JP4716509B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布装置および塗布方法に関し、より特定的には、ステージ上に載置した基板にノズルから有機EL材料等の塗布液を吐出して塗布する塗布装置および塗布方法に関する。
従来、基板等の被処理体に塗布液を塗布する塗布装置が各種開発されている。例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で正孔輸送材料や有機EL材料をノズル塗布する塗布装置が用いられる。この塗布装置では、ノズルから塗布液(有機EL材料や正孔輸送材料)が所定の圧力で吐出される。具体的には、塗布装置に備えられたタンク等の供給源に塗布液が貯留され、供給源から供給される塗布液をポンプで増圧し、配管内に設けられたフィルタで異物を除去した後、ノズルから吐出される。
一般的に、有機EL材料は、酸化することによって品質が劣化することが知られている。したがって、有機EL材料を基板に塗布する際には、当該有機EL材料の酸化を防止しなければならない。このような有機EL材料の品質劣化を防止するために、酸素濃度を管理しながら製造する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で開示された製造装置は、塗工装置、乾燥装置、熱硬化装置、基板積層装置等をチャンバ内に配列し、当該チャンバ内を窒素雰囲気にして製造が行われる。
特開2004−164873号公報
しかしながら、上記特許文献1で開示された製造装置では、複数の装置を1つのチャンバ内に設置するため、チャンバ内の容積が大きくなる。つまり、チャンバ内を窒素雰囲気にするためには、膨大な窒素を供給しなければならない。また、上記チャンバに窒素を供給して所望の酸素濃度に保つためには、多くの吸気/排気ポンプやゲートを設ける必要があり、装置自体が複雑となる。したがって、製造コストや装置コストが増大する問題がある。また、大きな空間を窒素雰囲気にする場合、人間がその空間に入り込むことによって窒息等の危険要素を生み出すことになり、安全面での課題も生じる。
それ故に、本発明の目的は、塗布液の酸化を防止しながら装置効率を上げて基板に塗布を行う塗布装置および塗布方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置である。塗布装置は、ノズル、ステージ、ノズル移動機構、ボックス、第1の供給口、第1の排気口、循環機構、および第2の供給口を備える。ノズルは、その先端部から塗布液を吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、そのステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。ボックスは、ステージを少なくとも包囲して設けられる。第1の供給口は、ボックスの一方側に設けられ、そのボックスの内部空間へ所定の気体を供給する。第1の排気口は、ボックスの他方側に設けられ、そのボックスの内部空間内の気体を排出する。循環機構は、少なくとも第1の排気口から排出された気体を循環させてボックス内部へ供給する。第2の供給口は、ボックスの一方側に設けられ、そのボックスの内部空間へ循環機構から供給された気体を供給する。
ボックスは、第1ボックスおよび第2ボックスを含む。第1ボックスは、ステージを包囲して設けられ、ノズル移動機構が配置される空間とそのステージが配置される空間とを仕切り、その上面にノズル移動機構側からノズルの少なくとも一部が突出して往復移動する開口部が形成されている。第2ボックスは、ノズル移動機構を包囲して第1ボックスの上部に設けられる。第1の供給口は、第1ボックスの一方側に設けられる。第2の供給口は、第1ボックスの一方側に設けられる。第1の排気口は、第1ボックスの他方側に設けられる。塗布装置は、第2の排気口を、さらに備える。第2の排気口は、第2ボックスに設けられ、その第2ボックスの内部空間内の気体を外部に排出する。
の発明は、上記第の発明において、塗布装置は、第3の供給口を、さらに備える。第3の供給口は、第2ボックスに設けられ、その第2ボックスの内部空間へ所定の気体を供給する。
の発明は、上記第の発明において、循環機構は、第1の排気口および第2の排気口から排出された気体を循環させて第2の供給口から第1ボックス内部へ供給する。
の発明は、上記第の発明において、塗布装置は、第4の供給口を、さらに備える。第4の供給口は、第2ボックスに設けられ、その第2ボックスの内部空間へ循環機構から供給された気体を供給する。
の発明は、上記第の発明において、循環機構は、第1の排気口および第2の排気口から排出された気体を循環させて第2の供給口および第4の供給口から第1ボックスおよび第2ボックス内部へそれぞれ供給する。
の発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置である。塗布装置は、ノズル、ステージ、ノズル移動機構、ボックス、第1の供給口、第1の排気口、循環機構、および第2の供給口を備える。ノズルは、その先端部から塗布液を吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、そのステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。ボックスは、ステージを少なくとも包囲して設けられる。第1の供給口は、ボックスの一方側に設けられ、そのボックスの内部空間へ所定の気体を供給する。第1の排気口は、ボックスの他方側に設けられ、そのボックスの内部空間内の気体を排出する。循環機構は、少なくとも第1の排気口から排出された気体を循環させてボックス内部へ供給する。第2の供給口は、ボックスの一方側に設けられ、そのボックスの内部空間へ循環機構から供給された気体を供給する。
ックスは、第1ボックスおよび第2ボックスを含む。第1ボックスは、ステージを包囲して設けられ、ノズル移動機構が配置される空間とそのステージが配置される空間とを仕切り、その上面にノズル移動機構側からノズルの少なくとも一部が突出して往復移動する開口部が形成されている。第2ボックスは、ノズル移動機構を包囲して第1ボックスの上部に設けられる。第1の供給口は、第1ボックスの一方側に設けられる。第2の供給口は、第2ボックスの一方側に設けられる。第1の排気口は、第1ボックスの他方側に設けられる。塗布装置は、第2の排気口を、さらに備える。第2の排気口は、第2ボックスに設けられ、その第2ボックスの内部空間内の気体を外部に排出する。
第7の発明は、上記第1乃至第6のいずれかの発明において、循環機構は、第1の排気口から排出された気体をそのまま循環させて第2の供給口からボックス内部へ供給する。
第8の発明は、上記第1乃至第6のいずれかの発明において、循環機構は、酸素分離機構を含む。酸素分離機構は、第1の排気口から排出された気体から酸素を分離させて取り除いて第2の供給口からボックス内部へ供給する。
の発明は、上記第1乃至第8のいずれかの発明において、酸素濃度検出手段を、さらに備える。酸素濃度検出手段は、ボックス内の所定空間における酸素濃度を検出する。循環機構は、酸素濃度検出手段が所定酸素濃度以下の酸素濃度を検出しているとき、第1の排気口から排出された気体を循環させてボックス内部へ供給する。
10の発明は、ステージ面の上部を横断する方向にノズル移動機構に支持されて往復移動するノズルから吐出された塗布液をそのステージ上面に載置された基板に塗布する塗布方法である。少なくともステージを包囲するボックス内における所定空間が所定雰囲気に置換されるまで、そのボックスの一方側から所定気体を供給し、そのボックスの他方側から少なくとも気体を排出する。所定空間が所定雰囲気に置換されたとき、ボックスの一方側から所定気体を供給し、そのボックスの他方側から排出された気体を循環してボックスの一方側における他の箇所から再度供給する状態で基板に塗布液を塗布する。
ボックスは、ステージを包囲する空間と、ノズル移動機構を包囲する空間とに区切られている。ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、ステージを包囲する空間へ供給される。
11の発明は、上記第10の発明において、所定空間の酸素濃度が所定酸素濃度に到達後にその所定酸素濃度より高くなったとき、気体を循環する動作を停止して、ボックスの一方側から所定気体を供給してボックスの他方側から気体を排出する状態で基板に塗布液を塗布する。
12の発明は、上記第10又は第11の発明において、ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、さらにノズル移動機構を包囲する空間へ供給される。
13の発明は、ステージ面の上部を横断する方向にノズル移動機構に支持されて往復移動するノズルから吐出された塗布液をそのステージ上面に載置された基板に塗布する塗布方法である。少なくともステージを包囲するボックス内における所定空間が所定雰囲気に置換されるまで、そのボックスの一方側から所定気体を供給し、そのボックスの他方側から排出される気体を循環してそのボックスの一方側における他の箇所から再度供給する。所定空間が所定雰囲気に置換されたとき、そのボックスの一方側から所定気体を供給し、そのボックスの他方側から排出される気体を循環してそのボックスの一方側における他の箇所から再度供給する状態で基板に塗布液を塗布する。
14の発明は、上記第13の発明において、ボックスは、ステージを包囲する空間と、ノズル移動機構を包囲する空間とに区切られている。ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、ノズル移動機構を包囲する空間へ供給される。
15の発明は、上記第10乃至第14のいずれかの発明において、ボックス内部に所定気体を供給する流量、ボックス内部から気体を排出する流量、およびボックス内部の気体を循環させて再度供給する流量をそれぞれ調整して、ボックスを大気圧より高い内部圧力に維持する。
16の発明は、上記第10乃至第14のいずれかの発明において、所定空間における酸素濃度値を検出することによって、所定空間が所定雰囲気に置換されたことを判定する。
17の発明は、上記第10乃至第14のいずれかの発明において、ボックス内部へ所定気体を供給する時間を計測することによって、所定空間が所定雰囲気に置換されたことを判定する。
上記第1の発明によれば、局所的に所定の気体(例えば窒素等の不活性ガス)を供給して、当該所定の気体によって生成される所定雰囲気下で塗布液の塗布を行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化等を防止することができる。また、所定の雰囲気に置換されて排出される気体を再利用するため、供給する気体の消費量を抑えることができる。
また、基板を載置するステージが設置される第1ボックス内部を効率よく所定雰囲気に置換することができる。
上記第の発明によれば、ノズルが往復移動することによって内部が攪拌される第2ボックス内部も所定雰囲気に置換されるため、当該攪拌によって第1ボックス内部の雰囲気が不安定となることを防止することができる。
上記第の発明によれば、循環機構の動作時に第2ボックスから排出される気体も再利用して再度供給するため、循環して再利用する供給量が多くなり、さらに新たに供給する気体の消費量を抑えることができる。
上記第の発明によれば、第2ボックスへ供給する気体も循環機構から供給することによって、新たに供給する気体の消費量を抑えることができる。
上記第の発明によれば、循環機構の動作時に第2ボックスから排出される気体も再利用しながら、第2ボックスへ供給する気体も循環機構から供給することによって、循環して再利用する供給量が多くなり、さらに新たに供給する気体の消費量を抑えることができる。
上記第の発明によれば、局所的に所定の気体(例えば窒素等の不活性ガス)を供給して、当該所定の気体によって生成される所定雰囲気下で塗布液の塗布を行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化等を防止することができる。また、所定の雰囲気に置換されて排出される気体を再利用するため、供給する気体の消費量を抑えることができる。
また、第2ボックス内部は、塗布処理が行われる第1ボックス内部の雰囲気に直接的に影響する空間ではないため、第2ボックス内部に循環機構が循環させる気体を供給することによって当該気体を常時供給することが可能であり、新たに供給する気体の消費量を抑えることができる。
