JP4620325B2 - オキシム誘導体及び潜在的酸としてのその使用 - Google Patents
オキシム誘導体及び潜在的酸としてのその使用 Download PDFInfo
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Description
本発明は、新規オキシム誘導体、前記化合物を含む化学増幅型フォトレジスト組成物、及び化学電磁放射線及び電子ビームを用いる照射により活性化されうる潜在的酸(latent acid)としてのその化合物の使用に関する。
【0002】
US4540598では、感光性オキシムスルホナート化合物、例えば4−クロロ−α−トリフルオロアセトフェノンオキシムベンゼンスルホナート及び慣用の酸硬化性樹脂を含む表面被覆組成物が開示されている。US4736055では、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−ヒドロキシフェニルスルホナート)が、ポジ型フォトレジストに樹脂として使用できるポリマーを調製する成分として記載されている。US5627011及びUS5759740では、波長340〜390nm、特に水銀i線の照射領域(365nm)の化学増幅型ポジ型及びネガ型フォトレジストおける、潜在的酸触媒としてのα−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド及びα−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−3−チエニルメチルシアニドの使用が記載されている。GB2306958では、波長180〜600nm、特に390nmを越える照射領域のポジ型及びネガ型フォトレジストにおける、潜在的酸供与体としてのオキシムスルホナートの使用が報告されている。US5714625では、非芳香族α−(アルキルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル及びα−(アルキルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリルが開示されている。EP241423では、オキシルスルホナート化合物は、非化学増幅型ポジ型レジストに、光潜在的酸(photolatent acid)発生剤として約25%の濃度で使用されている。Chemical Abstracts No. 97:144503, 78:97752, Synthesis (1995), 553においては、幾つかのフルオロケトオキシムスルホナート化合物が、合成試験のための実験的な生成物として記載されている。
【0003】
当該技術においては、熱的及び化学的に安定であり、光、UV線、X線照射又は電子ビームにより活性化した後、種々の酸触媒反応、例えば、重縮合反応、酸触媒解重合反応、酸触媒求電子置換反応又は保護基の酸触媒除去に触媒として使用できる、反応性非イオン潜在的酸供与体への要求が存在する。特に、化学増幅型フォトレジストの分野においては、高い安定性及び良好な溶解度を有する潜在的酸触媒への要求が存在する。
【0004】
驚くべきことに、下記の特定のオキシム誘導体が、上記の酸触媒反応のための触媒として特に適していることが見出された。本発明の特定の化合物の光吸収スペクトルが、幅広い電磁スペクトルに同調可能であり、深UV領域での用途に特に適している。更に、本発明のオキシム誘導体を含む化学増幅型フォトレジスト組成物は、加工中の高いベーキング温度に対しても熱的に安定であり、高い写真感度を提供する。
【0005】
したがって、本発明は、
(a)酸の作用で硬化する化合物、又は酸の作用でその溶解度が増加する化合物;及び
(b)感光性酸供与体として、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII):
【0006】
【化19】
【0007】
〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニル(ここで、基C3−C12シクロアルキルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル及びフェナントリルスルホニルの基シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル及びフェナントリルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、OR4、(CO)OR7、C1−C4アルキル−(CO)O−、R7OSO2−及び/若しくは−NR5R6の1個以上で置換されている)であるか;或いはR1は、C2−C6ハロアルカノイル、ハロベンゾイル又は下記式:
【0008】
【化20】
【0009】
の基であり;
X1、X2及びX3は、互いに独立して、O又はSであり;
R2は、ハロゲン又はC1−C10ハロアルキルであり;
R3は、フェニレンジスルホニル、ナフチレンジスルホニル、下記式:
【0010】
【化21】
【0011】
の基、ジフェニレンジスルホニル又はオキシジフェニレンジスルホニル(ここで、これらの基は、非置換か、又はC1−C12アルキルで置換されている)であるか;或いはR3は、C2−C12アルキレンジスルホニルであり;
Ar1は、直接結合、非置換のC1−C12アルキレン、C3−C30シクロアルキルで置換されているC1−C12アルキレンであるか;或いはAr1は、C3−C30シクロアルキレン、C1−C8ハロアルキレン、C2−C12アルケニレン、C4−C8シクロアルケニレン、C6−C12ビシクロアルケニレンであるか;或いはAr1は、フェニレン(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル−C1−C3アルキル、ハロゲン、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7の1個以上で置換され、場合により置換基OR4、SR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、フェニレン環の更なる置換基と、又はフェニレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr1は、ナフチレン、アントラシレン又はフェナントリレン環(ここで、基ナフチレン、アントラシレン及びフェナントリレンは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7で置換され、場合により置換基OR4、SR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の更なる置換基と、又はナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr1は、ヘテロアリーレン環(これは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7で置換され、場合により置換基OR4、SOR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、ヘテロアリーレン環の更なる置換基と、又はヘテロアリーレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であり;
ここで、全ての基Ar1は、場合により、酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により更に置換され;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、−S−、−NR4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR4(CO)−、−SO−、−SO2−又は−OSO2−であるか;或いはA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、C1−C12アルキレン又はフェニレン(ここで、これらの基は、非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7の1個以上で置換されている)であり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4、SR7、ハロゲン及び/又はフェニルで置換されている)であるか;或いはY1は、C2−C12アルキレン(これは、−O−、−S−、−NR4−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR4(CO)−、−SO−、−SO2−及び/又は−OSO2−の1個以上により中断され、そして基C2−C12アルキレンは、OR4、SR7、ハロゲン及び/又はフェニルで置換されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレン、フェニレン、ナフチレン又は複素環の三価基(ここで、これらの基は、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7で置換されている)であるか;或いは、Y2は、下記式:
【0012】
【化22】
【0013】
の基であり;
Y3は、C1−C12アルキレン、フェニレン、ナフチレン又は複素環の四価基(ここで、これらの基は、非置換か、又はC1−C18アルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7で置換されている)であり;
Xは、ハロゲンであり;
R4は、水素、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR4は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR4は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;
R5及びR6は、互いに独立して、水素又はC1−C18アルキル(これは、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチル−フェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであるか;或いはR5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(これは、−O−により、又は−NR4−により中断されていてもよい)を形成し;
R7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR7は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;
R8、R9及びR10は、互いに独立して、C1−C6アルキル(これは、非置換か、又はハロゲンで置換されている)であるか;或いはR8、R9及びR10は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C4アルキル若しくはハロゲンで置換されている)であるか;或いはR9及びR10は、一緒になって1,2−フェニレン又はC2−C6アルキレン(これは、非置換か、又はC1−C4アルキル若しくはハロゲンで置換されている)であり;
Ar′1は、C1−C12アルキル(これは、非置換か、又はC3−C30シクロアルキルで置換されている)であるか;或いはAr′1は、C3−C30シクロアルキル、C1−C8ハロアルキル、C2−C12アルケニル、C4−C8シクロアルケニル、C6−C12ビシクロアルケニル、カンファリルであるか;或いはAr′1は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル−C1−C3−アルキル、ハロゲン、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7及び/若しくはSO2R′7の1個以上で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、フェニル環の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはA′r1は、ナフチル、アントラシル又はフェナントリル(ここで、基ナフチル、アントラシル及びフェナントリルは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7及び/若しくはSO2R′7で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の更なる置換基と又はナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr′1は、ヘテロアリール基(これは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7及び/若しくはSO2R′7で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、ヘテロアリール環の更なる置換基と又はヘテロアリール環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であり;
ここで、基C1−C12アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール基は、場合により下記式:
【0014】
【化23】
【0015】
の基1〜3個で置換され、そして全ての基A′r1は、場合により、酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により更に置換され; A″1は、フェニレン、ナフチレン、下記式:
【0016】
【化24】
【0017】
の基、ジフェニレン又はオキシジフェニレン(ここで、これらの基は、非置換か、又はC1−C12アルキルで置換されている)であるか;或いはA″1は、C1−C12アルキレン又は下記式:
【0018】
【化25】
【0019】
の基であり;ここで、全ての基Ar″1は、場合により下記式:
【0020】
【化26】
【0021】
の基1〜3個で置換され、そして全ての基A″r1は、場合により、酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により更に置換され; Dは、−O−、−S−、−NR′4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR′4(CO)−、−SO−、−SO2−又は−OSO2−であり; D1は、C1−C12アルキレン又はC2−C12アルキレン(これは、−O−、−S−、−NR′4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR′4(CO)−、−SO−、−SO2−及び/又は−OSO2の1個以上により中断されている)であり;ここで、基C1−C12アルキレン及びC2−C12アルキレンは、場合により下記式:
【0022】
【化27】
【0023】
の基1〜3個で置換され;
R′4は、水素、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR′4は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′4は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、フェニル、C2−C18アルカノイル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
【0024】
【化28】
【0025】
の基1〜3個で置換され;
R′5及びR′6は、互いに独立して、水素又はC1−C18アルキル(これは、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチル−フェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであるか;或いはR′5及びR′6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(これは、−O−により、又は−NR′4−により中断されていてもよい)を形成し;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、フェニル、C2−C18アルカノイル、C1−C18アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
【0026】
【化29】
【0027】
の基1〜3個で置換され;
R′7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′7は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、C1−C18アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
【0028】
【化30】
【0029】
の基1〜3個で置換され;
但し、基Ar′1、Ar″1、D1、R′4、R′5、R′6又はR′7の少なくとも1個が、下記式:
【0030】
【化31】
【0031】
の基1〜3個で置換され;
M+は、下記式:
【0032】
【化32】
【0033】
であり;
L-は、下記式:
【0034】
【化33】
【0035】
であり;
R15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素又はフェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR15、R16、R17及びR18は、C1−C12アルキル、−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR15及びR16は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成するか;或いはR15及びR16は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、5員、6員若しくは7員環を形成し;
R19は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル、ベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR19は、C1−C12アルキル又は−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であり;
R20、R21及びR22は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20、R21及びR22は、互いに独立して、C1−C12アルキル、−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20及びR21は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成するか;或いはR20及びR21は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、5員、6員若しくは7員環を形成し;そして
R23及びR24は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR23及びR24は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成する〕の化合物の少なくとも1種を含む、化学増幅型フォトレジスト組成物に関する。
【0036】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物は、オキシム基に隣接する炭素原子のうちの1個にハロゲン原子を少なくとも2個含むことを特徴とする。好ましくは、化合物はオキシム基に隣接する炭素原子のうちの1個にハロゲン原子を3個含む。
【0037】
C1−C18アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルであり、好ましくは、C1−C4アルキル、例えばメチル、イソプロピル又はブチルである。C1−C8アルキル、C1−C6アルキル及びC1−C4アルキルも同様に直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、適切な数までの炭素原子をもつ、上記で定義されたものである。興味深いものは、例えばC1−C8−、特にC1−C6−、好ましくはC1−C4アルキルであり、例えばメチル又はブチルである。R1は、例えば、C2−C12−、C4−C12−、C8−C12−、C4−C8アルキルである。
【0038】
−O−により1回又は数回中断されているC2−C12アルキルは、非連続の−O−により、例えば1〜5回、例えば、1〜3回又は1若しくは2回中断されている。したがって、得られる構造単位は、例えば、−O(CH2)2OH、−O(CH2)2OCH3、−O(CH2CH2O)2CH2CH3、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−[CH2CH2O]y−CH3(ここで、y=1〜5)、−(CH2CH2O)5CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3又は−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3である。
【0039】
C3−C30シクロアルキルは、単又は多環式脂肪族環、例えば、単、二又は三環式脂肪族環であり、例としては、C3−C20−、C3−C18−、C3−C12−、C3−C10シクロアルキルである。単環式環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルであり、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。多環式環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフェナントリル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、アダマンチル、ビシクロ〔1.1.1〕ペンチル、ビシクロ〔4.2.2〕デシル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.3.2〕デシル、ビシクロ〔4.3.2〕ウンデシル、ビシクロ〔4.3.3〕ドデシル、ビシクロ〔3.3.3〕ウンデシル、ビシクロ〔4.3.1〕デシル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル等である。また、「スピロ」シクロアルキル化合物は、本明細書における定義C3−C30シクロアルキルにより網羅され、例えば、スピロ〔5.2〕オクチル、スピロ〔5.4〕デシル、スピロ〔5.5〕ウンデシルである。本発明の化合物におけるそれぞれの定義の対象となる多環式シクロアルキル基の更なる例は、EP878738、第11及び12頁に示されているが、ここでは、式(1)〜(46)について「yl」を達成するために結合を加えなければならない。当業者はこの事実を認識している。一般的に、脂環式環は、反復構造単位を形成することがある。
【0040】
C2−C12アルキニル基は、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C2−C8−、C2−C6−若しくはC2−C4アルケニルである。例は、アリル、メタリル、ビニル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、5−ヘキセニル又は7−オクテニルであり、特にアリル又はビニルである。
【0041】
C4−C8シクロアルケニルは、二重結合を1個以上有することができ、例えば、C4−C6シクロアルケニル又はC6−C8シクロアルケニルである。例は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロオクテニルであり、特にシクロペンテニル及びシクロヘキセニルであり、好ましくはシクロヘキセニルである。
【0042】
C6−C12ビシクロアルケニルは、二重結合を1個以上有し、二重結合が同じ環に位置するか、又は両方の環に位置してもよい二環式アルケニル基を指す。二環に二重結合が数個存在する場合、二重結合は、共役又は非共役であり、好ましくは二重結合は共役である。例は、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−3,7−ジエン−5−イル、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−3−エン−5−イル、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−4−エン−6−イル、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−3−エン−5−イル、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−4−エン−6−イル、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−7−エン−8−イル、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−8−エン−7−イルであり、例は、下記の番号付けを参照する。
【0043】
【化34】
【0044】
