JP4618003B2 - 液晶装置、及び電子機器 - Google Patents
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このような垂直配向型の液晶装置では、表示領域の液晶層側に突起やスリット等の配向規制手段を設け、初期状態で垂直配向した液晶を電圧印加に伴って所定方向に傾倒させる構成が提案されている。また、画素の構造として、複数の構成単位からなる配向分割構造が採用され、輝度向上や液晶応答速度の改善が実現した液晶装置が提案されている。
このような色づきを改善する技術として、複数の表示色(R(赤),G(緑),B(青))の画素のうち一つの画素だけ別の電圧で駆動させて、色補正を行う技術が提案されているが、この構成では駆動回路が複雑になってしまう。
そこで、近年では、各画素における突起やスリットの幅や高さを変えることによって、画素毎に透過率を色毎に補正し、色づきを改善する技術が提案されている(特許文献1参照。)。当該技術においては、MVA方式(突起、スリットを上下基板に交互に「く」の字型に配置し、4つのドメインを形成)を採用しており、波長分散による白表示の色づきをスリット幅、補助突起、突起の高さによって補正し、RGB毎に分割数を変えることで色づき補正を行っている。
即ち、本発明の液晶装置は、一対の基板間に、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備え、互いに表示色が異なる複数の画素によって表示単位を構成する液晶装置であって、前記複数の画素の各々は、複数に分割されたサブドットと、当該サブドットの各々に設けられた配向規制手段とを備え、前記複数の画素のうち、少なくとも一つの画素におけるサブドットの数は、他の画素におけるサブドットの数と異なっていること、を特徴としている。
従って、本発明によれば、制御距離が長い画素における液晶分子を緩やかなV−T特性で駆動させることができ、制御距離が短い画素における液晶分子を急峻なV−T特性で駆動させることができる。即ち、複数の画素の各々において、V−T特性の急峻性を補正できる。従って、複数の画素からなる画素群においては、複数の画素の各々が発光して合成される光が所望の波長分布となるように調整できる。例えば、合成された光が白色光である場合には、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できる。
本発明は、上記の効果が得られると共に、複数の画素の各々において透過率を最大限利用できる。また、従来技術と比較して、少ない工程数で本発明の液晶装置を製造できる。
そこで、本発明のように青色画素におけるサブドットの数を他の画素よりも少なくすることで、元々は急峻な特性を有していたV−T特性を緩やかな曲線となるように補正できる。更に、青色画素と他の画素との表示光が合成された白色光においては、上記のように問題となっていた黄色の色づきが解消され、無彩色にすることができる。
また、本発明においては、このような効果が得られると共に、複数の画素の各々において透過率を最大限利用できる。また、従来技術と比較して、簡素な工程で本発明の液晶装置を実現できる。
そこで、本発明のように赤色画素におけるサブドットの数を他の画素よりも多くすることで、元々は緩やかな特性を有していたV−T特性を急峻な曲線となるように補正できる。従って、RGBの画素のV−T特性を略一致させることができる。更に、RGBの画素の表示光が合成された白色光においては、上記と同様に黄色の色づきが解消されると共に、赤色画素の表示光のV−T特性を補正することで、より一層に無彩色化が達成された白色光を実現できる。
また、本発明においては、このような効果が得られると共に、複数の画素の各々において透過率を最大限利用できる。また、従来技術と比較して、簡素な工程で本発明の液晶装置を実現できる。
このように本発明の液晶装置は、配向規制手段として突起部を有しているので、垂直配向モードの液晶における電界印加時の配向方向を規制するための好ましい構成となる。垂直配向モードを採用した場合には一般にネガ型液晶を用いるが、初期配向状態で液晶分子が基板面に対して垂直に立っているものを、電界印加により倒すわけであるから、何も工夫をしなければ(プレチルトが付与されていなければ)液晶分子の倒れる方向を規制できず、配向の乱れ(ディスクリネーション)が生じて光抜け等の表示不良が生じ、表示特性を落としてしまう。そのため、垂直配向モードの採用にあたっては、電界印加時の液晶分子の配向規制が重要な要素となる。
そこで、本発明の液晶装置においては、液晶層に向けて突出する突起部を備えているので、液晶分子が初期状態で垂直配向を呈した上で、当該突起部の斜面に応じたプレチルトを持つようになる。その結果、液晶分子の倒れる方向を制御ないし規制することが可能となり、配向の乱れ(ディスクリネーション)が生じ難く、光抜け等の表示不良を回避することが可能となり、残像やしみ状のむら等の表示不良が抑えられ、更には広視野角化を実現できる。
