以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置及び画像形成プロセス]
先ず、図1及び図2を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施例について説明する。本実施例の画像形成装置Aは、電子写真式のレーザビームプリンタである。画像形成装置Aは、ホストコンピュータ(或いは原稿読み取り装置)からの画像情報を受け取り、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(記録紙、OHPシート、布など)に画像を形成する。
画像形成装置Aは、円筒形状の感光体(以下「感光体ドラム」という。)1を有する。感光体ドラム1は、図中矢印方向に回転駆動される。回転する感光体ドラム1は、帯電手段としての帯電ローラ2によって帯電される。帯電された感光体ドラム1は、露光手段としてのレーザスキャナー3によって画像情報に応じたレーザ光Lが照射される。これによって、感光体ドラム1上に画像情報に応じた潜像(静電像)が形成される。この潜像は、現像装置Cの現像手段5によって現像剤で現像される。こうして、感光体ドラム1上に可視像、即ち、現像剤像(トナー像)が形成される。
現像装置Cは、現像剤担持体としての現像ローラ5a等の現像手段5と、現像手段5が用いる現像剤を収納する現像剤収納容器4とを有する。現像手段5が取り付けられる現像室5Aと、現像室5Aに隣接して形成された現像剤収納容器4とで、現像剤収容部が構成される。現像室5Aと現像剤収納容器4とは、図中破線で示す位置の開口部を介して連通する。通常、現像装置Cの使用開始まで、現像室5Aと現像剤収納容器4とはシールで仕切られている。そして、このシールを除去することにより、現像剤収納容器4内の現像剤Tが現像室5Aへと供給される。本実施例では、現像剤Tとして、負帯電性の絶縁性磁性1成分現像剤、即ち、トナーを用いた。
現像剤収納容器4内には、現像剤Tを攪拌すると共に搬送する第1攪拌部材4a及び第2攪拌部材4bが設けられている。第1攪拌部材4aは、現像ローラ5aの近くに配置され、現像剤Tを攪拌しながら現像室5A内の現像ローラ5aの方向へ搬送する。第2攪拌部材4bは、第1攪拌部材4aに対し現像ローラ5aからより遠い位置に配設され、現像剤Tを攪拌しながら第1攪拌部材4aの方向へ搬送する。第1攪拌部材4a、第2攪拌部材4bは、プラスチックの回転軸にPET等のシート状弾性部材が貼り付けられて構成される。
現像ローラ5aは、磁界発生手段としての固定磁石5bを内蔵している。現像ローラ5aが回転することによって、固定磁石5bの発生する磁界により現像ローラ5a上に拘束された現像剤(磁性1成分現像剤)Tが搬送される。又、現像ローラ5a上の現像剤Tは、現像剤層厚規制部材としての現像ブレード5cで摺擦されることによって摩擦帯電電荷が付与されると共に、所定厚の現像剤層とされる。そして、感光体ドラム1と対向する現像領域へと供給される。現像領域へと供給された現像剤Tは、感光体ドラム1上の潜像に応じて感光体ドラム1上に転移され、現像剤像(トナー像)を形成する。現像ローラ5aは、現像バイアス印加手段としての現像バイアス回路34に接続されており、通常、交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアス電圧が印加される。現像ローラ5a、固定磁石5b、現像ブレード5c等によって、感光体ドラム1上の潜像に現像剤を供給する現像手段5が構成される。本実施例では、現像剤Tと同極性に帯電された感光体ドラム1上の、露光により電位(絶対値)が減衰した部分に現像剤Tを付着させる反転現像方式が採用される。
一方、感光体ドラム1上への現像剤像の形成と同期して、記録媒体収容部としてのカセット200にセットされた記録媒体Pが、ピックアップローラ8、搬送手段9aを介して転写位置Nへと搬送されてくる。転写位置Nには、転写手段としての転写ローラ6が、感光体ドラム1に対向配置されている。そして、転写バイアス印加手段としての転写バイアス回路(図示せず)から転写ローラ6に転写電圧が印加されることによって、感光体ドラム1上の現像剤像は記録媒体Pに転写される。
現像剤像の転写を受けた記録媒体Pは、搬送手段9bで定着手段として熱ローラ定着器10へと搬送される。定着器10は、ヒータ10aを内蔵した定着ローラ10bと、駆動ローラ10cとを備えている。定着器10は、通過する記録媒体Pに熱及び圧力を印加して、記録材P上に転写されている未定着の現像剤像を記録媒体P上に定着させる。
