JP4648983B1 - 超音波診断・治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】相変化型超音波造影剤と組み合わせて用いる腫瘍の診断・治療統合装置を提供する。
【解決手段】音響キャビテーションによる治療効果の発現およびエコー信号の大きさによる治療効果のリアルタイムでの監視および治療終了を判定する。必要十分な時間のみ超音波を照射し、かつ造影できた部位のみを治療できることから、安全な診断・治療技術を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波診断・治療装置に関し、例えば、相変化型超音波造影剤と超音波を組み合わせて用いる超音波診断・治療装置に関するものである。
X線CT、MRI、超音波診断装置などの画像診断モダリティが医療現場で必須のツールになって久しい。これらは生体内でのCT値、スピン緩和時間、音響インピーダンスの違いをそれぞれ画像化したものであり、これら物理的性質の違いが専ら生体の構造(かたち)を反映することから、「形態イメージング」と呼ばれる。
これに対し、構造的には同じ組織であっても機能的に異なる状態にある部位の画像化を行うものは「機能イメージング」と呼ばれている。この機能イメージングの内、特に分子生物学的情報すなわちタンパクやアミノ酸あるいは核酸などの生体構成分子の存在状態の可視化を行うものが「分子イメージング」と呼ばれることが多い。分子イメージングは発生・分化といった生命現象の解明や疾病の診断・治療への応用が期待されることから、現在最も注目を浴びている研究領域の一つである。なお、分子イメージングでは、生体構成分子に選択性を有する構造を持つ物質である「分子プローブ」を用いることが多く、この場合には分子プローブになんらかの物理的手段で検出可能とする構造を付加し、体内での分子プローブの分布を可視化する。例えば、非特許文献1には、腫瘍をターゲットする際の分子プローブの例が記載されている。ペプチド、抗体などが主な分子プローブである。
このような分子イメージングにほぼ特化したイメージング装置としてPET(Positron Emission Topography)装置および光イメージング装置が挙げられ、前者が臨床上の腫瘍の広がり具合や進行程度(ステージ)の分類を行うためのツールとして、また後者が薬剤開発などで小動物を用いた無侵襲の薬物動態解析ツールとしてそれぞれ広く用いられている。
また、これらの分子イメージングに特化した装置以外に既存の形態イメージングに用いられるMRIや超音波といったモダリティをベースとして、疾病を従来よりも早期に検出・診断するシステムの開発も進みつつある。このうち、超音波を用いるシステムは、1)リアルタイム性に優れる、2)小型であるため手術室内での使用に関する制限が少ない、3)診断のみならず治療用ツールとしての使用も可能、という他のモダリティにない特長を有することから、大型病院以外でも使用可能な、診断・治療統合ツールとして期待されている。
治療用ツールとしての超音波は、患部から離れた部位からの収束超音波の照射による部位選択性により、原理的に侵襲性の極めて低い治療が可能である。特に近年注目されているのが、数秒間の短い時間で対象部位をタンパク変性温度(約65℃)以上に上昇させる加熱凝固治療である。1kW/cm以上の高強度収束超音波(High Intensity Focused Ultrasound (HIFU))を用いる治療ということで、HIFU治療と呼ばれることが多い。このHIFU治療では、超音波の収束性のみで治療部位選択性を得るため、体動などにより照準が狂うと1kW/cm以上という高強度の超音波が治療対象以外に照射され重篤な副作用を生じる可能性がある。
従って、安全性の高い治療のために、超音波の収束以外の部位選択性も併せ持つ治療法が望まれる。超音波以外による選択性を持たせるために薬剤を用いることが検討されているが、特に、超音波造影剤として用いられることの多いマイクロバブルを用いる治療法に関する期待が高まっている。例えば、非特許文献2に示されるように、マイクロバブルが存在すると超音波を照射した際、系における見かけの吸収係数が高くなることがわかってきたからである。目的の部位のみにマイクロバブルを限局させることができれば、この現象を利用して、目的部位のみを選択的に加温できることになる。ただし、マイクロバブルはそのサイズによる制約により、血管中にしか存在できず、組織中の特定の部位に限局させることは困難である。
また、HIFU治療における別な問題点として、超音波を照射し治療を開始してから、温度上昇あるいは気泡発生などの現象が生じて生体に不可逆的な作用を生じるまで装置で設定された焦点と実際の生体中での焦点が同一であるか、或いは外れているのかが分からないということが挙げられる。この問題の解決には可逆的な生体作用しか生じない非破壊的な強度域の超音波照射により焦点を知る手法が必要となる。ただし、組織がほぼ均質という条件では非破壊的な強度域に収まっている診断用超音波照射によっても目的を達することができるが、不均一性の高い体内で焦点を同定することは困難である。