C1−C12アルキレンは、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4アルキレンである。例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン及びドデシレンである。好ましくは、C1−C8アルキレン、特にC1−C6アルキレン、好ましくはC1−C4アルキレンであり、例えば、メチレン又はブチレンである。したがってC2−C12アルキレンジスルホニルは、両方の「yl」部分がスルホニル基を有する、上記で示されたアルキレン基である。例は、−SO2−(CH2CH2)z−SO2−(ここで、z=1〜6)であり、例えば、−SO2−CH2CH2−SO2−又は−SO2−CH(CH3)CH2−SO2−である。
【0045】
フェニレンジスルホニル、ジフェニレンジスルホニル及びオキシジフェニレンジスルホニルも、「yl」部分にスルホニル基を有する。したがって、得られる構造は下記である。
【0046】
【化35】
【0047】
置換フェニルは、フェニル環に置換基を1〜5個、例えば、1、2又は3個、特に1又は2個有する。置換は、好ましくはフェニル環の4−、3,4−、3,5−又は3,4,5位においてである。基C1−C18アルキルスルホニルの基C1−C18アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状であることを意味し、上記の意味を有する。基C3−C30シクロアルキルスルホニルの基C3−C30シクロアルキルは、上記の意味を有する。
【0048】
基ナフチル、フェナントリル、ヘテロアリール及びアントラシルが1個以上の基で置換されている場合、これらは一から五置換、例えば一、二又は三置換、特に一又は二置換されている。
【0049】
Ar′1が、フェニル基(これは、OR′4、NR′5R′6及び/又はSR′7で置換され、置換基OR′4、NR′5R′6又はSR′7は、基R′4、R′5、R′6又はR′7を介して、フェニル環の他の置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)である場合、例えば下記の構造単位が得られる。
【0050】
【化36】
【0051】
本出願において、用語「ヘテロアリール」は、非置換の基及び置換されている基を意味し、例えば、3−チエニル、2−チエニル、下記式:
【0052】
【化37】
【0053】
(式中、R′5及びR′6は、上記と同義である)の基、チアントレニル、イソベンゾフラニル、キサンテニル、フェノキサンチイニル、下記式:
【0054】
【化38】
【0055】
(式中、Yは、S、O又はNR′4であり、R′4は上記と同義である)の基である。その例は、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル又はイソキサゾリルである。また含まれるものは、例えば、フリル、ピロリル、1,2,4−トリアゾリル、下記式:
【0056】
【化39】
【0057】
の基又は縮合芳香族基を有する5員環複素環であり、例えば、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル及びベンゾチアゾリルである。
【0058】
「ヘテロアリール」の他の例は、ピリジル、特に3−ピリジル、下記式:
【0059】
【化40】
【0060】
(式中、R′4は上記と同義である)の基、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、2,4−、2,2−若しくは2,3−ジアジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フェノキサジニル又はフェナジニルである。本出願において、用語「ヘテロアリール」は、また、基チオキサンチル、キサンチル、下記式:
【0061】
【化41】
【0062】
(式中、mは、0又は1であり、R′4、R′5、R′6は、上記と同義である)、下記式:
【0063】
【化42】
【0064】
又はアントラキノニルを意味する。ヘテロアリールは、それぞれ上記又は請求項1で定義された置換基を有していてもよい。
【0065】
カンファリル、10−カンファリルは、カンファ−10−イル、すなわち下記式の基である。
【0066】
【化43】
【0067】
C2−C6アルカノイルは、例えば、アセチル、プロピオニル、ブタノイル又はヘキサノイルであり、特にアセチルである。
【0068】
C1−C4アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシであり、アルコキシ基における2個を超える炭素原子を有するアルキル基が、分岐鎖状であることも可能である。
【0069】
C1−C4アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ及びブチルチオであり、アルキルチオ基における2個を超える炭素原子を有するアルキル基が、分岐鎖状であることも可能である。
【0070】
C2−C6アルコキシカルボニルは、(C1−C5アルキル)−O−C(O)−であり、ここでC1−C5アルキルは、適切な数までの炭素原子をもつ上記で定義されたものである。例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル又はペンチルオキシカルボニルであり、アルコキシ基における2個を超える炭素原子を有するアルキル基が、分岐鎖状であることも可能である。
【0071】
C1−C10ハロアルキル及びC1−C4ハロアルキルは、ハロゲンで一又は多置換されているC1−C10−及びC1−C4アルキルであり、C1−C10−及びC1−C4アルキルは、例えば、上記で定義されたものである。例えば、アルキル基にハロゲン置換基が1〜3個又は1若しくは2個存在する。例は、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル又は2−ブロモプロピルであり、特にトリフルオロメチル又はトリクロロメチルである。好ましくはC1−C10フルオロアルキルである。
【0072】
C2−C6ハロアルカノイルは、(C1−C5ハロアルキル)−O−C(O)−であり、ここでC1−C5ハロアルキルは、適切な数までの炭素原子をもつ上記で定義されたものである。例は、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ペンタフルオロプロピオニル、ペルフルオロオクタノイル又は2−ブロモプロピオニルであり、特にトリフルオロアセチル又はトリクロロアセチルである。
【0073】
ハロベンゾイルは、ハロゲン及び/若しくはC1−C4ハロアルキルで一又は多置換されているベンゾイルであり、C1−C4ハロアルキルは上記で定義されたものである。例は、ペンタフルオロベンゾイル、トリクロロベンゾイル、トリフルオロメチルベンゾイルであり、特にペンタフルオロベンゾイルである。
【0074】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、特に塩素又はフッ素であり、好ましくはフッ素である。
【0075】
フェニル−C1−C3アルキルは、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α−メチルベンジル又はα,α−ジメチルベンジルであり、特にベンジルである。
【0076】
オキシジフェニレンは、下記式の基である。
【0077】
【化44】
【0078】
R5及びR6が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−により、又は−NR4−により中断されていてもよい5員、6員若しくは7員環を形成する場合、例えば下記の構造が得られる。
【0079】
【化45】
【0080】
定義C1−C18アルキルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニルは、スルホニル基(−SO2−)に結合している、上記で詳細に記載された、対応する基C1−C18アルキル、フェニル−C1−C3アルキル、カンファリル及びC1−C10ハロアルキルを指す。したがって、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル及びフェナントリルスルホニルも、スルホニル基に結合している対応する基を指す。R1は、例えば、C2−C18−、C4−C12−、C6−C18−、C4−C10アルキルスルホニルである。
【0081】
酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有し、基Ar1、Ar′1及びAr″1の置換基である基は、酸と反応した後、アルカリ性現像液において、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の溶解度を増加させる酸開裂基である。この効果は、例えば、US4883740に記載されている。基Ar1、Ar′1及びAr″1の置換基として適切な基の例は、既知のオルトエステル、トリチル及びベンジル基、カルボン酸のtert−ブチルエステル、フェノールのtert−ブチルカルボナート又はフェノールのシリルエーテルであり、例えば、−OSi(CH3)3、−CH2−(CO)−O−C(CH3)3、−(CO)−O−C(CH3)3、−O−(CO)−O−C(CH3)3又は下記式:
【0082】
【化46】
【0083】
〔式中、R11及びR12は、互いに独立して、水素、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、フェニル−C1−C3アルキルであるか、又はR11及びR12は、一緒になってC2−C5アルキレンであり、R13は、非置換か、若しくはハロゲン置換のC1−C10アルキルか、非置換か、若しくはハロゲン置換のC3−C8シクロアルキルか、又はフェニル−C1−C3アルキルであるか、或いはR11及びR12が、一緒になってC2−C5アルキレンではない場合、R13及びR12は、一緒になってC2−C5アルキレン(これは、−O−原子又は−S−原子により中断されていてもよい)であってよい〕の基である。
【0084】
C3−C30シクロアルキレンは、単又は多環式脂肪族環のビラジカル、例えば、単、二又は三環式脂肪族環であり、例としては、C3−C20−、C3−C18−、C3−C12−、C3−C10シクロアルキレンである。単環式環の例は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン又はシクロヘプチレンであり、特にシクロヘキシレンである。多環式環の例は、ペルヒドロアントラシレン、ペルヒドロフェナントリレン、ペルヒドロナフチレン、ペルヒドロフルオレニレン、ペルヒドロクリセニレン、ペルヒドロピセニレン、アダマンチレン、ビシクロ〔1.1.1〕ペンチレン、ビシクロ〔4.2.2〕デシレン、ビシクロ〔2.2.2〕オクチレン、ビシクロ〔3.3.2〕デシレン、ビシクロ〔4.3.2〕ウンデシレン、ビシクロ〔4.3.3〕ドデシレン、ビシクロ〔3.3.3〕ウンデシレン、ビシクロ〔4.3.1〕デシレン、ビシクロ〔4.2.1〕ノニレン、ビシクロ〔3.3.1〕ノニレン、ビシクロ〔3.2.1〕オクチレン等である。また、「スピロ」シクロアルキル化合物は、本明細書における定義C3−C30シクロアルキレンにより網羅され、例えば、スピロ〔5.2〕オクチレン、スピロ〔5.4〕デシレン、スピロ〔5.5〕ウンデシレンである。一般的に、脂環式環は、反復構造単位を形成することがある。
【0085】
C1−C8ハロアルキレンは、ハロゲンで一又は多置換されているC1−C8アルキレンであり、C1−C8アルキレンは、例えば、上記で定義されたものである。例えば、アルキレン基にハロゲン置換基が1〜3個又は1若しくは2個存在する。例は、クロロメチレン、ジクロロメチレン、ジフルオロメチレン又は2−ブロモプロピレンであり、特にジフルオロメチレン又はジクロロメチレンである。
【0086】
C2−C12アルケニレン基は、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、例えば、C2−C8−、C2−C6−若しくはC2−C4アケニレンである。例は、ビニレン、プロペニレン、ブタ−1−エニレン、ブタ−2−エニレン、ペンタ−1,3−ジエニレンであり、特にビニレンである。
【0087】
C4−C8シクロアルケニレンは、二重結合を1個以上有することができ、例えば、C4−C6シクロアルケニレン又はC6−C8シクロアルケニレンである。例は、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン又はシクロオクテニレンであり、特にシクロペンテニレン及びシクロヘキセニレンであり、好ましくはシクロヘキセニレンである。
【0088】
C6−C12ビシクロアルケニレンは、二重結合を1個以上有していてもよく、二重結合が同じ環に位置するか、又は両方の環に位置してもよい二環式アルケニレン基を指す。二環に二重結合が数個存在する場合、二重結合は、共役又は非共役であり、好ましくは二重結合は共役である。例は、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−3,7−ジエン−5−イレン、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−3−エン−5−イレン、ビシクロ〔4.2.4〕ドデカ−4−エン−6−イレン、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−3−エン−5−イレン、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−4−エン−6−イレン、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−7−エン−8−イレン、ビシクロ〔4.2.3〕ノナ−8−エン−7−イレンであり、例は、下記の番号付けを参照する。
【0089】
【化47】
【0090】
フェニレンは下記式:
【0091】
【化48】
【0092】
の基である。ナフチレンは下記式:
【0093】
【化49】
【0094】
の基である。アントラシレンは、例えば下記式:
【0095】
【化50】
【0096】
の基である。フェナントリレンは、例えば下記式:
【0097】
【化51】
【0098】
の基である。
【0099】
C1−C12アルキレンの三価基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4アルキレンである。例は、下記式:
【0100】
【化52】
【0101】
の基である。フェニレンの三価基は、下記式:
【0102】
【化53】
【0103】
の基である。ナフチレンの三価基は、下記式:
【0104】
【化54】
【0105】
の基である。複素環の三価基は、例えば下記式:
【0106】
【化55】
【0107】
等の基である。C1−C12アルキレンの四価基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4アルキレンである。例は、下記式:
【0108】
【化56】
【0109】
の基である。フェニレンの四価基は、下記式:
【0110】
【化57】
【0111】
の基である、ナフチレンの四価基は、例えば下記式:
【0112】
【化58】
【0113】
の基である。複素環の四価基は、例えば下記式:
【0114】
【化59】
【0115】
等の基である。
【0116】
請求項における用語「及び/又は」或いは「又は/及び」は、定義された代替物(置換基)のうちの1個が存在してもよいばかりでなく、定義された代替物(置換基)の数個が一緒に、すなわち異なる代替物(置換基)の混合物も存在してもよいことを表すことを意味する。
【0117】
用語「少なくとも」は、1個又は1個より多く、例えば、1又は2若しくは3個、好ましくは1又は2個を定義することを意味する。
【0118】
本発明は、また、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の新規化合物に関する。
【0119】
オキシム誘導体〔式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)〕は、一般的に、文献に記載の方法、例えば式(I′)、(II′)、(III′)、(IV′)、(V′)又は(VI′)の適切な遊離オキシム(R1及びR3=H)を、所望の式(XV)、(XVI)若しくは(XVII)の酸ハロゲン化物(例えば、スルホン酸ハロゲン化物)又は酸無水物(例えば、R1Cl、R1−O−R1又はCl−R3−Cl)と反応させることにより調製できる。
【0120】
【化60】
【0121】
(R1、R2、R3、X、Ar1、Ar1′、Ar1″、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、Y1、Y2及びY3は、上記と同義である)。これらの反応は、通常、塩基、例えばピリジン、トリエチルアミンのような第三級アミンの存在下、例えばトルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)若しくはジメチルホルムアミド(DMF)のような不活性溶媒中で実施されるか、又はオキシムの塩を所望の酸塩化物と反応させる。これらの方法は、例えばEP48615に開示されている。オキシムのナトリウム塩は、例えば、該当のオキシムをジメチルホルムアミド中のナトリウムアルコラートと反応させて得ることができる。そのような反応は当業者に周知であり、一般的に、−15〜+50℃、好ましくは0〜20℃の範囲の温度で実施される。
【0122】
出発材料として必要なオキシムは、標準的な化学の教科書(例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 4th Edition, Wiley Interscience, 1992)又は専門的な研究論文、例えば、S.R. Sandler & W. Karo, Organic functional group preparations, Vol. 3, Academic Pressに記載されている種々の方法により得ることができる。最も都合の良い方法の1つは、例えば、ケトンをヒドロキシルアミン又はその塩と、エタノール又はエタノール水溶液のような極性溶媒中で反応させることである。この場合、酢酸ナトリウムのような塩基を加えて、反応混合物のpHを制御する。反応速度がpH依存性であることは周知であり、塩基は、反応の始め又は反応の間に連続的に加えることができる。ピリジンのような塩基性溶媒も、塩基及び/又は溶媒若しくは共溶媒として使用することができる。反応温度は、一般的に混合物の還流温度であり、通常、約60〜120℃である。オキシムの他の都合の良い合成は、亜硝酸又は亜硝酸アルキルによる「活性」メチレン基のニトロソ化である。例えば、Organic Syntheses coll. Vol. VI (J. Wiley & Sons, New York, 1988), pp 199 and 840に記載のアルカリ条件と、例えば、Organic Synthesis coll. vol V, pp 32 and 373, coll. vol. III, pp 191 and 513, coll. vol.II, pp. 202, 204 and 363に記載の酸性条件の両方が、本発明の化合物の出発材料として使用されるオキシムの調製に適している。亜硝酸は、通常、亜硝酸ナトリウムから生成する。亜硝酸アルキルは、例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソアミルであることができる。
【0123】
記載の合成により、結果的に式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の異性体形態を形成することができる。オキシイミノ基の二重結合は、シン(シス、Z)及びアンチ(トランス、E)形の両方で、又は幾何異性体2種の混合物として存在できる。本発明において、個別の幾何異性体及び幾何異性体2種の任意の混合物の両方を使用することができる。したがって、本発明は、また、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の異性体形態の混合物に関する。
【0124】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の個別の幾何異性体(Z及びE形)及び幾何異性体2種の任意の混合物を使用することができるが、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の特定の配座(仮にZ形とする)の化合物が、他の配座(仮にE形とする)の化合物と比べてより熱的に安定であることが見出された。したがって、本発明の化合物のより好ましい使用は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の単一のより熱的に安定な異性体(仮にZ形とする)の使用である。
【0125】
出発材料として必要なオキシムの合成により、結果的に異性体形態の混合物を形成することができる。驚くべきことに、出発材料として必要なオキシムの異性体形態の混合物は、酸を用いる処理により、単一の異性体形態(仮にZ形とする)に変換されることが見出された。出発材料としてこれらのオキシムの単一異性体(Z形)を使用すると、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の熱的に安定な単一の異性体が得られる。したがって、本発明は、また、1)対応するオキシムの異性体混合物を酸で処理して、オキシムの単一の異性体形態に変換し、2)オキシムの単一の異性体形態を所望の酸ハロゲン化物と反応させることによる、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の熱的により安定な異性体の合成方法に関する。
【0126】
したがって本発明の主題は、
(1)従来の方法により得られる式(I′)、(II′)、(III′)、(IV′)、(V′)又は(VI′):
【0127】
【化61】
【0128】
(式中、R1、R2、R3、X、Ar1、Ar1′、Ar1″、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、Y1、Y2及びY3は、請求項1と同義である)の対応する遊離オキシム化合物の異性体混合物を酸で処理し;
(2)そのように調製した単一異性体遊離オキシム化合物を、式(XV)、(XVI)又は(XVII):
R1Cl(XV),R1−O−R1(XVI),Cl−R3−Cl(XVII)
の対応する酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させることによる、請求項1記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のオキシムエステル化合物の熱的に安定な異性体の特定の調製方法である。
【0129】
オキシムの異性体混合物の、所望の単一異性体への変換反応は、通常、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又はトリフルオロメタンスルホン酸のような酸の存在下、塩化メチレン、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で実施される。そのような反応は、通常、−15℃〜+120℃、好ましくは0℃〜80℃、より好ましくは5℃〜40℃の範囲の温度で実施される。化合物は当業者に既知の方法、例えば、蒸留、再結晶、クロマトグラフ法により単離される。出発材料として式(I′)、(II′)、(III′)、(IV′)、(V′)又は(VI′)の化合物のオキシムを得る従来の方法の例は、上記に示されている。
【0130】
興味深いものは、X及びR2が両方ともフッ素である、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物である。
【0131】
興味深いものは、式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はナフチルスルホニル(ここで、基フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル及びナフチルスルホニルの基フェニル及びナフチルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C16アルキル、C1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)であり;
R2は、フッ素であり;
Ar1は、フェニレンであり;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、−S−又は−O(CO)−であるか;或いはA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、C1−C12アルキレン又はフェニレンであり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4で置換されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレン、フェニレン又は複素環の三価基であり;
Y3は、C1−C12アルキレンの四価基であり;
Xは、フッ素であり;
R4は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイル、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はナフチルスルホニル(ここで、基フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル及びナフチルスルホニルの基フェニル及びナフチルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C16アルキル、C1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)である〕の更なる化合物である。
【0132】
興味深いものは、式(I)、(II)、(IV)及び/又は(V)
〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル又はフェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲンで置換されている)であり;
R2は、ハロゲンであり;
Ar1は、フェニレンであり;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、O(CO)又はC1−C12アルキレンであり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4で置換されている)であるか;又はY1は、C2−C12アルキレン(これは、−OSO2−により中断されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレンの三価基、又は四価複素環であり;
Xは、ハロゲンであり;
R4は、水素又はC2−C18アルカノイルであり;
Ar′1は、フェニル(これは、非置換か、又はOR′4で置換されている)であり;
R′4は、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又は下記式:
【0133】
【化62】
【0134】
の基で置換されている)であり;
M+は、下記式:
【0135】
【化63】
【0136】
の基であり;そして
R15、R16、R17及びR18は、水素又はC1−C12アルキルである〕の更なる化合物及びこの化合物を含むフォトレジスト組成物である。
【0137】
興味深いものは、また、式(I)、(II)及び/又は(V)
〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル又はナフチルスルホニルであり;
R2は、ハロゲンであり;
Ar1は、フェニレンであり;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、−O−又はC1−C12アルキレンであり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4で置換されている)であるか;又はY1は、C2−C12アルキレン(これは、−OSO2−により中断されている)であり;
Y2は、三価複素環であり;
Xは、ハロゲンであり;
R4は、水素又はC2−C18アルカノイルであり;
Ar′1は、フェニル(これは、非置換か、又はOR′4で置換されている)であり;
R′4は、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又は下記式:
【0138】
【化64】
【0139】
の基で置換されている)であり;
M+は、下記式:
【0140】
【化65】
【0141】
の基であり;そして
R15、R16、R17及びR18は、水素又はC1−C12アルキルである〕
の更なる化合物及びこの化合物を含むフォトレジスト組成物である。
【0142】
特に興味深いものは、式(V)、(VI)又は(VII)
〔式中、
Ar′1は、フェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル、OR′4及び/若しくはSR′7の1個以上で置換されている)であり;
Ar″1は、下記式:
【0143】
【化66】
【0144】
の基であり;
Dは、−O−又は−S−であり;
D1は、C1−C12アルキレンであり;
R′4は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイルであり;
R′7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイルであり;
但し、基Ar′1、Ar″1、D、D1、R′4又はR′7の少なくとも1個が、下記式:
【0145】
【化67】
【0146】
の基の1〜3個で置換され;
M+は、下記式:
【0147】
【化68】
【0148】
の基であり;
L-は、Cl-、Br-又はI-であり;
R15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素又はフェニルであるか;或いはR15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、C1−C12アルキル(これは、非置換か、又は基ヒドロキシ及び/若しくはフェニルの1個以上で置換されている)であり;
R20、R21及びR22は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20、R21及びR22は、互いに独立して、C1−C12アルキルであり;
R23及びR24は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)である〕
の化合物である。
【0149】
特に好ましくは下記である。
【0150】
【化69】
【0151】
明らかに、メチルスルホニル又はメチルカルボニル基も、他の長鎖アルキルスルホニル又はアルキルカルボニル基で置き換えることができる。また、オキシム−O−アルキルスルホナートのメチル又はプロピル基は、他のアルキル又はアリール基で容易に置き換えることができる。これらの化合物も本発明の主題である。
【0152】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物は、フォトレジストにおける感光酸供与体として使用できる。レジスト系は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物を含む系を像様式に照射し、続いて現像工程に付すことにより調製できる。
【0153】
化学増幅型フォトレジストは、放射線感受性成分が触媒量の酸を供給し、それが次にレジストの酸感受性成分の少なくとも1種の化学反応に触媒作用を及ぼすレジスト組成物であると理解される。結果として、レジストの照射領域と非照射領域との間に溶解度の差が誘導される。この方法の触媒特性のため、1個の酸分子が、反応性ポリマーマトリックスを通して拡散して、1つの反応部位から次の反応部位へと複数の部位で、任意の二次反応により捕捉又は破壊されるまで反応を引き起こすことができる。したがって、レジストの暴露領域と非暴露領域との間の溶解度に大きな差を誘導するために、少量の酸濃縮物で十分である。そのため、少量の潜在的酸化合物のみが必要である。その結果、光学結像する暴露波長において高いコントラスト及び高い透明性を有するレジストが配合でき、高い感光性で、切り立った垂直の像プロフィールを作り出す。しかし、この触媒処理のため、レジストを保管する間、又は処理の間に酸が発生しないように、潜在的酸触媒が、(照射されない限り)化学的及び熱的に非常に安定であることが必要であり、ほとんどの場合、触媒反応を開始させる又は完了させるために、暴露後ベーキング工程が必要となり、結果的に溶解度に差をもたらす。また、マイクロエレクトロニクス製造工程におけるこれらのレジストの適用を妨害するあらゆる粒子の発生を防ぐため、液体レジスト配合物及び固体レジストフィルム中の潜触媒が良好な溶解度を有することが必要である。
【0154】
対照的に、化学増幅型機構に基づかないポジ型レジスト材料は、高濃度の潜在的酸を含有しなければならないが、その理由は、アルカリ性現像液中で暴露領域の増加された溶解度に寄与するのは、暴露下で潜在的酸から発生した酸濃縮物のみだからである。少量の酸濃縮物は、そのようなレジストの溶解速度の変化に対して僅かな効果しかなく、反応は、ここでは典型的には暴露後ベーキングなしで進められるため、潜在的酸の化学及び熱安定性に関する要件は、化学増幅型ポジ型レジストよりも厳しくない。これらのレジストは、また、暴露領域において、アルカリ性現像液中で十分な溶解度を達成するのに十分な酸を発生させるため、より高い暴露量を必要とし、そしてまた、比較的低い光透過性(高濃度の潜在的酸が必要なため)、またそのために低い解像度及び傾斜像の欠点を有する。したがって非化学増幅の技術に基づくレジスト組成物は、化学増幅型レジストと比較して、感光性、解像度及び画質において劣っている。
【0155】
上記から、潜触媒の化学及び熱安定性は、化学増幅型レジストに極めて重要であり、非化学増幅型レジストで作用しうる潜在的酸は、異なる酸拡散要件、酸強度要件並びに熱及び化学安定性要件のため、化学増幅型レジストに限らずしも適用できるとはいえないことが明らかである。
【0156】
好ましくは、X及びR2が両方ともフッ素の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物である、フォトレジスト組成物である。
【0157】
本発明の好ましい化学増幅型フォトレジスト組成物は、式(I)、(II)、(III)及び(IV)
〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はナフチルスルホニル(ここで、基フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル及びナフチルスルホニルの基フェニル及びナフチルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C16アルキル若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)であり;
R2はフッ素であり;
Ar1は、フェニレンであり;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、−S−又は−O(CO)−であるか;或いはA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、C1−C12アルキレン又はフェニレンであり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4で置換されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレン、フェニレン又は複素環の三価基であり;
Y3は、C1−C12アルキレンの四価基であり;
Xは、フッ素であり;
R4は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイル、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はナフチルスルホニル(ここで、基フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル及びナフチルスルホニルの基フェニル及びナフチルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C16アルキル若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)である〕
の化合物を含むものである。
【0158】
特に興味深いものは、式(V)、(VI)又は(VII)
〔式中、
Ar′1は、フェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル、OR′4及び/若しくはSR′7の1個以上で置換されている)であり;
Ar″1は、下記式:
【0159】
【化70】
【0160】
の基であり;
Dは、−O−又は−S−であり;
D1は、C1−C12アルキレンであり;
R′4は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイルであり;
R′7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、ベンゾイルであり;
但し、基Ar′1、Ar″1、D、D1、R′4又はR′7の少なくとも1個が、下記式:
【0161】
【化71】
【0162】
の基1〜3個で置換され;
M+は、下記式:
【0163】
【化72】
【0164】
の基であり;
L-は、Cl-、Br-又はI-であり;
R15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素又はフェニルであるか;或いはR15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、C1−C12アルキル(これは、非置換か、又は基ヒドロキシ及び/若しくはフェニルの1個以上で置換されている)であり;
R20、R21及びR22は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20、R21及びR22は、互いに独立して、C1−C12アルキルであり;
R23及びR24は、互いに独立してフェニル(これは、非置換か、又は基C1−C12アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシの1個以上で置換されている)である〕
の化合物を含む、化学増幅型フォトレジスト組成物である。
【0165】
本発明の他の好ましい組成物では、基Ar1、Ar′1、及びAr″1は、酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基で置換されている。
【0166】
レジストの照射の間又は後に、レジスト材料の酸触媒反応の結果として起こる照射部分と非照射部分のレジストの溶解度の差は、レジストに存在する更なる構成成分に応じて2つの種類が存在する。本発明の組成物が、照射後に現像液中で組成物の溶解度を増加させる成分を含む場合、レジストはポジ型である。したがって、本発明は化学増幅型ポジ型フォトレジストに関する。
【0167】
他方、配合物の成分が、照射後に組成物の溶解度を減少させる場合、レジストはネガ型である。したがって、本発明は化学増幅型ネガ型フォトレジストにも関する。
【0168】
レジスト配合物に追加的に存在するアルカリ可溶性結合剤樹脂の溶解速度を非照射領域において減速させ、そして非照射領域では実質的にアルカリ不溶性であるため、アルカリ溶液で現像した後で非照射領域にレジストフィルムが残留するが、酸の存在下で開裂するか、又は反応生成物がアルカリ性現像液中で可溶性になるように転位されうるモノマー若しくはポリマー化合物も、以下、溶解抑制剤という。
【0169】
本発明は、特定の実施態様として、
(a1)酸の存在下で分解し、照射領域において、アルカリ性現像水溶液中でのレジストフィルムの溶解度を増加させる酸不安定基を有するポリマーの少なくとも1種、及び
(b)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の少なくとも1種を含む、
化学増幅型ポジ型アルカリ現像性フォトレジスト組成物を含む。
【0170】
本発明の更なる実施態様は、
(a2)酸の存在下で分解し、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基を少なくとも1個有するモノマー又はポリマー溶解抑制剤の少なくとも1種、及びアルカリ可溶性ポリマーの少なくとも1種、並びに
(b)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の少なくとも1種を含む、化学増幅型ポジ型アルカリ現像性フォトレジスト組成物である。
【0171】
本発明の他の特定の実施態様は、
(a1)酸の存在下で分解し、照射領域において、アルカリ性現像水溶液中での溶解度を増加させる酸不安定基を有するポリマーの少なくとも1種;
(a2)酸の存在下で分解し、照射領域において、アルカリ性溶解度を増加させる酸不安定基を少なくとも1個有するモノマー又はオリゴマー溶解抑制剤;
(a3)アルカリ性現像液中で、レジストフィルムの非照射領域において、実質的不溶性が依然として保持される濃度のアルカリ可溶性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物、及び
(b)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の少なくとも1種を含む、化学増幅型ポジ型アルカリ現像性フォトレジスト組成物である。
【0172】
したがって、本発明は、
(a1)酸の存在下で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基を有するポリマーの少なくとも1種、及び/又は
(a2)酸の存在下で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基を有するモノマ−又はオリゴマー溶解抑制剤の少なくとも1種、及び/又は
(a3)アルカリ可溶性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の少なくとも1種;並びに
(b)感光性酸供与体として、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の少なくとも1種を含む、化学増幅型フォトレジスト組成物に関する。
【0173】
組成物は、成分(b)に加えて、他の感光性酸供与体及び/又は(c)他の添加剤を含んでよい。
【0174】
そのような化学増幅型ポジ型レジスト系は、例えば、E. Reichmanis, F. M. Houlihan, O. Nalamasu, T. X. Neenan, Chem. Mater. 1991, 3, 394; 又は C. G. Willson, "Introduction to Microlithography, 2nd. Ed.; L. S. Thompson, C. G. Willson, M. J. Bowden, Eds., Amer. Chem. Soc., Washington DC, 1994, p. 139に記載されている。
【0175】
酸の存在下で分解して芳香族ヒドロキシ基、カルボキシル基、ケト基及びアルデヒド基を生じ、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基の適切な例は、例えば、アルコキシアルキルエーテル基、テトラヒドロフラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、tert−アルキルエステル基、トリチルエーテル基、シリルエーテル基、アルキルカルボナート基、例としてはtert−ブチルオキシカルボニルオキシ−、トリチルエステル基、シリルエステル基、アルコキシメチルエステル基、クミルエステル基、アセタール基、ケタール基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラフラニルエステル基、第三級アルキルエーテル基、第三級アルキルエステル基等である。
【0176】
酸の作用より分解して、このポリマーを含むレジストフィルムの溶解度をアルカリ性現像液中で向上させることができる官能基を含むポリマーを、本発明のポジ型レジスに組み込むことができ、その主鎖及び/又は側鎖、好ましくはその側鎖に酸不安定基を有していてもよい。
【0177】
本発明における使用に適切な酸不安定基を有するポリマーは、アルカリ可溶性基を部分的に若しくは完全に対応する酸不安定基に変換するか、又は予め酸不安定基が結合しているモノマーを直接(共)重合する、例えば、EP254853、EP878738、EP877293、JP−A−2−25850、JP−A−3−223860及びJP−A−4−251259の開示と同様のポリマー反応により得ることができる。
【0178】
本発明における、ポリマー主鎖に酸不安定基のペンダント基を有するポリマーは、好ましくは、例えば、相対的に低い暴露後ベーキング温度(典型的には室温から110℃)で完全に開裂するシリルエーテル、アセタール、ケタール及びアルコキシアルキルエステル基(「低活性化エネルギーブロッキング基」という)を有するポリマー、並びに、例えば、酸の存在下、脱ブロッキング反応を完了させるためにより高いベーキング温度(典型的には>110℃)を必要とする、エステル結合の酸素原子に隣接して第二級若しくは第三級炭素原子を含むtert−ブチルエステル基、又はtert−ブチルオキシカルボニル(TBOC)基、又は他のエステル基(「高活性化エネルギーブロッキング基」という)を有するポリマーである。ハイブリッド系も適用でき、ここでは、高活性化エネルギーブロッキング基、ならびに低活性化エネルギーブロッキング基の両方が、1つのポリマーに存在する。あるいはまた、それぞれ化学的に異なるブロッキング基を使用するポリマーのポリマーブレンドを、本発明の感光性ポジ型レジスト組成物に使用できる。
【0179】
酸不安定基を有する好ましいポリマーは、下記の特定のモノマー型を含むポリマー及びコポリマーである:
1)酸の存在下で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基を含むモノマー、及び
2)酸不安定基を含まず、アルカリ性溶解度に寄与する基を含まないモノマー、及び/又は
3)ポリマーのアルカリ性水溶液における溶解度に寄与するモノマー。
【0180】
1)型のモノマーの例は下記である:
非環状又は環状第二級及び第三級アルキル(メタ)アクリラート、例えば、t−ブチルアクリラートを含むブチルアクリラート、t−ブチルメタクリラートを含むブチルメタクリラート、3−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリラート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリラート、2−メチルーアダマンチル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、ノルボルニル(メタ)アクリラート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシノルボルニルアルコールアクリラート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロドデカンメタノールメタクリラート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリラート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシノルボニルアルコールアクリラート、(2−テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロドデカンメタノールメタクリラート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリラートo−/m−/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシ)スチレン、o−/m−/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシ)スチレン、o−/m−/p−テトラヒドロピラニルオキシスチレン、o−/m−/p−アダマンチルオキシスチレン、o−/m−/p−シクロヘキシルオキシスチレン、o−/m−/p−ノルボルニルオキシスチレン、非環状又は環状アルコキシカルボニルスチレン、例えば、p−t−ブトキシカルボニルスチレンを含むo−/m−/p−ブトキシカルボニルスチレン、o−/m−/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシカルボニル)スチレン、o−/m−/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル)スチレン、o−/m−/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルスチレン、o−/m−/p−アダマンチルオキシカルボニルスチレン、o−/m−/p−シクロヘキシルオキシカルボニルスチレン、o−/m−/p−ノルボニルオキシカルボニルスチレン、非環状又は環状アルコキシカルボニルオキシスチレン、例えば、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレンを含むo−/m−/p−ブトキシカルボニルオキシスチレン、o−/m−/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)スチレン、o−/m−/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルオキシ)スチレン、o−/m−/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシスチレン、o−/m−/p−アダマンチルオキシカルボニルオキシスチレン、o−/m−/p−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシスチレン、o−/m−/p−ノルボルニルオキシカルボニルオキシスチレン、非環状又は環状アルコキシカルボニルアルコキシスチレン、例えば、o−/m−/p−ブトキシカルボニルメトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルメトキシスチレン、o−/m−/p−(3−オキソシクロヘキシルオキシカルボニルメトキシ)スチレン、o−/m−/p−(1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニルメトキシ)スチレン、o−/m−/p−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメトキシスチレン、o−/m−/p−アダマンチルオキシカルボニルメトキシスチレン、o−/m−/p−シクロヘキシルオキシカルボニルメトキシスチレン、o−/m−/p−ノルボルニルオキシカルボニルメトキシスチレン、トリメチルシロキシスチレン、ジメチル(ブチル)シロキシスチレン、不飽和アルキルアセタート、例えば、イソプロペニルアセタート及びそれらの誘導体。
【0181】