定着器10によって現像剤像が定着された記録媒体Pは、搬送手段9cを介して排出トレイ14へと排出される。この排出トレイ14は、画像形成装置本体(以下、単に「装置本体」という。)100の上面に設けられている。
又、転写工程後の感光体ドラム1上に残留した現像剤は、クリーニング手段としてのクリーニング装置7によって除去される。その後、感光体ドラム1は、次の画像形成プロセスに供される。クリーニング装置7は、感光体ドラム1に当接するように設けられた弾性部材であるクリーニングブレード7aによって感光体ドラム1上の残留現像剤を掻き落とし、廃現像剤容器7bへと集める。
本実施例では、現像剤収納容器4と現像室5Aとは、現像枠体11によって一体的に形成されている。これにより、現像室5A(及び現像室5Aに設けられた現像ローラ5a、現像ブレード5c等の現像手段5)と現像剤収納容器4(及び現像剤収納容器4内に設けられた第1、第2攪拌部材4a、4b)とが一体として現像装置(現像ユニット)Cを形成している。又、感光体ドラム1と、クリーニングブレード7a及び廃現像剤容器7bを備えるクリーニング装置7と、帯電ローラ2とは、クリーニング枠体12に取り付けられている。そして、現像装置C(現像枠体11)とクリーニング枠体13とを一体に結合することによってプロセスカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」という。)Bが構成されている。カートリッジBは、装置本体100に設けられた装着ガイド、位置決め部材などとされる装着手段13を介して、装置本体100に取り外し可能に装着される。このカートリッジBは、使用者によって装置本体100から着脱自在である。又、本実施例では、画像形成装置Aは、未使用時の現像剤の充填量が異なる複数種類のカートリッジBが装着可能である。
[現像剤量検知装置]
画像形成装置Aは、現像装置C内の現像剤Tの消費に従ってその残量を逐次検知することできる現像剤量検知装置を有している。
現像剤量検知装置は、現像剤収容部内の現像剤量を検知するための検知手段と、現像剤収容部内の現像剤量に応じて検知手段が出力する信号に基づいて現像剤収容部内の現像剤量を検出する現像剤量検出手段と、現像剤量検出手段からの検出値に基づいて、現像剤収容部内の現像剤量の検知結果としての現像剤量レベルを切り替える制御手段と、を有する。以下、更に詳しく説明する。
本実施例では、現像剤量検知装置は、検知手段としての電極部材間の静電容量の変化を測定することによって現像剤収容部内の現像剤量を検知する。つまり、本実施例では、現像剤担持体である現像ローラ5a、並びに、検知部材としての板状部材である第1のプレートアンテナ(以下「第1板金」という。)31及び第2のプレートアンテナ(以下「第2板金」という。)が、静電容量の測定のための電極部材として機能し、検知手段30を構成する。図2に示すように、本実施例では、第1板金31及び第2板金32は、現像ローラ5aに対向する位置に、現像装置Cの長手方向(現像ローラ5aの回転軸線方向)のほぼ全域にわたって配置されている。第1板金31及び第2板金32は、現像ローラ5aに電圧が印加された際に、現像ローラ5aとの間に誘起される静電容量に応じた信号を出力する出力側電極部材として機能する。第1板金31は、入力側の電極部材として機能する現像ローラ5aのより近位に配設され、第2板金32は、第1板金31よりも現像ローラ5aから遠い位置に配設される。
第1板金31及び第2板金32は、基本的に電流を流すことのできる材料であれば特に限定することなく使用することができる。本実施例では、第1板金31及び第2板金32の材料として、サビに強いSUS(ステンレススチール)を使用した。
通常の現像バイアスである2KHz程度の交流バイアスと、−400V程度の直流バイアスが現像ローラ5aに印加されると、現像ローラ5aと第2板金32との間、及び、現像ローラ5aと第1板金31との間で各々交流電流が流れる。この時の各々の電流値が、電流測定部33a及び33bによって計測される。
基本的に、現像ローラ5aから遠い位置に配置された第2板金32は、現像剤収容部内の現像剤が多い時の現像剤量の検知に利用され、現像ローラ5aに近い位置に配置された第1板金31は、現像剤収容部内の現像剤が少なくなった時から「現像剤無し」状態までの、終盤の現像剤量の検知に利用される。
こうして、電流測定部33a及び33bによって測定された電流値から、現像ローラ5aと第2板金32との間に誘起される静電容量、現像ローラ5aと第1板金31との間に誘起される静電容量が計測される。
