JP4626057B2 - ポンプジャックのポンプオフ制御方法及び装置 - Google Patents

ポンプジャックのポンプオフ制御方法及び装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ポンプジャック(Pump Jack)で駆動されるビームポンプの(Beam pump)のポンプオフコントロール(Pump−off control)に関する。
背景技術
ビームポンプ油井(Beam pumped wells)における、ポンプオフコントロールのセンサとしては、流体レベルや圧力検出器(Downhole fluid level or pre−ssure indicators)、流量センサ(Flow and no−flow sensors)、振動センサ(Vibration sensors)更には、モータ電流センサ(Motor current sensors)から、最近のロッド負荷の解析や記録が出来る近代的なダイナグラフカード方式(Dynagraph card methods)へと展開して来た。
しかしながら、これ等の従来方式のセンサを応用する方法では、精度面に問題があって殆ど実用されていない。
また、近代的なダイナグラフカード方式はたとえ精度面は満足されても、サッカロッド荷重を検出するセンサやその検出信号処理装置等が必要になり、結果として複雑・高価になる欠点があった。
また、駆動電動機が速度調整出来ない誘導電動機駆動であったために、ポンプオフ検出後の制御として、電動機を停止する制御を採用せざるを得なかったので油井の浮遊ガス等による一時的なポンプオフ要因によって、ポンプを停止してしまう恐れがあり、油井の生産量を低下させる結果となった。
これを避けるために、ポンプオフが連続して3〜5回以上検出された時、ポンプモータを停止し、一定時間経過後、ポンプを再起動するといったいわゆるON−OFF運転制御が採用されて来た。
しかしながら、この方式では、ON−OFF運転によるポンプユニットやモータに過大な機械的・電気的ストレスを与えることになり、設備の損耗を早め、保守費用の増加をもたらす欠点があった。
発明の開示
本発明は、以上のような問題点を解決する手段を提供するもので、本発明の第1実施例に係るポンプオフ制御方法は、請求の範囲第1項〜第4項に記載したとおりのものである。
このポンプオフ制御方法によれば、ロッド荷重センサとマイクロコンピュータから構成される従来の高価なダイナグラフカードシステムを使用することなく、ポンプジャックの速度制御のために使用するインバータのなかにポンプオフ制御のソフトウェアを組み込むことで、安価になるのみならず、正確なポンプオフの検出が可能になる。
加えて、ポンプジャックの速度を制御するようにしているので、ポンプオフの検出によって、ポンプジャックの速度をポンプオフがない状態まで低下させることができる。これにより、ダウンホールポンプやサッカロッド系に無理を与えることなく、油井の継続的な生産を行なうことができる。すなわち、一定速度駆動の従来のポンプジャックを適用した油井に比べ、油井の生産性を高めかつ設備の安全性を向上できる効果を奏でる。
また、浮遊ガスの増加、あるいは油井レベルの低下等の比較的長い時間の経過に伴う油井の状況の変化に対応して、事前にダウンホールポンプの最大速度を設定することができるので、ポンプオフになる可能性を低下せしめることが可能となり、それだけ、油井の安定な可動に寄与できる。
また、本発明の第2実施例に係るポンプオフ制御方法は、請求の範囲第5項〜第8項に記載したとおりのものである。
すなわち、ポンプジャックを駆動する誘導電動機を可変電圧可変周波数電源のインバータで速度制御出来るように構成すると共に、電動機の速度と二次電流の瞬時値を検出する手段、その二次電流瞬時値が最大値になる基準点からの経過時間(以下、本発明では、二次電流最大値時間と呼ぶ)、ポンプジャックの毎回のダウンストローク時間を検出する手段、毎回の二次電流最大値時間を検出、記憶する手段、これ等の検出、記憶値と比較するために基準点からの二次電流瞬時値が最大値になる経過時間の基準(以下、本発明では、これをを設定基準時間と呼ぶ)を設定する手段を置き、二次電流最大値時間が、設定基準時間より長くなる時、これをポンプオフ条件の発生として検出すると共に、ポンプオフが発生した場合、電動機速度を順次降下させ、また、逆に、二次電流最大値時間が、設定基準時間より短いか、等しい時には、ポンプオフが解除されたとして検出し、降下せしめられた速度を順次回復する如く電動機の速度を制御することにより、ダウンホールポンプのオーバプレッシャリングを防止すると共に、油井の状況に対応し、原油の高生産を可能とするものである。
本発明によれば、ロッド荷重センサとマイクロコンピュータから構成される高価なダイナグラフカードシステムを使用しないで、ポンプジャックの速度制御のために使用するベクトル制御インバータのなかに、ポンプオフコントロールのソフトウエアを内蔵しているために安価になるのみならず、後述の理由により、正確なポンプオフの検出が可能である。加えて、ポンプジャックの速度を制御出来るように構成しているので、このポンプオフの検出によって、ポンプジャックの速度をポンプオフがない状態まで低下させることが出来るために、ダウンホールポンプやサッカロッド系に無理を与えることなく、油井の継続的な生産を行なうことが出来る特長がある。
すなわち、一定速度駆動の従来のポンプジャックを適用した油井に比べ、油井の生産性を高め、かつ、設備の安全性を向上出来る効果がある。また、浮遊ガスの増加や、あるいは、油井レベルの低下等の比較的長い時間の経過に伴う油井の状況の変化に対応して、事前にダウンホールポンプの最大速度を設定することが出来るため、ポンプオフになる可能性を低下せしめることが可能となり、それだけ、油井の安定な稼動に寄与することが出来る。
また、前述した第1実施例のダウンストローク中のモータの二次電流瞬時値の実効値、または、平均値を演算し基準値と比較して、ポンプオフを検出する方式に比べ、後述のように、ポンプジャック速度の変更によって設定基準値を変更する必要がない特長がある。
また、二次電流最大値時間と設定基準時間の差を検出することを原理にした方式であるので、二次電流の大きさには関係しないので、原油の水分や不純物の含有率の変化等に起因するダウンホールポンプ負荷の変動に影響され難い優れた特長があり、それだけ、正確なポンプオフの検出が可能となる。
加えて、第1実施例の方法に比べ、演算処理が簡単となるために、制御装置を簡単に構成出来長所がある。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の第1実施例を第1図〜第9図を参照して説明する。
また、第2実施例を第1図、第10図〜第16図を参照して説明する。
第1図は、二次電流の瞬時値の取り出しが容易なベクトル制御インバータを適用した本発明によるポンプオフ制御方法の実施の形態を示す図であり、第2図はポンプオフ制御装置の構成を示すブロック図である。