低活性化エネルギー酸不安定基を有する1)型のモノマーは、例えば、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)−スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルプロポキシ)メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシエトキシ)−スチレン、p−又はm−(1−メトキシエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシ−1−メチルプロポキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−エトキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−エトキシエトキシ)−メチルスチレン、p−(1−エトキシフェニル−エトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−プロポキシエトキシ)―メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシ−1−メチルプロポキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシプロポキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソプロポキシプロポキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−n−ブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ブトキシエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−tert−ブトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ペントキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−イソアミルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−n−ヘキシルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−シクロヘキシルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−ベンジルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−ベンジルオキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)スチレン、p−又はm−(1−トリメチルシリルオキシ−1−メチルエトキシ)−メチルスチレンを含む。アルコキシアルキルエステル酸不安定基を有するポリマーの他の例は、US5225316及びEP829766に示されている。アセタールブロッキング基を有するポリマーの例は、US5670299、EP780732、US5627006、US5558976、US5558971、US5468589、EP704762、EP762206、EP342498、EP553737に示され、ACS Symp. Ser. 614, Microelectronics Technology, pp. 35-55 (1995) 及び J. Photopolymer Sci. Technol. Vol. 10, No. 4 (1997), pp. 571-578に記載されている。本発明で使用されるポリマーはこれらに限定されない。
【0182】
酸不安定基としてアセタール基を有するポリマーに関して、例えば、H. T. Schacht, P. Falcigno, N. Muenzel, R. Schulz, and A. Medina, ACS Symp. Ser. 706 (Micro- and Nanopatterning Polymers), p. 78-94, 1997; H. T. Schacht, N. Muenzel, P. Falcigno, H. Holzwarth, and J. Schneider, J. Photopolymer Science and Technology, Vol.9, (1996), 573-586で記載されたように、酸不安定架橋を組み込むことが可能である。この架橋系は、レジストパターンの耐熱性の観点から好ましい。
【0183】
高活性化エネルギー酸不安定基を有するモノマーは、例えば、p−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン、tert−ブチル−アクリラート、tert−ブチル−メタクリラート、2−メチル−2−アダマンチル−メタクリラート、イソボルニル−メタクリラートである。
【0184】
2)型のコモノマーの例は下記である:
芳香族ビニルモノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、α−メチルナフチレン、アセナフチレン、ビニル脂環式化合物、例えば、ビニルノルボルナン、ビニルアダマンタン、ビニルシクロヘキサン、アルキル(メタ)アクリラート、例えば、メチルメタクリラート、アクリロニトリル、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサノール、ならびに無水マレイン酸。
【0185】
3)型のコモノマーの例は下記である:
ビニル芳香族化合物、例えば、ヒドロキシスチレン、アクリル酸化合物、例えば、メタクリル酸、エチルカルボニルオキシスチレン及びそれらの誘導体。これらのポリマーは、例えば、US5827634、US5625020、US5492793、US5372912、EP660187、US5679495、EP813113及びEP831369に記載されている。更なる例は、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、アクリル酸、4−ペンテン酸、プロピオン酸、2−ブチン酸、マレイン酸、フマル酸及びアセチルカルボン酸である。本発明で使用されるポリマーはこれらに限定されない。
【0186】
ポリマー中の酸不安定モノマーの含有量は、他のコモノマーの量及び脱保護ポリマーの溶解度に応じて広範囲で変更してよい。典型的には、ポリマーにおける酸不安定基を有するモノマーの含有量は5〜60mol%である。含有量が少なすぎると現像速度が遅くなりすぎ、結果的に照射領域にレジストが残留する。酸不安定基モノマーの含有量が多すぎると、現像後のレジストパターンは不十分にしか確定されず(侵食されている)、狭い造形はもはや解像できないか、及び/又はレジストは現像間に、基板への付着力を失う。好ましくは、酸不安定基を有するコポリマーは、約3,000〜約200,000、より好ましくは約5,000〜約50,000のMWを有し、約3以下の分子量分布、より好ましくは約2以下の分子量分布を有する。非フェノール性ポリマー、例えば、t−ブチルアクリラート又はt−ブチル−メタクリラートのようなアルキルアクリラートと、ビニルノルボナニル又はビニルシクロヘキサノール化合物のようなビニル脂環式化合物とのコポリマーも、そのようなラジカル重合又は他の既知の手順により調製することができ、約8,000〜約50,000のMWを有し、約3以下の分子量分布を有する。適切には他のコモノマーを、ポリマー等のガラス移転点を制御する目的で適切な量で加えてよい。
【0187】
本発明において、酸不安定基を有するポリマーの2種以上の混合物を使用してもよい。例えば、極めて容易に開裂される酸不安定基、例えばアセタール基又はテトラヒドロピラニルオキシ基を有するポリマーと、例えば第三級アルキルエステル基のようなあまり容易には開裂しない酸開裂性基を有するポリマーの混合物の使用である。また、tert−ブチルエステル基及び2−メチル−アダマンチル基、又は1−エトキシ−エトキシ基及びテトラヒドロピラノイルオキシ基のような異なる酸開裂性基を有するポリマーの2種以上をブレンドすることにより、異なる大きさの酸開裂性基を組み合わせることができる。非架橋樹脂と架橋樹脂の混合物も使用してよい。本発明におけるこれらのポリマーの量は、固形成分の総量に基づき、好ましくは30〜99重量%、より好ましくは50〜98重量%である。酸不安定基のないアルカリ可溶性樹脂又はモノマー若しくはオリゴマー化合物を、アルカリ溶解度を制御するために組成物に更に混和してよい。異なる酸不安定基を有するポリマーとのポリマーブレンドの例は、EP780732、EP679951及びUS5817444に示されている。
【0188】
好ましくは、モノマー及びオリゴマー溶解抑制剤(a2)が本発明において使用される。本発明に使用される酸不安定基を有するモノマー又はオリゴマー溶解抑制剤は、分子構造に、酸の存在下で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を増加させる酸不安定基を少なくとも1個有する化合物である。例は、アルコキシメチルエーテル基、テトラヒドロフラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、アルコキシエチルエーテル基、トリチルエーテル基、シリルエーテル基、アルキルカルボナート基、トリチルエステル基、シリルエステル基、アルコキシメチルエステル基、ビニルカルバマート基、第三級アルキルカルバマート基、トリチルアミノ基、クミルエステル基、アセタール基、ケタール基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラフラニルエステル基、第三級アルキルエーテル基、第三級アルキルエステル基等である。本発明に使用される酸分解性溶解抑制化合物の分子量は、3,000以下、好ましくは100〜3,000、より好ましくは200〜2,500である。
【0189】
酸不安定基を有するモノマー及びオリゴマー溶解抑制剤は、EP0831369において式(I)〜(XV)として記載されている。酸不安定基を有する他の適切な溶解抑制剤は、US5356752、US5037721、US5015554、JP−A−1−289946、JP−A−1−289947、JP−A−2−2560、JP−A−3−128959、JP−A−3−158855、JP−A−3−179353、JP−A−3−191351、JP−A−3−200251、JP−A−3−200252、JP−A−3−200253、JP−A−3−200254、JP−A−3−200255、JP−A−3−259149、JP−A−3−279958、JP−A−3−279959、JP−A−4−1650、JP−A−4−1651、JP−A−11260、JP−A−4−12356、JP−A−4−123567、JP−A−1−289946、JP−A−3−128959、JP−A−3−158855、JP−A−3−179353、JP−A−3−191351、JP−A−3−200251、JP−A−3−200252、JP−A−3−200253、JP−A−3−200254、JP−A−3−200255、JP−A−3−259149、JA−3−279958、JP−A−3−279959、JP−A−4−1650、JP−A−4−1651、JP−A−11260、JP−A−4−12356、JP−A−4−12357及び日本国特許出願番号3−33229、3−230790、3−320438、4−254157、4−52732、4−103215、4−104542、4−107885、4−107889、4−152195、4−254157、4−103215、4−104542、4−107885、4−107889及び4−152195に示されている。
【0190】
組成物は、また、ポリマー溶解抑制剤、例えば、例えばUS5354643に記載のポリアセタール、又は例えばUS5498506に記載のポリ−N,O−アセタールを、アルカリ可溶性ポリマーと組み合わせて、又は照射後に現像液におけるレジストフィルムの溶解度を増加させる酸不安定基を含有するポリマーと組み合わせて、あるいは両方の種類のポリマーと組み合わせて含有できる。
【0191】
酸不安定基を有する溶解抑制剤が式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体、アルカリ可溶性ポリマー及び/又は酸不安定基を有するポリマーと組み合わせて本発明で使用される場合、溶解抑制剤の量は、感光性組成物の全固形成分の総量に基づき、3〜55重量%、好ましくは5〜45重量%、最も好ましくは10〜35重量%である。
【0192】
アルカリ水溶液に可溶性のポリマー(a3)は、本発明に好ましく使用される。これらのポリマーの例には、ノボラック樹脂、水素化ノボラック樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲン−又はアルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ヒドロキシスチレン/N置換マレイミドコポリマー、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレンコポリマー、部分o−アルキル化ポリ(ヒドロキシスチレン)〔例えば、ヒドロキシル基の置換度5〜30mol%を有するo−メチル化、o−(1−メトキシ)エチル化、o−(1−エトキシ)エチル化、o−2−テトラヒドロピラニル化及びo−(t−ブトキシカルボニル)メチル化ポリ(ヒドロキシスチレン)〕、o−アシル化ポリ(ヒドロキシスチレン)〔例えば、ヒドロキシル基の置換度5〜30mol%を有するo−アセチル化及びo−(t−ブトキシ)カルボニル化ポリ(ヒドロキシスチレン)〕、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、スチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー、α−メチルスチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー、カルボキシル化メタクリル樹脂及びこれらの誘導体が含まれる。更に適切には、ポリ(メタ)アクリル酸〔例えば、ポリ(アクリル酸)〕、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリラートコポリマー〔例えば、アクリル酸/メチルアクリラートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリラートコポリマー又はメタクリル酸/メチルメタクリラート/t−ブチルメタクリラートコポリマー〕、(メタ)アクリル酸/アルケンコポリマー〔例えば、アクリル酸/エチレンコポリマー〕、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリルアミドコポリマー〔例えば、アクリル酸/アクリルアミドコポリマー〕、(メタ)アクリル酸/塩化ビニルコポリマー〔例えば、アクリル酸/塩化ビニルコポリマー〕、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニルコポリマー〔例えば、アクリル酸/酢酸ビニルコポリマー〕、マレイン酸/ビニルエーテルコポリマー〔例えば、マレイン酸/メチルビニルエーテルコポリマー〕、マレイン酸モノエステル/メチルビニルエステルコポリマー〔例えば、マレイン酸モノメチルエステル/メチルビニルエーテルコポリマー〕、マレイン酸/(メタ)アクリル酸コポリマー〔例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー又はマレイン酸/メタクリル酸コポリマー〕、マレイン酸/(メタ)アクリラートコポリマー〔例えば、マレイン酸/メチルアクリラートコポリマー〕、マレイン酸/塩化ビニルコポリマー、マレイン酸/酢酸ビニルコポリマー及びマレイン酸/アルケンコポリマー〔例えば、マレイン酸/エチレンコポリマー及びマレイン酸/1−クロロプロペンコポリマー〕である。しかし、本発明に使用されるアルカリ可溶性ポリマーは、これらの例に限定されると解釈されるべきではない。特に好ましいアルカリ可溶性ポリマー(a3)は、ノボラック樹脂、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、それぞれのヒドロキシスチレンモノマー、例えば、p−ビニルシクロヘキサノール、アルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、部分o−又はm−アルキル化及びo−又はm−アシル化ポリ(ヒドロキシスチレン)とのコポリマー、スチレン/ヒドロキシスチレンコポリマー、並びにα−メチルスチレン/ヒドロキシスチレンコポリマーである。ノボラック樹脂は、主成分として所定のモノマーの1種以上を、酸触媒の存在下、アルデヒドの1種以上と付加縮合して得られる。
【0193】
アルカリ可溶性樹脂の調製に有用なモノマーの例には、ヒドロキシル化芳香族化合物、例えば、フェノール、クレゾール、例としてはm−クレゾール、p−クレゾール及びo−クレゾール、キシレノール、例としては2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール及び2,3−キシレノール、アルコキシフェノール、例としてはp−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール及びp−ブトキシフェノール、ジアルキルフェノール、例としては2−メチル−4−イソプロピルフェノール、並びにm−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール及びナフトールを含む他のヒドロキシル化芳香族化合物が含まれる。これらの化合物を、単独で、又は2種以上の混合物として使用してもよい。ノボラック樹脂の主要なモノマーは、上記例に限定されると解釈されるべきではない。フェノール化合物と重縮合してノボラックを得るアルデヒドの例には、ホルムアルデヒド、p−ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピオンアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド,p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール誘導体、例えば、クロロアセトアルデヒドジエチルアセタールが含まれる。これらのうち好ましくはホルムアルデヒドである。これらのアルデヒドは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。酸触媒の例には,塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸及びシュウ酸が含まれる。
【0194】
このようにして得られるノボラック樹脂の重量平均分子量は、適切には1,000〜30,000である。その重量平均分子量が1,000より低い場合、現像中の非照射領域での膜減少が大きくなる傾向がある。重量平均分子量が50,000を超える場合、現像速度が遅くなりすぎる。ノボラック樹脂の分子量の特に好ましい範囲は、2,000〜20,000である。ノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性ポリマーとして上記で示されたポリ(ヒドロキシスチレン)並びにそれらの誘導体及びコポリマーは、それぞれ2,000以上、好ましくは4,000〜200,000、より好ましくは5,000〜50,000の重量平均分子量を有する。向上された耐熱性を有するポリマーフィルムを得る観点から、その重量平均分子量は、望ましくは、少なくとも5,000以上である。本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン基準を用いて検量されるものを意味する。
【0195】
本発明において、アルカリ可溶性ポリマーをそれらの2種以上の混合物として使用してもよい。アルカリ可溶性ポリマーと、酸の作用で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を向上させる基を有するポリマーとの混合物が使用される場合、アルカリ可溶性ポリマーの添加量は、感光性組成物の総量(溶媒を除く)に基づき、好ましくは80重量%まで、より好ましくは60重量%まで、最も好ましくは40重量%までである。80重量%を超える量は、レジストパターンが厚さの著しい減少を被り、その結果として劣悪な画像及び低解像度となるため望ましくない。
アルカリ可溶性ポリマーを、酸の作用で分解して、アルカリ性現像水溶液において溶解度を向上させる基を有するポリマーのない溶解抑制と共に使用する場合、アルカリ可溶性ポリマーの量は、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜85重量%、最も好ましくは60〜80重量%である。その量が40重量%より少ない場合、感受性の減退のような望ましくない結果が引き起こされる。一方、90重量%を超えると、レジストパターンが膜厚の著しい減少を被り、その結果として劣悪な解像度及び画像再生となる。
【0196】
本発明のポジ型レジスト中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体(成分(b))の含有量は、フォトレジストの全固形成分の総量に基づき、好ましくは0.01〜20重量%である。
【0197】
化学増幅系における本発明のオキシム誘導体の使用は、主にポリマーから保護基を除去する働きをし、一般的にポジ型レジストを生成する。ポジ型レジストは、多くの用途において、特にその高い解像度のためネガ型レジストよりも好まれる。しかし、ポジ型レジストの高度な解像度という利点をネガ型レジストの特性と組み合わせるため、ポジ型レジストのメカニズムを使用してネガ型の像を作り出すことも興味深い。これは、例えば、EP361906に記載のいわゆる画像反転工程(image-reversal step)を導入して達成できる。このために、像様に照射されたレジスト材料を、現像工程の前に、例えば気体の塩基で処理し、生じた酸をそれにより像様に中和する。次に全面に2回目の照射及び熱後処理を実施し、次にネガ像を慣用の方法により現像する。
【0198】
ネガ型レジストを生成する酸感受性成分は、特に、酸(例えば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の照射間に酸が形成される)により触媒作用を受けると、それ自体で、及び/又は組成物の更なる成分の1種以上と架橋反応を起こすことができる化合物であることを特徴とする。例えばこの種の化合物は、例えばアクリル、ポリエステル、アルキド、メラミン、尿素、エポキシ及びフェノール樹脂又はそれらの混合物のような既知の酸硬化性樹脂である。アミノ樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂が極めて適している。この種の酸硬化性樹脂は、一般的に既知であり、例えば、Ullmann's Encyclopaedie der technischen Chemie" [Ullmanns Enceclopedia of Technical Chemistry], 4th Edition, Vol. 15 (1978), p. 613 - 628に記載されている。架橋剤成分は、ネガ型レジスト組成物の全固形分に基づき、2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の濃度で存在するべきである。
【0199】
したがって本発明は、特別な実施態様として、
(a4)結合剤としてアルカリ可溶性樹脂、
(a5)酸の触媒作用を受けると、それ自体で、及び/又は結合剤と架橋反応を起こす成分、並びに
(b)感光性酸供与体として、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体を含む、化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を含む。組成物は、成分(b)に加えて、他の感光性酸供与体及び/又は(c)他の添加剤を含んでよい。
【0200】
酸硬化性樹脂(a5)として特に好ましくは、アミノ樹脂、例えば、非エーテル化若しくはエーテル化メラミン、尿素、グアニジン又はビウレット樹脂、特にメチル化メラミン樹脂又はブチル化メラミン樹脂、対応するグリコールウリル及びウロンである。この文脈において「樹脂」とは、一般的にオリゴマーも含む慣用技術の混合物と、純粋及び高純度の化合物の両方であることが理解される。N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン及びテトラメトキシメチルグリコウリル並びにN,N′−ジメトキシメチルウロンは、最も好ましい酸硬化性樹脂である。
【0201】
ネガ型レジスト中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)化合物の濃度は、一般的に、組成物の全固形分に基づき、0.1〜30重量%、好ましくは20重量%までである。1〜15重量%が特に好ましい。
【0202】
適切であれば、ネガ型組成物は、フィルム形成ポリマー結合剤(a4)を含んで良い。この結合剤は好ましくは、アルカリ可溶性フェノール樹脂である。このために好適なものは、例えば、アルデヒドから、例としてはアセトアルデヒド又はフルフルアルデヒドから、特にホルムアルデヒドから誘導されるノボラック、及びフェノール、例えば、非置換フェノール、モノ−又はジクロロ置換フェノール、例としてはp−クロロフェノール、C1−C9アルキルで一又は二置換されているフェノール、例としてはo−、m−若しくはp−クレゾール、種々のキシレノール、p−tert−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。また適切なものは、エチレン性不飽和フェノールに基づくホモ−及びコポリマーであり、例えば、p−ビニルフェノール又はp−(1−プロペニル)フェノールのようなビニル−及び1−プロペニル置換フェノールのホモポリマー、又はこれらのフェノールと、エチレン性不飽和物質、例えばスチレンの1種以上とのコポリマーである。結合剤の量は、一般的に30〜95重量%、好ましくは40〜80重量%である。
【0203】