上記第7の発明によれば、所定雰囲気に置換された気体をそのまま再度供給することによって、循環機構をポンプ等の最小限のデバイスで構成できる。
上記第8の発明によれば、循環して再度供給する気体がさらに低酸素濃度となるため、ボックス内の低酸素濃度雰囲気が安定する。
上記第の発明によれば、ボックス内部が所定酸素濃度以下の酸素濃度に達していないときは、循環機構からの供給が行われずに所定の気体の供給が優先される。したがって、所定の気体によってボックス内部を低酸素雰囲気に置換する際、所定酸素濃度以下に達する時間を短縮することができる。
上記第10の発明によれば、局所的に所定の気体(例えば窒素等の不活性ガス)を供給して、当該所定の気体によって生成される所定雰囲気下で塗布液の塗布を行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化等を防止することができる。また、塗布処理時は、所定雰囲気に置換された気体を再利用するため、供給する気体の消費量を抑えることができる。
また、基板を載置するステージが設置される空間を効率よく所定雰囲気に置換することができる。
上記第11の発明によれば、酸素濃度の変化に応じて、適切な供給方式を選択することができる。
上記第12の発明によれば、ノズルが往復移動することによって内部が攪拌される空間も所定雰囲気に置換されるため、当該攪拌によってステージが設置される空間の所定雰囲気が不安定となることを防止することができる。
上記第13の発明によれば、局所的に所定の気体(例えば窒素等の不活性ガス)を供給して、当該所定の気体によって生成される所定雰囲気下で塗布液の塗布を行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化等を防止することができる。また、所定雰囲気に置換された気体を常時再利用するため、供給する気体の消費量を抑えることができる。
上記第14の発明によれば、ノズル移動機構を包囲する空間は、塗布処理が行われる空間の所定雰囲気に直接的に影響する空間ではないため、循環させる気体を当該空間へ供給することによって常時供給することが可能となる。
上記第15の発明によれば、ボックスを大気圧より高い内部圧力に維持することによって、ボックスが外部に対して完全密閉構造でなくても安定した所定雰囲気で塗布液の塗布を行うことができる。
上記第16および第17の発明によれば、酸素濃度値を直接検出したり、供給時間を計測したりすることによって、ボックス内部の雰囲気を管理することができる。
本発明の具体的な各実施形態を説明する前に、図面を参照して、本発明に係る塗布装置の概要について説明する。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL材料や正孔輸送材料等を塗布液として用いる有機EL表示装置を製造する塗布装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。当該塗布装置は、有機EL材料や正孔輸送材料等をステージ上に載置されたガラス基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造するものである。図1は、塗布装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図である。なお、塗布装置1は、上述したように有機EL材料や正孔輸送材料等の複数の塗布液を用いるが、それらの代表として有機EL材料を塗布液として説明を行う。
図1において、塗布装置1は、大略的に、基板載置装置2および有機EL塗布機構5を備えている。有機EL塗布機構5は、ノズル移動機構部51と、ノズルユニット50と、液受部53Lおよび53Rとを有している。ノズル移動機構部51は、ガイド部材511が図示X軸方向に延設されており、ノズルユニット50をガイド部材511に沿って図示X軸方向に移動させる。ノズルユニット50は、赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料を吐出するノズル52a〜52cを並設した状態で保持する。各ノズル52a〜52cへは、それぞれ供給部(図2参照)から赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料が供給される。このように、典型的には3本のノズル52a〜52cから同じ色の有機EL材料が吐出されるが、説明を具体的にするために赤色の有機EL材料が3本のノズル52a〜52cから吐出される例を用いる。なお、塗布装置1は、その周囲や内部が第1〜第3ボックス61〜63等で仕切られているが、詳細は後述する。
基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が回動可能に構成されている。また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ面上で予備加熱処理するための加熱機構や基板Pの吸着機構や受け渡しピン機構が設けられている。
有機EL塗布機構5の下方を通るように、ガイド部材25が上記X軸方向と垂直の図示Y軸方向に延設されて固定される。平行移動テーブル23の下面には、ガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の移動も可能になる。
受け渡しピン機構を介してステージ21上に基板Pを載置し吸着して、平行移動テーブル23が有機EL塗布機構5の下方まで移動したとき、当該基板Pが赤色の有機EL材料の塗布をノズル52a〜52cから受ける位置となる。そして、制御部(図2参照)がノズルユニット50をX軸方向に往復移動させるようにノズル移動機構部51を制御し、ステージ21をY軸方向へ当該直線移動毎に所定ピッチだけ移動させるように平行移動テーブル23を制御し、ノズル52a〜52cから所定流量の有機EL材料を吐出する。また、ノズル52a〜52cのX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイド空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受部53Lおよび53Rがそれぞれ固設されている。ノズル移動機構部51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間まで、ノズルユニット50を往復移動させる。また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット50が液受部53の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチだけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構部51および平行移動テーブル23の動作と同時にノズル52a〜52cから有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
次に、図2を参照して、塗布装置1における制御機能および供給部の概略構成について説明する。なお、図2は、塗布装置1の制御機能および供給部を示すブロック図である。
図2において、塗布装置1は、上述した構成部の他に、制御部3、第1供給部54a、第2供給部54b、および第3供給部54cを備えている。第1〜第3供給部54a〜54cは、共に赤色の有機EL材料をそれぞれノズル52a〜52cに配管を介して供給する。なお、供給源541a〜541cからノズル52a〜52cに至るそれぞれの配管は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、テフロン(登録商標)等を材料とする管部材が用いられる。
第1供給部54aは、有機EL材料の供給源541aと、供給源541aから有機EL材料を取り出すためのポンプ542aと、有機EL材料の流量を検出する流量計543aとを備えている。また、第2供給部54bは、有機EL材料の供給源541bと、供給源541bから有機EL材料を取り出すためのポンプ542bと、有機EL材料の流量を検出する流量計543bとを備えている。第3供給部54cは、有機EL材料の供給源541cと、供給源541cから有機EL材料を取り出すためのポンプ542cと、有機EL材料の流量を検出する流量計543cとを備えている。そして、制御部3は、第1〜第3供給部54a〜54c、旋回部22、平行移動テーブル23、およびノズル移動機構部51のそれぞれの動作を制御する。
ノズル52aは、第1供給部54aから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ部521aを有している。ノズル52bは、第2供給部54bから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ部521bを有している。ノズル52cは、第3供給部54cから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ部521cを有している。なお、ノズル52a〜52cは、それぞれ同一の構造であるため、総称して説明する場合は参照符号「52」を付して説明を行う。
ここで、赤色の有機EL材料の塗布を受ける基板Pの表面には、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じたストライプ状の溝が複数本並設されるように形成されている。有機EL材料としては、例えば、基板P上の溝内に拡がるように流動する程度の粘性を有する有機性のEL材料が用いられ、具体的には各色毎の高分子タイプの有機EL材料が用いられる。ノズルユニット50は、所定の支持軸周りに回動自在に支持されており、制御部3の制御によって当該支持軸周りに回動させることで、塗布ピッチ間隔を調整することができる。
制御部3は、ステージ21に載置された基板Pの位置や方向に基づいて、基板Pに形成された溝の方向が上記X軸方向になるように旋回部22の角度を調整し、塗布のスタートポイント、すなわち、基板Pに形成された溝の一方の端部側で塗布を開始する塗布開始位置を算出する。なお、上記塗布開始位置は、一方の液受部53の上部空間となる。そして、制御部3は、上述したように平行移動テーブル23およびノズル移動機構部51を駆動させる。
上記塗布開始位置において、制御部3は、各ノズル52a〜52cから有機EL材料の吐出開始を各ポンプ542a〜542cに指示する。このとき、制御部3は、ストライプ状の溝の各ポイントにおける有機EL材料の塗布量が均一となり、液柱状態で有機EL材料が吐出されるように、ノズル52a〜52cの移動速度に応じてその塗布量を制御しており、流量計543a〜543cからの流量情報をフィードバックして制御する。そして、制御部3は、基板P上の溝内への有機EL材料の流し込むために、有機EL材料を基板P上の溝に沿わせながらこの溝内に流し込むようにノズルユニット50をガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する。この動作によって、液柱状態で各ノズル52a〜52cから吐出される赤色の有機EL材料が同時にそれぞれの溝に流し込まれていく。
制御部3は、基板P上をノズルユニット50が横断して溝の他方端部の外側に固設されている他方の液受部53上に位置すると、ノズル52a〜52cからの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この1回の移動によって、3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。具体的には、同色の有機EL材料を各ノズル52a〜52cから吐出しているので、3列毎に1列の溝を塗布対象とした合計3列分の溝に有機EL材料が塗布される。
次に、制御部3は、平行移動テーブル23をY軸正方向に所定距離(例えば、溝9列分)だけピッチ送りして、次に塗布対象となる溝への有機EL材料の塗布を行えるようにする。そして、制御部3は、他方の液受部53の上部空間からノズルユニット50を逆の方向へ基板P上を横断させて一方の液受部53上に位置すると、ノズル52a〜52cからの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この2回目の移動によって、次の3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。このような動作を繰り返すことによって、赤色の有機EL材料が赤色を塗布対象とした溝に流し込まれる。