このように本発明の液晶装置は、配向規制手段としてスリット部を有しているので、垂直配向モードの液晶における電界印加時の配向方向を規制するための好ましい構成となる。具体的に説明すると、一方の電極にスリット部が形成されていることによって、液晶層を挟持して対向する一対の電極間に電圧が印加されると、両電極の間に当該スリット部の形成位置に沿って斜め電界を生じさせることができる。そして、当該斜め電界に倣わせて、電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を規制させることができる。即ち、スリット部は、電界制御による液晶分子の配向規制手段として機能することとなる。その結果、液晶分子の倒れる方向を制御ないし規制することが可能となり、配向の乱れ(ディスクリネーション)が生じ難く、光抜け等の表示不良を回避することが可能となり、残像やしみ状のむら等の表示不良が抑えられ、更には広視野角化を実現できる。
本発明者は、配向規制手段の平面形状が点状又は縦長状となっている場合よりも、十字状となっている場合において、配向の乱れを抑制して確実に配向規制することが可能であることを見出し、発明を想到した。
具体的には、配向規制手段が点状又は縦長状となっている場合には、液晶分子は点状又は縦長状の配向規制手段から放射状にサブドットの周縁部に向けて配向規制されるものの、当該配向規制方向に交差する方向においては、液晶分子の配向が安定し難くなり、配向が乱れやすくなるという問題があった。
これに対して、本発明のように、配向規制手段が十字状である場合においては、十字状の先端部における液晶分子の配向規制力が大きくなり、当該配向規制力が大きくなっている液晶分子によって、その間の液晶分子が安定して配向規制する。従って、配向の乱れを抑制して確実に配向規制することができる。
このようにすれば、一対の基板の両方に配向規制手段が設けられることになるので、一方の基板のみに配向規制手段が設けられている場合よりも、液晶分子を配向させる規制力を大きく生じさせることができる。
具体的には、突起部が設けられている基板側においては、液晶分子が突起部の斜面に応じたプレチルトを持つこととなり、当該液晶分子を電圧印加時に突起部の斜面の沿う方向に傾倒させて配向規制することができる。更に、スリット部が設けられている基板側においては、スリット部の形成位置に沿って斜め電界を生じさせることができ、当該斜め電界に倣わせて電圧印加時の液晶分子を傾倒させて配向規制することができる。
ここで、電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。
従って、本発明によれば、先に記載の液晶装置を用いた表示部を備えているので、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できるので、良好な表示特性の表示部を備えた電子機器を提供できる。
なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
まず、本発明の液晶装置に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode、以下、TFDと略記する)を用いたアクティブマトリクス型であると共に、バックライトからの光を利用して表示を可能にした透過型の液晶装置である。
なお、図1では、TFD素子40が走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデータ線9側に接続されているが、これとは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表示要素160を走査線13側に設ける構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態の液晶装置100では、走査線13に対しTFD素子40を介して接続された画素電極(第1電極)31がマトリクス状に設けられており、当該画素電極31と紙面垂直方向に平面的に対向して共通電極(第2電極)9が短冊状に設けられている。共通電極9は、図1におけるデータ線9と同一であり、走査線13と交差する形のストライプ形状を有している。本実施形態において、各画素電極31が形成された個々の領域が1つの画素であり、マトリクス状に配置された各画素にTFD素子40が具備されており、当該画素毎に表示が可能な構成になっている。
また、画素電極31は、後述するように複数のサブドットによって構成されたものとなっている。
図3(a)は、液晶装置100の画素構成のうち主として画素電極31の平面構成を示す模式図、図3(b)は、図3(a)のA−A’断面を示す模式図である。
図3(a)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、複数の画素D1,D2,D3が一つのまとまりとなって構成された画素群Pxを備えている。
