JP4626069B2 - スタンプ型プリンター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録体に画像を形成するスタンプ型プリンターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、据え置き型とされるプリンターとして、自動給紙機能を備えたプリンター(以下、自動給紙式プリンターという。)が提案されている。このようなプリンターは、本体に取り込んだプリント紙に対して印刷を行うというものであった。そして、このようなプリンターは、プリント紙の用紙サイズや形態により制約を受けていた。例えば、既に綴じられたノート等に対しては印刷することができなかった。
【0003】
一方、近年、プリント紙上を、本体を手動で移動しながらプリントするプリンター(以下、手動移動式プリンターという。)が提案されている。例えば、「手駆動型転写装置」(特許第2794712号或いは特開平2−3358号公報)はそのような手動移動式プリンターの例である。このような手動移動式プリンターによれば、用紙サイズや形態に制約を受けることもないので、様々な記録体に対して印刷をすることができるようになる。さらに、自動給紙式プリンターでは、紙を動かすことによりプリントを行っていたため、給紙及び排紙のために少なくとも用紙サイズの2倍の空間が必要であったが、手動移動式プリンターの場合には、紙の上を手動で動かしながら印刷するため、そのような空間を必要とすることなく小型化することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような手動移動式プリンターは、フルカラー印刷をすることができなかった。これは、上述したような手動移動式プリンターをフルカラー印刷に対応させようとした場合には、数度の往復運動が必要になるからであり、そのような往復運動を、使用者による手駆動に任せたのでは、高品質なフルカラー印刷を望むことができないから等の理由によるものである。すなわち、従来の手動移動式プリンターでは、プリント紙のサイズや形態に自由度を持たせることができたが、単色2値の印刷が限界であった。
【0005】
このようなことから、手動移動式プリンターの特徴でもある記録体に制約なく印刷できる特徴をもちつつも、フルカラー印刷を可能とするようなプリンターの提供が望まれる。これを可能とするプリンターとして、いわゆるスタンプ型のプリンターが考えられる。スタンプ型のプリンターとは、本体がプリント紙上に載置された状態において、本体を移動させることなく、その本体内部で印刷ヘッドのみが移動(例えば、往復移動)することによって、プリント紙に対する印刷をするようなプリンターである。すなわち、スタンプ型のプリンターは、プリント紙に載置されて、完全にプリント紙と独立したタイプのプリンターである。
【0006】
しかし、そのように印刷ヘッドが移動するような構造とされたスタンプ型のプリンターでは、プリント紙に反りやうねりがある場合、印刷ヘッドの移動により、紙と本体の位置ずれを招いてしまうことが考えられる。これでは、スタンプ型のプリンターにおいては、プリント紙に反りやうねりは、印刷結果の歪や、フルカラー印刷における色ずれを発生させ、プリント品質に大きな影響を与えるものになる。
【0007】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、プリント紙の反りやうねりの発生を防止することができるスタンプ型プリンターの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスタンプ型プリンターは、上述の課題を解決するために、ヘッド移動用開口部が形成された本体シャーシに、外側面によって下面に開口部が形成された本体カバーが組み付けられてなる本体部と、上記本体シャーシに組み付けられ、上記本体部下面の該本体シャーシのヘッド移動用開口部より突出する方向に押されており、該ヘッド移動用開口部内において記録体に沿って移動自在とされ、該記録体に対する画像形成を行うラインサーマルヘッドでなる画像記録ヘッドと、上記画像記録ヘッドの移動の制御を行う移動手段と、上記本体部に設けられ、上記記録体に接触されて上記画像記録ヘッドの移動方向と一致する方向又は上記画像記録ヘッドの移動方向に対して斜めの方向に上記記録領域を外側に引っ張る張力を付与する張力付与手段と、上記本体部内において、上記記録ヘッドの移動方向の上記ヘッド移動用開口部に入り込まない両側に回転自在に配置された一対のスプールに巻回され、上記ヘッド移動用開口部に臨まされ、上記画像記録ヘッドによって上記記録体に圧接されるインクリボンと、上記画像記録ヘッドによる上記記録体への画像形成の制御を行う制御手段とを備える。
【0009】
このような構成を備えるスタンプ型プリンターは、記録体における画像記録ヘッドによる記録領域に張力付与手段により張力を付与し、本体部に内蔵され、枠部内において記録体に沿って移動自在とされて、記録体に対する画像形成を行う画像記録ヘッドの移動を移動手段により制御し、画像記録ヘッドによる記録体への画像形成の制御を制御手段により行う。これにより、スタンプ型プリンターは、記録領域に張力を付与した下で、画像記録ヘッドによる当該記録領域への印刷を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、記録体とされるプリント紙と独立した形態とされた、いわゆるスタンプ型プリンター(以下、単にプリンターという。)に適用したものである。例えば、このスタンプ型プリンターによる印刷対象としては、文章、バーコードデータ等を含む画像等が挙げられる。
【0011】
図1には、プリンターの外観形状の具体例を示している。プリンター1は、図1に示すように、略矩形箱形状の本体カバー2によって外観形状が構成されている。例えば、本体カバー2は、各頂点がR面とされて形成されている。例えば、このプリンター1の大きさは、いわゆる手のひらサイズとされている。なお、プリンター1の大きさについては、手のひらサイズに限定されるものでもなく、例えば、プリント紙への投影面積とした場合に、B5版サイズと略同様な大きさになるようなものであっても良い。
【0012】
この本体カバー2には、図1に示すように、プリンター1の状態を使用者に知らせるための表示部として電源のオン及びオフを知らせる電源状態表示部(例えば、「POWER」の文字が併記される部分)4及び印刷中か否かを示す印刷状態表示部(例えば、「PRINT」の文字が併記される部分)5が設けられている。例えば、図1に示すように、電源状態表示部4及び印刷状態表示部5は、主面2aから側面(例えば、本体カバー2の長手方向における側面2bにわたって形成されている。この電源状態表示部4は電源オン時に点灯され、或いは電源のオン及びオフで点灯色が切り換えられるようになされている。同様に、印刷状態表示部5は印刷中に点灯され、或いは印刷中と印刷終了とで点灯色が切り換えられてるようになされている。
【0013】
そして、本体カバー2は、図2中(B)及び図3中(B)に示すように、印刷ヘッド3が外方に臨むようにプリンター1の底面が開口部6とされている。或いは、本体カバー2は、内蔵される印刷ヘッド3が外方に臨む開口部6を有した略皿形状をなしている。ここで、印刷ヘッド3は、記録体とされるプリント紙500上に沿って移動自在とされる画像記録ヘッドであり、印刷ヘッド3としては、例えば、インクリボンを使用して熱転写によって印刷を行うためのラインサーマルヘッドである。
【0014】
プリンター1は、印刷ヘッド3が移動することにより、印刷を実現するように構成されている。図2及び図3には、印刷の際における印刷ヘッド3の移動を示している。印刷の際に、プリント紙500上に載置されたプリンター1の印刷ヘッド3が、この図2から図3に示すように移動する。そして、このような印刷ヘッド3の移動により、プリント紙500への文章や画像の印刷がなされる。このような構成をとることから、プリンター1による印刷可能領域については、本体カバー2内において印刷ヘッド3が移動可能とされる範囲に限定されるものとなる。すなわち、このプリンター1は、本体カバー2の外側面によって構成される(或いは開口部6を構成する)枠部内が印刷領域とされている。なお、印刷ヘッド3を上述のように移動制御する機構については、ガイド軸によって案内してモータ等によって移動するものが考えられるが、それについては印刷ヘッド3の詳細を含めて後で述べる。
【0015】
このような構成とされることによりプリンター1は、図4に示すように、カット紙501に対して印刷をすることができる他に、図5に示すように、ノート(束の紙)502の一紙面上502aに対しても印刷できるようになる。そして、図4及び図5に示すように、その際の印刷領域Aは、プリンター1の底面の投影面と略同等の領域とされる。これまでの給紙式のプリンターにおいては、図5に示すような製本された紙の束とされるノート502に対する印刷は困難とされていたが、本発明が適用されるプリンター1は、このようなノート502に対しても印刷をすることができるようになる。また、記録体は印刷する目的であれば他のものでも良く、例えば布に対しても印刷することができるようになる。
【0016】
さらに、プリンター1は、紙面上に任意の位置に配置することができ、またその方向も任意とすることができることから、使用者は、プリンター1により直感的に自由に印刷領域を決定して印刷をすることができる。すなわち、例えば、従来のプリンターの場合には、使用者は、給紙されるプリント紙のどの領域に印刷されるかを予め知ることは困難であったが、本発明が適用されるプリンター1は、そのような困難性が解消されたものとされている。
【0017】
図6には、プリンター1の回路構成等を示している。プリンター1は、図6に示すように、センサー11a,11b、インターフェース(I/F)12、CPU13、メモリー14、DCモータ15及びパルスモータ16等を備えている。なお、プリンター1は、このような構成により構成されることに限定されるものではない。
【0018】
センサー11a,11bは、プリンター1における種々の状態を検出する部分として構成されている。例えば、センサー11a,11bとしては、後述するようにプリント紙との接触状態(或いは位置関係)を検出するもの、使用者とのユーザインターフェースとされる操作部として構成されているもの、印刷ヘッド3の位置検出するもの、或いはインクリボンの頭出し検出のためのもの等が挙げられる。しかし、センサー11a,11bは、これに限定されないことはいうまでもない。このようなセンサー11a,11bによって検出された信号は、CPU13に入力される。
【0019】
CPU13は、プリンター1の制御をする制御手段である。このCPU13は、例えば、センサー11a,11bによる検出信号に基づいて、プリント紙との接触状態(或いは位置関係)を検出して、所定の処理を行う。例えば、後述するように、CPU13は、所定の処理として、印刷の開始や停止等の処理を行う。
【0020】
I/F12は、外部機器や記録媒体等の接続手段である。このI/F12は、例えば、いわゆるホストとされるパーソナルコンピュータ301、半導体メモリ等によって構成される外部記憶媒体とされるデータ記録媒体302やモニター等とされる画像表示装置303等が電気的に着脱自在とされるように構成されている。また、I/F12は、アナログ信号S等が入力されるようにも構成されている。
【0021】
例えば、CPU13は、このI/F12を介して、データの送受信を行う。CPU13は、I/F12を介して印刷用データを受信し、この場合、例えばそのデータを、データ記憶手段とされるメモリー14に記憶する処理を行う。例えば、プリンター1は、モノクロやカラー画像を印刷することができるので、メモリー14には、カラー画像データ又はモノクロ画像データ、或いは文章データとされるテキストデータ等が記憶される。
【0022】
また、CPU13は、I/F12を介して各種データをパーソナルコンピュータ301、データ記録媒体302及び画像表示装置303等の外部接続機器に送信する。例えば、使用者による操作部とされるセンサー11a,11bが操作された場合、CPU13は、その操作情報を、I/F12を介してパーソナルコンピュータ301に送信しており、この場合、パーソナルコンピュータ301は、その操作情報に応じて、所定の処理を行う。例えば、所定の処理として、操作情報に応じて印刷に使用する画像データのレイアウト処理等を行う。
【0023】
印刷ヘッド3は、上述したようにプリント紙500に印刷をする部分である。例えば、印刷ヘッド3がサーマルヘッドとして構成されている場合には、発熱体が、メモリー14に記憶された画像データに基づいてCPU13により制御される。すなわち、印刷ヘッド3は、プリント紙500への画像形成の制御を行う制御手段とされるCPU13によって制御されている。
【0024】
DCモータ15は、プリンター1における動作部を駆動するための部分であり、パルスモータ16は、パルス信号等によって駆動されるもの等であり、印刷ヘッド3の位置決め等の目的に使用される。そして、DCモータ15やパルスモータ16は、その動作がCPU13によって制御される。
【0025】
以上が、プリンター1における回路構成等になる。このような構成により、プリンター1は、外部との情報の通信等により印刷データを受け取り、受け取った画像データ(或いは印刷データ)に基づいて印刷をすることができるようになっている。
【0026】
次に、このようなプリンター1が備える具体的な構成について説明する。
【0027】
プリンター1は、図7に示すように、プリント紙500に載置された状態において、当該プリント紙500と接触される本体カバー2における下端面(具体的には、長手方向における下端面)2cに固定手段とされる高摩擦部材21,22を備えている。例えば、この高摩擦部材21,22は、ゴム硬度が略70度とされているクロロプレンゴム製のシート部材である。
【0028】
プリンター1は、このような高摩擦部材21,22を備えることにより、図7中(A)に示すように、自重或いは使用者による荷重Pが加わることで、プリント紙500上に安定して載置されるようになる。すなわち、プリンター1は、相対的移動が防止されてプリント紙500に載置される。これにより、プリンター1は、プリント紙500に対して安定した状態での印刷が可能になる。このように、安定させた状態で印刷することができるようになることで、ひずみのない印刷が可能になり、これにより、色ずれをすることなくフルカラー印刷を実行できるようになる。特に、プリンター1は、印刷ヘッド3のみを往復運動させることで、印刷を実現していることから、きれいな印刷をするには、このように安定性を確保することは必須の要件になる。
【0029】
なお、上述の固定手段とされる高摩擦部材21,22は、上述した例に限定されるものではなく、高摩擦のものであれば他のものでも良く、例えば粘着性のあるシリコンゴム等でも良い。以上が、プリンター1が備える高摩擦部材21,22についての説明である。
【0030】
また、プリンター1は、図8及び図9に示すように、第1乃至第4のテンション付与部30,30,30,30が本体カバー2の四隅に配置され、プリント紙500の印刷領域にテンションを付与するペーパテンション付与機構を備えている。第1乃至第4のテンション付与部30,30,30,30はそれぞれが同様な構成とされており、以下、第1のテンション付与部30の構造及び動作を代表して説明する。
【0031】
