JP4667606B2 - 流体移送用断熱管の製造方法 - Google Patents
流体移送用断熱管の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4667606B2 JP4667606B2 JP2001003917A JP2001003917A JP4667606B2 JP 4667606 B2 JP4667606 B2 JP 4667606B2 JP 2001003917 A JP2001003917 A JP 2001003917A JP 2001003917 A JP2001003917 A JP 2001003917A JP 4667606 B2 JP4667606 B2 JP 4667606B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- pipe
- signal line
- cladding
- pipes
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Thermal Insulation (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一戸建住宅や集合住宅又は商業ビル等において居住性を向上させるために設備される冷暖房装置の冷温水配管として、又は、前記住宅等に設備される冷暖房装置の床下配管、或は屋外の熱源機から屋内の端末機器への給水・給湯のため等に使用される流体移送用断熱管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷暖房装置は、屋外に設置された熱源機により熱媒体(主として水)を電気又はガスで冷却又は加熱し、この熱媒体を合成樹脂製の配管によって、屋内に設置された床暖房マット、壁掛け型又は天井埋込み型の冷暖房用端末機器に導き、この機器での熱交換により屋内の冷暖房を行なう。
【0003】
この冷暖房装置等において流体移送用として使用される配管には、熱源機から端末機器に至る間の熱媒体からの放熱を抑制する断熱性が必要であるとともに、端末機器の周辺の温度情報(例えば出湯温度等)に基づき、比例制御弁等を用いて例えば出湯温度を安定化させる機能を有する熱源機をリモートコントロールするために、前記配管に絶縁電線等の信号線を備えることも必要である。
【0004】
このような事情から実開昭62−106086号公報に例示されるように、プラスチック製の流体移送用の内管の外周を発泡プラスチック製の保温層(断熱層)で被覆し、更に、この層をプラスチック製の保護層(外管)で被覆し、かつ、前記保温層内に信号線を埋設した流体移送用断熱管が提案されている。又、実開平5−61919号及び特開平7−78517号公報には、断熱性を有するかいなかは不明であるが、流体移送用通路を有する絶縁材内に信号線を埋設する技術、或は、絶縁材内に流体移送用の管とともに信号線を埋設する技術が記載されている。
【0005】
ところで、流体移送用断熱管が備える信号線は端末機器や熱源機に接続するために、その端末部を外部に引出す端末処理が必要がある。この場合、前記各従来例のように信号線が埋設されている構成では、信号線をその端から所定長さ引出すのに、その部分をカッター等を用いて掘り出すのに、同部分に密着してそれを埋めている材料を前記引出し長さに見合って除去する手間が必要である。したがって、端末処理作業が面倒であり、流体移送用断熱管の施工性の低下を来たしている。
【0006】
又、流体移送用断熱管が、熱源機から端末機器に熱媒体を導く行き側の内管と、この逆に端末機器から熱源機に熱媒体を導く戻り側の内管とを備え、これら両内管を断熱性の外管の内部空間に収容するとともに、前記内部空間に複数本の信号線を収容したものも提供されている。又、これと同様に、行き側と戻り側の2本の内管にわたって薄膜被覆層を巻付けて2本の内管を互いに拘束させるとともに、これら2本の内管相互間の前記薄膜被覆層で閉じられた断面略V字状の内管間溝部に複数本の信号線を収容し、これらを断熱性の外管の内部空間に収容した流体移送断熱管も知られている(特開平11−82875号公報参照)。
【0007】
しかし、これらの従来例では、2本の内管と複数本の信号線とが外管の同一内部空間にあって、かつ、内管と信号線とは互いに接触して設けられているから、以下の不具合がある。
【0008】
つまり、2本の内管は、その内部を通る流体の温度の上がり下がりや内圧の変化等によって伸縮する。この伸縮の程度は行き側の内管と戻り側の内管とで異なるため、両内管間に信号線が挟まれて過大な負荷を信号線に与えることがある。
そのため、こうした負荷に基づき信号線が断線するおそれがある。
【0009】
