JP4632109B2

JP4632109B2 - Method for producing solution-forming film

Info

Publication number: JP4632109B2
Application number: JP2001015473A
Authority: JP
Inventors: 理弘黒澤; 和祐米山
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 2001-01-24
Filing date: 2001-01-24
Publication date: 2011-02-16
Anticipated expiration: 2021-01-24
Also published as: JP2002210765A

Description

【０００１】
【発明に属する技術分野】
本発明は、ポリマ溶液を支持体上に流延して形成される溶液製膜フィルムを製造するに際し、フィルムに成形した後、湿式工程にフィルムを導入し、フィルムを搬送する工程を有する溶液製膜フィルムの製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般にその融点以上の温度で溶融状態となる有機ポリマを口金から溶融膜として吐出するとフィルムが成形される。しかし、融点と分解温度の近い、または融点が分解温度より高いポリマは、溶融と同時に分解が起こるため、適当な溶媒にポリマを溶かし、得られたポリマ溶液を支持体上にキャストして、その後溶媒を除去する溶液製膜法によりフィルムに成形される。溶液製膜により成形されるポリマとしては、例えば、セルロース、酢酸ビニル、あるいは芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドなどが挙げられる。例えばパラ系芳香族ポリアミドフィルムは、その耐熱性、高剛性を活かして、磁気記録分野等に使用されているが、近年、磁気記録媒体の高密度化、小型化などの要請からより一層の表面品質の向上による高機能化が求められるようになっている。
【０００３】
乾湿式法では、支持体上に流延されたポリマ溶液は自己保持性を持つまで溶媒を除去した後、支持体より剥離し、湿式工程に導入される。ここでフィルム中に含有されているイオン性無機化合物や不純物が除去され、各種工程を経てフィルムが得られる（芳香族ポリアミドの例としては特開平４−１３９２２９号公報がある。）。湿式法では、支持体上に流延されたポリマ溶液を支持体とともに水中に浸漬し凝固させた後、支持体より剥離し、水槽中に導入し、この後各種工程を経てフィルムが得られる（芳香族ポリアミドの例としては特開平２−２８２２２号公報がある。）。
【０００４】
しかし、薄膜化、安定供給性の要請に伴い、ピンホール改善に対する要求が特に強くなった今日において、フィルムの表面に穴（ピンホール）があきやすい溶液製膜フィルム製造における固有の問題が顕在化し、後の塗布工程において歩留まりが低下する問題を抱えている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、薄膜化等により顕在化した上記問題を解消し、後の塗布もしくは蒸着工程において安定した加工性が得られる、ピンホール発生頻度の低い芳香族ポリアミドフィルム等の溶液製膜フィルムの製造方法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る溶液製膜フィルムの製造方法は、ポリマ溶液を支持体上に流延してフィルムに成形した後、湿式工程にフィルムを導入しフィルムを搬送する工程において、ポリマ溶液の溶媒と接触する雰囲気の温度Tatmを後述の実施例に示すように３３℃以上に設定するとともに、
該雰囲気温度Tatmと溶媒の排気口の温度Texとが、
Tex-100≦Tatm≦Tex-1 [℃]
の関係を満たす流延直後から排気口までの領域Lが、
20≦L≦200 [cm]
存在することを特徴とする方法からなる。
【０００７】
本発明に係る上記方法により製造されたピンホール発生頻度の低い溶液製膜フィルムは、例えば、電子マイクロ厚さ計で測定した製品フィルム厚みが5μｍ以下であり、製品フィルム中の100μｍ以上のピンホール数が1000m ² あたりに1個以下であることを特徴とするものからなる。溶液製膜フィルムとしては、とくに芳香族ポリアミドフィルムが好ましい。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明でいうフィルムとは、ポリマと溶媒を主成分とする溶液を口金より支持体上にキャストされ、支持体から剥離後湿式工程に導入され、フィルム中に含有されているイオン性無機化合物や不純物が除去され、場合によっては縦に延伸された後、各種工程を経て成形される溶液製膜フィルムである。溶媒の種類はポリマを溶解するものであれば特に限定はされない。また、溶液中のポリマの濃度はポリマの種類にもよるが、一般的に４〜４０ｗｔ％であり、溶液中にはポリマと溶媒以外に目的に応じて、滑剤、可塑剤、導電性粒子、酸化防止剤その他の添加剤がブレンドされていても差し支えない。
【０００９】
本発明の溶液製膜フィルムの製造方法が適用されるポリマは特に限定されないが、好ましくは、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースなどのセルロースポリマ、酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特に、芳香族ポリアミドが好ましい。