第1のテンション付与部30は、回動部材31及び引っ張りコイルバネ32を備えて構成されている。回動部材31は、略長尺形状とされており、一端がプリント紙に接触される接触部31aが形成され、他端に引っ張りコイルバネ32が係止される係止部31cが形成されている。そして、回動部材31には、略中間部分に支軸部31bが形成されている。この支軸部31bからみて、接触部31aは装置の外部側に位置されており、係止部31cは装置の内方側に位置されている。このような支軸部31bが、図示しない支持部(例えば、孔部)に回転自在に支持されることにより、接触部31aは、その支軸部31bまわりを中心として回動(略上下動)されるようになる。ここで、接触部31aの外周面31a1は、高摩擦材料によるコーティングが施されている。
【0032】
引っ張りコイルバネ32は、このような接触部31aを弾性力によって付勢している。引っ張りコイルバネ32は、回動部材31において、接触部31aとは反対の他端に形成されている係止部31cと本体側に係止されている本体係止部33とにわたって掛け止めされている。この引っ張りコイルバネ32は、回動部材31の接触部31aが本体カバー2の開口部6側(底面側)に回動する方向に付勢するように、掛け止めされている。
【0033】
以上のような構成として第1及び第4の各テンション付与部30,30,30,30が構成されているペーパテンション付与機構は、プリント紙500に載置されていない状態においては、図9中(A)に示すように、各テンション付与部30,30,30,30における接触部31aが本体カバー2の下端面2cよりも外方に突出するように位置されるようになる。そして、ペーパテンション付与機構は、自重或いは使用者による荷重Pが付与されてプリント紙500に載置された状態においては、図9中(B)に示すように、その載置行為により、各接触部31aが回動されて、本体カバー2内に収容されるようになる。
【0034】
このように、ペーパテンション付与機構の各接触部31aがプリント紙500上に載置されることにより回動され、その際、各接触部31aの外周面31a1がプリント紙500の印刷領域から外方向に放射状に摺動することになる。そして、外周面31a1には、摩擦抵抗を増加させるべく高摩擦材料によるコーティングが施されている。これにより、プリント紙500において本体カバー2内側に位置される領域が外周面31a1の摺動により外方向に引っ張られ、これにより、印刷面のうねりが防止され、或いはもともとある印刷面のうねりが取り除かれるようになる。
【0035】
また、プリンター1は、このようなペーパテンション付与機構に加え、上述したような固定手段として図7に示した高摩擦部材21,22を備えることもできる。これにより、プリンター1は、印刷面のうねりを防止しながら、相対的な移動を防止してプリント紙500に印刷をすることができる。以上が、プリンター1が備えるペーパテンション付与機構についての説明である。
【0036】
また、プリンター1は、図10及び図11に示すように、プリント紙500との接触状態を検出し、その接触状態を表示する接触状態表示機構を備えている。接触状態表示機構は、大別して、プリント紙500の紙面との接触状態を検出する第1乃至第4の接触検出部35,35,35,35と、第1乃至第4の検出部35,35,35,35による検出結果を使用者に知らせる部分、すなわちインジケータとしての接触表示部36,36,36,36とを備えている。
【0037】
第1乃至第4の各接触検出部35,35,35,35は、例えば機械的機構によって接触を検出することができるメカニカルセンサーである。この第1乃至第4の接触検出部35,35,35,35は、プリンター1における底面であって、四隅にそれぞれ配置されている。或いは、第1乃至第4の接触検出部35,35,35,35は、略矩形として設けられる印刷領域Aに対する四隅に位置されるように、プリンター1の底面に配置されている。
【0038】
第1乃至第4の各接触検出部35,35,35,35は、プリント紙500にプリンター1が載置されていない状態においては、図11中(A)に示すように、接触を検知をする検知部材35aが、本体カバー2の下端面2cから外方に突出されており、図11中(B)に示すように、プリント紙500に載置された状態において、検知部材35aが本体カバー2内に押し込まれることにより、接触を検出するような構造とされている。
【0039】
なお、プリント紙500への接触検知は、このような第1乃至第4の接触検出部35,35,35,35に替えて、図8及び図9に示したようなペーパテンション付与機構に連動することでも実現することができる。すなわち例えば、各テンション付与部30の各回動部材31の回動を検出することでも同様にプリント紙500への接触を検出することができる。
【0040】
また、接触検出部を、光センサーによる周辺光量入り込み量検出に基づいて接触を検出するものとして構成したり、圧電素子によって接触を検出するように構成することもできる。さらに、4個の接触検出部を四隅に配置した例について説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、印刷領域全体が適正位置であることが検出することができれば良い。
【0041】
第1乃至第4の接触表示部36,36,36,36は、例えば、LEDである。この第1乃至第4の接触表示部36,36,36,36は、本体カバー2の主面(上側面)2aにおける四隅にそれぞれ配置されている。この第1乃至第4の接触表示部36,36,36,36は、本体カバー2内において対応して配置されている第1乃至第4の検出部35,35,35,35それぞれに連動されている。すなわち、第1乃至第4の表示部36,36,36,36はそれぞれ、底面において対応される四隅に配置されている第1乃至第4の各検出部35,35,35,35の接触に応じて点灯するようになされている。これにより、プリンター1がプリント紙500に対して四隅が接触されるように載置されると、図11中(B)に示すように、第1乃至第4の接触表示部36,36,36,36全てが点灯する。
【0042】
なお、第1乃至第4の接触検出部35,35,35,35の取り付けは、形式的には、プリント紙500との接触される大部分を示す本体カバー2或いは本体シャーシの下端面(下端部)と当該プリント紙500との位置関係を基準としてなされるが、実質的には、印刷ヘッド3とプリント紙500とが適正に接触されている状態を基準に決定されていることはいうまでもない。
【0043】
ここで、発熱体によって構成された印刷ヘッド3により行うプリント紙500への印刷は、具体的には、インクリボンを介して行われるものであり、印刷時において、印刷ヘッド3とプリント紙500とは、厳密には直接的に接触していると言えない。このようなことから、印刷時の印刷ヘッド3とプリント紙500との関係は厳密には位置関係として表現すべきであるが、印刷状態は、印刷ヘッド3が、インクリボンを介してなされるプリント紙500との間接的な接触により大きく影響を受けると言えるので、そのような位置関係を接触関係等としても以下に表現する。また、このような定義をするところ、これに関連するような記述についても、厳密な直接接触としてではなく、間接的な接触をも考慮して解釈するようにする。
【0044】
以上のように接触状態表示機構が構成されており、プリンター1は、このような接触状態表示機構により、プリント紙に対して適正に接触されているかを使用者に知らせることができる。
【0045】
このプリンター1は、プリント紙500に適正に接触されていることを前提として、プリント紙500と印刷ヘッド3とが適切に接触されるように設計されているので、使用者は、このような接触状態表示機構による接触表示部36,36,36,36の表示に基づいて接触が不十分である部分を的確に把握することができるようになり、表示状態に基づいてプリント紙500に対する載置状態を修正して、印刷ヘッド3を的確に接触させることができる。以上が、プリンター1が備える接触状態表示機構についての説明である。
【0046】
また、プリンター1は、図12に示すように、印刷画像の天地方向(上下方向)を示す第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dを備えている。第1乃至第4の各インジケータ37a,37b,37c,37dは、LEDであり、各方向を表示するように本体カバー2の主面2aに設けられている。
【0047】
第1のインジケータ37aと第3のインジケータ37cとは主面2aの短辺方向において対向した配置されており、また、第2のインジケータ37bと第4のインジケータ37dとは主面2aの長手方向において対向した配置されている。そして、第1乃至第4の各インジケータ37a,37b,37c,37dは、略三角形状とされて、これにより、人間が視覚的に方向を直感的に知ることができるように配置されている。なお、第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dを、図13に示すように、本体カバー2の主面2aに、上述した接触状態表示機構の接触表示部36,36,36,36とともに設けることができる。
【0048】
画像(文章を含む)には、一般的には天地方向があり、このインジケータ37a,37b,37c,37dは、その画像の天地方向を示すもので、使用者は、これによりプリンター1が印刷する画像の天地を知ることができるようになる。図14には、画像データに添付されている画像方向データに基づいて行う第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dの点灯制御の手順について示している。ここでは、画像データがExif仕様によって形成されており、印刷方向データ(画像方向データ)としてTag 112.Hの内容を参照して行う場合について説明する。
【0049】
先ず、プリンター1(具体的には、CPU13)は、ステップS1において、印刷方向データとして画像データ内のTag 112.Hの内容(x)を読み込み、続くステップS2において、その内容が「1」又は「2」であるか否かを判別する。
【0050】
プリンター1は、「1」又は「2」である場合には、ステップS3において、第1のLED37aを点灯させて、ステップS4に進む。ステップS4では、プリンター1は、印刷開始の命令があるか否かを判別して、印刷開始の命令があるまで待機状態に入る。そして、プリンター1は、印刷開始の命令がなされた場合には、ステップS5において、印刷動作を開始する。
【0051】
一方、プリンター1は、上述のステップS2において、「1」又は「2」でない場合には、ステップS6において、その内容が「3」又は「4」であるか否かを判別する。プリンター1は、「3」又は「4」である場合には、ステップS7において、第3のLED37cを点灯させて、ステップS4にて印刷開始の命令があるか否かを判別して、印刷開始命令がある場合には、ステップS5にて印刷動作を開始する。
【0052】
また、プリンター1は、上述のステップS6において、「3」又は「4」でない場合には、ステップS8において、その内容が「6」又は「7」であるか否かを判別する。プリンター1は、「6」又は「7」である場合には、ステップS9において、第2のLED37bを点灯させて、ステップS4にて印刷開始の命令があるか否かを判別して、印刷開始命令がある場合には、ステップS5にて印刷動作を開始する。
【0053】
また、プリンター1は、 上述のステップS8において、「6」又は「7」でない場合には、ステップS10において、第4のLED37dを点灯させて、ステップS4にて印刷開始の命令があるか否かを判別して、印刷開始命令がある場合には、ステップS5にて印刷動作を開始する。
【0054】
以上のように、プリンター1は、画像データに添付されている画像方向データに基づいて第1乃至第4のインジケータ(LED)37a,37b,37c,37dの点灯状態を制御しており、これにより、第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dの内の所望の一のインジケータが印刷される画像の方向に応じて点灯されるようになる。これにより、使用者は、印刷しようとする画像の天地方向を印刷前に的確に知ることができ、間違いにより逆さまに画像を印刷してしまうことを防止することができる。特に、プリンター1は比較的に自由度が高い印刷を可能にしており、このような点に効果的に作用すると言える。
【0055】
なお、上述の例では、インジケータを4個設けている例について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、画像の天地を使用者に知らせることができれば良く、よって、そのようなことが達成できる限り、例えばインジケータは1個だけでも良い。以上が、プリンター1が備える第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dについての説明である。
【0056】
また、プリンター1は、印刷される画像の方向を指示することを可能とする機能を有している。例えば、上述したように第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dによって印刷される画像の方向を知ることができるが、使用者によっては画像の方向を変更したい場合がある。プリンター1は、印刷される画像の方向を変更を可能にする機能を有している。
【0057】
例えば、プリンター1は、図6に示すI/F12により、図15に示すように、情報処理装置とされるパーソナルコンピュータ301に接続されるようになされている。これにより、プリンター1とパーソナルコンピュータ301とにより、プリントシステムが構築される。
【0058】
例えば、プリンター1において行う印刷方向の指示については、プリンター1がユーザインターフェースを備え、その方向指示の操作情報をパーソナルコンピュータ301に送信することによって行う。プリンター1における外部操作手段とされるユーザインターフェースとしては、例えば上述の第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dにその機能を併有させることによって実現している。すなわち例えば、第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dをボタンのように押圧による接触を検出するように構成する。
【0059】
プリンター1における第1乃至第4のインジケータ37a,37b,37c,37dの押圧操作による印刷方向指示により、パーソナルコンピュータ301において、印刷される画像の方向を変換する。従来は、例えば、図16に示すように、パーソナルコンピュータのモニター上に印刷設定用の画面Gが表示されて、印刷方向を指示するチェックボックスG1に選択することにより、使用者による印刷方向の指示が実現されていた。このプリンター1は、そのような印刷方向の設定を装置上において行うことを可能としている。
【0060】
図17には、印刷方向の指示により得た印刷方向データに基づいて、画像データ(印刷データ)に施す処理の一例のフローチャートを示している。
【0061】
先ず、パーソナルコンピュータ301は、ステップS21において、印刷方向データを取り込む。ここで、印刷方向データは、プリンター1における第1乃至第4の方向指示ボタン37a,37b,37c,37d(以下、方向指示ボタンという。)の操作状態を示すデータとなる。
【0062】
続くステップS22において、印刷方向データに基づいて横長の方向指示がなされているいか否かの判別を行う。すなわち例えば、図12に示すように、本体カバー2の上面2aの短辺方向に設けられている第1の方向指示ボタン37a又は第3の方向指示ボタン37cが押圧されているか否かを判別する。ここで、第1の方向指示ボタン37a又は第3の方向指示ボタン37cが押圧されている場合には、ステップS23において印刷データに横長レイアウト処理を施し、その他の場合、すなわち第2の方向指示ボタン37b又は第4の方向指示ボタン37cが押圧されている場合には、ステップS27において印刷データに縦長レイアウト処理を施す。例えば、元々印刷データが横長である場合には、ステップS23における横長レイアウト処理は不要であり、また、ステップS27における縦長レイアウト処理は不要である。