また、画素D1,D2,D3の各々は、画素電極31を備えると共に、3つの画素D1,D2,D3には一つの画素に対応して3原色(RGB)のうちの一つの着色層が配設されている。具体的に説明すると、3つの画素D1,D2,D3の各々には、着色層22B(青色),22G(緑色),22R(赤色)が配設されている。従って、3つの画素D1,D2,D3の各々は、青色画素D1,緑色画素D2,赤色画素D3を構成するものとなっている。そして、各画素D1,D2,D3からRGBの各色の表示光が出射して混色することにより、画素群Pxはフルカラー表示をするようになっている。つまり、一つの画素群Pxは、フルカラー表示が可能な表示単位とされている。
また、本実施形態の液晶装置100は、透過型の液晶装置であるため、図3(b)に示すように下基板10の外面側にバックライト15を備えた構成となっている。そして、画素D1,D2,D3の各々における液晶層50への印加電圧が制御されることで、各画素におけるバックライト15の照明光の透過量が調整され、RGBの表示光が混色する割合が制御されて、画素群Pxのフルカラー表示が諧調されるようになっている。
ここで、液晶層50は、初期配向状態が垂直配向をとる液晶、即ち、誘電異方性が負の液晶材料からなるものである。即ち、液晶装置100は垂直配向モードを採用した透過型の液晶装置である。また、本実施形態の液晶層50は、電圧非印加時に両基板25,10間を非透過状態にする、所謂ノーマリーブラックモードの液晶材料を採用している。
下基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aの表面(基板本体10Aの液晶層側)に、着色層22R,22B,22Gが設けられている。また、各着色層の周縁は金属クロム等からなるブラックマトリクスBMによって囲まれ、ブラックマトリクスBMにより各画素D1,D2,D3の境界が形成されている(図3(a)参照)。
また、突起部24は、各画素D1,D2,D3において、共通電極9から同じ高さで形成されている。このような突起部24は、各画素D1,D2,D3において、共通電極9上に一括して形成されたものであり、複数の工程によって画素D1,D2,D3の各々に形状を異ならせて形成したものではない。
上基板25においては、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの表面(基板本体25Aの液晶層側)に、TFD素子40に接続される走査線13と、ITO等の透明導電膜からなりTFD素子40に接続される画素電極31と、走査線13及び画素電極31を被覆する配向膜33と、が形成されている。
このようなサブドット構造を備えることにより、画素電極31と共通電極9との間に当該切欠部32の形成位置に沿って斜め電界を生じさせることが可能となる。そして、当該斜め電界に伴って、電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を規制させることが可能となる。即ち、切欠部32は、電界制御による液晶分子の配向規制手段として機能することとなる。
図4は、従来の液晶装置と本実施形態の液晶装置とにおける、画素D1,D2,D3のサブドット形状と、画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性とを示す図である。
ここで、図4(a)の上図は、従来の液晶装置における画素D1,D2,D3のサブドット形状を示し、その下図は、従来の液晶装置における画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性を示している。
また、図4(b)の上図は、本実施形態の液晶装置における画素D1,D2,D3のサブドット形状を示し、その下図は、本実施形態の液晶装置における画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性を示している。
このように、本実施形態の液晶装置においては、青色画素D1のサブドット数が少なくなることで制御距離が長くなるため、従来では急峻な曲線を有していたV−T特性が緩やかな曲線に調整されたものとなる。
従って、本発明によれば、制御距離が長い画素における液晶分子を緩やかなV−T特性で駆動させることができ、制御距離が短い画素における液晶分子を急峻なV−T特性で駆動させることができる。即ち、複数の画素の各々において、V−T特性の急峻性を補正できる。従って、複数の画素からなる画素群においては、複数の画素の各々が発光して合成される光が所望の波長分布となるように調整できる。例えば、合成された光が白色光である場合には、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できる。
本実施形態の液晶装置は、上記の効果が得られると共に、複数の画素D1,D2,D3の各々において透過率を最大限利用できる。また、従来技術と比較して、少ない工程数で液晶装置を製造できる。
