上に第2の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て第1の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第3の導電塗膜、並びに、当該第3の導電塗膜とは所定の間隔を有するように配置され、第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て第2の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第4の導電塗膜を形成する第4の工程とを有するグリーン積層体形成工程と、グリーン積層体を、第1の方向と直交すると共に積層方向と直交する第2の方向に沿って切断して二以上に分割することで、第1の方向と交差する一対の側面から第1〜第4の導電塗膜が露出している複数のグリーン分割体を形成する第1の切断工程と、複数のグリーン分割体の姿勢を、一対の側面のうち一方の側面が上向きとなるようにする第1の姿勢変更工程と、複数のグリーン分割体の一方の側面にそれぞれ第3の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、複数のグリーン分割体の一方の側面をそれぞれ覆う第1の被覆層を形成する第1の被覆層形成工程と、複数のグリーン分割体の姿勢を、一対の側面のうち他方の側面が上向きとなるようにする第2の姿勢変更工程と、複数のグリーン分割体の他方の側面にそれぞれ第4の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、複数のグリーン分割体の他方の側面をそれぞれ覆う第2の被覆層を形成する第2の被覆層形成工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、グリーン積層体形成工程において、第1及び第2の誘電体グリーン層並びに第1〜第4の導電塗膜をいわゆる印刷積層工法により形成している。また、これらの帯状の第1〜第4の導電塗膜は、第1の方向に沿って延びるように形成されている。そのため、第1の導電塗膜と第3の導電塗膜、又は、第2の導電塗膜と第4の導電塗膜とが第1の方向においてずれて形成された場合であっても、第1の切断工程において切断箇所の設定を変更するだけで、いずれのグリーン分割体においても、第1の導電塗膜と第3の導電塗膜、又は、第2の導電塗膜と第4の導電塗膜との積層方向から見たときの対向面積を一定にすることができることとなる。その結果、従来の積層コンデンサの製造方法において採用しているシート積層工法と比較して、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能となる。
また、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、第1の切断工程において、グリーン積層体を第2の方向に沿って切断することにより複数のグリーン分割体を形成していることから、グリーン積層体の一対の側面には第1〜第4の導電塗膜が露出した状態となっている。各導電塗膜は、その後の焼成によって内部電極となるものであり、第1〜第4の導電塗膜がこのまま一対の側面に露出した状態であると、その後に端子電極を形成したときに内部電極同士が電気的に接続されて短絡し、コンデンサとして機能しなくなってしまう。そこで、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、第1の被覆層形成工程及び第2の被覆層形成工程において、複数のグリーン分割体の一対の側面にそれぞれ第1又は第2の被覆層を設け、内部電極同士の短絡を防止している。具体的には、第1の被覆層形成工程では、複数のグリーン分割体の一対の側面のうち一方の側面をそれぞれ覆う第1の被覆層を形成しており、第2の被覆層形成工程では、複数のグリーン分割体の一対の側面のうち他方の側面をそれぞれ覆う第2の被覆層を形成している。そのため、複数のグリーン分割体の一方の側面に、一度に第1の被覆層を形成することができると共に、複数のグリーン分割体の他方の側面に、一度に第2の被覆層を形成することができることとなる。その結果、積層コンデンサの製造工程の大幅な簡略化を図ることが可能となる。
ところで、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する工程を含んでいるため、セラミックグリーンシートがある程度の強度を有している必要があり、セラミックグリーンシートを薄くしようとした場合に限界があった。しかしながら、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、印刷積層工法を採用しているので、シート積層工法と比較して第1及び第2の誘電体グリーン層並びに第1〜第4の導電塗膜をより薄くすることができることとなる。その結果、製造される積層コンデンサの一層の小型化を図ることが可能となる。
また、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する際に、セラミックグリーンシートに歪みが生じてしまっていた。しかしながら、本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、印刷積層工法を採用しているので、第1及び第2の誘電体グリーン層に歪みが生ずることがほとんどない。その結果、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを一層低減することが可能となる。