【0063】
ステップS23における横長レイアウト処理の後、ステップS24において、正方向であるか否かの判別を行う。すなわち、第1の方向指示ボタン37aが配置されている方向を正方向とする前提として、第1の方向指示ボタン37aの押圧か否かの判別を行う。ここで、第1の方向指示ボタン37aが押圧されている場合には、正方向であるとして、ステップS25においてそのまま印刷データとして出力する。また、第3の方向指示ボタン37cが押圧されている場合には、正方向ではないとして、ステップS26において印刷データについて180度の回転処理を施して、ステップS25において印刷データとして出力する。
【0064】
一方、ステップS27において縦長レイアウト処理を施した後については、ステップS28において、正方向であるか否かの判別を行う。すなわち、第2の方向指示ボタン37bが配置されている方向を正方向とする前提として、第2の方向指示ボタン37bの押圧か否かの判別を行う。ここで、第2の方向指示ボタン37bが押圧されている場合には、正方向であるとして、ステップS25においてそのまま印刷データとして出力する。また、第4の方向指示ボタン37dが押圧されている場合には、正方向ではないとして、ステップS29において印刷データについて180度の回転処理を施して、ステップS25において印刷データとして出力する。
【0065】
以上のような処理により、パーソナルコンピュータ301では、第1乃至第4の方向指示ボタン37a,37b,37c,37dの押圧操作により得られる印刷方向データに基づいてレイアウト処理がなされる。そして、パーソナルコンピュータ301においてそのようにしてレイアウト処理等がなされた得られた印刷データがプリンター1に出力される。プリンター1は、I/F12を介して印刷データを受信して、メモリー14に一旦記憶するなどしてから、プリント紙500への印刷を行う。これにより、使用者は、プリンター1において操作することにより、印刷方向を指示し、所望の方向として画像をプリント紙500に印刷することができるようになる。
【0066】
例えば、使用者は、何らかの理由により印刷方向を指示したい場合がある。例えば、次のような場合が挙げられる。
【0067】
例えば、プリンター1による印刷可能領域が長方形とされている。よって、使用者に依っては画像を縦長或いは横長に指定して印刷したい場合がある。このような場合、プリンター1によれば、画像を縦長にしたり、横長にしたりすることを自由に決定することができる。例えば、画像の縦長或いは横長を変化させる処理としては、画像の縦横比を変化させたりすることが挙げられる。また、画像を横長から縦長にする場合には、画像の両側をカットする処理をしても良い。或いは、縦横比を固定したまま、印刷可能領域に画像の全てが入るように、リサイズしても良い。
【0068】
また、プリント紙500において印刷できる領域が、縦長や横長である場合がある。使用者は、このような印刷可能領域に合わせて画像を印刷したい場合がある。この場合、プリンター1によれば、そのように印刷できる領域に合わせてプリンター1を配置して、第1乃至第4の方向指定ボタン37a,37b,37c,37dを操作し、適切に画像を印刷することができるようになる。
【0069】
また、プリンター1は、上述したように小型化されている。例えば、図15に示すように、プリンター1は、パーソナルコンピュータ301において備え付けてある簡易型のユーザインターフェースとされるいわゆるマウスと同様に備え付けることができる。このような場合、使用者は、プリンター1を持ち替えることなく、連続操作したい場合がある。一方、プリンター1自体が正方向としている方向とは異なる方向(例えば、逆方向)に使用者がプリンター1を持ってしまう場合がある。このように逆に持ってしまった場合でも、持ち替えることなく画像の天地方向或いは左右方向を正しくして印刷したい場合がある。この場合、プリンター1によれば、画像を回転させることができるので、持ち替えることなく、画像の天地方向或いは左右方向を正しくして印刷することができるようになる。また、このようなことは、プリンター1の操作の自由度が増すことにつながり、使用者による使い勝手が向上される。プリンター1は、以上のような理由により使用者が画像の印刷方向を替えたい要求に応えることができる。
【0070】
また、プリンター1の上述のような印刷方向指示機能により、テキストデータの文章についても印刷方向を変換することもできる。この場合、例えば、横長の文章か縦長の文章にするときには、改行位置を替える処理を行うようにする。すなわち例えば、横長の文章を縦長の文章にする場合には、一行あたりの文字数を減少させる必要があることから、改行位置を増やす処理を施し、一方、縦長の文章を横長の文章にする場合には、一行あたりの文字数を増加させる必要があることから、改行位置を減らす処理を施す。このような処理を施すことにより、横長の文章と縦長の文章との間での変換がなされるようになり、これにより、例えば、印刷領域が縦長である場合には、プリンター1をその印刷領域上に置き、その印刷領域に応じた縦長に変換された文章をプリンター1により印刷することができるようになる。以上が、プリンター1の印刷方向指示機能についての説明である。
【0071】
また、プリンター1は、図18及び図19に示すように、印刷範囲を指示できる印刷範囲インジケータ40を備えている。印刷範囲インジケータ40は、図18及び図19に示すように、本体カバー2の下端面2cに配置されている。印刷範囲インジケータ40は、略長方形とされた開口部41を形成する略長方形枠形状の平板とされている。ここで、開口部41の開口領域については、印刷領域とされている。また、印刷範囲インジケータ40は、その外周面40aが本体カバー2の外側面と一致されている。すなわち、印刷範囲インジケータ40は、本体カバー2の外側面と一致し、且つ開口部41において印刷領域が確保できるように枠の幅が決定された形状とされている。また、印刷範囲インジケータ40は、開口部41の周囲を取り巻くように、目盛りが刻まれている。
【0072】
この印刷範囲インジケータ40は、長手方向の一端に形成されている取り付け部42により、本体カバー2に対して回転自在とされて取り付けられている。具体的には、取り付け部42には、軸孔42aが形成されており、その軸孔42aに本体カバー2に設けられている支軸43が挿入されている。これにより、印刷範囲インジケータ40は、図18及び図19に示すように、プリンター1の本体に対して回動自在とされて取り付けられている。
【0073】
このような印刷範囲インジケータ40を備えることにより、使用者は、図18に示すように、プリント紙500上にプリンター1を載置させて、印刷範囲インジケータ40に対して本体を開いた状態にすることで、すなわち開口部41を外方に臨むようにすることで、開口部41内に位置される領域を印刷領域として確認することができるようになる。そして、印刷領域を確認した後、図19に示すように、印刷範囲インジケータ40に対して本体を閉じた状態にすることにより、すなわち印刷範囲インジケータ40を本体に収納した状態にして、プリンター1による印刷を開始することができる。
【0074】
なお、印刷範囲インジケータ40に他の機能を付加することもできる。例えば、上述したような、プリント紙500に固定するための高摩擦部材、プリント紙500にテンションを付与するペーパテンション付与機構、或いはプリント紙500との接触状態を検出する接触状態表示機構等をプリンター1は備えることができる。例えば、プリント紙500に固定するための高摩擦部材については、印刷範囲インジケータ40におけるプリント紙500に接触される面に設けるようにする。これにより、プリンター1は、印刷範囲インジケータ40が固定機能をも併有することにもなり、印刷領域を確認することができるとともに、プリント紙500に対して固定された状態において印刷ができるようになる。以上が、プリンター1の備える印刷範囲インジケータ40についての説明である。
【0075】
なお、プリンター1は、上述したような各構成或いは機構を他の構成によって実現することもできる。
【0076】
例えば、プリンター1は、プリント紙500上に固定するための部分として、図20に示すように、本体カバー2の下端面2cであって、複数の突起部51を設けることもできる。これにより、プリント紙500上に載置された状態においては、当該プリント紙に突起部51が突き刺さるので、プリンター1は、安定してプリント紙500上に載置される。ここで、ここで、突起部51の形状としては鋭角形状とすることが挙げられるが、プリント紙500に突起部51が突き刺さった跡が肉眼で確認することができないようにするなど、プリント紙500の外観に影響を及ぼすことのないような形状にする。
【0077】
また、このような突起部51を設けた場合には、プリント紙500の裏面に下敷き52を配置するようにしても良い。下敷き52としては、発泡ウレタン製の弾性下敷き等が挙げられる。
【0078】
また、突起部51の形状については、鋭利な突形状とされることに限定されるものではなく、半球形状の突起とすることもできる。すなわち、プリントの際には、プリンター1は少なくとも自重によりプリント紙500上に載置されているので、よって、突起部51を半球形状の突起とすれば、自重が集中的に荷重として各突起部にかかることにより、プリント紙500上に固定されるようになる。そして、プリント紙に接触する部分が球面とされることで、プリント紙500を傷つけることを防止することができる。さらに、上述したような下敷き52を利用すれば、固定する効果は顕著になる。
【0079】
また、プリンター1は、磁力によってプリント紙500上に固定することもできる。この場合、図21に示すように、プリンター1は、本体カバー2の下端面2cに磁性部材53を備える。この場合、プリント紙500の裏面には、鉄板54等が必要になる。このような磁力部材53を備えることにより、プリンター1は、磁性部材53がプリント紙500を介して鉄板54等に磁着されるので、当該プリント紙500に対して固定されるようになる。
【0080】
また、磁性部材53については、電磁石として構成することもできる。例えば、図22に示すように、CPU13によってON/OFF制御される電磁石とされる磁性部材53を備える。これにより、プリンター1は、通電することによる磁力で固定されるようになる。そして、実際のON/OFF制御については、印刷時に通電して磁力を発生させ、それ以外の時に電流をOFFにして、磁力を発生しない状態にする。図23には、印刷動作に同期した電磁石のON/OFF制御についての処理のフローチャートを示す。この図23に示すように、プリンター1は、CPU13により、印刷開始の際に、ステップS31において、電磁石に通電して磁力を発生させて、印刷の終了により、ステップS32において、電磁力への電流の供給を遮断して、磁力を解除することができる。なお、図23に示すフローチャートにおいては、印刷開始時のおける電磁石へのONの処理と、印刷終了時における電磁石への電流供給の遮断との間に、実際の印刷動作についての一連の処理が記載しており、これについては、後で詳述する。
【0081】
さらに、上述したような磁性部材53の表面に、高摩擦材料によるコーティングを施すこともできる。これにより、より確実にプリンター1をプリント紙500に対して固定することができるようになる。
【0082】
また、プリンター1は、ペーパテンション付与機構について、図24及び図25に示すような構成として備えることもできる。ペーパテンション付与機構は、図24及び図25に示すように、本体カバー2の下端部における長手方向のそれぞれの端側に位置された第1及び第2のテンション付与部60,60によって構成されている。ここで、第1及び第2のテンション付与部60,60はそれぞれが同様な構成とされており、以下、第2のテンション付与部60の構造及び動作を代表して説明する。
【0083】
第1のテンション付与部60は、ローラ61、ピニオンギア63、ラック64、コイルバネ65a,65b及びローラホルダ66を備えて構成されている。
【0084】
ローラ61は、略断面円形上の棒状体とされている。そして、ローラ61は、その表面61aに高摩擦材料によるコーティングが施されている。このような構成とされることにより、ローラ61は、摩擦ローラとしての機能を果たすようになる。そして、ローラ61は、略C字形状或いは略コ字形状とされたローラホルダ66において両端部が回転自在に支持されている。
【0085】
そして、このようなローラ61の一端側には、ローラ61の図面における上下方向の移動に連動してローラ61を回転させるための回転機構として、ギア62、ピニオンギア63、ラック64が設けられている。
【0086】
ギア62は、ローラ61の一端側に一体とされて形成されている。そして、ギア62は、ピニオンギア63と歯合されている。
【0087】
ピニオンギア63は、ローラホルダ66に回転自在に支持されている。このピニオンギア63は、ローラ61と一体とされているギア62に歯合される一方で、他の歯部が本体カバー2に形成されているラック64に歯合されている。
【0088】
ローラホルダ66は、図面における上下方向への移動が制限されている。ローラホルダ66には長手方向に端部から突出してガイド軸67,67が形成されており、ガイド軸67,67が、本体側に設けられたスリット形状(図面において上下方向に延びたスリット)のガイド溝68,68によって案内されることにより、ローラホルダ66が図面における上下方向への移動を制限されるようになされている。
【0089】
そして、ローラホルダ66には、第1及び第2の圧縮コイルバネ65a,65bが長手方向に配置されている。第1及び第2の圧縮コイルバネ65a,65bは、ローラホルダ66に対して、図面における下方向に付勢するように弾性力を付与している。
【0090】
以上のように第1のテンション付与部60が構成されており、本体カバー2内において対向して配置されている第2のテンション付与部60についても同様な構成とされている。
【0091】
このような第1及び第2のテンション付与部60,60からなるペーパテンション付与機構は、プリント紙500に載置されていない状態においては、図25中(A)に示すように、第1及び第2のテンション付与部60,60におけるローラ61が本体カバー2の下端面2cから外方に突出するように位置されるようになる。
【0092】
そして、ペーパテンション付与機構は、自重或いは使用者による荷重Pが付与されてプリント紙500に載置された状態においては、図25中(B)に示すように、その載置行為により、各ローラ61が本体カバー2内に収容されるようになる。そして、このとき、ラック64との歯合によりピニオンギア64が回転動作され、さらにその回転動作は、ローラ61のギア62に伝達される。このギア62の回転動作により、図面において左側に配置されている第1のテンション付与部60のローラ61は、時計方向F1に回転され、一方、図面において右側に配置されている第2のテンション付与部60のローラ61は、反時計方向F2に回転されるようになる。すなわち、第1及び第2のテンション付与部60,60のローラ61は、プリント紙500に接触される外周面61aの接触面が、印刷領域からみて外方に移動するように回転する。
【0093】