第1図において、1はポンプジャック駆動用の誘導電動機、2は誘導電動機1に直結され、誘導電動機1の速度を検出する速度検出器、3は公知の電流マイナーループを有するベクトル制御インバータ、4はポンプオフ制御装置である。
ベクトル制御インバータ3は、直線指令器31、速度調整器32、電流調整器33、PWM制御器34、変流器35及びベクトル演算器36を備えている。直線指令器31は、ポンプオフ制御装置4の出力である速度基準Npを、内部に設定された加速レートに制限し、誘導電動機1の速度基準Nsに変換する働きをする。速度基準Nsは速度検出器2で検出された実際の速度Niと比較され、その偏差が速度調整器32によって増幅されて二次電流指令I2gが出力される。
電動機電流は変流器35で検出され、ベクトル演算器36によってその二次電流成分のみがIとして検出され、二次電流指令I2gと比較される。そして、その偏差が電流調整器33によって増幅され、PWM制御器34によって電圧のパルス幅が調節されて負荷を駆動するのに必要な二次電流が誘導電動機1に供給される。このようにベクトル制御インバータ3は、実際の速度Niが速度基準Npにほぼ等しくなるように電動機速度を自動調整する。なお、本図では、ベクトル制御に必要な誘導電動機1の磁束成分電流の制御回路は公知であり、本発明のポンプオフ制御とは直接関係ないことから簡単化のために省略している。
ポンプオフ制御装置4は、第2図に示すように、演算器41、二次電流基準発生器42、比較器43、出力リレー44、シーケンサ45、速度指令関数発生器46、ポンプジャックの主速度設定器47、速度指令切替器48及び速度指令器49を備えている。演算器41はポンプジャックの毎回のダウンストローク時間に対する二次電流の瞬時値の実効値及び平均値を演算及び記憶する機能を有し、後述の方法によって誘導電動機1の実際の速度Niに対応してI2RMS、I2AVを検出する。二次電流基準発生器42は、ポンプオフが無い時、つまり正常運転中における二次電流の平均値基準I2AV 又は実効値基準I2RMS を設定し、ポンプジャックの実際の速度Niに対応してその設定値を調整する。
実際に検出された二次電流の瞬時値の平均値I2AV又は実効値I2RMSは、それぞれの設定値I2AV 又はI2RMS と比較器43で比較される。
もし、I2AV>I2AV 又はI2RMS>I2RMS ならば、出力リレー44がDN側に切替わる。
逆にI2AV≦I2AV 又はI2RMS≦I2RMS ならば、出力リレー44がUP側に切替わる。
ここで、I2AV>I2AV 又はI2RMS>I2RMS は、後述のようにポンプオフ発生の検出であり、
2AV≦I2AV 又はI2RMS≦I2RMS はその解除の検出を行うものである。
シーケンサ45は、ポンプオフシーケンスを統括制御する機能とポンプオフの発生と解除に対応してポンプジャックの速度を降速・昇速するための速度指令を発する機能を有する。すなわち、出力リレー44のDN又はUPの信号を計数し、例えばDN信号を2回以上連続して検出すると、ポンプオフシーケンスプログラムを起動する。
シーケンサ45は、ポンプオフシーケンスプログラムが起動すると、運転中のポンプジャック速度のノッチを自動的に判断し、それより1ノッチ低い速度になるように速度指令関数発生器46を制御する。逆に、もしUP信号を連続して2回計数すると、ポンプオフリセット(ポンプオフ解除)シーケンスプログラムを起動し、上記のポンプオフ発生の場合とは逆にポンプジャック速度が運転中の速度より1ノッチだけ高い速度になるように速度指令関数発生器46を制御する。
主速度設定器47は、例えばNps=100%速度、Nps=80%速度のように、その時の油井の状況に対応した最高速度を設定するものである。
したがって、この設定された速度で運転中にポンプオフが検出されると1ノッチ分の速度だけ強制的に速度指令関数発生器46で降速せしめられる。つまり、ポンプジャック速度は、△Npn→△Npにより、Nps−△Np=Npとなり、ポンプオフ条件の消滅を待つ。引き読きポンプオフが検出されると、更にもう1ノッチ分だけ、例えば△Np=2×△NPだけ降速せしめられる。
ただし、Nps−Npn≦0の場合はポンプジャックは停止する。この場合には、シーケンサ45の中のポンプ停止・制御切替えシーケンスプログラムが起動する。このポンプ停止・制御切替えシーケンスプログラムではポンプオフプログラムを停止すると共に速度指令切替器48を速度指令器49側に切り替える。
速度指令器49はポンプオフ条件の有り無しを探索するための微速指令を発生するものである。この切り替えが完了すると、シーケンサ45の中のノーポンプオフサーチングプログラムが起動する。これはポンプオフで停止中のポンプジャックを一定時間後に再び強制的に再起動し、微速運転せしめ、微速運転中にポンプオフ条件の有無しをチェックするための制御プログラムで、ポンプジャックの微速運転、停止のシーケンスと速度指令器49の微速指令のオン/オフ並びに微速運転中のポンプオフの有り無しのチェックを行なう。
この微速運転中にポンプオフ解除を2回以上連続して検出した場合、ノーポンプオフサーチングプログラムは、速度指令切替器48を主速度設定Nps側に切り替えると共にポンプオフ制御シーケンスプログラムを再起動する。このようにして、ポンプジャックはNps−△Npn=Npの速度で、再び制御されるようになり、順次ポンプオフ条件の解除を確認しつつ、自動的に昇速させられ、設定された当初の速度Npsに復元する。以上述べたようにポンプオフ制御装置4は、誘導電動機1の二次電流の瞬時値の平均値又は実効値を演算及び記憶し、それぞれを、それぞれの基準値と比較することにより、ポンプオフ又はポンプオフ解除を検出するものである。
以下、誘導電動機1の二次電流の瞬時値の平均値又は実効値を検出することによりポンプオフの検出ができる理由について説明する。
第3図は、ポンプジャックの定格ストローク速度が11.3ストローク/分で、使用するポンプユニットがAPIC114−143−64のポンプユニットにおいて、その速度を定格の50%にて運転した場合のサッカロッドトルク、正味の減速機軸トルク、誘導電動機1の二次電流をコンピュータシミュレーションによって求めたものである。図中にポンプジャックストローク位置も示している。
第3図(a)はポンプオフが生じていない場合、つまり正常な運転の場合の特性であり、第3図(b)はポンプオフが生じて容積効率が64%に低下した場合の特性である。これらの(a)と(b)とを比較することにより、ダウンストローク時のサッカロッドトルク又は正味の減速機軸トルク、あるいは誘導電動機1の二次電流の減少する時点が、ポンプオフが発生している時の方が遅れていることが分かる。
したがって、もし、特定のストローク位置に対応して、これ等の瞬時値を検出し、ポンプオフが無い正常運転の場合の基準値と比較するようにすれば、ポンプオフの検出が可能になる。例えば、本実施の形態では、クランク角度66deg(ポンプジャックの先端位置が最高位置にある時のポンプジャックのクランク角度を0degとして測ったクランク角度(以下、この角度をθ’ベースの角度と呼称する)付近の毎回のポジションを検出して、その時の誘導電動機1の二次電流の値と、正常運転の場合の二次電流の値とを比較することにより、ポンプオフの検出ができる。