次に、本発明の液晶装置に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
また、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の液晶装置の画素群Pxにおいては、画素電極31に切欠部32が形成されたことにより、青色画素D1の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31bが複数に分割形成された構成となり、緑色画素D2の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31b,31cが複数に分割形成された構成となり、赤色画素D3の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31b,31c,31dが複数に分割形成された構成となる。即ち、本実施形態の液晶装置は、赤色画素D3の構造のみが第1実施形態と異なっている。
このような構成により、赤色画素D3のサブドット31a,31b,31c,31dの数(4個)は、着色層22Bを備えて青色の表示光を示す青色画素D1のサブドット31a,31bの数(2個)や、緑色画素D2のサブドット31a,31b,31cの数(3個)よりも多くなっている。
図6は、従来の液晶装置と本実施形態の液晶装置とにおける、画素D1,D2,D3のサブドット形状と、画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性とを示す図である。
ここで、図6(a)の上図は、従来の液晶装置における画素D1,D2,D3のサブドット形状を示し、その下図は、従来の液晶装置における画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性を示している。
また、図6(b)の上図は、本実施形態の液晶装置における画素D1,D2,D3のサブドット形状を示し、その下図は、本実施形態の液晶装置における画素D1,D2,D3の表示色のV−T特性を示している。
このようにサブドット数について、赤色画素D3が従来よりも多く、青色画素D1が従来よりも少なくすることで、赤色画素D3のサブドットにおける液晶分子が配向する制御距離が従来よりも短くなり、青色画素D1のサブドットにおける液晶分子が配向する制御距離が従来よりも長くなる。
このように、本実施形態の液晶装置においては、青色画素D1のサブドット数が少なくなることで制御距離が長くなるため、従来では急峻な曲線を有していたV−T特性が緩やかな曲線に調整されたものとなる。また、赤色画素D3のサブドット数が多くなることで制御距離が短くなるため、従来では緩やかな曲線を有していたV−T特性が急峻な曲線に調整されたものとなる。従って、RGBの各色のV−T特性は、同一となるように補正されたものとなる。
また、本実施形態においては、このような効果が得られると共に、複数の画素D1,D2,D3の各々において透過率を最大限利用できる。また、従来技術と比較して、簡素な工程で液晶装置を実現できる。
次に、本発明の液晶装置に係る第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。
また、以下の説明では、既述の実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の液晶装置の画素群Pxにおいては、画素電極31に切欠部32が形成されたことにより、青色画素D1の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31bが複数に分割形成された構成となり、緑色画素D2の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31b,31cが複数に分割形成された構成となり、赤色画素D3の画素電極31は、略八角形のサブドット31a,31b,31c,31dが複数に分割形成された構成となる。
このように、本実施形態の液晶装置は、青色画素D1における突起部24の構造のみが既述の実施形態と異なっている。
図8は、液晶分子が配向規制される状態について説明する図であって、図8(a)は、サブドットに円形点状の突起部24が設けられている場合において液晶分子の配向規制される状態を示す図である。図8(b)は、サブドットに十字状の突起部24が設けられている場合において液晶分子の配向規制される状態を示す図である。
なお、図8においては、青色画素D1のうちサブドット31aを代表して説明するが、サブドット31bにおいても十字状の突起部24が設けられ、液晶分子が同様に配向規制されるものとする。
なお、図8(a)では、円形点状の突起部24における液晶分子LCの配向規制状態について説明したが、円形点状に限らず、他の形状であっても液晶分子LCの配向の乱れが生じ易くなる。例えば、サブドット31a,31bの配列方向(図8中縦方向)に延びる縦長状の突起部24がサブドット毎に設けられている構成において、配向規制方向に交差する方向では、液晶分子LCの配向が安定し難くなり、配向が乱れやすくなる。
