JP4642125B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御装置に関し、特に、3気筒以上の多気筒内燃機関への吸気量を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
従来から多気筒内燃機関の各気筒の吸気通路にスロットルバルブを設け、このスロットルバルブを開閉することにより各気筒への吸気量を制御する内燃機関の制御装置が知られている。
この内燃機関では、各気筒の吸気通路に設けられたスロットルバルブを独立して制御できるので各気筒への吸気量を個別に制御することができる。
しかし、一般に、内燃機関では各気筒の吸気通路やスロットルバルブに個体差があるため、各気筒のスロットルバルブを同じ開度にした場合でも、各気筒への吸気量が不均一となる場合がある。各気筒への吸気量が不均一となる場合、気筒間の空燃比ばらつきやトルクばらつきが発生することが考えられる。
気筒間のトルクばらつきが大きくなると、エンジントルクのサイクル内変動が大きくなって、運転者に不快な振動が発生するおそれがある。また、気筒間の空燃比ばらつきが大きくなると、触媒に流入する排出ガスの空燃比のサイクル内変動が大きくなるため、排出ガスの空燃比の変動幅が触媒の浄化ウインドからはみ出して排出ガス浄化率が低下する恐れがある。
このような状態を回避するため、各気筒への吸気量を均一にする必要がある。各気筒への吸気量を均一にするためには、まず吸気量が異なる気筒、その中でも他気筒と比べ吸気量が最も異なる気筒(以下、吸気量ばらつき最大気筒という。)を推定することが必要となる。
この吸気量ばらつき最大気筒を推定する技術としては、クランク速度(機関回転数)を常時算出し、気筒判別センサの出力とつきあわせることにより、各気筒のクランク速度(機関回転数)のばらつきを求め、吸気量ばらつき最大気筒を推定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、各気筒の吸気行程毎に、エアフローセンサの出力波形の所定期間における面積を算出し、気筒間の吸気量のばらつき率、または気筒毎の吸気量を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、インテークマニホルドに取り付けられた圧力センサと、エアフローセンサとから各気筒の吸気量を推定する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−193889号公報(段落0019、図1,図4) 特開2004−176644号公報(要約の欄、図1) 特開2006−70728号公報(段落0025〜段落0032、図2,図3)
しかし、特許文献1に開示された技術、即ち、クランク速度のばらつきによる吸気量ばらつき最大気筒の推定技術は、回転変動は吸気量ばらつきだけでなく燃料量ばらつきの影響もあるため、クランク速度がばらついている気筒を推定しても、対象気筒の吸気量が他気筒に比べてばらついているかどうかは推定が難しい課題がある。
また、特許文献2に開示されている技術は、各気筒の吸気行程毎においてエアフローセンサの出力波形の所定期間における面積から気筒間の吸気量ばらつきを算出するが、面積を算出する所定期間を吸気中の吸気脈動のない区間、あるいは他気筒の吸気干渉のない区間としているため、前記所定期間の条件が成立する運転状態は限定され、さらに、エンジンによってはこの所定期間が設定できないエンジンも考えられ、気筒間の吸気量ばらつきを算出するのが難しい課題がある。
また、特許文献3に開示されている技術は、圧力センサとエアフローセンサにより各気筒の吸気量を推定するため、吸気量が異なっている気筒を推定できるが、圧力センサとエアフローセンサの2つのセンサが必要となり、また、吸気量を推定する際に複雑な演算が必要となる課題がある。
この発明は前記課題を解決するためになされたものであり、気筒別に吸気量制御手段が設けられた内燃機関において、燃料量ばらつきの影響を受けず、1つの圧力検出手段と簡単な演算にて、吸気量ばらつき最大気筒を推定する内燃機関の制御装置を提供するものである。
この発明による内燃機関の制御装置は、3気筒以上の多気筒内燃機関への吸気量を制御する内燃機関の制御装置であって、前記多気筒内燃機関の各気筒の吸気通路に設けられた吸気量制御手段と、前記各気筒における吸気量制御手段の下流側の吸気通路同士を相互に接続する連通管と、前記各気筒に対する前記連通管内の圧力を検出する期間を設定する検出期間設定手段と、前記検出期間中の連通管内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記各気筒に対してそれぞれの検出期間における圧力最小値を検出する圧力最小値検出手段と、前記各気筒に対する前記圧力最小値の吸気順序および大小関係から他気筒と比べ吸気量が最も異なる気筒を推定する吸気量ばらつき最大気筒推定手段と、を備えたものである。
この発明によれば、気筒別に吸気量制御手段が設けられた内燃機関において、燃料量ばらつきの影響を受けず、1つの圧力検出手段と簡単な演算にて、吸気量ばらつき最大気筒を推定することにより、各気筒の吸気量を均一にする制御が実施できる効果がある。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の概略構成図である。 この発明の実施の形態1に係る基準状態と第1気筒の吸気量が少ない状態のスロットルバルブ下流ポート内圧力変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る基準状態と第1気筒の吸気量が少ない状態の連通管内の圧力変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る基準状態と第1気筒の吸気量が多い状態のスロットルバルブ下流ポート内圧力変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る基準状態と第1気筒の吸気量が多い状態の連通管内の圧力変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る吸気量ばらつき最大気筒を推定する内燃機関の連通管内の圧力センサ出力の変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る所定クランク角毎に発生する処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る吸気順序と気筒の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る圧力最小値を検出する処理を表すフローチャートである。 図6の第1気筒のEVCタイミング後の処理での圧力の最大値を検出する処理の実施回数、現在の連通管内の圧力、および吸気順序が第1気筒に対する連通管内の圧力の最小値を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る4つの気筒に対する連通管内の圧力最小値を検出する処理後の圧力最小値を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る4つの気筒の連通管内の圧力最小値の平均値と圧力最小値の差を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る基準気筒の圧力最小値と、その他の気筒の圧力最小値の差を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る内燃機関の制御装置について好適な実施の形態を説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明を第1気筒から第4気筒の4つの気筒を具備する内燃機関に適用した実施の形態を示すもので、内燃機関の概略構成を表したものである。
エンジン1には、各気筒の吸気管2毎に吸気量を制限する吸気量制御手段としてのスロットルバルブ3が配設されており、このスロットルバルブ3を開閉駆動するスロットルアクチュエ−タ4、およびスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサ5が配設されている。また、各気筒のスロットルバルブ3の下流側同士を相互に接続した連通管6、および連通管6内の圧力を検出する手段である圧力センサ7が配設されている。更に、内燃機関の出力軸(図示せず)にクランク軸8が接続され、このクランク軸8の回転数を検出するクランク角検出センサ9、および気筒識別手段としてのカム角検出センサ10が配設されている。
スロットルアクチュエータ4は、電子制御装置(ECU)11に接続されており、ECU11からの指示により駆動し、スロットルバルブ3の制御を行う。ECU11にはスロットル開度検出センサ5、圧力センサ7、クランク角検出センサ9、カム角検出センサ10、および図示しないアクセルポジションセンサの信号が入力されている。また、エンジン1には、燃料噴射弁12、点火プラグ13、吸気バルブ14、排気バルブ15、ピストン16が配設されている。なお、ECU11は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、前述のようにスロットルバルブ3の制御を行うと共に、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁12の燃料噴射量や点火プラグ13の点火時期を制御する。
なお、図1においては、図面を簡略化するために、スロットルバルブ3、スロットルアクチュエータ4、スロットル開度検出センサ5を第1気筒のみについて図示しているが、実際には第2気筒、第3気筒、第4気筒のそれぞれの気筒に配設されている。
クランク軸8はピストン16に接続されており、ピストン16が上下することによりクランク軸8は回転させられる。クランク軸8には図示しないクランクプレートが取り付けられている。クランクプレートには突起があって、クランク角検出センサ9はこの突起を検出することによりクランク軸8の回転数を検出する構成になっている。なお、この実施の形態ではクランクプレートの突起はピストン16が上死点位置である時を基準に10度毎に設置されている。
実施の形態1による内燃機関の制御装置は前記のように構成されており、後述する動作を行うが、まず、この実施の形態1の根拠となる吸気量のばらつき状態と圧力との関係について説明する。
図2に第1気筒(以下、#1気筒)の吸気上死点をクランク角0度とした各気筒の圧力センサ出力の変化を示す。図2には、各気筒の吸気通路やスロットルバルブ3のばらつきが少なく各気筒の吸気量が概ねそろった状態(以下、基準状態)での各気筒の圧力変化が実線で示され、基準状態に対して#1気筒の吸気通路とスロットルバルブ3にばらつきがあり、#1気筒に吸入される吸気量が他気筒に比べ少ない状態(以下、#1気筒の吸気量が少ない状態)での圧力変化が点線で示される。各気筒の排気バルブ15の全閉タイミング(以下、EVCタイミング)は一点鎖線で示している。各気筒の吸気行程も同時に記載する。縦軸は圧力センサ出力電圧、横軸はクランク角度である。
この図2はエンジン負荷が高負荷になっており、スロットル開度が大きくなっている状態での各気筒のスロットル下流側ポート内圧力(以下、ポート内圧力)を示している。図2から、基準状態、#1気筒の吸気量が少ない状態ともに、各気筒のポート内圧力が下降し始めるのが各気筒のEVCタイミングであることが確認できる。
ポート内圧力が下降し始めるまでの圧力の変化について説明する。吸気行程になりピストン16が降下し始めてからEVCタイミングとなるまでは、スロットル下流側ポート内および筒内に吸気側、排気側双方からガスが流れ込み、ポート内圧力が下がらない状態となっており、そのときのポート内圧力はほぼ大気圧となっている。EVCタイミングとなったとき、排気バルブ15が閉じられ、ポート内および筒内へのガスの流れ込みが吸気側(スロットル側)からのみとなる。さらにスロットルバルブによる吸気量制限が実施されていることによりスロットル下流側ポート内に流れ込むガスの量が少なくなるためポート内圧力が下降し始める。したがって、ポート内圧力が下降し始めるタイミングはEVCタイミングとなる。
また、#1気筒の吸気量が少ない状態では、基準状態と比べ#1気筒の吸気量が少ないため、#1気筒の吸気行程以降の#1気筒のポート内圧力も基準状態のポート内圧力と比べ小さくなっている。
図3に図2と同じ状態での連通管6内の圧力センサ出力を示す。図3には、基準状態での連通管6内の圧力変化を実線で示し、#1気筒の吸気量が少ない状態での連通管6内の圧力変化を点線で示す。また、各気筒のEVCタイミングを一点鎖線で示している。各気筒の吸気行程も同時に記載する。縦軸は圧力センサ出力電圧、横軸はクランク角である。
図3において、#1気筒の吸気量が少ない状態は、吸気開始時での#1気筒のポート内圧力が吸気開始時での基準状態のポート内圧力と比べて小さく、圧力の上昇のタイミングも遅くなっているため、連通管6内の圧力上昇のタイミングも基準状態の連通管6内の圧力と比べて遅くなっている。この圧力上昇のタイミングの違いにより、圧力が下降から上昇に転じるタイミング(以下、極小点)において基準状態の連通管6内の圧力と#1気筒の吸気量が少ない状態の連通管6内の圧力との差が最も大きくあらわれる。図3においてはAのタイミングである。
Aのタイミングは第3気筒(以下、#3気筒)の吸気行程での極小点である。ここで、図3における第4気筒(以下、#4気筒)の吸気行程時の極小点をA1、第2気筒(以下、#2気筒)の吸気行程時の極小点をA2、#1気筒の吸気行程時の極小点をA3として、#1気筒の吸気量が少ない状態での極小点の圧力の大小関係について説明する。
#1気筒の吸気量が他気筒と比べ最も少ないとき、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ少ないため、#1気筒の吸気行程での#1気筒のポート内圧力も基準状態の#1気筒のポート内圧力に比べ低くなる。そのため#3気筒の吸気行程中での#1気筒のポート内圧力も基準状態の#1気筒のポート内圧力に比べ小さくなる。#3気筒の吸気行程中の連通管6内の圧力は、#3気筒のポート内圧力が下降し始めることで下降し始める。その後、#1気筒のポート内圧力が連通管6内の圧力よりも高くなったとき、#1気筒のポート内圧力の影響を受け連通管6内の圧力は上昇を始める。この下降から上昇に転じるタイミングが#3気筒の吸気行程中にあらわれる極小点であり、連通管6内の圧力は基準状態に比べ小さくなる(図3におけるAのタイミングの圧力)。
ここで、#1気筒のポート内圧力は基準状態よりも圧力が低くなっているため、大気圧付近まで圧力が上昇するまでの時間は、他気筒での極小点後に圧力が大気圧付近まで上昇する時間に比べ長くなっている。また、#4気筒の吸気行程、および#2気筒の吸気行程では、#1気筒のポート内圧力が大気圧まで上昇しており、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ少ないことによる影響はない。#1気筒の吸気行程では吸気順序が直前の気筒のポート内圧力は#2気筒のポート内圧力であり、基準との差はない。しかし、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ少ないことにより、#1気筒のポート内圧力が基準よりも小さくなるため、極小点での連通管6内の圧力は基準よりも低くなり、#4気筒および#2気筒の極小点での圧力と比べ小さくなる(図3におけるA3のタイミングの圧力)。このときAのタイミングの圧力をPA0、A1のタイミングの圧力をPA1、A2のタイミングの圧力をPA2、A3のタイミングにおける圧力をPA3とすると、極小点の圧力の大小関係は次の(1)式の関係となる。
PA0<PA3≦PA2=PA1・・・・・(1)
次に、基準状態に対して#1気筒の吸気通路とスロットルバルブ3にばらつきがあり、#1気筒に吸入される吸気量が他気筒に比べ多い状態(以下、#1気筒の吸気量が多い状態)での圧力変化について説明する。
図4に#1気筒の吸気上死点をクランク角0度とした各気筒の圧力センサ出力の変化を示す。図4には、基準状態での各気筒の圧力変化を実線で示し、#1気筒の吸気量が多い状態の圧力変化を点線で示し、各気筒のEVCタイミングを一点鎖線で示している。各気筒の吸気行程も同時に記載する。縦軸は圧力センサ出力電圧、横軸はクランク角である。
図4は、図2と同様にエンジン負荷が高負荷になっており、スロットル開度が大きくなっている状態での各気筒のポート内圧力を示している。この図4において、基準状態、#1気筒の吸気量が多い状態ともに各気筒の圧力が下降し始めるのは図2と同様に各気筒のEVCタイミングであることが確認できる。
また、#1気筒の吸気量が多い状態は、基準状態と比べ#1気筒の吸気量が多いため、#1気筒の吸気行程以降の#1気筒のポート内圧力も基準状態の#1気筒のポート内圧力と比べ大きくなっている。
図5に、図4と同じ状態での連通管6内の圧力センサ出力を示す。図5には、基準状態での連通管6内の圧力変化を実線で示し、#1気筒の吸気量が多い状態での連通管6内の圧力変化を点線で示し、各気筒のEVCタイミングを一点鎖線で示している。各気筒の吸気行程も同時に記載する。縦軸は圧力センサ出力電圧、横軸はクランク角である。
図5において、#1気筒の吸気量が多い状態は、吸気開始時での#1気筒のポート内の圧力上昇のタイミングが吸気開始時での基準状態のポート内圧力と比べて早くなっているため、連通管6内の圧力上昇のタイミングも基準状態の連通管6内の圧力と比べて早くなっている。この圧力上昇のタイミングの違いにより、極小点において基準状態の連通管6内の圧力と#1気筒の吸気量が少ない状態の連通管6内の圧力との差が最も大きくあらわれる。図5においてはBのタイミングである。
Bのタイミングは#3気筒の吸気行程での極小点である。ここで、図5における#4気筒の吸気行程時の極小点をB1、#2気筒の吸気行程時の極小点をB2、#1気筒の吸気行程時の極小点をB3として、#1気筒の吸気量が多い状態での極小点の圧力の大小関係について説明する。
#1気筒の吸気量が他気筒と比べ最も多いとき、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ多いため、#1気筒の吸気行程での#1気筒のポート内圧力も基準状態の#1気筒のポート内圧力に比べ大きくなる。そのため、#3気筒の吸気行程での#1気筒のポート内圧力も基準状態の#1気筒のポート内圧力に比べ大きくなる。#3気筒の吸気行程中の連通管6内の圧力は、#3気筒のポート内圧力が下降し始めることで下降し始める。その後、#1気筒のポート内圧力が連通管6内の圧力よりも高くなったとき、#1気筒のポート内圧力の影響を受け、連通管6内の圧力は上昇を始める。この下降から上昇に転じるタイミングが#3気筒の吸気行程中にあらわれる極小点であり、連通管6内の圧力も基準状態に比べ大きくなる(図5におけるBのタイミングの圧力)。
ここで、#1気筒のポート内圧力は基準状態よりも圧力が大きくなっているため、大気圧付近まで圧力が上昇するまでの時間は、他気筒での極小点後に圧力が大気圧付近まで上昇する時間に比べ短くなっている。その後の#4気筒の吸気行程および#2気筒の吸気行程ではすべての気筒のポート内圧力が大気圧まで上昇しており、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ多いことによる影響はない。#1気筒の吸気行程では、#1気筒の吸気量が基準状態に比べ多いことにより、#1気筒のポート内圧力が基準よりも大きくなるため、極小点での連通管6内の圧力は#4気筒および#2気筒の極小点での圧力と比べ大きくなる(図5におけるB3のタイミングの圧力)。このとき、図5におけるBのタイミングの圧力をPB0、B1のタイミングの圧力をPB1、B2のタイミングの圧力をPB2、B3のタイミングにおける圧力をPB3とすると、極小点の圧力の大小関係は次の(2)式の関係となる。
PB0>PB3≧PB2=PB1・・・・・(2)
以上、吸気量のばらつき状態と圧力との関係について説明したが、この実施の形態は、前記極小点の吸気順序および圧力の大小関係に着目することにより吸気量ばらつき最大気筒を推定する。
#1気筒の吸気量が他気筒と比べ最も少ないとき、
#3気筒の吸気行程時に現れる極小点の圧力<#1気筒の吸気行程時に現れる
極小点の圧力≦#2気筒の吸気行程時に現れる極小点の圧力=#4気筒の吸気
行程時に現れる極小点の圧力
となり、各吸気行程に現れる極小点の圧力のなかでの最小値の現れる吸気行程の気筒は#3気筒となる。吸気順序が最小値の現れる気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定できる。
同様に#1気筒の吸気量が他気筒と比べ最も多いとき、
#3気筒の吸気行程時に現れる極小点の圧力>#1気筒の吸気行程時に現れる
極小点の圧力≧#2気筒の吸気行程時に現れる極小点の圧力=#4気筒の吸気
行程時に現れる極小点の圧力
となり、このとき各気筒に対する圧力の最小値のうち圧力が最大値である気筒は#3気筒となる。吸気順序が最大値の現れる気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定できる。
極小点の圧力(以下、圧力最小値)から吸気量ばらつき最大気筒を推定するには、圧力最小値の中での最大値または最小値を見つける必要がある。そのための方法として例えば次のような方法が考えられる。
全気筒の圧力最小値の平均値(以下、全気筒平均値)を算出し、全気筒平均値から各気筒の圧力最小値を減算し、差を求める。例えば、#1気筒の吸気量が少ない状態では、#3気筒の圧力最小値は全気筒平均値との差の絶対値が最も大きくなり、差の値は正の値となる。また、#1気筒の吸気量が多い状態では、#3気筒の圧力最小値は全気筒平均値との差の絶対値が最も大きくなり、差の値は負の値となる。すなわち全気筒平均値から圧力最小値を減算し、差を求め、差の絶対値が最も大きい気筒を決定する。そのとき、吸気順序が、差の絶対値が最も大きい気筒の直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、差の値が正の値であれば吸気量が少ない側にばらついており、差の値が負の値であれば吸気量が多い側にばらついていることが推定できる。
以上のように、全気筒平均値を用いることで圧力最小値の大小関係が分かることとなり、圧力最小値の吸気順序および大小関係を用いることにより、吸気量ばらつき最大気筒を推定し、さらに吸気量ばらつき最大気筒の吸気量が、他気筒に比べ少ない側にばらついているか多い側にばらついているかを推定することができる。
続いて、実際に前記関係を用いて具体的に吸気量ばらつき最大気筒を推定する方法について説明する。なお、この吸気量ばらつき最大気筒を推定するのは、以降に説明する各処理ルーチンに従ってECU11により実行される。
まず、図6にこの実施の形態にて吸気量ばらつき最大気筒を推定する内燃機関の連通管6内の圧力変化を示す。連通管6内の圧力を実線にて示し、EVCタイミングを一点鎖線にて示す。各気筒の吸気行程も同時に記載する。縦軸は圧力センサ出力電圧、横軸はクランク角である。
この実施の形態の処理を図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、所定クランク角毎に実行される処理を表すフローチャートである。この実施の形態では、クランク角10度毎に実行されることする。
まず、判断部S401にて、FEX=0かどうかを判断する。FEXは圧力最小値を検出する処理(極小点の圧力を検出する処理)の判定フラグである。FEX=0は圧力最小値を検出する処理が終了していることを示し、FEX=1は圧力最小値を検出する処理中であることを示す。
判断部S401にて、FEX=0であれば判断部S402へ進み、FEX=1であれば、ステップS406へ進む。ステップS406以降は後述する。
判断部S402へ進み、現在のクランク角がEVCタイミングであるかどうか判断する。判断は、例えば、予めECU11にEVCタイミングをメモリしておき、現在のクランク角と比較することによって行う。
EVCタイミングが圧力検出タイミングの刻み幅と一致しない場合、例えば、圧力検出タイミングの刻み幅が10度毎、EVCタイミングが#1気筒吸気上死点後25度であれば、クランク角が20度のときEVCタイミングとしてもよいし、30度のときEVCタイミングとしてもよい。この実施の形態では、EVCタイミングは#1気筒吸気上死点後30度とする。各気筒のEVCタイミングは前記#1気筒EVCタイミングから180度毎に設定される。
判断部S402にて、EVCタイミングであればステップS403へ進み、EVCタイミングでなければ処理終了となる。
ステップS403にてFEX=1とする。次にステップS404にてFCHK=0とする。FCHKは圧力最小値を検出する処理の実施回数である。この実施の形態では、圧力最小値を検出する処理の回数は10回とする。この実施の形態では処理回数は検出範囲の設定により決定される。なお、検出範囲の設定については後述する。
次に、ステップS405では、MIN(n)=MAXとし、ステップS406に進み、圧力最小値を検出する処理を実施する。圧力最小値を検出する処理については後述する。MIN(n)は吸気順序がn番目の気筒に対する連通管6内の圧力最小値を示す。nは吸気順序であり、吸気順序nと気筒の関係は図8に示すとおりである。MAXは圧力センサ7の最大値を表す任意の値で、例えば、0Vから5Vを出力する圧力センサ7の場合は5となる。
次に、判断部S407に進みn=5を判断する。n=5の場合はステップS408へ進み、吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理を実施し処理終了となる。なお、吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理については後述する。n=5ではない場合は処理終了となる。
この実施の形態では、所定クランク角毎に圧力最小値を検出する処理を行っているが、タイマにより処理間隔を決定してもかまわない。
所定クランク角毎の処理の場合は、設定が容易で、回転数に影響されず、安定した処理回数が維持できる。また、タイマにより処理間隔を決定した場合は、所定クランク角毎の処理では、高回転時に低回転時に比べECU11の負担増となるのに対し、回転数によらずECU11の負荷を一定とする設定も可能である。
また、EVCタイミング後から圧力最小値を検出する処理を開始するのは、EVCタイミング後に連通管6内の圧力の極小点があることがわかっているためである。
ここで、圧力最小値を検出する検出期間の設定について説明する。検出期間は吸気行程中に設定する。これは各気筒に対する圧力最小値が吸気行程中にあらわれることがわかっているためである。例えば、吸気行程開始から圧縮行程中にかけて検出期間が設定されていた場合、2つの気筒に対する検出期間が重なることとなり、ECU11の負担が増えることとなる。検出期間を吸気行程に設定することでこの状態を回避できるため、ECU11の負担軽減となる。また検出期間の開始位置をEVCタイミング後からとすることで、さらに検出期間を短くすることができる。
連通管6内の圧力の極小点は、EVCタイミング後の吸気行程中にあらわれることがわかっており、この実施の形態では、検出期間中における圧力の極小点の検出範囲として、クランク角100度と設定した。つまり、この実施の形態では、クランク角10度毎に処理を実施するため、FCHK=10となる。この場合の検出範囲は図6に示すとおりである。
また、極小点が解ればよいので、例えば、検出した連通管6内の圧力が連続で増加することを判定(単純増加となっていることを判定)することで、FCHK=10となっていなくても連通管6内の圧力最小値を検出する処理を終了させてもよい。検出した連通管6内の圧力が連続で増加することを判定した時点で処理を終了することことにより、更なるECU11の負担軽減が望める。
次に、図7のステップS406の処理である圧力最小値を検出する処理を表す処理を、図9のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップS501にて、現在の連通管6内の圧力PNOWを測定する。次に判断部S502へ進み、現在の連通管6内の圧力PNOWと、吸気順序がn番目の気筒に対する連通管6内の圧力最小値MIN(n)を比較し、MIN(n)に対してPNOWが小さければステップS503へ進み、PNOWが大きければステップS504へ進む。ステップS503にてMIN(n)へPNOWを代入する。ステップS504へ進み、本処理を1回実施したとしてFCHKをインクリメントとする。
次に判断部S505にて、FCHKが10であるかを判断し、FCHKが10であればステップS506以降へ進み、FCHKが10以外であれば処理終了となる。
ステップS506にて、nをインクリメントし、ステップS507へ進み、ステップS507にて、圧力最小値を検出する処理が終了したとして、FEX=0とし、処理終了となる。
本処理では、例えば、図6の#1気筒EVCタイミング後の処理でのFCHK、PNOW、およびMIN(1)の値は、図10のようになる。この場合、FCHK=6のときのPNOWがMIN(1)となる。
次に、図7のステップS408の処理である吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理を図11のフローチャートに沿って説明する。図7、図9の処理が実施され、4つの気筒のMIN(n)が図12に示されるように得られているものとする。
まず、ステップS601にてMIN(n)から全気筒平均値AVEを求める。例えば、図12の結果であればAVE=3.6となる。次にステップS602にて、AVEからMIN(n)を減算し、差の絶対値が最も大きいときのnを求め、Kとする。図12の結果からAVEとMIN(n)の差の絶対値が最も大きいのはn=2のときであるから、K=2となる。全気筒のAVE−MIN(n)の結果は図13に示すとおりである。
次に、判断部S603に進み、ステップS302で求めたKを用いて、AVE−MIN(K)>0であるかどうかを判断する。AVE−MIN(K)>0であればステップS604へ進み、そうでなければステップS605へ進む。例えば、図12の結果であれば、K=2であるので、AVE−MIN(2)=3.6−3.5=0.1となる。AVE−MIN(2)>0となり、ステップS604へ進む。
ステップS604にて吸気順序がKの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定され、他気筒と比べ吸気量が少ない側にばらついていると推定する。例えば、図12の結果であれば、K=2であるので、吸気順序が1番目である気筒、即ち、#1気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり他気筒と比べ吸気量が少ない側にばらついていると推定される。次にステップS606へ進み、ステップS606にてn=1として処理終了となる。
ステップS605では、吸気順序がKの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定され、他気筒と比べ吸気量が多い側にばらついていると推定し、ステップS606へ進み、ステップS606にてn=1として処理終了となる。
なお、この実施の形態では、#1気筒〜#4気筒の4つの気筒に対して圧力最小値を検出する処理が終了した段階でばらつき最大気筒を推定する処理を実施したが、各気筒に対し複数回圧力最小値を検出する処理を実施し、その平均値をMIN(n)として吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理に望んでもよい。
各気筒の圧力最小値に対しそれぞれの平均値を用いることで、回転変動等の影響により圧力センサ出力が変動することによる出力値のばらつきを防ぐことができる。
以上のように、実施の形態1によれば、エンジンに対して1つの圧力センサと簡単な演算にて吸気量ばらつき最大気筒を推定することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態は、実施の形態1で説明した各気筒に対する圧力最小値の関係から吸気量ばらつき最大気筒を推定する他の実施の形態を説明するものである。実施の形態1で説明したように、圧力最小値から吸気量ばらつき最大気筒を推定するには、各気筒に対する圧力最小値の中での最大値または最小値を見つける必要がある。実施の形態2は、実施の形態1で説明した方法と異なる方法により、各気筒に対する圧力最小値の中での最大値または最小値を見つけるものである。
まず、各気筒に対する圧力最小値の中での最大値に対応する気筒(以下、最大値気筒)および最小値に対応する気筒(以下、最小値気筒)を求める。次に、最大値気筒と最小値気筒以外の気筒を基準気筒として選択し、最大値気筒での圧力最小値と最小値気筒での圧力最小値それぞれから基準気筒の圧力最小値を減算し、差を求める。
例えば、図12のような圧力最小値と吸気順序の関係があるとすると、最大値気筒は吸気順序が#3気筒または#4気筒となり、最小値気筒は吸気順序が#2気筒となる。最大値気筒は値が同じであるのでどちらでもよいが今回は#3気筒とする。そのとき基準気筒は吸気順序が#1気筒、#4気筒のいずれかの気筒となる。最大値気筒、最小値気筒、基準気筒の3つの気筒を決定し、基準気筒からの差を求め、差が最も大きい気筒(以下、最大差分気筒)を特定する。吸気順序が最大差分気筒の直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、最大差分気筒が最小値気筒であれば吸気量が少ない側にばらついており、最大差分気筒が最大値気筒であれば吸気量が多い側にばらついていることが推定できる。
以上のように圧力最小値の大小関係を用いることにより、吸気量ばらつき最大気筒を推定し、さらに吸気量ばらつき最大気筒の吸気量が他気筒に対し少ない側にばらついているか多い側にばらついているかを推定することができる。
続いて、実際に上記関係を用いて具体的に吸気量ばらつき最大気筒を推定する方法について説明する。
実施の形態1と同様に圧力を検出し、図12のように各気筒に対する圧力最小値が求められているとき、図14を用いて吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理について説明する。図14は図7のステップS408の処理であり、実施の形態1にて説明した図11に相当する吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理のフローチャートである。
まず、ステップS701にてMIN(n)のうち値が最大となる気筒KMAXを特定する。例えば、図12の結果であればn=3とn=4の値が最大となる気筒であり、この二つのうちどちらかを選べばよい。今回はnが小さい方をKMAXとする。すなわちKMAX=3とする。次に、ステップS702にて、MIN(n)のうち値が最小となる気筒KMINを特定する。例えば、図12の結果であればKMIN=2となる。次に、ステップS703にてステップS701とステップS702で特定したKMAX、KMIN以外のnを基準気筒KBASとして決定する。例えば、図12の結果であれば、KMAX=3、KMIN=2となっているので残りのn=1またはn=4のいずれかがKBASとなる。今回はnが小さい方をKBASとし、KBAS=1とする。
次に判断部S704へ進み、基準気筒からのばらつき量が最大値、最小値のどちらが大きいかを判断するため、MIN(KBAS)−MIN(KMIN)>MIN(KMAX)−MIN(KBAS)を計算する。判断部S704の計算式が成立すればステップS705へ進み、不成立ならばステップS706へ進む。
例えば、図12の結果であれば、MIN(KBAS)=3.63、MIN(KMAX)=3.64、MIN(KMIN)=3.50であるので、
MIN(KBAS)−MIN(KMIN)=0.13、MIN(KMAX)−MIN(KBAS)=0.01となり、ステップS704の計算式は成り立つこととなる。
この場合、ステップS705へ進み、吸気順序がKMINの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ他気筒と比べ吸気量が少ない側にばらついていると推定する。例えば、図12の結果であればKMIN=2であるから、吸気順序が1番目である気筒、即ち、#1気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、他気筒と比べ吸気量が少ない側へばらついていると推定される。次にステップS707へ進み、n=1として処理終了となる。
上記の例とは異なり判断部S704の計算式が不成立だった場合、ステップS706へ進み、吸気順序がKMAXの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒でありかつ他気筒と比べ吸気量が多いことを推定する。次にステップS707へ進み、n=1として処理終了となる。
以上の処理を行って基準気筒を設定するため、全気筒平均値を計算する必要がなく計算量を減らすことができ、エンジンに対して1つの圧力センサと簡単な演算にて吸気量ばらつき最大気筒を推定することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態は実施の形態1で説明した各気筒に対する圧力最小値の関係から吸気量ばらつき最大気筒を推定する更に異なる実施の形態を説明するものである。
実施の形態1で述べたとおり圧力最小値から吸気量ばらつき最大気筒を推定するには、各気筒に対する圧力最小値の中での最大値または最小値を見つける必要がある。実施の形態3は、実施の形態1あるいは実施の形態2で説明した方法と異なる方法により、各気筒に対する圧力最小値の中での最大値または最小値を見つけるものである。
まず、予め吸気量の基準とする基準気筒を設定しておく。予め基準気筒を設定しておくことで全気筒平均値の計算や基準気筒を設定するための計算が必要なくなり、計算回数を減らすことができる。
基準気筒の圧力最小値から基準気筒を除く各気筒の圧力最小値を減算し、差を求める。基準気筒からの差を求めることで、差の絶対値が最も大きい気筒の吸気順序が直前の気筒が基準気筒に対して吸気量ばらつき最大気筒であり、そのとき差の値が正の値であれば吸気量が少ない側にばらついており、差の値が負の値であれば吸気量が多い側にばらついていることが推定できる。
以上のように圧力最小値の大小関係を用いることにより、吸気量ばらつき最大気筒を推定し、さらに吸気量ばらつき最大気筒の吸気量の大小を推定することができる。
続いて、実際に上記関係を用いて具体的に吸気量ばらつき最大気筒を推定する方法について説明する。実施の形態1と同様に圧力を検出し、図12のように各気筒に対する圧力最小値が求められているとき、図15を用いて吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理について説明する。図15は吸気量ばらつき最大気筒を推定する処理のフローチャートである。
まず、ステップS801にて予め決めておいた基準とする吸気順序KBASEに対応する圧力最小値MIN(n)からその他の圧力最小値MIN(n)を減算し、差の絶対値が最も大きいときのnを求め、KBとする。例えば、図12の結果であれば、KBASE=1としたときMIN(1)とその他のMIN(n)の差の絶対値が最も大きいのはn=2のときであるからKB=2となる。全気筒のMIN(1)−MIN(n)の結果は図16に示すとおりである。
次に、判断部S802へ進み、ステップS801で求めたKBを用いて、MIN(KBASE)−MIN(KB)>0であるかどうかを判断する。MIN(KBASE)−MIN(KB)>0であればステップS803へ進み、そうでなければステップS804へ進む。例えば、図12の結果であれば、KBASE=1のときKB=2であるので、MIN(1)−MIN(2)=3.63−3.50=0.13となる。MIN(KBASE)−MIN(KB)>0となり、ステップS803へ進む。
ステップS803にて吸気順序がKBの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定され、他気筒と比べ吸気量が少ない側にばらついていると推定する。例えば、図12の結果であれば、K=2であるので、吸気順序が1番目である気筒すなわち#1気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり他気筒と比べ吸気量が少ない側にばらついていると推定される。次にステップS805へ進み、ステップS805にてn=1として処理終了となる。
上記の例とは異なり判断部S802の計算式が不成立であった場合、ステップS804へ進み、吸気順序がKの直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であると推定され、他気筒と比べ吸気量が多い側にばらついていると推定し、ステップS805へ進み、ステップS805にてn=1として処理終了となる。
以上の処理を行うことにより、エンジンに対して1つの圧力センサと簡単な演算にて吸気量ばらつき最大気筒を推定することができる。
また、基準気筒を予め設定しておくことで実施の形態2で行った基準気筒を設定するステップが減ることとなる。以上によりECU11の負荷を軽減することができる。
予め設定した基準気筒が吸気量ばらつき最大気筒である可能性が考えられるが、この実施の形態により、各気筒の吸気量を均一にする制御を繰り返すことで、各気筒の吸気量を均一にすることが可能である。
なお、上記各実施の形態ではこの発明を直列4気筒のエンジンに適用した場合について説明したが、この発明は直列4気筒のエンジンに限らず、3気筒以上の複数気筒のエンジンに適用可能である。また、V型エンジンにおいても、バンク毎のスロットル下流同士を相互に接続する連通管を取り付けたり、全気筒のスロットル下流同士を相互に接続する連通管を取り付けたりすることで適用可能となる。
1 エンジン 2 吸気管
3 スロットルバルブ 4 スロットルアクチュエ−タ
5 スロットル開度検出センサ 6 連通管
7 圧力検出センサ 8 クランク軸
9 クランク角検出センサ 10 カム角検出センサ
11 ECU 12 燃料噴射弁
13 点火プラグ 14 吸気バルブ
15 排気バルブ 16 ピストン

Claims (17)

  1. 3気筒以上の多気筒内燃機関への吸気量を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記多気筒内燃機関の各気筒の吸気通路に設けられた吸気量制御手段と、
    前記各気筒における吸気量制御手段の下流側の吸気通路同士を相互に接続する連通管と、
    前記各気筒に対する前記連通管内の圧力を検出する期間を設定する検出期間設定手段と、
    前記検出期間中の連通管内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記各気筒に対してそれぞれの検出期間における圧力最小値を検出する圧力最小値検出手段と、
    前記各気筒に対する前記圧力最小値の吸気順序および大小関係から他気筒と比べ吸気量が最も異なる気筒を推定する吸気量ばらつき最大気筒推定手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記各気筒に対する前記圧力最小値から平均値を算出する平均値算出手段と、前記各気筒に対する前記圧力最小値と前記平均値の差の絶対値を算出する絶対値算出手段と、前記絶対値の最大値である絶対値最大気筒を特定する絶対値最大気筒特定手段と、を備え、
    前記絶対値最大気筒から吸気量ばらつき最大気筒を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記平均値から前記絶対値最大気筒の圧力最小値を減算した値が正のとき、吸気順序が前記絶対値最大気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ少ない側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記平均値から前記絶対値最大気筒の圧力最小値を減算した値が負のとき、吸気順序が前記絶対値最大気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ多い側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記各気筒に対応する前記圧力最小値の中の最大値に対応する気筒を特定する最大値気筒特定手段と、前記各気筒に対応する前記圧力最小値の中の最小値に対応する気筒を特定する最小値気筒特定手段と、前記各気筒のうち前記最大値気筒と前記最小値気筒以外の任意の気筒を基準気筒として決定する基準気筒決定手段と、前記基準気筒に対する圧力最小値から前記最小値気筒に対する圧力最小値の差を算出する最小値気筒差分算出手段と、前記最大値気筒に対する圧力最小値から基準気筒に対する圧力最小値の差を算出する最大値気筒差分算出手段と、前記最小値気筒差分と前記最大値気筒差分を比較する差分比較手段と、を備え、
    前記差分比較手段の比較結果に基づき前記吸気量ばらつき最大気筒を推定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記差分比較手段の比較において、最大値気筒差分と比べ最小値気筒差分が大きかったとき、前記最小値気筒の吸気順序が直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ少ない側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記差分比較手段の比較において、最小値気筒差分と比べ最大値気筒差分が大きかったとき、前記最大値気筒の吸気順序が直前の気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ多い側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項5または6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    予め任意の気筒を基準気筒として決定する基準気筒決定手段と、
    前記基準気筒の圧力最小値から前記基準気筒を除く各気筒の圧力最小値を減算した差の絶対値を算出する絶対値算出手段と、
    記絶対値の最大値である絶対値最大気筒を特定する絶対値最大気筒特定手段と、
    を備え、
    前記絶対値最大気筒の直前の吸気順序の気筒を吸気量ばらつき最大気筒推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記基準気筒の圧力最小値から前記絶対値最大気筒の圧力最小値を減算した値が正のとき、吸気順序が前記絶対値最大気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ少ない側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記吸気量ばらつき最大気筒推定手段は、
    前記基準気筒の圧力最小値から前記絶対値最大気筒の圧力最小値を減算した値が負のとき、吸気順序が前記絶対値最大気筒の直前である気筒が吸気量ばらつき最大気筒であり、かつ吸気量が他気筒と比べ多い側にばらついている気筒であると推定することを特徴とする請求項8または9に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記検出期間内にて連通管内の圧力が連続で増加することを検出した時点で前記検出期間が終了することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記圧力最小値検出手段の検出を複数回繰り返し、求められた圧力の平均値を各気筒の圧力の最小値とすることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  13. タイマを備え、前記タイマによる設定にて前記圧力検出手段の圧力検出が実施されることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 前記検出期間が各気筒に対する吸気行程中に設定されることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  15. 前記検出期間が概ね各気筒の排気バルブの閉じるタイミングから始まることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  16. クランク角検出手段を備え、所定クランク角毎に前記圧力検出手段による圧力検出が実施されることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  17. 前記検出期間が所定クランク角毎の処理回数にて設定されることを特徴とする請求項16に記載の内燃機関用制御装置。
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