このように、ペーパテンション付与機構は、プリンター1がプリント紙500の紙面上に載置された状態においては、ローラ61が本体カバー2内に収容されることに連動して、プリント紙500に接触される外周面61aの接触面が外方に移動するように回転されるようになされている。これにより、プリント紙500において本体カバー2内側に位置される領域は、ローラ61の回転により印刷面がそれぞれ外側方向R2に引っ張られたことになり、これにより、例えば印刷面のうねりが防止されるようになる。
【0094】
また、ペーパテンション付与機構については、図26に示すような構成とすることもできる。ペーパテンション付与機構は、図26に示すように、本体カバー2の一端側に図8及び図9に示すような機械的な機構からなるテンション付与部30を備え、他端側に高摩擦部材70を備えたものとして構成されている。なお、ここで、一端側に配置されるテンション付与部30については、前述した図24及び図25に示したようなテンション付与部60であっても良い。
【0095】
このようなペーパテンション付与機構によっても上述したような効果を得ることができる。特に、高摩擦部材70をプリント紙500に先に接触させることにより、テンション付与部30の動作によるプリント紙500へのテンションの付与をより実効あるものとすることができる。
【0096】
また、テンション付与部は、電気的動作として自動制御されるようにすることもできる。この場合、図8及び図9に示したペーパテンション付与機構における回動部材31や、図24及び図25に示したローラ61を電気的に駆動制御するようにする。すなわち例えば、ローラ61の回転を電気的に駆動制御するようにする。このとき同時に、当然、ローラ61には、プリント紙を圧接するような力が付与されているものとする。所定のタイミングとは、例えば、印刷開始や印刷終了のタイミングである。
【0097】
このようにローラ61等のテンション付与部材の駆動を電気的に制御することにより、例えば、プリント紙500の印刷領域へのテンション付与を、所定のタイミングで行うことができるようになる。
【0098】
また、上述の実施の形態では、プリンター1において印刷される画像の方向を指示し、パーソナルコンピュータ301においてその指示情報に基づいて画像の方向を変更させる場合について説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、プリンター1内においてそれら全ての処理を完結させることもできる。具体的には、この場合、プリンター1は、操作されて得た指示情報に基づいてメモリー14に予め記憶されている画像データについて画像方向を変更する処理を行う。プリンター1では、その処理をCPU13によって行う。また、処理手順については、上述の図17に示すような一連の処理手順に従って行うようにする。
【0099】
さらに、パーソナルコンピュータ上或いはプリンター1上でなされる、そのような処理については、プログラムにより実行することができる。そして、そのようなプログラムは記録媒体に記録されて提供されるようにもなされている。
【0100】
また、印刷範囲インジケータについては、上述の図18に示した印刷範囲インジケータ40に限定されるものではない。例えば、印刷範囲インジケータを光学的に印刷範囲を示すものとして実現することもできる。具体的には、プリンター1の下側方向にレーザ光を出射するレーザポインタを、四隅にそれぞれに設けることで実現することもできる。この場合、プリンター1を、プリント紙500上方に位置させた状態においてレーザポインタにより、レーザ光を出射することにより、印刷領域を確認することができるようになる。
【0101】
次に、プリンター1における機械的構造の具体例について説明する。図27には、機械的な構成部分を示しており、プリンター1は、このような機械的構成部分を、図28に示すように、本体カバー2内に収容する構成とされている。
【0102】
プリンター1は、上述の印刷ヘッド3が図27及び図28に示すヘッドユニット100に収納されており、そのヘッドユニット100を移動操作することにより、印刷ヘッド3による印刷を行うように構成されている。
【0103】
プリンター1は、ヘッドユニット100が本体シャーシ150に支持されている一対のユニットガイド軸161a,161bに案内されて移動されることにより、当該ヘッドユニット100に内蔵されている印刷ヘッド3がインクリボン300上を移動して、プリント紙500に印刷をするように構成されている。
【0104】
なお、以降、説明の便宜上、ユニットガイド軸161a,161bによるヘッドユニット100の移動方向をY方向として、例えばユニットガイド軸161a,161bを含む平面内においてY方向と直交する方向をX方向として、さらに、X方向及びY方向により構成される平面に対して垂直な方向をZ方向として説明する。或いは、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する。しかし、このように各方向を定義するものの、プリンター1を構成する各構成部分及びその動作等についての向き等は、このような方向の定義によって影響されないことはいうまでもない。
【0105】
本体シャーシ150は、図27及び図28に示すように、長方形状の薄型略箱形状とされている。そして、本体シャーシ150には、その略中央にヘッドユニット100が移動操作されるヘッド移動用開口部151が形成されている。ヘッド移動用開口部151は、略長方形状とされている。このヘッド移動用開口部151の形成は、所望の印刷領域が確保できるような大きさに決定されている。
【0106】
そして、本体シャーシ150には、ヘッド移動用開口部151内に一対のユニットガイド軸161a,161bが併設されている。ユニットガイド軸161a,161bは例えば金属材料によって形成されている。本体シャーシ150には、ヘッド移動用開口部151内に、ユニットガイド軸161a,161bにより移動自在とされてヘッドユニット100が支持されている。
【0107】
ヘッドユニット100には、図29に示すように、略長方形状とされた印刷ヘッド3が収納されている。印刷ヘッド3は、配列された複数の発熱体(或いは発熱素子)を有して構成されている。複数の発熱体は、印刷ヘッド3の長手方向に一列に配列されている。具体的には、印刷範囲(印刷可能領域)の1辺の長さ、或いはそれ以上の長さとされて発熱体が配列されている。具体的には、グレーズ曲面形状とされたヘッド突部3cの表面に発熱体が配置されている。このように発熱体が配列されてなる印刷ヘッドは、いわゆるラインサーマルヘッドと称されるものである。
【0108】
ヘッドユニット100は、図29に示すように、略長方形状とされており、長手方向及び短辺方向の幅が印刷ヘッド3と略同様とされている。このヘッドユニット100は、印刷ヘッド3を保持しつつ、上述したように一対のユニットガイド軸161a,161bに支持されるような形状とされている。
【0109】
ヘッドユニット100は、短辺方向における側面にそれぞれガイド孔112,112,112,112が形成されており、上述したユニットガイド軸161a,161bが挿通されている。これによりヘッドユニット100は、本体シャーシ150のヘッド移動用開口部151内において移動自在に支持されている。
【0110】
ヘッドユニット100の移動については、タイミングベルトによりなされる。図30に示すように、ヘッドユニット100は、その一部がタイミングベルト171に係止されている。
【0111】
タイミングベルト171は、本体シャーシ150の長手方向における端部に回転自在に支持されている対をなす2つのプーリー172a,172bに掛け止めされている。一方のプーリー172bには、ギア部173aが一体に形成されており、プーリー172aは、ギア部173aと複数のギア列173b,173cを介してパルスモータ174(図6に示すパルスモータ16、以下同じ。)と繋がっている。これにより、タイミングベルト171は、パルスモータ174の駆動により一定速度で移動されるようになされている。
【0112】
ヘッドユニット100は、取り付け部100aがこのようなタイミングベルト171に取り付けられており、タイミングベルト171に同期されて本体シャーシ150のヘッド移動用開口部151の長手方向において往復運動するようになされている。ここでヘッドユニット100の同期動作は、印刷ヘッド3によりなされる画像の印刷周期と同期される動作とされている。なお、ヘッドユニット100の移動は、パルスモータ174によりなされることに限定されるものではなく、例えばDCモータにサーボをかけることにより実現することもできる。要は、ヘッドユニット100を定速移動及び同期動作を実現することができれば良いのである。
【0113】
また、DCモータ175(図6に示すDCモータ15、以下同じ。)は、各機構を操作するための後述のカムギアと図示しない複数のギア列を介して繋がっている。このDCモータ175により、後述の各機構における印刷待機時と印刷時の動作の切り換えがなされる。なお、後述する機構としては、ロック機構等が挙げられる。また、このDCモータ175により、インクリボンの巻き取りのための後述のスプールの回転操作もなされる。
【0114】
次にヘッドユニット100における具体的な構造について説明する。図31にはヘッドユニット100の構成を示し、図32にはそのヘッドユニット100に収納されているヘッド固定部材120の構成を示している。
【0115】
図31に示すように、ヘッドユニット100は、ヘッド固定部材120を内部に収納するような形状とされ、全体として略長方形状のユニットシャーシ111によって構成されている。例えば、ユニットシャーシ111は板金によって形成されている。
【0116】
ユニットシャーシ111は、長手方向における両端それぞれに、ユニットガイド軸161a,161bが挿通されるガイド孔112,112,112,112が設けられている。具体的には、ガイド孔112,112,112,112は、スライド軸受け113,113,113,113の軸受け部として実現されている。スライド軸受け113,113,113,113を軸受けとして用いることにより、ユニットシャーシ111は、ユニットガイド軸161a,161bに案内された移動が滑らかなものとして実現される。例えばスライド軸受けとしては、例えばポリアセタール製の成形品が挙げられる。
【0117】
なお、ユニットシャーシ111におけるユニットガイド軸161a,161bの軸受け構造は、スライド軸受けに限定されるものではなく、含油メタルや、直動ボールベアリングによる構造とされても良い。なお、ユニットシャーシ111には、後述するヘッド動作規制軸の移動を制限するための案内孔114が長手方向における側面111a,111bそれぞれに形成されている。案内孔114は、上下方向に所定の幅を有して形成されている。
【0118】
印刷ヘッド3は、このようなユニットシャーシ111に対して、図32に示すようなヘッド固定部材120を介して支持されている。
【0119】
ヘッド固定部材120は、略長方形状の板形状とされる主面部121aを有している。また、ヘッド固定部材120は、主面部121aの短辺方向における端部に立設面121bが形成されている。そして、ヘッド固定部材120は、主面部121aにおいて立設面121bが形成されていない短辺方向の他端に、立設面121bとは逆側に向いて立設された略U字形状のリボン引き剥がし部121cが形成されている。そして、ヘッド固定部材120には、主面部121aに印刷ヘッド3が取り付けられている。主面部121aへの印刷ヘッド3の取り付けは、例えばネジ止めによってなされている。
【0120】
そして、ヘッド固定部材120には、印刷ヘッド3が取り付けられている主面部121aにおける裏面側に、ヘッド動作制限軸122が取り付けられている。具体的には、ヘッド動作規制軸122は、主面部121aの長手方向の各端部に形成されている各支持部121dに支持されている。このヘッド動作規制軸122は、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触及び開放(離脱)の操作を行うための丸軸棒であって、例えば金属材料によって形成されている。このヘッド動作規制軸122は、上述のユニットシャーシ111の長手方向の長さより多少長くなされており、これにより、端部122aがそれぞれ、図31に示すように、ユニットシャーシ111の長手方向の側面111a,111bそれぞれに形成されている各案内孔114から貫通した状態として位置されるようになる。これにより、ヘッド動作規制軸122の移動が案内孔114によって制限されるようになり、よって、印刷ヘッド3は、上下方向の移動が制限されるようになり、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触及び開放(離脱)の移動が制限されるようになる。
【0121】
なお、ヘッド動作規制軸122は、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触及び開放を行えれば他の構成とされても良く、例えば、ヘッド固定部材120と一体のプレス加工品とされて構成されても良い。
【0122】
また、ヘッド固定部材120の立設面121bには、印刷ヘッド3の取り付け位置決め部を構成するヘッド自動調心支点軸124が取り付けられている。ヘッド自動調心支点軸124は、略丸棒形状の短軸形状とされており、例えば金属材料とされている。
【0123】
立設面121bは、主面部121aの短辺方向の端部において、当該端部から立設されて略長方形状とされている。このような立設面121bの長手方向における略中央に位置されるように、ヘッド自動調心支点軸124が取り付けられている。具体的には、ヘッド自動調心支点軸124は、ヘッド固定部材120の重心位置上に略一致されて当該ヘッド固定部材120に取り付けられている。理想的には、複数の印刷素子が配列されている印刷ヘッド3についての重心位置上に一致させることができれば良いが、実際には、このように印刷ヘッド3が固定されるヘッド固定部材120を基準に考えて取り付けられる。
【0124】
立設面121bにおけるヘッド自動調心支点軸124の取り付け孔121b1は、具体的には、ヘッド固定部材120の長手方向における重心位置と一致するような位置とされ、その孔径が、ヘッド自動調心支点軸124の外径よりも若干大となるように形成されている。これにより、ヘッド自動調心支点軸124は、取り付け孔121b1に対して遊びを有して、回転自在とされて取り付けられるようになる。
【0125】
ヘッド自動調心支点軸124は、一端が上述したような立設面121bの取り付け孔121b1に取り付けられ、他端がユニットシャーシ111に取り付けられるようになされている。これにより、ヘッド固定部材120が、ユニットシャーシ111に対して取り付けられた状態とされる。なお、ユニットシャーシ111に対するヘッド自動調心支点軸124の取り付けは、位置決め工程の後に実際に取り付けられるようになされている。ここで、ヘッド自動調心支点軸124、ヘッド固定部材120における取り付け部、ユニットシャーシ111における取り付け部とは、印刷ヘッド3の取り付け位置決め部を構成するものとなる。本例では、ユニットシャーシ111へのヘッド自動調心支点軸124の取り付けが、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触状態を決定する重要な事項とされているからであり、これについては、後で詳述する。
【0126】
ユニットシャーシ111に対してヘッド自動調心支点軸124を介して取り付けられることにより、ヘッド固定部材120は、ユニットシャーシ111内に収納された状態において、ヘッド自動調心支点軸124について揺動自在とされて支持された状態になる。