さらに、HIFU治療においては、一回の超音波照射で対応可能な領域が数ミリ立方メートルと小さいため、焦点を移動して何箇所も照射することが必要となる。このため、確実かつ短時間で治療を行うには、必要十分な時間超音波を照射したことをモニターできる手法が必要である。しかしながら、HIFU治療の治療機序である加熱凝固は、治療直後には診断画像上明確に判断可能な変化を生じない場合が多い。よって、MRIを用いた温度計測を行い、温度上昇が加熱凝固に十分であることを確認する手法、およびあらかじめ水中などでの計測結果から生体内での超音波減衰などを考慮して必要な強度・時間などを計算しておき、その決め打ちされた値を治療に用いるという手法が用いられている。
また、マイクロバブルが関与する超音波生体作用として(音響)キャビテーションによる作用が挙げられる。キャビテーションは、元来は、超音波により気泡核が生成しその気泡が成長し圧縮破壊するという現象である。系にマイクロバブルが存在することは、キャビテーション過程の途中における気泡が成長した段階に相当し、その状態で超音波を照射することでキャビテーションの生成に必要な核生成というひとつのステップを省略することができる。このため、マイクロバブルが存在することにより、例えば非特許文献3に示されるように、キャビテーションを生じるのに必要な音響強度が低下することが知られている。キャビテーションが生じると、最後の気泡の圧縮破壊の段階において数千度の高温と数百気圧の高圧が発生し、それらにより直接、或いは、例えば特許文献1に示されるような音響化学活性物質と呼ばれる化学物質により生体作用特にキャビテーションが生成した部位における細胞死・組織破壊が生じることが知られている。
一方、例えば非特許文献4に示されるような、生体投与時はナノサイズの液滴であって、超音波照射によって相変化を生じてマイクロバブルを生成する相変化型薬剤(相変化ナノ液滴)を造影剤およびHIFU用治療増感剤として用いることが検討されている。ナノサイズの液滴であれば、腫瘍などの組織中に移行させることが可能であり、また、上で述べた分子プローブを付加するという分子イメージングの手法を用いることで、組織選択性を持たせることが可能である。このような相変化型の造影剤を用いることにより、組織選択性の高い超音波造影が可能になる。相変化ナノ液滴は、相変化後はマイクロバブルを形成するため、上述のごとくHIFUの増感剤としての適用が可能となる。特に、相変化前にそのサイズが小さいことから直接マイクロバブルを投与するよりも広い範囲に分布し、特に血管から漏出して腫瘍組織へ到達することが期待される。
WO98/01131号公報
Allen(2002)Nature Rev.Cancer 2:750-763 Holtら(2001)Ultrasound Med.Biol. 27:1399-1412 Hollandら(1990)J.Acoust.Soc.Am. 88:2059-2069 Kawabataら(2004)Proc.4th Intern. Symp. Ultrasound Contrast Img.92
上述したように、HIFU治療は、それにより原理的には部位選択的な腫瘍治療が可能である。しかしながら、HIFU治療には、治療に要する時間が長く掛かってしまい、不可逆的な生体作用を生じない超音波条件で治療用超音波の焦点が同定できず、また、治療用超音波照射中に必要十分な量の超音波照射がされたかどうかを調べる手段がないといった問題点がある。このため、その原理的優位性が発揮できない状況にある。
また、相変化ナノ液滴を用いるHIFU治療によれば、治療に要する時間および不可逆的な生体作用を生じない超音波条件での治療用超音波の焦点の同定といった課題については解決可能であったが、治療用超音波照射中に必要十分な量の超音波照射がされたかどうかが明らかにできないという課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、相変化型超音波造影剤を用いた場合に、安全に、かつ確実に診断治療を行うことのできる超音波診断・治療装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、即ち、必要十分な量の治療用超音波照射が行われたどうかを判断できる手法を実現するため、本発明者らは、治療の開始を相変化ナノ液滴の相変化によるマイクロバブルを検出し、さらにこのマイクロバブルを用いたキャビテーションの生体効果を治療機序とする治療を行うことで生じる治療部位の組織断片化を検出するという手法を着想した。
従来のHIFU治療においては、組織の温度を上昇させ加熱凝固壊死を生じさせて治療効果を得るという機序を用いるが、キャビテーションによる生体効果はより機械的な作用であり細胞膜等の生体構成要素をせん断力により破壊するものである。単にせん断力のみで治療効果を得ようとすると腫瘍を体の他の部位に飛散させる可能性があり転移の可能性があることから、このせん断力の効果が及ぶ範囲のさらに外側を加熱凝固させ治療部位を封じ込める必要がある。