以下、図3〜図9を参照して、塗布装置1に設置される局所雰囲気生成機構について説明する。なお、図3は、塗布装置1に設けられる局所雰囲気生成機構の概略構成を示す平面図である。図4は、塗布装置1に設けられる局所雰囲気生成機構の概略構成を示す側断面図である。図5は、第3ボックス63の外観を示す斜視図である。図6は、窒素および循環気体投入口の構造を示す断面図である。図7は、拡散板731の構造を示す斜視図である。図8は、ポイントCにおける酸素濃度管理値を説明するためのグラフである。図9は、局所雰囲気生成機構における窒素供給の流れを示すブロック図である。
図3〜図5において、塗布装置1は、第1ボックス61、第2ボックス62、および第3ボックス63によって、それぞれ外部から遮蔽されて設置される。第1ボックス61は、基板載置装置2が図示Y軸方向へ往復移動する空間(以下、チャンバ空間と記載する)を包囲して外部から遮蔽するように設けられる。また、第1ボックス61は、ノズル52がチャンバ空間へ突出して往復移動するための開口部S1を除いて、チャンバ空間と有機EL塗布機構5が設置される空間との間を仕切るように設置される。第3ボックス63は、有機EL塗布機構5が設置される空間を含み、ノズルユニット50等が図示X軸方向へ往復移動する空間(以下、スライダ空間と記載する)を包囲して設けられる。なお、第3ボックス63も、ノズル52がスライダ空間からチャンバ空間へ突出して往復移動するための開口部S1が形成されている(図5参照)。また、第3ボックス63の上面には、第1〜第3供給部54a〜54cから有機EL材料をそれぞれノズル52a〜52cに供給するための配管(図示せず)を通すための開口部S2が形成される。また、ノズルユニット50に静圧軸受が設けられている場合、当該静圧軸受に気体を供給するための配管も開口部S2を通して接続される。第2ボックス62は、第1ボックス61の上部空間を包囲して設けられる。第2ボックス62の内部には、有機EL塗布機構5および第3ボックス63が設置され、第2ボックス62にもノズル52がスライダ空間からチャンバ空間へ突出して往復移動するための開口部S1が形成されている。なお、第2ボックス62で包囲された空間の内、スライダ空間を除いた空間をボックス空間と記載する。このように、塗布装置1は、第1〜第3ボックス61〜63によって、チャンバ空間、スライダ空間、およびボックス空間にそれぞれ仕切られて設置される。なお、第1〜第3ボックス61〜63は、全て上面が形成されているが、図3においては内部との関係をわかりやすくするために上面や下面を省略し、斜線または交線領域で側壁のみを示している。
第1〜第3ボックス61〜63には、その内部空間に窒素等の不活性ガス(以下、単に窒素と記載する)や後述する循環機構9を介して循環流動する気体(以下、循環気体と記載する)を供給するための供給管71と、その内部空間の気体を排出するための排気管72とが接続される。図4の例では、供給管71が第1ボックス61のY軸負方向側の壁面(以下、Y軸負方向側の壁面を前面とする)および第3ボックス63の前面に接続されている。図4の例では、複数の供給管71a〜71cが第1ボックス61の壁面に接続され、供給管71dが第3ボックス63の壁面に接続されている。なお、図3では、供給管71dの図示を省略している。
また、排気管72が第1ボックス61のY軸正方向側の壁面(以下、Y軸正方向側の壁面を背面と記載する)、第2ボックス62の背面、および第3ボックス63の背面に接続されている。図4の例では、複数の排気管72aおよび72bが第1ボックス61の壁面に接続され、排気管72dが第2ボックス62の壁面に接続され、排気管72cが第3ボックス63の壁面に接続されている。なお、図3では、排気管72cの図示を省略している。
図4に示すように供給管71および排気管72を接続した場合、供給管71a〜71cから供給された窒素や循環気体は、チャンバ空間へ供給されてその背面の排気管72aおよび72bから流出する。また、供給管71a〜71cから供給された窒素や循環気体は、開口部S1を通ってスライダ空間へ流入し、供給管71dから供給された窒素や循環気体と合流する。そして、合流した窒素や循環気体は、スライダ空間の背面の排気管72cから流出する、あるいは開口部S2を通ってボックス空間へ流入した後、排気管72dから流出するような流れとなる。このようなボックス内の気体フローをスムーズにして、ボックス内部の雰囲気置換を短時間で実現するために、本実施例ではボックスの一方側(図4に示す右側)を供給側としてボックスの他方側(図4に示す左側)を排出側としている。
また、第1ボックス61には、基板Pの搬入および搬出を行うための投入口611が設けられている。投入口611は、回転軸を中心に回動(図示矢印方向)するゲートにより開閉可能となっている。基板Pは、投入口611が開放された状態で、搬送ロボット(図示せず)によりチャンバ空間内に搬入され、ステージ21上に載置される。また、塗布装置1によって塗布処理が行われるときは、上記ゲートを閉鎖してチャンバ空間内が外部から遮蔽される。
第1ボックス61と供給管71aおよび71bとを接続する付近および第3ボックス63と供給管71dとを接続する付近には、拡散部73が設けられる。具体的には、拡散部73は、供給管71a、71b、および71dから内部空間に流入する入り口付近の当該内部空間側に設けられる。図6および図7に示すように、拡散部73は、拡散板731およびパンチングメタル732を含んでいる。拡散板731は、供給管71a、71b、および71dから上記内部空間へ流入する窒素や循環気体を妨げる位置に固設された板状部材であり、その周囲に所定の隙間が形成されている。供給管71a、71b、および71dから上記内部空間へ流入する窒素や循環気体は、拡散板731によって妨げられて直接的に上記内部空間に流入することなく、拡散板731の周囲へ流れる方向を変えて流動する。パンチングメタル732は、多数の孔が打ち抜き加工された板状部材であり、拡散板731に対して上記内部空間側に固設される。また、パンチングメタル732は、拡散板731の周囲から流動する窒素や循環気体の流動路上に配置される。つまり、供給管71a、71b、および71dから供給された窒素や循環気体は、必ずパンチングメタル732に形成された孔を通って上記内部空間内に流入することになる。したがって、拡散部73では、供給管71a、71b、および71dから供給された窒素や循環気体を拡散して第1〜第3ボックス61〜63内に供給することができる。
また、投入口611付近に供給管71cが接続されている。一般的に、投入口611付近は、基板Pの搬入/搬出の際の開閉によって外気が侵入しやすく酸素濃度が高くなりやすいが、そのような箇所に窒素や循環気体を供給することによって、侵入した酸素を拡散することができる。なお、供給管71cから内部空間に流入する入り口付近は、その流路が曲げられており、当該入り口付近に拡散部は設けられていない。
排気管72と第1〜第3ボックス61〜63との接続部には、パンチングメタル733が設けられる。このパンチングメタル733は、排気管72の内部空間側に固設され、排気管72に向かって流動する気体の流動路上に配置される。つまり、排気管72へ排出される気体は、必ずパンチングメタル733に形成された孔を通って排出されることになる。このように、排出口付近にパンチングメタル733を配置することによって、気体が排出される箇所が集中することを防止することができ、内部空間全体の気体をバラツキなく排出することができる。
供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内に窒素や循環気体を供給しながら第1〜第3ボックス61〜63内の気体を排気管72から排出することによって、第1〜第3ボックス61〜63内部が窒素雰囲気となり、内部の酸素濃度が低下する。これによって、塗布装置1は、有機EL材料を基板Pに塗布する際の酸化を防止することができる。ここで、有機EL材料の酸化を防止するためにはチャンバ空間内全ての酸素濃度を低下させればよいが、最も酸素濃度を低下させなければならない空間は、ノズル52から有機EL材料を吐出する空間および塗布後の基板P面がY軸正方向側に順次送られていく空間(図4に示すポイントC)である。例えば、有機EL材料を基板Pに塗布する際の酸素濃度上限を酸素濃度管理値(例えば、10ppm)とした場合、少なくともポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値を満たさなければならない。なお、第1ボックス61内には、上記ポイントCにおける酸素濃度を検出する酸素濃度検知部88が設けられる。酸素濃度検知部88は、ポイントCにおける酸素濃度の検出結果を図示しない表示装置に表示して塗布装置のユーザに報知したり、当該検出結果を塗布装置の制御部(例えば、制御部3(図2参照))へ出力したりする。
ポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値を満たした状態で塗布処理を行うためには、ポイントCにおける酸素濃度を酸素濃度管理値以下に低下させた後、塗布処理を開始しなければならない。したがって、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下するまでの時間(図8に示す「到達時間」)を短縮することによって、塗布装置1を効率よく稼働させることができる。また、塗布処理中において、ポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値を越えることを防止しなければならないため(図8に示す「塗布処理時間」)、塗布処理中においても供給管71からの窒素や循環気体の供給および排気管72からの気体排出が継続される。ここで、ノズルユニット50やノズル52がX軸方向に往復移動することによって、スライダ空間内の気体や開口部S1付近の気体が攪拌される。したがって、例えばスライダ空間内に酸素が残存している場合、当該酸素が攪拌によってポイントCへ流出してポイントCにおける酸素濃度を上昇させることがある。つまり、ポイントCにおける酸素濃度の管理においては、塗布処理前および塗布処理中の流体バランスを考慮する必要がある。後述する実施例においては、スライダ空間内やボックス空間内も低酸素雰囲気に置換したり、スライダ空間内から流出する気体が上記ポイントC側へ流れないようにしたりすることによって、塗布処理中の上記ポイントCにおける酸素濃度の上昇を防止している。
また、ポイントCにおける酸素濃度を安定させるためには、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力も重要である。例えば、第1〜第3ボックス61〜63が外部に対して完全密閉構造でない場合、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧未満(つまり、外部より低い圧力)に維持されると外部の気体が第1〜第3ボックス61〜63内に流入する。したがって、本実施形態では、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力を大気圧以上(つまり、外部と同じまたは高い圧力)に維持できるように、塗布処理前および塗布処理中の流体バランスが調整される。なお、第1ボックス61内の圧力を検出する圧力検知部89が設けられる。圧力検知部89は、第1ボックス61内の圧力値を図示しない表示装置に表示して塗布装置のユーザに報知したり、当該圧力値を塗布装置の制御部(例えば、制御部3(図2参照))へ出力したりする。これによって、第1〜第3ボックス61〜63が外部に対して完全密閉構造でなくても、ポイントCにおける酸素濃度の管理を行うことができる。このように、第1〜第3ボックス61〜63内は、局所的な雰囲気を管理することが可能となり、特に低下させた内部の酸素濃度を管理することが可能となる。
