本発明を適用する車両として、運搬車を採用し、本発明の伝動装置を適用した場合の、特にはその車両中のレイアウトについて示した様々な運搬車の推奨構成例と実施例として、図1〜図3の第一構成例、図4及び図5の第二構成例、図6及び図7の第三構成例、図8及び図9の第四構成例、図10及び図11の第五構成例を推奨する。
まず、図1〜図11に共通の運搬車の概略構造について説明する。運搬車の本体は、前部フレーム2と後部フレーム1とを前後に連設して構成されている。後部フレーム1は、平面視略直方形の水平状床板と、該床板の前後左右端に立設した鉛直状側板とよりなるものである。該後部フレーム1の上方には荷台3が、好ましくは上下回動可能に配設されており、該後部フレーム1が該荷台3の支持台を兼ねている。
後部フレーム1内に、原動機たるエンジンEが、左右方向にクランク軸を配する様態で配設されており、本構成例では、車両の左側に出力軸100を突設している。エンジンEの後方には、第一車軸駆動装置たる後車軸駆動装置T1を配設しており、その入力軸101を、前記エンジンの出力軸100と平行に、車両左側に突設している。エンジン出力軸100と後車軸駆動装置T1の入力軸101とは、ベルト式無段変速装置(CVT)4にて駆動連結されている。なお、後車軸駆動装置T1は後述の前後進切換機構を内蔵している。
後車軸駆動装置T1は、左右相反方向に延出する左右一対の第一車軸104・104を有しており、それぞれ、該後部フレーム1の左右側板外側に配した各後輪5に駆動連結している。なお、各後輪5にはブレーキ5bが付設されている。各後輪5の中心軸たる車輪軸5aは、該後部フレーム1の左右各側板部に取り付けられて左右外方へと突設した後輪軸受支持部材6を貫通し、該後輪軸受支持部材6内の軸受6aにて軸支されている。後部フレーム1内において、各後輪軸5aの内端及び各車軸104の外端にはスプラインが形成されており、スリーブ状のカップリング108の内周面に、これらと噛合するスプラインが形成されていて、該後輪軸5aの内端と該車軸104の外端とを該カップリング108に相反方向よりスプライン嵌入し(図3参照)、これらを一体回転可能に連結している。なお、左右車軸104・104や左右車輪軸5a・5aは、後車軸駆動装置T1の左右方向における配設位置等を考慮して、それぞれ適宜な長さに設定されており、各構成例では、左右車軸104・104同士を略同じ長さにしつつ後車軸駆動装置T1を車両左方に寄せている関係上、右の後輪軸5aを長くしている。
前部フレーム2の前半部は、その後半部より一段高くして、その下方の略左右中央位置に、第二車軸駆動装置たる前車軸駆動装置T2を配設している。前車軸駆動装置T2は、左右相反方向に延出する左右一対の第二車軸106・106を有しており、それぞれ、該前部フレーム2の前半部の左右各外側にて操舵(左右回動)可能に配した各前輪7の中心軸たる前輪軸7aに対し、ユニバーサルジョイント13及び伝動軸14にて駆動連結している。該前部フレーム2の前半部上にはフロントカバー2aが立設されており、その後端上部が操作・計器盤になっており、その上方に丸形ハンドル8を配設している。前部フレーム2前部左右側端よりそれぞれ外側方にステー2cが突設されており、各ステー2cより各前輪軸7aに対し、それぞれ、コイルバネやショックアブソーバ等で構成される通例のサスペンション機構107を延設して、両前輪7を懸架している。
前部フレーム2の後半部たる該フロントカバー2a後端より後方の部分上には、踏板を敷設して、水平面状のプラットフォーム2bを形成している(但し、図4及び図5に示す第二構成例では、その下方に後記伝動系を配設した部分に傾斜部を構成している)。該プラットフォーム2bは、図2にてよくわかるように、左右両外側に延出している。該前部フレーム2aの後端(後部フレーム1及び荷台3直前)上方には、運転席9を立設しており、その左右及び前方にて、該プラットフォーム2bが広がっている。
後車軸駆動装置T1の構造について、特には図3を参照しながら説明する。後車軸駆動装置T1のハウジング20は、その下端が、後部フレーム1の床面に対し、ボルトにて締止されることで、車両内に固定されている。該ハウジング20内において、その上部に前記入力軸101を、下部に前記の左右車軸104・104を、該入力軸101と該車軸104・104との間の高さに中間伝動軸102を、それぞれ左右延伸状に軸支している。
該ハウジング20内においては、該入力軸101上に、クラッチギア21とクラッチスプロケット22とを左右振り分け状に遊嵌しており、該ギア21とスプロケット22との間にて、該入力軸101にクラッチスライダ23が軸心方向に摺動可能に設けられており、該ギア21・スプロケット22のうちいずれかにクラッチ嵌合して、それを該入力軸101に一体回転可能に係合する。なお、ギア21・スプロケット22のいずれとも離間させて、車軸104・104に動力を伝達しない状態(中立状態)にすることもできる。このクラッチスライダ23の軸方向の位置決めは、前記のフロントカバー2a後端や運転席8側方等に設けた前進・後進・中立選択用の操作具(スイッチやレバー等)の操作によりなされる。