【0127】
すなわち、ヘッド自動調心支点軸124に対して回転自在に取り付けされることにより、ヘッド固定部材120は、図32中において示す矢印T方向のように、ヘッド自動調心支点軸124を支軸(略重心)として、ヘッド固定部材120の長手方向(すなわち印刷ヘッド3の長手方向)において揺動自在に支持されるようになっている。さらに、ヘッド自動調心支点軸124がその外径より若干大とされた孔径を有する取り付け孔121b1によって支持されることにより、ヘッド固定部材120は、ヘッド自動調心支点軸124を支軸として、図32中において示す矢印U方向のように、ヘッド固定部材120の短辺方向において揺動自在に支持されるようになっている。
【0128】
このように、ヘッド固定部材120がユニットシャーシ111に対して揺動自在とされることにより、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触状態を良好に確保することができるようになる。特に、複数の発熱体が配列されている場合においては、そのような効果は有効に作用するものとなる。
【0129】
なお、ヘッド固定部材120を揺動自在に支持する構造は、印刷ヘッド3を、当該印刷ヘッド3の長手方向において揺動すること(図32において示す矢印T方向において揺動すること)と、及び印刷ヘッド3の短辺方向において揺動すること(図32において示す矢印U方向において揺動すること)とを確保できれば良く、上述したような構造に限定されるものではなく、他の構造によって実現しても良い。また、ヘッド自動調心支点軸124は、プラスチック成形品とされても良く、さらに、ユニットシャーシ111と一体プレス加工品として構成されても良い。
【0130】
また、ヘッド固定部材120には、図32に示すように、一対の圧縮コイルバネ125a,125bが、主面部121aの裏面側の長手方向における両端にそれぞれに配置されている。主面部121aの裏面側には、圧縮コイルバネ125a,125bを案内する突出形状とされた案内部126a,126bが設けてあり、圧縮コイルバネ125a,125bはこの案内部126a,126bが挿通されて支持されている。
【0131】
ヘッド固定部材120は、このように配置されている圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力により、ユニットシャーシ111に収納された状態で、下方向に付勢されている。このように、ヘッド固定部材120をいわゆる弾性構造として支持することにより、上述したような揺動自在とされる支持が弾性力をもってなされていることになる。これにより、印刷ヘッド3とプリント紙500との接触状態を、より良好なものとして実現している。
【0132】
図33中(A)及び図33中(B)には、圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力により付勢されているヘッド固定部材120の動作を示している。ここで示すヘッド固定部材120の動作は、プリンター1をプリント紙500に載置した際における動作になる。図33中(A)は、プリンター1がプリント紙100に載置されておらず、ヘッド固定部材120内に収納されている印刷ヘッド3が未だプリント紙500に接触されていない状態を示している。また、図33中(B)は、プリンター1がプリント紙500に載置され、ヘッド固定部材に収納されている印刷ヘッドがプリント紙に接触されている状態を示している。
【0133】
図33中(A)に示すようにプリンター1がプリント紙500に載置されていない状態では、圧縮コイルバネ125a,125bにより印刷ヘッド3がI方向に押されることにより、ヘッド突部3cが本体シャーシ150の下端面150aから距離hだけ突出されている。なお、このヘッド突部3cの突出量hは、上述した案内孔114にヘッド動作規制軸122が係止されることによって一義的に決定されるものである。
【0134】
この図33中(A)から図33中(B)に示すように、プリンター1がプリント紙500上に載置されると印刷ヘッド3がプリント紙500によって押し上げられる(押し込まれる)。そして、この際、ヘッド固定部材120の背面に配置されている圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力により、印刷ヘッド3のヘッド突部3cは、プリント紙500の紙面に押圧されるようになる。すなわち、プリンター1がプリント紙500に載置される際には、プリンター1の自重等としての荷重Jとしてユニットシャーシ111にかかるのであるが、その一方で、そのような載置行為により、上述したような突出量h分だけヘッド突部3cは移動され、このとき、圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力により、印刷ヘッド3のヘッド突部3cは、プリント紙500に圧接される。これにより、ヘッド突部3cがプリント紙500に倣うことになる。なお、プリント時のヘッドユニット100の移動方向は図33中(B)において図示する矢印K方向とされている。
【0135】
なお、上述したようにヘッド固定部材120を付勢する部材は圧縮コイルバネ以外であっても良く、印刷ヘッド3をヘッド表面方向に付勢する部材であれば良い。すなわち例えば板バネ等でも良い。
【0136】
また、上述の例では、印刷ヘッド3のヘッド突部3cが、本体シャーシ150の下端部150aを基準として突出或いは収納されるを場合について説明しているが、例えば、本体カバー2の下端面2cがプリント紙500への載置面とされる場合には、本体カバー2の下端面2cを基準として突出或いは収納の動作を考える必要がある。
【0137】
以上、ヘッドユニット100に係る構成について詳細に説明した。ヘッドユニット100を上述したような構成とすることにより、印刷ヘッド3は、本体シャーシ150において移動自在に支持されながら、印刷の際には、プリント紙500に対して圧接されるようになる。次にインクリボン300に係る構成について詳細に説明する。
【0138】
使用するインクリボン300としては、インク層として、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各層を順次設けたものが挙げられる。さらに、インクリボンには、上述のインク層の前(イエローの前)にインクの転写性を向上させるプリコート、インク層の後(ブラックの後)に耐環境性を向上させるラミネートがそれぞれ設けられている。なお、インクリボンは単色でも良い。
【0139】
このようなインクリボン300は、図28に示すように、第1及び第2のスプール181,201によって巻回されている。第1及び第2のスプール181,201は、本体シャーシ150の長手方向におけるそれぞれ端部(或いはユニット移動用開口部151の長手方向におけるそれぞれ端部)に配置されている。第1及び第2のスプール181,201の収納位置は、ヘッドユニット100の移動を妨げない位置として決定され、或いは所定の記録領域を確保することを可能にする位置として決定される。具体的には、第1及び第2のスプール181,201は、本体シャーシ150のヘッド移動開口部151に入り込まない、その外周に位置されている。
【0140】
第1及び第2のスプール181,201は、インクリボンの巻回部が略円筒形状とされて、その両端が回転自在に支持されている。ここで、一方のスプールがインクリボンの供給側とされ、他方が供給側から掛け渡されるインクリボンを巻き取る或いは収納するいわゆるテイクアップスプールとされている。本例では、印刷開始前或いは印刷終了時においてヘッドユニット100が配置される側に位置される第2のスプール201をインクリボンを供給する側のスプールとしており、他方の第1のスプール181をインクリボンを巻き取るテイクアップスプールとしている。巻回部は、例えばプラスチック成型品や金属製材料によって形成されている。
【0141】
この第1及び第2のスプール181,201は、両端が軸受けを介して第1及び第2のリボンホールド板金182,202にそれぞれ回転自在とされて支持されている。第1及び第2のリボンホールド板金182,202は、その両端が本体シャーシ150に対して回転自在に支持されている。この第1及び第2のリボンホールド板金182,202がこのように本体シャーシ150に回転自在に支持されることにより、リボンテンション付与機構を構成するものとなる。リボンテンション付与機構については、後で詳述する。
【0142】
さらに、テイクアップスプールとされる第1のスプール181については、DCモータによって回転操作されるように構成されている。例えば、図27に示すように、DCモータ175により、複数のギア群205によるギア列を介して回転操作がなされている。このように構成されることにより、第1のスプール181は、回転操作されて、使用済みのインクリボンを巻き取るようになる。
【0143】
以上のようにして、第1及び第2のスプール181,201を回転自在に支持するとともに、第1のスプール181を回転させることにより、インクリボン300の供給とそれに同期した巻き取りが可能となっている。
【0144】
そして、プリンター1は、インクリボン300によりプリント紙500に画像を転写する際に、インクリボン300のしわや、用紙への貼り付きを防止するためにインクリボン300に所定の張力(以下、テンションという。)を与えるリボンテンション付与機構を備えている。リボンテンション付与機構は次のように構成されている。先ず、第1及び第2のスプール181,201の回転をロックするための回転ロック機構について説明する。回転ロック機構は、リボンテンション付与機構によるリボンへのテンション付与をより効果的にするための機構である。
【0145】
回転ロック機構は、上述したようにリボンホールド板金182,202にそれぞれ回転自在に支持されている第1及び第2のスプール181,201の回転のロックと解除とが切り換えるように構成されている。なお、回転ロック機構は、第1及び第2のスプール181,201それぞれについて設けられているものであるが、以下の説明では第1のスプール181について設けられている回転ロック機構を代表として説明する。
【0146】
リボンホールド板金182は、略長方形状の主面部182aと、主面部182aの両端において立設された支持部182b,182cとが、一体として形成されている。すなわち、リボンホールド板金182は、全体として略コ字形状とされている。主面部182aの長手方向の長さは、スプール181の長さより若干大とされて形成されている。
【0147】
このようなリボンホールド板金182の支持部182b,182cに対して回転自在に支持されているスプール181には、図34に示すように、一端にロック部190が形成されている。図34及び図35には、そのロック部190の詳細を示している。ロック部190は、図34及び図35に示すように、スプール協動部191及び不動部192から構成されている。
【0148】
スプール協動部191は、スプール181に固着されて、スプールとともに協動して回転するようになされている。スプール協動部191は、略円形平板形状の基台191aの主面に対して不動部192に対向するようにして複数の凸部191が配設され、全体として凹凸形状をなしている。
【0149】
不動部192には、スプール181の支軸を回転自在に支持している軸受け193の外周面に固定された略リング形状の基台192aに対して、スプール181の支軸に対して径方向に延びた係止腕部192bが形成されている。係止腕部192bは、基台192aから突設された略棒状体とされており、基台192a上にある距離だけ離間されて複数個配置されている。例えば、この係止腕部192bは、その幅が上述したスプール協動部191における凹形状部191cの幅と略同じ或いはそれより多少細くされている。
【0150】
ここで、軸受け193は、リボンホールド板金182に対して固定されて取り付けされており、スプール181の支軸を回転自在に支持している。そして、不動部192は、このような軸受け193に対して固着されることにより、スプール181の回転に対して不動となるようになされている。
【0151】
このように構成されているロック部190は、図35中(A)に示すように、不動部192の各係止腕部192bがスプール協動部191の凹形状部191c内に位置することによるロック状態と、図35中(B)に示すように、スプール協動部191が軸受け193から突出されているスプール181の支軸181bが軸方向(図中X1方向)に押し込まれることにより、スプール181ともにスプール協動部191も押し込まれるようになされたロック解除状態とを有するように構成されている。
【0152】
ロック状態においては、不動部の各係止腕部192bとスプール協動部191とが係合(或いは歯合)することによって、スプール181の回転がロックされるようになり、ロック解除状態においては、不動部192の各係止腕部192bとスプール協動部191との係合(或いは歯合)が解除される、すなわち係合(ロック)が開放されることによって、スプール181が回転できるようになる。このようなロック部190によるロック状態及びロック解除状態は、スプール181がリボンホールド板金182に対して支軸181a,181bの軸方向に移動自在に支持されることが前提になる。
【0153】
また、回転ロック機構においては、スプール181において、図34に示すように、ロック部190が設けられている反対側の他端に、リボンホールド板金182との間に伸張力に抗して圧縮コイルバネ185が配置されている。圧縮コイルバネ185は、スプール181の支軸181bが挿通されて保持されている。このような構成により、スプール181が圧縮コイルバネ185の弾性力によって付勢されるので、ロック部190のスプール協動部191は、そのバネ力により不動部192側に付勢されるようになり、これにより、通常の状態においては、ロック部190は、図35中(A)に示すようなロック状態を維持するようになる。なお、ロック解除状態への移行は、スライドカムの動作によりスプール181が片寄せされるように操作されることにより実現されるものであり、このスライドカムにより実現される動作については後で詳述する。
【0154】
以上のように回転ロック機構をスプール181に設けることにより、通常の状態においてはロック状態としてスプール181の回転をロック或いは禁止して、インクリボンを巻き取るときなどにおいてロック解除状態として、スプール181の回転を解除或いは解放するようにする。
【0155】
リボンテンション付与機構は、上述したような、リボンホールド板金182及び引っ張りコイルバネ184a,184bによって実現されるものである。リボンテンション付与機構は、インクリボン300にテンションを与えたり解除したりするために、リボンホールド板金182の位置を、インクリボンにテンションを与える第1の位置と、そのような第1の位置から移動してインクリボン300へのテンションを解除する第2の位置とを切り換えることにより実現されるものである。
【0156】
なお、以下の説明においては、リボンホールド板金182がインクリボン300にテンションを与える第1の位置をテンション付与位置といい、またリボンホールド板金182がインクリボンのテンションを解除する第2の位置をテンション解除位置ということにする。また、リボンホールド板金182がテンション付与位置に位置された場合のリボンテンション付与機構における状態をテンション付与状態といい、また、リボンホールド板金182がテンション解除位置に位置された場合のリボンテンション付与機構における状態をテンション解除状態ということにする。
【0157】