特に好ましいネガ型レジスト組成物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体(成分(b))を0.5〜15重量%、結合剤としてフェノール樹脂(成分(a4))(例えば上記のうちの1種)を40〜99重量%、架橋剤としてメラミン樹脂(成分(a5))を0.5〜30重量%含む(%は組成物の固形分に関する)。結合剤としてノボラック、又は特にポリビニルフェノールを用いると、特に良好な特性を有するネガ型レジストが得られる。
【0204】
オキシム誘導体も酸発生剤として使用でき、例えば、ネガ型レジスト系においてポリ(グリシジル)メタクリラートを酸触媒架橋するために光化学的に活性化できる。そのような架橋反応は、例えば、Chae et al. in Pollimo 1993, 17(3), 292に記載されている。
【0205】
ポジ型及びネガ型レジスト組成物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の感光性酸供与体化合物に加えて、更なる感光性酸供与体化合物(b1)、更なる添加剤(c)、他の光開始剤(d)及び/又は増感剤(e)を含んでいてもよい。したがって、本発明の主題は、また、成分(a)及び(b)、又は成分(a1)、(a2)、(a3)及び(b)、又は成分(a4)、(a5)及び(b)に加えて、更なる添加剤(c)、更なる感光性酸供与体化合物(b1)、他の光開始剤(d)及び/又は増感剤(e)を含む、上記の化学増幅型レジスト組成物である。
【0206】
ポジ型及びネガ型レジストにおける本発明のオキシム誘導体はまた、他の既知の光潜在的酸(b1)、例えば、オニウム塩、6−ニトロベンジルスルホナート、ビス−スルホニルジアゾメタン化合物、シアノ基含有オキシムスルホナート化合物等と共に使用できる。化学増幅型レジストのための既知の光潜在的酸の例は、US5731364、US5800964、EP704762、US5468589、US5558971、US5558976、特にEP794457及びEP795786に記載されている。光潜在的酸の混合物が本発明のレジスト組成物に使用される場合、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体と他の光潜在的酸(b1)の混合物における重量比は、好ましくは1:99〜99:1である。
【0207】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物と混合して使用することに適切な光潜在的酸の例は、下記である。
(1)オニウム塩化合物、例えば、
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩。好ましくは、ジフェニルヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホナート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフラート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホナート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホナート等である。特に好ましくはトリフェニルスルホニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナートである。
(2)ハロゲン含有化合物、
ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物等。好ましくは、(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体、例えば、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等;1,1−ビス(4−クロロフェニル)2,2,2−トリクロロエタン等である。
(3)スルホン化合物、例えば、
β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン及びそれらのα−ジアゾ誘導体等。好ましくはフェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンである。
(4)スルホナート化合物、例えば、
アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホナート、イミドスルホナート等。好ましいイミドスルホナート化合物は、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド等である。他の適切なスルホナート化合物は、好ましくは例えば、ベンゾイントシラート、ピロガロールトリストリフラート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエチオキシアントラセン−2−スルホナート、α−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−2−チエニルメチルシアニド、α−(メタンスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、(4−メチルスルホニルオキシイミノ−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−フェニル−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−フェニル−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−クロロフェニル)−アセトニトリル等である。本発明の放射線感受性組成物において、特に好ましいスルホナート化合物には、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド等が含まれる。
(5)キノンジアジド化合物、例えば、
ポリヒドロキシ化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル化合物。好ましくは、1,2−キノンジアジドスルホニル基、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等を有する化合物である。特に好ましくは、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を有する化合物である。特に適切なものは、(ポリ)ヒドロキシフェニルアリールケトン、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′―テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,3,4,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,3,2,6′−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3′,4,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3′,4,4′,5′,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル;ビス−〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカン、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(2,3,4−トリドロキシフェニル)プロパン等の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル;(ポリ)ヒドロキシフェニルアルカン、例えば、4,4′−ジヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,5,5′−テトラメチル−2,2′,2″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,2,5,5′−テトラメチル−4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−〔1−(ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル)エタン等の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル;(ポリ)ヒドロキシフェニルフラバン、例えば、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシ−2−フェニルフラバン、2,4,4−トリメチル−2′,4′,5′,6,7−ペンタヒドロキシ−2−フェニルフラバン等の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルである。
【0208】
本発明のポジ型及びネガ型フォトレジスト組成物は、場合によりフォトレジストに慣用的に使用される添加剤(c)の1種以上を当業者に慣用の量で使用してもよく、例えば、染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、流動性向上剤、湿潤剤、定着剤、チキソトロピー剤、着色剤、充填剤、溶解促進剤、酸増幅剤、光増感剤及び塩基性有機化合物である。
【0209】
本発明のレジスト組成物に使用できる塩基性有機化合物の更なる例は、フェノールより強力な塩基の化合物であり、特に窒素含有塩基性化合物である。これらの化合物は、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩のようなイオン性、又は非イオン性であってよい。好ましい塩基性有機化合物は、異なる化学環境を有する窒素原子を1分子当たり2個以上有する窒素含有塩基性化合物である。特に好ましくは、置換又は非置換のアミノ基の少なくとも1個と窒素含有環構造の少なくとも1個の両方を含有する化合物、及びアルキルアミノ基の少なくとも1個を含有する化合物である。そのような好ましい化合物の例には、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン及びアミノアルキルモルホリンが含まれる。適切には、非置換の化合物又は置換されているそれらの誘導体の両方である。好ましい置換基には、アミノ、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ、ヒドロキシ及びシアノが含まれる。特に好ましい塩基性有機化合物の特定の例には、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルホリン及びN−(2−アミノエチル)モルホリンが含まれる。適切な塩基性有機化合物の他の例は、DE4408318、US5609989、US5556734、EP762207、DE4306069、EP611998、EP 813113、EP611998及びUS5498506に記載されている。しかし、本発明に適切な塩基性有機化合物は、これらの例に限定されない。窒素含有塩基性化合物は、単独で、又はその2種以上を組み合わせて使用してもよい。窒素含有塩基性化合物の添加量は、通常、感光性樹脂組成物(溶媒を除く)の100重量部当たり、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。その量が0.001重量部よりも少ない場合、本発明の効果を得ることができない。一方、10重量部を超える場合、感受性の減少及び非暴露部分の現像性に障害が起きやすい。
【0210】
組成物は、例えば、EP710885、US5663035、US5595855、US5525453及びEP611998に記載されているような、化学線で分解する塩基性有機化合物(「自殺塩基」)を更に含有することができる。
【0211】
本発明の組成物に適切な染料(c)の例は、油溶染料及び塩基性染料であり、例えば、Oil Yellow #101、Oil Yellow #103、Oil Pink #312、Oil Green BG、Oil Blue BOS、Oil Blue #603、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black T-505(全てOrient Chemical Industries Ltd., Japan)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)及びメチレンブルー(CI52015)である。
【0212】
特別の増感剤(e)を更に加えて、遠紫外よりも長い波長の領域で吸収を示すように光潜在的酸を増感してよく、それにより、本発明の感光性組成物を、例えば、i線又はg線放射線に敏感にすることができる。適切なスペクトル増感剤の例には、ベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、アントロン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビンT、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2、−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアントロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3−アシルクマリン誘導体、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)、3−(アロイルメチレン)チアゾリン、エオシン、ローダミン、エリトロシン及びコロネンが含まれる。しかし、適切なスペクトル増感剤は、これらの例に限定されない。これらのスペクトル増感剤は、光源から放射される遠紫外線を吸収する光吸収剤としても使用できる。この場合、光吸収剤は、基板からの光の反射を減少させ、レジストフィルム内の多重反射の影響を軽減し、それにより、定常波の影響を減少させる。
【0213】
更なる適切な添加剤(c)は、「酸増幅剤」であり、それは酸形成を加速させるか、又は酸濃度を上昇させる化合物である。そのような化合物は、ポジ型又はネガ型レジストにおける本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)のオキシム誘導体と組み合わせて又は結像系ならびに全ての被覆用途において使用してもよい。そのような酸増幅剤は、例えば、Arimitsu, K. et al. J. Photopolym. Sci. Technol. 1995, 8, pp 43; Kudo, K. et al. J. Photopolym. Sci. Technol. 1995, 8, pp 45; Ichimura, K. et al. Chem: Letters 1995, pp 551に記載されている。
【0214】
通常、本発明の感光性組成物を基板に塗布するには、組成物を適切な溶媒に溶解する。これらの溶媒の好ましい例には、二塩化エチレン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−エトキシエタノール、ジエチルグリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン及びテトラヒドロフランが含まれる。これらの溶媒は単独で、又は混合物として使用してよい。溶媒の好ましい例は、エステル類、例えば、2−メトキシエチルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート及び乳酸エチルである。そのような溶媒の使用は、本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で表されるオキシム誘導体が、溶媒と良好な相溶性を有し、溶媒中でより良好な溶解性を有するために有利である。
【0215】
界面活性剤を溶媒に加えることができる。適切な界面活性剤の例には、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアセチルエーテル及びポリオキシエチレンオレイルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、例としてはポリオキシエチレン、オクチルフェノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル;ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン/脂肪酸エステル、例としてはソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノーパルミタート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタントリオレアート;フルオロケミカル界面活性剤、例えば、F-top EF301、EF303及びEF352(New Akita Chemical Company, Japan)、Megafac F171及びF17.3(Dainippon Ink & Chemicals, Inc,. Japan), Fluorad FC430及びFC431(Sumitomo 3M Ltd., Japan)、Asahi Guard AG710及びSurflon S-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105及びSC106 (Asahi Grass Col, Ltd., Japan製);オルガノシロキサンポリマーKP341 (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., Japan); 並びにアクリル又はメタクリル(コ)ポリマーPoly-flow Now.75及びNO.95 (Kyoeisha Chemical Co., Ltd., Japan製)が含まれる。界面活性剤の添加量は、通常、本発明の組成物の固形成分100重量部当たり、2重量部以下、望ましくは0.5重量部以下である。界面活性剤は、単独で、又はその2種以上を組み合わせて使用してよい。
【0216】
溶液は既知の被覆方法、例えば、スピンコート、浸漬、ナイフコート、流し塗り技術、はけ塗り、スプレー及びロールコートにより基板に均一に塗布される。感光層を仮の可とう性の支持体に塗布し、次に被膜移転(積層)により最終基板を被覆することも可能である。塗布量(被覆厚)及び基板の性質(被覆基板)は、所望の適用分野により左右される。被覆厚の範囲は、原則的に、約0.01μmから100μmを超える値を含むことができる。
【0217】
被覆操作の後、一般的に溶媒を加熱して除去し、その結果、基板上にフォトレジストの層を得る。乾燥温度が、レジストの特定の成分が反応又は分解する温度よりも低いことが必要である。一般的に、乾燥温度は60〜160℃の範囲である。
【0218】
次にレジスト被覆を、像様式に照射する。表現「像様式に照射する」は、化学線を使用する所定のパターンによる照射、すなわち、所定のパターンを含むマスク、例えば、透明マスク、クロムマスク又は網線を通す照射、及び例えばコンピューター制御によりレジスト表面に直接書き込み、像を作り出すレーザー光線及び電子ビームを使用する照射の両方を含む。パターンを製造する他の方法は、例えばホログラフ用途に使用されるように、2個のビーム又は像を干渉させる方法である。例えば、A. Bertsch; J.Y. Jezequel; J.C. Andre in Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry 1997, 107 pp. 275-281 及び by K. P. Nicolay in Offset Printing 1997, 6, pp. 34-37に記載のように、画素を1個ずつアドレスしてデジタル画像を生成できる液晶製のマスクの使用も可能である。
【0219】
照射、そして必要であれば熱処理の後、組成物の照射された部位(ポジ型レジストの場合)又は非照射部位(ネガ型レジストの場合)を、現像液を使用してそれ自体既知の方法により除去する。触媒反応を加速させ、それにより現像液中でレジスト被覆の照射部分と非照射部分の溶解度に十分な差を発生させるために、好ましくは被覆を現像する前に加熱する。加熱は、照射の間に実施又は開始することもできる。60〜160℃の温度が、好ましくは使用される。時間の長さは加熱方法に左右され、必要であれば最適な長さは、数回の所定の実験によって当業者が容易に決定できる。一般的に数秒から数分である。例えば、ホットプレートを使用する場合、10〜300秒の長さが極めて適切であり、対流式オーブンを使用する場合、1〜30分の長さが極めて適切である。レジストの非照射部位において、本発明の潜在的酸供与体がこれらの加工条件下で安定であることが重要である。
【0220】
次に被覆を現像し、照射後に現像液においてより可溶になった被覆部分を除去する。必要であれば、加工物の僅かな撹拌、現像液浴中での被膜を穏やかなはけ塗り、又は噴霧現像が、この加工工程を加速できる。レジスト技術に慣用のアルカリ性現像水溶液を、例えば現像に使用してよい。そのような現像液には、例えば、水酸化ナトリウム又はカリウム、対応する炭酸塩、炭酸水素塩、ケイ酸塩又はメタケイ酸塩、好ましくは金属非含有塩基、例えば、アンモニア又はアミン、例としては、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、アルカノールアミン、例としては、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、第四級水酸化アンモニウム、例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はテトラエチルアンモニウムヒドロキシドが含まれる。現像液は、一般的に最大0.5Nまでであるが、通常、使用前に適切な方法で希釈される。例えば、約0.1〜0.3の規定度を有する溶液が好適である。現像液の選択は、光硬化性表面被覆の性質、特に使用される結合剤又は得られる光分解生成物の性質に左右される。現像水溶液は、必要であれば比較的少量の湿潤剤及び/又は有機溶媒も含有してよい。現像液に添加できる典型的な有機溶媒は、例えば、シクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、トルエン、アセトン、イソプロパノール及びこれらの溶媒2種以上の混合物である。典型的な水性/有機現像液系は、Butylcellosolve(登録商標)/水に基づいている。
【0221】
本発明の主題は、また、
(1)基板に上記の組成物を塗布し;
(2)60℃〜160℃の温度で組成物を塗布後ベーキングし;
(3)波長150nm〜1500nmの光により像様式に照射し;
(4)場合により、60℃〜160℃の温度で組成物を曝露後ベーキングし;
(5)溶媒で、又はアルカリ性現像水溶液で現像する、フォトレジストの調製方法である。
【0222】
好ましくは、像様式照射が190〜450nmの範囲、特に190〜260nmの範囲の波長の単色又は多色照射を用いて実施される方法である。
【0223】
フォトレジスト組成物は、全ての基板に、当業者に既知の全ての暴露技術を用いて使用できる。例えば、シリコン、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン化インジウムのような半導体基板、更に、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、シロキサンのような酸化物又は窒化物層で覆われた基板、ならびに、金属基板及びアルミニウム、銅、タングステン等のような金属による金属被覆基板が使用できる。基板を、フォトレジストによる被覆の前に、ポリマー材料、例えばポリマー材料の有機反射防止被膜、絶縁層及び誘電被膜で被覆することもできる。
【0224】
フォトレジスト層を、直接書き込みのような全ての慣用の技術、すなわち、レーザー光線又は投射リングラフィープリンティングによるステップアンドリピートモード若しくはスキャンモード、又はマスクを通した密着プリンティングにより暴露できる。
【0225】
投射リングラフィープリンティングの場合、干渉性、部分的な干渉性又は非干渉性照射のような広範囲の光学的条件を使用できる。これには、軸外照明技術、例えば、レンズの中心を除くレンズの特定の領域のみに放射線を通過させる環状照明及び四極照明が含まれる。
【0226】
パターンを複製するために使用されるマスクには、硬質マスク又は軟質マスクを使用できる。マスクは、透明、半透明及び不透明のパターンを含むことができる。パターンの寸法は、投射光学機器の解像限度又はそれより小さく、空中像(aerial image)、マスクを通過後の照射の強度及び位相変調を変更するように特定の方向でマスク上に設けられたパターンも含むことができる。これには、位相シフトマスク及びハーフトーン位相シフトマスクが含まれる。
【0227】
フォトレジストのパターン加工は、あらゆる所望の幾何学及び形状、例えば、密集及び分離線、コンタクトホール、溝、点等のパターンを生成させるために使用できる。
【0228】
本発明のフォトレジストは、優れたリングラフィープリンティング特性、特に、高い感受性及び像様式放射のための高いレジスト透明性を有する。
【0229】
本発明の組成物の使用が可能な分野は次である:エッチングレジスト、電気めっきレジスト又は半田レジストのような電子光学用フォトレジストとしての使用、集積回路又は薄膜トランジスタ(TFT)レジストの製造、オフセット印刷版又はスクリーン印刷ステンシルのような印刷版の製造、成形品のエッチング又は立体リングラフィープリンティング若しくはホログラフ技術における使用。被覆基板及び加工条件は適宜変更される。
【0230】