該入力軸101下方の該中間伝動軸102上には、ギア24とスプロケット26が固設されており、該ギア24は該クラッチギア21と常時噛合し、該スプロケット26は、チェーン25を介して該クラッチスプロケット22に駆動連結されている。ギア21・24に動力が伝達される場合は、中間伝動軸102が入力軸101とは逆に、スプロケット22・26及びチェーン25に動力が伝達される場合は、中間伝動軸102は入力軸101と同一方向に回転することとなる。こうして、ギア21・22よりなる駆動列と、スプロケット22・26及びチェーン25よりなる駆動列とを、一方は前進用駆動列、他方は後進用駆動列として提供する機械式の前後進切換機構を、該入力軸101と伝動中間軸102との間に構成しているのである。
該ギア24とスプロケット26との間にて、該中間伝動軸102上にファイナルピニオン27が形成されており、該中間伝動軸102下方の左右車軸104・104間に設けたデフギア機構のブルギア28が噛合している。ブルギア28内には、車軸104・104の内端同士の間にて、該車軸104の軸心と直角方向(ブルギア28の直径方向)にデフピニオン軸29が軸支され、該デフピニオン軸29上に対称状の一対のデフピニオン30・30が設けられている。ブルギア28を挟んで左右に分割されたデフケース31・31が設けられており、それぞれ、内端をブルギア28の左右各面に固着し、その外端は、ハウジング20の左右各側に設けた軸受33にて、該車軸104とともに軸受けされている。各デフケース31内にて、各車軸104の内端に固設したデフサイドギア32が配設され、それぞれ、前記両デフピニオン30・30に噛合している。さらに、左右いずれかのデフケース31(各構成例では、左のデフケース31)上にデフロック部材34を軸心方向に摺動自在に設けており、そのデフケース31内に配設したデフサイドギア32に係合することで、デフロックするものとしている。
前車軸駆動装置T2の共通構造としては、前記車軸106・106同士をデフギア機構41にて差動連結し、該デフギア機構41への伝動のため、本発明に係る伝動装置より動力を入力する入力軸105を具備しているが、後述の如く、後車軸駆動装置T1から前車軸駆動装置T2への動力伝達を、ベベルギア・伝動軸を用いるか、チェーン・スプロケットを用いるか等によって、その入力部の構造(入力軸105の向き)、該入力軸とデフギア機構との間の駆動列構造、また、ハウジングの形状等が異なるので、これら異なるものについては各構成例にて説明する。
なお、いずれにしても、該前車軸駆動装置T2は、該後車軸駆動装置T1からの動力を受ける入力部と、該デフギア機構41との間に、クラッチ(図2等のクラッチ44或いは図9等のクラッチ88)を設けており、そのクラッチを入れることにより、前輪7を後輪5に対し同期駆動させる四輪駆動モード(後述の図6及び図7に示す第三構成例や図10及び図11に示す第五構成例のように中間輪10を設ける場合は、六輪駆動モード)となり、クラッチを切れば、後輪5のみ(該第三・第五構成例の場合はさらに中間輪10)をエンジン動力にて駆動し、前輪7は遊転させる二輪駆動モード(該中間輪10を設けた構成例では、四輪駆動モード)となる。なお、このようなクラッチは、前車軸駆動装置T2より伝動上手側の、後述する伝動装置のいずれかの部位に設けても良いが、後述の各構成例のように操縦者に近い前車軸駆動装置T2の方に設けた方がその操作レバー(図示せず)とクラッチとをつなぐリンク機構を簡単に構成できる利点がある。
後車軸駆動装置T1から前車軸駆動装置T2へと動力伝達を行う伝動装置のうち、図1〜11に示した第一〜第五構成例に共通の構造について説明する。
後車軸駆動装置T1は、その中間伝動軸102の一端(右端)を、PTO軸としてハウジング20のすぐ右外側(CVT4に駆動連結する入力軸101と左右反対側)に突出している(以下の本伝動装置の説明においては、前記中間伝動軸102をPTO軸102と称する)。該伝動装置は、該PTO軸102に駆動連結される伝動始端部から、前記後車軸駆動装置T2の入力軸105に駆動連結される伝動終端部まで、動力を伝達すべく構成されているものである。該伝動始端部の筐体は、後部フレーム1を構成する左右両側板部のうちの右側板部(各構成例では、後車軸駆動装置T1やエンジンEを介してCVT4とは左右反対側の右側板部)に、後車軸駆動装置T1のハウジング20から離れて取り付けられている。