上述したように、リボンホールド板金182は、主面部182a及び支持部182b,182cとが一体として形成されている。支持部182b,182cは、それぞれ本体シャーシ150に設けられている支点軸183a,183bにより略中央部分において軸支されている。これにより、リボンホールド板金182は、図34中において示す矢印H方向に回転自在とされて、本体シャーシ150に支持される。
【0158】
また、各支持部182b,182cには、上端部の端部に、引っ張りコイルバネ184a,184bがそれぞれ係止されるバネ係止部182b1,182c1が設けられている。また、各支持部182b,182cには、下端部分に、上述したようにスプール181が回転自在に取り付けられている。すなわち、支持部182b,182cには、略中央に本体シャーシ150の支点軸183a,183bが取り付けられており、それを対称として、引っ張りコイルバネ184a,184bとスプール181が取り付けられている。ここで、上述したリボンホールド板金182のテンション付与位置とは、リボンホールド板金182が回動した際に、これに取り付けられている第1のスプール181と対峙される第2のスプール201に対して離間する方向となる。
【0159】
第2のスプール201側についても同様な構成とされており、すなわち例えば、リボンテンション付与機構については、図28に示すように、第2のスプール201は、一対として用意された第1及び第2の引っ張りコイルバネ204a,204bにより弾性力が付与され、また、ロック機構については、第2のスプール201は、図35に示したと同様な機能により回転のロック及びその解除がなされるようになっている。
【0160】
このような構造とすることにより、第1及び第2のリボンホールド板金182,202は、本体シャーシ150の支点軸(第2のリボンホールド板金については図示せず)183a,183bによる支持点を介して、引っ張りコイルバネ184a,184b,204a,204bによる回転モーメントが、第1及び第2のスプール181,201の間のインクリボン300にテンションをかけるように発生する。すなわち、第1及び第2のリボンホールド板金182,202は、引っ張りコイルバネ184a,184b,204a,204bの弾性力によりテンション付与位置方向(図34中において時計方向)に付勢されるようになされており、その際の付勢する力がインクリボン300へのテンションとして伝達されるようになる。
【0161】
そして、このようなリボンテンション付与機構は、通常状態(例えば、印刷動作をしていない状態或いは電源OFFの状態)においては、リボンホールド板金182がテンション解除位置に位置されており、テンション解除状態になるようになされている。なお、テンション解除状態及びテンション付与状態の切り換えについては、スライドカムの動作によりなされるものであり、これについては後で詳述する。
【0162】
このようなリボンテンション付与機構の動作に同期して、上述のロック機構も動作するようになされている。具体的には、リボンテンション付与機構における第1及び第2のリボンホールド板金182,202がそれぞれテンション付与位置に位置された状態においては、ロック機構による第1及び第2のスプール181,201の回転のロック状態とされる。一方、リボンテンション付与機構における第1及び第2のリボンホールド板金182,202がテンション解除位置に位置された状態においては、ロック機構による第1及び第2のスプール181,201の回転のロック解除状態とされるようになされている。これにより、リボンテンション付与機構における第1及び第2のリボンホールド板金182,202がテンション付与位置に移動する際には、ロック機構により第1及び第2のスプール181,201がロックされた状態になるので、テンション付与によりインクリボン300が引き出されることを防止できる一方、リボンホールド板金182がリボンテンション解除位置に移動する場合、すなわちインクリボン300にテンションを付与しない場合には、ロック機構による第1及び第2のスプール181,201のロックを解除することができるようになる。
【0163】
このようなリボンテンション付与機構と回転ロック機構とによる同期動作はスライドカムの動作によって実現されている。これについては後で詳述する。
【0164】
以上のようにして、回転ロック機構とリボンテンション付与機構とが協動して有効的に両スプール間のインクリボンにテンションを付与又は解除することができるようになされている。さらに、上述したようなリボンテンション付与機構によれば、第1及び第2のスプール181,201へのインクリボンの巻回量に左右されずに、常に略同様なテンションをインクリボンに付与することができるようになる。
【0165】
次に、上述のリボンテンション付与機構とヘッドユニット100の動作について図36を用いて説明する。図36中(A)は、印刷開始前の、ヘッドユニット100が収納されている状態(例えば、プリントスタンバイ状態)を示しており、図36中(B)は、ヘッドユニット100が印刷開始位置に移動されるとともに、リボンテンション付与機構によって印刷ヘッド3がインクリボン300にテンションが付加されている状態を示しており、図36中(C)は、印刷が終了してヘッドユニット100が所定位置に収納された状態を示している。
【0166】
ここで、ヘッドユニット100の移動方向であって、テイクアップスプールとされる第1のスプール182側に近接されてリボンガイド211が配置されている。すなわち、リボンガイド211がヘッドユニット100における印刷方向とは逆側に付設されている。
【0167】
リボンガイド211は、印刷後の印刷部からインクリボン300を引き剥がす部分として構成されている。リボンガイド300は、その軸心に対して回転自在に支持された金属棒として形成されている。このリボンガイド211は、ヘッドユニット100と併走するようになされている。
【0168】
なお、リボンガイド211は、インクリボン300が接触する部分が同形状であれば他のものでも良く、例えば、プラスチック成形品、ヘッドユニット100に対して一体成形されていても良い。また、リボンガイド211の金属捧は完全に固定されていても良い。
【0169】
プリントスタンバイ状態においては、図36中(A)に示すように、印刷ヘッド3は、そのヘッド突部3cが本体シャーシ150の下端面150aから内側になるように位置されている。一方、第1及び第2のリボンホールド板金182,202はそれぞれ、テンション解除位置に位置されており、回転ロック機構が解除されて、テンション解除状態とされている。インクリボン300は、このような状態により、テンションがかかっていない状態とされている。そして、このようなテンション解除状態においては、インクリボン300の巻き上げが可能とされている。
【0170】
そして、このようにテンション解除状態において、ヘッドユニット100は、印刷開始位置(例えば、ホームポジション)とされる第1のスプール182側近傍位置まで移動されて、図36中(B)に示すように位置される。このとき、リボンガイド211はヘッドユニット100と併走する。
【0171】
ここで、印刷開始位置でのヘッドユニット100の位置検出は、光センサー等の検出手段によって行われる。すなわち、光センサーの検出結果に基づいてヘッドユニット100の印刷開始位置への移動が制御される。
【0172】
ヘッドセンサー212は、例えば、いわゆるフォトインタラプタであり、ヘッドユニット100の上面に立設された遮光板(図31に詳細が示される部分)115がヘッドセンサー212のスリットに入り込むことにより、ヘッドユニット100の印刷開始位置への移動を検出するようになされている。なお、ヘッドユニット100の位置を検出するヘッドセンサー212は、ヘッドユニット100の位置検出ができれば良く、例えばメカニカルスイッチでも良い。
【0173】
このようなヘッドユニット100の移動に続いて、インクリボン300の頭出しが行われる。上述したように、インクリボン300は、複数の色が当該インクリボンの送り方向に連続して形成されており、そのようなインクリボン300における所定の色の頭出しが行われる。具体的には、インクリボン300には、頭出しマークが形成されており、光センサー等によって構成されているリボンコードセンサー213により、そのようなインクリボン300の頭出しマークの検出されるまで、第1のスプール182によってインクリボン300を巻き上げるようにしている。そして、1枚目の印刷のためのインクリボン300の頭出しを行い、印刷準備を完了する。
【0174】
リボンコードセンサー213は、インクリボン300の表側と裏側にそれぞれ配置された一対の透過センサーとされて構成されており、本体シャーシ150内に所定の位置に配置されている。これにより、リボンコードセンサー213は、インクリボン300が透過センサー間を通過する際に、そのインクリボン300に印刷されているリボン頭出しマークによって透過センサー間の光路が遮光されることにより、インクリボンの各色についての先頭位置を検出する。
【0175】
なお、リボンコードセンサー213は、リボン頭出しマークが検出できれば良く、例えば、反射板と組み合わせた反射センサーでも良い。また、インクリボン300の頭出しのためのリボン頭出しマークについては、各インク層の境界に設けるか、或いは1枚プリント分としての始めのインク層と前ページのプリント分の最後のインク層との境界に設けるようにする。
【0176】
印刷開始位置に移動されたヘッドユニット100は、プリント開始時において、図36中(B)に示すように、本体シャーシ150に接したプリント紙500に圧接される。その一方で、リボンテンション付与機構は、第1及び第2のリボンホールド板金182,202がテンション付与位置に移動されて、テンション付与状態になされる。このとき、第1及び第2のリボンホールド板金182,202が回転動作によって回動される第1及び第2のスプールはそれぞれ、回転ロック機構によってその回転がロックされた状態になされている。
【0177】
そして、このような状態において、ヘッドユニット100が移動されるとともに、印刷ヘッド3の発熱体が適宜制御されて、プリント紙500への画像の熱転写がなされる。このときヘッドユニット100の移動は、図示しないユニットガイド軸161a,161bに案内されて、タイミングベルト171により画像転写と同期して行われるようになる。リボンガイド211は、このようなヘッドユニット100に併走し、プリント紙500とインクリボン300との引き剥がしを行う。また、プリント紙500から引き剥がされたインクリボン300は、ヘッド固定部材120の短辺方向の端部に設けられているリボン引き剥がし部121cの外周面を摺動されてリボンガイド211に導かれている。印刷終了後には、ヘッドユニット100は、図36中(C)に示すように、プリント長さの距離を移動されて所定位置に位置されるようになる。
【0178】
以上のように、印刷の際のヘッドユニット100及びリボンテンション付与機構における一連の印刷動作が実行される。
【0179】
上述のリボンテンション付与機構の動作と印刷ヘッドによるプリント紙への圧接動作とが同期して行われており、次にこれを可能にする同期部材とされるいわゆるスライドカム220等について説明する。図37及び図38は、そのスライドカム220等によって実現される同期動作を示している。
【0180】
スライドカム220とカムギア230により、回転運動を直線運動に変換する機構が形成されている。ここで、カムギア230は、図示しないモータによって回転駆動されるようになされている。例えば、カムギア230は、ギア列を介してモータによって駆動されるようになされている。
【0181】
スライドカム220については、図37及び図38に示すように、略長方形状の板形状体とされて形成されている。スライドカム220は、本体シャーシ150における一側面の内側に、前後方向にスライド自在とされて支持されている。そして、スライドカム150の移動は、図37に示す第1の位置と図38に示す第2の位置との間を移動するようになされている。スライドカム220の第1の位置と第2の位置との移動がカムギア230の回転運動が変換されて実現されている。ここで、第1の位置は、印刷開始前、印刷終了後或いはスタンバイ時のスライドカム220の位置であり、第2の位置は、印刷時のスライドカム220の位置である。
【0182】
このようなスライドカム220には、上述の回転ロック機構のロック及びその解除をするための第1及び第2の係合部221a,221b、リボンテンション付与機構を構成する第1及び第2のリボンホールド板金182,202の引っ張りコイルバネ184a,184b,204a,204bの弾性力により回動を阻止及び解除する係止部222、及びヘッド固定部材120をプリント紙500に対して接離する方向に移動させるための案内部223a、及び当該スライドカム220をスライド駆動するスライド駆動機構のためのガイド孔224が設けられている。
【0183】
具体的には、スライドカム220は、第1の位置に位置されることにより、回転ロック機構についてロックを解除し、リボンテンション付与機構についてリボンホールド板金182,202の回動を阻止し、ヘッド固定部材120については、プリント紙500に対して離間する方向に支持している。一方、スライドカム220は、第2の位置に位置されることにより、第1の位置に位置されることにより、回転ロック機構についてロックをして、リボンテンション付与機構についてリボンホールド板金182,202の回動阻止を解除し、ヘッド固定部材120については、プリント紙500に接触可能にする方向に支持する。以下、このような各機能を実現するスライドカム220について具体的に説明する。
【0184】
スライドカム220は、本体シャーシ150内であって、当該本体シャーシ150における短辺方向の一側面に沿って配置されている。このスライドカム220には、長手方向における両端側それぞれに、第1及び第2のガイド軸225a,225bが本体シャーシ150側に突設されている。第1及び第2のガイド軸225a,225bは略丸棒の短軸形状とされている。
【0185】
一方、本体シャーシ150には、これに対応して、第1及び第2のガイド孔150b,150cが形成されている。第1及び第2のガイド孔150b,150cの形状は、ガイド軸225a,225bの外径と略同様な幅を有したスリット形状とされ、側壁の長手方向に延びる形状とされている。具体的には、第1及び第2のガイド孔150b,150cの形状は、第1のスプール181の配置側から第2のスプール201の配置側に向かう途中で、下方向に屈曲された形状とされている。
【0186】
スライドカム220は、第1及び第2のガイド軸225a,225bが、本体シャーシ150に設けられた第1及び第2のガイド孔150b,150cにそれぞれ移動自在とされて挿通され、第1及び第2のガイド軸225a,225bがそれぞれ、第1及び第2のガイド孔150b,150cによってその移動が制限されている。これにより、第1及び第2のガイド軸225a,225bを有するスライドカム220は、第1及び第2のガイド孔150b,150cが形成されている本体シャーシ150における第1の位置及び第2の位置の限度として移動範囲が制限される。よって、第1及び第2のガイド孔150b,150cが上述したような略屈曲形状とされていることから、このガイド孔150b,150cに案内されて移動されるスライドカム220は、第1のスプール181側(図37に示すスライドカム220の位置)から第2のスプール201側(図38に示すスライドカム220の位置)への移動により、同時に下方向に移動する移動軌跡を描くようになる。すなわち、スライドカム220は、第1の位置から第2の位置間を上下運動を含んだ往復運動をするようになる。すなわち、スライドカム220は、直動カムとして、上下運動を含んだ移動をするようになる。