しかも、薄膜保護層がない前者の構成の断熱管においては、2本の内管と複数本の信号線とが外管内でばらばらに動く可能性が高いので、内管と信号線とが、断熱管の製造から施工までの間に、互いに絡み合ったり、捻じれて巻付いたりすることがある。そのため、施工後に内管が異常に伸縮するようなことがあると、それに伴い信号線が巻き込まれて大きな引張り力を受けて断線するおそれがある。
【0010】
それだけではなく、前記絡み合いや捻じれ等により、信号線の端末が断熱管内に引込まれることがある。この場合には、熱源機や端末機器に対する信号線の端末処理を行なう際に、信号線の位置が分からず、よって、工作業に支障をきたすおそれがある。
【0011】
更に、一般に信号線は軟質ポリ塩化ビニル等の絶縁材で被覆されているが、信号線と内管とが接触していることで、信号線の絶縁被覆には耐熱性が要求され、コスト高な信号線を使用することを余儀なくされている。その上、前記接触により絶縁被覆に含まれている可塑剤等が、通常合成樹脂からなる内管に移行するに伴い、内管及び信号線の劣化が促進されるので、長期にわたる使用上の耐久性を損なう恐れがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、信号線の断線のおそれを解消できるとともに、この信号線の端末処理も容易で、かつ、耐久性に優れた低コストな流体移送用断熱管を製造する製造方法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、少なくとも2層の断熱性被覆管を有してこれらを同軸的に組合わせた多層の外管と、この外管の内部空間に収容された合成樹脂製の流体移送用内管と、互いに隣接する前記被覆管間に配置された信号線とを具備し、
前記外管のうち前記信号線より内側に位置する被覆管で前記信号線と前記内管とを隔てた流体移送用断熱管であって、さらに互いに隣接する前記被覆管間に軸方向に連続して延びる線収容空間を設け、この空間に前記信号線を通したものであり、
前記互いに隣接する前記被覆管のうち内側位置の被覆管の外周面と外側位置の被覆管の内周面とが、前記線収容空間に臨んだ非着周面を除いて接着又は融着され、前記非着周面間に前記線収容空間が形成されており、
前記外管内に前記内管が2本収容され、前記内部空間に臨んで前記信号線より内側に位置する被覆管が、前記信号線に対向して前記内側空間に突出するとともに軸方向に延びる凸条部を有し、この凸条部の両側に2本の前記内管を振分けて収容した流体移送用断熱管の製造方法であって、
内側被覆管の板条素材と外側被覆管の板条素材とを平らな状態で非着周面の部分を除いて接着した後、内側被覆管と外側被覆管を丸めて接合する際に、内外の周長の差による余剰分で流体移送管の内部空間に突出する凸条部を、接着部に対して周方向に180°離れた位置に形成することにより、2本の内管を前記凸条部の両側に振り分けて、
前記内側被覆管の外周部に形成された凸条部内側の非着周面とこれと対向する前記外側被覆管の内周の非着周面とで前記線収容空間を形成して、
前記外側被覆管外周の断面形状を前記凸条部の先端とこれから周方向に略180°離れた内周面部分との間の最短距離を、2本の内管を並べた時の並び方向の最大寸法よりも小さい略楕円形状に形成することを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明を実施するにあたり、互いに隣接する前記被覆管間に軸方向に連続して延びる線収容空間を設け、この空間に前記信号線を通すことができる。又、互いに隣接する前記被覆管のうち内側位置の被覆管の外周面と外側位置の被覆管の内周面とが、前記線収容空間に臨んだ非着周面を除いて接着又は融着され、前記非着周面間に前記線収容空間を形成する。更に、外管内に前記内管が2本収容され、前記内部空間に臨んで前記信号線より内側に位置する被覆管が、前記信号線に対向して前記内側空間に突出するとともに軸方向に延びる凸条部を有し、この凸条部の両側に2本の前記内管を振分けて収容することができる。このように、請求項1の方法においては、凸条部を形成することにより、2本の内管を凸条部の両側に配置し、さらに、前記非着周面間に線収容空間を形成する両方の役割を果たすことができる。
【0015】
さらに、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記2本の内管は、可撓性を有する内管同士を薄巻き被覆層で拘束した流体移送用断熱管で、また前記内側被覆管は外側被覆管よりも硬質な可撓性を有する断熱性材料で形成され、最も内側被覆管の内周面には、熱線反射層としてアルミニューム箔が貼り付けられている製造方法である。
2本の内管は、内管同士を薄巻き被覆層を巻付けて互いにばらけないように各管を拘束して、取り扱い性を容易にするとともに、内管同士のねじれや絡み付きを抑制することができる。また前記内側被覆管は外側被覆管よりも硬質な断熱性材料で形成されていることから、信号線を引き出す端末処理を行う際に、カッターの刃先が内管に達することを硬い内側被覆管で阻止し易く、内管の傷付を防止できる。さらに内側被覆管がアルミニュームで覆われているから、それによって内管の温水の温度低下を抑制することができるとともに、信号線の端末処理時に、内側被覆管まで切り込むことがあっても、アルミニューム箔で内管を保護できる。また、内管、被覆管ともに可撓性を有するので、施工時の取り扱いを容易にできる。