こうして、後車軸駆動装置T1のPTO軸より後車軸駆動装置T2の入力軸へと動力を伝達する伝動装置の伝動始端部の筐体を、該後車軸駆動装置T2のハウジング20とは別体にして、エンジンEより左右一側(各構成例では右側)にオフセットすることで、エンジンEの後方に配設される後車軸駆動装置T1については、前車軸駆動のための改良は、中間伝動軸102をPTO軸として突出させるだけですむ。そして、該伝動始端部から延出する部分を、エンジンEの右側に通過させて、該エンジンEとの干渉を回避できる。
PTO軸102と前記伝動始端部との駆動連結の好ましい様態として、図3で特に示すように、このPTO軸102より右方に、該伝動装置の入力軸103を、略同一軸心上に配設しており、両軸102・103同士をフレキシブルカップリング110にて駆動連結している。フレキシブルカップリング110は、内部に弾性部材を具備して、略同一軸心上に配した二軸間の芯ずれを許容した状態で相互連結する。即ち、後車軸駆動装置T1と伝動始端部の筐体とをそれぞれ後部フレーム1に取り付ける際にPTO軸と入力軸103を高精度に芯合わせをする工程を不要とする。また、PTO軸102には、CVT4を介して後車軸駆動装置T1に伝播するエンジン振動が伝わるがフレキシブルカップリング110がそれを吸収するので伝動装置における騒音発生が抑制される。
前記伝動始端部から伝動終端部まで伝動装置を構成するにおいて、前部フレーム2の通過部分は、前部フレーム2上のプラットフォーム2b上方にて運転部を広く確保すると共に操縦者の乗降を用意にするべく、できるだけ低くしたい。つまり、該伝動終端部はプラットフォーム2bより低くすることが望まれる。その一方、該伝動始端部については、PTO軸102を後輪5用の車軸104よりも高く配置する等のことにより、どうしてもプラットフォーム2bよりは高位にせざるを得ない。
そこで、図4及び図5に示す第二構成例を除く、第一、第三〜第五構成例における伝動装置は、プラットフォーム2bの直後にて、前記伝動終端部と略同じ高さの伝動方向変換部を構成し、該伝動方向変換部から該伝動終端部までの部分を、プラットフォーム下方にて略水平に延設している。そして、前記伝動始端部から該伝動方向変換部までの部分は、側面視で上下傾斜状にしている。
また、前記の如く、該伝動装置において、前記伝動始端部は、左右方向ではエンジンEの右側にオフセットされており、該伝動始端部から該伝動方向変換部までの上下傾斜状の部分をエンジンEの右側にオフセット配置して、該エンジンEとの干渉を回避している。一方、第二車軸駆動装置T2は、そのデフギア機構41を機体左右の略中央に配置する必要があり、その入力部はどうしても、平面視でエンジンEを通過する機体前後方向線上に配置せざるを得ないが、前記伝動方向変換部を該エンジンEよりも前方に配置することで、該伝動方向変換部より該伝動終端部までの部分を、エンジンEとの干渉なく左右傾斜状に延設しているのである。
次に、図1〜11の第一〜第五各構成例について、それぞれの後車軸駆動装置T1から前車軸駆動装置T2までの伝動系構造を中心に説明する。まず、図1〜図3に示す伝動装置の第一構成例においては、前記伝動始端部の筐体として、ベベルギアボックス51が、図3に示すように、後部フレーム1の右側板部に防振ゴム52を介して取り付けられており、ベベルギアボックス51の歯車噛合に起因する振動が後部フレーム1、即ち機体フレームに対し直接的に伝わらないようにしている。該ベベルギアボックス51は、該後部フレーム1の右側板部内面より機体内側(左方)に向かって延出されている。
ベベルギアボックス51内には、前記の如く左右延伸状に配された入力軸103が該ベベルギアボックス51の左端より突入されており、その端部にはベベルギア53を固設している。また、該ベベルギアボックス51の前端より前方に、即ち、該ベベルギアボックス51の取り付けられた後部フレーム1の右側板部と平行状に、出力軸55を突出しており、該ベベルギアボックス51内にて、該出力軸55の後端にベベルギア54を固設して、該ベベルギア53と噛合させ、前記伝動始端部を構成している。
該出力軸55は、図2に示すように、平面視では機体前後方向に、即ち、該入力軸103と直角方向に延伸しているものの、側面視では、図1に示すように、前下方に傾斜している。該出力軸55の前端からは、同一軸芯上に前輪駆動用第一伝動軸111を前下方傾斜状(平面視で前後方向)に延伸しており、該出力軸55と該伝動軸111との駆動連結は、前記の車軸104と後輪軸5aとを駆動連結したカップリング108と同様のスリーブ状のカップリング109を介してのスプライン嵌合による。
該後部フレーム1の前端付近における右側板部内面に、好ましくは前記のベベルギアボックス51を取り付けた場合と同様に防振ゴムを介して取り付けられたピローブロック56に、該伝動軸111の前端部が貫通・軸受けされており、該ピローブロック56よりさらに前下方に該伝動軸111の前端を突出させている。該ピローブロック56の直前にて、前車軸駆動装置T2の入力部まで延設される前輪駆動用第二伝動軸112の後端部と、該伝動軸111の前端部とが、本構成例での前記伝動方向変換部たるユニバーサルジョイント113にて連結されている。