好ましくは、第1の誘電体スラリー、第2の誘電体スラリー、第3の誘電体スラリー及び第4の誘電体スラリーは、いずれも同一の成分とされている。このようにすると、第1の誘電体グリーン層、第2の誘電体グリーン層、第1の被覆層及び第2の被覆層の相互間における焼成時の収縮率を同一とすることができる。その結果、第1の誘電体グリーン層、第2の誘電体グリーン層、第1の被覆層及び第2の被覆層のそれぞれの界面において、クラックが発生し難くなっている。
本発明によれば、製造される各積層コンデンサ間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能な積層コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
[積層コンデンサの構成]
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサの製造方法によって製造される積層コンデンサ10の構成について説明する。
積層コンデンサ10は、略直方体形状の素体12と、素体12の長手方向の両側面12a,12bにそれぞれ形成された一対の端子電極14,16とを備えている。なお、この端子電極14,16は入出力端子電極として機能する。
素体12は、誘電特性を有する誘電体材料によって形成された誘電体層が複数積層されて構成されている。実際の素体12では、複数の誘電体層同士の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
素体12内には、図2に示されるように、内部電極18A〜18Dが誘電体層の積層方向(図2における上下方向であり、以下、単に「積層方向」と称する。)に沿ってこの順に配置されている。隣り合う内部電極18A〜18Dの間には、少なくとも一層の誘電体層が介在している。
内部電極18A,18Cは、その一端が側面12aから所定の間隔を有して配置されている共に、その他端が側面12bに引き出されている。そのため、内部電極18A,18Cは、端子電極16と電気的に接続されており、端子電極14とは電気的に接続されていない。
内部電極18B,18Dは、その一端が側面12bから所定の間隔を有して配置されていると共に、その他端が側面12aに引き出されている。そのため、内部電極18B,18Dは、端子電極14と電気的に接続されており、端子電極16と電気的に接続されていない。
内部電極18A〜18Dは、積層方向から見たときに、その一部同士が互いに重なり合うように素体12内に配置されている。具体的には、内部電極20A,20Cと内部電極20B,20Dとは、積層方向から見たときに、その一端側が互いに重なり合っており、その他端側が互いに重なり合っていない。従って、内部電極18A〜18Dが互いに重なり合う部分、及び、その重なり合う部分の間に位置する誘電体層によって、コンデンサとしての機能が発揮されることとなる。
[積層コンデンサの製造方法]
続いて、図3〜図11を参照して、上述の構成を有する積層コンデンサ10の製造方法について説明する。
まず、素体12の主成分である誘電体材料と、副成分である希土類酸化物、酸化マグネシウム、酸化マンガン等を所定の割合で混合して、誘電体スラリーを調整する。主成分である誘電体材料としては、積層セラミックコンデンサの誘電体層に主に含まれる公知のセラミックス誘電体材料であれば特に限定されず、例えば、BaTiO、CaTiO及びSrTiOなどのチタン酸化物が挙げられる。主成分の誘電体材料は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて用いられる。
また、ニッケル粉末(金属粉末)に、共材、有機バインダ、分散剤及び有機溶剤等を混合すると共に、ボールミル又はロールミル等で分散してペースト状にすることで、内部電極18A〜18Dとなる導電ペーストを調整する。
次に、図3を参照して、続く工程について説明する。まず、支持体としてPETフィルム20を用意する。続いて、このPETフィルム20上にドクターブレード法等の塗布方法により誘電体スラリーを塗布して、60℃〜100℃程度にて1秒〜10秒程度乾燥することにより、誘電体グリーン層22を形成する。この誘電体グリーン層22は、その大きさを160mm×160mm程度、その厚さを10μm程度に設定することができる。
続いて、この誘電体グリーン層22上にスクリーン印刷により導電ペーストを塗布して80℃〜120℃程度にて1分〜5分程度乾燥することにより、複数の帯状の導電塗膜24A〜24Dを形成する。これらの導電塗膜24A〜24Dは、具体的には、いずれも図1におけるY軸方向(第1の方向)に沿って延びると共に、互いに所定の間隔を有するように、誘電体グリーン層22上に配置されている。これらの導電塗膜24A〜24Dは、その幅を0.4mm程度、その長さを0.8mm程度、その厚さを1.5μm程度に設定することができる。
次に、図4を参照して、続く工程について説明する。誘電体グリーン層22上であって導電塗膜24A〜24Dが形成されていない部分(いわゆる余白部分)にスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜120℃程度にて1分〜5分程度乾燥することにより、複数の誘電体グリーン層26を形成する。これらの誘電体グリーン層26は、余白部分の段差を解消することを目的として形成されるものであるので、誘電体グリーン層26の厚みを導電塗膜24A〜24Dと同程度に設定することが好ましい。
次に、図5を参照して、続く工程について説明する。まず、導電塗膜24A〜24D及び誘電体グリーン層26の表面全体(すなわち、中間体の表面全体)を覆うように、導電塗膜24A〜24D及び誘電体グリーン層26上にドクターブレード法等の塗布方法により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜120℃程度にて5分〜10分程度乾燥することにより、誘電体グリーン層28を形成する。この誘電体グリーン層28は、その大きさを160mm×160mm程度、その厚さを5.0μm程度に設定することができる。