請求項3の製造方法は、請求項1の製造方法において、前記流体移送用断熱管の内管には保温性を高めるため、それぞれ断熱性の保温管が内管の外周を囲うように配置されたことを特徴する。このように、断熱性の保温管が内管の外周を囲うように配置されるので、さらに保温性を高めることができる。
【0016】
請求項1の発明において、内管は、可撓性を有する方が施工時の取扱いを容易にできる等の点で好ましい。又、請求項1の発明において、内管を作る合成樹脂材料には、架橋ポリエチレン、ポリブデン、ポリプロピレン、ポリアミド、及びポリエチレン等を用いることができる。これらの中でも、材料コストが低く、温水に対する耐性があって、耐久性に優れる架橋ポリエチレンを用いることが好ましい。
【0017】
ここで、外管は2層以上の被覆管を備えて形成されていればよく、そして、これらの断熱性被覆管も可撓性を有する方が施工時の取扱いを容易にできる等の点で好ましい。更に、請求項1の発明において、外管を作る材料には、断熱効果をもたらす材料、例えば、架橋ポリエチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリウレタン等を用いることができ、特に、安価であり、かつ、ポリエチレン発泡体に比較して耐熱性に優れる架橋ポリエチレン発泡体を用いることが好ましい。
又、外管のうち最内層の被覆管の内周面にアルミニューム箔等の熱線反射層を貼り付けることは妨げないとともに、前記最内層の被覆管には、それを手で容易に千切り取ることができるように、円周方向等に切れ目を入れたり、断続的に連続する空気抜き用ピンホールを入れた構成とすることもできる。更に、前記最内層の被覆管は、その内側に収容される内管の滑り落ちを防止するために、発泡エラストマー等の表面の滑り抵抗が大きい断熱性材料を用いることができる。又、外管をなす被覆管が3層以上である場合に、その中間位置の被覆管は、断熱空間としての空気層をより多くするために、例えば波形状の表面を持つ構成としても良く、又、前記中間層の内周面又は外周面の少なくとも一方にアルミニューム箔等の熱線反射層を貼り付けることも妨げない。
【0018】
又、請求項1の発明において、信号線には、絶縁被覆電線、ケーブル、コード等を用いることができ、この信号線が備える信号導体は、銅、銅合金、アルミニューム、光ファイバー等で形成することができ、前記信号導体が電線の場合には単線より撚線の方が施工に伴い折損が少ない点で好ましい。又、信号線の外層をなす絶縁材量及び被覆材料には、架橋ポリエチレン、軟質PVC(ポリ塩化ビニル)等を用いることが好ましい。更に、信号線には、自由度が保てるように、前記外管の内側空間に対して径の小さなものが好ましく、又、断熱管の施工時に外管を損傷させない程度の可撓性を持つことが好ましい。しかも、信号線の配置は、外管の隣接する被覆管間であれば何処に配置してもよく、各信号線は、それ毎に分けて隣接した被覆管間に複数箇所配置してもよいが、複数の信号線が同じ用途である場合には、隣接した被覆管間の一ヵ所に配置する方が、製造面や取扱い面で容易になる点で好ましい。その上、信号線は外管をなす被覆管のうち最外層をなす被覆管の直下、つまり、この被覆管の内周面に臨んで配置するとよく、このように配管する場合には信号線の端末処理が容易となり、かつ、その際に内管を傷付ける恐れをより少なくなる点で好ましい。又、信号線と、これが接する被覆管とは、接着していても、接着されていなくてもよく、接着する場合には一部のみを接着させるだけで信号線の位置保持をさせることができる。
【0019】
請求項1の発明においては、外管をなす2層以上の断熱性被覆管相互間に信号線を配置して、この信号線より内側位置の被覆管で、前記外管の内部空間に配置された内管と信号線とを隔てたから、信号線と内管との接触を原因とする各種の不具合を解消できる。つまり、信号線が内管に巻付くことがなく、したがって、内管の伸縮に伴って信号線に過負荷を与ることがないとともに、信号線の端末部が引っ込むことがなく端末位置を一定に保持できる。更に、信号線が内管の温度の影響を受けることを、信号線より内側位置の被覆管で緩衝できるとともに、信号線の絶縁被覆に含まれる可塑剤が内管に移行することもない。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、図1を参照して本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、集合住宅等の建物に設備される冷暖房設備の給水給湯を担うための冷温水移送用の断熱管としての適用例を示している。この断熱管1は、外管2、2本の内管3、複数本の信号線4を備えている。