このように、第1板金31と第2板金32とを現像装置C内に配設し、現像装置C内の現像剤Tの減少に伴って現像ローラ5aと第1板金31との間、或いは現像ローラ5aと第2板金32との間の静電容量を計測することで、随時現像剤収容部(現像室5A、現像剤収納容器4)内の現像剤量を知ることができる。
図3をも参照して、本実施例では、検知手段30、特に、出力側の電極部材である第1板金31及び第2板金32からの電流は、装置本体100に設けられた、現像剤量検出手段としての本体側現像剤量検出部23が具備する電流測定部33a、33bによって計測される。検知手段30(第1板金31、第2板金32)からの出力信号は、本体側現像剤量検出部23が具備する検出値変換部38で電圧信号に変換される。そして、検知手段30の出力信号に応じて本体側現像剤量検出部23が出力する検出信号は、本体制御部22に送られる。本体制御部22は、演算部24、制御手段25、現像剤残量補正テーブル26を用いて使用者に報知すべき現像剤量レベルを決定する。本体制御部22は、決定した現像剤量レベルに関する情報を表示させる信号を、装置本体100の表示手段40に送信する。
尚、単に現像剤量レベルを表示させるだけではなく、例えば、所定品位の画像形成が不可能なほど現像剤が減少した旨を使用者に報知するために、「現像剤無し」等の警告を表示させることができる。又、現像剤量レベルに関する情報を使用者に報知する手段としては、装置本体100に設けられた表示手段40に限定されるものではない。例えば、本体制御部22は、装置本体100に通信可能に接続されたホストコンピュータに現像剤量レベルに関する情報を表示させるための信号を送信することもできる。これにより、ホストコンピュータのモニター等の表示手段に、現像剤量レベルに関する情報を表示させてもよい。勿論、報知手段は、表示する態様に限定されるものではなく、音声によるものであってもよいし、或いは画像形成装置Aが記録媒体Pに記録して出力してもよい。
上述のように、本体側現像剤量検出部23は電流測定部33と検出値変換部38の機能を有し、電圧値としての検出信号を本体制御部22に送信する。ここで、図4を参照して、本体側現像剤量検出部23による静電容量の計測方法の原理について更に説明する。但し、本発明において、現像剤量検出手段の回路構成、出力信号の属性等(電流値、電圧値等)は何ら制限されるものではない。尚、本体側現像剤量検出部23の動作内容は、検知部材としての第1板金31、第2板金32のそれぞれで実質的に同一であるので、以下、特に、第2板金32に注目して説明する。
現像ローラ5aは、カートリッジBが画像形成装置本体Aに装着された状態で、装置本体Aに設けられた電圧印加手段(現像バイアス印加手段)としての現像バイアス回路34に電気的に接続される。そして、通常の現像バイアスである2KHz程度の交流バイアスと−400V程度の直流バイアスが現像ローラ5aに印加される。
先ず、現像バイアス回路34から所定の交流バイアスが出力されると、その印加バイアスはリファレンス用コンデンサ37と、現像ローラ5aにそれぞれ印加される。これによって、リファレンス用コンデンサ37の両端には電圧V1が発生し、第2板金32には、現像ローラ5aとの間の静電容量C2に応じた電流が発生する(電流測定部)。この電流値を演算によって電圧V2に変換する。
検出回路(比較回路)35は、入力されるリファレンス用コンデンサ37の両端に発生する電圧V1と上記電圧V2との電圧差から、電圧V3を生成し、この電圧V3をAD変換部36に出力する。AD変換部36は、アナログ電圧V3をデジタル変換した結果を本体制御部22に出力する(検出値変換部)。
[現像剤量レベル決定制御態様]
次に、本実施例の現像剤量検知装置による現像剤量レベルの決定方法の原理及びその制御態様について説明する。
上述のように、本実施例では、検知手段30、特に、出力側電極部材として機能する第1板金31及び第2板金からの出力信号は、本体側現像剤量検出部23により電圧値に変換されて、本体制御部22に入力される(以下、この電圧値を「検出電圧値」という。)。
図3に示すように、カートリッジB側には、記憶媒体としてのメモリ20と、伝達部21とが配置されている。そして、上述のように、本体制御部22には、演算部24、制御手段25、現像剤残量補正テーブル26などが配設される。又、本体制御部22は、カートリッジBの伝達部21との間で情報を送受信する本体側の伝達部の機能を有する。本体制御部22は、これら伝達部を介して、メモリ20に対する情報の書き込み、読み込みを制御する。