後車軸駆動装置T1からのPTO軸102の外端が該ハウジング20のすぐ右側に位置して、機体の略左右中央にあり、その前方にはエンジンEが存在するが、ベベルギアボックス51は、前記の如く後部フレーム1の右側板部に添設されているので、そこから前記ユニバーサルジョイント113に向けて前方に延設される出力軸55及び第一伝動軸111は、平面視で前後方向に延伸しつつエンジンEから右側にオフセット配置される。
前車軸駆動装置T2は、機体左右略中央部にて前記デフギア機構41を内設するハウジング40を具備しており、該ハウジング40の後端を後方に突出させて、この後方突出部40a内に前後方向の入力軸105を軸支しており、その後端をハウジング40後端より突出させ、ユニバーサルジョイント115を介して前記第二伝動軸112の前端部に駆動連結して、前記伝動終端部を構成している。なお、二輪/四輪駆動切換え用のクラッチ44は、この入力軸105途中に介設している。入力軸105の前端にはベベルギア43を固設し、デフギア機構41のブルギア42をベベルギアとして、該ベベルギア43と噛合している。
第二伝動軸112は、前部フレーム2内の、前記プラットフォーム2b直下にて延伸されている。両ユニバーサルジョイント113・115を略同一高さとしているので、該伝動軸112は略水平に延伸され、プラットフォーム2bを低く水平に確保できるのである。
また、平面視では、前記ユニバーサルジョイント113より、機体左右略中央に配した前車軸駆動装置T2の入力軸105まで、第二伝動軸112は左右傾斜状になっている。しかし、入力軸105を機体左右中央から前記伝動軸111の配置された右方に寄せるようにハウジング40の後方延出部40aを形成することにより、該入力軸105に対する伝動軸112の傾斜度合いを抑制し、機械的な伝動効率を上げている。
次に、図4及び図5に示す伝動装置の第二構成例について説明する。なお、特に説明のない限り、第一構成例と同じ構成となっており、図4及び図5において第一構成例と同一の符号を付した部材は、同一の部材または同一の機能の部材であることを意味する。
本構成例の伝動装置では、機体の後部右端近傍に配した伝動始端部から左右略中央に後部車軸駆動装置T2(第一構成例のものと同一構造及び配置)の入力部への伝動終端部まで、左下に傾斜延伸した一直線状の伝動軸121、122により構成している。即ち、前記のユニバーサルジョイント113に相当するような、後部車軸駆動装置T2の入力部との第二駆動連結部と略同一高さの伝動方向変換部を設けていない。プラットフォーム2b下方の伝動系部分も傾斜状になるため、プラットフォーム2bに傾斜部を設ける等、運転部のスペースを削減して該伝動系部分の配設スペースを確保しなければならず、また、エンジンEの右側における伝動系部部分の配設スペースについても左右幅を拡張しなければならないが、伝動始端部から伝動終端部までの機械的な伝動効率は向上する。
このような伝動装置に好適な伝動始端部の筐体として、ベベルギアボックス51に代わるベベルギアボックス61を、好ましくは防振ゴムを介して後部フレーム1の右側板部の内面に取り付けている。該ベベルギアボックス61には、第一構成例と同様にPTO軸102と駆動連結した左右延伸状の入力軸103を左方より突入させ、その右端にベベルギア62を固設しているが、出力軸としての第一伝動軸121を軸支し突出させる前端軸受部を左下方に傾斜状に向け、該ベベルギアボックス61内にて、第一伝動軸121の後端に、ベベルギア62と噛合するベベルギア63を固設している。即ち、前述のベベルギアボックス51は、平面視で互いに直角状に配された入力軸103と出力軸55(第一伝動軸111)をベベルギア噛合させるのに好適であるが、この構成例におけるベベルギアボックス61は、平面視で直角よりもやや小さい(即ち鋭角状の)夾角に入力軸103と出力軸(第一伝動軸)121とをベベルギア噛合させるのに好適のものである。
前車軸駆動装置T2の入力軸105と駆動連結される伝動終端部は、第一構成例と同様にユニバーサルジョイント115で構成しており、該ベベルギアボックス61から該ユニバーサルジョイント115まで、一本の伝動軸121を介設してもよいが、好ましくは、図4及び図5に示す如く、ベベルギアボックス61から延出される第一伝動軸121と、該ユニバーサルジョイント115に連結される第二伝動軸122とを、同一軸芯上に配設して、前記同様のスリーブ状のカップリング109により両軸121・122をスプライン嵌合にて一体回転可能に駆動連結する。
そして、好ましくは両軸121・122の連結部近傍にて、該第一伝動軸121(第二伝動軸122でもよい)を、後部フレーム1の床面より立設したピローブロック64により支持している。