図9において、局所雰囲気生成機構は、上述した構成部の他に、窒素ボンベ81、フィルタ83、圧力調整部84、供給側の流量調整部85、排気側の流量調整部86、吸引部87、および循環機構9を備えており、互いに配管等で接続されている。ここで、窒素ボンベ81、フィルタ83、圧力調整部84、および流量調整部85が、供給管71から窒素を供給するための供給系に相当する。一方、流量調整部86および吸引部87が、排気管72から気体を排出するための排気系に相当する。また、循環機構9が、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内部の気体を一方側(背面側)から排出して第1〜第3ボックス61〜63の他方側(前面側)へ戻す循環系に相当する。なお、供給系および排気系を構成する機構は、塗布装置1に内蔵してもいいし、塗布装置1の外部装置として設けてもかまわない。塗布装置1の外部装置として設ける場合、設置場所に予め設けられている設備(例えば、工場の窒素供給装置や吸引装置)を用いてもかまわない。
窒素ボンベ81には、液体窒素等がその内部に貯蔵されている。窒素ボンベ81から窒素は、気体状態で取り出され、工場の用力として供給されてフィルタ83へ流動する。フィルタ83は、流動する窒素中の異物を除去して圧力調整部84および流量調整部85に送る。そして、圧力調整部84によって塗布装置1へ供給する窒素圧力が調整され、流量調整部85によって塗布装置1へ供給する窒素流量が調整された後、供給管71に窒素が供給される。一方、吸引部87は、排気管72から気体を吸引して第1〜第3ボックス61〜63内の気体を外部へ排出する。そして、流量調整部86によって、排気管72から気体を吸引して外部へ排出する流量が調整される。ユーザは、圧力調整部84、流量調整部85、および流量調整部86に設けられた流路の絞りや設定値等を調整することによって、上述した塗布装置1に対する流体バランスを調整することができる。
循環機構9は、雰囲気が置換された第1〜第3ボックス61〜63内部の気体を再利用する機構であり、代表的には2つの構成例がある。循環機構9の第1の例は、単純に排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内部の気体を背面側から排出し、排出した気体をそのまま供給管71へ戻す。この場合、循環機構9は、排気管72から供給管71へ気体を流動させるポンプ等で構成され、当該ポンプが流動させる気体が上記循環気体となる。なお、第1の例の循環機構9には、循環流路内を流動する循環気体の流量を検知する流量計や、循環気体の圧力を検知する圧力計が必要に応じて設けられてもかまわない。
循環機構9の第2の例は、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内部の気体を背面側から排出し、排出した気体から酸素を取り除いて供給管71へ戻す。この場合、循環機構9は、排気管72から供給管71へ気体を流動させるポンプの他に、酸素を膜外に分離させるガス分離膜を有する膜モジュールや、圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption)方式によって酸素を吸着する吸着槽等が循環流路中に設けられる。そして、ポンプが流動させる気体から上記膜モジュールや吸着槽によって酸素を取り除いた気体が上記循環気体となる。なお、第2の例の循環機構9においても、循環流路内を流動する循環気体の流量を検知する流量計や、循環気体の圧力を検知する圧力計が必要に応じて設けられてもかまわない。
(第1の実施形態)
以下、図10〜図12を参照して、本発明の第1の実施形態に係る塗布装置1について説明する。第1の実施形態は、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下した後に循環機構9の作動を開始し、循環気体を少なくともチャンバ空間に戻す態様である。なお、図10は、第1の実施形態に係る塗布装置1における窒素流動フローを示す模式図である。図11は、当該塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示す前半のフローチャートである。図12は、当該塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示す後半のフローチャートである。なお、図10においては、説明を簡単にするために、塗布装置1について、第1〜第3ボックス61〜63、チャンバ空間、ボックス空間、チャンバ空間、および循環機構9や各バルブのみを図示して簡略化している。
図10において、第1ボックス61の前面に複数の供給管71が接続され、複数の供給管71を介して窒素ボンベ81から窒素および循環機構9から循環気体がそれぞれチャンバ空間に供給される(図示矢印CiおよびCri;窒素供給Ciおよび循環供給Criとする)。そして、第1ボックス61と接続して窒素を供給する供給管71にバルブVciが設けられる。また、第1ボックス61と接続して循環気体を供給する供給管71にバルブVcriが設けられる。例えば、窒素供給Ciは図4に示した供給管71aに相当し、循環供給Criは供給管71bに相当する。具体的には、横に並列して接続される3本の供給管71aおよび横に並列して接続される3本の供給管71bで構成される合計6本の供給管71が第1ボックス61の前面に接続され、窒素供給Ciおよび循環供給Criがそれぞれ3本の供給管71から第1ボックス61内に供給されることになる。これらの供給管71は、図6を参照して説明した構造と同様の接続方式で接続される。なお、窒素供給Ciを、上記3本の供給管71aに加えて供給管71c(図4参照)にも供給してもかまわない。
また、第1ボックス61の背面に複数の排気管72が接続され、複数の排気管72を介してチャンバ空間内の気体が吸引部87へ排出される(図示矢印Co;外部排出Coとする)。そして、チャンバ空間から吸引部87へ排出される排気管72にバルブVcoが設けられる。また、第1ボックス61とバルブVcoとの間の途中から別の排気管が分岐しており、分岐した排気管がバルブVcroを介して循環機構9に接続する(循環排出Croとする)。例えば、外部排出Coおよび循環排出Croは、図4に示した排気管72aおよび72bに相当する。例えば、第1ボックス61の前面に接続される供給管71と同様に合計6本の排気管72が第1ボックス61の背面に接続される。なお、第1ボックス61の背面に接続される複数の排気管72については、図4を参照して説明した構造と同様の接続方式で接続される。また、第2ボックス62の背面にバルブVboが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してボックス空間内の気体が吸引部87へ排出される(図示矢印Bo;外部排出Boとする)。また、第3ボックス63の背面にバルブVsoが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してスライダ空間内の気体が吸引部87へ排出される(図示矢印So;外部排出Soとする)。
次に、図10〜図12を参照して、塗布装置1が塗布処理を行う際の動作について説明する。これらの動作は、塗布装置の制御部(例えば、制御部3(図2参照))が行ってもいいし、塗布装置のユーザが各動作を行ってもいいし、ステップ毎に当該制御部または塗布装置のユーザが行ってもかまわない。
まず、投入口611が開放される(ステップS51)。次に、開放された投入口611から搬送ロボット等によって基板Pが搬入され、ステージ21上に基板Pが載置される(ステップS52)。そして、投入口611が閉鎖され(ステップS53)、チャンバ空間が外部から遮蔽された空間となる。
次に、バルブVci、Vco、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVcriおよびVcroが閉栓される(ステップS54)。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素の供給が開始され、排気管72へ第1〜第3ボックス61〜63内の気体の排出が開始される(ステップS55)。このとき、循環機構9は動作しておらず、第1〜第3ボックス61〜63内への窒素の供給量および第1〜第3ボックス61〜63内から排出する気体の排出量は、既定値に調整される。そして、酸素濃度検知部88による酸素濃度検知結果に基づいて、第1〜第3ボックス61〜63内(例えば、ポイントC)の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ(ステップS56)。
ここで、ステップS55において窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、第1ボックス61の背面にある外部排出Coから排出される。また、窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、開口部S1からスライダ空間へ流入する。そして、スライダ空間内に流入した窒素は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給Ciから供給される供給量と、外部排出Co、So、およびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される(以下、この供給量および排出量を規定量と記載する)。したがって、バルブVci、Vco、Vbo、およびVsoを開栓した状態では、チャンバ空間の一方側の複数箇所から供給された窒素がチャンバ空間の他方側の複数箇所へおよび開口部S1を通ってスライダ空間へそれぞれ抜ける流れが形成されている。このように、バルブVci、Vco、Vbo、およびVsoを開栓した状態では、複数の供給管を介してチャンバ空間に窒素を供給しながら直接的にチャンバ空間内の気体を複数の排気管から排出するため、チャンバ空間内に流入/排出される気体量が多くなり、チャンバ空間内における気体が窒素雰囲気に置換される速度が速くなる。つまり、図4に示したポイントCにおける酸素濃度の低下も速やかに行われるため、図8に示した到達時間を短縮することができる。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達したとき(ステップS56でYes)、バルブVcriおよびVcroが開栓され、バルブVcoが閉栓(バルブVci、Vbo、およびVsoは開栓状態を継続)される(ステップS57)。このとき、塗布装置1の制御部が酸素濃度検知部88からの酸素濃度の検出結果を取得している場合、当該制御部は、当該検出結果を用いてポイントCの酸素濃度が酸素濃度管理値以下か否かを判断することができる。そして、制御部は、酸素濃度管理値以下と判断した場合、バルブVcriおよびVcroを開栓して、バルブVcoを閉栓する。一方、酸素濃度検知部88が酸素濃度の検出結果を表示装置に表示して塗布装置のユーザに報知している場合、報知されたユーザがバルブVcriおよびVcroを開栓して、バルブVcoを閉栓する。このように、酸素濃度管理値への到達判定およびバルブの開閉栓を、塗布装置の制御部によって自動的に行ってもいいし、当該塗布装置のユーザが行ってもかまわない。
次に、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する(ステップS58)。そして、塗布装置1へ供給および塗布装置1から排出される気体の流量が調整されて(ステップS61)、第1〜第3ボックス61〜63内(特に、第1ボックス61内)の圧力が内部圧力管理値範囲に維持される(ステップS62)。ここで、内部圧力管理値範囲は、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力を大気圧以上に維持して流量バランスを調整するための圧力範囲であり、大気圧以上の所定範囲で設定される。
ここで、ステップS58において循環機構9の動作が開始された場合、窒素供給Ciから供給された窒素および循環供給Criから供給された循環気体がチャンバ空間に流入して合流する。そして、チャンバ空間に流入した窒素および循環気体は、循環排出Croから循環機構9へ排出される、または、開口部S1からスライダ空間へ流入する。スライダ空間へ流入した窒素および循環気体は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給Ciおよび循環供給Criから供給される供給量と、循環排出Croから排出される排出量と、外部排出SoおよびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。この気体の流れから明らかなように、循環気体は、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達した後に当該内部から排出される気体である。したがって、循環気体自体の酸素濃度も酸素濃度管理値以下である。