続いて、導電塗膜24A〜24Dと同様に、誘電体グリーン層28上に複数の帯状の導電塗膜30A〜30Dを形成する。これらの導電塗膜30A〜30Dは、具体的には、いずれも図1におけるY軸方向(第1の方向)に沿って延びると共に、互いに所定の間隔を有するように、誘電体グリーン層28上に配置されている。これらの導電塗膜30A〜30Dは、導電塗膜24A〜24Dと同程度の大きさに設定することができる。
導電塗膜30Aは、図5に示されるように、積層方向(図5のZ軸方向)から見て、その一部が導電塗膜24Aの一部と対向しており、その他の部分が導電塗膜24Aと対向していない。すなわち、導電塗膜24A,30Aは、積層方向(図5のZ軸方向)から見て互いに対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分をそれぞれ有している。導電塗膜30Bと導電塗膜24B、導電塗膜30Cと導電塗膜24C、及び、導電塗膜30Dと導電塗膜24Dとの関係についても同様である。従って、導電塗膜24A,30Aの各対向部分及び導電塗膜24A,30Aの各非対向部分は、いずれも図5のY軸方向に沿って延びている。
続いて、誘電体グリーン層28上であって導電塗膜30A〜30Dが形成されていない部分(いわゆる余白部分)にスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜120℃程度にて1分〜5分程度乾燥することにより、複数の誘電体グリーン層32を形成する。これらの誘電体グリーン層32は、誘電体グリーン層26と同様、余白部分の段差を解消することを目的として形成されるものであるので、誘電体グリーン層32の厚みを導電塗膜30A〜30Dと同程度に設定することが好ましい。
次に、図6を参照して、続く工程について説明する。まず、誘電体グリーン層28と同様に、導電塗膜30A〜30D及び誘電体グリーン層32の表面全体(すなわち、中間体の表面全体)を覆う誘電体グリーン層34を形成する。この誘電体グリーン層34は、誘電体グリーン層28と同程度の大きさに設定することができる。
続いて、導電塗膜24A〜24D、誘電体グリーン層26,28、導電塗膜30A〜30D、誘電体グリーン層32を形成するのと同様の手順により、導電塗膜36A〜36D、誘電体グリーン層38,40、導電塗膜42A〜42D、誘電体グリーン層44をこの順にて形成する。従って、導電塗膜30A,36A(導電塗膜30B,36B、導電塗膜30C,36C、導電塗膜30D,36D)は、積層方向(図6のZ軸方向)から見て互いに対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分をそれぞれ有しており、導電塗膜36A,42A(導電塗膜36B,42B、導電塗膜36C,42C、導電塗膜36D,42D)は、積層方向(図6のZ軸方向)から見て互いに対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分をそれぞれ有している。
続いて、導電塗膜42A〜42D及び誘電体グリーン層44の表面全体(すなわち、中間体の表面全体)を覆うように、導電塗膜42A〜42D及び誘電体グリーン層44上にドクターブレード法等の方法により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜120℃程度にて1分〜5分程度乾燥することにより、誘電体グリーン層46を形成する。この誘電体グリーン層46は、その大きさを160mm×160mm程度、その厚さを80μm程度に設定することができる。これにより、その大きさが160mm×160mm×0.8mm程度とされた直方体形状(ブロック状)のグリーン積層体48が形成されることとなる。
続いて、図6に示されるように、PETフィルム20によってグリーン積層体48を保持したままの状態(すなわち、グリーン積層体48の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、ダイシングブレード50を用いて、X軸方向(Y軸方向に直交する方向、第2の方向)に沿ってグリーン積層体48を切断する。これにより、図7及び図8に示されるような、Y軸方向(導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dの延在方向)と交差する一対の側面52aから導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出する複数のグリーン分割体52が形成されることとなる。なお、図8は、図7をX軸方向から見たとき、すなわち、Z軸を中心として図7を90°回転させたときの様子を示している。
このとき、ダイシングブレード50としては、その刃厚が100μm程度のものを使用でき、ダイシングブレード50によるグリーン積層体48の切断間隔(すなわち、グリーン分割体52の幅)L1(図6参照)としては、0.8mm程度に設定することができる。なお、グリーン積層体48を切断する際におけるダイシングブレード50の切込み量は、PETフィルム20の表面が僅かに切除される程度となるように設定されているので、グリーン積層体48については完全に分断される一方、PETフィルム20については分断されないように設定されている。