なお、第一構成例のものと同じハウジング40を有する前車軸駆動装置T2を使用しているので、その入力軸支持部40aが車体左右中央よりは右寄りになっており、伝動軸121・122の左右傾斜角度が幾分にか小さくなるので、エンジンE右側における第一伝動軸121の配設スペースの左右幅も幾分にか抑えられる。
次に、図6及び図7に示す伝動装置の第三構成例について説明する。本構成例の運搬車は六輪となっており、後部フレーム1の左右各外側に、各後輪5の前方にて中間輪10を配設している。各中間輪10の中心軸たる第三車軸131の駆動力は、第一構成例におけるベベルギア式伝動系を改良して、該伝動系の途中より取り出している。各車軸131は、前記軸受支持部材6と同様に後部フレーム1の左右各外側面に固設した軸受支持部材11にて軸支されている。
本構成例において動力取出し装置を構成する伝動ハウジング71が、好ましくは防振ゴムを介して後部フレーム1の右側板部の内面に取り付けられている。該伝動ハウジング71には、平面視略前後方向で前下方傾斜状の伝動軸132を収納しており、その後端にベベルギア54を固設して、該伝動ハウジング71の後部に左方より突入された入力軸103に固設されたベベルギア53と噛合している。該伝動ハウジング71の前部は、好ましくはエンジンEの前方にて、左右両車軸131同士を差動連結するデフギア機構72を収納している。
なお、デフギア機構72が車体右端近傍に位置することに鑑みて、左車軸131を右車軸131よりも長い一本の軸にて左中間輪10まで延設してもよいし、途中で分割して、前記のスリーブ状のカップリング108と同様のカップリングにてスプライン嵌合で接続してもよい。後述の第五構成例でも同様である。
デフギア機構72のブルギア73はベベルギアとなっており、前記伝動軸132の前端に固設したベベルギア74に噛合するとともに、その前端にて、伝動軸133の後端に固設したベベルギア75に噛合している。該伝動軸133は平面視略前後方向に、該伝動ケース71より前方に延出し、その直前の、伝動方向変換部たるユニバーサルジョイント113に接続されている。該車軸131は該ユニバーサルジョイント113と略同じ高さであり、該伝動軸133を略水平にしている。
なお、伝動ハウジング71に代わって、第一構成例と同様のベベルギアボックス51を伝動系始端部の収納部として設け、これとは別体にデフギア機構72を収納するハウジングを設けてもよい。しかし、本構成例に示すように一体状の伝動ハウジング71を用いれば、その中にともに収納しているベベルギア53・54噛合部及びデフギア機構71を共通の潤滑油で潤滑できる。また、該伝動ハウジング71を伝動軸132の保護カバーとして兼用できる。
本構成例での前車軸駆動装置T2は、ハウジング76において、入力軸105の軸支部76aをデフギア機構41より左右にオフセットせずに、該デフギア機構41の直後より後方に延出しているが、適宜に、第一(第二)構成例で用いた、入力軸105の軸支部をデフギア機構41より左右(右方)にオフセットしたものを用いてもよい。
次に、図8及び図9に示す伝動装置の第四構成例について説明する。本構成例の伝動装置では、伝動始端部の筐体を兼ねたものとして、後部フレーム1の右側板部の内面に沿設した平面視略前後方向で側面視前下方傾斜状の第一チェーンケース81を用いており、該チェーンケース81の後端部に、該後車軸駆動装置T1のPTO軸102より同一軸芯上に延設した入力軸103を突入して、これに、伝動始端部としての始端スプロケット82を固設している。また、伝動方向変換部として、後部フレーム1内のエンジンEの前方に、略左右方向延伸状の中間スプロケット軸142を軸支しており、第一チェーンケース81の前端部に突入し、これに第二スプロケット83を固設している。該第一チェーンケース81内にて、両スプロケット82・83間に、平面視略前後方向で側面視前下方傾斜状のチェーン141が介装されている。
第一チェーンケース81の前端部の右側には、第二チェーンケース84の後端部を配置している。該第二チェーンケース84はプラットフォーム2b下方にて平面視略前後方向で水平状に前方に延設され、その前端を、本構成例での前車軸駆動装置T2を構成するハウジング87の後部右側板部の内面に固着している。該第二チェーンケース84内に、該中間スプロケット軸142が突入され、該中間スプロケット軸142に第三スプロケット85を固設している。また、本構成例の前車軸駆動装置T2については、入力軸105を略左右延伸状のスプロケット軸として、該中間スプロケット軸142と略同じ高さにて前記の第二チェーンケース84の前端部に左方より突入され、これに、伝動終端部としての終端ベベルギア86を固設している。該第二チェーンケース84内にて、両スプロケット85・86間に、平面視略前後方向で水平状のチェーン143が介装されている。