第4図は、ポンプジャックのストローク速度を25%にして、ポンプの容積効率ηvが40%の場合と容積効率ηvが63.7%の場合について、上記と同一のポンプジャックにコンピュータシミュレーション解析を行い、得られた誘導電動機1の二次電流をクランク角度(θ’ベース)に対してプロットしたものである。図示のように容積効率が低下しても、以上に述べた方法にてポンプオフの発生の検出が可能である。
しかしながら、本実施の形態では、ポンプジャックの速度が上昇するにつれて、誘導電動機1の二次電流がサッカロッド系の振動特性によって振動応答をするようになり、以上のような特定クランク角度に対する二次電流の瞬時値を基準値と比較する方法では、確実なポンプオフの検出が困難である。
第5図は、それを示したものである。この図は100%ストローク速度におけるポンプオフが生じた場合と正常運転の場合の誘導電動機1の二次電流をクランク角度に対して同様にコンピュータシミュレーション解析の結果をプロットしたものである。図示のようにクランク角度66deg付近の二次電流の瞬時値と、基準値との比較では正確なポンプオフの検出が困難になることが分かる。
本発明では、この問題を前述のようにダウンストローク時間(後述のように、厳密には基準ダウンストローク時間)に対する誘導電動機1の二次電流の平均値、あるいは実効値の演算検出による方法で解決した。
以下、各ダウンサイクル毎の誘導電動機1の二次電流の瞬時値の平均値又は実効値によりポンプオフの検出が可能であることを説明する。
第6図はダウンストローク時の誘導電動機1の二次電流の平均値、実効値をコンピュータ解析によって求めたもので、X軸に容積効率、Y軸に誘導電動機1の二次電流I2RMS、I2AVをとり、ポンプジャックのストローク速度、1.00p.u.(100%速度)、0.5p.u.(50%速度)、0.25p.u.(25%速度)の場合について解析した結果をプロットしたものである。
ポンプオフがない正常運転の時には、容積効率は、ほぼ100%であり、ポンプオフが激しくなるつれて容積効率は段々と低下する。
今、油井の状態変化を考慮して容積効率が63.7%(0・637p.u.)以下に低下した場合をポンプオフの発生として検出することにすると、ポンプオフがない正常運転における二次電流値とポンプオフが発生した場合の二次電流値は第7図に示すように大きく異なった値となる。
(注1)I2RMS:ダウンストローク時の
瞬時二次電流から計算した実効値(A)
2AV :ダウンストローク時の
瞬時二次電流から計算した平均値(A)
(注2)電動機の定格二次電流:36.9(A)
すなわち、この電流差を利用すれば、例えばディジタル的電流差演算によって、ポンプオフの正確な検出が可能になることは明らかである。
次に、毎回のダウンストローク時の二次電流の瞬時値の実効値又は平均値の演算を行なう方法について説明する。
この演算には、誘導電動機1の二次電流の瞬時値、その時の速度、測定開始、終了の時間信号が必要になる。特に測定開始のダウンストロークスタートの信号を如何にして検出するかが問題になる。勿論、各回転毎のクランク角ゼロ位置を検出する機械的又は磁気的センサをポンプジャックに設ければ、この問題は比較的に容易に解決できる。しかしながら、本発明では、システム構成を簡単にするためにこのような機械的、磁気的センサを使用しないで、減速機軸正味トルクのゼロ点がポンプジャックの機械定数によって決定される特別なクランク角度に固定されるために、誘導電動機1の二次電流のゼロクロス点もまたクランク角度に対して固定される点に着目し、この性質を応用することで解決している。
第8図はポンプジャックが100%速度で正常運転をしている時の誘導電動機1の二次電流とロッド位置をクランク角度(θ’ベース)に対してプロットした例である。この図において、本発明にては、A点(0deg)からB点(180deg)迄の実際のダウンストロークに対して、A’点(二次電流ゼロクロス点)からB点迄を基準サイクル時間とし次式にて求めている。
=(T/2)+(△θ/Vo)=(1/S){30+(△θ/6.0)}(sec)・・・(1)
ただし、
:二次電流の平均値又は実効値を演算するための基準ダウンストローク時間 (sec)
:ポンプジャックストローク時間=60/S(sec)
S :ポンプジャックストローク速度(spm)
Vo:平均クランク回転速度=360/T=6.0×S(deg/sec)
△θ:二次電流のゼロクロス点に一致するクランク角度とアップストロークエンドのクランク角度間の相差角(deg):(ポンプジャックの機械設計諸元によって既知)
したがって、ポンプジャックが運転中に、各ストロークサイクル毎にA’点を検出できれば、その時点から、T秒間、二次電流の微小時間△t(sec)毎の二次電流瞬時値又は二次電流瞬時の2乗値を積算することによって、それぞれ、実効値又は平均値を次式で求めることが可能である。
2RMS={Σ(I2t ×△t)/T1/2 (A)・・・(2)
2AV=Σ(I2t×△t)/T (A)・・・(3)
ただし、
2t:時刻tにおける二次電流の瞬時値(A)
△t :積分演算のための微小時間(sec)
次に、A’点の検出方法について述べる。
A’点は、アップストローク終了前のロッドトルクゼロの点であり、ダウンストローク終了付近のロッドトルクゼロ点と区別しなければならない。このため本発明では二次電流の方向と大きさ並びにそれら信号の論理操作を応用する。今、誘導電動機1が電動側トルクを発生している場合を二次電流のプラスとして設計した場合の例で説明する。
ポンプジャックのダウンストローク側の運転によって、誘導電動機1は制動トルクを発生し、二次電流はマイナスになるためこれを記憶する。次にポンプジャックがアップストローク側に移行したことを検出するために、実際の二次電流が50%以上となったことを検出する手段を設ける。二次電流のマイナスの記憶と、この二次電流が50%以上のAND論理により、ポンプジャックが確かにダウンストロークからアップストロークに移ったことを検出記憶する。したがって、この時点から後に二次電流がプラスからゼロ、マイナスに移る時のゼロ点は上記のA’点であり、公知の論理操作によって容易に検出可能である。
なお、参考として第9図に、以上に述べた二次電流の瞬時値の平均値、実効値の計算フローを示している。第2図の演算器41は、以上に述べた演算、記憶、論理制御の機能を持った演算器である。
次に、二次電流のゼロクロス点がポンプジャックの機械的定数によって決定されることを説明する。
二次電流の瞬時値は正味減速機軸トルクに正比例した値であり、そのゼロクロス点は次の正味減速機軸トルクの式のゼロを与える点である。
=WPR・TF+L・WCB・cos(d−θ)=WPR・TF+TCB(kg−m) ・・・(4)
ただし、
:正味減速機軸トルク(kg−m)
PR:ポリッシド荷重(kg)
TF :ポンプジャックのトルクファクタ(m)
:カウンタバランスの回転半径(m)
CB:カウンタバランスの重量(kg)
d :カウンタバランス効果が最大になる角度に一致する必要な位相角(deg)
CB:カウンタバランストルク(kg−m)