本発明の組成物は、また、木材、織物、紙、セラミック、ガラス、プラスチック、例えば、特に膜の形態のポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン又は酢酸セルロースを含むあらゆる種類の基板の被覆組成物として、しかし、特にNi、Fe、Zn、Mg、Co又は特にCu及びAl、また、Si、酸化ケイ素及び窒化ケイ素のような金属の被覆に極めて適切であり、それらに像様式照射により像が適用される。
【0231】
本発明は、また、酸の作用下で架橋されうる組成物における光潜在的酸供与体として、及び/又は酸の作用下で溶解度が増加される組成物における溶解向上剤としての、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の使用に関する。更に、本発明の主題は、酸の作用下で架橋されうる化合物を架橋する方法であって、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び/又は(VII)の化合物を上記化合物に加え、波長150〜1500nmを有する光により像様式に、又は全面を照射することを含む方法である。本発明は、また、表面被覆、プリントインク、印刷版、歯科組成物、カラーフィルタ、レジスト又は像記録材料若しくはホログラフ像を記録する像記録材料の調製における感光性酸供与体としての式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の使用、ならびに表面被覆、プリントインク、印刷版、歯科組成物、カラーフィルタ、レジスト又は像記録材料若しくはホログラフ像を記録する像記録材料の調製方法に関する。本発明の主題は、また、カラーフィルタ又は化学増幅型レジスト材料の調製における感光性酸供与体としての式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の使用である。
【0232】
既に前述したように、光架橋性組成物において、オキシム誘導体が、光で照射されると酸を放出し、それが架橋反応に触媒作用を及ぼす、潜硬化触媒として作用する。加えて、放射により放出された酸は、例えば、ポリマー構造からの酸感受性保護基の除去に、又はポリマー主鎖に酸感受性基を含有するポリマーの開裂に触媒作用を及ぼすことができる。他の用途は、例えば、酸感受性保護基で保護されている顔料のpH又は溶解度の変化に基づく、例えば、変色系である。
【0233】
本発明のオキシム誘導体は、また、例えば、JP 平 4 328552−A又はUS5237059に記載されているように、化合物がpHが変化すると色彩が変化する着色剤と共に使用される場合、いわゆる「プリントアウト」画像の生成に使用できる。そのような変色系は、EP199672に従って使用できるか、また、熱又は放射に感受性のある製品をモニターするために使用できる。変色に加えて、可溶性顔料分子の酸触媒脱保護(EP648770、EP648817及びEP742255に記載されている)の間に顔料結晶を沈殿させることが可能であり、これは、潜顔料前駆体の色彩が、沈殿した顔料結晶の色彩と異なる場合、例えばEP654711に記載のカラーフィルタの製造に使用できるか、又は印刷画像及び表示器の用途に使用できる。
【0234】
pH感受性染料又は潜顔料をオキシム誘導体と組み合わせて使用する組成物は、γ線、電子ビーム、UV若しくは可視光線のような電磁線の指示器、又は簡単な使い捨て計量計として使用できる。特に、UV又はIR光のようなヒトの目に不可視の光には、そのような計量計が興味深い。
【0235】
最後に、アルカリ性現像水溶液で可溶性が乏しいオキシム誘導体は、光誘導変換により遊離酸にして現像液に可溶性にし、それにより、これらを適切なフィルム形成樹脂と組み合わせて溶解性向上剤として使用できる。
【0236】
酸触媒により、そしてその結果本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の光潜在的酸により架橋されうる樹脂は、例えば、多官能価アルコール、又はヒドロキシ基含有アクリル及びポリエステル樹脂、又は部分的に加水分解されているポリビニルアセタール若しくはポリビニルアルコールと多官能価アセタール誘導体との混合物である。特定の条件下、例えば、アセタール官能化樹脂の酸触媒自己縮合も可能である。
【0237】
適切な酸硬化性樹脂は、一般的に、その硬化が酸触媒により加速される全ての樹脂、例えば、アミノプラスト又はフェノールレゾール樹脂である。これらの樹脂は、例えば、メラミン、尿素、エポキシ、フェノール、アクリル、ポリエステル及びアルキド樹脂であるが、特にアクリル、ポリエステル又はアルキド樹脂とメラミン樹脂の混合物である。また、含まれるものは、改質された表面被覆樹脂、例えば、アクリル改質ポリエステル及びアルキド樹脂である。アクリル、ポリエステル及びアルキド樹脂の表現に網羅される樹脂の個別の種類は、例えば、Wagner, Sarx, Lackkunstharze (Munich, 1971), pp. 86-123 and pp. 229-238, 又は Ullmann, Encyclopaedie der techn. Chemie, 4th Ed., Vol. 15 (1978), pp. 613-628, 又は Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Verlag Chemie, 1991, Vol. 18, p. 360 ff., Vol. A19, p. 371 ff.に記載されている。
【0238】
被覆用途において、表面被覆は、好ましくはアミノ樹脂を含む。その例は、エーテル化または非エーテル化メラミン、尿素、グアニジン又はビウレット樹脂である。酸触媒は、メチル化又はブチル化メラミン樹脂(N−メトキシメチル−若しくはN−ブトキシメチル−メラミン)又はメチル化/ブチル化グリコールウリルのようなエーテル化アミノ樹脂を含む表面被覆の硬化に特に重要である。他の樹脂組成物の例は、多官能価アルコール、又はヒドロキシ基含有アクリル及びポリエステル樹脂、又は部分的に加水分解されているポリビニルアセタート若しくはポリビニルアルコールと、多官能価ジヒドロプロパニル誘導体、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸の誘導体との混合物である。ポリシロキサンも、酸触媒を使用して架橋されうる。これらのシロキサン基含有樹脂は、例えば、酸触媒加水分解により自己縮合することができるか、又は多官能価アルコール、ヒドロキシ基含有アクリル若しくはポリエステル樹脂、部分的に加水分解されているポリビニルアセタール若しくはポリビニルアルコールのような第二の成分と架橋できるかのいずれかである。ポリシロキサンのこの種の重縮合は、例えば、J.J. Lebrun, H. Pode, Comprehensive Polymer Science, Vol. 5, p. 593, Pergamon Press, Oxford, 1989に記載されている。表面被覆の調製に適切な他の陽イオン重合性材料は、陽イオン機構により重合されうるエチレン性不飽和化合物であり、例えば、ビニルエーテル、例としてはメチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル;環状ビニルエーテル、例としては3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピラン(二量体アクロレイン)又は2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピランの3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸エステル;ビニルエステル、例としては酢酸ビニル及びステアリン酸ビニル;モノ−及びジオレフィン、例としてはα−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン又はN−ビニルカルバゾールである。
【0239】
特定の目的のため、重合性不飽和基を含むモノマー又はオリゴマー成分を有する樹脂混合物が使用される。そのような表面被覆も式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物を使用して硬化されうる。そのために、ラジカル重合開始剤又は光開始剤を追加的に使用できる。前者は加熱処理の間に不飽和基の重合を開始させ、後者はUV照射の間に重合を開始させる。
【0240】
本発明は、また、
(a)酸の作用で硬化する化合物、又はその溶解度が酸の作用で増加する化合物;及び
(b)感光性酸供与体として、上記の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物を少なくとも1種含む組成物に関する。
【0241】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物は、それぞれ一般的に、0.1〜30重量%、例えば、0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の量で組成物に添加される。
【0242】
本発明によると、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物は、更なる感光性酸供与体化合物(b1)、更なる光開始剤(d)、増感剤(e)及び/又は添加剤(c)と共に使用できる。適切な感光性酸供与体化合物(b1)、増感剤(e)及び添加剤(c)は上記に記載されている。
【0243】
追加の光開始剤(d)の例は、ラジカル光開始剤、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体の類からのものであり、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−若しくはα−アミノ−アセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド又はチタノセンである。特に適切な追加の光開始剤の例は次である:1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル〕−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−〔4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル〕−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトン、(4−モルホリンベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−プロパン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−ブタン−1−オン、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリン−エタン、ベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタニウム、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペンチルオキシフェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド。更なる適切な追加の光開始剤は、US4950581、第20欄、35行目から第21欄35行目において見出される。他の例は、トリハロメチルトリアジン誘導体又はヘキサアリールビスイミダゾリル化合物である。追加の光開始剤の更なる例は、例えば、US4772530、EP775706、GB2307474、GB2307473及びGB2304472に記載されているボラート化合物である。ボラート化合物は、好ましくは、例えば染料陽イオン又はチオキサントン誘導体のような電子受容体化合物と組み合わせて使用される。
【0244】
追加の光開始剤の更なる例は、過酸化物化合物、例えば、過酸化ベンゾイル(他の適切な過酸化物はUS4950581、第19欄、17行目から25行目に記載されている)、又は陽イオン性光開始剤、例えば、芳香族スルホニウム若しくはヨードニウム塩、例えば、US4950581、第18欄、60行目から第19欄、10行目において見出されるもの、又はシクロペンタジエニル−アレーン−鉄(II)錯体塩、例えば、(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスファートである。
【0245】
表面被覆は、有機溶媒又は水中の表面被覆樹脂の溶液又は分散体であってよいが、溶媒なしでもよい。特に興味深いものは、低溶媒含有量を有する表面被覆、いわゆる「ハイソリッド表面被覆」及び粉末被覆組成物である。表面被覆は、例えば、多層コーティング用の仕上ラッカーとして自動車産業で使用されるクリアラッカーであってよい。これらは、また、無機又は有機化合物であってよい顔料及び/又は充填剤、並びに金属効果仕上用の金属粉末を含んでよい。
【0246】
表面被覆は、また、比較的少量の表面被覆技術に慣用の特別な添加剤、例えば、流動性向上剤、チキソトロピー剤、均展剤、消泡剤、湿潤剤、定着剤、光安定剤、酸化防止剤又は増感剤を含んでよい。
【0247】
UV吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル−ベンゾフェノン、シュウ酸アミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものを、本発明の組成物に光安定剤として加えてよい。個別の化合物又はそれらの化合物の混合物は、立体障害アミン(HALS)を加えて、又は加えないで使用できる。
【0248】
そのようなUV吸収剤及び光安定剤の例は下記である。
1.2−(2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3′−sec−ブチル−5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス(α,α―ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールと、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル−ベンゾトリアゾールとの混合物、2,2′−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール〕;2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシ−フェニル〕−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;〔R−CH2CH2−COO(CH2)3〕2−(ここで、R=3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)。
2.2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシ又は2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体。
3.非置換か又は置換されている安息香酸のエステル類、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチラート、フェニルサリチラート、オクチルフェニルサリチラート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルエステル。
4.アクリラート類、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン。5.立体障害アミン類、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバカート、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合生成物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオアート、1,1′−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチル−ピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン。
6.シュウ酸ジアミド類、例えば、4,4′−ジオクチルオキシ−オキサニリド、2,2′−ジエトキシ−オキサニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチル−オキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチル−オキサニリド、2−エトキシ−2′−エチル−オキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エチルオキサニリド及びこれらと2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブチル−オキサニリドとの混合物、o−とp−メトキシ−及びo−とp−エトキシ−ジ−置換オキサニリドとの混合物。
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,2,5−トリアジン類、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(ドデシル−/トリデシル−オキシ−2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシ−フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
8.ホスファイト類及びホスホナイト類、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリル−ペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス−イソデシルオキシ−ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリル−ソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスファイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ〔d、g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト。
【0249】
このような光安定剤を、例えば、隣接する表面被覆層に加えることができ、そこから保護される焼付ラッカーの層に徐々に拡散する。隣接する表面被覆層は、焼付ラッカーの下の下塗り又は焼付ラッカーの上の仕上ラッカーであってよい。
【0250】
スペクトル感受性をシフト又は増加させて、照射時間を減少できるか、及び/又は他の光源を使用できるようにする光増感剤を樹脂に加えることも可能である。光増感剤の例は、芳香族ケトン又は芳香族アルデヒド(例えば、US4017652に記載されている)、3−アシル−クマリン(例えば、US4366228、EP738928、EP22188に記載されている)、ケト−クマリン(例えば、US5534633、EP538997、JP8272095−Aに記載されている)、スチリル−クマリン(例えば、EP624580に記載されている)、3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、チオキサントン、ペリレンのような縮合芳香族化合物、芳香族アミン(例えば、US4069954又はWO96/41237に記載されている)、又は陽イオン及び塩基性着色剤(例えば、US4026705に記載されている)、例えばエオシン、ローダニン及びエリトロシン着色剤、ならびに例えば、JP8320551−A、EP747771、JP7036179−A、EP619520、JP 6161109−A、JP6043641、JP6035198−A、WO93/15440、EP568993、JP5005005−A、JP5027432−A、JP5301910−A、JP4014083−A、JP4294148−A、EP359431、EP103294、US4282309、EP39025、EP5274、EP727713、EP726497又はDE2027467に記載の染料及び顔料である。
【0251】
他の慣用の添加剤は、意図される使用に応じて、蛍光増白剤、充填剤、顔料、着色剤、湿潤剤又は流動性向上剤及び定着剤である。
【0252】
厚く、かつ着色された被覆の硬化には、US5013768に記載されているように、マイクロガラスビーズ又は粉末化したガラス繊維を加えることが適切である。
【0253】
オキシム誘導体も、例えば、ハイブリッド系に使用できる。これらの系は、2つの異なる反応機構により完全に硬化される配合物に基づく。その例は、酸触媒架橋反応又は重合反応を受けることのできる成分を含むが、第二の機構により架橋される更なる成分も含む系である。第二の機構の例は、ラジカル完全硬化、酸化架橋又は湿度開始架橋である。第二の硬化機構を、純粋に熱的に、必要であれば適切な触媒を用いて開始してよく、又は第二の光開始剤を使用して光により開始してもよい。適切な追加の光開始剤は、上記に記載されている。
【0254】
組成物がラジカル架橋性成分を含む場合、特に、着色された(例えば、二酸化チタンにより)組成物の硬化処理を、熱条件下でラジカル形成する成分、例えば、アゾ化合物、例としては、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアジン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエン、又は例えばヒドロペルオキシド若しくはペルオキシカルボナートのようなペルオキシ化合物、例としては、例えばEP245639に記載のtert−ブチルヒドロペルオキシドを加えることにより補助することもできる。コバルト塩のようなレドックス開始剤を加えると、空気中の酸素を用いる酸化架橋により硬化を補助することができる。
【0255】
表面被覆は当該技術に慣用の方法のうちの1つ、例えば、スプレー、塗布又は浸漬により適用できる。適切な表面被覆が使用される場合、例えば陽極電気泳動塗装による電気的塗布も可能である。乾燥させた後、表面被覆膜を照射する。必要であれば、次に表面被覆膜を熱処理により完全に硬化させる。
【0256】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物は、複合材料から製造されている成形品の硬化に使用することもできる。複合材料は、光硬化配合物で含浸されている自立マトリックス材料、例えば、ガラス繊維織物から成る。
【0257】
オキシム誘導体を、光により活性化されうる酸発生剤として、表面処理並びにガラス、アルミニウム及びスチール表面の清浄に適している組成物に使用できることが、EP592139により知られている。そのような化合物をオルガノシラン系に使用すると、遊離酸を使用する場合によりも、著しく良好な保存安定性を有する組成物となる。式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物もこの用途に適している。
【0258】
本発明のオキシム誘導体は、フォトリングラビーにおける使用に必要な特性を有する状態に酸誘導変換されるポリマーを造形するために使用することもできる。例えば、オキシム誘導体は、例えば、M.L. Renak; C. Bazan; D. Roitman; Advanced materials 1997, 9, 392に記載のパターン結合放射ポリマーに使用できる。そのようなパターン放射ポリマーは、ディスプレー及びデータ記録媒体の製造に使用可能なマイクロスカラーパターン発光ダイオード(LED)の製造に使用できる。同様に、ポリイミド前駆体(例えば、現像液において溶解度を変化させる酸不安定保護基を有するポリイミド前駆体)を照射してパターンポリイミド層を形成することができ、それは、マイクロチップ及びプリント回路基板の製造における保護膜、絶縁層及び緩衝層として役立つことができる。
【0259】
本発明の配合物は、プリント回路基板のための連続ビルドラップシステム、集積回路の製造における圧力緩衝層での使用と同様に、均一被覆、光結像性絶縁層及び誘電体として使用してもよい。
【0260】
例えばポリアニリンのような共役ポリマーが、プロトンドープにより半導性から伝導状態に変換されうることが知られている。本発明のオキシム誘導体も、絶縁材料(非暴露領域)に埋め込まれた伝導構造(暴露領域)を形成するため、そのような共役ポリマーを含む組成物を像様式に照射することに使用できる。これらの材料は、電気及び電子素子の製造のための配線又は接続部品として使用できる。