このように、本構成例で用いたチェーン式伝動装置では、その伝動始端部としてのスプロケット軸103から伝動方向変換部たるスプロケット軸142までの第一伝動系部分と、該伝動方向変換部から伝動終端部としてのスプロケット軸105までの第二伝動系部分とを、平面視で平行状に配設している。第一チェーンケース81は、エンジンEの右側にオフセットされてエンジンEとの干渉を回避しており、第二チェーンケース84の後端はエンジンEの前方に配設され、これもエンジンEとの干渉なく、プラットフォーム2b下方に配設されているのである。
チェーンケース81・84は適宜に後部フレーム1や前部フレーム2等の車体に取り付けられて、好ましくは防振ゴム等にて防振支持されている。
なお、前車軸駆動装置T2のハウジング87内にて、左右延伸状の入力軸105上に平ギア状のクラッチギア89を遊嵌して、平ギア状のデフギア機構41のブルギア90と噛合させており、該入力軸105とクラッチギア89との間に、二輪/四輪駆動切換え用クラッチ88を介設している。
また、中間スプロケット軸142は一本の軸で構成してもよいが、図9に示すように、両チェーンケース81・84間で二分割して、前記同様のスリーブ状のカップリング109によるスプライン嵌合にて駆動連結するものとしてもよい。後述の第五構成例でも同様である。
次に、図10及び図11に示す伝動装置の第五構成例について説明する。本構成例の運搬車は、第三構成例と同じく六輪となっており、後部フレーム1の左右各外側に、各後輪5の前方にて中間輪10を配設している。各中間輪10の中心軸たる第三車軸131の駆動力は、第四構成例におけるチェーン式伝動系を改良して、該伝動系の途中より取り出している。各車軸131は、前記軸受支持部材6と同様に後部フレーム1の左右各外側面に固設した軸受支持部材11にて軸支されている。
本実施例において伝動始端部の筐体を兼ねる第一チェーンケース91が、好ましくは防振ゴムを介して後部フレーム1の右側板部の内面に取り付けられている。該チェーンケース91の後端部に入軸されたPTO入力軸103には始端スプロケット82が固設され、該チェーンケース91の後端部には、第四構成例と同様に中間スプロケット軸142が入軸され、これにスプロケット83が固設されている。該第一チェーンケース91前端部の左側より前車軸駆動装置T2のハウジング87の後部右側まで、第二チェーンケース84を略前後方向水平に延設する構成は、第四構成例と同様であり、該第二チェーンケース84の内部構造及びハウジング87内に構成した前車軸駆動装置T2の構造も、第四構成例のものと同様である。
第一チェーンケース91内において、該スプロケット軸142の直後に、車軸131同士を差動連結するデフギア機構92が配設されており、該デフギア機構92の入力スプロケット93を一方の(右)車軸131上に遊嵌し、出力スプロケット94を他方の(左)車軸131上に遊嵌して、該スプロケット82・93間にチェーン144を、スプロケット94・83間にチェーン145を介装している。チェーン144・145は、互いに平行に、平面視略前後方向に延伸されており、車軸131とスプロケット軸142とを略同じ高さにして、両軸131・142間に介装されるチェーン145は略水平に、該車軸131とそれより高位にあるスプロケット軸103との間に介装されるチェーン144は前下方傾斜状に配置されている。
なお、第四構成例でも第五構成例でも、スプロケット82・83・85・86は全て同径にしているが、第五構成例のデフギア機構92の両スプロケット93・94はスプロケット82・83・85・86より大きくし、PTO入力軸103(中間伝動軸102)と車軸131との間の減速比を、後車軸駆動装置T1における中間伝動軸102・車軸104間の減速比、及び前車軸駆動装置T2における入力軸105・車軸106間における減速比に合わせている。
後車軸駆動装置T1より前車軸駆動装置T2までの伝動装置に関する様々な構成例については以上であり、次に、後車軸駆動装置T1のPTO軸102と該伝動装置の伝動始端部との駆動連結の変容例、また、該伝動始端部の筐体の変容例について、図12〜図17にて説明する。なお、これらは、第一構成例に示した、平面視直角方向に噛合するベベルギア53・54を有するベベルギアボックス51の変容例として図示されているが、第二構成例〜第五構成例の各伝動装置における伝動始端部についても応用できるものである。また、図1〜3で示した部材と同じ部材については、同一の符号を付している。
図12に示すベベルギアボックス51の左端には、出力軸55とベベルギア53・54を介してギア噛合する左右延伸状の入力軸150が軸支されており、この入力軸150はPTO軸102と同一軸芯上にあって、両軸150・102間に伝動軸151を同一軸芯上に介設し、その両端を、各軸150・102に対し、前記カップリング109の如きスリーブ状のカップリング152内のスプラインを介して係合している。