【００１０】
本発明にかかる溶液製膜フィルムの厚さは、とくに磁気記録媒体の高密度化・小型化の要求を満たす観点から、５μｍ以下が対象とされ、好ましくは４．５μｍ以下、より好ましくは４．４μｍ以下の範囲であり、とくにかかる薄膜を製造するにあたっては、流延したポリマと支持体との隙間にエアの混入等によりピンホールが発生しやすくなるため、本発明による効果が大きい。
【００１１】
本発明に係るフィルムを磁気記録媒体における基材フィルムとする場合、基材フィルムの少なくとも一方向に引張りヤング率は、800kg/mm²以上あることが好ましく、より好ましくは900kg/mm²以上、更に好ましくは1000kg/mm²以上である。このような引張りヤング率にすることにより、塗布層もしくは蒸着層形成、バックコート層形成工程などの磁気記録媒体形成時にかかるテンションにも耐えることができるようになり、加工上も有利であるので望ましい。
【００１２】
また、本発明に係るフィルムを用いた磁気記録媒体においては、基材フィルムの少なくとも一方向のヤング率が800kg/mm²以上であれば、該基材フィルムの長手方向にテンシライズまたは幅方向にテンシライズされても差し支えない。テンシライズの度合いは特に限定されないが、伸度、引き裂き抵抗等の特性を考慮に入れると、長手方向の引張りヤング率Emdと幅方向の引張りヤング率Etdが、０．５≦Emd/Etd≦２の範囲にあるのが実用的である。
【００１３】
また、磁気記録媒体における基材フィルムの少なくとも一方向の伸度は、１０％以上、より好ましくは２０％以上、更に好ましくは３０％以上であることが望ましい。これにより、テープの適度な柔軟性を持つことができる。
【００１４】
また、磁気記録媒体における基材フィルムの吸湿率は、５％以下、より好ましくは３％以下、更に好ましくは２％以下であるのが望ましい。これにより、湿度変化によるテープの寸法変化が小さく良好な電磁変換特性を保てるようになる。
【００１５】
また、磁気記録媒体における基材フィルムの１０００ｍｍ幅、１０ｍ長さのフィルムの片伸び量が±４０ｍｍ以下であることが、蛇行防止、磁性層形成工程での良好な加工性の観点から好ましく、より好ましくは±３０ｍｍ以下、更に好ましくは±２０ｍｍ以下であることが望ましい。
【００１６】
さらに、磁気記録媒体における基材フィルムにおいては、基材フィルムの幅方向についてフィルムが５％伸長した際のフィルムの強度Ｆ−５値が、250kg/mm²以上であることが好ましい。より好ましくは280kg/mm²以上、さらに好ましくは320kg/mm²である。このようなＦ−５値を有することにより、磁性層形成、バックコート層形成工程などの磁気記録媒体にかかるテンションに耐えることができ、加工上有利である。
【００１７】
本発明の溶液製膜フィルムの製造方法を、芳香族ポリアミドフィルムを例にとって説明するが、これに限定されるものではない。
【００１８】
芳香族ポリアミドポリマは、酸クロリドとジアミンから得る場合は、Ｎ−メチルピロリドン（ＮＭＰ）、ジメチルアセトアミド（ＤＭＡｃ）、ジメチルホルムアミド（ＤＭＦ）などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するので、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応により芳香族ポリアミドポリマを製造する場合は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【００１９】
これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。
【００２０】
フィルムの表面に微細な凹凸をつけるためには、粒子を添加することが好ましい。粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリー化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒として添加する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加する方法などがあるが特に限定されない。
【００２１】
製膜原液には溶解助剤として無機塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中のポリマ濃度は高い方が生産性向上につながるが、好ましくは４〜４０％である。
【００２２】
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルムに成形される。溶液製膜法には、製膜原液をエンドレスベルト、ドラム等の支持体上にキャスト後、乾燥、フィルムの剥離、熱処理を行う乾式法、製膜原液乾燥工程を経ずに直接水中に押し出し、溶媒抽出後熱処理を行う湿式法、支持体上で乾燥、フィルム剥離後湿式工程に導入する乾湿式法、支持体上で乾燥後支持体ごと湿式工程に導入する半乾半湿式法などがあるが、本発明のフィルムを得るには湿式法または、溶液膜を支持体上にキャストする乾湿式法、半乾半湿式法が好ましいが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
【００２３】