発明者らは、様々な実験を行い、相変化ナノ液滴と超音波との組み合わせにより目的部位をキャビテーションのせん断力で破壊し、さらに破壊した外側を加熱凝固作用で壊死させることができること、および相変化によるマイクロバブルの生成時ならびにせん断力による組織破壊時に組織の超音波画像上特徴的な変化が現れることを発見し、本発明に至った。
すなわち、本発明における診断・治療用装置においては、予め設定された周波数の相変化用超音波を、予め設定された対象領域に照射し、相変化によるマイクロバブルの生成を超音波診断画像上にて確認する。また、相変化によるマイクロバブルの生成を確認した後に、相変化の生じた部位に治療用の超音波を照射し、治療中の超音波診断装置からの情報によりマイクロバブル生成部位からのエコー信号が小さくなったことを検出して、その治療部位への超音波照射を終了する。さらに、マイクロバブル生成部位からのエコー信号が小さくなったことを検出するだけでなく、マイクロバブルが生成した部位の辺縁(治療部位の周辺部(外郭部))のエコー信号が大きくなったことを検出することにより、治療終了の判定をしてもよい。
また、マイクロバブル生成部位からのエコー信号の低下あるいはマイクロバブル生成部辺縁からのエコー信号の上昇を画面上に表示してもよい。さらに、本発明における診断・治療用装置においては、超音波を照射する範囲をあらかじめ設定し、さらのその設定された範囲に超音波照射を行った後に、予め設定された時間の超音波照射を行ってマイクロバブル生成部からのエコー信号の低下あるいはそれに加えてマイクロバブル生成部辺縁からのエコー信号の上昇が見られたか否かを表示するようにしても良い。
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
本発明によれば、相変化型超音波造影剤と組み合わせ必要とされる超音波照射時間を必要最低限度に留めつつ診断・治療を行うことができ、これらの効果により安全な診断・治療技術を提供することができる。
本発明の実施形態による超音波診断・治療装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態による超音波診断・治療装置における、ユーザが治療部位(箇所)を設定した場合の処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態による超音波診断・治療装置における、ユーザが治療部位(箇所)を設定し、かつ厳密に治療終了を判定する処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態による超音波診断・治療装置における、ユーザが治療範囲を設定した場合の処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態による超音波診断・治療装置における、ユーザが治療範囲を設定し、かつ厳密に治療終了を判定する処理を説明するためのフローチャートである。 水中での超音波照射によるキャビテーション生成とエコー信号強度の関係を調べるための実験(実験例1)で用いた実験系の装置構成例を示す図である。 実験例1の結果を示す図である。 マウス腫瘍を用いた実験例2の装置構成例を示す図である。 実験例2の結果として腫瘍の超音波診断画像を示す図である。 実験例2の結果としてエコー信号の時間変化を示す図である。 実験例3の結果として腫瘍の増殖曲線を示す図である。
本発明は、相変化型薬剤(相変化ナノ液滴)下で低周波の治療用超音波を治療対象に照射して加熱作用或いはキャビテーション作用を起こし、照射時のエコー信号が所定値よりも低下した場合に、治療が完了したと判断して治療用超音波の照射を停止する超音波診断・治療装置に関するものである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。
<超音波診断・治療装置の構成>
図1は、本発明の実施形態による超音波診断・治療装置の概略構成を示す図である。図1において、超音波診断・治療装置は、治療対象(部位)16に対し音響カップリング材17を通して配置された、相変化用超音波を治療対象16に照射するための相変化用超音波送信部18と、治療対象16に対して相変化検出用超音波を照射し、治療対象16から反射してきた相変化検出用超音波を受信する相変化検出用超音波送受信部19と、治療用超音波を治療対象16に照射するための治療用超音波送信部20と、相変化用超音波の照射を制御するための相変化用超音波制御部21と、相変化検出用超音波の照射を制御するための相変化検出用超音波制御部22と、治療用超音波の照射を制御するための治療用超音波制御部23と、相変化に伴う変化を定量化するための相変化定量用信号処理部24と、治療の様子をモニタリングするための治療効果モニタリング用信号処理部25と、装置全体の制御を実行する統合制御部26と、治療の様子を表示部に表示するために必要な所定の画像処理を実行するための画像処理部27と、情報の入力及び出力(表示)をするための入力・表示部28と、を備えている。