次に、図9を参照して、続く工程について説明する。まず、図9に示されるように、PETフィルム20によってグリーン分割体52を保持したままの状態(すなわち、グリーン分割体52の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、グリーン分割体52の一対の側面52aを覆うように誘電体スラリーを供給して(流し込んで)、80℃〜140℃程度にて5分〜30分程度乾燥することにより、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している一対の側面52aを覆う複数の被覆体54を形成する。
続いて、PETフィルム20によってグリーン分割体52を保持したままの状態(すなわち、グリーン分割体52の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、ダイシングブレード50を用いて、X軸方向(Y軸方向及び積層方向であるZ軸方向に直交する方向、第2の方向)に沿って各被覆体54を切断する。これにより、図10に示されるように、グリーン分割体52の一対の側面52aに被覆層56がそれぞれ設けられることとなる。
このとき、ダイシングブレード50による被覆体54の切断間隔(すなわち、グリーン分割体52の幅及び被覆層56の幅の合計、後述するグリーンチップ58の幅)L2(図9〜図11参照)としては、0.6mm程度に設定することができる。また、一対の側面52aに被覆層56を設け、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出しないようにするため、ここで用いるダイシングブレード50は、グリーン積層体48を切断する際に用いられたダイシングブレード50よりもその刃厚が小さいものとなっており、具体的には、その刃厚が50μm程度のものを使用できる。また、被覆体54を切断する際におけるダイシングブレード50の切込み量は、PETフィルム20の表面が僅かに切除される程度となるように設定されているので、被覆体54については完全に分断される一方、PETフィルム20については分断されないように設定されている。
次に、図10を参照して続く工程について説明する。PETフィルム20によってグリーン分割体52を保持したままの状態(すなわち、グリーン分割体52の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、ダイシングブレード50を用いて、Y軸方向(第1の方向)に沿って各グリーン分割体52及び各被覆層56を切断する。これにより、図11に示されるように、X軸方向(導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dの幅方向)と交差する一対の側面52bを有し、一対の側面52bのうち一方の側面から導電塗膜30A(30B,30C,30D),42A(42B,42C,42D)が露出すると共に、一対の側面52bのうち他方の側面から導電塗膜24A(24B,24C,24D),36A(36B,36C,36D)が露出(図示せず)する複数のグリーンチップ58が形成されることとなる。
このとき、ダイシングブレード50としては、その刃厚が50μm程度のものを使用でき、ダイシングブレード50による各グリーン分割体52及び各被覆層56の切断間隔(すなわち、グリーンチップ58の長さ)L3(図10及び図11参照)としては、1.1mm程度に設定することができる。なお、グリーン分割体52及び被覆層56を切断する際におけるダイシングブレード50の切込み量は、PETフィルム20の表面が僅かに切除される程度となるように設定されているので、グリーン分割体52及び被覆層56については完全に分断される一方、PETフィルム20については分断されないように設定されている。
その後、PETフィルム20からグリーンチップ58を剥離し、グリーンチップ58を100℃〜140℃程度にて30分〜90分程度焼成する。これにより、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56の間の境界が視認できない程度に一体化され、素体12が形成されることとなる。素体12は、焼成後における大きさが0.95mm×0.48mm×0.48mm程度となる。
続いて、この素体12の側面12a,12bに端子電極14,16をそれぞれ形成する。これにより、積層コンデンサ10が完成する。端子電極14,16は、側面12a,12bにAg、Cu又はNiを主成分とする電極ペーストをそれぞれ転写した後に700℃〜800℃程度にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、例えばCu、Ni及びSnを用いることができる。
以上のような第1実施形態においては、誘電体グリーン層26,32,38,44及び導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dを、スクリーン印刷を用いた印刷積層工法により形成しており、誘電体グリーン層22,28,34,40をドクターブレード法等の塗布方法によって形成している。また、これらの帯状の導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dは、Y軸方向(第1の方向)に沿って延びるように形成されている。そのため、導電塗膜24A,30A,36A,42Aのいずれか、導電塗膜24B,30B,36B,42Bのいずれか、導電塗膜24C,30C,36C,42Cのいずれか、又は、導電塗膜24D,30D,36D,42DのいずれかがY軸方向おいてずれて形成された場合であっても、グリーン積層体48の切断の際に切断箇所の設定を変更するだけで、いずれのグリーン分割体52においても、積層方向から見たときの導電塗膜同士の対向面積を一定にすることができることとなる。その結果、従来の積層コンデンサの製造方法において採用しているシート積層工法と比較して、製造される各積層コンデンサ10間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能となる。