本体制御部22では、演算部24が、本体側現像剤量検出部23からの検出電圧値、カートリッジBのメモリ20内に記憶された情報に基づき、後述する所定の演算処理を行う。メモリ20内に格納された情報は、本体制御部22内の演算部24と常に送受信可能な状態になっている。そして、制御手段25は、現像剤残量補正テーブル26を用いて、演算部24による演算で得られたデータの照合を行うことによって、検出電圧値を適正に補正し、現像剤量レベルを決定する。更に、本体制御部22は、決定した現像剤量レベルに関する情報を、例えば装置本体100の表示手段40に表示すべく、その情報或いは「現像剤無し」等の警告を表示させるための信号をこの表示手段40に送信する。本実施例では、現像剤量レベルは、未使用時の現像剤量から画像白抜けが発生する時に残る現像剤量を差し引いた現像剤量を100%とした場合の残量割合(%)で表示する。
現像剤残量補正テーブル26は、本体制御部22が備える記憶媒体としてのROMの残量検知補正テーブル記憶領域に記憶されている。又、演算部24、制御手段25は、該ROMに記憶された残量検知プログラム、定数データ等にしたがって動作し、現像剤量レベルの決定が行われる。演算部24、制御手段25、更には現像剤残量補正テーブル26の記憶媒体の全部若しくは一部が単一の素子となっていてもよい。
メモリ20内には様々な情報を格納することができるが、本実施例では、少なくとも検出電圧値の最小値(プレート・アンテナ・フル値:以下「PAF値」という。)が格納されているものとする。このPAF値は、第1板金31、第2板金32が共にトナーによって覆われている状態の時の検出電圧値の最小値である。つまり、本実施例では、図16に示すように、現像剤量が多い時には検出電圧値は小さく、現像剤量が少なくなると検出電圧値が大きくなる。従って、検出電圧値の最小値は、第1板金31及び第2板金32を用いて検知される静電容量でいえば最大値を意味し、現像剤収容部内の最大の現像剤量を示す。
[現像剤量レベル決定方法]
<現像剤量レベル決定方法の概要>
以下、カートリッジBのメモリ20を用いた現像剤量レベルの決定方法(検出電圧値の補正方法)について更に説明する。
本体制御部22は、PAF値をメモリ20に書き込む。メモリ20内に記憶されたPAF値は、制御手段25によって検出電圧値と常に比較され、以前の値よりも検出電圧値Xが小さい場合には、メモリ20内のPAF値は逐次書き換えられる。こうして、検知手段30によって検知される静電容量の最大値に対応した検出電圧値の最小値が、常にPAF値として確実にメモリ20に記憶される。
又、検出電圧値を補正するためのテーブル、即ち、検出電圧値Xから現像剤量レベルを決定するために現像剤残量補正テーブル26として、検出電圧値XのPAF値からの変化量(X−(PAF値):以下「検出電圧値差」という。)(V)と、現像剤量レベルとしての現像装置C内の現像剤残量(%)との関係を、本体制御部22内に予め格納しておく。
現像剤量レベルの決定に際しては、演算部24は、PAF値と検出電圧値Xとから、検出電圧値差(V)を算出する。そして、制御手段25は、検出電圧値差(V)と現像剤残量(%)とが関係付けられている現像剤残量補正テーブル26を参照することで、現像剤量レベルである現像剤残量(%)を決定する。
このように、生の検出電圧値Xと現像剤残量(%)とを照らし合わせるのではなく、PAF値からの検出電圧値Xのズレ量に基づいて現像剤残量(%)を割り出す。これにより、カートリッジBが個々に持つ電極部材(第1板金、第2板金等)の位置差等の個体差を無視することができ、より精度良く現像剤量を検知することができる。但し、本発明は、これに限定されるものではなく、検出電圧値自身と現像剤量レベルとを関係付けてもよい。
尚、本実施例では、上述のように現像剤量レベルとして、未使用時の現像剤量から画像白抜けが発生する時に残る現像剤量を差し引いた現像剤量(実質使用可能現像剤量)を100%とした場合の残量割合(%)を決定し、その情報を報知する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像剤残量補正テーブル26において、検出電圧値差(V)を、現像剤量レベルとして現像剤量(g)と関係付けていてもよい。現像剤残量補正テーブル26によって現像剤量レベルとして現像剤量(g)を決定し、その結果に基づいて現像剤残量(%)を算出するようにしてもよい。更に、現像剤残量(%)は、実質使用可能現像剤量に対する残量割合(%)に限定されるものではなく、未使用時の現像剤量に対する残量割合を決定し、別途画像白抜けを警告するなどしてもよいことは容易に理解されよう。