乾湿式法で製膜する場合は、まず該溶液を口金からドラムやエンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とする。次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。このように支持体上にキャストされた溶液膜は熱風、支持体加熱あるいは赤外線加熱などの方法により乾燥を受け溶媒が除去される。乾燥条件は室温〜溶媒の沸点＋２０℃、６０分以内の範囲であり、好ましくは室温〜溶媒の沸点の範囲である。尚、Tex-100≦Tatm[℃]≦Tex-1を満たす領域、好ましくはTex-30≦Tatm≦Tex-10を満たす流延直後から排気口までの領域Lが、20≦L[cm]≦200の範囲で存在することである。また、溶媒の排気量は総排気量に対して0.2vol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1vol%以下である。
【００２４】
上記乾式工程を終えたフィルムは、支持体から剥離されて湿式工程に導入され、ここでフィルム中に含有されている溶媒や不純物が除去される。この浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機溶媒や無機塩等を含有してもよい。一般には水分量は３０％以上、好ましくは５０％以上含有され、浴温度は通常、０〜１００℃で使用される。
【００２５】
この湿式工程では、剥離されたフィルムはかかる浴中に緊張下で浸漬され、フィルム中の無機化合物が、０．１％未満、好ましくは０．０５％以下になるまで抽出される。この湿式工程では、フィルムは浴入出口のニップロールと浴中のロールを介して搬送される。湿式工程を出たフィルムは更に乾燥、熱処理が行われてフィルムとなる。そのときの温度は２００〜４５０℃で、時間は２０秒以上２０分以下である。
【００２６】
このように形成されるフィルムはその製膜工程中で、機械特性向上の目的で延伸が行なわれてもよい。延伸倍率は、巻き取り速度をキャスト速度で除した値である縦延伸倍率が０．９５〜２．０倍、面倍率で０．８〜４．０倍（面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。１以下はリラックスを意味する。）の範囲内であると局所厚みむら、機械特性の点から好ましく、より好ましくは縦延伸倍率が１．０５〜１．５倍、面倍率が１．１〜３．０倍の範囲である。
【００２７】
こうして得られたフィルムを巻き取って芳香族ポリアミド製品フィルムが得られる。
【００２８】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
（１）製品フィルムロール中100μｍ以上のピンホール個数Pin[個/1000m²]
湿式工程を出た後、横延伸、乾燥、熱処理、リラックスされて得られたフィルムの下部から紫外線を照射し、フィルム上部に設置した紫外線のみを透過するフィルターを介したＣＣＤカメラに受光した回数を、製品フィルム1000m²あたりに換算して求める。
【００２９】
（２）製品フィルムロール中に含まれる微小ピンホール(50μｍ以上)の個数Poff[個/1000m²]
フィルムの下部を金属ロールに接触させ、フィルム上部から６．５ｋＶの電荷を印加させ、通電した回数を製品フィルム1000m²あたりに換算して求める。
【００３０】
実施例１
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分として85モル％に相当する2-クロルパラフェニレンジアミンと、15モル％に相当する4,4-ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに99モル％に相当する2-クロルテレフタル酸クロリドを添加し、重合前に45nm径のコロイダルシリカを、ポリマ当たり0.2wt％になるように添加して、2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度10wt％、固有粘度2.6、溶液粘度3500ポイズ(30℃)の芳香族ポリアミド溶液を得た。
【００３１】
このポリマ溶液を1μｍカットのフィルターを通した後、ステンレス製のエンドレスベルト上にキャストし、その後流延直後から排気口までの領域Lが50cmとなるような工程を、雰囲気温度Tatmを５０℃、溶媒の排気口の温度をTexを６５℃となるように設定した。また、NMP蒸発量の総排気量に対する比ηを0.09vol%とした。
【００３２】
このベルト上でポリマ溶液を140℃の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を有するフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に50℃の水槽内へフィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩などを抽出した。さらに245℃のテンタ−で30秒間水分の乾燥と熱処理、ならびにリラックスを行って厚さ3.6μｍの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.15倍、1.45倍延伸を行い、テンター内のフィルム最大幅に対するテンター出口幅の比を0.98とした。尚フィルムの製膜は非常に安定していた。
【００３３】
実施例２