また、第1実施形態においては、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している、グリーン分割体52の一対の側面52aに、被覆層56を設け、内部電極18A〜18D同士の短絡を防止している。具体的には、グリーン分割体52の一対の側面52aを覆うように誘電体スラリーを供給して(流し込んで)、一対の側面52aを覆う複数の被覆体54を形成し、その後、ダイシングブレード50を用いて、X軸方向(第2の方向)に沿って各被覆体54を切断している。そのため、グリーン分割体52の一対の側面52aに、一度に被覆層56を形成することができることとなる。その結果、積層コンデンサ10の製造工程の大幅な簡略化を図ることが可能となる。
また、第1実施形態においては、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56を、同一の誘電体スラリーを用いて形成している。そのため、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56の相互間における焼成時の収縮率が同一となっている。その結果、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56のそれぞれの界面において、クラックが発生し難くなっている。
また、第1実施形態においては、グリーン積層体48、被覆体54及びグリーン分割体52の切断について、同一のPETフィルム20上にて行っている。そのため、これらの切断の際に他の支持体に移し替える必要がなくなるので、積層コンデンサ10の製造工程をより簡略化すことが可能となる。
ところで、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する工程を含んでいるため、セラミックグリーンシートがある程度の強度を有している必要があり、セラミックグリーンシートを薄くしようとした場合に限界があった。しかしながら、第1実施形態では、上記のように印刷積層工法を採用しているので、シート積層工法と比較して、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dをより薄くすることができることとなる。その結果、製造される積層コンデンサ10の一層の小型化を図ることが可能となる。
また、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する際に、セラミックグリーンシートに歪みが生じてしまっていた。しかしながら、第1実施形態では、上記のように印刷積層工法を採用しているので、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46に歪みが生ずることがほとんどない。その結果、製造される各積層コンデンサ10間の静電容量のばらつきを一層低減することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図12〜図16を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサ10の製造方法について説明する。
第2実施形態では、誘電体グリーン層44を形成するまでの工程は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。また、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、誘電体グリーン層46を形成することなく、誘電体グリーン層44が形成された時点でグリーン積層体48の完成となる。
続いて、図12に示されるように、PETフィルム20によってグリーン積層体48を保持したままの状態(すなわち、グリーン積層体48の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、ダイシングブレード50を用いて、X軸方向(Y軸方向に直交する方向、第2の方向)に沿ってグリーン積層体48を切断する。これにより、図13及び図14に示されるような、Y軸方向(導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dの延在方向)と交差する一対の側面52aから導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出すると共に、上面52cから導電塗膜42A〜42Dが露出する複数のグリーン分割体52が形成されることとなる。なお、図14は、図13をX軸方向から見たとき、すなわち、Z軸を中心として図13を90°回転させたときの様子を示している。
次に、図15を参照して、続く工程について説明する。まず、図15に示されるように、PETフィルム20によってグリーン分割体52を保持したままの状態(すなわち、グリーン分割体52の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、グリーン分割体52の一対の側面52aを覆うと共にグリーン分割体52の上面52cを覆うように誘電体スラリーを供給して(流し込んで)、80℃〜140℃程度にて5分〜30分程度乾燥することにより、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している一対の側面52a及び上面52cを覆う被覆体54を形成する。従って、被覆体54のうちグリーン分割体52の上面52cを覆う部分が、第1実施形態における誘電体グリーン層46に相当することとなる。