ここで、本実施例の画像形成装置Aは、背景技術で説明したものと同様に、画像形成装置に対して、大容量カートリッジとしての20Kカートリッジと、小容量カートリッジとしての10Kカートリッジの2種類のカートリッジが着脱可能になっている。本実施例では、大容量カートリッジは、未使用時の現像剤量が1050g、画像白抜け時に残る現像剤量が50gで、実質使用可能現像剤量が1000gであるものとする。又、小容量カートリッジは、未使用時の現像剤量が550g、画像白抜け時に残る現像剤量が50gで、実質使用可能現像剤量が500gであるものとする。
そして、本実施例の画像形成装置Aが備える現像剤量検知装置は、大容量カートリッジに最適されている。より詳細には、本体現像剤量検出部23等の演算素子は、大容量カートリッジにおいて検出電圧値(より詳細には検出電圧値差)の最小刻み幅(解像度)が現像剤残量表示(%)の刻み幅と1対1に関係付けられるように設定されている。これに限定されるものではないが、例えば、装置設計後に小容量カートリッジが同一画像形成装置で使用できるようになった状況などに対応する。
以下、従来方式では検知精度が厳しい方向となる小容量カートリッジについて現像剤量レベルを決定する方法について説明する。ユーザビリティーを考えると、現像剤残量表示(%)は、1%毎の刻みを確保することが望ましい。
表1は、本発明に従って小容量カートリッジに対して適用される現像剤残量補正テーブル26の一例を示す。表1には現像剤残量(%)に対応する現像装置C内の現像剤量(g)も併せて示している。
尚、ここでは、検出電圧値Xとして、現像ローラ5aから遠い第2板金32の出力信号に応じて生成された検出電圧値のみに注目して説明する。表1には、本実施例における第2板金32の検知範囲である、25%から10%までの現像剤残量(%)について示し、それより現像剤残量(%)の少ない範囲については省略している。10%未満の現像剤残量(%)は、第1板金31の出力信号を用いることにより検知する(詳しくは後述する。)。
表1の現像剤残量補正テーブル26によれば、検出電圧値差が0.4V以上となって始めて現像剤残量の%表示が100%から25%へと切り替わる。その後、基本的には、検出電圧値差(V)が0.41V以上、0.42以上、・・・と大きくなるに伴って現像剤残量(%)が少なくなるようになっている。
ところで、本実施例では、小容量カートリッジのために演算素子の解像度を必要以上に上げることはしない。本実施例では、演算素子は、大容量カートリッジに最適化されており、現像剤量の変化を検知できる検出電圧値の最小変化量(解像度)は0.01Vに設定されている。つまり、大容量カートリッジにおいては、検出電圧値(より詳細には検出電圧値差)(V)が0.01V変化する毎に、現像剤残量表示(%)を1%変化させる。
従来方式では、小容量カートリッジについても、この0.01Vづつの検出電圧値の変化に対応して、現像剤残量表示(%)を1%づつ更新させていた。そのため、前述のような問題があった。
これに対して、本実施例では、表1に示すように、例えば、23%、19%、18%、15%の現像剤残量表示(%)に対応した検出電圧値差が指示されていない。つまり、小容量カートリッジに対しては、現像剤残量表示(%)と検出電圧値差(V)とは1対1には関係付けられていない。
そして、本実施例では、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(V)が変わらなくても、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値が再び検知された時に現像剤残量表示(%)を切り替える。即ち、本実施例では、複数の現像剤量レベルのうち少なくとも一部の現像剤量レベルに関しては、現像剤量検出手段としての本体現像剤量検出部23からの検出値が同一の値である場合に現像剤量レベルを切り替える。
特に、本実施例では、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差(V)が、所定期間後に再び検知された時に現像剤量が少なくなったことを認識し、現像剤残量表示(%)を切り替える(ここでは、1%下げる)。即ち、本実施例では、複数の現像剤量レベルのうち少なくとも一部の現像剤量レベルに関しては、現像剤量レベルを切り替えた際の、本体現像剤量検出部23からの検出値と、現像剤量レベルを切り替えてから所定期間後の検出値とが同一の値である場合に、現像剤量レベルを切り替える。
