JP4717301B2 - 管路における不平均力の支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は管路における不平均力の支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に曲がり管路においては、管路を構成する複数の管体の継ぎ手部に、管内の流体圧によって不平均力が作用する。
【0003】
そして、この不平均力に起因して管路の継手部に管体の軸芯方向(以下、管軸方向と称する)の力が作用することから、管路を支持するための支持構造が必要になる。
【0004】
従来、上記の管路を支持するのに、図16,図17に示すように、鉄筋コンクリート(6は鉄筋である)製の躯体5で共同溝1内の管体3を固定してあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の支持構造によれば、共同溝1のような狭い空間での鉄筋コンクリート施工が困難で、施工に手間がかかるという問題があった。
【0006】
上記の問題を解消する技術として、鋼製のバンドをボルトによって管体の周囲に巻付け固定する技術が提案されているが、この技術ではバンドと管体との間の摩擦抵抗力で管体の管軸方向の移動を防止することから、管路における不平均力を強固に支持することは困難である。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて成されたもので、その目的は、管路における不平均力を支持して防護を図ることができるようにする点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に含まれない不平均力の支持装置の第1の態様の構成・作用・効果は次の通りである。
【0009】
[構成]
支持部に固定されるフレームと、前記フレームに管体を固定する固定機構とを設け、
前記固定機構を構成するに、前記管体を挟んで前記管体の径方向一方側から前記管体の外面を受け止めるエッジ部を備えた第1受け部を前記フレームに設けるとともに、前記管体の径方向他方側から前記管体の外面を受け止めるエッジ部を備えた第2受け部を、前記第1受け部に連結及び連結解除自在に設けてある。
【0010】
[作用]
フレームに設けた第1受け部と第2受け部とで管体を挟み込む状態に第1受け部と第2受け部を連結する。
【0011】
その結果、第1受け部のエッジ部と第2受け部のエッジ部が管体に対して食い込み作用し、これにより、管体の移動を阻止して、不平均力を受け止めることができる。このため強固な防護工とすることができる。
【0012】
[効果]
従って、管路における不平均力を支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0013】
本発明に含まれない不平均力の支持装置の第2の態様の構成・作用・効果は次の通りである。
【0014】
[構成]第1の態様の構成において、前記エッジ部は、前記第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢に設定して、前記第1受け部又は第2受け部の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してある。
【0015】
[作用]第1の態様の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0016】
つまり、前記エッジ部は、前記第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢に設定して、前記第1受け部又は第2受け部の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してあるから、エッジ部の形成に手間がかからず、しかも、管体の一部にだけエッジ部が強く食い込んだり、管体の一部にだけエッジ部が所定の力よりも弱い力で食い込んだりするのを防止することができる。そして、管体がその軸芯方向に移動するのを効果的に阻止することができる。
【0017】
[効果]
従って、管路における不平均力をより確実に支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0018】
本発明に含まれない不平均力の支持装置の第3の態様の構成・作用・効果は次の通りである。
【0019】
[構成]第1の態様の構成において、前記エッジ部は、前記第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢に設定して、前記第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してある。
【0020】