実施例１と同一のポリマ溶液を1μｍカットのフィルターを通した後、ステンレス製のエンドレスベルト上にキャストし、その後流延直後から排気口の領域Lが50cmとなるような工程を、雰囲気温度Tatmを３３℃、溶媒の排気口の温度Texを42℃とした。また、NMP蒸発量の総排気量に対する比ηを0.09vol%とした。この後の工程は、実施例１と同様である。
【００３４】
比較例１
実施例１、２と同一のポリマ溶液を1μｍカットのフィルターを通した後、ステンレス製のエンドレスベルト上にキャストし、その後流延直後から排気口の領域Lが50cmとなるような工程を、雰囲気温度Tatmを70℃、溶媒の排気口の温度Texを65℃とした。また、NMP蒸発量の総排気量に対する比ηを0.09vol%とした。この後の工程は、実施例１、2と同様である。
【００３５】
比較例２
実施例１、２と同一のポリマ溶液を1μｍカットのフィルターを通した後、ステンレス製のエンドレスベルト上にキャストし、その後流延直後から排気口の領域Lが5cmとなるような工程を、雰囲気温度Tatmを33℃、溶媒の排気口の温度Texを42℃とした。また、NMP蒸発量の総排気量に対する比ηを0.09vol%とした。この後の工程は、実施例１、2と同様である。
【００３６】
比較例３
実施例１、２と同一のポリマ溶液を1μｍカットのフィルターを通した後、ステンレス製のエンドレスベルト上にキャストし、その後流延直後から排気口の領域Lが50cmとなるような工程を、雰囲気温度Tatmを33℃、溶媒の排気口の温度Texを140℃とした。また、NMP蒸発量の総排気量に対する比ηを0.09vol%とした。この後の工程は、実施例１、2と同様である。
【００３７】
【表１】

【００３８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る溶液製膜フィルムの製造方法によれば、フィルムの表面に溶液製膜固有の問題であるピンホールがほとんど存在しないようにすることができるため、本発明により製造されたフィルムを用いた記録磁気媒体を製造する際に発生するロール汚れが抑制され、更に品質安定化による歩留まり向上が期待できる。[0001]
[Technical field belonging to the invention]
In producing a solution film-forming film formed by casting a polymer solution on a support, the present invention includes forming a film, then introducing the film into a wet process, and transporting the film. The present invention relates to a method for producing a membrane film.
[0002]
[Prior art]
Generally, when an organic polymer that is in a molten state at a temperature equal to or higher than its melting point is discharged from the die as a molten film, a film is formed. However, since a polymer having a melting point close to the decomposition temperature or a melting point higher than the decomposition temperature is decomposed simultaneously with melting, the polymer is dissolved in an appropriate solvent, and the resulting polymer solution is cast on a support. It is formed into a film by a solution casting method that removes the solvent. Examples of the polymer formed by solution casting include cellulose, vinyl acetate, aromatic polyamide, and aromatic polyimide. For example, para-aromatic polyamide films have been used in the field of magnetic recording, taking advantage of their heat resistance and high rigidity. However, in recent years, due to demands for higher density and miniaturization of magnetic recording media, the surface has been further increased. There is a demand for higher functionality by improving quality.