相変化用超音波送信部18は、i)0.5〜2.5MHzの範囲から選ばれた単一周波数の超音波、或いはii)0.5〜1.25MHzの範囲から選ばれた基本となる周波数、及び該基本となる周波数の倍の周波数であって、音響強度が体内換算で5kW/cm2の以下の超音波、を照射できるように構成されている。また、相変化検出用超音波送受信部19は、通常の超音波診断装置で用いることのできる、概ね2〜10MHz程度の周波数および時間平均強度0.72W/cm以下の超音波を送信し、治療対象16から反射してきた超音波を受信できるように構成されている。
治療用超音波送信部20は、超音波の加熱作用あるいはキャビテーション作用により治療を行うための、i)0.5〜2.5MHzの範囲から選ばれた単一周波数の超音波、或いは、ii)0.5〜1.25MHzの範囲から選ばれた基本となる周波数及び該基本となる周波数の倍の周波数の超音波、を照射できるように構成されている。また、その音響強度は、1〜10kW/cmの範囲から選択された任意の値とすることができるようになっている。
相変化検出用超音波送受信部19が、相変化用超音波送信部18からの超音波照射により生じた、治療部位16における相変化型超音波造影剤の相変化を検出し、相変化定量用信号処理部24が、造影剤が治療部位に存在することを画像処理により確認した後、治療用超音波送信部20からの超音波照射が可能となるように装置は制御される。相変化定量用信号処理部24は、造影剤の相変化に伴う超音波エコー信号(相変化検出用超音波を含む信号)の強度や周波数成分などの変化を定量化するための画像処理を行えるよう構成されている。この定量化を実行するためには、相変化用超音波照射前の超音波エコー信号を保持するための相変化前信号記録部と相変化用超音波照射中あるいは照射後の超音波エコー信号を保持するための相変化後信号記録部と、各記録部に保持した信号同士の特定の周波数成分の差分を求める演算部と、を設けるようにすれば良い。特に、相変化用超音波照射前と照射中、或いは照射後の相変化検出用超音波の中心周波数の偶数高調波成分同士を比較することが望ましい。
治療効果モニタリング用信号処理部25は、治療用超音波送信部20から治療用超音波を照射中の相変化検出用超音波送受信部19からの信号を記録し、相変化が生じた部位の時間的な信号の減少および相変化が生じた部位の辺縁部位の信号の増加を記録する。
<超音波診断・治療装置の処理内容>
本実施形態の超音波診断・治療装置によれば、超音波照射時間を必要最低限度に抑えつつ治療部位の確認を行い、治療を行うことが可能である。例えば、以下に示すような処理を実行することができる。
1)ユーザが治療部位(箇所)を設定する場合の処理
図2は、治療領域が小さいなどユーザが焦点の場所を個別に指定して治療を行う場合の処理内容を説明するためのフローチャートである。当該フローチャートに相当するプログラムは、図1には図示されていないメモリに格納されている。
まず、入力・表示部28は、ユーザが装置画面上にて設定した治療部位を受け付ける(ステップS201)。また、統合制御部26は、装置画面上の設定部位に基づいて、相変化用超音波送信部18によって相変化を生じさせる部位および相変化用の超音波強度・長さ等の音響条件をあらかじめ登録されたパラメータ、或いはユーザにより入力されたパラメータより設定する(ステップS202)。
次に、統合制御部26は、相変化検出用超音波制御部22を介して相変化検出用超音波送受信部19を制御し、相変化検出用超音波を治療部位に照射し、エコー信号に基づいて相変化前のエコー強度Ipreを取得し、相変化定量用信号処理部24で処理できるよう装置内のメモリ(図示せず)に保存する(ステップS203)。また、統合制御部26は、上記設定内容に基づいて相変化用超音波制御部21を介して相変化用超音波送信部18を制御し、相変化用超音波を治療部位に照射し(ステップS204)、相変化検出用超音波送受信部19を用いて相変化後のエコー強度ICpostを取得する(ステップS205)。
そして、統合制御部26は、治療部位(標的部位)における”ICpost−Ipre”の値が予め設定された相変化閾値Iref(change)よりも大きいか否か判定する(ステップS206)。”ICpost−Ipre”の値がIref(change)よりも小さい場合、統合制御部26は、相変化が生じていないためユーザに異常を通知し、治療をサスペンドする(ステップS207)。
”ICpost−Ipre”の値がIref(change)よりも大きい場合には、統合制御部26は治療用超音波制御部23を介して治療用超音波送信部20を制御し、治療部位16に対して、予め登録されたあるいはユーザにより設定された強度及びパルス長の治療用超音波の照射を開始する(ステップS208)。また、相変化検出用超音波送受信部19は、予め設定された時間間隔毎に焦点領域すなわち相変化を生じた部位のエコー信号強度Ithを取得する(ステップS209)。そして、統合制御部26は、相変化用超音波照射直後のエコー強度(ICpost)からエコー信号強度Ithを減算した値(ICpost−Ith)が予め登録された、或いはユーザが設定した閾値(割合)Iref(th)よりも大きいか否か判断する(ステップS210)。