【0021】
外管2は、内側被覆管11と外側被覆管12とを同軸的に組合わせて形成されていて、その内部空間Eは軸方向全長にわたり延びている。両被覆管11、12は、いずれも可撓性を有する断熱性材料例えば架橋ポリエチレン発泡体で作られており、その最も内側の被覆管11は給湯温度等に耐える耐熱性を有している。なお、両被覆管11、12は同種材料で作ることに制約されず、異種材料で作ることもでき、その場合外側被覆管12には給湯温度等に対する耐熱性は特に要しない。
【0022】
この外管2は、所定幅を有して軸方向に連続して長く延びた2枚の板状素材を積層しながら、これら板状素材をその両側縁が互いに合わさるように丸めるとともに、合わさった前記両側縁を熱融着などで接着して形成される。図1(B)中符号11a、12aは接着部を示している。又、このように製造される外管2において、内側被覆管11の外周面と外側被覆管12の内周面とは一部を除いて接着又は融着されている。図1(B)中符号11b、12bは内外両被覆管11、12の非着周面を示しており、これらによって単一の線収容空間Sが形成されている。この線収容空間Sは、例えば前記接着部11a,12aに対して周方向に略180°離れた位置に設けられていて、断熱管1の全長にわたりこの管1の軸方向に延びている。
【0023】
内部空間Eに臨んだ内側被覆管11は、その一部に内部空間Eに突出する凸条部12cを有している。この凸条部12cも断熱管1の全長にわたりこの管1の軸方向に延びている。凸条部12cは内側被覆管11の非着周面11bに対応する位置に設けられている。既述のように作られる外管2において、内側被覆管11の前記板条素材と外側被覆管12の前記板条素材とを平らな状態で非着周面11b、12bの部分を除いて接着した後、これを丸めて接合する際に、内外の周長の差による余剰分で凸条部12cを作ることができる。この凸条部12cを設けることによって、凸条部12cの先端とこれから周方向に略180°離れた内周面部分との間の最短距離を、2本の内管3を並べた時の並び方向の最大寸法よりも小さくしている。
【0024】
前記2本の内管3は、合成樹脂例えば耐熱性でかつ可撓性を有する架橋ポリエチレンで形成されている。これら内管3は前記内部空間Eに収容されている。詳しくは、図1(B)において一方の内管3は凸条部12cを境に左側に、他方の内管3は凸条部12cを境に右側に夫々振分けて収容されている。一対の内管3は、外管2を作る際に、この外管で包まれるように挿入して配管される。一方の内管3は、図示しない給湯機(熱源機)から被給湯機器(端末機器)に熱媒体としての温水を導くための行き管として用いられ、他方の内管3は前記被給湯機器から給湯機に温度低下した温水を戻すための戻り管として用いられる。
【0025】
前記各信号線4には、建物に断熱管1を敷設する施工時に外管2に損傷を与えない程度の可撓性を有する絶縁被覆電線が使用されている。これら信号線4は前記被給湯機器をリモートコントロールするためなどに用いられ、断熱管1の全長にわたりこの管1の軸方向に延びて前記線収容空間Sに遊びを持って収容されている。線収容空間Sは最も外側の被覆層12の直下に設けられているから、各信号線4は最も外側の被覆層12の直下に配線される。
【0026】
又、本実施形態では、各信号線4は外管2の全長よりも長いので、図1(C)に示すように線収容空間S内において蛇行して余長を生じるように収容されている。このような収容は、図示しない断熱管成形装置への外管2の製造速度(内外被覆管11、12の送り込み速度)よりも、信号線4を速く送り込むことによって実現できる。
【0027】
なお、本実施形態では、線収容空間Sを形成する前記非着周面11b、12bと信号線4とは接触するも接着されておらず、この非拘束の信号線4は長手方向に自由に動くことが可能である。しかし、抜け止めのために信号線4の長手方向中央部側において一箇所ないし数箇所を接着止めすることは妨げない。
【0028】
断熱管1の最外層表面には外皮フィルム13が被着されている。このフィルム13には滑り止めのために全面にわたり凹凸加工(図示しない)を施されている。更に、外皮フィルム13の表面には信号線4の収容位置を示す目印14が、図1(C)に示すように線収容空間Sに対応して設けられている。この目印14は例えば軸方向に延びる表示線を印刷する等によって設けられる。又、必要に応じて外皮フィルム13の表面には、断熱管1の用途を示す表示を設けることができるとともに、断熱管1の長手方向両端部には、信号線4の端末部の引出しを容易にするために、予め最外層の被覆管12の端部に信号線4と対応する切れ目を入れて置くこともできる。
【0029】