[作用]第1の態様の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0021】
エッジ部は、第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢に設定して、第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してあるから、エッジ部の形成に手間がかからず、しかも、管体の一部にだけエッジ部が強く食い込んだり、管体の一部にだけエッジ部が所定の力よりも弱い力で食い込んだりするのを防止することができる。そして、管体がその軸芯方向に移動するのを効果的に阻止することができる。
【0022】
[効果]
従って、管路における不平均力をより確実に支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0023】
本発明に含まれない不平均力の支持装置の第4の態様の構成・作用・効果は次の通りである。
【0024】
[構成]第1の態様の構成において、前記エッジ部は、前記第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に対して傾斜した姿勢に設定して、前記第1受け部又は第2受け部の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してある。
【0025】
[作用]第1の態様の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0026】
つまり、前記エッジ部は、第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に対して傾斜した姿勢に設定して、第1受け部又は第2受け部の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて複数配置してあるから、管体がその軸芯方向に移動するのを阻止しやすくなり、しかも、管体の一部にだけエッジ部が強く食い込んだり、管体の一部にだけエッジ部が所定の力よりも弱い力で食い込んだりするのを防止することができる。そして、管体がその軸芯周りに回転するのを効果的に阻止することができる。
【0027】
[効果]
従って、管路における不平均力をより確実に支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0028】
本発明に含まれない不平均力の支持装置の第5の態様の構成・作用・効果は次の通りである。
【0029】
[構成]第1の態様の構成において、前記第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢のエッジ部と、前記第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に対して傾斜した姿勢のエッジ部を混在させてある。
【0030】
[作用]第1の態様の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏することができる。
【0031】
つまり、前記第1受け部又は第2受け部の周方向に沿う姿勢のエッジ部と、前記第1受け部又は第2受け部の軸芯方向に対して傾斜した姿勢のエッジ部を混在させてあるから、管体がその軸芯方向に移動するのを阻止しやすくなり、しかも、管体の一部にだけエッジ部が強く食い込んだり、管体の一部にだけエッジ部が所定の力よりも弱い力で食い込んだりするのを防止することができる。そして、管体がその軸芯周りに回転するのを効果的に阻止することができる。
【0032】
[効果]
従って、管路における不平均力をより確実に支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0033】
請求項1による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0034】
[構成]支持部に固定されるフレームと、前記フレームに管体を固定する固定機構とを設け、前記固定機構を構成するに、前記フレームに設けた押ネジにより前記管体に向けて作用される押圧力によって前記管体の外面に押圧されることで、前記フレームに対して前記管体が管軸方向に移動するのを阻止可能な移動阻止体を設け、前記移動阻止体は、前記管体の外面に押圧されて食い込み作用しうる3以上のエッジ部を阻止本体部に、管軸方向で所定の間隔を置いて位置する状態に設けるか、あるいは、前記管体の外面に押圧されて食い込み作用しうる一つのエッジ部を阻止本体部に設けて構成してある。
【0035】
[作用]
管体の外面に押圧される移動阻止体によって、この管体とフレームとが一体化される。
【0036】