(ICpost−Ith<Iref(th))場合、統合制御部26は、治療用超音波制御部23を介して治療用超音波送信部20を制御し、治療用超音波の照射を停止する(ステップS211)。そして、統合制御部26は、焦点部位を治療済領域として記録し、画面上他の領域と区別して表示する(ステップS212)。
ICpost−Ith>Iref(th)である場合、統合制御部26は、治療用超音波の照射時間が予め登録された、或いはユーザが設定した最大治療時間Time(th)よりも長い場合には、治療用超音波制御部23を介して治療用超音波送信部20を制御して超音波照射を停止し(ステップS213でYes→S214)、治療が不完全であることを記録し、かつユーザに通知する(ステップS215)。治療用超音波の照射時間が予め登録された、或いはユーザが設定した最大治療時間Time(th)よりも短い場合には(ステップS213でNo)、処理はステップS209に移行する。
2)ユーザが治療部位を設定する場合で特に治療が終了したことを厳密に知る必要がある場合の処理
図3は、ユーザが治療部位を設定する場合で特に治療が終了したことを厳密に知る必要がある場合の処理内容を説明するためのフローチャートである。当該フローチャートに相当するプログラムも、図1には図示されていないメモリに格納されている。
図3に示される処理は、基本的には図2に示される処理と同じであるが、治療用超音波終了条件として、焦点でのICpost−IthとIref(th)の大小判定処理(ステップS310)に加えて、ICpost−Ithと予め設定された治療部位周辺部の閾値Iref(th_lim)の大小判定処理(ステップS311)が追加されている。つまり、ICpost−Ith<Iref(th)(ステップS310でNo)で、かつ、焦点近傍でのICpost−Ith>Iref(th_lim)(ステップS311でYes)を満たす場合に、統合制御部26は、治療用超音波制御部23を介して治療用超音波送信部20を制御し、治療用超音波照射を正常に終了させ(ステップS312)、焦点部位を治療済領域として記録し、画面上他の領域と区別して表示する(ステップS313)。
3)ユーザが治療範囲を設定し、装置にて焦点数および照射順序を算出する場合の処理
図4は、ユーザが治療範囲を設定し、装置にて焦点数および照射順序を算出する場合の処理内容を説明するためのフローチャートである。当該フローチャートに相当するプログラムも、図1には図示されていないメモリに格納されている。
図4に示される処理は、基本的には図2に示される処理と同じであるが、ユーザが直接治療用焦点を設定するのでなく治療領域(範囲)を設定し、その設定と、装置側で予め登録された、或いはユーザが設定したパラメータに基づいて、統合制御部26が領域を完全にカバーするのに最適な焦点の数および焦点の移動の順番を設定し、各焦点毎に治療を行うようにする。また、統合制御部26は、ICpost−IpreがIref(change)より小さい場合には相変化フラグを立て(ステップS407)、治療用超音波をTime(th)より長く照射してもICpost−IthがIref(th)よりも大きい場合には治療不完全フラグを立て(ステップS415)、正常に治療が完了した場合には治療完了フラグを立てる(ステップS412)。そして、統合制御部26は、これらのフラグを用いて、治療範囲内で治療が正常に完了したか否かがユーザにとって明確に区別できるように表示する(ステップS416)。
4)ユーザが治療範囲を設定し、装置にて焦点数および照射順序を算出する場合で特に治療が終了したことを厳密に知る必要がある場合
図5は、ユーザが治療範囲を設定し、装置にて焦点数および照射順序を算出する場合で特に治療が終了したことを厳密に知る必要がある場合の処理を説明するためのフローチャートである。当該フローチャートに相当するプログラムも、図1には図示されていないメモリに格納されている。
図5に示される処理は、基本的には図4に示される処理と同じであるが、治療用超音波終了条件として、焦点でのICpost−IthとIref(th)の大小判定処理(ステップS510)に加えて、ICpost−Ithと予め設定された治療部位周辺部の閾値Iref(th_lim)の大小判定処理(ステップS511)が追加されている。つまり、ICpost−Ith<Iref(th)(ステップS510でNo)で、かつ、焦点近傍でのICpost−Ith>Iref(th_lim)(ステップS511でYes)を満たす場合に、統合制御部26は、治療用超音波制御部23を介して治療用超音波送信部20を制御し、治療用超音波照射を正常に終了させる(ステップS513)。
<実施例>
以下、上述の実施形態に基づいた実験例について具体的に説明する。
1)実験例1:超音波照射による音響キャビテーション生成とエコー信号強度変化との関係(水中)について
図6は、水中で音響キャビテーションが生成する程度と超音波診断装置で観察されるエコー信号強度の変化との関係を調べる際に用いた実験系を示す図である。図6の構成は、図1の構成と相違するが、トランスデューサ7は相変化検出用超音波送受信部19と治療用超音波送信部20を足したものに相当し、相変化観察用超音波診断装置プローブ8は相変化用超音波送信部18に相当する。また、相変化用電気信号及び音響キャビテーション用電気信号発生装置10と増幅器11を足したものが相変化検出用超音波制御部22と治療用超音波制御部23を足したものに相当する。