続いて、PETフィルム20によってグリーン分割体52を保持したままの状態(すなわち、グリーン分割体52の姿勢をその積層方向が鉛直方向に沿うようにした状態)で、ダイシングブレード50を用いて、X軸方向に沿って、被覆体54のうちグリーン分割体52の上面52cを覆う部分を除く部分を切断する。これにより、図16に示されるように、グリーン分割体52の一対の側面52a及び上面52cに被覆層56がそれぞれ設けられることとなる。この後の工程については、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態に係る積層コンデンサ10の製造方法と同様の作用効果を奏する。
また、第2実施形態においては、グリーン分割体52の上面52cをも覆うように誘電体スラリーを供給して、一対の側面52a及び上面52cを覆う被覆体54を形成している。そのため、被覆体54を形成することにより、第1実施形態における誘電体グリーン層46に相当する部分についても同時に形成することができることとなる。その結果、積層コンデンサ10の製造工程をより簡略化すことが可能となる。
(第3実施形態)
次に、図17〜図19を参照して、第3実施形態に係る積層コンデンサ10の製造方法について説明する。第3実施形態では、複数のグリーン分割体52を形成するまでの工程は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
続いて、図17に示されるように、グリーン分割体52の一対の側面52aのうち一方の側面52aが上向きとなるように、グリーン分割体52の姿勢を変更する。そして、図18に示されるように、この状態で、グリーン分割体52の一方の側面52aにスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜140℃程度にて5分〜30分程度乾燥することにより、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している一方の側面52aを覆う被覆層56を形成する。
続いて、グリーン分割体52の一対の側面52aのうち他方の側面52aが上向きとなるように、グリーン分割体52の姿勢を変更する(図示せず)。そして、図19に示されるように、この状態で、グリーン分割体52の他方の側面52aにスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布して、80℃〜140℃程度にて5分〜30分程度乾燥することにより、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している他方の側面52aを覆う被覆層56を形成する。この後の工程については、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
以上のような第3実施形態においては、誘電体グリーン層26,32,38,44,46及び導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dを、スクリーン印刷を用いた印刷積層工法により形成しており、誘電体グリーン層22,28,34,40をドクターブレード法等の塗布方法によって形成している。また、これらの帯状の導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dは、Y軸方向(第1の方向)に沿って延びるように形成されている。そのため、導電塗膜24A,30A,36A,42Aのいずれか、導電塗膜24B,30B,36B,42Bのいずれか、導電塗膜24C,30C,36C,42Cのいずれか、又は、導電塗膜24D,30D,36D,42DのいずれかがY軸方向おいてずれて形成された場合であっても、グリーン積層体48の切断の際に切断箇所の設定を変更するだけで、いずれのグリーン分割体52においても、積層方向から見たときの導電塗膜同士の対向面積を一定にすることができることとなる。その結果、従来の積層コンデンサの製造方法において採用しているシート積層工法と比較して、製造される各積層コンデンサ10間の静電容量のばらつきを大きく低減することが可能となる。
また、第3実施形態においては、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している、グリーン分割体52の一対の側面52aに、被覆層56を設け、内部電極18A〜18D同士の短絡を防止している。具体的には、
グリーン分割体52の一方の側面52aにスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布及び乾燥することで、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している一方の側面52aを覆う被覆層56を形成しており、グリーン分割体52の他方の側面52aにスクリーン印刷により誘電体スラリーを塗布及び乾燥することで、導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dが露出している他方の側面52aを覆う被覆層56を形成している。そのため、グリーン分割体52の一方の側面52aに、一度に被覆層56を形成することができると共に、グリーン分割体52の他方の側面52aに、一度に被覆層56を形成することができることとなる。その結果、積層コンデンサ10の製造工程の大幅な簡略化を図ることが可能となる。