一般に、検出電圧値差(V)が一度は現像剤残量表示(%)を切り替えるのに必要な値になったとしても、その後も検出電圧値がその値を維持し続けることはなく、寧ろばらつく。本実施例の現像剤量レベルの決定方法はこのことを利用している。
つまり、0.41Vの検出電圧値差(V)が1回でも検知されれば、制御手段25は、現像剤残量補正テーブル26を参照することにより、25%だった現像剤残量表示(%)を24%へと切り替える。その後、23%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、現像剤残量補正テーブル26において現像剤残量表示(%)と関係付けられた検出電圧値差(V)によるのではなく、所定期間後に再び0.41Vの検出電圧値差(V)が検知された時に行う。
このようにして、検出電圧値の変化なしに、現像剤残量表示(%)を減ずる(更新する)ことが可能である。
ここで、現像剤残量補正テーブル26において、どの現像剤残量表示(%)に対応する検出電圧値差(V)を指示しないか、換言すれば、検出電圧値(検出電圧値差)の変化がなくてもそれに切り替える現像剤残量表示(%)の値をどれにするかは、カートリッジ(より詳細には現像剤収容部)の構成に応じて、実際の現像剤量と検出電圧値の推移等の関係などから適宜予め決定すればよい。表1の態様に限定されるものではない。
又、検出電圧値差(V)の変化がなくても現像剤残量表示(%)を変化させる条件である上記所定期間は、現像剤消費量が最大の画像を形成した場合に現像剤量レベルの最小刻み幅分の現像剤量を消費するのに要する所定の記録媒体Pに対する画像形成回数(通紙枚数)に相当する期間以上に設定される。更に説明すれば、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pにベタ画像のように100%印字(全面印字)された画像が連続して形成された場合に、現像剤量が1%(本実施例における現像剤量レベルの最小刻み幅)減少するのに要する画像形成回数(通紙枚数)に相当する期間以上経過しなければ、現像剤残量表示(%)を切り替えないようにする。
仮に、現像剤量が1%減少するのに、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pの10枚に対するベタ画像の形成が必要である場合を考える。この場合、A4サイズの記録媒体Pを10枚以上通紙するまで、つまりは、10枚未満の通紙枚数では、現像剤が1%減少することはありえない。従って、この場合、例えばA4サイズの記録媒体Pの10枚に画像形成を行う期間を上記所定期間として設定することができる。この所定期間内では、検出電圧値を無視することで、現像剤量の誤検知を避けることができる。即ち、例えば標準紙であるA4サイズの記録媒体Pに対しべた画像を形成することにより減少する現像剤の量を画像形成装置における最大の現像剤消費量としたとき、現像剤残量表示(%)の最小刻み幅である1%分消費するのに必要な画像形成回数(通紙枚数)を所定期間とする。そして、この条件の下で、所定期間内で検出電圧値が大きく変化しても、それはノイズか、誤検知として判断し、所定期間内では現像剤残量表示(%)を更新しない。
そして、この所定期間以降に所望の検出電圧値(現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基になった検出電圧値)を検知して始めて、現像剤残量表示(%)を減じる。このような条件を設けることで、より実際の現像剤量変化に近く、精度の高い現像剤量の検知を行うことができる。
尚、上記所定期間は、検出電圧値の変化のないところで現像剤残量表示(%)を切り替える際に限らず、現像剤残量表示(%)が切り替わった後は常に、この所定期間の間が経過するまでは現像剤残量表示(%)を切り替えないようにすることができる。
又、連続する複数の現像剤量レベルに対して検出電圧値差(V)の指示をせず、検出電圧値差(V)の変化なしに現像剤残量表示(%)を切り替えるようにしてもよい。例えば、表1に示す現像剤残量補正テーブル26においては、19%及び18%の連続する2刻み分の現像剤残量表示(%)に対して、検出電圧値差(V)が指示されていない。この場合、先ず、現在の現像剤残量表示(%)である20%に切り替わる基となった0.43Vの検出電圧値差(V)が、所定期間後に再度検知された時に、現像剤残量表示(%)を19%へと切り替える。そして、更に同じ所定期間が経過した後に0.43Vの検出電圧値差(V)が再度検知された時に、現像剤残量表示(%)を18%へと切り替える。