前記構成の断熱管1の内部空間Eに並べて収容された一対の内管3は互いに拘束されてはいないが、これら内管3の内部空間Eでの動きは凸条部12cを設けたことによって制限されるので、断熱管1の製造時、施工時、及び施工後に、両内管3が捻じれて互いに絡まることを防止できる。そして、信号線4は、内側被覆管11で一対の内管3から隔離されているので、断熱管1の製造時、施工時、及び施工後に信号線4が内管3に巻付いて絡むことがない。そのため、断熱管1の端末で、内外両管2、3及び信号線4の位置関係がばらばらにならず、特に、信号線4が断熱管1の軸方向中央部側に引込まれることがない。よって、信号線4の端末部を引出すための作業等、断熱管1の施工作業に支障をきたすことがなく、施工作業を容易にできる。
【0030】
そして、既述のように信号線4より内側の被覆管12で内管3と信号線4とが非接触に保持されて、信号線4が内管3に巻付くことがないので、内管3の温度の上がり下がりや圧力の加わり方に応じて内管3が軸方向に異常に伸び縮みしても、それに伴い信号線4が軸方向に引張られて負荷を受けることがない。しかも、本実施形態では内管3が2本並べられているにも拘らず、これら両管3の間に信号線4が挟まれることがないため、両管3が径方向に膨脹しても、これら2本の内管3で信号線4が異常に強い負荷を受けることがない。したがって、信号線4が断線する恐れがなく、断熱管1の耐久性を大きく向上できる。
【0031】
更に、既述の隔離により信号線4が内管3に接することがないので、信号線4の絶縁被覆材料に含まれる可塑剤等が合成樹脂製の内管3に移行することがない。そのため、内管3及び信号線4の劣化を抑制でき、この点においても断熱管1の耐久性を向上できる。しかも、前記隔離により内管3の温度で信号線4が直接加熱されることを内側被覆管11で抑制できるので、信号線4の絶縁被覆に耐熱性の低い材料を用いることができる。そのため、信号線4のコストを低減でき、それに応じて断熱管1のコストダウンを図ることができる。
【0032】
又、前記断熱管1の端末部から信号線4の端末部を引出すには、外皮フィルム13の目印14を目安に外側被覆管12の端末部をカッター等を用いて除去すればよい。この場合、目印14があるので作業し易いとともに、この目印14を少し避けて切除することにより信号線4を傷つけないで外側被覆管12の端末部を切除できる。しかも、本実施形態では、除去する被覆管12が最外層の1層だけで良いので、この点でも端末処理の作業がし易い。更に、外側被覆管12の下には内側被覆管11が位置していて内管3を隔離しているので、前記端末処理において内管3がカッターで傷つけられることも抑制でき、この点においても更に端末処理の作業性を向上できる。
【0033】
その上、本実施形態では、信号線4は線収容空間Sに余長を生じて蛇行状態に収容されており、この余長分は必要に応じて引出すことができる。そのため、熱源機及び端末機器への電気的接続作業が容易となり、施工性を向上できる。
【0034】
(実施形態2)
図2は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同様構成部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態にかかる断熱管1が第1実施形態と異なる部分は、2本の内管同士を拘束した点、外管をなす2層の被覆管11、12の硬度を変えた点、及び内側被覆管の内周面に熱線反射層を設けた点である。
【0035】
詳しくは、2本の内管3は、これらにわたって巻き付けた薄膜被覆層21で互いに拘束されている。断熱管1の製造時には、予め前記のように拘束した2本の内管3が断熱管1の内部に送り込まれる。又、拘束した2本の内管3を収容しかつ信号線4よりも内側の被覆管11は、信号線4よりも外側の被覆管12よりも硬質な断熱性材料で形成されている。この内側被覆管11は可撓性を有することが好ましい。又、前記のように内側被覆管11を硬くしたことにより、この第2実施形態においては明確なほどには前記凸条部12cに相当する部分は形成されない。又、最も内側の被覆管11の内周面には、熱線反射層としてアルミニューム箔22が貼り付けられている。なお、以上説明した点以外の構成は、図2に示されない構成を含めて第1実施形態の断熱管1と同じである。
【0036】
この実施形態においても、複数本の信号線4と内部空間S内の2本の内管3とを外管2の内側被覆管11により隔離したので、第1実施形態と同様の作用を得て本発明の課題を解決できる。
【0037】
しかも、2本の内管3が薄膜被覆層21で拘束されているから、断熱管1の製造時、施工時、施工後に、2本の内管3同士が互いに捻じれたり絡まないようできる。そのため、2本の内管3の端の位置がばらつくことが抑制され断熱管1の施工性を向上できる点で優れている。その上、内側被覆管11が外側被覆管12より硬いので、信号線4の端末部を外管2から引出す端末処理を行なう際に、カッターの刃先が内管3に達することを硬い内側被覆管11で阻止し易く、内管4の傷付きを防止できる点で優れている。更に、内側被覆管11の内周面がアルミニューム箔22で覆われているから、それによって内管3からの放射熱を反射でき、温水(熱媒体)の温度低下を抑制する上で好ましいとともに、信号線4の端末処理において万が一内側被覆管11まで切込むことがあっても、それ以上の切込みをアルミニューム箔22で抑制して、内管3が傷付かないようにできる点でも優れている。