(4)式のTFは、ポンプジャックのリンク機構による機械定数と、クランク回転角によって決定される。例えば、ポンプユニットAPIC456−304−120では、182.1degと、366.0degにてTFはゼロになっている。また、他の例で、APIC114−143−64では、184.9degと、358.1degにてTFはゼロになっている。
ただし、このTFを与える角度は、θ’ベースで表されている。したがって、もし、クランク角度もθに変えてθ’で表すならば、(4)式の第2項TCBは、180degと360degでゼロになる。つまり、TFのゼロ点とTCBのゼロ点は非常に近くなる。したがって、Tゼロの点、つまり、二次電流のゼロ点はポンプジャックの機械的定数によって決定される特定の値に固定されることになる。すなわち、前述の方法でA’点を検出すれば、クランク角度を検出するための機械的又は磁気的センサは必要でなくなる。
ポンプジャックの各サイクル毎の誘導電動機1の二次電流の平均値、実効値によって、ポンプオフ又はノーポンプオフを検出するための基準値は既に述べたように、例えば第6図の容積効率63.7%の各速度に対応した電流値を設定することで可能である。第2図の二次電流基準発生器42の内部には第6図のようなデータが記憶されており、図示のように速度の信号によって選択されるようになっている。
以上説明したように、本発明の第1実施例によれば、ロッド荷重センサとマイクロコンピュータから構成される従来の高価なダイナグラフカードシステムを使用することなく、ポンプジャックの速度制御のために使用するインバータのなかにポンプオフ制御のソフトウェアを組み込むことで、安価になるのみならず、正確なポンプオフの検出ができる。
また、ポンプジャックの速度を制御するようにしているので、ポンプオフの検出によって、ポンプジャックの速度をポンプオフがない状態まで低下させることができる。これにより、ダウンホールポンプやサッカロッド系に無理を与えることなく、油井の継続的な生産を行なうことができる。すなわち、一定速度駆動の従来のポンプジャックを適用した油井に比べ、油井の生産性を高めかつ設備の安全性を向上できる効果をが得られる。
また、浮遊ガスの増加、あるいは油井レベルの低下等の比較的長い時間の経過に伴う油井の状況の変化に対応して、事前にダウンホールポンプの最大速度を設定することができるので、ポンプオフになる可能性を低下せしめることが可能となり、それだけ油井の安定な可動に寄与できる。
次に、本発明の第2実施例を第1図、および第10図〜第16図を参照して説明する。
本発明の第2実施例によれば、前記第1実施例のダウンストローク中のモータの二次電流瞬時値の実効値、または、平均値を演算し基準値と比較して、ポンプオフを検出する方法に比べ、ポンプジャック速度の変更によって設定基準値を変更する必要がない。
また、二次電流最大値時間と設定基準時間の差を検出することを原理にした方法であるので、二次電流の大きさには関係しないので、原油の水分や不純物の含有率の変化等に起因するダウンホールポンプ負荷の変動に影響されにくくなり、それだけ正確なポンプオフの検出が可能となる。
さらに、第1実施例の方法に比べて演算処理が簡単となるために、制御装置を簡単に構成できる長所がある。
第1図において、1はポンプジャック駆動用電動機、2はその電動機に直結された速度検出器、3はベクトル制御インバータの制御のブロック線図、4は第10図に示す本発明の第2実施例であるポンプオフコントロールのブロック図を示している。31はインバータの直線指令器で、ポンプオフコントロール制御4の出力である速度基準Nをインバータの直線指令器31の内部に設定された加速レートに制限し、電動機の速度基準Nsに変換する働きをする。
この速度基準Nsは実際の速度を速度検出器2で検出し、その出力Niと比較され、その偏差は速度調整器32によって増幅され、出力側に二次電流指令I2Sを出力する。
電動機電流は変流器35で検出され、ベクトル演算器36によってその二次電流成分のみがIとして検出され、I2Sと比較される。その偏差は電流調整器によって増幅され、PWM制御器34によって、電動機に与える電圧のパルス巾を調節して、負荷を駆動するのに必要な二次電流を供給するように働く。
このようにして、実際速度を速度基準にほぼ等しくなるように、電動機速度を自動調整する。つまり、本図のベクトル制御インバータ3は、公知の電流マイナーループを有するものである。電動機の磁束成分電流の制御回路はベクトル制御に必要ではあるが、これ自体公知であり、また本発明のポンプオフコントロールとは直接関係ないので、簡単化のために本図では省略されている。
次に、本発明のポンプオフ制御方法を第10図にて説明する。
第10図において、IPCALブロック41は、ポンプジャックの毎回のダウンストローク時間に対する二次電流瞬時値の最大値を演算、検出するもので、ダウンストローク中のI2Pを検出し、二次電流がI2Pに到達した時点に、AND論理素子52に、論理信号”1”を与える。
SIGMAブロック51は、ポンプオフ検出リレーDET61がONの間、一定タイミングパルス発生器50が発生する時間パルスΔtを積算する。そしてAND論理素子52が”1”の間、二次電流サンプリング時間毎に記憶素子54にSIGMAブロック51の積算結果を書き込む。つまり、IPCALブロック41が検出したI2PによってAND論理素子52に論理信号”1”が与えられると、その時点迄に積算されたΔt時間、つまりΣΔtの値が記憶素子54に記憶されることになる。
このようにして検出されたダウンストロークの時のΣΔtをTP1(sec)とすれば、この値は、基準サイクルタイム演算器56の出力TCTR(sec)で割算され、tP1(p.u.)となる。
記憶素子42は、このTP1と比較するための設定基準時間tPR(p.u.)を記憶するものである。この場合、tPRは、AND論理素子59を通して設定する手動設定による場合と、AND論理素子53を通して、記憶素子55に与えられた値を、TCTRで割算した値tPRを設定する自動設定による場合の二つがある。すなわち、実際の二次電流最大値時間、tP1(p.u.)は、上記何れかの方法にて設定された設定基準時間tPR(p.u.)と比較され、その差は、コンパレータ43の入力となる。
ここで、比較器43は出力リレー44を次のように切り替える働きをする。
▲1▼ tP1>tPRの場合、出力リレー44を”DN”側に切り替える。
▲2▼ 逆に、tP1≦tPRならば、出力リレー44を”UP”側に切り替える。
なお、tP1>tPRの場合とは、後述のようにポンプオフ発生の検出であり、
P1≦tPRの場合とは、その解除の検出を行なうものである。
ICALブロック45は、ポンプオフシーケンスを統括制御する機能とポンプオフの発生と解除に対応して、ポンプジャックの速度を降速(DN)・昇速(UP)するための速度指令を発する機能を有する。すなわち、44のDNまたはUPの信号を計数し、例えば、DN信号が2回以上連続して検出されると、ICALブロック45の中のポンプオフシーケンスプログラムを起動する。