[0003]
In the dry-wet method, the polymer solution cast on the support is removed from the support after removing the solvent until it has self-holding properties, and then introduced into the wet process. Here, the ionic inorganic compound and impurities contained in the film are removed, and the film is obtained through various steps (Japanese Patent Laid-Open No. 4-139229 discloses an example of the aromatic polyamide). In the wet method, after the polymer solution cast on the support is immersed in water together with the support and solidified, the polymer solution is peeled off from the support, introduced into a water tank, and then a film is obtained through various steps ( An example of the aromatic polyamide is JP-A-2-28222.
[0004]
However, as the demand for pinhole improvement has become particularly strong due to demands for thinning and stable supply, an inherent problem in the production of solution film-forming films, where holes (pinholes) tend to be formed on the surface of the film, has become apparent. In the subsequent coating process, there is a problem that the yield decreases.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems that have been manifested by thinning and the like, and to obtain a stable processability in a subsequent coating or vapor deposition step, and to form a solution such as an aromatic polyamide film with low pinhole occurrence frequency. It is providing the manufacturing method of a film.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, a method for producing a solution-casting film according to the present invention is a process of casting a polymer solution on a support and forming the film, then introducing the film into a wet process and transporting the film And the temperature Tatm of the atmosphere in contact with the solvent of the polymer solution is set to 33 ° C. or higher as shown in the examples below,
The atmospheric temperature Tatm and the temperature Tex of the solvent exhaust port,
Tex-100 ≦ Tatm ≦ Tex-1 [℃]
The region L from immediately after casting to the exhaust port that satisfies the relationship
20 ≦ L ≦ 200 [cm]
It consists of a method characterized in that it exists.
[0007]
The solution casting film with low pinhole occurrence frequency manufactured by the above method according to the present invention has a product film thickness of 5 μm or less as measured by, for example, an electronic micro thickness gauge, and a pinhole of 100 μm or more in the product film The number consists of one or less per 1000 m ² . As the solution film-forming film, an aromatic polyamide film is particularly preferable.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail together with preferred embodiments.
The film referred to in the present invention is a solution containing a polymer and a solvent as main components, cast from a base onto a support, introduced into a wet process after peeling from the support, and an ionic inorganic compound contained in the film. It is a solution casting film that is formed through various processes after impurities are removed and, in some cases, the film is stretched vertically. The type of the solvent is not particularly limited as long as it dissolves the polymer. The concentration of the polymer in the solution is generally 4 to 40 wt% depending on the type of polymer, and in the solution, a lubricant, a plasticizer, conductive particles, Antioxidants and other additives may be blended.
[0009]
The polymer to which the production method of the solution film-forming film of the present invention is applied is not particularly limited, but preferably, aromatic polyamide, aromatic polyimide, polyarylate, polycarbonate, cellulose polymer such as cellulose diacetate or cellulose triacetate, acetic acid Examples thereof include vinyl and polyvinyl alcohol, and aromatic polyamide is particularly preferable.
[0010]
The thickness of the solution film-forming film according to the present invention is 5 μm or less, preferably 4.5 μm or less, more preferably 4 μm or less, particularly from the viewpoint of satisfying the demand for high density and miniaturization of magnetic recording media. In the production of such a thin film, pinholes are likely to be generated in the gap between the cast polymer and the support due to air mixing or the like, and the effect of the present invention is great.
[0011]
When the film according to the present invention is used as a base film in a magnetic recording medium, the tensile Young's modulus in at least one direction of the base film is preferably 800 kg / mm ² or more, more preferably 900 kg / mm ² or more, further Preferably it is 1000 kg / mm ² or more. By using such a tensile Young's modulus, it becomes possible to withstand the tension applied during the formation of a magnetic recording medium such as a coating layer or vapor deposition layer formation or a back coat layer formation process, which is advantageous because it is advantageous in processing. .