図6で示されるように、樹脂製水槽1に37℃に設定された脱気水2を満たした状態で、サンプル封入チューブ3に封入したサンプル4は、チューブごとチューブ端固定クリップ5およびサンプル固定具6を用いて水中に固定される。また、サンプル相変化用およびキャビテーション生成(治療)用収束超音波トランスデューサ7は、直径40mmでF数が1であり、1.1MHz周波数の治療用超音波を照射することができるようになっている。
サンプル4は、相変化観察用超音波診断装置プローブ8によりトランスデューサ7の焦点に保持される。超音波診断装置9は、トランスデューサ7を用いてエコー信号(相変化検出用超音波の反射波)を取得しつつ、さらに水中マイクロフォン12によりサンプル4からの音響信号を取得しながら、相変化用電気信号および音響キャビテーション用電気信号発生装置10および増幅器11を用いて超音波トランスデューサ7より相変化用超音波を約1ミリ秒間照射し、続いて音響キャビテーション用超音波を5秒間照射した。相変化用超音波の強度は750W/cmに固定し、音響キャビテーション用超音波(治療用超音波)の強度を0〜600W/cmまで変化させて照射し、音響キャビテーション用超音波照射中5秒間の超音波焦点におけるエコー信号の平均値を超音波照射前の値から引いた値(相対エコー信号変化)および音響キャビテーション照射中5秒間の周波数0.55MHzの信号の平均値(相対分調波強度)を算出し、それぞれ超音波画像上の変化とキャビテーション生成の程度の指標とした。当該実験は相変化ナノ液滴ありなしで行い、相変化ナノ液滴ありについては以下の調製方法により得られた分散液を1/100に希釈して用いた。
続いて、ナノ液滴の調製方法について簡単に説明すると、以下の成分を一緒に添加し、20mlの蒸留水をゆっくり添加しながら、ULTRA−TURRAX T25(Janke&Knukel、Staufen Germany)中にて9500rpmで氷温にて1分間ホモジナイズした。
グリセロール・・・2.0g
α―トコフェロール・・・0.02g
コレステロール・・・0.1g
レシチン・・・1.0g
パーフルオロペンタン・・・0.1g
パーフルオロヘプタン・・・0.1g
ホモジナイズにより得られたエマルションを、Emulsiflex−C5(Avestin、Ottawa Canada)中で20MPaにて高圧乳化処理を2分間行い、0.4ミクロンのメンブレンフィルターによりろ過した。以上の処理によりほぼ透明のミクロエマルションを得た。得られたマイクロエマルションの98%以上が200nm以下の直径を有することがLB−550(堀場製作所、東京)にて確認できた。
図7は、当該実験の結果の一例を示す図である。図7において、横軸が音響キャビテーション生成用超音波強度縦軸左に相対エコー信号強度を示し、縦軸右に相対分調波強度を示している。
図7a)は相変化ナノ液滴が入っていない場合の結果を示し、図7b)は相変化ナノ液滴が入っている場合の結果を示している。また、図7c)は相変化ナノ液滴が入っており、かつ、音響キャビテーション生成用超音波照射時に3倍高調波成分である3.3MHzを2kW/cmの強度で20ms毎に30マイクロ秒照射した場合の結果を示している。いずれにおいても分調波が生成して音響キャビテーションが発生するのとほぼ同時にエコー信号の変化が見られるという結果であり、エコー信号の変化を計測することにより音響キャビテーションの生成を確認することができることが明らかである。なお、治療用超音波周波数を0.5、1.5MHzおよび2.0MHzに変化させた場合にも、同様の結果が確認できた。また、図7b)に比べ図7c)ではより低い超音波強度でエコー信号および分調波強度の上昇が見られ、同様の効果は3倍高調波の強度を1−5kW/cmの範囲、頻度を1−1000ms毎、長さを10−10000マイクロ秒に変化させて実験を行っても同等の効果が得られた。
以上のように、音響キャビテーションの生成が確認できてから実験例2のような実際の腫瘍治療の実験に移行する。
2)実験例2:超音波照射による音響キャビテーション生成とエコー信号強度変化との関係(マウス腫瘍)について
当該実験では、図8に示す実験系を用いて、皮下にColon26実験腫瘍を移植したマウスに相変化ナノ液滴を静脈注射して音響キャビテーションを生成した際の相対エコー信号強度の変化を調べた。基本的には、図6のサンプルを麻酔下のマウス14に変えて試験を行った。