前記移動阻止体は、前記管体の外面に押圧される3以上のエッジ部を阻止本体部に、管軸方向で所定の間隔を置いて位置する状態に設けるか、あるいは、前記管体の外面に押圧される一つのエッジ部を阻止本体部に設けて構成してあるから、管体が管軸方向に移動しようとしてもエッジ部が管体に対して食い込み作用し、これにより、管体の移動を阻止して、不平均力を受け止めることができる。このため、強固な防護工とすることができる。
【0037】
[効果]
従って、管路における不平均力を支持して防護を図ることができる管路における不平均力の支持装置を提供することができた。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、第1実施形態は本発明に含まれない。
【0039】
[第1実施形態]
図15に示すように、継手部4を備えた管体3から成る管路2を共同溝内に配置してある。
【0040】
前記管体3は「管路における不平均力の支持装置」に支持させてあり、次に前記管路における不平均力の支持装置について説明する。
【0041】
図1,図2に示すように、前記管路における不平均力の支持装置は、共同溝のベースコンクリート12(支持部に相当)にボルト固定される鋳鉄製のフレーム11と、フレーム11に管体3を固定する固定機構23とを設けて構成してある。
【0042】
前記固定機構23を構成するに、管体3を挟んで管体3の径方向一方側(下方側)から管体3の外面を受け止める複数のエッジ部24を備えた円弧状の第1受け部21をフレーム11に一体に設けるとともに、管体3の径方向他方側(上方側)から管体3の外面を受け止める複数のエッジ部24を備えた円弧状の第2受け部22を、第1受け部21に連結及び連結解除自在に設けてある。
【0043】
前記第2受け部22と第1受け部21の連結構造は、第1受け部21に設けたフランジ21Aと、第2受け部22に設けたフランジ22Aとにボルト挿通孔を形成し、これらのボルト挿通孔にボルト25を挿通させるとともに、ボルト25にナット26を螺合したボルト連結機構に構成してある。
【0044】
前記フレーム11は、板状の取付座部14と、この取付座部14から立ち上がった管支持部15と、管軸方向に沿うリブ16とから成る。
【0045】
図3,図4に示すように、前記複数のエッジ部24の配置パターンを設定するに、第1受け部21又は第2受け部22の周方向に沿う姿勢の複数のエッジ部24を、第1受け部21又は第2受け部22の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて配置してある。
【0046】
上記の構造により、フレーム11に設けた円弧状の第1受け部21と円弧状の第2受け部22とで管体3を挟み込み、その状態で上記のボルト連結機構を締結すると、第1受け部21の複数のエッジ部24と第2受け部22の複数のエッジ部24が管体3に対して食い込み作用し、これにより、管体3の移動を阻止して、不平均力を受け止めることができる。このため、強固な防護工とすることができる。
【0047】
例えば、前記ボルト連結機構を締結した状態で、第1受け部21側のフランジ21Aと、第2受け部22側のフランジ22Aとが当接していると、第1受け部21の複数のエッジ部24と第2受け部22の複数のエッジ部24とを管体3に対して食い込み作用させにくくなる不具合があるが、ボルト連結機構を締結した状態では、第1受け部21側のフランジ21Aと、第2受け部22側のフランジ22Aとの間には隙間が形成されているから、上記の不具合を回避することができる。
【0048】
[第1実施形態の別実施形態]
図5(イ),図5(ロ)に示すように、前記第1受け部21又は第2受け部22の周方向に沿う姿勢の複数のエッジ部24を千鳥状に配置してあってもよい。
【0049】
図6(イ),図6(ロ)に示すように、第1受け部21又は第2受け部22の軸芯方向に対して傾斜した姿勢の複数のエッジ部24を、前記第1受け部又は第2受け部の周方向及び軸芯方向に所定の間隔を置いて配置してあってもよい。
【0050】
図示はしないが、前記複数のエッジ部24の配置パターンを設定するに、第1受け部21又は第2受け部22の周方向に沿う姿勢のエッジ部24と、第1受け部21又は第2受け部22の軸芯O方向に対して傾斜した姿勢のエッジ部24を混在させてあってもよい。
【0051】
[第2実施形態]
本第2実施形態の「管路における不平均力の支持装置」は、第1実施形態の支持装置とは固定機構23の構造が異なっており、その他の構造は第1実施形態の支持装置とほぼ同一である。次に第2実施形態における固定機構23の構造について説明する。
【0052】
<固定機構23の構造>
図7,図8,図9に示すように、管体3を挟んで管体3の径方向一方側(下側)から管体3の外面を受け止める複数のエッジ部24を備えた円弧状の第1受け部21をフレーム11に一体に設けるとともに、管体3の径方向他方側(上側)から管体3の外面を受け止める円弧状の第2受け部22を、第1受け部21に連結及び連結解除自在に設けてある(第2受け部22と第1受け部21との連結構造は第1実施形態における連結構造と同一である)。