[0012]
In the magnetic recording medium using the film according to the present invention, if the Young's modulus in at least one direction of the base film is 800 kg / mm ² or more, the base film is tensified in the longitudinal direction or tensified in the width direction. It does not matter if it is done. The degree of tensification is not particularly limited. However, when characteristics such as elongation and tear resistance are taken into consideration, the tensile Young's modulus Emd in the longitudinal direction and the tensile Young's modulus Etd in the width direction are 0.5 ≦ Emd / Etd ≦ 2. It is practical to be in range.
[0013]
Further, the elongation in at least one direction of the base film in the magnetic recording medium is desirably 10% or more, more preferably 20% or more, and further preferably 30% or more. Thereby, it can have the moderate softness | flexibility of a tape.
[0014]
Further, the moisture absorption rate of the base film in the magnetic recording medium is desirably 5% or less, more preferably 3% or less, and further preferably 2% or less. Thereby, the dimensional change of the tape due to the humidity change is small, and good electromagnetic conversion characteristics can be maintained.
[0015]
In addition, it is preferable from the viewpoint of the meandering prevention and good workability in the magnetic layer forming step that the piece elongation of the film of 1000 mm width and 10 m length of the base film in the magnetic recording medium is ± 40 mm or less. Preferably it is ± 30 mm or less, more preferably ± 20 mm or less.
[0016]
Furthermore, in the base film in the magnetic recording medium, it is preferable that the strength F-5 value of the film when the film is stretched 5% in the width direction of the base film is 250 kg / mm ² or more. More preferably, it is 280 kg / mm ² or more, and further preferably 320 kg / mm ² . By having such an F-5 value, it is possible to withstand the tension applied to the magnetic recording medium such as the magnetic layer formation and the back coat layer formation process, which is advantageous in processing.
[0017]
Although the manufacturing method of the solution casting film of this invention is demonstrated taking an aromatic polyamide film as an example, it is not limited to this.
[0018]
When the aromatic polyamide polymer is obtained from an acid chloride and a diamine, solution polymerization is carried out in an aprotic organic polar solvent such as N-methylpyrrolidone (NMP), dimethylacetamide (DMAc), dimethylformamide (DMF), It is synthesized by interfacial polymerization using an aqueous medium. When acid chloride and diamine are used as monomers, hydrogen chloride is by-produced in polymer solutions, so inorganic neutralizers such as calcium hydroxide, calcium carbonate, lithium carbonate, ethylene oxide, propylene oxide, ammonia, triethylamine Organic neutralizing agents such as triethanolamine and diethanolamine are used. Moreover, when manufacturing an aromatic polyamide polymer by reaction of isocyanate and carboxylic acid, it is carried out in the presence of a catalyst in an aprotic organic polar solvent.
[0019]
These polymer solutions may be used as a film-forming stock solution as they are, or a film-forming stock solution may be prepared by isolating the polymer once and then re-dissolving it in an organic solvent or an inorganic solvent such as sulfuric acid.
[0020]
In order to make fine irregularities on the surface of the film, it is preferable to add particles. Methods for adding the particles include, but are not limited to, a method in which the particles are sufficiently slurried in advance in a solvent and then added as a polymerization solvent or a diluting solvent, and a method in which a film-forming stock solution is directly added.
[0021]
In some cases, an inorganic salt such as calcium chloride, magnesium chloride, lithium chloride, lithium nitrate, or the like is added to the stock solution as a dissolution aid. A higher polymer concentration in the film-forming stock solution leads to improved productivity, but is preferably 4 to 40%.
[0022]
The film-forming stock solution prepared as described above is formed into a film by a so-called solution casting method. In the solution casting method, the casting solution is cast on a support such as an endless belt or a drum, and then dried, exfoliated, exfoliated, and directly extruded into water without passing through the casting solution drying step. There are wet methods in which heat treatment is performed after solvent extraction, drying on a support, dry wet method to be introduced into a wet process after film peeling, and semi-dry semi-wet method in which the support is dried and then introduced into the wet process after drying on the support. In order to obtain the film of the present invention, a wet method, a dry-wet method in which a solution film is cast on a support, or a semi-dry / semi-wet method is preferable. Here, a dry-wet method will be described as an example.