【0187】
カムギア230は、このようなスライドカム220の移動操作をする部材である。カムギア230は、スライドカム220の一端側に配置されている。カムギア230は、本体シャーシ150に対して回転自在とされて支持されており、図示しない駆動モータによって回転駆動される。カムギア230には、スライドカム220に対向される主面の外周位置に形成されている係止軸230aが、対向されるスライドカム220に設けられているガイド孔224に挿通されている。
【0188】
スライドカム220に形成されているガイド孔224は、略長方形状とされているスライドカム220の短辺方向に延びたスリット形状とされている。そして、ガイド孔224に、カムギア230に形成されている係止軸230aが挿通されている。
【0189】
カムギア230の係止軸230aがスライドカム220のガイド孔224に挿通された状態においてカムギア230が回転操作される。ここで、図37に示すように、カムギア230の係止軸230aが第1のスプール181側に位置されると、スライドカム220は、第1の位置に位置されるようになる。また、図38に示すように、カムギア230の係止軸230aが第2のスプール201側に位置されると、スライドカム220は、第2の位置に位置されるようになる。
【0190】
カムギア230が回転することにより、スライドカム220は、このように第1の位置と第2の位置との間を往復運動するようになる。このようにして、カムギア230の回転運動がスライドカム220による第1の位置及び第2の位置の間でなされる往復運動に変換されるようになる。
【0191】
また、スライドカム220には、長手方向におけるそれぞれ端部であって、第1及び第2のスプール181,201に対向される部分に、上述した回転ロック機構をロックし及びその解除をするための第1及び第2の係合部221a,221bが設けられている。
【0192】
第1の係合部221aは、第1のスプール181に対向されるように位置されており、また、第2の係合部221bは、第2のスプール201に対向されるように位置されている。第1の係合部221aは、スライドカム220の端部方向に向かうに従って、外側に徐々に傾斜されるような形状とされており、一方、第2の係合部221bについては、スライドカム220の端部方向に向かうに従って、内側に徐々に傾斜されるような形状とされている。
【0193】
図37に示すように、このような第1及び第2の係合部221a,221bにより、スライドカム220が第1の位置に位置されている状態においては、スプール181,201の支軸181a,201aが、図示しない圧縮コイルバネの弾性力に抗して内側に押し込まれており、これにより、回転ロック機構はロックが解除された状態とされる。
【0194】
そして、スライドカム220が第1の位置から第2の位置に移動されることにより、回転ロック機構の支軸181a,201aは、図示しない圧縮コイルバネの弾性力の作用により、第1及び第2の係合部221a,221bに沿って摺動され、最終的には、スライドカム220の第2の位置では、図38に示すように、回転ロック機構はロックされた状態とされる。
【0195】
また、スライドカム220には、一端側に、リボンホールド板金182,202の引っ張りコイルバネ184a,184b,204a,204bの弾性力により回動を阻止及び解除する係止部222が設けられている。第1及び第2の係止部222はスライドカム220における長手方向の端部面によって構成されている。
【0196】
図37に示すように、このような第1及び第2の係止部222により、スライドカム220が第1の位置に位置されている状態においては、リボンテンション付与機構を構成する各リボンホールド板金182,202は、図示しない引っ張りコイルバネの弾性力に抗して回動が阻止され、テンション解除位置に位置される。
【0197】
一方、スライドカム220が第2の位置に位置された状態では、各リボンホールド板金182,202は、図38に示すように、その回動の阻止が解除されるので、図示しない引っ張りコイルバネの弾性力により、テンション付与位置に位置されるようになる。そして、この第2の位置では、前述したように、回転ロック機構がロックされていることから、各スプール181,201の回転がロックされており、これにより、図示しない引っ張りコイルバネの弾性力がインクリボン300に有効的に付与されるようになる。
【0198】
また、スライドカム220には、略中央付近が、略長方形状の開口部223が形成されている。そして、この開口部223内にヘッド固定部材120に取り付けられているヘッド動作規制軸122の端部122aが位置されている。このようにヘッド動作規制軸122の端部122aが位置されている開口部223の下側面は案内部223aとされている。
【0199】
上述したようにヘッド動作規制軸122が取り付けられているヘッド固定部材120は、背面に配置されている圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力によって下方向に付勢されている。開口部223の案内部223aは、図37に示すように、スライドカム220が第1の位置に位置されている状態においては、そのように付勢されているヘッド固定部材120のヘッド動作規制軸122を支持する。すなわち、開口部223の案内部223aは、係止されているヘッド動作規制軸122を介してヘッド固定部材120を押し上げた状態にしている。これにより、印刷ヘッド3のヘッド面3aは、プリンター1の本体シャーシ150の下端面150aから内側に位置される。
【0200】
一方、第2の位置に位置された状態では、スライドカム220は、第1及び第2のガイド孔224により下方に移動されるので、これにより、ヘッド固定部材120は下方向への移動の制限が解除され、圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力を受けて下方向に移動されるようになる。
【0201】
なお、図38に示す印刷ヘッド3の状態は、そのようにヘッド固定部材120が圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力によって下方向に付勢されるが、プリンター1のプリント紙500への載置により印刷ヘッド3のヘッド突部3cが本体シャーシ150の下端面150a位置まで押し上げられている状態を示している。すなわち、印刷ヘッド3がプリント紙500に圧接されている状態を示している。
【0202】
以上のように、スライドカム220が第1の位置及び第2の位置に位置されることにより各機構が動作されるようになる。そして、このスライドカム220によって、そのような各機構の動作は、同期してなされる。プリンター1は、このような各機構の同期動作により、上述したように、図36中(A)〜(C)に示す印刷動作を実現している。
【0203】
図39には、プリンター1において印刷の際に実行される一連の動作を示している。なお、この図39に示す一連の動作は、先に示した図23においてステップS31の電磁石の通電ON動作の後になされる一連の動作ともされている。
【0204】
この図39に示すように、プリンター1は、ステップS41において、プリント領域センサーがONになっているか否かを判別する。プリンター1は、ここでプリント領域センサーがONになるまで待機する。そして、プリンター1は、プリント領域センサーがONにされると、ステップS42において、ヘッドユニット100を、図36中(B)に示すように、印刷開始位置に移動させる。続いて、プリンター1は、ステップS43において、1色目のリボンの頭出しをし、続くステップS44において、印刷ヘッド3をプリント紙500に圧接するとともに、インクリボン300にテンションを与える。すなわち、プリンター1は、スライドカム220を第2の位置に移動させて、印刷ヘッド3をプリント紙500に圧接させて、リボンテンション付与機構によるテンション付与状態にする。
【0205】
そして、プリンター1は、ステップS45において、頭出しされている色のインクリボン300による印刷を行う。プリンター1は、その印刷後、ステップS46において、印刷ヘッド3を上昇させて、インクリボン300へのテンションを解除する。すなわち、プリンター1は、スライドカム220を第1の位置に移動させて、印刷ヘッド3を内側に収納し、リボンテンション付与機構をテンション解除状態にする。そして、続くステップS47において、プリンター1は、再び印刷開始位置に印刷ヘッドを移動させ、続くステップS48において、インクリボンの頭出しをする。
【0206】
それからプリンター1は、ステップS49において、1画面の印刷が終了したか否かを判別する。ここで、1画面の印刷が終了していない場合には、プリンター1は、再び上述のステップS44以降の処理を開始する。また、1画面の印刷が終了した場合には、プリンター1は、終了処理をする。終了処理では、プリンター1は、図36中(A)に示すように、印刷ヘッドを収納して印刷処理を終了する。このような印刷処理の終了により、フルカラー印刷が完了される。
【0207】
次に、上述したような具体的構成例とされるプリンター1における印刷ヘッド3の取り付けについて説明する。
【0208】
従来の自動給紙式プリンターは、曲率を持たせてプリント紙に印刷しており、これに対して、本発明により実現されるプリンターは、印刷ヘッド3とプリント紙500との関係が平面とされた関係とされており、印刷ヘッド3にかけている圧力が集中しにくい場合がある。特に、本実施の形態のように、印刷ヘッド3が複数の発熱体が配列されて構成されているラインサーマルヘッドによって実現する場合には、各発熱体による圧接力がプリント紙に集中しにくく、さらに幅があるため、平面状態のプリント紙に対する圧力バランスをとることが困難になっている。以下に説明するように、印刷ヘッド3を位置決めして取り付けることにより、そのような問題を解消している。
【0209】
図40は、プリント紙500に対して適切に接触されるように、本体に取り付けられている印刷ヘッド3の状態を示している。印刷ヘッド3の取り付けについては、この図40に示すように、プリント紙500に対して適切に接触されるように印刷ヘッド3に取り付けられる。
【0210】
例えば、サーマルヘッドとして構成されている印刷ヘッド3は、図40に示すように、抵抗体として形成されているヘッド突部3cのグレーズ曲面上に発熱体が配置されている。このようなグレーズ曲面上に配されている発熱体が適正にプリント紙面に対して接触するように印刷ヘッド3は位置決めされて取り付けられている。具体的には、以下のようにして印刷ヘッド3の取り付けがなされる。
【0211】
上述のように、ヘッド固定部材120は、ユニットシャーシ111に対してヘッド自動調心支点軸124によって各方向に揺動自在とされて取り付けられている。印刷ヘッド3の位置決めは、この自動調心支点軸124の取り付け位置を調整し、図40に示すように、印刷ヘッド3がプリント紙500に対して適切に接触させることによって行っている。印刷ヘッド3がプリント紙500に対して適切に接触される状態とは、本例では、図40中(A)に示すように、印刷ヘッド3のグレーズ曲面が中心位置Oでプリント紙500と接触している状態をいい、印刷ヘッド3の位置決めは、このような状態を印刷時に維持できるように行う。
【0212】
また、以下にする印刷ヘッド3の位置決めについての説明は、例えば、ユニットガイド軸161a,161bを基準としてみた場合についてしている。
【0213】
ユニットガイド軸161a,161bは、プリンター1がプリント紙500に載置された状態において、プリント紙500の紙面に対してある公差をもって平行となるように本体シャーシ150に取り付けられている。このように配置されているユニットガイド軸161a,161bに対してユニットシャーシ111は移動自在とされて支持されており、このようなユニットシャーシ111に対してヘッド自動調心支点軸124が取り付けられている。よって、ヘッド自動調心支点軸124と、ユニットガイド軸161a,161bとの位置関係は、所定の距離だけ離間された関係とされている。例えば、印刷ヘッド3がプリント紙500に対して適切に接触される際には、図40に示すように、公差をもって所定の距離A1だけヘッド自動調心支点軸124とユニットガイド軸161a,161bとは離間されて配置される。
【0214】
ここで、図43に、ユニットガイド軸161a,161bに案内されてヘッドユニット100が移動される状態を示している。印刷ヘッド3がプリント紙500に対して適切に接触されるようにヘッド自動調心支点軸124とユニットガイド軸161a,161bとが所定の距離A1だけ離間されていれば、図43に示すように、ヘッドユニット100の移動範囲内においても、その所定の距離A1は公差をもって維持される。すなわち、所定の距離A1が維持されてさえいれば、印刷開始から印刷終了までの間の印刷ヘッド3とプリント紙500との接触は適切になされる。このことは、ヘッド自動調心支点軸124の取り付け位置は、ヘッド突部3cとプリント紙500とが面接触とされている場合の当該ヘッド突部3cの接触面と、ユニットガイド軸161a,161bとが略平行になるようにされることが最適であることを指し示すものと言える。
【0215】
このような位置関係になるように、ヘッド自動調心支点軸124の取り付け位置が決定される。例えば、ヘッド自動調心支点軸124のユニットシャーシ111に対する取り付け位置を、ヘッド自動調心支点軸124とユニットガイド軸161a,161bとの間の距離が、図41中(B)に示すように、図40中(B)に示した距離A1より短くした距離(A1−α)になるようにした場合には、グレーズ曲面は、図41中(A)に示すように、図40中(A)に示した中心位置Oから+βだけ回転してプリント紙500と接触するようになる。
【0216】
一方、ヘッド自動調心支点軸124のユニットシャーシ111に対する取り付け位置を、ヘッド自動調心支点軸124とユニットガイド軸161a,161bとの間の距離を、図42中(B)に示すように、図40に示した距離A1より長くした距離(A1+α)になるようにした場合には、グレーズ曲面は、図42中(A)に示すように、中心位置Oから−βだけ回転してプリント紙500と接触するようになる。
【0217】
このような関係を踏まえ、ユニットシャーシ111に対するヘッド自動調心支点軸124の取り付け位置を調整することで、プリント紙500に対する印刷ヘッド3の接触状態を変化させることができるようになる。
【0218】
これにより、製造ばらつきのあるサーマルヘッドの抵抗体位置、或いはプリンタ本体の部品組み立てばらつきに対して、ヘッド自動調心軸124を変化させることによって、最適なプリント紙500との接触位置を確保できるようになる。すなわち、そのような製造ばらつきをキャンセルして、最適なプリント紙500との接触状態を確保できるようになる。
【0219】
なお、プリント紙500への印刷ヘッド3の接触状態を基準として、印刷ヘッド3の取り付けについて説明しているが、上述したように、印刷ヘッド3はインクリボンを介してプリント紙500に対して印刷をしているのであり、実際には接触状態にはない。よって、印刷ヘッド3の取り付けについては、プリント紙500との位置関係を基準によってなされている表現がより正確になる。また、印刷ヘッド3の取り付けについては、印刷ヘッド3の姿勢等の印刷状態に影響する他の因子も考慮してなされることはいうまでもない。
【0220】
また、以上のような印刷ヘッド3とプリント紙500との接触状態の調整は、他の手段によっても実現することができる。