ポンプオフシーケンスプログラムが起動すると、運転中のポンプジャック速度のノッチを自動的に判断し、それより、1ノッチ低い速度になるように、速度指令関数発生器46を制御する。
逆に、もし、UP信号を連続して2回計数すると、ICALブロック45の中のポンプオフリセット(ポンプオフ解除)シーケンスプログラムを起動し、上記のポンプオフ発生の場合とは逆に、ポンプジャック速度が、運転中の速度より、1ノッチだけ高い速度になるように、速度指令関数発生器46を制御する。
47はポンプジャックの主速度設定器で、油井状況に対応して、例えば、NPS=100%速度、NPS=80%速度のようにその時の油井の状況に対応した最高速度を設定するものである。
したがって、この設定された速度で運転中に、ポンプオフが検出されると1ノッチ分の速度だけ、強制的に速度指令関数発生器46で降速させる。つまり、
ポンプジャック速度は、ΔNPn⇒ΔNP1により、NPS−ΔNP1=Nとなりポンプオフ条件の消滅を待つ。
引き続きポンプオフが検出されると、更に、もう1ノッチ分だけ、
例えば、ΔNP2=2×ΔNP1だけ降速せしめられる。
ただし、NPS−ΔNPn≦0の場合は、ポンプジャックは停止する。
この場合には、ICALブロック45の中のポンプ停止・制御切替えシーケンスプログラムが起動する。
49はポンプオフ条件の有り無しを探索するための微速指令を発生する速度指令器である。このプログラムは、ポンプオフプログラムを停止すると共に、速度指令切替器48を速度指令器49側に切り替える。
この切替えが完了すると、ICALブロック45の中のノーポンプオフサーチングプログラムが起動する。これは、ポンプオフで停止中のポンプジャックを、一定時間後に再び強制的に再起動し、微速運転せしめ、微速運転中にポンプオフ条件の有無しをチェックするための制御プログラムで、ポンプジャックの微速運転、停止のシーケンスと速度指令器49の微速指令のON、OFF並びに微速運転中のポンプオフの有り無しのチェックを行なう。この微速運転中に、ポンプオフ解除を2回以上連続して検出した場合、ノーポンプオフサーチングプログラムは、速度指令切替器48を、主速度設定NPS側に切り替えると共に、ポンプオフ制御シーケンスプログラムを再起動する。
このようにして、ポンプジャックは、NPS−ΔNPn=Nの速度で、再び制御されるようになり、順次、ポンプオフ条件の解除を確認しつつ、自動的に、昇速させられ、設定された当初の速度NPSに復元する。
基準サイクルタイム演算器56は、ポンプジャック速度をNiで取り込みと機械定数として設定されている減速比から、1/2ストローク時間(=T/2)を演算する。この演算値を基準サイクルタイムTCTRとして出力する。
本発明では、ポンプオフを検出するために、ポンプジャックが正常運転している場合、(ノーポンプオフの場合)の基準の二次電流最大値時間を設定基準時間として、記憶素子MEMO3ブロック42に記憶せしめる必要がある。このため、前述のように手動設定モードと自動設定モードが準備されている。
自動設定を選択した場合について述べれば、次のようになる。
自動設定を選択することにより、AND論理素子53が”1”になり、AND論理素子52が”1”の間、SIGMAブロック51のΣΔtを二次電流スキャン毎に記憶素子MEMO2ブロック55に書き込む。したがって、前述の方法において、AND論理素子52が”0”になった瞬間に、基準点からの二次電流瞬時値が最大になる経過時間ΣΔtが記憶素子MEMO2ブロック55に記憶されることになる。
つまり、運転者が、ポンプジャックがノーポンプオフの状態で運転していることを確認して、このモードのプログラムを起動して、ポンプジャックを1サイクル運転すれば、記憶素子MEMO2ブロック55の出力として、ダウンサイクル時間中の基準点からの二次電流瞬時値が最大になる時間、つまり、設定基準時間TPR(sec)を得ることが出来る。
このTPRはTCTRで割算され、OR論理素子58を通して、記憶素子MEMO3ブロック42に設定される。この値に後述のように若干の裕度を考慮して、ポンプオフ検出の設定基準時間tPR(p.u.)となる。手動モードにて設定する場合には、予め記憶素子60に設定された基準時間tPRM(p.u.)が、AND論理素子59、OR論理素子58を通して、記憶素子MEMO3ブロック42に設定される。
二次電流瞬時値の最大値と基準点から時間を検出するために、その検出開始時点、終了時点を制御しなければならない。本発明では、論理記憶素子62の出力によってON−OFFするポンプオフ検出リレー61の接点DET/C1、DET/C2によって制御するように構成している。この論理記憶素子62は、その入力側に置かれた切り替えスイッチ63によって、ソフトウエア処理の基準点信号発生器64か、または、ポンプジャックのストローク位置を検出するストローク位置センサ20の内の何れかの信号によって動作せしめられる。ストローク位置センサ20は、例えば、ポンプジャックのクランク角度を検出する機械的・磁気的・あるいは光学的センサで、この信号はポンプジャックのストローク位置がアップエンドに来た時論理記憶素子62をONし記憶すると共に、ポンプオフ検出リレー61をONする。ポンプオフ検出リレー61がONし、ポンプオフの検出が開始される。
この論理記憶素子62に記憶された位置の記憶信号は、コンパレータ57がRSETのパルス信号を発する時に解除される。コンパレータ57は、基準サイクルタイム演算器56に記憶されているTCTR(sec)とSIGMAブロック51の出力ΣΔtと比較し、ΣΔtがTCTRに等しくなった時点に、RSETのパルス信号を発するように構成されている。また、このRSETの信号によって、記憶素子54の内容がリセットされ、次のダウンサイクルの二次電流最大値時間の検出に備える。
つまり、このような構成と制御により、ポンプオフ検出リレー61によって、基準点からのダウンストローク運転中のモータの二次電流最大値時間が、ダウンサイクル毎に検出できることになる。
64は、機械構造上の制約等でストローク位置センサ20の設置が難しい時のために準備したソフトウエアによる基準点信号発生器であり、その動作は後述する。
以上に述べたように、本発明は、基準点からのダウンストローク中の電動機の二次電流最大値時間を検出し、その値をポンプオフが生じていない場合の設定基準時間と比較することにより、ポンプオフまたはポンプオフ解除を検出することを原理としたポンプオフ制御方法となっている。
したがって、本発明では、電動機の二次電流瞬時値が最大値となる時間がポンプオフ条件の発生によって、ポンプオフ条件がない場合より長くなることを明らかにしなければならない。以下、これを説明する。
第11図は、ポンプジャックの定格ストローク速度が11.3ストローク/分で、使用するポンプユニットがAPI C114−143−64のポンプユニットにおいて、定格速度にて運転した場合のサッカロッドトルク(Rod torque)、モータ二次電流(Motor current)をコンピュータシミュレーションによって求めたものである。
図中に、ポンプジャックストローク位置(Stroke position)も示している。
第11図(a)がポンプオフが発生した時の特性であり、第11図(b)が、ポンプオフでない時の特性である。