当然、現像剤残量補正テーブル26において検出電圧値差(V)が指示されている場合には、その検出電圧値差(V)以上の値が検知された時に、次の現像剤残量表示(%)に切り替える。
又、本実施例では、上記所定期間内で、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差以上の検出電圧値差が検知された場合(例えば、表1に従って現在の現像剤残量表示(%)が24%である時に、0.42Vの検出電圧値差(V)が検知された場合)には、その検出電圧値は無視して、現像剤残量表示(%)の更新はしない。現像剤消費量を最大に見積もって現像剤残量が最小刻み幅分減少するのに必要な期間内で現像剤残量(%)が変化することはないと判断し得るからである。そして、その所定期間が経過した以降は、上記の如く現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差以上の検出電圧値差が検知された場合(例えば、表1に従って現在の現像剤残量表示(%)が24%である時に、0.42Vの検出電圧値差が検知された場合)には、本実施例では、23%を飛ばして22%に切り替える。
<現像剤量レベル決定動作>
図5は、上述のような現像剤量レベル決定方法により現像剤残量表示(%)を更新する動作の一例を示すチャート図である。縦軸は検出電圧値(括弧内はPAF値を1.0Vとした時の検出電圧値差)を示し、横軸は時間による検出電圧値(検出電圧値差)の推移を示す。
図5中実際の検出電圧値(検出電圧値差)の推移は実線で示している。本実施例では、本体現像剤残量検出部23は、10msec毎に検出電圧値を収集しているが、一定期間で平均化した値を1データとする。ここでは、標準紙であるA4サイズの記録媒体Pの1枚分の期間を平均化して1データとする。図5では、図示の通り横軸の1区切り分を検出電圧値(検出電圧値差)の1データとする。
先ず、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って、検出電圧値差(V)が0.39Vから0.4Vへ変化した最初のポイントで、現像剤残量表示(%)を25%に切り替える。同様に、検出電圧値差(V)が0.41Vになった時点で、現像剤残量表示(%)を24%に切り替える。
そして、24%から23%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、上述のように、検出電圧値差(V)の変化によらずに所定期間後に再度0.41Vの検出電圧値差(V)が検知された時に行う。つまり、図中矢印で示す所定期間内において、検出電圧値差(V)は0.41Vのままであるが、この検出電圧値差が始めて検知された時に比べて、通紙枚数(検出電圧値データ数)が増えるのに伴って、0.41Vの検出電圧値差(V)が検知される頻度が高くなってくる。
このように、同じ検知電圧値でも、実際に現像剤が減ってくると、その分検出電圧値も安定してくる。本実施例ではこのことを利用する。つまり、検出電圧値が変化しなくとも、同じ検出電圧値が所定期間後に再び検知される時には、検出値の信頼性もより高くなってきている。このように、同じ検出電圧値が安定して得られるようになることは、実際に現像剤が減少してきていることを意味する。そこで、これを利用することで、所定期間後に再度同じ検出電圧値が得られた時に現像剤残量表示(%)を切り替える。
従って、上述のように検出電圧値を無視する所定期間を10枚通紙分(検出電圧値のデータ数では10ポイント分)とすると、現像剤残量表示(%)が24%に切り替わる基となった検出電圧値差(V)である0.41Vが、11枚(11ポイント)目以降に再び検出された時に、現像剤残量表示(%)を23%に切り替える。図示の例では、11枚(11ポイント)目に再び0.41Vの検出電圧値差(V)が検知されているので、11枚(11ポイント)目に現像剤残量表示(%)を23%に切り替えている。
その後、22%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って、検出電圧値差(V)が0.42Vになった時に行う。