【0221】
例えば、図44に示すように、プリント紙500の裏面側に接触状態を調整する下敷き240を配置するようにする。下敷き240としては、例えばゴム硬度45度のクロロプレンゴムが挙げられる。なお、下敷き240については、発熱体とプリント紙500との接触面範囲を広くとることができるものであれば良く、例えば、シリコンゴム等の弾性体等であっても良い。
【0222】
このようにプリント紙500の裏面に弾性部材からなる下敷き240を配置することにより、印刷ヘッド3のグレーズ曲面が形成されているヘッド突部3cとプリント紙500との接触面範囲を、図45に示すように、そのグレーズ曲面の周長において角度γ°分を確保することができるようになる。
【0223】
なお、上述の実施の形態では、印刷ヘッド3として複数の発熱体を配して構成されているラインサーマルヘッドについて説明した。なお、本発明の参考例として、印刷ヘッド3は、画像印刷機能があれば良く、例えば、インク液吐出口を備えたインクジェットヘッドでも良い。この場合、印刷ヘッド3は、複数のインク液吐出口を、上述したラインサーマルヘッドと同様に、プリント幅長さと同等或いはそれ以上に配列するような構成にする。
【0224】
印刷ヘッド250をインクジェットヘッドとして構成した場合、図46中(A)及び(B)に示すように、印刷ヘッド250におけるプリント紙500の接触面にギャップガイド252が設けられている。ギャップガイド252は、インク液吐出口251からプリント紙500との間のギャップ(ヘッドギャップ)を確保するための突形状部分であり、所定の突出量を有して形成されている。
【0225】
図46中(A)及び(B)は、インクジェットヘッドとして印刷ヘッド250が構成されている場合のヘッド固定部材120の動作を示している。ここで示すヘッド固定部材120の動作は、プリンター1をプリント紙500に載置した際における動作になる。すなわち、図46中(A)は、プリンター1がプリント紙500に載置されておらず、ギャップガイド252が本体シャーシ150における下端部150aから距離hだけ突出された状態を示している。この状態では、圧縮コイルバネ125a,125bにより印刷ヘッド250がI方向に押されており、ギャップガイド252の突出量hが、上述した案内孔114にヘッド動作規制軸122が係止されることによって一義的に決定されている。
【0226】
そして、図46中(B)に示すように、プリンター1がプリント紙500に載置されると印刷ヘッド250がプリント紙500によって押し上げられる。そして、その際、圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力により、印刷ヘッド250に形成されているギャップガイド252は、プリント紙500の紙面に押圧されるようになる。すなわち、プリンター1がプリント紙500に載置される際には、プリンター1の自重等としての荷重Jとしてユニットシャーシ111にかかるのであるが、その一方で、そのような載置行為により、圧縮コイルバネ125a,125bの弾性力が印刷ヘッド250のギャップガイド252とプリント紙500との間の接触面における圧接力として作用する。これにより、ギャップガイド252がプリント紙500に倣うことになる。なお、プリント時のヘッドユニット100の移動方向は図46中(B)において図示する矢印K方向とされている。
【0227】
また、上述の実施の形態では、印刷ヘッド3として複数の発熱素子を配列し、その配列した幅をプリント幅長さ或いはそれ以上とされている場合の構成について説明した。参考例ではあるが、例えば、印刷ヘッド3は、プリント幅未満の長さに配列した発熱体とされる印刷素子を配列した構成とすることもできる。
【0228】
そして、このような構成において、印刷ヘッドを上述したようなラインサーマルヘッドで行っていたような方向に移動させるとともに、その垂直方向に移動させることにより、プリント幅長さ或いはそれ以上に印刷素子を配列した印刷ヘッド3と同様に、何ら遜色なく印刷可能領域全域に対して印刷をすることができるようになる。例えば、印刷素子の配列方向については、ヘッドユニット100の進行方向(ヘッドユニットの印刷開始位置と印刷終了位置との間の方向)と、それに垂直な方向、すなわち、この例で実現する印刷ヘッドの移動方向に配列することが考えられる。
【0229】
図47には、そのような印刷ヘッドを備えたヘッドユニットの構成例を示している。この図47に示すように、印刷幅未満の幅となるような複数の印刷素子を有した印刷ヘッド260は、案内軸262によって案内されている。そして、印刷ヘッド260は、一部が取り付けられているタイミングベルト261による回転の同期がとられ、案内軸262に案内されて往復運動をするようになされている。なお、印刷ヘッド260の移動は、パルスモータ等によって実現される。
【0230】
また、上述の実施の形態では、複数の印刷素子を一列に配列した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の印刷素子を、千鳥格子状に配列して印刷ヘッドを構成することもできる。また、上述の実施の形態では、リボンテンション付与機構において、第1及び第2のスプール181,201が引っ張りコイルバネの弾性力によって回動されるように付勢されている。しかし、これに限定されるものではない。例えば、第1のスプール181又は第2のスプール201のみを弾性力により付勢することとしても良い。このような構成を採った場合でも、同様な効果を得ることはできる。
【0231】
【発明の効果】
本発明に係るスタンプ型プリンターは、ヘッド移動用開口部が形成された本体シャーシに、外側面によって下面に開口部が形成された本体カバーが組み付けられてなる本体部と、本体シャーシに組み付けられ、本体部下面の本体シャーシのヘッド移動用開口部より突出する方向に押されており、ヘッド移動用開口部内において記録体に沿って移動自在とされ、記録体に対する画像形成を行うラインサーマルヘッドでなる画像記録ヘッドと、画像記録ヘッドの移動の制御を行う移動手段と、本体部に設けられ、記録体に接触されて画像記録ヘッドの移動方向と略一致する記録領域を外側に引っ張る方向に張力を付与する張力付与手段と、記録ヘッドの移動方向のヘッド移動用開口部に入り込まない両側に回転自在に配置された一対のスプールに巻回され、ヘッド移動用開口部に臨まされ、画像記録ヘッドによって記録体に圧接されるインクリボンと、画像記録ヘッドによる記録体への画像形成の制御を行う制御手段とを備えることにより、記録体における画像記録ヘッドによる記録領域に張力付与手段により張力を付与し、本体部に内蔵され、枠部内において記録体に沿って移動自在とされて、記録体に対する画像形成を行う画像記録ヘッドの移動を移動手段により制御し、画像記録ヘッドによる記録体への画像形成の制御を制御手段により行うことができる。これにより、画像形成装置は、記録領域に張力を付与した下で、画像記録ヘッドによる当該記録領域への印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプリンターを示す外観斜視図である。
【図2】印刷ヘッドが印刷開始位置にあるプリンターの示す図である。
【図3】印刷ヘッドが印刷終了位置にあるプリンターの示す図である。
【図4】一枚のプリント紙に対して印刷を行う際のプリンターの状態を示す斜視図である。
【図5】ノートに対して印刷を行う際のプリンターの状態を示す斜視図である。
【図6】プリンターの回路構成等を示すブロック図である。
【図7】プリント紙との接触面に高摩擦部材を備えるプリンターを示す図である。
【図8】ペーパテンション付与機構を備えるプリンターを示す横断面図である。
【図9】ペーパテンション付与機構の動作の説明のために使用したプリンターを縦断面図である。
【図10】接触状態検出機構を備えるプリンターを示す斜視図である。
【図11】接触状態検出機構を備えるプリンターを示す側面図である。
【図12】印刷画像の方向を表示するインジケータを備えるプリンターを示す斜視図である。
【図13】印刷画像の方向を表示するインジケータ及び接触状態検出機構の接触表示部を共に備えるプリンターを示す斜視図である。
【図14】上述のインジケータの点灯制御のための一連の処理工程を示すフローチャートである。
【図15】プリンターとパーソナルコンピュータとによって構成されるプリンターシステムの構成を示す斜視図である。
【図16】パーソナルコンピュータにおいて画像方向を設定する場合の例の説明に使用したモニター画面を示す図である。
【図17】プリンターが操作されて得た画像方向指示情報に基づいて行う印刷画像のレイアウト処理を示すフローチャートである。
【図18】印刷範囲インジケータを備えるプリンターであって、印刷範囲を確認する際の状態を示す斜視図である。
【図19】印刷範囲インジケータを備えるプリンターであって、印刷の際の状態を確認する際の状態を示す斜視図である。
【図20】プリント紙との接触面に突起部を備えるプリンターを示す図である。
【図21】プリント紙との接触面に磁石を備えるプリンターを示す図である。
【図22】プリント紙との接触面に電磁石を備える場合であって、印刷の開始及び終了に応じてON/OFFするためのプリンターの回路構成等を示すブロック図である。
【図23】プリント紙との接触面に電磁石を備える場合であって、印刷の開始及び終了に応じてON/OFFするための一連の処理を示すフローチャートである。
【図24】他の構成とされたペーパテンション付与機構を備えるプリンターを示す横断面図である。
【図25】上述他の構成とされたペーパテンション付与機構の動作の説明のために使用したプリンターを縦断面図である。
【図26】さらに他の構成とされたペーパテンション付与機構を備えるプリンターを示す横断面図である。
【図27】プリンターにおける機械的構成を示す正面図である。
【図28】プリンターの構成を示す組立斜視図である。
【図29】印刷ヘッドが収納されているヘッドユニットの構成を示す斜視図である。
【図30】上述のヘッドユニットの移動操作部の構成を示す正面図である。
【図31】上述のヘッドユニットの具体的な構成を示す斜視図である。
【図32】ヘッド固定部材の構成を示す斜視図である。
【図33】上述のヘッドユニットに収納されている印刷ヘッドの動作を示す側面図である。
【図34】リボンテンション付与機構を示す斜視図である。
【図35】回転ロック機構のロック部の構成を示す斜視図である。
【図36】プリンターにおける印刷時及び印刷終了時の各機構の状態を説明するために使用した図である。
【図37】プリンターにおけるリボンテンション付与機構等の各機構を動作させるためのスライドカムを示すものであって、印刷開始前或いは印刷終了時のスライドカムの位置を示す図である。
【図38】プリンターにおけるリボンテンション付与機構等の各機構を動作させるためのスライドカムを示すものであって、印刷時のスライドカムの位置を示す図である。
【図39】プリンターにおける印刷時の一連の処理を示すフローチャートである。
【図40】印刷ヘッドの位置決めの説明のために使用した図である。
【図41】印刷ヘッドの位置決め調整の説明のために使用した一方の図である。
【図42】印刷ヘッドの位置決め調整の説明のために使用した他方の図である。
【図43】プリント紙との接触が良好とされた状態においてユニットガイド軸に案内されて移動される印刷ヘッドの説明に使用した図である。
【図44】裏側に弾性体が配置されるプリント紙上に載置されているプリンターを示す斜視図である。
【図45】プリント紙の裏側に弾性体が配置されることによる印刷ヘッドの接触状態を示す図である。
【図46】インクジェットヘッドとして構成されている印刷ヘッドを示す側面図である。
【図47】シリアルヘッドとして構成されているヘッドユニットの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プリンター、2 本体カバー、3 印刷ヘッド、13 CPU、15 DCモータ、16 パルスモータ、30 テンション付与部、100 ヘッドユニット、161a,161b ユニットガイド軸、171 タイミングベルト
Claims (5)
- ヘッド移動用開口部が形成された本体シャーシに、外側面によって下面に開口部が形成された本体カバーが組み付けられてなる本体部と、
上記本体シャーシに組み付けられ、上記本体部下面の該本体シャーシのヘッド移動用開口部より突出する方向に押されており、該ヘッド移動用開口部内において記録体に沿って移動自在とされ、該記録体に対する画像形成を行うラインサーマルヘッドでなる画像記録ヘッドと、
上記画像記録ヘッドの移動の制御を行う移動手段と、
上記本体部に設けられ、上記記録体に接触されて上記画像記録ヘッドの移動方向と一致する方向又は上記画像記録ヘッドの移動方向に対して斜めの方向に上記記録領域を外側に引っ張る張力を付与する張力付与手段と、
上記本体部内において、上記記録ヘッドの移動方向の上記ヘッド移動用開口部に入り込まない両側に回転自在に配置された一対のスプールに巻回され、上記ヘッド移動用開口部に臨まされ、上記画像記録ヘッドによって上記記録体に圧接されるインクリボンと、
上記画像記録ヘッドによる上記記録体への画像形成の制御を行う制御手段と
を備えるスタンプ型プリンター。 - 上記張力付与手段は、上記記録体に接触され、上記記録領域を外側に引っ張る方向に回動する回動部材を備え、
上記回動部材は、一端が上記記録体に接触される接触部とされ、他端が引っ張りコイルバネが係止される係止部とされ、中間部分が支軸部とされ、上記接触部が上記支軸部より外側に位置され、上記接触部が上記引っ張りコイルバネによって上記記録体に接触する方向に回動付勢され、
上記本体部下面より突出した接触部は、上記記録体に載置され押されたとき、上記支軸部を中心に回動することで、上記記録領域を外側に引っ張り、上記記録体に対して張力を付与する請求項1記載のスタンプ型プリンター。 - 上記張力付与手段は、上記記録体に接触され、上記記録領域を引っ張る方向に回転機構によって回転されるローラを備え、
上記ローラは、上記本体部に上下方向に移動可能なローラホルダに取り付けられ、上記本体部下面より突出する方向に付勢されており、
上記回転機構は、上記ローラに一体のギアと、上記ローラを保持するローラホルダに取り付けられ上記ギアに歯合するピニオンギアと、上記本体カバーに設けられ上記ピニオンギアと歯合するラックとを有し、
上記本体部下面より突出したローラは、上記記録体に載置され上記ローラが押されると、上記ギア及びピニオンギアが連動して回転し、該ピニオンギアがラックを移動することで、上記ローラが上記記録領域を引っ張る方向に回転し、上記記録体に対して張力を付与する請求項1記載のスタンプ型プリンター。 - 上記本体カバーの下端面には、上記本体部が上記記録体上に載置された状態において、上記記録体に接触されて、当該記録体との相対的な移動をなくす固定手段を備えている請求項1−3のうち何れか1項記載のスタンプ型プリンター。
- 上記本体部には、上記画像記録ヘッドの移動方向の一方に、上記張力付与手段が設けられ、他方に固定手段が設けられている請求項4記載のスタンプ型プリンター。
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JPH0526404U (ja) * | 1991-09-04 | 1993-04-06 | ブラザー工業株式会社 | 走査装置 |
JP2794712B2 (ja) * | 1988-06-17 | 1998-09-10 | 富士ゼロックス株式会社 | 手駆動型転写装置 |
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