また、第3実施形態においては、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56を、同一の誘電体スラリーを用いて形成している。そのため、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56の相互間における焼成時の収縮率が同一となっている。その結果、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56のそれぞれの界面において、クラックが発生し難くなっている。
ところで、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する工程を含んでいるため、セラミックグリーンシートがある程度の強度を有している必要があり、セラミックグリーンシートを薄くしようとした場合に限界があった。しかしながら、第3実施形態では、上記のように印刷積層工法を採用しているので、シート積層工法と比較して、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び導電塗膜24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42Dをより薄くすることができることとなる。その結果、製造される積層コンデンサ10の一層の小型化を図ることが可能となる。
また、従来のシート積層工法では、セラミックグリーンシートをフィルムから剥離する際に、セラミックグリーンシートに歪みが生じてしまっていた。しかしながら、第3実施形態では、上記のように印刷積層工法を採用しているので、誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46に歪みが生ずることがほとんどない。その結果、製造される各積層コンデンサ10間の静電容量のばらつきを一層低減することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56を、同一の誘電体スラリーを用いて形成していたが、異なる成分の誘電体スラリーを用いてもよい。
また、上記実施形態ではいわゆる余白部分に誘電体グリーン層26,32,38,44を形成していたが、余白部分にこれらの誘電体グリーン層26,32,38,44を形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では4つの内部電極18A〜18Dを備える積層コンデンサ10の製造方法について説明したが、積層コンデンサ10としての機能を発揮するためには、積層コンデンサ10が少なくとも2つの内部電極を備えるものであればよい。
また、上記実施形態では誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46及び被覆層56を、同一の誘電体スラリーを用いて形成していたが、これに限られない。すなわち、被覆層56となる誘電体スラリーは、焼成後の硬度が誘電体グリーン層22,26,28,32,34,38,40,44,46となる誘電体スラリーよりも高くなる成分とされていてもよい。このようにすると、製造される積層コンデンサ10の外表面(素体12の外表面)が硬くなるので、外力による割れや欠けを防止することが可能となる。なお、誘電体スラリーの焼成後の硬度は、誘電体スラリーの主成分を変更したり、樹脂量・溶剤量を調整したりすることによって、適宜調整することが可能である。
図1は、積層コンデンサを示す斜視図である。 図2は、積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。 図3は、第1実施形態に係る積層コンデンサの製造方法の一工程を示す図である。 図4は、図3の後続の工程を示す図である。 図5は、図4の後続の工程を示す図である。 図6は、図5の後続の工程を示す図である。 図7は、図6の後続の工程を示す図である。 図8は、図7をX軸方向から見たときの図である。 図9は、図7及び図8の後続の工程を示す図である。 図10は、図9の後続の工程を示す図である。 図11は、図10の後続の工程を示す図である。 図12は、第2実施形態に係る積層コンデンサの製造方法の一工程を示す図である。 図13は、図12の後続の工程を示す図である。 図14は、図13をX軸方向から見たときの図である。 図15は、図13及び図14の後続の工程を示す図である。 図16は、図15の後続の工程を示す図である。 図17は、第3実施形態に係る積層コンデンサの製造方法の一工程を示す図である。 図18は、図17の後続の工程を示す図である。 図19は、図18の後続の工程を示す図である。
符号の説明
10…積層コンデンサ、18A〜18D…内部電極、20…PETフィルム(支持体)、22…誘電体グリーン層、24A〜24D,30A〜30D,36A〜36D,42A〜42D…導電塗膜、26,28,32,34,38,40,44,46…誘電体グリーン層、52…グリーン分割体、54…被覆体、56…被覆層、58…グリーンチップ。

Claims (6)

  1. グリーン積層体を形成するグリーン積層体形成工程であって、
    支持体上に第1の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第1の誘電体グリーン層を形成する第1の工程と、
    前記第1の誘電体グリーン層上に第1の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に互いに所定の間隔を有するように配置された帯状の第1及び第2の導電塗膜を形成する第2の工程と、