【0045】
(実施形態3)
図3は本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同様構成部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第3実施形態にかかる断熱管51が第1実施形態と異なる部分は、2本の内管の保温性を高めた点である。
【0046】
詳しくは、2本の内管3の外側には夫々断熱性の保温管15が嵌合され、この保温管15とともに両内管3が外管2の内部空間Eに収容されている。なお、以上説明した点以外の構成は、図3に示されない構成を含めて第1実施形態の断熱管1と同じである。
【0047】
この実施形態においても、複数本の信号線4と内部空間S内の2本の内管3とを外管2の内側被覆管11により隔離したので、第1実施形態と同様の作用を得て本発明の課題を解決できる。しかも、保温管15の採用により2本の内管3の保温性を向上できる点で優れている。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0056】
請求項1〜3の発明によれば、信号線が内管に巻付いて内管の伸びに伴って負荷を受けることがないから、信号線が断線するおそれを解消できる。更に、前記巻付きがないことにより信号線の端末位置が一定に保持されるから、信号線の端末部を外管の外部に引出す端末処理が容易である。しかも、信号線より内側位置の被覆管で内管の温度の影響を信号線が受けることを緩衝できるから、信号線にその絶縁被覆の耐熱性が低い安価なものを使用でき、コストダウンが可能である。その上、信号線の絶縁被覆に含まれる可塑剤が内管に移行しないので、耐久性にも優れる流体移送用断熱管の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1実施形態に係る流体移送用断熱管を示す斜視図。
(B)は図1(A)の断熱管を示す断面図。
(C)は図1(A)の断熱管を一部切欠いて示す平面図。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る流体移送用断熱管を示す断面図。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る流体移送用断熱管を示す断面図。
【符号の説明】
1、51…断熱管
2…外管
3…内管
4…信号線
11…内側被覆管
12…外側被覆管
11a、12a…被覆管の接着部
11b、12b…被覆管の非着周面
12c…凸条部
13…非着周面
15…保温管
E…内部空間
S…線収納空間
Claims (3)
- 少なくとも2層の断熱性被覆管を有してこれらを同軸的に組合わせた多層の外管と、この外管の内部空間に収容された合成樹脂製の流体移送用内管と、互いに隣接する前記被覆管間に配置された信号線とを具備し、
前記外管のうち前記信号線より内側に位置する被覆管で前記信号線と前記内管とを隔てた流体移送用断熱管であって、さらに互いに隣接する前記被覆管間に軸方向に連続して延びる線収容空間を設け、この空間に前記信号線を通したものであり、
前記互いに隣接する前記被覆管のうち内側位置の被覆管の外周面と外側位置の被覆管の内周面とが、前記線収容空間に臨んだ非着周面を除いて接着又は融着され、前記非着周面間に前記線収容空間が形成されており、
前記外管内に前記内管が2本収容され、前記内部空間に臨んで前記信号線より内側に位置する被覆管が、前記信号線に対向して前記内側空間に突出するとともに軸方向に延びる凸条部を有し、この凸条部の両側に2本の前記内管を振分けて収容した流体移送用断熱管の製造方法であって、
内側被覆管の板条素材と外側被覆管の板条素材とを平らな状態で非着周面の部分を除いて接着した後、内側被覆管と外側被覆管を丸めて接合する際に、内外の周長の差による余剰分で流体移送管の内部空間に突出する凸条部を、接着部に対して周方向に180°離れた位置に形成することにより、2本の内管を前記凸条部の両側に振り分けて、
前記内側被覆管の外周部に形成された凸条部内側の非着周面とこれと対向する前記外側被覆管の内周の非着周面とで前記線収容空間を形成して、