第11図(a)と第11図(b)を比較することにより、ストローク位置がアップストロークエンドにある時点から、モータの二次電流瞬時値が最大になる点迄の時間つまり、二次電流最大値時間が、ポンプオフが発生している時の方が長くなっていることが分かる。
この理由は、ダウンホールポンプのポンプケーシング(Pump barrel)がアップストローク運転にて、部分的に浮遊ガス(Free gas)等に満たされた場合、アップストロークエンドからダウンストローク運転に移る場合、浮遊ガスの存在のために、ダウンストロークが開始されても直ぐには吐出弁が開かないためである。
つまり、浮遊ガスが少ないか、あるいは浮遊ガスがない通常の運転の吐出弁の開き時間より若干遅れることになる。浮遊ガスの量が多くなると、吐出弁の開きが、ますます遅れ、ポンプオフの状態になる。この程度が大きくなると、ポンプジャックストロークのアップエンドから、それだけ離れた位置にて吐出弁の開放が行なわれることになり、これは、ポンプジャックの重大な事故の要因となるオーバープレッシャリング、(Overpressuring)を引き起こす。吐出弁の開きがポンプジャックストロークの最高位置から遅れて発生するようになれば、ダウンホールポンプ(Down−hole pump)負荷のサッカロッド系へのアンローディング時間も遅れるようになり、モータ二次電流のピーク値の位置も遅れることになる。
本発明は、この特性をポンプオフ検出の原理として応用している。
第12図は、実機におけるポンプジャックのポンプオフの試験結果を示したものである。
本例は、80%ストローク速度(100%ストローク速度は、14spm)で、ポンプオフが発生した場合、とポンプオフが発生していない場合のモータの二次電流のオッシログラムを重ねて示している。図を参照すると、ポンプオフの時は、二次電流最大値時間が、9.2%遅れている。つまり、本発明の原理の正当性が証明されている。ここで100%時間は、定格サイクルタイムの50%としている。また、第12図のX軸の目盛りは、1単位時間=80msにて示している。
また、ポンプオフの時のパーユニット遅れ時間、(=遅れ時間/基準ストローク時間)が、ポンプジャックストローク速度を変更しても殆ど一定であることを、同実機にて確認した。第1表は、ポンプオフ状態がほぼ一定の場合の測定結果の例である。
Figure 0004626057
本例では、40%ストローク速度の二次電流最大値時間(p.u.)は、80%速度運転中のそれより0.083p.u.早くなっていることが分かる。
したがって、速度制御範囲の広いポンプジャックのより厳密なポンプオフの検出には、ポンプジャック速度設定に対応して、設定基準時間(p.u.)を修正するごとき手段を追加すれば可能であることは明らかである。
以上に説明した本発明のポンプオフ検出の原理を、更に、コンピュータシミュレーションによって確認した。
第13図は、前述のポンプジャックシミュレーションモデルにおいて、ポンプオフが生じた場合と正常運転の場合の電動機2次電流最大値時間を求め、この結果をストローク速度に対して、プロットしたものである。
図示のように、ストローク速度を変更しても、パーユニット遅れ時間の変動は少なく、本発明の方法にて確実なポンプオフの検出が可能であることが示されている。
なお、第13図の中に、ポンプジャック形式は異なるが、第1表に示した実機におけるポンプオフの二次電流最大値時間も比較のためにプロットしている。
この結果から第13図のシミュレーション結果が実際に近い傾向を示していると結論づけることができる。また、本発明のポンプオフ検出方法がストローク速度の変更に影響を受け難い特長をもっていることも確認できる。
ポンプオフの程度は、前述のように、ポンプケーシングに混入た浮遊ガスの存在等によって、ダウンストローク開始時点でのダウンホールポンプの吐出弁の開放時間の遅れで代表することができる。したがって、シミュレーションでは、この遅れ時間をダウンストローク時間の比で表わし、この値を種々変更して実施した。その結果を第14図に示す。
第14図より、本発明の方法によれば、ポンプオフ状態がゆるい場合でも確実にポンプオフの検出をすることが可能であることが分かる。
また、図示のように、吐出弁の遅れを20%とした時点のtP1を、通常運転時の二次電流最大値時間のバラツキや裕度を考慮した設定基準時間として第10図の記憶素子MEMO3ブロック42より出力tPRとして設定すれば、吐出弁の遅れ20%以上をポンプオフとして検出するようにすれば、実用的なポンプオフ制御方法が構成出来る。
また、吐出弁の遅れ20%未満をノーポンプオフ、あるいは、ポンプオフの解除として検出すれば、確実なポンプオフ解除の検出が可能となる。
なお、前掲の第13図のシミュレーション結果は、吐出弁の遅れを20%とした場合を示している。
次に、二次電流最大値時間の検出のための制御シーケンスについて説明する。 第15図は、カウンタバランス重量を実際に近い値に設定した場合のモータ二次電流瞬時値とポンプジャックストローク位置の関係を示す説明図である。
今、第15図のアップストロークエンドを、第10図のストローク位置センサ20にて検出する場合を説明する。すなわち、ポンプジャックストローク位置がアップストロークエンドに来た時点に、ポンプオフ検出リレー61がONし、二次電流最大値検出回路41に、二次電流Iの瞬時値の取り込みが開始される。 同時に、SIGMAブロック51がΔtの積算を開始する。この結果、第15図のTp1の時間が、第10図の二次電流最大値検出回路41、SIGMAブロック51、AND論理素子52によって、検出され、記憶素子(MEMO1)54に記憶される。
第16図は、この動作を制御フローにて説明したものである。
以下、ソフトウエア処理上の問題の改善について補足説明する。
二次電流最大値時間Tp1は、その検出前に、二次電流瞬時値の最大値の検出を要するために、実際には、この二次電流瞬時時の最大値を検出、処理する時間だけ遅れた値になる。この問題を避けるには、第16図の制御フローと異なり、ポンプオフ検出リレー61のONよりOFFまで、二次電流最大値検出回路41の中に、Δt時間毎の二次電流瞬時値をテーブルとして記憶せしめ、ポンプオフ検出リレー61のOFFより次のポンピジャックサイクルのアップストローク開始迄の時間を利用して、この記憶されたテーブル値から、二次電流最大値時間を検出すると云う公知の手法を適用することもできる。また、モータ二次電流は、第15図に示すような滑らかな電流波形ではなく、適用されるインバータのキャリア周波数の電流リップルを含む。したがって、Δt時間よりも更に小さいスキャン時間毎にモータ電流を取り込む手段を設け、スキャン毎の値を比較し、電流検出値がn1回以上単調増加後、m1回以上単調減少した場合、その間の極大値を二次電流最大値として検出する等の公知の手段を適用することも、勿論、可能である。この二次電流値に対応したΣΔtをテーブルより検出して、この値をTp1とする。
次に、第10図のストローク位置センサ20を使用しないで、アップストロークエンドを、RPOSGブロック64にてソフトウエア処理にて検出する場合を説明する。