カップリング152内に刻設するスプラインのバックラッシを大きく取れば、各カップリング152内において、軸150・151間、また、軸102・151間における芯ずれが許容され、前述のフレキシブルカップリング110を使用する必要が無く安価に製作できる。また、防振ゴム52により、ベベルギアボックス51から前記後部フレーム1への振動の伝播を減衰している。
図13に示すベベルギアボックス51は、図12に示すベベルギアボックス51の底面後輪軸受支持部材6の上面に対してボルト58・58・・・にて締結したものとなっている。前記出力軸55は前記第一構成例と同様にその前端が斜め下方に向けられるように前記ベベルギアボックス51に支持されている。各ボルト58用の螺子孔は、上方開口状に後輪軸受支持部材6に形設されており、図14にも示すように、ベベルギアボックス51の底面に連なるボス部を形成すると共に該ボス部には、各螺子孔に相対して、各ボルト58を通す長孔51aを形成している。長孔51aの長径は左右方向に延伸しており、これにより、ベベルギアボックス51の後輪軸受支持部材6に対する位置決めを容易にし、後部フレーム1に後輪軸受支持部材6を搭載する際にベベルギアボックス51もユニットとして一挙に搭載できて後部フレーム1にベベルギアボックス51の取付座を設けることが不要になる。また、長尺な前記伝動軸111を予め後部フレーム1に支持させておき、最後に前記出力軸55を連結するといった組立が行なえ、その場合の前記伝動軸111と前記出力軸55との芯合わせをしやすくしている。
図15の後輪軸受支持部材6は、図13、図14同様にベベルギアボックス51を搭載し、かつ、後部フレーム1には固設させずその代わりに、その内端部を延伸して、後輪車軸駆動装置T1のハウジングに固設している。従って、互いに接続し合った後輪車軸駆動装置T1、ベベルギアボックス55、後輪軸受支持部材6を一つのユニットとして取り扱うことが可能となる。
図16に示す伝動装置の伝動始端部筐体たるベベルギアボックス161は、後部フレーム1の右側板部にボルトにて固設されており、その一部は、右後輪軸5aの軸受を支持する軸受支持部161aを一体形成している。これにより、右後輪軸5aを支持するための軸受支持部材6が不要になり、部品点数やコストの削減に貢献する。また、ベベルギアボックス161と軸受支持部161aの内部空間を相互連通させておけば潤滑油を兼用できる。更には、前記第一構成例で生じていたベベルギアボックス51と右車輪軸受支持部材6との間の上下方向でのデッドスペースもなくすことができる。
しかし、ベベルギアボックス51が後輪軸5aに近づける分、入力軸150の軸芯は、PTO軸102の軸芯からかなり大きく外れてしまう。そこで、該ベベルギアボックス161の左方にて、該PTO軸102と入力軸150との間に、適宜に傾斜状にした伝動軸153を配設し、その両端を、該PTO軸102及び入力軸150に対し、それぞれユニバーサルジョイント154・154にて連結している。
図17に示すベベルギアボックス165は、前方に突出した出力軸55と対向状に、その後端に第二PTO軸166を軸支しており、これにベベルギア167を固設して、入力軸150上のベベルギア53に噛合させている。該第二PTO軸166は、該ベベルギアボックス165より後方に突出し、図1〜11等で開示した運搬車に装着する、播種機などのグランドスピードタイプの作業機等の駆動のためのPTO軸として、適宜に他の駆動軸に接続される。この第二PTO軸166への駆動軸接続のため、後部フレーム1の後端面には開口部1cが設けられており、該第二PTO軸166の不使用時には、該開口部1cを蓋1dにより閉じている。
次に、本発明の伝動装置を適用する運搬車の後輪サスペンションに関する構成例を、図18及び図19にて説明する。なお、これらの図面に開示される後車軸駆動装置T1から前車軸駆動装置T2へと動力を伝達する伝動装置については、図1〜図3の第一構成例を採用しているが、第二構成例〜第五構成例のどの伝動装置を適用してもよい。特に第三構成例や第五構成例に適用すれば、以下に述べる後輪サスペンション構造を、中間輪10にも適用可能である。図1〜図11に示した部材と同一または同一機能の部材には同一符号を付している。
図18及び図19に示す運搬車のフレーム171は、機体前端から後端まで延設されており、その前半部が前記の図1〜図11に示した運搬車における前部フレーム2に該当する部分であって、その上にフロントカバー2aやプラットフォーム2bを前記同様に構成している。また、荷台3を上方に支持するものであって前記の後部フレーム1に該当する基台172を設けている。基台172は水平の床板と、該床板の後端及び左右各端に立設した鉛直状の側板とよりなるものであって、該床板上にエンジンE及び後車軸駆動装置T1を搭載している。前記フレーム171の後半部は該基台172の左右及び後端の側板を囲むように延設されている。