また、このような十字状の突起部24は、緑色画素D2や赤色画素D3に比べて制御距離が長い青色画素D1に設けられているため、当該青色画素D1のV−T特性を緩やかな曲線となるように補正できる効果と、配向規制の効果とを相乗的に得ることができる。
次に、本発明の液晶装置に係る第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。
また、以下の説明では、既述の実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9(a)は、液晶装置の画素構成のうち主として画素電極31の平面構成を示す模式図、図9(b)は、図9(a)のA−A’断面を示す模式図である。
図9(b)に示すように、下基板10においては、基板本体10Aの表面に着色層22R,22B,22Gが設けられ、各着色層の周縁を囲むように金属クロム等からなるブラックマトリクスBMが設けられている。当該ブラックマトリクスBMにより各画素D1,D2,D3の境界が形成されている(図9(a)参照)。
更に、着色層22R,22B,22G上には、ITOからなる共通電極9が形成されている。当該共通電極9は、図9中の紙面左右方向に延在しており、画素D1,D2,D3の各々に共通して設けられた電極である。
このようなスリット部9aは、共通電極9をパターニング形成する際に一括して形成されたものであり、複数の工程によって画素D1,D2,D3の各々に形状を異ならせて形成したものではない。
上基板25においては、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの表面(基板本体25Aの液晶層側)に、TFD素子40に接続される走査線13と、ITO等の透明導電膜からなりTFD素子40に接続される画素電極31と、走査線13及び画素電極31を被覆する配向膜33と、が形成されている。
従って、緑色画素D2及び赤色画素D3においては、電圧印加時にスリット部9aを中心に八方に液晶分子が倒れることとなる。また、青色画素D1においては、電圧印加時にスリット部9aの先端部における液晶分子の配向規制力が大きくなり、当該配向規制力が大きくなっている液晶分子によって、その間の液晶分子が挟持されて安定して配向規制される。
また、十字状のスリット部9aにおいては、円形点状のスリット部9aよりも安定かつ確実に液晶分子を配向させることができる。
このように、本実施形態の液晶装置においては、既述の実施形態の突起部24に代えてスリット部9aを備えた構成となっているが、既述の実施形態と同様に、複数の画素D1,D2,D3の各々における液晶分子の制御距離を異ならせることができる。従って、画素群Pxにおいて合成される光が所望の波長分布となるようにV−T特性を調整できる。これにより、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できる。
次に、本発明の液晶装置に係る第5実施形態について図面を参照しつつ説明する。
また、以下の説明では、既述の実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図10(a)は、液晶装置の画素構成のうち主として画素電極31の平面構成を示す模式図、図10(b)は、図10(a)のA−A’断面を示す模式図である。
図10(b)に示すように、下基板10においては、基板本体10Aの表面に着色層22R,22B,22Gが設けられ、各着色層の周縁を囲むように金属クロム等からなるブラックマトリクスBMが設けられている。当該ブラックマトリクスBMにより各画素D1,D2,D3の境界が形成されている(図10(a)参照)。
更に、着色層22R,22B,22G上には、ITOからなる共通電極9が形成されている。当該共通電極9は、図10中の紙面左右方向に延在しており、画素D1,D2,D3の各々に共通して設けられた電極である。
また、突起部24は、各画素D1,D2,D3において、共通電極9から同じ高さで形成されている。このような突起部24は、各画素D1,D2,D3において、共通電極9上に一括して形成されたものであり、複数の工程によって画素D1,D2,D3の各々に形状を異ならせて形成したものではない。
上基板25においては、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの表面(基板本体25Aの液晶層側)に、TFD素子40に接続される走査線13と、ITO等の透明導電膜からなりTFD素子40に接続される画素電極31と、走査線13及び画素電極31を被覆する配向膜33と、が形成されている。
このようなスリット部34は、画素電極31をパターニング形成する際に一括して形成されたものであり、複数の工程によって画素D1,D2,D3の各々に形状を異ならせて形成したものではない。