【0053】
そして、第2受け部22に周方向に分散させて形成した複数の雌ねじ部に螺合される複数の押ネジ36を設けるとともに、押ネジ36の押圧力によって管体3の外面に押圧されることで、フレーム11に対して管体3が管軸方向に移動するのを阻止可能な移動阻止体27を設け、この移動阻止体27は、管体3の外面に押圧される一つのエッジ部29を、管軸方向で阻止本体部30の一端側に設けて構成してある。
【0054】
上記の構造によれば、管体3の外面に押圧される移動阻止体27によって、この管体3とフレーム11とが一体化される。
【0055】
前記移動阻止体27は、管体3の外面に押圧される一つのエッジ部29を阻止本体部30に設けて構成してあるから、管体3が管軸方向に移動しようとしてもエッジ部29が管体3に対して食い込み作用し(図10参照)、これにより、管体3の移動を阻止して、不平均力を受け止めることができる。このため、強固な防護工とすることができる。
【0056】
[第2実施形態の別実施形態]
1) 図11,図12に示すように、前記移動阻止体27は、管体3の外面に押圧される一つのエッジ部29を、管軸方向で阻止本体部30の中央部に設けて構成してあってもよい。
【0057】
2) 図13,図14に示すように、前記移動阻止体27は、管体3の外面に押圧される3以上のエッジ部24を阻止本体部30に、管軸方向で所定の間隔を置いて位置する状態に設けて構成してあってもよい。
【0058】
3) 前記第1受け部21側に複数の押ネジ36を設けるとともに、押ネジ36の押圧力によって管体3の外面に押圧されることで、フレーム11に対して管体3が管軸方向に移動するのを阻止可能な移動阻止体27を設け、前記第2受け部22側にエッジ部24を設けてあってもよい。
【0059】
4) 前記第1受け部21と第2受け部22側に複数の押ネジ36を設けるとともに、押ネジ36の押圧力によって管体3の外面に押圧されることで、フレーム11に対して管体3が管軸方向に移動するのを阻止可能な移動阻止体27を設けてあってもよい。
【0060】
この場合、前記第1受け部21と第2受け部22とを一体に形成してあってもよい。
【0061】
[第1及び第2実施形態の別実施形態]
前記管体3は金属管に限られる物ではなく樹脂管であってもよく、また管体3は気体・液体・気液混合体のいずれを通す管体であってもよい。
【0062】
以上の実施形態では前記管体3を、本発明にかかる支持装置を介してベースコンクリート12に支持させたが、前記支持装置を介して管体3を側壁に支持させる場合や、天井壁に支持させる場合であっても、本発明は適用することができる。
【0063】
前記取付座部14は湾曲形状であってもよい(この場合、例えば丸パイプに取付座部14を外嵌させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】管路における不平均力の支持装置の側面図
【図2】同装置の正面図
【図3】図1におけるb−b視図
【図4】図1におけるa−a視図
【図5】別実施形態のエッジ部の配置を示す図
【図6】別実施形態のエッジ部の配置を示す図
【図7】第2実施形態の管路における不平均力の支持装置の側面図
【図8】第2実施形態の管路における不平均力の支持装置の正面図
【図9】第2実施形態の管路における不平均力の支持装置の要部の断面図
【図10】第2実施形態の管路における不平均力の支持装置の要部の断面図
【図11】別実施形態の移動阻止体を示す図
【図12】別実施形態の移動阻止体を示す図
【図13】別実施形態の移動阻止体を示す図
【図14】別実施形態の移動阻止体を示す図
【図15】管路における不平均力の支持置を用いた共同溝内配管の例を示す平面図
【図16】従来の共同溝内配管の例を示す図
【図17】従来の共同溝内配管の例を示す図
【符号の説明】
3 管体
11 フレーム
12 支持部
21 第1受け部
22 第2受け部
23 固定機構
24 エッジ部
26 雄ねじ部材
29 エッジ部
Claims (1)
- 支持部に固定されるフレームと、前記フレームに管体を固定する固定機構とを設け、
前記固定機構を構成するに、前記フレームに設けた押ネジにより前記管体に向けて作用される押圧力によって前記管体の外面に押圧されることで、前記フレームに対して前記管体が管軸方向に移動するのを阻止可能な移動阻止体を設け、
前記移動阻止体は、前記管体の外面に押圧されて食い込み作用しうる3以上のエッジ部を阻止本体部に、管軸方向で所定の間隔を置いて位置する状態に設けるか、あるいは、前記管体の外面に押圧されて食い込み作用しうる一つのエッジ部を阻止本体部に設けて構成してある管路における不平均力の支持装置。
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