    前記第1及び第2の導電塗膜を共に覆うように第2の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第2の誘電体グリーン層を形成する第3の工程と、
    前記第2の誘電体グリーン層上に第2の導電ペーストを塗布して乾燥することで、前記第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て前記第1の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第3の導電塗膜、並びに、当該第3の導電塗膜とは所定の間隔を有するように配置され、前記第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て前記第2の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第4の導電塗膜を形成する第4の工程とを有するグリーン積層体形成工程と、
    前記グリーン積層体を、前記第1の方向と直交すると共に前記積層方向と直交する第2の方向に沿って切断して二以上に分割することで、前記第1の方向と交差する一対の側面から前記第1〜第4の導電塗膜が露出している複数のグリーン分割体を形成する第1の切断工程と、
    少なくとも前記複数のグリーン分割体の前記一対の側面を覆うように第3の誘電体スラリーを供給し、乾燥することで、前記一対の側面をそれぞれ覆う複数の被覆体を形成する被覆体形成工程と、
    前記複数の被覆体を切断することで、前記一対の側面にそれぞれ被覆層を設ける第2の切断工程と、
    前記複数のグリーン分割体を、前記被覆層と共に前記第1の方向に沿って切断し、複数のグリーンチップを形成する第3の切断工程とを備え
    前記被覆体形成工程では、前記複数のグリーン分割体の上面をも覆うように前記第3の誘電体スラリーを供給することを特徴とする積層コンデンサの製造方法。
  2. 前記第1の誘電体スラリー、前記第2の誘電体スラリー及び前記第3の誘電体スラリーは、いずれも同一の成分とされていることを特徴とする請求項1に記載された積層コンデンサの製造方法。
  3. 前記第3の誘電体スラリーは、焼成後の硬度が前記第1の誘電体スラリー及び前記第2の誘電体スラリーよりも高くなる成分とされていることを特徴とする請求項1に記載された積層コンデンサの製造方法。
  4. 前記グリーン積層体形成工程において形成された前記グリーン積層体を前記支持体から剥離することなく、前記第1の切断工程、前記被覆体形成工程、前記第2の切断工程及び前記第3の切断工程を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載された積層コンデンサの製造方法。
  5. グリーン積層体を形成するグリーン積層体形成工程であって、
    支持体上に第1の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第1の誘電体グリーン層を形成する第1の工程と、
    前記第1の誘電体グリーン層上に第1の導電ペーストを塗布して乾燥することで、第1の方向に沿って延びると共に互いに所定の間隔を有するように配置された帯状の第1及び第2の導電塗膜を形成する第2の工程と、
    前記第1及び第2の導電塗膜を共に覆うように第2の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、第2の誘電体グリーン層を形成する第3の工程と、
    前記第2の誘電体グリーン層上に第2の導電ペーストを塗布して乾燥することで、前記第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て前記第1の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第3の導電塗膜、並びに、当該第3の導電塗膜とは所定の間隔を有するように配置され、前記第1の方向に沿って延びると共に積層方向から見て前記第2の導電塗膜の一部と対向する対向部分及びそれ以外の非対向部分を含む帯状の第4の導電塗膜を形成する第4の工程とを有するグリーン積層体形成工程と、
    前記グリーン積層体を、前記第1の方向と直交すると共に前記積層方向と直交する第2の方向に沿って切断して二以上に分割することで、前記第1の方向と交差する一対の側面から前記第1〜第4の導電塗膜が露出している複数のグリーン分割体を形成する第1の切断工程と、
    前記複数のグリーン分割体の姿勢を、前記一対の側面のうち一方の側面が上向きとなるようにする第1の姿勢変更工程と、
    前記複数のグリーン分割体の前記一方の側面にそれぞれ第3の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、前記複数のグリーン分割体の前記一方の側面をそれぞれ覆う第1の被覆層を形成する第1の被覆層形成工程と、
    前記複数のグリーン分割体の姿勢を、前記一対の側面のうち他方の側面が上向きとなるようにする第2の姿勢変更工程と、
    前記複数のグリーン分割体の前記他方の側面にそれぞれ第4の誘電体スラリーを塗布して乾燥することで、前記複数のグリーン分割体の前記他方の側面をそれぞれ覆う第2の被覆層を形成する第2の被覆層形成工程とを備えることを特徴とする積層コンデンサの製造方法。
  6. 前記第1の誘電体スラリー、前記第2の誘電体スラリー、前記第3の誘電体スラリー及び前記第4の誘電体スラリーは、いずれも同一の成分とされていることを特徴とする請求項に記載された積層コンデンサの製造方法。
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