前記外側被覆管外周の断面形状を前記凸条部の先端とこれから周方向に略180°離れた内周面部分との間の最短距離を、2本の内管を並べた時の並び方向の最大寸法よりも小さい略楕円形状に形成することを特徴とする流体移送用断熱管の製造方法。 - さらに、前記2本の内管は、可撓性を有する内管同士を薄巻き被覆層で拘束した流体移送用断熱管で、また前記内側被覆管は外側被覆管よりも硬質な可撓性を有する断熱性材料で形成され、最も内側被覆管の内周面には、熱線反射層としてアルミニューム箔が貼り付けられている請求項1記載の流体移送用断熱管の製造方法。
- 前記流体移送用断熱管の内管には保温性を高めるため、それぞれ断熱性の保温管が内管の外周を囲うように配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の流体移送用断熱管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001003917A JP4667606B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-01-11 | 流体移送用断熱管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001003917A JP4667606B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-01-11 | 流体移送用断熱管の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010074419A Division JP4956641B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | 流体移送用断熱管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002206690A JP2002206690A (ja) | 2002-07-26 |
JP4667606B2 true JP4667606B2 (ja) | 2011-04-13 |
Family
ID=18872182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001003917A Expired - Fee Related JP4667606B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-01-11 | 流体移送用断熱管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4667606B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104235522A (zh) * | 2013-06-10 | 2014-12-24 | 哈米尔顿森德斯特兰德公司 | 具有导电涂层的管道 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4558670B2 (ja) * | 2005-11-28 | 2010-10-06 | 株式会社オンダ製作所 | 被覆材付きパイプ |
GB2443832B (en) * | 2006-11-14 | 2010-08-18 | Schlumberger Holdings | Method and system of deploying one or more optical fiber waveguides in conjunction with a pipeline |
JP2009197849A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Mitsubishi Plastics Inc | 断熱被覆管 |
KR101004212B1 (ko) | 2008-08-12 | 2010-12-24 | 황보기철 | 전도성 수용액을 이용한 엑셀파이프 히터 유닛과 이를 이용한 열교환장치 |
FR2984258B1 (fr) * | 2011-12-19 | 2016-08-05 | Valeo Systemes Dessuyage | Dispositif de raccordement electrique et hydraulique pour un systeme d'approvisionnement et/ou de distribution en lave-glace |
JP6945431B2 (ja) * | 2017-12-13 | 2021-10-06 | 株式会社ブリヂストン | 複合管 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53145266U (ja) * | 1977-04-21 | 1978-11-15 | ||
JPS58149692U (ja) * | 1982-03-31 | 1983-10-07 | 古河電気工業株式会社 | 信号線入り断熱管 |