【0261】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物を含む組成物に適切な放射源は、波長が約150〜1500nm、例えば180〜1000nm、又は好ましくは190〜700nmの放射線を放射する放射線源、ならびにe−ビーム放射線及び高エネルギー電磁線、例えば、X線である。点光源及び平面投光器(ランプカーペット)の両方が適切である。例は、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、中圧、高圧及び低圧水銀灯、場合により金属ハロゲン化物でドープされているもの(メタルハライドランプ)、マイクロ波励起蒸気灯、エキシマーランプ、超化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱電球、電子閃光電球、写真投光照明、シンクロトロン又はレーザープラズマにより発生する電子ビーム及びX線ビームである。放射線源と照射される本発明の基板との距離は、意図される使用及び/又は放射線源の種類と強度により、例えば2cm〜150cmに変更できる。適切な放射線源は、特に、放射線から他の波長の輝線を所望であれば取り除くことのできる水銀蒸気灯、特に中圧及び高圧水銀灯である。これは特に比較的に短い波長の放射線の場合である。しかし、適切な波長範囲で放射できる低エネルギーランプ(例えば、蛍光管)を使用することも可能である。その例は、Philips TL03ランプである。使用できる他の種類の放射線源は、小帯域放射源、又は大帯域(白色光)源のいずれかとして全スペクトルを通して異なる波長を放射する発光ダイオード(LED)である。また、適切なものは、レーザー放射線源、例えばエキシマーレーザーであり、例としては、248nmで照射するKr−Fレーザー、193nmで照射するAr−Fレーザー又は157nmで照射するF2レーザーである。可視領域及び赤外領域のレーザーも使用できる。特に適切なものは、波長365、405及び436nmの水銀i、h及びg線の放射線である。適切なレーザー光線源は、例えば、波長454、458、466、472、478、488及び514nmで放射線を放射するアルゴンイオンレーザーである。1064nmで発光するNd−YAGレーザー、及びその第二と第三高調波(それぞれ532nm及び355nm)も使用できる。また、適切なものは、例えば、442nmで放射するヘリウム/カドミウムレーザー又はUV領域で放射するレーザーである。この種類の照射では、光重合性被覆と接触して、ポジ型又はネガ型レジストを製造するフォトマスクの使用は必要不可欠ではなく、制御されたレーザー光線により、被覆に直接書き込むことができる。このため、本発明の材料の高い感受性が非常に有利であり、比較的に低い強度で速い書き込み速度を可能にする。照射すると、表面被覆の照射部分における組成物中のオキシム誘導体が分解して、酸を形成する。
【0262】
高強度放射による慣用のUV硬化と対照的に、本発明の化合物を用いると、活性化は相対的に低強度の放射の作用により達成される。そのような放射には、例えば、昼光(日光)及び昼光と同等の放射線源が含まれる。日光は、UV硬化に慣用的に使用される人工放射線源の光とスペクトル組成及び強度が異なる。本発明の化合物の吸収特性は、硬化のための天然放射線源としての日光の利用に好適である。本発明の化合物の活性化に使用できる昼光同等人工光源は、低強度の投光器、例えば、特定の蛍光灯、例としてはPhilips TL05特殊蛍光灯又はPhilips TL09特殊蛍光灯であることが理解される。高昼光含有量を有するランプ及び昼光自体は、特に、表面被覆層の表面を十分に不粘着になるように硬化することができる。この場合、高価な硬化装置は不必要であり、組成物は特に外面の仕上げに使用できる。昼光又は昼光同等光源による硬化は、エネルギー節約法であり、外面の塗装において揮発性有機成分の放出を防止する。平面部品に適しているコンベアベルト法に比べて、昼光硬化は、定位の又は固定した物品及び構造物の外面仕上げに使用することもできる。硬化される表面被覆を、日光又は昼光同等光源に直接暴露することができる。しかし硬化は、透明層(例えば、ガラスパネル又はプラスチックシート)越しで実施することもできる。
【0263】
下記の実施例は本発明を更に詳細に説明する。記載の残りの部分及び請求項において、部及び%は、特記のない限り、重量部及び重量%である。炭素原子を3個より多く有するアルキル基が、特定の異性体の記載がなく言及される場合、それぞれの場合でn−異性体を意味する。
【0264】
実施例1:
【0265】
【化73】
【0266】
1.1:2−アセチルオキシ−1,3−ジフェノキシプロパン
2−ヒドロキシ−1,3−ジフェノキシプロパン9.6g(39.3mmol)をテトラヒドロフラン(THF)80mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に塩化アセチル6.8g(86.4mmol)及びトリエチルアミン6.0g(59.0mmol)を連続して滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、水50mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及びヘキサン(1:9)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−アセチルオキシ−1,3−ジフェノキシプロパン5.1gを無色の液体として得た。
【0267】
1.2:
【0268】
【化74】
【0269】
2−アセチルオキシ−1,3−ジフェノキシプロパン4.3g(15.0mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン4.0g(33.0mmol)をCH2Cl2 50ml中で混合し、氷浴で冷却した。溶液に、無水トリフルオロ酢酸6.9g(33.0mmol)を滴加し、続いてAlCl3 12.0g(90.0mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、氷水に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエン及びヘキサン(1:1)の混合物からの再結晶により精製して、生成物5.98gを、融点(mp)108〜109℃を有する淡い黄色の固体として得た。
【0270】
1.3:
【0271】
【化75】
【0272】
実施例1.2の化合物5.8g(12.1mmol)をエタノール60mlに溶解した。溶液にヒドロキシアンモニウムクロリド2.9g(42.4mmol)及びピリジン8.8ml(108.9mmol)を加えた。反応混合物を4時間還流し、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。残渣を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸水素カリウム水溶液、水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。MgSO4を濾過により除去した後、濃HCl 0.61gを溶液に加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエンからの再結晶により精製して、実施例1.3の化合物3.98gを、融点135〜138℃を有する白色の固体として得た。
【0273】
1.4:
【0274】
【化76】
【0275】
実施例1.3の化合物2.0g(3.93mmol)をTHF 10mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に1−プロパンスルホニルクロリド1.23g(8.65mmol)を加え、続いてトリエチルアミン1.19g(11.8mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で2.5時間撹拌し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及びヘキサン(1:3)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、実施例1.4の化合物2.42g(3.36mmol;85%)を無色の液体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.10 (t, 6H), 1.88-1.98 (m, 4H), 2.13 (s, 3H), 3.39 (t, 4H), 4.30 (d, 4H), 5.48-5.55 (m, 1H), 7.04 (d, 4H), 7.52 (d, 4H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z−配座と呼ぶ。
【0276】
実施例2:
【0277】
【化77】
【0278】
2.1:
【0279】
【化78】
【0280】
実施例1.3の化合物1.9g(3.74mmol)をメタノール10mlに溶解した。溶液に炭酸カリウム0.77g(5.61mmol)を加え、水2mlに溶解した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮して、粗生成物1.57gを、融点167〜169℃を有する白色の固体として得た。この粗生成物を更に精製しないで次の反応工程に使用した。
【0281】
2.1:
【0282】
【化79】
【0283】
実施例2.1の化合物2.84g(6.1mmol)をTHF 15mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に1−プロパンスルホニルクロリド1.74g(12.2mmol)を加え、続いてトリエチルアミン1.85g(18.3mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間、室温で30分間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及び塩化メチレン(1:20)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、実施例2.1の化合物2.33g(3.43mmol;56%)を無色の液体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.10 (t, 6H), 1.88-1.98 (m, 4H), 2.56 (d, 1H), 3.40 (t, 4H), 4.19-4.26 (m, 4H), 4.43-4.47 (m, 1H), 7.04 (d, 4H), 7.53 (d, 4H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z−配座と呼ぶ。
【0284】
実施例3
【0285】
【化80】
【0286】
実施例2.1の化合物2.84g(6.1mmol)をTHF 15mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に1−プロパンスルホニルクロリド1.74g(12.2mmol)を加え、続いてトリエチルアミン1.85g(18.3mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間、室温で30分間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及び塩化メチレン(1:20)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、実施例3の化合物0.75g(0.96mmol;16%)を無色の液体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.05-1.13 (m, 9H), 1.88-1.99 (m, 6H), 3.23 (t, 2H), 3.40 (t, 4H), 4.37-4.41 (m, 4H), 5.25-5.30 (m, 1H), 7.04 (d, 4H), 7.53 (d, 4H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z−配座と呼ぶ。
【0287】
実施例4:
【0288】
【化81】
【0289】
4.1:
【0290】
【化82】
【0291】
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラート5.2g(20mmol)、フェノール75.2g(0.80mmol)及びp−トルエンスルホン酸1.0g(5.3mmol)をキシレン30mlに溶解した。反応混合物を一晩還流し、キシレン及び過剰量のフェノールを、減圧下での蒸留により除去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエンからの再結晶により精製して、実施例4.1の生成物8.36gを、融点115〜119℃を有する白色の固体として得た。
【0292】
4.2:
【0293】
【化83】
【0294】
実施例4.1の化合物7.0g(13.9mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン5.6g(45.9mmol)をCH2Cl2 100ml中で混合し、氷浴で冷却した。溶液に無水トリフルオロ酢酸9.6g(45.9mmol)を滴加し、続いてAlCl3 18.5g(139mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、氷水に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮して、実施例4.2の生成物9.52gを淡い黄色で粘性の固体として得た。この粗生成物を更に精製しないで次の反応工程に使用した。
【0295】
4.3:
【0296】
【化84】
【0297】
実施例4.2の9.9g(12.5mmol)をエタノール80mlに溶解した。溶液にヒドロキシアンモニウムクロリド3.1g(45.0mmol)及びピリジン8.9g(112.5mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。残渣を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸水素カリウム水溶液、水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を酢酸エチル50mlに溶解し濃HCl 0.63gを溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエン50ml中、100℃で15分間洗浄した。室温に冷却した後、固体を濾過により単離し、トルエンで洗浄した。実施例4.3の生成物(9.45g)を、融点154〜160℃を有する白色の固体として得た。
【0298】
4.4:
【0299】
【化85】
【0300】
実施例4.3の化合物3.0g(3.65mmol)をTHF 20mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に1−プロパンスルホニルクロリド1.7g(12.0mmol)を加え、続いてトリエチルアミン1.7g(16.4mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をエタノールからの再結晶により精製して、実施例4.4の化合物3.27g(2.87mmol;79%)を、融点110〜122℃を有する白色の固体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm]: 1.10 (t, 9H), 1.87-1.97 (m, 6H), 3.38 (t, 6H), 4.28 (t, 6H), 4.38 (t, 6H), 6.97 (d, 6H), 7.48 (d, 6H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z,Z−配座と呼ぶ。
【0301】
実施例5:
【0302】
【化86】
【0303】
5.1:ナトリウム2−フェノキシエタンスルホナート
水100mL中のNa2SO3(12.9g、102.3mmol)の溶液に、β−クロロフェネトール(15.3g、97.4mmol)を加え、混合物を120℃で24時間撹拌した。混合物を冷却して白色の沈殿物を得て、これを濾過により収集し、真空下で乾燥させた。生成物を白色の固体として収率87%で得た。構造を1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)により確認した。δ [ppm]: 2.88 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 6.88-6.93 (m, 3H), 7.24-7.29 (m, 2H)。
【0304】
5.2:テトラ−n−ブチルアンモニウム2−フェノキシエタンスルホナート
水50mL中のナトリウム2−フェノキシエタンスルホナート(7.88g、35.1mmol)の溶液に、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(11.3g、35.1mmol)及びCH2Cl2 50mLを連続して加え、次に混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2相を分離し、MgSO4上で乾燥させた。溶液を蒸発させて、生成物を無色の油状物として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.01 (t, 12H), 1.45 (dt, 8H), 1.60-1.69 (m, 8H), 3.26-3.34 (m, 10H), 4.46 (t, 2H), 6.88-6.96 (m, 3H), 7.22-7.29 (m, 2H)。
【0305】
5.3:
【0306】
【化87】
【0307】
CH2Cl2 200mL中のテトラ−n−ブチルアンモニウム2−フェノキシエタンスルホナート(15.6g、35.1mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(4.72g、38.6mmol)の溶液に、無水トリフルオロ酢酸(5.37mL、38.6mmol)を滴加し、続いてAlCl3(25.7g、193mmol)を少量ずつ加え、氷浴で冷却した。混合物を室温で一晩撹拌し、次に氷水に注いだ。CH2Cl2相を分離し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶液を蒸発させて、生成物を僅かに黄色を帯びた油状物として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.02 (t, 12H), 1.46 (dt, 8H), 1.62-1.71 (m, 8H), 3.27-3.38 (m, 10H), 4.58 (t, 2H), 7.05 (d, 2H), 8.02 (d, 2H)。
【0308】
5.4:
【0309】
【化88】
【0310】
エタノール20mL中の実施例5.3の化合物(14.0g、25.9mmol)の溶液に、水20mL中のNH2OH・HCl(2.16g、31.1mmol)及び酢酸ナトリウム(3.61g、44.0mmol)の溶液を加えた。混合物を90℃で一晩撹拌し、次に水に注いだ。生成物をCH2Cl2で2回抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶液を蒸発させて、生成物を僅かに黄色を帯びた油状物として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.00 (t, 12H), 1.43 (dt, 8H), 1.60-1.72 (m, 8H), 3.28 (t, 8H), 3.37 (t, 2H), 4.44 (t, 2H), 6.92 (d, 2H), 7.44 (d, 2H)。オキシム部分の水素原子は観察されなかった。
【0311】
5.5:
【0312】
【化89】
【0313】
THF 10mL中の実施例5.4の化合物(1.09g、1.96mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.14mL、2.94mmol)及び2−ナフタレンスルホニルクロリド(0.53g、2.35mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に水に注いだ。生成物をCH2Cl2で2回抽出し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤としてCH2Cl2及びEtOH(95:5)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を無色の油状物として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.01 (t, 12H), 1.46 (dt, 8H), 1.62-1.73 (m, 8H), 3.27-3.36 (m, 10H), 4.52 (t, 2H), 7.01 (d, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.66 (dd, 1H), 7.71 (dd, 1H), 7.92-7.97 (m, 2H), 8.00-8.05 (m, 2H), 8.61 (s, 1H)。
【0314】
実施例6:
【0315】
【化90】
【0316】
CH2Cl2 10mL中の実施例5.4の化合物(1.66g、3.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.63mL、4.5mmol)及び1−プロパンスルホニルクロリド(0.41g、3.6mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次に水に注いだ。生成物をCH2Cl2で2回抽出し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤としてCH2Cl2及びエタノール(95:5〜90:10)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物1.79g(90%)を僅かに黄色を帯びた粘性の油状物として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.01 (t, 12H), 1.10 (t, 3H), 1.45 (tq, 8H), 1.61-1.71 (m, 8H), 1.87-1.98 (m, 2H), 3.26-3.40 (m, 12H), 4.51-4.55 (m, 2H), 7.04 (d, 2H), 7.50 (d, 2H)。
【0317】
実施例7:
【0318】
【化91】
【0319】
実施例4.3の化合物1.0g(1.22mmol)及び2,6−ルチジン0.64ml(5.49mmol)をCH2Cl2 8mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.72ml(4.39mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、1N HClに注いだ後、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤としてn−ヘキサン及び酢酸エチル(80:20〜50:50)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物1.16g(78%)を、融点47〜49℃を有する白色の固体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 4.31 (t, 6H), 4.40 (t, 6H), 7.01 (d, 6H), 7.45 (d, 6H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z,Z−配座と呼ぶ。
【0320】
実施例8:
【0321】
【化92】
【0322】
8.1:
【0323】
【化93】
【0324】
2−ヒドロキシ−1,3−ジフェノキシプロパン9.5g(38.9mmol)及びスクシニルクロリド3.6g(23.3mmol)をTHF 50mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に4−ジメチルアミノピリジン7.1g(58.4mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を0.1N HCl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエンからの再結晶により精製して、実施例8.1の生成物5.67gを、融点101〜104℃を有する白色の固体として得た。
【0325】
8.2:
【0326】
【化94】
【0327】
実施例8.1の化合物5.6g(9.8mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン5.3g(43.2mmol)をCH2Cl2 100ml中で混合し、氷塩浴で冷却した。溶液に無水トリフルオロ酢酸9.1g(43.2mmol)を滴加し、続いてAlCl3 15.7g(118mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、氷水に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をトルエンからの再結晶により精製して、実施例8.2の生成物7.93gを、融点171〜174℃を有する橙色の固体として得た。
【0328】
8.3:
【0329】
【化95】
【0330】
実施例8.2の化合物5g(5.24mmol)をエタノール50mlに溶解した。溶液にヒドロキシアンモニウムクロリド1.75g(25.1mmol)及びピリジン4.97g(62.9mmol)を加えた。反応混合物を3時間還流し、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。残渣を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を1N HCl溶液、水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。MgSO4を除去した後、濃HCl 0.27gを溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及びヘキサン(1:2)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、実施例8.3の生成物3.4gを、融点191〜196℃を有する白色の固体として得た。
【0331】
8.4:
【0332】
【化96】
【0333】