従って、より強い配向規制力によって、液晶分子の倒れる方向を制御ないし規制することが可能となり、配向の乱れ(ディスクリネーション)が生じ難く、光抜け等の表示不良を回避することが可能となり、残像やしみ状のむら等の表示不良が抑えられ、更には広視野角化を実現できる。
また、十字状の突起部24及びスリット部34においては、円形点状の突起部24及びスリット部34よりも安定かつ確実に液晶分子を配向させることができる。
このように、本実施形態の液晶装置においては、強い配向規制力により液晶分子を配向させると共に、既述の実施形態と同様に、複数の画素D1,D2,D3の各々における液晶分子の制御距離を異ならせることができる。従って、画素群Pxにおいて合成される光が所望の波長分布となるようにV−T特性を調整できる。これにより、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できる。
また、半透過反射型の液晶装置においては、各画素D1,D2,D3におけるサブドットのうち少なくとも一つを反射表示領域とし、当該反射表示領域に液晶層厚調整層を設けた構成が採用される。これにより、透過表示と反射表示とにおける液晶層50のリタデーションを合わせることが可能となる。また、半透過反射型においては、RGBの表示色のV−T特性を合わせるために、青色画素D1の透過表示領域のサブドット数を他の画素における透過表示領域のサブドット数よりも減らした構成や、赤画素D3の透過表示領域のサブドット数を他の画素における透過表示領域のサブドット数よりも増やした構成が採用される。このようにすれば、画素群Pxのフルカラー透過表示において、色づきが補正された無彩色の白色光を実現できる。
次に、本発明の上記実施形態の液晶装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図11は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記液晶装置を用いた表示部を示している。このような携帯電話等の電子機器の表示部に、上記実施形態の液晶装置を用いた場合、光抜け、残像、しみ状のムラ等の表示不良が回避され、コントラストが高く、広視野角、の液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
Claims (6)
- 一対の基板間に、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなる液晶
層を備え、互いに表示色が異なる複数の画素によって表示単位を構成する液晶装置であっ
て、
前記複数の画素は、赤色の表示色で表示する赤色画素と、緑色の表示色で表示する緑色
画素と、青色の表示色で表示する青色画素と、を含み、前記赤色画素と前記緑色画素と前
記青色画素とは同一の面積であり、
前記画素は、画素電極が複数に分割されるとともに各々が互いに連結された複数のサブ
ドットと、前記サブドットの中央に対応する位置に設けられた配向規制手段と、を備え、
前記画素におけるサブドットの数は、前記青色画素、前記緑色画素、前記赤色画素の順
に多く、
前記サブドット中央の前記配向規制手段からサブドット周縁部への放射方向における制
御距離の平均値が、前記青色画素、前記緑色画素、前記赤色画素の順に短くなっており、
前記赤色画素および前記緑色画素における前記配向規制手段の平面形状は円状であり、
前記青色画素における前記配向規制手段の平面形状は十字状であること、を特徴とする液
晶装置。 - 前記配向規制手段は、一方の前記基板の側から前記液晶層に向けて突出する突起部であ
ること、を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 各画素における前記突起部の高さが同一であること、を特徴とする請求項2に記載の液
晶装置。 - 前記配向規制手段は、一方の前記基板における電極の一部が切り欠かれたスリット部で
あること、を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記一対の基板のうち、一方の基板の側に前記配向制御手段としての突起部が設けられ
、他方の基板の側に前記配向制御手段としてのスリット部が設けられていること、を特徴
とする請求項1に記載の液晶装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液晶装置を具備することを特徴とする電子機
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155001A JP4618003B2 (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 液晶装置、及び電子機器 |
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