JPS60127198U (ja) * | 1984-01-31 | 1985-08-27 | 古河電気工業株式会社 | 断熱管 |
JPH02132190U (ja) * | 1989-04-06 | 1990-11-02 |
-
2001
- 2001-01-11 JP JP2001003917A patent/JP4667606B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53145266U (ja) * | 1977-04-21 | 1978-11-15 | ||
JPS58149692U (ja) * | 1982-03-31 | 1983-10-07 | 古河電気工業株式会社 | 信号線入り断熱管 |
JPS60127198U (ja) * | 1984-01-31 | 1985-08-27 | 古河電気工業株式会社 | 断熱管 |
JPH02132190U (ja) * | 1989-04-06 | 1990-11-02 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104235522A (zh) * | 2013-06-10 | 2014-12-24 | 哈米尔顿森德斯特兰德公司 | 具有导电涂层的管道 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002206690A (ja) | 2002-07-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1091902B1 (en) | An extendible, coilable member | |
US4874925A (en) | Electrically heated hose assembly for conveying electrically conductive liquids | |
JP4667606B2 (ja) | 流体移送用断熱管の製造方法 | |
JP4956641B2 (ja) | 流体移送用断熱管 | |
EP1483099B1 (en) | Piping element and manufacturing method and apparatus | |
JP2010015691A (ja) | コード状ヒータ | |
JP2004044780A (ja) | 波付けさや管、給水・給湯用配管材及び給水・給湯用配管材の施工方法 | |
JP2005172168A (ja) | 温水循環配管用管セット | |
JP2004244958A (ja) | 凍結防止用流水配管 | |
KR100910308B1 (ko) | 일체형 배관과 이를 제조하는 장치 및 이를 이용한 제조방법 | |
EP3347641B1 (en) | An elongated pre-insulated pipe assembly and a local heat distribution system | |
JP2009030832A (ja) | 温水輸送用の連絡配管 | |
JP3182793U (ja) | 配管用保温材 | |
JP2596522B2 (ja) | カーボン発熱体付き断熱パイプ | |
JP2935014B2 (ja) | 水道管の凍結防止装置 | |
JP6228901B2 (ja) | ワイヤハーネス | |
JP2013167262A (ja) | 温水暖房用配管 | |
JP2009030834A (ja) | 温水輸送用の連絡配管 | |
JPH04228997A (ja) | 断熱管およびその敷設方法 | |
JP2003328402A (ja) | ヒータ挿入ガイド付き管 | |
KR200422326Y1 (ko) | 전선 내장형 주름관 | |
JPH0315915Y2 (ja) | ||
JP2008116023A (ja) | 冷温水ペア管 | |
JP2002340244A (ja) | 凍結防止複合管 | |
KR900000962Y1 (ko) | 단열 피복관 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100329 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100329 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100720 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100811 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110112 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |