JP4633349B2 - 電子デバイスを製造するための欠陥解析方法及びそのプログラム - Google Patents

電子デバイスを製造するための欠陥解析方法及びそのプログラム Download PDF

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この発明は、製造工程途中において製品の欠陥の有無が検査可能な電子デバイスに対する電気的特性等の不良原因を解析する工程(欠陥解析方法)を含む電子デバイスの製造方法に関する。
製造工程途中において製品の欠陥の有無が検査可能な電子デバイス(半導体デバイスを含む)に対する電気的特性等の不良原因を解析する欠陥解析方法として、例えば、特許文献1に開示された解析方法がある。
上記特許文献1において、所定の工程による新規欠陥の有無及び電気テスタによる良否判定を行った後、ウエハ上の複数のチップを「(1)新規欠陥無し・良品、(2)新規欠陥無し・不良品、(3)新規欠陥有り・良品、(4)新規欠陥有り・不良品」の4種類に分類し、この分類結果に基づき、所定の工程の新規欠陥によってのみ不良となったチップ数と推測される新規不良チップ数、所定の工程の新規欠陥によってチップが不良とにした割合と推定される致命率及び所定の工程によって不良となったチップ数と推定される工程不良チップ数を求めていた。
特開平11−264797号公報
しかし、上記特許文献1で開示された欠陥検出方法は、欠陥検査の検出対象領域(欠陥検査対象領域)が電気的特性テスト(以下、「電気テスト」と略する場合有り)の対象領域(電気テスト対象領域)と同一と判断できると場合を前提としていた。
検査装置には、測定スループットを向上させる機能として、欠陥の検出対象面積を小さくして検査する機能(以下、「面積縮小機能」と略記)をもつものがある。一例としては検査走査を間引いて検出対象面積を小さくするものである。1回に間引く走査幅は数百μmであり、検査で検知される欠陥の大きさよりも充分に大きく、検査対象となる半導体チップより充分に小さい大きさである。これにより、測定スループットを向上させながら、欠陥検出位置を描画することで検査対象としたウエハ面内の欠陥分布状況を把握したり、検出対象面積比からウエハ全面の総欠陥数を類推することができる。
しかし、この面積縮小機能を用いた欠陥検査の結果では、欠陥検査対象外の領域の情報(検査結果)が無いため、特許文献1の方法を用いても正確な検査を行うことができないという問題点があった。なぜならば、面積縮小機能によって欠陥無しと測定されたチップでも欠陥検査対象外の領域に欠陥があった可能性が否定できないからである。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、測定スループットを向上させ、かつ正確な解析結果を得ることができる欠陥解析方法を得て、その解析方法を用い、工程管理を行い、その結果をフィードバックし歩留まり等の向上を図ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の電子デバイスを製造するための欠陥解析方法は、電子デバイスを製造するための複数の工程を経て、ウエハ上の複数のチップそれぞれに形成される電子デバイスの欠陥解析方法であって、(a) 前記複数の工程のうち少なくとも1つの工程それぞれの実行後に、1チップ当たりの全欠陥検査可能領域の一部の領域である欠陥検査対象領域を対象として前記複数のチップそれぞれについて欠陥の検出を行うステップと、(b) 前記欠陥が、前記少なくとも1つの工程内の所定の一工程において新たに発生したかどうかを、前記複数のチップそれぞれについて判定するステップと、前記欠陥検査対象領域の前記全欠陥検査可能領域に対する面積比を求めるステップと、(d) 前記ステップ(b)で判定した、新たに発生した前記欠陥を有するチップ数をK1、前記複数のチップ数をK0,前記ステップ(c)で求めた前記面積比をRSとしたとき、前記全欠陥検査可能領域に適合した前記欠陥を有するチップ数である推定欠陥有りチップ数EK1を、式(1)(EK1=K0・{1-(1-K1/K0)^(1/RS)}… (1))を用いて推定換算するステップとを備えている。
この発明における請求項1記載の欠陥解析方法はステップ(c) において、ステップ(b) で求めた面積比に基づき、チップの全欠陥検査可能領域に適合した推定欠陥有りチップ数を推定換算することにより、効率的なステップ(a) の検査を行いながら全欠陥検査可能領域に適合した解析結果を得ることができる。
<前提技術>
以下、実施の形態の内容を理解を容易にすべく、特許文献1に開示された内容の一部を前提技術として説明する。以下で述べる実施の形態は複数の製造工程における所定の工程の新規欠陥に着目した欠陥解析方法である。具体的な内容を示すため、電子デバイスがA、B、C、D、E、Fの6工程を経て製造され、A〜F工程後にそれぞれ検査装置を用いて欠陥検査を行っていると仮定する。
A〜Fの6工程は例えばDRAMを製造する場合、A工程…下地酸化膜パターンの形成工程、B工程…トランジスタ(メモリセルアレイ用,メモリセルアレイ制御用等)の形成工程、C工程…キャパシタ(メモリセル用)の形成工程、D工程…(層間)絶縁膜の形成工程、E工程…(行方向)金属配線の形成工程、F工程…(列方向)金属配線の形成工程という6工程が一例として考えられる。
以下では、A〜Fの6工程のうちD工程を所定の工程として注目し解析する方法を説明する。
まずD工程の新規欠陥を抽出する。この場合、図13に示すように、D工程後のウエハマップ4上には、パターン欠陥、異物、汚染物質付着、傷等の多くの欠陥5が検出される。これらウエハマップ4上の欠陥5のうち、D工程よりも前に実行されるA、B、Cの工程で既に検出されたウエハマップ1〜3上の新規欠陥6〜8の座標と誤差範囲15を考慮した欠陥近傍領域の座標を除いた新規領域上で発生した、D工程のみの欠陥を新規欠陥9と判定する。
すなわち、図14のグラフに示すように、D工程のウエハマップ4上の欠陥4のトータル数からA〜C工程でそれぞれ検出された新規欠陥6〜8とその誤差範囲15と同じ座標にある欠陥を除いた欠陥数が新規欠陥9の個数となる。
次に、A〜F工程終了後に電気的動作の良否を判定する電気テスタによって、ウエハ上の全チップそれぞれに形成された集積回路の良否判定結果を得る。なお、電気テスタはそれぞれが特定の電気的特性の良否を、テストする複数の部分電気テストの総合結果に基づき集積回路の良否テストを行うのが一般的である。
そして、図15に示すように、抽出されたD工程のみの新規欠陥9の有無が判定された複数のチップと上記良否判定された複数のチップとを、ウエハマップ20上で照合する。図15に示すように、D工程の新規欠陥は52個あり、それが45チップに分布している。テスタにより検出された不良は78チップ、良品は57チップのあわせて135チップである。
この135チップをチップ単位で、図16に示すように、(1)欠陥無し・良品48チップ、(2)欠陥無し・不良品42チップ、(3)欠陥有り・良品9チップ、(4)欠陥有り・不良品36チップの4種類に分類する。以上が特許文献1に開示された4分類である。
なお、前提技術では、D工程について述べたが、上記4種類の分類はA〜C工程、E及びF工程後に行っても良い。すなわち、A〜F工程(複数の工程)のうち、少なくとも一つの工程の実行後に欠陥の検出を行い、少なくとも一つの工程毎に欠陥の有無を判定し、少なくとも一つの工程それぞれについて4種類の分類を得ても良い。
<実施の形態1>
(原理)
チップの全領域(実施の形態1では電気テスタによる集積回路に対する電気テスト対象領域にも相当)に対して面積縮小機能で検査する欠陥検査領域が半分、すなわち、面積比が50%の場合を50%測定として考える。100チップ/Waferで、欠陥の有るチップが2チップであるとき、100%測定(チップの全領域を検査対象とした欠陥検査)なら2倍の4チップと直感的に推定できる。しかし、50%測定の際に欠陥の有るチップが60チップのとき、100%測定なら2倍の120チップとは推定することは矛盾する。そこで、正確な推定欠陥有りチップ数を求める以下の考え方を導入する。
50%測定で測定されたチップ中の領域をRA、測定していないチップ中の領域をRBとする。欠陥の有るチップが60チップであったとき、それは60個の欠陥が領域RA内に存在したということである。したがって、領域RBにも60個相当の欠陥が存在したことが比較的高い可能性として推定できる。
図1は100%測定による欠陥のチップ判定と50%測定等の面積縮小機能による欠陥のチップ判定との比較を示す説明図である。同図に示すように、1単位のチップ30に欠陥検査対象領域31と検査対象外領域32とが割り当てられている場合、図1の(a) の場合は、欠陥検査対象領域31及び検査対象外領域32双方に欠陥が発生しているため、100%測定及び面積縮小機能による測定(以下、「面積縮小測定」と略す場合有り)は共に欠陥有りと判定する。
図1の(b) の場合は、欠陥検査対象領域31のみに欠陥35が発生しているため、100%測定及び面積縮小測定は共に欠陥有りと判定する。図1の(c) の場合は、検査対象外領域32のみに欠陥35が発生しているため、100%測定のみ欠陥有りと判定し、面積縮小測定は欠陥無しと判定する。図1の(d) の場合は、欠陥検査対象領域31及び検査対象外領域32のいずれにも欠陥35が発生していないため、100%測定及び面積縮小測定は共に欠陥無しと判定する。
したがって、100個のチップにはそれぞれ領域RA(図1の欠陥検査対象領域31相当)と領域RB(図1の検査対象外領域32相当)とが存在する。「欠陥有りチップ」は、領域RAあるいは領域RB、もしくは領域RA及び領域RBの両方に欠陥が有るチップに該当する場合、すなわち、図1の(a) 〜(c) に該当する場合である。したがって、「欠陥無しチップ」は、領域RA及び領域RB双方に欠陥がないチップに該当する場合、すなわち、図1の(d) に該当する場合である。
したがって、「欠陥無しチップ」が存在する確率は、領域RA,RBで同様に生じると推測できるため、{(1- 60/100)×(1-60/100)=0.16}として求めることができる。
すなわち、欠陥の有るチップの確率は、{1-0.16=0.84}となり、1ウエハにある欠陥の有るチップ数はその期待値となるため、{100×0.84=84}チップと推定される。
ここでは、面積比50%(0.5)の例を取りあげたが、これを一般化する。面積比50%の場合として同一面積の領域RA及びRBを想定したが、面積比25%の場合には、同一面積の領域RA,RB,RC及びRDの4つの領域を想定でき、任意の面積比RS(RS=0〜1)対しては、1/RS個の同一面積の領域を想定できる。したがって、欠陥の有るチップが生じる確率PKは、ウェハ上の全チップ数をK0,面積縮小測定で欠陥測定されたチップ数をK1,面積縮小測定で行う欠陥検査対象領域の全欠陥検査可能領域(電気テスト対象領域)に対する面積比をRSとすると次の(I)式で一般化することができる。なお、(I)式において「^」は階乗を意味する。
PK=1-(1-K1/K0)^ (1/RS)…(I)
欠陥の有るチップ数はその期待値だから、推定欠陥有りチップ数EK1は次の(II)式で表すことができる。
EK1=K0・PK=K0・{1-(1-K1/K0)^ (1/RS)}…(II)
したがって、前述の面積比RS=0.5、面積縮小測定で欠陥測定されたチップ数K1=2、ウエハのチップ数K0=100の場合、上記(II)式を適用して、推定欠陥有りチップ数EK1{=100×(1-(1-2/100)^(1/0.5))=3.96}チップを得ることができる。これは前述した直感的な推定とも合致した結果となる。
(推定欠陥有りチップ数の推定換算)
図2はこの発明による実施の形態1である推定欠陥有りチップ数の推定換算方法の処理手順を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS1で、検査装置の面積縮小機能を用いて所定の工程後に所定の工程による新規欠陥の座標及び検出サイズを抽出する欠陥検出処理を行う。ステップS2で、全工程終了後に電気テスタによる集積回路の良否判定をチップ単位行う。そして、ステップS3で、検出されたすべての新規欠陥を有効とする識別条件で新規欠陥の有無をチップ単位に判定する。
図3はステップS1で実行される欠陥検査領域と電気テスタによる電気テスト領域との関係を示す説明図である。実施の形態1では、欠陥検査領域と電気テスト領域との関係は図3(a) の関係となる。すなわち、面積縮小機能による欠陥検査は検査対象となるチップ30に対し、欠陥検査対象領域31と検査対象外領域32とが設定されており、欠陥検査対象領域31に対してのみ欠陥検出処理が行われ、検査対象外領域32に対しては欠陥検出処理は行われない。一方、チップ10の全領域に対して電気テスト対象領域33が集積回路の良否判定用に割り当てられており、ステップS2のテスタによる電気テストはチップ10の全領域に対して行われる。
図2に戻って、ステップS4において、図15で示した前提技術の場合と同様、ステップS3で面積縮小機能によって検出された新規欠陥とステップS2で得た良否判定結果との照合をウエハマップ上で行い、新規欠陥の有無及び良・不良判定に基づき、図16で示した前提技術の場合と同様、(1)〜(4)に示すようにチップを4種類に分類した原チップ分類データを得る。
そして、ステップS5において、面積縮小機能による欠陥検査対象領域の全欠陥検査可能領域に対する面積比を求める。例えば、図3の(a) の場合では、チップ30の全欠陥検査可能領域の面積をS30とし、欠陥検査対象領域31の面積をS31とすると、面積比はS31/S30となる。ここで、面積比が0.5であったと仮定する。
次に、ステップS6において、ステップS5で求めた面積比に基づき、推定欠陥有りチップ数を推定換算する。すなわち、面積縮小機能を用いて検出された欠陥有りチップ数に基づき、チップの全領域に対する100%測定であった場合の推定欠陥有りチップ数を推定換算する。以下、その内容を説明する。まず、ステップS4での原チップ分類データが以下の内容であったと仮定する。なお、以下のデータは、検査領域が100%測定された欠陥検査データに基づき、面積縮小機能を用いて高スループットでの測定をシミュレートするために、元の測定結果から検査面積を50%に減らして、面積比0.5を実現したデータである。
(1) 新規欠陥無し・良品 =157チップ、
(2) 新規欠陥無し・不良品=24チップ、
(3) 新規欠陥有り・良品 =32チップ、
(4) 新規欠陥有り・不良品=7チップ、
(1)+(2)+(3)+(4):1ウエハのチップ数=220チップ。
面積比0.5のデータから、上述した(II)式を適用して、100%測定の場合の推定欠陥有りチップ数EK1に推定換算する。すると、推定欠陥有りチップ数EK1は71.1{= 220×(1-(1-(32+7)/220)^ (1/0.5))}として求めることができる。なお、推定換算された値のため推定欠陥有りチップ数は整数でなくてもよい。
図4は100%測定欠陥有りチップと実施の形態1で求めた推定欠陥有りチップ数との比較結果を示すグラフである。上述したように、検査領域が100%測定された欠陥検査データと、この欠陥検査データから欠陥検査対象領域となる面積を50%に減らして面積比0.5の面積縮小測定のシミュレーションデータとの比較を、422枚のウェハについて行った比較結果である。
同図に示すように、比較結果は100%測定で欠陥有りチップ数が0〜220に近いものまであるが、実施の形態1で推定換算された推定欠陥有りチップ数(縦軸)と100%測定による実際の欠陥有りチップ数実数(横軸)がほぼ一致しており、全体的にみて精度良く推定欠陥有りチップ数が推定換算できていると判断される。
このように、実施の形態1の推定欠陥有りチップ数の推定方法では、高スループットな面積縮小機能を用いて検出された欠陥有りチップ数に基づき、100%測定の欠陥有りチップ数と推定される推定欠陥有りチップ数を、欠陥解析結果の一つとして正確に推定換算することができる。すなわち、面積縮小測定により欠陥検査を効率的に行いながら全検査可能領域(電気テスト対象領域)に適合した解析結果(推定欠陥有りチップ数)を得ることができる。
なお、実施の形態1では実行したステップS2のテスタによる電気テスト及びステップS4の4分類処理は、推定欠陥有りチップ数を求めることが主目的の場合は必ずしも必要はない。すなわち、実施の形態1の欠陥解析方法において推定欠陥有りチップ数を求める場合に不可欠なステップは図2のステップS1,S3,S5,及びS6である。
<実施の形態2>
(原理)
実施の形態1で推定欠陥有りチップ数を得た後、チップを推定後の欠陥の有無及び良・不良で4分類する場合、推定欠陥有りチップ数のうち、チップの全領域の100%検査していた場合にどれだけが良品でどれだけが不良品であったかの内訳をさらに推定する必要がある。
この場合、特許文献1に定義した致命率を最大に見積もった場合の良品数と不良品数の内訳(第1推定方法)と、上記致命率を最小に見積もった場合の良品数と不良品数の内訳(第2推定方法)とに場合に分けて計算する。第1及び第2推定方法により、欠陥の影響を最大に見積もる場合と最小に見積もる場合でそれぞれ計算することにより、本来100%検査していたら算出されたと推定される欠陥解析結果を推定有効範囲に限定して推定することができる。なお、欠陥解析結果としては、所定の工程の新規欠陥によってのみ不良となったチップ数と推測される新規不良チップ数、所定の工程の新規欠陥によってチップが不良となった割合と推定される致命率及び所定の工程によって不良となったチップ数と推定される工程不良チップ数等がある。
(第1推定方法)
図5は実施の形態1によって推定換算した推定欠陥有りチップ数を模式的に示した説明図である。同図に示すように、図2のステップS4直後に得られる原チップ分類データは、図5の(a) のように、欠陥無し・良品エリアA1、欠陥無し・不良エリアA2、欠陥有り・良品エリアA3及び欠陥有り・不良エリアA4に分類されたデータである。
その後、図2のステップS5,S6によって、推定欠陥有りチップ数が測定された結果、図5の(b) のように、欠陥無し・良品エリアA1及び欠陥無し・不良エリアA2の一部が推定欠陥有りエリアA56に置き換わったと考えることができる。
図6は第1推定方法を模式的に示した説明図である。図6に示すように、推定欠陥有りエリアA56を推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6に分類する必要がある。
第1推定方法として、推定欠陥有りチップ数のうち、不良品数が最大となる場合を考える。面積縮小機能を使った欠陥検査によって、すでに、欠陥有り・良品(A3)と欠陥有り・不良品(A4)と分類されたチップの割合、すなわち、欠陥有りチップの歩留りは、実際の欠陥有りチップの歩留りより低いと予想できる。その理由は以下の通りである。
1チップに存在する欠陥数が多いほど、面積縮小機能を使って欠陥検査をした場合においても欠陥有りと検知される確率は高くなる。すなわち、多くの欠陥を被り生存確率の低いチップが面積縮小測定によって多く検知されることにより、面積縮小測定によって検出された欠陥有りチップは、100%測定で検出された実際の欠陥有りチップの歩留りより低いと予測できるのである。
そこで、欠陥の影響を最大に見積もる判断基準として、「面積縮小機能を使って欠陥検査をした結果、すでに、欠陥有り・良品と欠陥有り・不良品と分類されたチップの割合が、推定欠陥有りチップ数の換算後も変わらない」と仮定する。すなわち、図6において、A3/A4=A5/A6の関係になると仮定する。
良品の合計(A1+A3)と不良品の合計(A2+A4)は、図2のステップS2の電気テストで既に得られているのであり、面積縮小測定とは無関係のため、変わらない。したがって、推定欠陥有り・良品エリアA5,推定欠陥有り・不良エリアA6が決まれば、必然的に推定欠陥無し・良品エリアA7(=A1-A5)及び推定欠陥無し・不良エリアA8(=A2-A6)は一義的に決まる。
(第2推定方法)
第2推定方法として、不良品数を最小に見積もった場合の良品数と不良品数の内訳を考える。
面積縮小測定によって得た結果をそのまま特許文献1と同様に用いて算出した致命率は、実際の致命率より小さく算出されることになる。なぜなら、本来、欠陥有り・不良であるはずのものが、原チップ分類データ上では欠陥無し・不良に分類されている可能性があるため、欠陥無しの良品率が実際より低くなっているからである。致命率は、欠陥有り・欠陥無しそれぞれの良品率の比により求められているので、欠陥無しの良品率が欠陥有りの良品率に近づいているときは、欠陥による致命率は低い値に計算される。
そこで、欠陥の影響を最小に見積もる判断基準として、「面積縮小機能を使って得た原チップ分類データに基づき算出された致命率は、推定欠陥有りチップ数を推定換算して得た後も変わらない」と仮定する。
以下、原チップ分類データに基づく致命率等の算出方法(特許文献1にも開示)について説明する。この際、新規欠陥は図14のD工程のものであると仮定し、原チップ分類データは図5の(a) の場合を仮定して述べる。なお、説明の便宜上、各エリアA1〜A4はその数を示しているものとする。領域A1,A2の不良率RB1(=1−良品率=1−歩留まり)は下記(III)式で表される。
RB1=A2/(A1+A2)…(III)
これを領域A3,A4で当てはめて、D工程以外のA、B、C、E、Fの5工程の影響による不良数NEを計算すると下記(IV)式のようになる。
NE=(A3+A4)・RB1…(IV)
ここでA3とA4の領域での実際の不良数はA4であるから、D工程の新規欠陥によってのみ不良となったと推測される新規不良チップ数N1は下記(V)式のように求められる。
N1=A4-NE…(V)
次にD工程の新規欠陥の致命率RFを計算する。A1とA2の領域の不良率RB1と、A3とA4の領域での不良率RB3=A4/(A3+A4)との関係からD工程の影響を考える。A3とA4の領域においてD工程の欠陥分布が均一であると仮定すれば、A1とA2の領域の良品率rg1(=A1/(A1+A2))と、A3とA4の領域の良品率rg3(=A3/(A3+A4))とに基づき、D工程における良品率RGは確率の積の法則により、下記(VI)式のようになる。
RG=rg3/rg1…(VI)
すなわち、D工程における新規欠陥の致命率RFは下記(VII)式で決定する。
RF=1-RG…(VII)
次にD工程で発生した不良チップ個数を計算する。検出した新規欠陥のあるチップのうち、致命率RFに基づき、工程不良チップ数NBは下記(VIII)式のように求めることができる。
NB=(A3+A4)・RF…(VIII)
以上が原チップ分類データに基づく致命率等の算出方法である。上述した算出方法で得られた致命率を用いて、図6で示す推定欠陥有りチップ数EK1の換算後の分布における工程不良チップ数NB2を以下の(IX)式で求めることができる。なお、説明の便宜上、各エリアA1〜A8はその数を示しているものとする。
NB2 = EK1・RF = (A3+A5+A4+A6) ・RF…(IX)
ここで(A5+A6)は、推定欠陥有りチップ数EK1に基づき(EK1−A1-A2)で算出可能であるため、エリアA5とA6の内訳を計算しなくとも工程不良チップ数NB1を計算することはできる。また、前述したように、致命率RFは既に求まっている。しかし、推定換算後の新規不良チップ数N12を求めるときなどは、推定換算後の4分類のデータ(第2のチップ分類データ)が必要なのでエリアA5とA6の内訳を計算することにする。致命率RFが変わらないとの仮定より、次の(X)式及び(XI)式を解法して、A5とA6をそれぞれ求めればよい。
RF= 1-(rg13/rg11)…(X)
ただし、
rg11=(A1-A5)/(A1-A5+A2-A6)、
rg13=(A3+A5)/(A3+A5+A4+A6)
A5+A6 = EK1−A3-A4 …(XI)
実際に解法するには、(XI)式を(X)式に代入して、一元式とし二分法で答えを求める。ただし、数値の組み合わせによっては、式が連続とは限らないので、必ず答えが求まるとは限らない。また、正数の範囲にもともと答えがない場合もある。そこで、二分法のループには制限を設けてある程度以上ループをまわったものは答えの探索をあきらめる。なお、二分法以外の方法を用いて(X)式及び(XI)式を解法してもよい。
(実施の形態2の欠陥解析方法)
図7はこの発明の実施の形態2である欠陥解析方法を示すフローチャートである。以下、同図を参照しつつ、その処理の流れを示す。
まず、ステップS11において、面積縮小機能を用いた欠陥検査及びテスタによる検査結果及びテスト欠陥によって、4分類された原チップ分類データを得る(図2のステップS1〜S4に相当)。
次に、ステップS12において、ステップS11で求めた欠陥有りチップ数に基づき100%測定の推定欠陥有りチップ数を推定換算する(図2のステップS5,S6に相当)。したがって、ステップS11,S12は実施の形態1の推定欠陥有りチップ数の推定方法によって実現可能である。
その後、ステップS13において、推定欠陥有りチップ数の良・不良分類を、不良品数が最大の場合(第1推定方法)と最小の場合(第2推定方法)について行い、第1及び第2推定方法それぞれによる致命率や工程不良チップ数等の解析結果を得る。
図8は図7のステップS13の処理の詳細を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、第1推定方法に基づく第1の解析処理及び第2推定方法に基づく第2の解析処理の内容を説明する。
同図を参照して、ステップS21で、最大不良見積もりによる第1推定方法を用い、推定欠陥の有無及び良・不良に基づき原チップ分類データを再構成して、第1のチップ分類データを得る。以下、ステップS21の詳細を例を挙げて説明する。
まず、ステップS11で、実施の形態1の同様、エリアA1〜A4は以下のように4分類され、ステップS12で推定欠陥有りチップ数K1が得られたと仮定する。
A1:新規欠陥無し・良品=157チップ、
A2:新規欠陥無し・不良品=24チップ、
A3:新規欠陥有り・良品=32チップ、
A4: 新規欠陥有り・不良品=7チップ、
A1+A2+A3+A4 1ウエハのチップ数=220チップ。
したがって、ステップS12で、100%測定であった場合の推定欠陥有りチップ数EK1は71.1チップとなる。
第1推定方法では、欠陥有り・良品エリアA3と欠陥有り・不良エリアA4との比が推定欠陥有り・良品エリアA5と推定欠陥有り・不良エリアA6との比に等しいと仮定するため、以下のようにして、推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6は決定する。
A5+A6=71.1-(32+7)=32.1チップ、
A5=(A5+A6)・A3/(A3+A4)
=32.1・32/(32+7)=26.3チップ、
A6=(A5+A6)・A4/(A3+A4)
=32.1×7/(32+7)=5.8チップ。
したがって、第1推定方法により再構成された第1のチップ分類データは、以下のようになる。
A7=A1−A5=157-26.3=130.7チップ、
A8=A2−A6=24-5.8=18.2チップ、
A3’=A3+A5=32+26.3=58.3チップ、
A4’=A4+A6=7+5.8=12.8チップ。
以上のようにして不良品数を最大に見積もった第1推定方法よって、第1のチップ分類データを推定することができる。
次に、ステップS22において、ステップS21で得た第1のチップ分類データに基づき、上述した致命率等の算出方法である(III)〜(VIII)式を適用した第1の解析処理を行い、第1のチップ分類データに基づく致命率RF1、工程不良チップ数NB1、新規不良チップ数N11を得る。以下、その計算結果を示す。
RF1=1-{A3’/(A3’+A4’)}・{A7/(A7+A8)}
=1-58.3/(58.3+12.8)×(130.7+18.2)/130.7=0.065、
NB1=(A3’+A4’)×RF1
=(58.3+12.8)×0.065=4.6チップ、
N11=A4’- (A3’+A4’)×A8/(A7+A8)
=12.8-(58.3+12.8)×18.2/(130.7+18.2)=4.1チップ。
以上のようにして不良品数を最大に見積もった場合の欠陥の致命率RF1、工程不良チップ数NB1及び新規不良チップ数N11を求めることができた。
図9はステップS22による第1の解析結果をベン図形式で示した説明図である。同図に示すように、推定欠陥有り・不良チップ数12.8チップのうち、D工程の欠陥による新規不良チップ数が4.1、D工程による工程不良チップ数が4.6(4.1+0.5)等の第1の解析結果が示されている。
次に、ステップS23において、最小不良品見積もりによる第2推定方法を用いた第2尾解析処理を行い、致命及び工程不良チップ数を計算する。致命率は原チップ分類データに基づき上述した(VI)式及び(VII)式を用いて得ることができ、工程不良チップ数は上述した(IX)式を用いて得ることができる。すなわち、第2推定方法では原チップ分類データに基づく致命率を用いるため、致命率は勿論、工程不良チップ数も、原チップ分類データを再構成する前に得ることができる。以下、上記したエリアA1〜A4による場合の第2推定方法の致命率RF2とNB2は以下のように求められる。
RF2=1-A3/(A3+A4)×(A1+A2)/ A1
=1-32/(32+7)×(157+24)/157=0.054、
A3’+A4’=A3+A4+A5+A6=71.1チップ、
NB2=(A3’+A4’)×RF2
=71.1×0.054=3.8チップ。
次に、ステップS24において、ステップS23で得た致命率を用いて、原チップ分類データを再構成して、100%測定による新規欠陥の有無と良・不良による第2のチップ分類データを得る。すなわち、上述した(X)式及び(XI)式を解法することにより、推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6とを求めることにより、第2のチップ分類データを得る。以下、上記したエリアA〜A6(A5,A6は未知)の場合に以下の2つの式を解法することにより、推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6を得ることができる。
RF2= 1-(rg13/rg11)、
ただし、
rg11=(A1-A5)/(A1-A5+A2-A6)、
rg13=(A3+A5)/(A3+A5+A4+A6)、
A5+A6 = 71.1-(32+7)=32.1チップ。
ここでは、第二式(A5+A6の式)を第一式(RF2の式)に代入して、一元式とし、二分法で答えを求めた。その結果、推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6は以下のように決定した。
A5=26.8チップ、
A6=5.3チップ。
したがって、第2推定方法により再構成された第2のチップ分類データは、以下のようになる。
A7=A1−A5=157-26.8=130.2チップ、
A8=A2−A6=24-5.3=18.7チップ、
A3’=A3+A5=32+26.8=58.8チップ、
A4’=A4+A6=7+5.3=12.3チップ。
次に、ステップS25において、ステップS24で得た第2のチップ分類データに基づき、以下の(XII)式を適用した第2の解析処理を実行することにより、新規不良チップ数N12を求めることができる。
N12=A4’- (A3’+A4’)×A8/(A7+A8)…(XII)
したがって、新規不良チップ数NB12は以下のように求まる。
N12=12.3-(58.8+12.3)・18.7/(130.2+18.7)=3.4チップ
図10はステップS23〜S25による第2の解析結果をベン図形式で示した説明図である。同図に示すように、推定欠陥有り・不良チップ数12.3チップのうち、D工程の欠陥による新規不良チップ数が3.4、D工程による工程不良チップ数が4.6(4.1+0.5)等の第2の解析結果が示されている。
そして、ステップS26において、ステップS22で得た第1の解析結果とステップS23及びS25で得た第2の解析結果とを比較出力する。本例においては、不良品数を最大に見積もった第1推定方法と最小に見積もった第2推定方法との欠陥の致命率RF1,RF2は、それぞれ0.065と0.054になり狭い推定有効範囲(0.054〜0.065)で収まる結果となった。同様に解析で最も重要な値である工程不良チップ数NB1,NB2も4.6チップ,3.8チップになり狭い推定有効範囲(3.8〜4.6)で収まる結果となった。
図11は面積縮小測定による工程不良チップ数最大値(第1推定方法)と工程不良チップ数最小値(第2推定方法)との比較結果を示すグラフである。図4で示したグラフ同様、検査領域が100%測定された欠陥検査データから検査面積を50%に減らして面積比0.5の面積縮小測定をシミュレーションして得たデータを有する422枚のウェハについて行った比較結果である。
同図に示すように、工程不良チップ数の最小値NB2(縦軸)は工程不良チップ数の最大値NB1(横軸)に比べて、1点を除き、およそ20%以内にあり、第1推定方法及び第2推定方法により狭い推定有効範囲で精度良い解析結果を得ていることがわかる。
このように、実施の形態2の欠陥検査解析方法によれば、高スループットな面積縮小機能を用いて欠陥検出された結果で、ほとんどの場合、100%測定による解析結果との差異がほとんどない推定有効範囲で解析結果を得ることができ、精度良く推定することができる。すなわち、面積縮小測定により欠陥検査を効率的に行いながら全検査可能領域(電気テスト対象領域)に適合した解析結果(致命率、工程不良チップ数、新規不良チップ数)を得ることができる。
<実施の形態3>
(原理)
実施の形態1及び実施の形態2では欠陥検査は面積縮小機能を用いてチップの一部領域である欠陥検査対象領域に対して行い、テスタによる集積回路の電気テストをチップの全領域である電気テスト対象領域に対して行う場合を示した。
実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2と異なり、欠陥検査態様領域をチップの全領域に設定して行い、電気テスト対象領域をチップの一部領域に設定して行う場合を想定してる。すなわち、図3の(c) に示すように、チップ30の全領域が欠陥検査対象領域31として欠陥検査が行われるのに対し、チップ30の一部領域である電気テスト領域33に対してのみ電気テストが行われ(以下、「部分テスト処理」と略記)、他の領域である電気テスト対象外領域34に対しては電気テストが行われない場合を想定している。
部分テスト処理が行われる例として、チップ内のレイアウトがブロック状に分かれていて、各ブロックが異なる機能を有するため、各ブロックに対して異なる内容の電気テストを行う場合があり、この際、一部ブロックに対する電気テストを省略する場合等が考えられる。
このように、部分テスト処理が行われる場合は、実際に電気テストが行われた領域に適合させて4分類した方が正確な解析結果が期待できる。そこで、実施の形態1で用いた面積比を部分テスト処理の対象となる電気テスト対象領域に対する欠陥検査対象領域の面積比として決定することにより、実施の形態1の推定欠陥有りチップ数の推定方法、実施の形態2の欠陥解析方法をそのまま適用することができる。
(欠陥解析方法)
図12は実施の形態3による欠陥解析方法を示すフローチャートである。以下、同図を参照しつつ、その処理の流れを示す。
まず、ステップS41において、100%測定による欠陥検査及びテスタによる部分テスト処理により原チップ分類データを得る(図2のステップS1〜S4に相当)。
次に、ステップS42において、ステップS41で求めた欠陥有りチップ数に部分テスト処理に適合した推定欠陥有りチップ数を推定換算する(図2のステップS5,S6に相当)。この際、面積比RSを部分テスト処理の対象となる領域に対する欠陥検査領域面積の比として決定する。
例えば、図3の(c) に示すように、100%測定の欠陥解析と電気テスト対象領域33のみ対して電気テストを行う部分テスト処理とが行われて、ステップS41で原チップ分類データが得られたとする。この場合、欠陥検査対象領域31の面積をS31、電気テスト対象領域33の面積をS33とすると、面積比RSはS31/S33となる。このとき、電気テスト対象領域33の面積S33がチップ30の全面積(すなわち、欠陥検査対象領域31の面積)の半分である場合、面積比RSは「2」となる。
その後、ステップS43において、実施の形態2のステップS13と同様、推定欠陥有りチップ数の良・不良分類を行い第1及び第2のチップ分類データを得、不良品数が最大の場合(第1推定方法)と最小の場合(第2推定方法)それぞれにおける解析処理(第1及び第2の解析処理)を行って、致命率や工程不良チップ数等の第1及び第2の解析結果を得る。
なお、上述したように、面積比RSが1を上回るため、推定欠陥有りチップ数EK1は欠陥有り・良品エリアA3及び欠陥有り・不良エリアA4のチップ数の和(A3+A4)を下回り、推定欠陥有り・良品エリアA5及び推定欠陥有り・不良エリアA6は共に負の数となる。この場合、第1推定方法が不良品数を最小に見積もった場合に相当し、第2推定方法が不良品数を最大に見積もった場合に相当する。
このように、実施の形態3の欠陥解析方法は、電気テスト対象領域に対する欠陥検査対象領域の面積が大きい(RS>1)のときにも、実施の形態1及び実施の形態2の欠陥解析方法をそのまま適用することにより、効率的な部分テスト処理を用いて電気テストされた場合も、精度良く欠陥解析を行うことができる。すなわち、部分テスト処理により集積回路の良否判定を行いながら電気テスト対象領域に適合した解析結果(推定欠陥有りチップ数、致命率、工程不良チップ数、新規不良チップ数)を得ることができる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2の場合、電気テストがチップの全領域に対して行われるため、実施の形態3と同様、面積比RSは電気テスト領域に対する欠陥検査領域の面積の比となる。すなわち、実施の形態1及び実施の形態2と実施の形態3とは電気テスト処理内容がチップの全領域に対して行われるか一部領域に対して行われている点が異なるが、双方とも、電気テスト処理内容に適合した推定欠陥有りチップ数を求めている点において同じである。
また、実施の形態1〜実施の形態3では、欠陥検査対象領域及び電気テスト対象領域のうち一方がチップの全領域である場合を示したが、欠陥検査対象領域及び電気テスト対象領域のうち一方の領域が他方の領域を包含すれば、電気テスト処理内容に適合した欠陥解析処理が可能となる。
なお、実施の形態3とは直接関係はないが、電気テスト対象領域の面積が欠陥検査対象領域の面積より小さい場合は、面積比RSは“1”より大きな値となり、推定欠陥有りチップ数は、元のデータより少なくなる。したがって、欠陥の存在するチップ内座標が認識可能な場合には、チップ内のレイアウトに合わせて、電気テスト対象外領域の欠陥に関するデータを取捨てることによっても、部分テスト処理に適合した欠陥有りチップ数を求めることが可能である。しかしながら、上記チップ内座標の認識できない場合でも実施の形態3の欠陥解析方法による精度の高い解析処理が可能である。
<実施の形態4>
実施の形態2あるいは実施の形態3の欠陥解析方法を用い、工程管理を行い、その結果をフィードバックし、歩留まり等の向上を図りながら電子デバイスを製造するのが実施の形態4である。
図17はこの発明の実施の形態4である電子デバイスの製造方法を示すフローチャートである。図17では、A〜F工程を経て電子デバイスが製造される際に、実施の形態2あるいは実施の形態3を用いて得られる解析結果を得、この解析結果に基づきD工程を改良する場合を示している。以下、同図を参照しつつその処理手順を説明する。
まず、ステップS51において、複数の工程(A〜F工程)を経て、ウエハ上の複数のチップにそれぞれ集積回路が形成される電子デバイスを製造する。
そして、ステップS52において、上記複数の工程の実行中(D工程の実行後の欠陥検出処理(図2のステップS1に相当))及び実行後(他の処理)に、実施の形態2あるいは実施の形態3による欠陥解析方法を実行し、解析結果(第1及び第2の解析結果)を得る。
次に、ステップS53において、ステップS52で得られたD工程に関する解析結果(致命率、工程不良チップ数、新規不良チップ数等)に基づき、D工程が所定の基準を満足したか否かを判定する。例えば、第1及び第2の解析結果によるD工程の工程不良チップ数の最大値が所定の工程不良チップ数を下回っていれば所定の基準を満足していると判定し、工程不良チップ数の最大値が所定の工程不良チップ数を上回っていれば所定の基準を満足していないと判定する。
ステップS53においてD工程は所定の基準を満足したと判定した場合、D工程は改善の必要無しと判断し、D工程の内容を変更することなくステップS51に戻り、新たな電子デバイスを製造する。
一方、ステップS53でD工程が所定の基準を満足していない(不満足)と判定した場合、ステップS54に移行し、ステップS54において、D工程の内容変更処理を実行し、その後、ステップS51に戻り、新たな電子デバイスを製造する。
このように、実施の形態4の製造方法は、実施の形態2あるいは実施の形態3による欠陥解析方法を用いながら、D工程の内容を適宜改良することにより、製造プロセス(A〜F工程)の改善を図り、製造される製品(電子デバイス)の歩留まりの向上を図ることができる。
なお、実施の形態4では、D工程について欠陥解析(ステップS52)及び判定(ステップS53)・内容変更(ステップS54)を行う例を示したが、この例に限定されず、例えば、複数の工程のすべての工程(A〜F工程)に対し、D工程と同様な欠陥解析及び検証・内容変更を行っても良い。すなわち、電子デバイスを製造する複数の工程のうち少なくとも1つの工程に対して欠陥解析及び検証・内容変更処理を行うことにより、複数の工程の改善を図り、製造される電子デバイスの歩留まりの向上を図ることができる。
<その他>
(プログラムへの応用)
実施の形態1で示した欠陥解析方法の少なくとも一部(図2のステップS5,S6)、実施の形態2で示した欠陥解析方法(図7のステップS11〜S13,図8のステップS21〜S26)及び実施の形態3で示した欠陥解析方法(図12のステップS41〜S43)はコンピュータ実行可能なプログラムとして記述することができる。
したがって、上記したプログラムをコンピュータに実行させることにより、各実施の形態において欠陥解析処理を自動的に実行することができ、解析処理の労力を大幅に削減することができる。
なお、実施の形態1において、図2の全ステップS1〜S6をプログラムによる制御下で行うことも可能である。この場合、ステップS1の処理は欠陥検出用の検査装置を制御することにより行い、ステップS2の処理は良否判定用の電気テスタを制御することにより行い、ステップS3〜S4は検査装置及び電気テスタより得られた欠陥情報及び良否判定情報に基づき行うことができる。また、図7のステップS11及び図12のステップSS41における図2のステップS1,S2に相当する処理も同様に行われる。
100%測定による欠陥のチップ判定と面積縮小機能による欠陥のチップ判定との比較を示す説明図である。 実施の形態1の欠陥解析方法における推定欠陥有りチップ数の推定換算方法の処理手順を示すフローチャートである。 図2のステップS1で実行される欠陥検査領域と電気テスタによる電気テスト領域との関係を示す説明図である。 100%測定欠陥有りチップと実施の形態1で求めた推定欠陥有りチップ数との比較結果を示すグラフである。 実施の形態1によって推定換算した推定欠陥有りチップ数を模式的に示した説明図である。 第1推定方法を模式的に示した説明図である。 この発明の実施の形態2である欠陥解析方法を示すフローチャートである。 図7のステップS13の処理の詳細を示すフローチャートである。 図7のステップS22による第1の解析結果をベン図形式で示した説明図である。 図7のステップS23〜S25による第2の解析結果をベン図形式で示した説明図である。 面積縮小測定による工程不良チップ数最大値(第1推定方法)と工程不良チップ数最小値(第2推定方法)との比較結果を示すグラフである。 実施の形態3による欠陥解析方法を示すフローチャートである。 新規欠陥を検出する方法を示す説明図である。 各工程の検出欠陥個数と新規欠陥個数との関係を示すグラフである。 ウエハマップ上における新規欠陥の有無と良・不良との照合状態を示す説明図である。 4分類されたチップの状態を示す説明図である。 実施の形態4による電子デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
6〜11 新規欠陥、A1 欠陥無し・良品エリア、A2 欠陥無し・不良エリア、A3 欠陥有り・良品エリア、A4 欠陥有り・不良エリア、A5 推定欠陥有り・良品エリア、A6 推定欠陥有り・不良エリア、A7 推定欠陥無し・良品エリア、A8 推定欠陥無し・不良エリア、A56 推定欠陥有りエリア。

Claims (2)

  1. 電子デバイスを製造するための複数の工程を経て、ウエハ上の複数のチップそれぞれに形成される電子デバイスの欠陥解析方法であって、
    (a) 前記複数の工程のうち少なくとも1つの工程それぞれの実行後に、1チップ当たりの全欠陥検査可能領域の一部の領域である欠陥検査対象領域を対象として前記複数のチップそれぞれについて欠陥の検出を行うステップと、
    (b) 前記欠陥が、前記少なくとも1つの工程内の所定の一工程において新たに発生したかどうかを、前記複数のチップそれぞれについて判定するステップと、
    (c) 前記欠陥検査対象領域の前記全欠陥検査可能領域に対する面積比を求めるステップと、
    (d) 前記ステップ(b)で判定した、新たに発生した前記欠陥を有するチップ数をK1、前記複数のチップ数をK0,前記ステップ(c)で求めた前記面積比をRSとしたとき、前記全欠陥検査可能領域に適合した前記欠陥を有するチップ数である推定欠陥有りチップ数EK1を、以下の式(1)を用いて推定換算するステップとを備えた、
    EK1=K0・{1-(1-K1/K0)^(1/RS)}… (1)
    電子デバイスを製造するための欠陥解析方法。
  2. 請求項1記載の電子デバイスを製造するための欠陥解析方法における前記ステップ(c) 及び(d) をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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