図8中、樹脂製水槽1に37℃に設定された脱気水2を満たした状態で、実験例1と同じ方法で調製された相変化ナノ液滴が0.1ml静脈投与されたマウス14(麻酔下)を、マウス固定具15を用いて水中に固定する。サンプル相変化用およびキャビテーション生成用(治療用)収束超音波トランスデューサ7は直径40mmでF数が1であり、1.1MHz周波数の治療用超音波を照射することができる。マウス14は相変化観察用超音波診断装置プローブ8によりトランスデューサ7の焦点に保持される。超音波診断装置9は、トランスデューサ7を用いてエコー信号(相変化前)を取得しつつ、相変化用電気信号および音響キャビテーション用電気信号発生装置10および増幅器11を用いて超音波トランスデューサ7によって相変化用超音波を約1ミリ秒間照射し、続いて音響キャビテーション用(治療用)超音波を20秒間照射した。相変化用超音波の強度は750W/cmに固定し、音響キャビテーション用超音波の強度は500W/cmとした。超音波照射のエコー信号の平均値を超音波照射前のエコー信号の平均値から引いた値(相対エコー信号変化)を焦点と当該焦点から3ピクセル外れた焦点外郭、および焦点から15ピクセル外れた非焦点についてそれぞれ算出し、超音波画像上の変化の指標とした。
図9及び10は、当該実験の結果の一例を示す図である。図9は本試験例におけるマウス腫瘍の超音波画像であり、相変化用超音波及び音響キャビテーション生成用(治療用)超音波照射前、相変化用超音波照射後、音響キャビテーション生成用超音波照射5秒後、および15秒後の画像をそれぞれ示している。相変化により焦点領域においてマイクロバブルが生成して輝度が高くなり、音響キャビテーション用超音波の照射により輝度変化が持続するものの、15秒後には輝度が落ちていることが分かる。
図10は、図9の結果を得るための基となったエコー信号を時間毎にプロットしたものである。図10からも分かるように、音響キャビテーション用超音波照射後10秒から15秒の間に焦点領域のエコー信号が低下し、かつ焦点外郭の信号が上昇していることが明らかである。超音波照射後の組織観察により、焦点部位では組織破壊(溶解)が進行し、また、焦点外殻では加熱凝固が生じていることが分かった。
この結果より、相変化ナノ液滴と超音波との組み合わせにより音響キャビテーションを生成すると焦点部位では組織破壊(溶解)が進行し、また、焦点外殻では加熱凝固が生じ、それぞれ超音波エコー信号上強度の低下ならびに強度の上昇を生じることが分かった。
3)実験例3:画像モニタリング下の音響キャビテーション生成(マウス腫瘍)について
実験例3では、図8の実験系を用い、実験例2で分かった相変化ナノ液滴共存下での音響キャビテーション生成によるエコー信号上の変化が治療効果に関係しているかどうかを調べている。このために、直径約1cmの腫瘍径に対して超音波の焦点がほぼ全域に当たるよう位置を変化させながら相変化用および音響キャビテーション用超音波を照射し腫瘍径の変化を調べた。
相変化ナノ液滴なしの場合には、一箇所につき超音波を30秒照射した。相変化ナノ液滴を投与させる場合には、各部位で超音波エコー信号が半分以下に低下した時に超音波照射を終了した。超音波エコー信号が半分に低下するのに必要な平均時間は音響キャビテーション用超音波照射後約13分であった。
図11は、実験例3の結果の一例を示す図である。図11において、横軸は超音波照射を行った後の日数を示し、縦軸は回転楕円体を仮定してノギスにて腫瘍径を測定して算出した腫瘍体積を示している。照射時間30秒と長い超音波単独がほとんど対照実験と差が見られないのに対し、10秒照射の相変化ナノ液滴投与群では優位に腫瘍体積の抑制効果が見られている。この結果より、相変化ナノ液滴共存下で音響キャビテーションを生成し、照射時のエコー信号が低下した時点で治療を終了することで治療に必要十分な超音波照射が行えることが明らかになった。
なお、治療用超音波周波数を0.5、1.5、および2.0MHzに変化させた場合にも同様の結果が確認できた。これらの検討結果より、相変化ナノ液滴共存下で音響キャビテーションを生じその過程を超音波診断装置でモニターすることで治療に必要十分な超音波照射が可能であることが分かった。
<まとめ>
本実施形態では、まず、生体投与時に液体であり、超音波照射により相変化を生じて気体となる超音波造影剤を生体に投与する。そして、その生体の治療部位に対して相変化用超音波(低周波である必要はない)を照射し、造影剤に相変化を起こさせる。その後、当該治療部位に対して、治療用超音波(0.5〜2.5MHzの低周波超音波)を照射し、キャビテーションを生成させる。また、治療用超音波が照射された治療部位からのエコー信号(Ith)を取得し、その信号強度が治療用閾値(ICpost−Iref(th))よりも大きい場合に治療が完了したと判定する。具体的には、相変化後のエコー信号強度ICpostと治療部位からのエコー信号強度Ithとの相対信号強度が所定の閾値Iref(th)よりも小さくなった場合に治療完了と判断するようにしても良い。さらに具体的には、エコー信号の強度が、治療用超音波照射開始(治療開始)時のエコー信号強度の1/2以下となった場合に治療が完了したと判定する。このようにすることにより、必要十分な治療効果が得られた段階で超音波照射を停止することができる。よって、超音波の照射が不足していたり、照射し過ぎたりすることもなく、安全に治療することができるようになる。
さらに、治療が完了したと判定された箇所を治療済箇所として表示部に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは視覚的に治療の完了を知ることができるようになる。