上述したステップS55の状態と比較すると、第1ボックス61へ供給される気体が循環供給Criから供給される供給量の分だけ増加するため、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力をステップS55と同様の圧力にするためには、窒素供給Ciからの流量や外部排出SoおよびBoへの流量を調整する必要がある。上述したように、本実施形態では、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持できるように、流体バランスを調整している。例えば、増加した循環供給Criからの供給量の分だけ窒素供給Ciからの供給量を減量することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の流量バランスを調整することができる。この場合、循環供給Criから供給する循環気体の供給量の分だけ、窒素ボンベ81から塗布装置1へ供給する窒素の供給量を減らすことができる。このように、酸素濃度が酸素濃度管理値以下となって外部排出される気体を再利用することによって、新たに供給する窒素の供給量を低減することができる。また、循環供給Criから供給する循環気体は、循環機構9が上記第1の例で構成されたとしても酸素濃度管理値以下を保った気体であるため、図8で示した塗布処理時間中の酸素濃度が上昇することもない。また、循環機構9が上記第2の例で構成されている場合、循環供給Criから供給する循環気体の酸素濃度がさらに安定しているため、さらに塗布処理時間中の酸素濃度を安定させることができる。
次に、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が内部圧力管理値範囲内に維持されながら(ステップS62でYes)、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下であるとき(ステップS63でYes)、基板Pに対して塗布処理が行われる(ステップS64)。そして、塗布処理が終了するまで(ステップS65でYes)、上記ステップS62〜S64の動作が繰り返される。一方、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が内部圧力管理値範囲外であるとき(ステップS62でNo)、ステップS61の流量調整が繰り返される。
一方、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値を満たしていないとき(ステップS63でNo)、循環機構9が循環気体を流動する動作を停止する(ステップS71)。そして、バルブVci、Vco、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVcriおよびバルブVcroが閉栓されて(ステップS54)、再度上記規定量に流量調整されて(ステップS73)、上記ステップS56に戻って動作を繰り返す。つまり、基板Pに対する塗布処理中に酸素濃度が酸素濃度管理値を逸脱した場合、循環動作を中断して窒素ボンベ81からの窒素供給のみに変更する。
次に、基板Pに対する塗布処理が終了したとき(ステップS65でYes)、供給管71からの窒素の供給が停止され、排気管72への気体の排出が停止される(ステップS66)。そして、循環機構9が循環気体を流動する動作を停止する(ステップS67)。
次に、投入口611が開放され(ステップS68)、開放された投入口611からステージ21上に載置された塗布処理後の基板Pが搬送ロボット等によって搬出される(ステップS69)。そして、塗布処理を継続する場合(ステップS70でYes)、上記ステップS52に戻って動作が繰り返される。一方、塗布処理を終了する場合(ステップS70でNo)、当該フローチャートによる動作を終了する。
なお、上述した動作では、基板Pに対する塗布処理中に酸素濃度が酸素濃度管理値を逸脱した場合、循環動作を中断して窒素ボンベ81からの窒素供給のみに変更する態様を説明したが、基板Pに対する塗布処理中の酸素濃度を管理しなくてもかまわない。例えば、循環機構9が上記第2の例で構成されている場合、循環供給Criから供給する酸素濃度がさらに安定した循環気体となっているため、塗布処理中は内部圧力管理だけで充分となる。この場合、圧力変化に応じた流量調整(ステップS61)は行われるが、塗布処理中は常に循環動作が継続されて窒素供給のみに切り替わる動作は行われない。
このように、第1の実施形態に係る塗布装置は、ノズルが塗布液を吐出する空間および塗布液が塗布された基板(塗布部位)が送られていく空間を含む塗布空間に対して局所的に窒素を供給して、塗布液の塗布を低酸素雰囲気で行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化を防止している。このとき、局所的に供給されて排出される窒素を、再度循環させて供給することによって、低酸素雰囲気に置換してその雰囲気を維持するために必要な窒素の総量を減らすことができる。
なお、図10を用いて説明した実施例では、チャンバ空間へのみ直接窒素および循環気体が供給されるが、他の空間へも直接窒素や循環気体を供給してもかまわない。以下、図13および図14を用いて、スライダ空間へも直接窒素や循環気体を供給する変形例を説明する。なお、図13は、チャンバ空間へ窒素および循環気体を供給し、スライダ空間へ窒素を供給する窒素流動フローの第1の変形例を示す模式図である。図14は、チャンバ空間およびスライダ空間へそれぞれ窒素および循環気体を供給する窒素流動フローの第2の変形例を示す模式図である。なお、図13および図14においても、説明を簡単にするために、塗布装置1について、第1〜第3ボックス61〜63、チャンバ空間、ボックス空間、チャンバ空間、および循環機構9や各バルブのみを図示して簡略化している。
図13において、第1の変形例では、図10の実施例と同様に第1ボックス61の前面に接続された複数の供給管71を介して、窒素ボンベ81から窒素および循環機構9から循環気体がそれぞれチャンバ空間に供給される(窒素供給Ciおよび循環供給Cri)。そして、窒素供給Ciの供給管71にバルブVciが設けられ、循環供給Criの供給管71にバルブVcriが設けられる。さらに、第3ボックス63の前面に供給管71が接続され、供給管71を介して窒素ボンベ81から窒素がスライダ空間に供給される(図示矢印Si;窒素供給Siとする)。そして、窒素供給Siの供給管71にバルブVsiが設けられる。例えば、窒素供給Siは図4に示した供給管71dに相当する。
また、第1ボックス61の背面に接続された複数の排気管72を介してチャンバ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Co)。そして、外部排出Coの排気管72にバルブVcoが設けられる。また、第1ボックス61とバルブVcoとの間の途中から排気管が分岐しており、分岐した排気管がバルブVcroを介して循環機構9に接続する(循環排出Cro)。また、第2ボックス62の背面にバルブVboが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してボックス空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Bo)。また、第3ボックス63の背面にバルブVsoが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してスライダ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出So)。
次に、図13に示した第1の変形例の塗布装置1が塗布処理を行う際の動作について説明する。図13に示した塗布装置1の動作は、図11および図12を用いて説明した動作と同様であり、窒素供給SiおよびバルブVsiに関する動作のみ異なる。
具体的には、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下するまでは、上記ステップS54においてバルブVci、Vsi、Vco、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVcriおよびVcroが閉栓される。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素を供給しながら、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内の気体を排出して、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ。
この状態で窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、第1ボックス61の背面にある外部排出Coから排出される。また、窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、開口部S1からスライダ空間へ流入して窒素供給Siから供給された窒素と合流する。そして、スライダ空間内で合流した窒素は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給CiおよびSiから供給される供給量と、外部排出Co、So、およびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達すると、上記ステップS57においてバルブVcriおよびVcroが開栓され、バルブVcoが閉栓(バルブVci、Vsi、Vbo、およびVsoは開栓状態を継続)されて、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する。
この状態で窒素供給Ciから供給された窒素および循環供給Criから供給された循環気体は、チャンバ空間に流入した後、循環排出Croから循環機構9へ排出される、または、開口部S1からスライダ空間へ流入する。スライダ空間へ流入した窒素および循環気体は、窒素供給Siから供給された窒素と合流する。そして、スライダ空間で合流した気体は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給CiおよびSiから供給される供給量と、循環供給Criから供給される供給量と、循環排出Croから排出される排出量と、外部排出SoおよびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
図14において、第2の変形例では、図10の実施例と同様に第1ボックス61の前面に接続された複数の供給管71を介して、窒素ボンベ81から窒素および循環機構9から循環気体がそれぞれチャンバ空間に供給される(窒素供給Ciおよび循環供給Cri)。そして、窒素供給Ciの供給管71にバルブVciが設けられ、循環供給Criの供給管71にバルブVcriが設けられる。また、第3ボックス63の前面に供給管71が接続され、供給管71を介して窒素ボンベ81から窒素がスライダ空間に供給される(窒素供給Si)。そして、窒素供給Siの供給管71にバルブVsiが設けられる。さらに、循環機構9とバルブVcriとの間の途中から供給管が分岐しており、分岐した供給管がバルブVsriを介して第3ボックス63の前面に接続する(図示矢印Sri;循環供給Sriとする)。
また、第1ボックス61の背面に接続された複数の排気管72を介してチャンバ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Co)。そして、外部排出Coの排気管72にバルブVcoが設けられる。また、第1ボックス61とバルブVcoとの間の途中から排気管が分岐しており、分岐した排気管がバルブVcroを介して循環機構9に接続する(循環排出Cro)。また、第2ボックス62の背面にバルブVboが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してボックス空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Bo)。また、第3ボックス63の背面にバルブVsoが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してスライダ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出So)。