RPOSGブロック64は、第15図のモータ二次電流のゼロクロス点A’が、ポンプジャックの減速機軸正味トルク(=サッカロッドトルク−カウンタバランストルク)にって決定され、また、減速機軸正味トルクが、機械定数によって定まる特別なクランク角度に固定されることを原理にした基準位置信号発生回路である。
つまりA’点をアップストロークのモータ二次電流瞬時値のゼロクロス点として検出し、この点を基準に、アップストロークエンド点に到達する時間を(1)式にてTP0として演算推定する。
P0=(Δθ/Vθ) (sec) ・・・(5)
ただし、
P0 :二次電流のゼロクロス点からアップストロークエンド迄の推定時間、secΔθ:2次電流のゼロクロス点に一致するクランク角度とアップストロークエンドのクランク角度間の相差角、
deg:(ポンプジャックの機械設計諸元によって既知)
Vθ :平均クランク回転速度=360/T=6.0×S、deg/sec
:ポンプジャックストローク時間=60/S、sec
S :ポンプジャックストローク速度、spm
したがって、ポンプジャックが運転中に、毎ストロークサイクル毎にA’点を検出できれば、その時点から、Tp0時間後に、ポンプジャックがアップストロークエンドに到達すると推定できる。したがって、A’点を検出後、Tp0時間後に、第10図の61ポンプオフ検出リレーをONすることによって、ストローク位置センサ20を使用しないで、ポンプオフの検出開始制御が可能となる。なお、A’点は、アップストローク終了前のロッドトルクゼロの点であり、ダウンストローク終了付近付のロッドトルクゼロ点と区別しなければならない。このため本発明では、アップストローク開始時点に、運転者が、”アップストロークスタート”の信号を入力し、この記憶信号(以下ティーチイン信号と呼ぶ)と2次電流の大きさの論理操作を応用する。つまり、ポンプジャックが、アップストロークで運転していることを検出するために、モータの二次電流が50%以上となったことを検出する新たな二次電流検出手段を設け、この信号と上記ティーチイン信号のAND論理により、ポンプジャックが確かに、アップストローク運転中であることを検出し記憶する。このようにして記憶されたアップストローク中に、二次電流がプラスから、ゼロ、マイナスに移る時のゼロ点は、上記のA’点であり、公知の論理操作によって容易に検出可能である。
なお、第10図の64のブロック図にては、以上の説明のように二次電流の取り込み、ティーチイン信号の取り込み等の信号表示が必要であるが、図を簡単化のために、これ等の図示は省略されている。
また、前記の二次電流のゼロクロスA’点が、ポンプジャックの機械的定数によって決定されることは、既に第1実施例のところで説明している。
産業上の利用可能性
本発明に係るこの新しいポンプオフ制御方法を採用することにより、ロッド荷重センサとマイクロコンピュータから構成される高価なダイナグラフカードシステムを使用しないで、ポンプジャックの速度制御のために使用するベクトル制御インバータのなかに、ポンプオフコントロールのソフトウエアを内蔵しているために安価になるのみならず、正確なポンプオフの検出が可能である。
加えて、ポンプジャックの速度を制御出来るように構成しているので、このポンプオフの検出によって、ポンプジャックの速度をポンプオフがない状態まで低下させることが出来るために、ダウンホールポンプやサッカロッド系に無理を与えることなく、油井の継続的な生産を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
以下、本発明の具体的な第1および第2の実施例を第1図〜第16図によって説明する。
第1図は、ポンプジャックの駆動電動機の確実な速度制御を行なうと共に、ポンプオフの検出を電動機の二次電流瞬時値を検出する必要があるために、二次電流瞬時値の取り出しが容易なベクトル制御インバータを適用した、本発明の構成例を示している。
第2図は、第1図のポンプオフ制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
第3図〜第8図は、ポンプジャックの各サイクル毎の誘導電動機の二次電流の瞬時値の平均値、実効値によるポンプオフ検出の方法を説明する図である。
第9図は、二次電流の瞬時値の平均値、実効値計算過程を示すフローチャートである。
第10図は、本発明の方法のポンプオフコントロールの基本制御構成例を示す図である。
第11図〜第15図は、本発明の二次電流最大値時間と基準時間の差によってポンプオフの検出が出来ることを説明するための説明図である。
第16図は、本発明の方法の二次電流最大値時間を検出する制御フローを示している。

Claims (10)

  1. ポンプジャックを駆動する誘導電動機を可変電圧、可変周波数電源のインバータで速度制御するようにしたポンプジャック駆動系のポンプオフ制御方法において、
    前記誘導電動機の速度と二次電流の瞬時値を検出し、
    前記ポンプジャックの各サイクル毎のダウンストローク時間を検出し、
    各サイクル毎のダウンストローク時間における前記誘導電動機の二次電流の瞬時値から計算される二次電流の平均値又は実効値を次式で演算し、
    実効値I2RMS={Σ(I2t ×△t)/T1/2 (A)
    平均値I2AV=Σ(I2t×△t)/T (A)
    ただし、 I2t:時刻tにおける二次電流の瞬時値 (A)
    :二次電流の平均値又は実効値を演算するための基準ダウン ストローク時間 (sec)
    △t :積分演算のための微小時間(sec)
    演算した前記誘導電動機の二次電流の平均値又は実効値と比較するた
    めの前記誘導電動機の二次電流の平均値基準値又は実効値基準値を設定し、
    前記二次電流の瞬時値の平均値又は実効値と平均値基準値又は実効基準値を各サイクルのダウンストローク終了後に比較し、
    前記平均値基準値より瞬時値の平均値が大きい場合又は前記実効値基準値より瞬時値の実効値が大きい場合にポンプオフ発生を検出することを特徴とするポンプオフ制御方法。
  2. 前記誘導電動機の二次電流の平均値基準値又は実効値基準値を前記誘導電動機の速度と比例関係にあるポンプジャックのストローク速度に対応した値に設定することを特徴とする請求の範囲第1項記載のポンプオフ制御方法。
  3. ダウンストローク終了後に、ポンプオフ条件を複数回以上連続して検出した場合には、ポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ低下せしめるように制御し、その低下した速度に対応した新たな二次電流の平均値基準値又は実効値基準値を設定し、その時点以後のダウンストロークにおける実際の二次電流の平均値又は実効値を演算して、この演算した値と該設定基準値とを比較し、前記演算した値が該設定基準値より大きい場合にはその低下せしめられた速度において尚ポンプオフ条件が存在していることとして検出し、この動作が連続して複数回以上検出された場合にはポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ更に低下せしめるように制御し、速度に対応した平均値基準又は実効値基準とその速度における実際の二次電流の平均値又は実効値を順次比較してポンプオフを検出している間はポンプジャックのストローク速度を順次段階的に降下せしめるように制御することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載のポンプオフ制御方法。