実施例8.3の化合物1.84g(1.81mmol)をTHF 15mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に1−プロパンスルホニルクロリド1.64g(11.5mmol)を加え、続いてトリエチルアミン1.10g(10.9mmol)を滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離剤として酢酸エチル及びヘキサン(1:2)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、実施例8.4の化合物1.60g(1.11mmol;61%)を、融点43〜49℃を有する白色の固体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 1.10 (t, 12H), 1.92 (m, 8H), 2.71 (s, 4H), 3.38 (t, 8H), 4.31 (d, 8H), 5.52 (m, 2H), 7.02 (d, 8H), 7.51 (d, 8H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z,Z,Z−配座と呼ぶ。
【0334】
実施例9:
【0335】
【化97】
【0336】
実施例8.3の化合物1.40g(1.38mmol)をTHF 15mlに溶解し、氷浴で冷却した。溶液に4−クロロベンゼンスルホニルクロリド1.38g(6.54mmol)を加え、続いてトリエチルアミン0.84g(8.28mmol)を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を0.1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を2−プロパノールからの再結晶により精製して、実施例9の化合物2.14g(1.25mmol;91%)を、融点62〜68℃を有する白色の固体として得た。構造を1H−NMRスペクトル(CDCl3)により確認した。δ [ppm] : 2.72 (s, 4H), 4.32 (d, 8H), 5.51 (m, 2H), 7.01 (d, 8H), 7.44 (d, 8H), 7.57 (d, 8H), 7.94 (d, 8H)。スペクトルは、化合物が単一の異性体であることを示し、これを仮にZ,Z,Z,Z−配座と呼ぶ。
【0337】
実施例10
化学増幅型ポジ型レジスト配合物を、下記の成分を混合して調製した。
結合剤樹脂(スチレン22mol%、p−ヒドロキシスチレン69mol%及びt−ブチルアクリラート9mol%のコポリマー、Mw9850;Maruzen MARUKA LYNCUR
PHS/STY/TBA(登録商標)、Maruzen Oil Company, Japan) 100.00部
均展剤(FC-430、3M製) 0.48部
プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)(Tokyo Kasei, Ja
pan) 475.00部
試験される光酸発生剤 4.0部
【0338】
レジスト配合物を、ヘキサメチルジメチルシラザンで処理したシリコーンウエハーに3000rpmで45秒間スピンコートし、ホットプレートにより140℃で90秒間ソフトベークして、膜厚800nmを得た。次にレジストフィルムを、Ushio社製高圧水銀灯UXM-501MD及びマスク調節器 Canon PLA-521を使用し、狭帯域干渉フィルタ及び多重密度(multidensity)石英マスクを通して波長254nmの深UV線で暴露した。次に試料を、ホットプレートにより140℃で90秒間、暴露後ベーキングをし、現像した。暴露強度を、Ushio社製 Unimeter UIT-150により測定した。除去用量(Dose to Clear)(E0)(1.79%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド現像水溶液中に60秒間、浸清現像してレジストフィルムを完全に除去するためにちょうど十分な用量)を、測定したコントラスト曲線から決定した。必要な用量が少ないほどレジスト配合物の感受性が高い。結果を表1にまとめ、組成物がポジ型フォトレジストの調製に安定であることを示した。
【0339】
【表1】
【0340】
実施例11:
Mw5100を有し、Maruzene Oil Company of Tokyo, Japanから商品名Maruzene MARUKA LYNCUR PHMC(登録商標)として市販されているポリ(4−ヒドロキシスチレン)の同量(重量に対して)の存在下での光潜在的酸発生化合物の崩壊点(Td)を、DSC分析〔示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry)〕により測定した。値が高いほど試験した光潜在的酸化合物の熱安定性が高い。結果を下記の表2にまとめた。
【0341】
【表2】
Claims (10)
- (a)酸の作用で硬化する化合物、又は酸の作用でその溶解度が増加する化合物;及び
(b)感光性酸供与体として、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII):
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニル(ここで、基C3−C12シクロアルキルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル及びフェナントリルスルホニルの基シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル及びフェナントリルは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、OR4、(CO)OR7、C1−C4アルキル−(CO)O−、R7OSO2−及び/若しくは−NR5R6の1個以上で置換されている)であるか;或いはR1は、C2−C6ハロアルカノイル、ハロベンゾイル又は下記式:
X1、X2及びX3は、互いに独立して、O又はSであり;
R2は、ハロゲン又はC1−C10ハロアルキルであり;
R3は、フェニレンジスルホニル、ナフチレンジスルホニル、下記式:
Ar1は、直接結合、非置換のC1−C12アルキレン、C3−C30シクロアルキルで置換されているC1−C12アルキレンであるか;或いはAr1は、C3−C30シクロアルキレン、C1−C8ハロアルキレン、C2−C12アルケニレン、C4−C8シクロアルケニレン、C6−C12ビシクロアルケニレンであるか;或いはAr1は、フェニレン(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル−C1−C3アルキル、ハロゲン、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7の1個以上で置換され、場合により置換基OR4、SR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、フェニレン環の更なる置換基と、又はフェニレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr1は、ナフチレン、アントラシレン又はフェナントリレン環(ここで、基ナフチレン、アントラシレン及びフェナントリレンは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7で置換され、場合により置換基OR4、SR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の更なる置換基と、又はナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr1は、ヘテロアリーレン環(これは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR4、NR5R6、SR7、SOR7及び/若しくはSO2R7で置換され、場合により置換基OR4、SR7及びNR5R6は、基R4、R5、R6及び/若しくはR7を介して、ヘテロアリーレン環の更なる置換基と、又はヘテロアリーレン環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であり;
ここで、全ての基Ar1は、場合により、酸の作用で開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基により更に置換され;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、−S−、−NR4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR4(CO)−、−SO−、−SO2−又は−OSO2−であるか;或いはA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、C1−C12アルキレン又はフェニレン(ここで、これらの基は非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7の1個以上で置換されている)であり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4、SR7、ハロゲン及び/又はフェニルで置換されている)であるか;或いはY1は、C2−C12アルキレン(これは、−O−、−S−、−NR4−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR4(CO)−、−SO−、−SO2−及び/又は−OSO2−の1個以上により中断され、そして基C2−C12アルキレンは、OR4、SR7、ハロゲン及び/又はフェニルで置換されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレン、フェニレン、ナフチレン又は複素環の三価基(ここで、これらの基は非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7で置換されている)であるか;或いはY2は、下記式:
Y3は、C1−C12アルキレン、フェニレン、ナフチレン又は複素環の四価基(ここで、これらの基は非置換か、又はC1−C18アルキル、ハロゲン、OR4及び/若しくはSR7で置換されている)であり;
Xは、ハロゲンであり;
R4は、水素、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR4は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR4は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR4は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;
R5及びR6は、互いに独立して、水素又はC1−C18アルキル(これは、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR5及びR6は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであるか;或いはR5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(これは、−O−により、又は−NR4−により中断されていてもよい)を形成し;
R7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR5R6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR7は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR7は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;
R8、R9及びR10は、互いに独立して、C1−C6アルキル(これは、非置換か、又はハロゲンで置換されている)であるか;或いはR8、R9及びR10は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C4アルキル若しくはハロゲンで置換されている)であるか;或いはR9及びR10は、一緒になって1,2−フェニレン又はC2−C6アルキレン(これは、非置換か、又はC1−C4アルキル若しくはハロゲンで置換されている)であり;
Ar′1は、C1−C12アルキル(これは、非置換か、又はC3−C30シクロアルキルで置換されている)であるか;或いはAr′1は、C3−C30シクロアルキル、C1−C8ハロアルキル、C2−C12アルケニル、C4−C8シクロアルケニル、C6−C12ビシクロアルケニル、カンファリルであるか;或いはAr′1は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル−C1−C3−アルキル、ハロゲン、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7、及び/若しくはSO2R′7の1個以上で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、フェニル環の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはA′r1は、ナフチル、アントラシル又はフェナントリル(ここで、基ナフチル、アントラシル及びフェナントリルは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7及び/若しくはSO2R′7で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の更なる置換基と、又はナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であるか;或いはAr′1は、ヘテロアリール基(これは、非置換か、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR′4、NR′5R′6、SR′7、SOR′7及び/若しくはSO2R′7で置換され、場合により置換基OR′4、SR′7及びNR′5R′6は、基R′4、R′5、R′6及び/若しくはR′7を介して、ヘテロアリール環の更なる置換基と、又はヘテロアリール環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成する)であり;
ここで、基C1−C12アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又はヘテロアリール基は、場合により下記式:
A″1は、フェニレン、ナフチレン、下記式:
Dは、−O−、−S−、−NR′4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR′4(CO)−、−SO−、−SO2−又は−OSO2−であり;
D1は、C1−C12アルキレン又はC2−C12アルキレン(これは、−O−、−S−、−NR′4−、−CO−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NR′4(CO)−、−SO−、−SO2−及び/又は−OSO2の1個以上により中断されている)であり;ここで、基C1−C12アルキレン及びC2−C12アルキレンは、場合により下記式:
R′4は、水素、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR′4は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′4は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′4は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、フェニル、C2−C18アルカノイル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
R′5及びR′6は、互いに独立して、水素又はC1−C18アルキル(これは、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はOH、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC1−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、フェニル(これは、非置換か、又はOH、C1−C18アルキル、ハロゲン及び/若しくはC1−C12アルコキシで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、フェニルアミノ、フェニルアミノカルボニル、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′5及びR′6は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであるか;或いはR′5及びR′6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員、6員若しくは7員環(これは、−O−により、又は−NR′4−により中断されてよい)を形成し;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、フェニル、C2−C18アルカノイル、C1−C18アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
R′7は、水素、フェニル、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C2−C18アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C2−C18アルカノイル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、C1−C18アルキルスルホニル(これは、非置換か、又はフェニル、OH、C1−C12アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、NR′5R′6、C1−C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル及び/若しくはC2−C6アルカノイルで置換されている)であるか;或いはR′7は、フェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲン、C1−C4ハロアルキル、CN、NO2、C1−C16アルキル、フェニル、C1−C4アルキルチオ、C1−C12アルコキシ及び/若しくはフェノキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR′7は、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファリルスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;ここで、基C1−C18アルキル、C2−C18アルキル、C2−C18アルカノイル、C1−C18アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、カンファスルホニル、フェニル−C1−C3アルキルスルホニル、C3−C12シクロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルは、場合により下記式:
但し、基Ar′1、Ar″1、D1、R′4、R′5、R′6又はR′7の少なくとも1個が、下記式:
M+は、下記式:
L-は、下記式:
R15、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素又はフェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR15、R16、R17及びR18は、C1−C12アルキル、−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR15及びR16は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成するか;或いはR15及びR16は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、5員、6員若しくは7員環を形成し;
R19は、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル、ベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR19は、C1−C12アルキル又は−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であり;
R20、R21及びR22は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20、R21及びR22は、互いに独立して、C1−C12アルキル、−O−の1個以上により中断されているC2−C12アルキル(ここで、基C1−C12アルキル及びC2−C12アルキルは、非置換か、又はハロゲン、ヒドロキシ、−NO2、−CN、フェニル、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR20及びR21は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成するか;或いはR20及びR21は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、5員、6員若しくは7員環を形成し;そして
R23及びR24は、互いに独立して、フェニル(これは、非置換か、又はC1−C12アルキル、ハロゲン、−NO2、−CN、フェニル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、C2−C12アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェノキシカルボニル、C1−C4アルキルチオ、フェニルチオ、C2−C12アルカノイル、C2−C12アルカノイルオキシ、ベンゾイル及び/若しくはベンゾイルオキシの1個以上で置換されている)であるか;或いはR23及びR24は、適切であればC1−C2アルキレン、−O−、−S−又は−CO−と一緒になって、縮合環を形成する〕
の化合物の少なくとも1種を含む、化学増幅型フォトレジスト組成物。 - 式(I)、(II)、(IV)又は(V)
〔式中、
R1は、C1−C18アルキルスルホニル、C1−C10ハロアルキルスルホニル、ナフチルスルホニル又はフェニルスルホニル(これは、非置換か、又はハロゲンで置換されている)であり;
R2は、ハロゲンであり;
Ar1は、フェニレンであり;
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12は、互いに独立して、直接結合、−O−、O(CO)又はC1−C12アルキレンであり;
Y1は、C1−C12アルキレン(これは、OR4で置換されている)であるか;又はY1は、C2−C12アルキレン(これは、−OSO2−により中断されている)であり;
Y2は、C1−C12アルキレンの三価基、又は四価の複素環であり;
Xは、ハロゲンであり;
R4は、水素又はC2−C18アルカノイルであり;
Ar′1は、フェニル(これは、非置換か、又はOR′4で置換されている)であり;
R′4は、C1−C18アルキル(これは、非置換か、又は下記式:
M+は、下記式:
R15、R16、R17及びR18は、水素又はC1−C12アルキルである〕
の化合物を含む、請求項1記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。 - ポジ型レジストである、請求項1記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
- ネガ型レジストである、請求項1記載の化学増幅型フォトレジスト組成物。
- (1)基板に、請求項1記載の組成物を塗布し;
(2)60℃〜160℃の温度で組成物を塗布後ベーキングし;
(3)波長150nm〜1500nmの光により像様式に照射し;
(4)場合により、60℃〜160℃の温度で組成物を暴露後ベーキングし;
(5)溶媒で、又はアルカリ性現像水溶液で現像する、フォトレジストの調製方法。 - 請求項1記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物。
- (1)従来の方法により得られる式(I′)、(II′)、(III′)、(IV′)、(V′)又は(VI′):
(2)そのように調製した単一異性体遊離オキシム化合物を、式(XV)、(XVI)又は(XVII):
R1Cl(XV),R1−O−R1(XVI),Cl−R3−Cl(XVII)
の対応する酸ハロゲン化物、又は酸無水物と反応させる、請求項1記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)のオキシムエステル化合物の熱的に安定な異性体の特定の調製方法。 - (a)酸の作用で硬化する化合物、又は酸の作用でその溶解度が増加する化合物;及び
(b)感光性酸供与体として、請求項6記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)又は(VII)の化合物の少なくとも1種を含有する組成物。 - 酸の作用下で架橋しうる化合物を架橋する方法であって、請求項6記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び/又は(VII)の化合物を上記化合物に加え、波長150〜1500nmを有する光により像様式に、又は全面を照射することを含む方法。
- 表面被覆、プリントインク、印刷版、歯科組成物、カラーフィルタ、レジスト又は像記録材料若しくはホログラフ像を記録する像記録材料の製造のための、請求項9記載の方法。
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