次に、図14に示した第2の変形例の塗布装置1が塗布処理を行う際の動作について説明する。図14に示した塗布装置1の動作は、図11および図12を用いて説明した動作と同様であり、窒素供給Si、循環供給Sri、バルブVsi、およびバルブVsriに関する動作のみ異なる。
具体的には、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下するまでは、上記ステップS54においてバルブVci、Vsi、Vco、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVcri、Vsri、およびVcroが閉栓される。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素を供給しながら、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内の気体を排出して、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ。なお、この状態における窒素の流動フローは、上述した第1の変形例と同様であるため、詳細な説明を省略する。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達すると、上記ステップS57においてバルブVcri、Vsri、およびVcroが開栓され、バルブVcoが閉栓(バルブVci、Vsi、Vbo、およびVsoは開栓状態を継続)されて、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する。
この状態で窒素供給Ciから供給された窒素および循環供給Criから供給された循環気体は、チャンバ空間に流入した後、循環排出Croから循環機構9へ排出される、または、開口部S1からスライダ空間へ流入する。スライダ空間へ流入した窒素および循環気体は、窒素供給Siから供給された窒素および循環供給Sriから供給された循環気体と合流する。そして、スライダ空間で合流した気体は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給CiおよびSiの供給量と、循環供給CriおよびSriから供給される供給量と、循環排出Croから排出される排出量と、外部排出SoおよびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
なお、第2の変形例においては、上述した実施例と同様に増加した循環供給Criからの供給量の分だけ窒素供給Ciからの供給量を減量できる。さらに、第1の変形例と比較すると、第2の変形例では増加した循環供給Sriからの供給量の分だけ窒素供給Siからの供給量も減量できる。例えば、窒素供給Siからの供給量を0にすることも可能であり、その場合、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達したときにバルブVsiを閉栓すればよい。
また、図10、図13、および図14を用いて説明した実施例では、循環機構9がチャンバ空間から排出される気体のみ再利用するが、他の空間から排出される気体を再利用してもかまわない。以下、図15を用いて、チャンバ空間、スライダ空間、およびボックス空間から排出される気体を再利用する変形例を説明する。なお、図15は、チャンバ空間、スライダ空間、およびボックス空間から排出する気体を再利用する窒素流動フローの第3の変形例を示す模式図である。なお、図15においても、説明を簡単にするために、塗布装置1について、第1〜第3ボックス61〜63、チャンバ空間、ボックス空間、チャンバ空間、および循環機構9や各バルブのみを図示して簡略化している。
図15において、第3の変形例では、図14の第2の変形例と同様に第1ボックス61の前面に接続された複数の供給管71を介して、窒素ボンベ81から窒素および循環機構9から循環気体がそれぞれチャンバ空間に供給される(窒素供給Ciおよび循環供給Cri)。そして、窒素供給Ciの供給管71にバルブVciが設けられ、循環供給Criの供給管71にバルブVcriが設けられる。また、第3ボックス63の前面に供給管71が接続され、供給管71を介して窒素ボンベ81から窒素がスライダ空間に供給される(窒素供給Si)。そして、窒素供給Siの供給管71にバルブVsiが設けられる。さらに、循環機構9とバルブVcriとの間の途中から供給管が分岐しており、分岐した供給管がバルブVsriを介して第3ボックス63の前面に接続する(循環供給Sri)。
また、第1ボックス61の背面、第2ボックス62の背面、および第3ボックス63の背面にそれぞれ排気管72が接続され、それぞれ排気管72が合流して第1〜第3ボックス61〜63内の気体が吸引部87へ排出される(図示矢印Ao;外部排出Aoとする)。そして、排気管72が合流して吸引部87へ排出される途中にバルブVaoが設けられる。また、排気管72が合流してバルブVaoに至る途中から別の排気管が分岐しており、分岐した排気管がバルブVaroを介して循環機構9に接続する(循環排出Aroとする)。例えば、外部排出Aoおよび循環排出Aroは、図4に示した排気管72a〜72dに相当する。
次に、図15に示した第3の変形例の塗布装置1が塗布処理を行う際の動作について説明する。図15に示した塗布装置1の動作は、図11および図12を用いて説明した動作と同様であり、窒素供給Si、循環供給Sri、外部排出Ao、循環排出Aro、バルブVsi、バルブVsri、およびバルブVao、およびバルブVaroに関する動作のみ異なる。
具体的には、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下するまでは、上記ステップS54においてバルブVci、Vsi、およびVaoが開栓され、バルブVcri、Vsri、およびバルブVaroが閉栓される。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素を供給しながら、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内の気体を排出して、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ。
この状態で窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、第1ボックス61の背面に接続された外部排出Aoから排出される。また、窒素供給Ciから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、開口部S1からスライダ空間へ流入して窒素供給Siから供給された窒素と合流する。そして、スライダ空間内で合流した窒素は、外部排出Aoから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Aoから排出される。そして、窒素供給CiおよびSiから供給される供給量と、外部排出Aoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達すると、上記ステップS57においてバルブVcri、Vsri、およびVaroが開栓され、バルブVaoが閉栓(バルブVciおよびVsiは開栓状態を継続)されて、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する。
この状態で窒素供給Ciから供給された窒素および循環供給Criから供給された循環気体は、チャンバ空間に流入した後、循環排出Aroから循環機構9へ排出される、または、開口部S1からスライダ空間へ流入する。スライダ空間へ流入した窒素および循環気体は、窒素供給Siから供給された窒素と合流する。そして、スライダ空間で合流した気体は、循環排出Aroから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して循環排出Aroから排出される。そして、窒素供給CiおよびSiの供給量と、循環供給CriおよびSriから供給される供給量と、循環排出Aroから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
図15から明らかなように、第3の変形例では、循環機構9の動作時に第1〜第3ボックス61〜63から排出される気体を全て再利用するため、他の実施例と比較すると循環気体を供給する供給量が最も多くなる実施例である。つまり、再利用して供給する供給量が相対的に多くなるため、窒素供給CiおよびSiからの供給量を最少にできる。例えば、内部圧力管理値を満たしている限り、窒素供給Ciおよび/またはSiからの供給量を0にすることも可能である。この場合、内部圧力管理値より内部圧力が低下したときに、上記ステップS61の流量調整によって窒素供給CiやSiからの窒素供給が再開される。
(第2の実施形態)
以下、図16および図17を参照して、本発明の第2の実施形態に係る塗布装置1について説明する。第2の実施形態は、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下した後に循環機構9の作動を開始、または基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下する前に循環機構9の作動を開始し、循環気体をスライダ空間に戻す態様である。なお、図16は、第2の実施形態に係る塗布装置1における窒素流動フローを示す模式図である。図17は、当該塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示すフローチャートである。なお、図16においても、説明を簡単にするために、塗布装置1について、第1〜第3ボックス61〜63、チャンバ空間、ボックス空間、チャンバ空間、および循環機構9や各バルブのみを図示して簡略化している。
図16において、第1ボックス61の前面に複数の供給管71が接続され、複数の供給管71を介して窒素がチャンバ空間に供給される(図示矢印Ci×n;窒素供給Ci×nとする)。そして、第1ボックス61と接続する各供給管71にそれぞれバルブVci(バルブVci×nとする)が設けられる。例えば、供給Ci×nは、図4に示した供給管71a〜71cに相当する。また、第3ボックス63の前面に供給管71が接続され、供給管71を介して循環機構9から循環気体がスライダ空間に供給される(循環供給Sri)。そして、循環供給Sriの供給管71にバルブVsriが設けられる。
また、第1ボックス61の背面に接続された複数の排気管72を介してチャンバ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Co)。そして、外部排出Coの排気管72にバルブVcoが設けられる。また、第1ボックス61とバルブVcoとの間の途中から排気管が分岐しており、分岐した排気管がバルブVcroを介して循環機構9に接続する(循環排出Cro)。また、第2ボックス62の背面にバルブVboが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してボックス空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出Bo)。また、第3ボックス63の背面にバルブVsoが設けられた排気管72が接続され、排気管72を介してスライダ空間内の気体が吸引部87へ排出される(外部排出So)。
次に、図16に示した第2の実施形態に係る塗布装置1が塗布処理を行う際の動作について説明する。基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下した後に循環機構9の作動を開始する場合の動作は、図11および図12を用いて第1の実施形態で説明した動作と同様であり、窒素供給Ci、循環供給Sri、バルブVci×n、およびバルブVsriに関する動作のみ異なる。
具体的には、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下するまでは、上記ステップS54においてバルブVci×n、Vco、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVsriおよびVcroが閉栓される。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素を供給しながら、排気管72から第1〜第3ボックス61〜63内の気体を排出して、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ。