該フレーム171の前端部は、前述の前部フレーム2と同様、プラットフォーム2b下方の部分よりも一段高くしてその下方に前車軸駆動装置T2を配設するものであり、この前端部の左右各側端より外側方にそれぞれステー171aを突設している。また、同様にして、フレーム171の後端部も、その前後途中部より一段高くして、その左右各側端より外側方にそれぞれステー171bを突設している。
本構成例において、図1〜図11の構成例について述べたように、前車軸駆動装置T2は左右一対の第二車軸106・106を有しており、それぞれ、フレーム171前部の左右各外側にて操舵可能に配した各前輪7の前輪軸7aに対し、ユニバーサルジョイント13・13及び上下傾斜可能とした伝動軸14にて駆動連結している。さらに、前記各ステー171aより各後輪軸5aにそれぞれ、コイルバネやショックアブソーバ等で構成される通例のサスペンション機構107を延設して、両前輪7を懸架している。こうして、前輪7・7に対し機体前部を上下動可能に支持している。
各後輪5の後輪軸5aと、後車軸駆動装置T1の各車軸104とは、上下傾斜可能とした伝動軸173及びユニバーサルジョイント174・174を介して連結されて、該後輪5に対し機体後部を上下移動可能にしている。さらに、各後輪軸5aには、前記各ステー171bよりコイルバネやショックアブソーバ等で構成される通例のサスペンション機構175を延設して、両後輪5を懸架している。こうして、悪路走行時の車両の乗り心地を向上させると共に、後輪5・5に対し機体後部を上下動可能に支持している。これにより後車軸駆動装置T1の最低地上高をアップさせることが可能となっている。
次に、図20及び図21に示す運搬車の後輪サスペンションに関する実施例について説明する。なお、図20・21に示す車軸駆動装置T1・T2間の伝動装置は、前記の第一構成例のものであるが、この図20・21の運搬車における後輪サスペンションの実施例については、前記の伝動装置における伝動方向変換部を利用しており、特には該伝動方向変換部をユニバーサルジョイントで構成した前記の第一構成例、また、第三構成例に適用が可能である。なお、チェーン・スプロケットを用いた前記第四・第五構成例でも、伝動方向変換部であるスプロケット軸を中心にチェーンケースを回動可能とするならば、適用が可能である。
この運搬車のフレーム181は、機体前端から後端まで延設されており、その前半部が前記の図1〜図11に示した運搬車における前部フレーム2に該当する部分であって、その上にフロントカバー2aやプラットフォーム2bを前記同様に構成している。また、荷台3を上方に支持するものであって前記の後部フレーム1に該当する基台182を設けている。基台182は水平の床板と、該床板の左右各端に立設した鉛直状の側板とよりなるものであって、該床板上にエンジンE及び後車軸駆動装置T1を搭載している。前記フレーム181の後半部は該基台182の左右側板部分及び後端を囲むように延設されている。
基台182の左右各側板の前端付近には、左右方向の枢支ピン182aが外側方に突設されている。フレーム181は、該枢支ピン182aの左右側方にて略鉛直状に延伸されており、その上端より後方の、基台182を囲む部分を、その下端より前方の、プラットフォーム2b下方に配した部分より一段高くしている。該左右各枢支ピン182aは、このフレーム181左右の上下延伸部に形成した左右ボス部181bにそれぞれ回動自在に嵌入されている。この枢支ピン182a・182aの同一軸芯延長線は、前記の伝動方向変換部に該当するユニバーサルジョイント113の中心を通過する。従って、基台182が枢支ピン182a・182aを中心に上下回動するにおいて、前記伝動装置に関しては、該ユニバーサルジョイント113を中心に、基台182に支持したベベルギアボックス51や第一伝動軸111等が、フレーム181に前車軸駆動装置T2を介して支持されたユニバーサルジョイント115や第二伝動軸112に対して、相対回動が可能となる。
後車軸駆動装置T1のデフギア機構から各後輪6まで、左右車軸104を同一軸芯上に延設しており、各車軸104を軸支する左右各車軸ケース183をハウジング20より左右に延設している。該車軸ケース183はそれぞれ基台182の左右各端より外側に延出されており、フレーム181の後部左右各外側に板バネ(リーフスプリング)184が支持されていて、各車軸ケース183に取り付けられている。こうして、基台182に支持した車軸ケース183、即ち後輪5に対し、板バネ184を介してフレーム181を上下動可能に支持しているのである。なお、板バネに代えて、コイルバネを用いてもよい。
なお、前輪7・7の懸架については図18及び図19に示すものと同様である。即ち、フレーム181の前端部には、前記ステー171a・171a同様の左右一対のステー181a・181aが設けられていて、ここより前輪7・7を支持するコイルバネやショックアブソーバ等で構成される通例のサスペンション機構107を延設している。