[0023]
In the case of forming a film by a dry / wet method, first, the solution is extruded from a die onto a support such as a drum or an endless belt to form a thin film. Next, the solvent is scattered from the thin film layer and dried until the thin film has self-holding property. The solution film thus cast on the support is dried by a method such as hot air, support heating or infrared heating to remove the solvent. Drying conditions are in the range of room temperature to the boiling point of the solvent + 20 ° C., within 60 minutes, and preferably in the range of room temperature to the boiling point of the solvent. Incidentally, Tex-100 ≦ Tatm [℃ ] region satisfying ≦ Tex-1, preferably the region L from immediately after casting to satisfy the Tex-30 ≦ Tatm ≦ Tex- 10 to the exhaust port, 20 ≦ L [cm] ≦ It exists in the range of 200. Further, the displacement of the solvent is preferably 0.2 vol% or less, more preferably 0.1 vol% or less with respect to the total displacement.
[0024]
The film after the dry process is peeled off from the support and introduced into the wet process, where the solvent and impurities contained in the film are removed. This bath is generally composed of an aqueous medium, and may contain an organic solvent, an inorganic salt, or the like in addition to water. In general, the water content is 30% or more, preferably 50% or more, and the bath temperature is usually 0-100 ° C.
[0025]
In this wet process, the peeled film is immersed under tension in such a bath and the inorganic compound in the film is extracted until it is less than 0.1%, preferably 0.05% or less. In this wet process, the film is conveyed through a nip roll at the bath entrance / exit and a roll in the bath. The film after the wet process is further dried and heat-treated to form a film. The temperature at that time is 200 to 450 ° C., and the time is 20 seconds or more and 20 minutes or less.
[0026]
The film thus formed may be stretched for the purpose of improving mechanical properties during the film forming process. The draw ratio is 0.95 to 2.0 times the longitudinal draw ratio, which is a value obtained by dividing the winding speed by the casting speed, and 0.8 to 4.0 times the area ratio (the area ratio is the film area after stretching) In the range of 1 or less means relaxation.) Local thickness unevenness is preferred from the viewpoint of mechanical properties, and more preferably, the longitudinal draw ratio is 1. The range is 05 to 1.5 times and the surface magnification is 1.1 to 3.0 times.
[0027]
The film thus obtained is wound up to obtain an aromatic polyamide product film.
[0028]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
(1) Number of pin holes of 100 μm or more in the product film roll Pin [piece / 1000 m ² ]
After leaving the wet process, UV light was irradiated from the lower part of the film obtained by transverse stretching, drying, heat treatment, and relaxation, and the number of times received by the CCD camera through a filter installed on the upper part of the film that only transmits ultraviolet light. Obtained by converting per 1000 m ^{2 of} product film.
[0029]
(2) Number of micro pinholes (50 μm or more) contained in the product film roll Poff [pieces / 1000 m ² ]
The lower part of the film is brought into contact with a metal roll, a charge of 6.5 kV is applied from the upper part of the film, and the number of energizations is calculated per 1000 m ² of product film.
[0030]
Example 1
In N-methyl-2-pyrrolidone (NMP), 2-chloroparaphenylenediamine corresponding to 85 mol% as an aromatic diamine component and 4,4-diaminodiphenyl ether corresponding to 15 mol% are dissolved in 99 mol. 2-chloroterephthalic acid chloride corresponding to mol% was added, and before the polymerization, colloidal silica having a diameter of 45 nm was added so as to be 0.2 wt% per polymer, and stirred for 2 hours to complete the polymerization. This was neutralized with lithium hydroxide to obtain an aromatic polyamide solution having a polymer concentration of 10 wt%, an intrinsic viscosity of 2.6, and a solution viscosity of 3500 poise (30 ° C.).