この状態で窒素供給Ci×nから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、第1ボックス61の背面にある外部排出Coから排出される。また、窒素供給Ci×nから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、開口部S1からスライダ空間へ流入する。そして、スライダ空間内で合流した窒素は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給Ci×nから供給される供給量と、外部排出Co、So、およびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達すると、上記ステップS57においてバルブVsriおよびVcroが開栓され、バルブVcoが閉栓(バルブVci×n、Vbo、およびVsoは開栓状態を継続)されて、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する。
この状態で窒素供給Ci×nから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、循環排出Croから循環機構9へ排出される、または、開口部S1からスライダ空間へ流入する。スライダ空間へ流入した窒素は、循環供給Sriから供給された循環気体と合流する。そして、スライダ空間で合流した気体は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給Ci×nから供給される供給量と、循環供給Sriから供給される供給量と、循環排出Croから排出される排出量と、外部排出SoおよびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
また、第2の実施形態に係る塗布装置1は、循環気体をスライダ空間のみに供給している。ここで、チャンバ空間と比較すると、スライダ空間は雰囲気の影響を直接的に塗布液に与える空間ではないため、供給する気体がポイントCにおける酸素濃度管理に与える影響が小さい。したがって、第2の実施形態に係る塗布装置1が塗布処理を行う際の動作では、基板Pを搬入してからポイントCにおける酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下する前に循環機構9の作動を開始することも可能である。以下、図16および図17を参照して、酸素濃度が酸素濃度管理値以下に低下する前に循環機構9の作動を開始する塗布装置1の動作について説明する。これらの動作は、塗布装置の制御部(例えば、制御部3(図2参照))が行ってもいいし、塗布装置のユーザが各動作を行ってもいいし、ステップ毎に当該制御部または塗布装置のユーザが行ってもかまわない。
まず、投入口611が開放される(ステップS81)。次に、開放された投入口611から搬送ロボット等によって基板Pが搬入され、ステージ21上に基板Pが載置される(ステップS82)。そして、投入口611が閉鎖され(ステップS83)、チャンバ空間が外部から遮蔽された空間となる。
次に、バルブVci、Vsri、Vcro、Vbo、およびVsoが開栓され、バルブVcoが閉栓される(ステップS84)。そして、供給管71から第1〜第3ボックス61〜63内へ窒素の供給が開始され、排気管72へ第1〜第3ボックス61〜63内の気体の排出が開始される(ステップS85)。さらに、循環機構9が循環気体を流動する動作を開始する(ステップS86)。そして、酸素濃度検知部88による酸素濃度検知結果に基づいて、第1〜第3ボックス61〜63内(例えば、ポイントC)の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達するのを待つ(ステップS87)。
ここで、窒素供給Ci×nから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、第1ボックス61の背面にある循環排出Croから循環機構9へ排出される。また、窒素供給Ci×nから供給された窒素は、チャンバ空間に流入した後、開口部S1からスライダ空間へ流入して、循環供給Sriから供給された循環気体と合流する。そして、スライダ空間で合流した気体は、外部排出Soから排出される、または開口部S2からボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。そして、窒素供給Ci×nから供給される供給量と、循環供給Sriから供給される供給量と、循環排出Croから排出される排出量と、外部排出SoおよびBoから排出される排出量とを調整することによって、第1〜第3ボックス61〜63内の圧力が大気圧以上に維持される。
したがって、バルブVci×n、Vsri、Vcro、Vbo、およびVsoを開栓した状態では、チャンバ空間の一方側の複数箇所から供給された窒素がチャンバ空間の他方側の複数箇所へおよび開口部S1を通ってスライダ空間へそれぞれ抜ける流れが形成されている。このように、バルブVci×n、Vsri、Vcro、Vbo、およびVsoを開栓した状態では、複数の供給管を介してチャンバ空間に窒素を供給しながら直接的にチャンバ空間内の気体を複数の排気管から排出するため、チャンバ空間内に流入/排出される気体量が多くなり、チャンバ空間内における気体が窒素雰囲気に置換される速度が速くなる。つまり、図4に示したポイントCにおける酸素濃度の低下も速やかに行われるため、図8に示した到達時間を短縮することができる。
また、バルブVci×n、Vsri、Vcro、Vbo、およびVsoを開栓した状態では、スライダ空間へ直接的に循環気体が供給される。例えば、循環機構9が上記第1の例(つまり、単純に気体を排気側から供給側へ循環する)で構成される場合、スライダ空間へ供給される循環気体は、基板Pを搬入する際にチャンバ空間内に侵入する空気等の影響によって、供給初期には酸素が含まれていることが考えられる。しかしながら、上述したようにスライダ空間がポイントCにおける酸素濃度管理に与える影響が小さいために、図8に示した到達時間への影響は少ない。また、チャンバ空間内が窒素雰囲気に置換されることによって、やがて循環気体も低酸素状態となる。また、循環機構9が上記第2の例(つまり、排出された気体から酸素を取り除いて供給側へ循環する)で構成される場合、循環気体が低酸素状態に維持されるため、スライダ空間が低酸素雰囲気に置換される時間がさらに短縮されることが期待できる。
そして、第1〜第3ボックス61〜63内の酸素濃度が酸素濃度管理値以下に到達したとき(ステップS87でYes)、基板Pに対して塗布処理が行われる(ステップS88)。そして、基板Pに対する塗布処理が終了したとき(ステップS85でYes)、処理を次のステップに進める。
次に、供給管71からの窒素の供給が停止され、排気管72への気体の排出が停止される(ステップS89)。そして、循環機構9が循環気体を流動する動作を停止する(ステップS90)。
次に、投入口611が開放され(ステップS91)、開放された投入口611からステージ21上に載置された塗布処理後の基板Pが搬送ロボット等によって搬出される(ステップS92)。そして、塗布処理を継続する場合(ステップS93でYes)、上記ステップS82に戻って動作が繰り返される。一方、塗布処理を終了する場合(ステップS93でNo)、当該フローチャートによる動作を終了する。
このように、従来、第3ボックス63へ供給される窒素が、循環供給Sriから供給される循環気体で賄われるため、窒素の供給量を減らすことができる。したがって、第2の実施形態に係る塗布装置1では、酸素濃度を低下させている途中の状態を含めて外部排出される気体も再利用することによって、新たに供給する窒素の供給量をさらに低減することも可能である。
なお、第1および第2の実施形態の説明においては、循環機構9が動作する際、外部排出CoやAoを閉栓して排出流路を完全に循環排出CroやAroに切り替える態様を用いたが、他の排出流路の切り替え方式を用いてもかまわない。例えば、循環機構9が動作する際、循環排出CroやAroへ内部気体を排出しながら、内部圧力や酸素濃度が管理値を満たすように内部気体の一部を外部排出CoやAoにも排出してもかまわない。
また、上述した第1および第2の実施形態におけるボックス空間やスライダ空間に設けられる供給管および排気管(すなわち、窒素供給Si、循環供給Sri、外部排出So、外部排出Bo)は、それぞれ複数本であってもかまわない。また、チャンバ空間と接続する供給管および排気管は、それぞれ1本の配管であってもかまわない。上述したような流体バランスを調整すれば、1本の配管であっても複数本の配管であっても本発明の効果を得ることができる。
また、上述した第1および第2の実施形態における第3ボックス63および外部排出Soを省略してもかまわない。つまり、有機EL塗布機構5は、第2ボックス62で包囲されるボックス空間内に設置されることになる。この場合、チャンバ空間から開口部S1を介して流動する気体は、ボックス空間へ流入して外部排出Boから排出される。また、窒素供給Siおよび循環供給Sriは、それぞれボックス空間へ窒素および循環気体を供給する。つまり、第3ボックス63および外部排出Soを設けなくても、チャンバ空間に供給された窒素が開口部S1を通ってボックス空間へ抜ける流れが形成されている。つまり、ノズルユニット50の往復移動によってボックス空間内の気体が攪拌されても、チャンバ空間→開口部S1→ボックス空間の気体フローが形成されているため、ボックス空間内の気体がチャンバ空間へ流出することが少ない。したがって、仮にボックス空間に酸素が残存していたとしてもチャンバ空間へ酸素が流出することを防止することができる。また、同様に低酸素雰囲気に置換された気体を再利用することが可能であるため、同様に供給する窒素量を少なくすることができる。
さらに、ノズルユニット50の往復移動による気体の攪拌の影響に対する効果を期待しない場合は、単一のボックス(例えば、第1ボックス61のみ)内で局所雰囲気を生成してもかまわない。この場合、ボックス内に窒素を供給して、低酸素雰囲気下で塗布液の塗布を行うことにより、塗布処理における塗布液の酸化等を防止することができることは明らかであり、循環機構9を介して低酸素雰囲気に置換されて当該ボックス内から排出される気体を再度当該ボックス内に供給することによって、供給する窒素の消費量を抑えることができることは言うまでもない。
また、上述した動作では、酸素濃度検知部88による酸素濃度検知結果が酸素濃度管理値以下を示すのを待って、その後に塗布処理が開始される手順を示したが、他の方法で塗布処理を開始してもかまわない。例えば、予め塗布装置に供給する窒素の流量や圧力とポイントCが酸素濃度管理値以下となる到達時間(図8参照)との関係を調査しておく。そして、実際に供給する窒素の流量や圧力と供給時間とを用いて、ポイントCにおける酸素濃度管理を行ってもかまわない。この場合、窒素の供給を開始した後に所定の時間(到達時間)が経過することを待って、その後に塗布処理を開始することになる。
また、ノズルユニット50に静圧軸受が設けられている場合、当該静圧軸受に窒素等の不活性ガスや循環気体を供給してもかまわない。これによって、静圧軸受を構成するために供給する気体も低酸素状態となるため、さらにスライダ空間内の酸素濃度を低下させることができる。
また、上述した実施形態では、赤、緑、および青色のうち、赤色の有機EL材料を3個1組のノズル52a〜52cで基板Pの溝内に流し込んでいるが、この塗布工程は、有機EL表示装置を製造する途中工程である。有機EL表示装置を製造するときの処理手順は、正孔輸送材料(PEDOT)塗布→乾燥→赤色の有機EL材料塗布→乾燥→緑色の有機EL材料塗布→乾燥→青色の有機EL材料塗布→乾燥という手順となる。この場合、本発明の塗布装置は、正孔輸送材料、赤色の有機EL材料、緑色の有機EL材料、および青色の有機EL材料をそれぞれ塗布する工程に用いることができる。
また、ノズル52a〜52cから赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出してもかまわない。この場合、赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が1つの塗布工程で形成される。また、上述した実施形態では、3個1組のノズル52a〜52cで基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでいるが、この3個1組のノズル52a〜52cを複数組設けて基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでもかまわない。