また、治療部位(焦点領域)からのエコー信号(治療エコー信号)だけでなく、治療部位の外郭周辺部におけるエコー信号(外郭エコー信号)も取得する。そして、治療エコー信号の強度が治療用閾値よりも大きく、かつ、外郭エコー信号の強度が周辺凝固判定用閾値(ICpost−Iref(th_lim))よりも小さい場合に、治療が完了したと判定する。より具体的には、治療部位のエコー信号の強度が、治療用超音波照射開始(治療開始)時のエコー信号強度の1/2以下となった場合(つまり、治療部位の相対エコー信号が1/2以下)、かつ、外郭部のエコー信号の強度が治療開始時のエコー信号強度の1.5倍以上となった場合(つまり、外郭部の相対エコー信号が1.5以上)に、治療が完了したと判定する。このようにすることにより、治療部位を封じ込めることができるので、仮に少量の腫瘍等が残存したとしても生体の他の部位にそれが飛散して転移するという事態を回避することができる。
1・・・樹脂製水槽
2・・・37℃に設定された脱気水
3・・・サンプル封入チューブ
4・・・サンプル
5・・・チューブ端固定クリップ
6・・・サンプル固定具
7・・・サンプル相変化用およびキャビテーション生成用収束超音波トランスデューサ
8・・・相変化観察用超音波診断装置プローブ
9・・・超音波診断装置
10・・・電気信号発生装置
11・・・増幅器
12・・・水中マイクロフォン
13・・・オシロスコープ
14・・・麻酔下のマウス
15・・・マウス固定具
16・・・治療対象部位
17・・・音響カップリング剤
18・・・相変化用超音波送信部
19・・・相変化検出用超音波送受信部
20・・・治療用超音波送信部
21・・・相変化用超音波制御部
22・・・相変化検出用超音波制御部
23・・・治療用超音波制御部
24・・・相変化定量用信号処理部
25・・・治療効果モニタリング用信号処理部
26・・・統合制御部
27・・・画像処理部
28・・・入力・表示部

Claims (7)

  1. 超音波を生体の治療部位に照射して超音波診断・治療を行う、超音波診断・治療装置であって、
    生体投与時に液体であり、超音波照射により相変化を生じて気体となる超音波造影剤が投与された前記生体の治療部位に対して相変化用超音波を照射する相変化用超音波照射部と、
    前記治療部位に対して、前記相変化用超音波とは別の治療用超音波を照射する治療用超音波照射部と、
    前記相変化用超音波及び前記治療用超音波の照射を制御する照射制御部と、
    前記相変化用超音波が照射された前記治療部位の相変化後エコー信号と、前記治療用超音波が照射された前記治療部位の外郭周辺部におけるエコー信号である外郭エコー信号を取得するエコー信号取得部と、
    前記相変化後エコー信号の強度から前記外郭エコー信号の強度を減算した値予め定められた第1の閾値よりも大きい場合に治療が完了したと判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする超音波診断・治療装置。
  2. 請求項1において、
    前記エコー信号取得部は、さらに、前記治療用超音波が照射された前記治療部位からのエコー信号である治療エコー信号を取得し、
    前記判定部は、さらに、前記相変化後エコー信号の強度から前記治療エコー信号の強度を減算した値が、前記第1の閾値より大きい値を取る第2の閾値よりも小さい場合に治療が完了したと判定することを特徴とする超音波診断・治療装置。
  3. 請求項において、
    さらに、前記判定部によって治療が完了したと判定された箇所を治療済箇所として表示部に表示する処理を実行する画像処理部を備えることを特徴とする超音波診断・治療装置。
  4. 請求項において、
    前記エコー信号取得部は、前記相変化用超音波照射のエコー信号である相変化エコー信号を取得し、
    前記照射制御部は、前記相変化エコー信号から前記相変化前エコー信号を減算した値が相変化確認するための第3の閾値よりも大きい場合に、前記治療用超音波を前記治療部位に照射するように前記治療用超音波照射部を制御することを特徴とする超音波診断・治療装置。
  5. 請求項において、
    前記治療用超音波は、周波数が0.5〜2.5MHzの低周波超音波であることを特徴とする超音波診断・治療装置。
  6. 請求項において、
    前記判定部は、前記治療用エコー信号の強度が、前記治療用超音波照射開始(治療開始)時のエコー信号強度の1/2以下となった場合に治療が完了したと判定することを特徴とする超音波診断・治療装置。
  7. 請求項において、
    前記判定部は、前記治療用エコー信号の強度が、前記治療用超音波照射開始(治療開始)時のエコー信号強度の1/2以下となった場合、かつ、前記外郭エコー信号の強度が前記治療開始時のエコー信号強度の1.5倍以上となった場合に、治療が完了したと判定することを特徴とする超音波診断・治療装置。
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