[0031]
After passing this polymer solution through a 1 μm cut filter, it was cast on a stainless steel endless belt, and after that, the process was such that the area L from immediately after casting to the exhaust port was 50 cm, the ambient temperature Tatm being 50 ° C., The temperature of the solvent outlet was set so that Tex was 65 ° C. The ratio η of NMP evaporation to the total displacement was 0.09 vol%.
[0032]
The polymer solution was heated on the belt with 140 ° C. hot air for 2 minutes to evaporate the solvent, and the self-holding film was continuously peeled from the belt. Next, the film was introduced into a 50 ° C. water tank to extract the residual solvent and the inorganic salt produced by neutralization. Furthermore, moisture was dried and heat-treated for 30 seconds with a 245 ° C. tenter and relaxed to obtain an aromatic polyamide film having a thickness of 3.6 μm. During this period, the film was stretched 1.15 times and 1.45 times in the longitudinal direction and the width direction, respectively, and the ratio of the tenter outlet width to the maximum film width in the tenter was set to 0.98. The film formation was very stable.
[0033]
Example 2
The same polymer solution as in Example 1 was passed through a 1 μm cut filter, then cast on a stainless steel endless belt, and after that, the process in which the area L of the exhaust port became 50 cm immediately after casting was performed at ambient temperature Tatm. Was 33 ° C., and the temperature Tex of the solvent exhaust port was 42 ° C. The ratio η of NMP evaporation to the total displacement was 0.09 vol%. The subsequent steps are the same as in the first embodiment.
[0034]
Comparative Example 1
After passing the same polymer solution as in Examples 1 and 2 through a filter of 1 μm cut, cast it on a stainless steel endless belt, and then perform a process in which the area L of the exhaust port becomes 50 cm immediately after casting. The temperature Tatm was set to 70 ° C., and the temperature Tex at the solvent exhaust port was set to 65 ° C. The ratio η of NMP evaporation to the total displacement was 0.09 vol%. The subsequent steps are the same as those in Examples 1 and 2.
[0035]
Comparative Example 2
After passing the same polymer solution as in Examples 1 and 2 through a filter of 1 μm cut, cast it on a stainless steel endless belt, and then perform a process in which the area L of the exhaust port becomes 5 cm immediately after casting. The temperature Tatm was 33 ° C., and the temperature Tex at the solvent exhaust port was 42 ° C. The ratio η of NMP evaporation to the total displacement was 0.09 vol%. The subsequent steps are the same as those in Examples 1 and 2.
[0036]
Comparative Example 3
After passing the same polymer solution as in Examples 1 and 2 through a filter of 1 μm cut, cast it on a stainless steel endless belt, and then perform a process in which the area L of the exhaust port becomes 50 cm immediately after casting. The temperature Tatm was 33 ° C., and the temperature Tex at the solvent exhaust port was 140 ° C. The ratio η of NMP evaporation to the total displacement was 0.09 vol%. The subsequent steps are the same as those in Examples 1 and 2.
[0037]
[Table 1]

[0038]
【The invention's effect】
As described above, according to the manufacturing method of the engaging Ru solution film film in the present invention, it is possible to make a solution casting pinhole is an inherent problem in the surface of the film there is little, the present invention Roll contamination generated when a recording magnetic medium using a film manufactured by the above method is manufactured can be suppressed, and further, the yield can be improved by stabilizing the quality.

Claims

After casting the polymer solution on a support and forming it into a film, in the step of introducing the film into the wet process and transporting the film, the temperature Tatm of the atmosphere in contact with the solvent of the polymer solution is set to 33 ° C. or higher. ,
The atmospheric temperature Tatm and the temperature Tex of the solvent exhaust port,
Tex-100 ≦ Tatm ≦ Tex-1 [℃]
The region L from immediately after casting to the exhaust port that satisfies the relationship
20 ≦ L ≦ 200 [cm]
A method for producing a solution casting film, characterized in that it exists.

The manufacturing method of the solution casting film of Claim 1 whose solution casting film is an aromatic polyamide film.