  4. ポンプオフ条件を検出し、予め設定された速度だけ速度を低下させ、ポンプジャックがこの新しい速度で運転している状態で、連続して複数回以上、ポンプオフ条件の検出がなかった場合には、この速度にてポンプオフ条件が解除されたものとしてポンプオフ解除を検出し、ポンプオフ検出によって低下させた速度分だけポンプジャックのストローク速度を上昇せしめ、この上昇した速度に対応した新たな二次電流の平均値基準又は実効値基準を設定し、その時点以降のダウンストロークにおける実際の二次電流の平均値又は実効値を演算して、この演算した値と該設定基準値とを比較することにより、前記演算した値が該設定基準値より小さい場合には、その上昇せしめられた速度において尚ポンプオフ条件が解除されていることとして検出し、この動作が連続して複数回以上検出された場合にはポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ更に上昇せしめるように制御し、速度に対応した平均値基準又は実効値基準とその速度における実際の二次電流の平均値又は実効値を順次比較してポンプオフ条件が検出される速度迄ポンプジャックのストローク速度を順次、段階的に上昇せしめるように制御することを特徴とする請求の範囲第1から3項のいずれか1項記載のポンプオフ制御方法。
  5. 可変電圧、可変周波数電源にて、速度制御出来るように構成した誘導電動機駆動のポンプジャック駆動系のポンプオフ制御方法において、
    前記誘導電動機の速度とその二次電流の瞬時値を検出する手段と、
    前記ポンプジャックの各サイクル毎のダウンストローク時間を検出する手段と前記二次電流の各ダウンストローク時間に於ける二次電流瞬時値の最大値を検出する手段と、
    各ダウンストローク開始時点から前記二次電流瞬時値の最大値迄の時間を検出し記憶する手段と、
    その記憶された検出時間値と比較するための二次電流瞬時値の最大値迄の基準時間値を設定する手段と、を設け、
    前記検出時間値と前記基準時間を毎サイクルのダウンストローク終了後に比較し、該設定基準値より、二次電流の瞬時値が最大値となる時間が遅れる場合をポンプオフ条件の発生として検出することを特徴とするポンプオフ制御方法。
  6. 前記二次電流瞬時値が最大値となる時間の遅れをポンプジャックストローク時間の比によって検出し設定することにより、ポンプジャックのストローク速度の設定変更に影響されないポンプオフの検出を可能としたことを特徴とする請求の範囲第5項記載のポンプオフ制御方法。
  7. ダウンストローク終了後に、ポンプオフ条件を1回または複数回以上連続して検出した場合、ポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ低下せしめるように制御し、前記速度において、基準点より実際の二次電流瞬時値が最大値となる時間を検出し、設定基準時間と比較することにより、前記二次電流瞬時値最大値時間が前記設定基準時間より大きい場合には、その低下せしめられた速度においてなおポンプオフ条件が存在していることとして検出し、この動作が連続して1回または複数回以上検出された場合には、ポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ更に低下せしめるごとく制御して、ポンプオフが検出される限りポンプジャックのストローク速度を順次、段階的に降下せしめるように制御することにより、ポンプオフ条件の解除を速度制御によって行なうことを特徴とする請求の範囲第5項又は第6項記載のポンプオフ制御方法。
  8. ポンプオフ条件が検出され、予め設定された速度だけ速度が低下せしめられ、ポンプジャックのストローク速度がこの新しい速度で運転している状態で、連続して1回または複数回以上、ポンプオフ条件の検出がなかった場合、この速度にてポンプオフ条件が解除されたものとしてポンプオフ解除を検出し、ポンプオフ検出によって低下せしめられた速度分だけポンプジャックのストローク速度を上昇せしめ、この上昇した速度において、実際の二次電流瞬時値が最大値となる時間を検出し、この実際時間と前記基準時間と比較することにより、前記実際時間が前記基準時間より小さい場合には、すなわちポンプオフ条件が検出されなかった場合には、その上昇せしめられた速度においてなおポンプオフ条件が解除されていることとして検出し、この動作が連続して1回または複数回以上検出された場合には、ポンプジャックのストローク速度を予め設定された速度だけ更に上昇せしめるごとく制御することにより、二次電流瞬時値が最大値になる時間を順次設定値と比較できるように構成し、ポンプオフ条件が検出される速度迄ポンプジャックのストローク速度を順次、段階的に上昇せしめるように制御することにより、ポンプオフ条件の解除を確認しつつ、所定のポンプジャックのストローク速度迄ポンプオフによって低下せしめられた速度を回復することことを特徴とする請求の範囲第5から7項のいずれか1項記載のポンプオフ制御方法。
  9. ポンプジャックを駆動する誘導電動機を可変電圧、可変周波数電源のインバータで速度制御するようにしたポンプジャック駆動系のポンプオフ制御装置において、前記誘導電動機の速度と二次電流の瞬時値を検出し、
    前記ポンプジャックの各サイクル毎のダウンストローク時間を検出し、
    各サイクル毎のダウンストローク時間における前記誘導電動機の二次電流の瞬
    時値から平均値又は実効値を次式で演算し、
    実効値I2RMS={Σ(I2t ×△t)/T1/2 (A)
    平均値I2AV=Σ(I2t×△t)/T (A)
    ただし、 I2t:時刻tにおける二次電流の瞬時値 (A)
    :二次電流の平均値又は実効値を演算するための基準ダウン ストローク時間 (sec)
    △t :積分演算のための微小時間(sec)
    演算した前記誘導電動機の二次電流の瞬時値の平均値又は実効値と比較するための前記誘導電動機の二次電流の平均値基準値又は実効値基準値を設定し、
    前記二次電流の瞬時値の平均値又は実効値と平均値基準値又は実効基準値を各サイクルのダウンストローク終了後に比較し、
    前記平均値基準値より二次電流の平均値が大きい場合又は前記実効値基準値より二次電流の実効値が大きい場合にポンプオフ発生を検出することを特徴とするポンプオフ制御装置。
  10. 前記誘導電動機の二次電流の平均値基準値又は実効値基準値をポンプジャックのストローク速度に対応した値に設定することを特徴とする請求の範囲第9項記載のポンプオフ制御装置。
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