また、上述した実施形態では、塗布液として有機EL材料や正孔輸送材料を塗布液とした有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、本発明は他の塗布装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液やPDP(プラズマディスプレイパネル)を製造するのに使用される蛍光材料を塗布する装置にも適用することができる。また、液晶カラーディスプレイをカラー表示するために液晶セル内に構成されるカラーフィルタを製造するために使用される色材を塗布する装置にも適用することができる。
本発明に係る塗布方法および塗布装置は、基板に塗布液を塗布するとき装置効率を上げて当該塗布液の酸化を防止することができ、様々な塗布液をノズルから吐出する装置や方法等として有用である。
本発明の一実施形態に係る塗布装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図 図1の塗布装置1の制御機能および供給部を示すブロック図 図1の塗布装置1に設けられる局所雰囲気生成機構の概略構成を示す平面図 図1の塗布装置1に設けられる局所雰囲気生成機構の概略構成を示す側断面図 第3ボックス63の外観を示す斜視図 窒素および循環気体投入口の構造を示す断面図 拡散板731の構造を示す斜視図 ポイントCにおける酸素濃度管理値を説明するためのグラフ 局所雰囲気生成機構における窒素供給の流れを示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係る塗布装置1における窒素流動フローを示す模式図 本発明の第1の実施形態に係る塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示す前半のフローチャート 本発明の第1の実施形態に係る塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示す後半のフローチャート チャンバ空間へ窒素および循環気体を供給し、スライダ空間へ窒素を供給する窒素流動フローの第1の変形例を示す模式図 チャンバ空間およびスライダ空間へそれぞれ窒素および循環気体を供給する窒素流動フローの第2の変形例を示す模式図 チャンバ空間、スライダ空間、およびボックス空間から排出する気体を再利用する窒素流動フローの第3の変形例を示す模式図 本発明の第2の実施形態に係る塗布装置1における窒素流動フローを示す模式図 本発明の第2の実施形態に係る塗布装置1が塗布処理を行う際の動作を示すフローチャート
符号の説明
1…塗布装置
2…基板載置装置
21…ステージ
22…旋回部
23…平行移動テーブル
24…ガイド受け部
25、511…ガイド部材
3…制御部
5…有機EL塗布機構
50…ノズルユニット
51…ノズル移動機構部
52a、52b、52c…ノズル
521…フィルタ部
53…液受部
54…供給部
541…供給源
542…ポンプ
543…流量計
61…第1ボックス
611…投入口
62…第2ボックス
63…第3ボックス
71…供給管
72…排気管
73…拡散部
731…拡散板
732…パンチングメタル
81…窒素ボンベ
83…フィルタ
84…圧力調整部
85、86…流量調整部
87…吸引部
88…酸素濃度検知部
89…圧力検知部
9…循環機構

Claims (17)

  1. 基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、
    その先端部から前記塗布液を吐出するノズルと、
    前記基板をその上面に載置するステージと、
    前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構と、
    前記ステージを少なくとも包囲して設けられたボックスと、
    前記ボックスの一方側に設けられ、当該ボックスの内部空間へ所定の気体を供給する第1の供給口と、
    前記ボックスの他方側に設けられ、当該ボックスの内部空間内の気体を排出する第1の排気口と、
    少なくとも前記第1の排気口から排出された気体を循環させて前記ボックス内部へ供給する循環機構と、
    前記ボックスの一方側に設けられ、当該ボックスの内部空間へ前記循環機構から供給された気体を供給する第2の供給口とを備え
    前記ボックスは、
    前記ステージを包囲して設けられ、前記ノズル移動機構が配置される空間と当該ステージが配置される空間とを仕切り、その上面に前記ノズル移動機構側から前記ノズルの少なくとも一部が突出して往復移動する開口部が形成された第1ボックスと、
    前記ノズル移動機構を包囲して前記第1ボックスの上部に設けられる第2ボックスとを含み、
    前記第1の供給口は、前記第1ボックスの一方側に設けられ、
    前記第2の供給口は、前記第1ボックスの一方側に設けられ、
    前記第1の排気口は、前記第1ボックスの他方側に設けられ、
    前記塗布装置は、前記第2ボックスに設けられ、当該第2ボックスの内部空間内の気体を外部に排出する第2の排気口を、さらに備える、塗布装置。
  2. 前記塗布装置は、前記第2ボックスに設けられ、当該第2ボックスの内部空間へ前記所定の気体を供給する第3の供給口を、さらに備える、請求項に記載の塗布装置。
  3. 前記循環機構は、前記第1の排気口および前記第2の排気口から排出された気体を循環させて前記第2の供給口から前記第1ボックス内部へ供給する、請求項に記載の塗布装置。
  4. 前記塗布装置は、前記第2ボックスに設けられ、当該第2ボックスの内部空間へ前記循環機構から供給された気体を供給する第4の供給口を、さらに備える、請求項に記載の塗布装置。
  5. 前記循環機構は、前記第1の排気口および前記第2の排気口から排出された気体を循環させて前記第2の供給口および前記第4の供給口から前記第1ボックスおよび第2ボックス内部へそれぞれ供給する、請求項に記載の塗布装置。
  6. 基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、
    その先端部から前記塗布液を吐出するノズルと、
    前記基板をその上面に載置するステージと、
    前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構と、
    前記ステージを少なくとも包囲して設けられたボックスと、
    前記ボックスの一方側に設けられ、当該ボックスの内部空間へ所定の気体を供給する第1の供給口と、
    前記ボックスの他方側に設けられ、当該ボックスの内部空間内の気体を排出する第1の排気口と、
    少なくとも前記第1の排気口から排出された気体を循環させて前記ボックス内部へ供給する循環機構と、
    前記ボックスの一方側に設けられ、当該ボックスの内部空間へ前記循環機構から供給された気体を供給する第2の供給口とを備え、
    前記ボックスは、
    前記ステージを包囲して設けられ、前記ノズル移動機構が配置される空間と当該ステージが配置される空間とを仕切り、その上面に前記ノズル移動機構側から前記ノズルの少なくとも一部が突出して往復移動する開口部が形成された第1ボックスと、
    前記ノズル移動機構を包囲して前記第1ボックスの上部に設けられる第2ボックスとを含み、
    前記第1の供給口は、前記第1ボックスの一方側に設けられ、
    前記第2の供給口は、前記第2ボックスの一方側に設けられ、
    前記第1の排気口は、前記第1ボックスの他方側に設けられ、
    前記塗布装置は、前記第2ボックスに設けられ、当該第2ボックスの内部空間内の気体を外部に排出する第2の排気口を、さらに備える、塗布装置。
  7. 前記循環機構は、前記第1の排気口から排出された気体をそのまま循環させて前記第2の供給口から前記ボックス内部へ供給する、請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布装置。
  8. 前記循環機構は、前記第1の排気口から排出された気体から酸素を分離させて取り除いて前記第2の供給口から前記ボックス内部へ供給する酸素分離機構を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布装置。
  9. 前記ボックス内の所定空間における酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段を、さらに備え、
    前記循環機構は、前記酸素濃度検出手段が所定酸素濃度以下の酸素濃度を検出しているとき、前記第1の排気口から排出された気体を循環させて前記ボックス内部へ供給する、請求項1乃至8のいずれかに記載の塗布装置。
  10. ステージ面の上部を横断する方向にノズル移動機構に支持されて往復移動するノズルから吐出された塗布液を当該ステージ上面に載置された基板に塗布する塗布方法であって、
    少なくとも前記ステージを包囲するボックス内における所定空間が所定雰囲気に置換されるまで、当該ボックスの一方側から所定気体を供給し、当該ボックスの他方側から少なくとも気体を排出し、
    前記所定空間が所定雰囲気に置換されたとき、前記ボックスの一方側から前記所定気体を供給し、当該ボックスの他方側から排出された気体を循環して前記ボックスの一方側における他の箇所から再度供給する状態で前記基板に前記塗布液を塗布
    前記ボックスは、前記ステージを包囲する空間と、前記ノズル移動機構を包囲する空間とに区切られており、
    前記ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、前記ステージを包囲する空間へ供給される、塗布方法。
  11. 前記所定空間の酸素濃度が所定酸素濃度に到達後に当該所定酸素濃度より高くなったとき、前記気体を循環する動作を停止して、前記ボックスの一方側から所定気体を供給して前記ボックスの他方側から気体を排出する状態で前記基板に前記塗布液を塗布する、請求項10に記載の塗布方法。
  12. 前記ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、さらに前記ノズル移動機構を包囲する空間へ供給される、請求項10又は11に記載の塗布方法。
  13. ステージ面の上部を横断する方向にノズル移動機構に支持されて往復移動するノズルから吐出された塗布液を当該ステージ上面に載置された基板に塗布する塗布方法であって、
    少なくとも前記ステージを包囲するボックス内における所定空間が所定雰囲気に置換されるまで、当該ボックスの一方側から所定気体を供給し、当該ボックスの他方側から排出される気体を循環して当該ボックスの一方側における他の箇所から再度供給し、
    前記所定空間が所定雰囲気に置換されたとき、当該ボックスの一方側から所定気体を供給し、当該ボックスの他方側から排出される気体を循環して当該ボックスの一方側における他の箇所から再度供給する状態で前記基板に前記塗布液を塗布する、塗布方法。
  14. 前記ボックスは、前記ステージを包囲する空間と、前記ノズル移動機構を包囲する空間とに区切られており、
    前記ボックスの他方側から排出された気体を循環して再度供給する気体は、前記ノズル移動機構を包囲する空間へ供給される、請求項13に記載の塗布方法。
  15. 前記ボックス内部に前記所定気体を供給する流量、前記ボックス内部から気体を排出する流量、および前記ボックス内部の気体を循環させて再度供給する流量をそれぞれ調整して、前記ボックスを大気圧より高い内部圧力に維持する、請求項10乃至14のいずれかに記載の塗布方法。
  16. 前記所定空間における酸素濃度値を検出することによって、前記所定空間が所定雰囲気に置換されたことを判定する、請求項10乃至14のいずれかに記載の塗布方法。
  17. 前記ボックス内部へ前記所定気体を供給する時間を計測することによって、前記所定空間が所定雰囲気に置換されたことを判定する、請求項10乃至14のいずれかに記載の塗布方法。
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