又、図6は、表1の現像剤残量補正テーブル26において現像剤残量表示(%)に対して検出電圧値差(V)が指示されていない19%、18%へ現像剤残量表示(%)を順次切り替える場合を例示する。この場合、上述の通り、所定期間の検出電圧値を無視し、その後に前回の現像剤残量表示(%)の切り替えの基となった検出電圧値が再び検出された時点で、現像剤残量表示(%)を順次切り替える。
更に、図7は、現像剤残量表示(%)が切り替わった後の所定期間は検出電圧値を無視する様子を示す。つまり、図中矢印にて示す所定期間内に0.42Vの検出電圧値差(V)が検出されている。しかし、上述のような理由で、この検出電圧値差(V)は誤検知と考えて無視し、現像剤残量表示(%)の更新は行わない。そして、この所定期間が経過した後に、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差(V)である0.41Vが再び検出された時点で、現像剤残量表示(%)を23%に切り替える。但し、本実施例では、図中破線で示す如く所定期間後に検出電圧値差(V)0.42Vが検出されれば、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って、23%を飛ばして22%に現像剤残量表示(%)を切り替える。
<従来方式との対比>
ここで、表2を参照して、従来通りに検出電圧値の変化のみで現像剤残量表示(%)を切り替えることを想定し、本実施例による効果について更に説明する。
表2のA欄及びB欄を参照して、従来方式によれば、検出電圧値差(V)の最小刻みが0.01Vの場合、検出電圧値の変化があった時のみに現像剤残量表示(%)を1%づつ減じていく。この場合、上記本実施例と同様に、電圧値差(V)が0.4Vの時現像剤残量表示(%)を25%とすると、その後検出電圧値差(V)が0.01Vずつ増加するのに伴って、現像剤残量表示は順次25%から10%へと1%ずつ変化していく。この場合、25%から10%までの現像剤残量表示(%)の変化に対して、検出電圧値差(V)の変化幅は0.4Vから0.55Vまでの0.15Vとなる。
これに対して、精度良く実際の現像剤量と残量表示とが等しくなるのは、表1の現像剤残量補正テーブル26のように、検出電圧値差(V)の変化幅を上記のような0.15Vではなく0.4Vから0.5Vまでの0.1Vとした時である。表2のC欄は検出電圧値差(V)に対する実際の現像剤残量(実残量)(%)、D欄はその時の実際の現像剤量(実現像剤量)(g)を示している。
表2のA欄の現像剤残量表示(%)から見た現像剤量は表2のE欄である。従来方式によれば、例えば、検出電圧値差(V)が0.5Vであれば現像剤残量表示(%)を15%とし、この時現像剤残量表示(%)から見た現像剤量は75gと想定される。しかし、表2のD欄に示す如く、実際には、現像剤残量(%)は10%であり、この時の実際の現像剤残量は50g程度しかない。
つまり、従来方式によると、実際の現像剤量と表示残量とがかけ離れた検知精度の悪いものになる。
図8は、本実施例及び従来方式のそれぞれにより決定された現像剤残量(%)と、現像剤残量(%)の理論値との関係を示している。横軸が検出電圧値(V)から見た現像剤残量表示(%)であり、縦軸が現像剤残量(%)の理論値である。現像剤残量(%)の理論値は、次のように求めたものである。一定の印字パターンで、カートリッジBとして小容量(10K)カートリッジを白抜け画像が発生するまで使用し続ける。この時、白抜け画像が、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pの10000枚に対し画像形成を行った時点で発生したとすると、理想系(理論値)では7500枚目が現像剤残量25%、8000枚目が20%というように、白抜け枚数から逆算された枚数と残量との関係から上記理論値を求める。例えば、実際に決定された現像剤残量表示(%)が20%である時の画像形成枚数が8500枚目ならば、理論値からすると8500枚目は15%なので、横軸で20%、縦軸で15%のところを結んだところがプロットされている。
従って、図8中、理論値に対し実際に決定された現像剤残量表示(%)が小さい場合、実際より現像剤残量(%)が多く表示されていることになり、検知タイミングが遅くなっていることを意味する。
図8から分かるように、検出電圧値の変化のみで現像剤残量表示(%)を決定する現像剤残量補正テーブルを利用した従来方式(▲)では、検知タイミングが遅れる。これに対し、本実施例(■)のように、表1の現像剤残量補正テーブル26を用いると共に、検出電圧値のみの変化だけではなく、同じ電圧値内でもその電圧値の発生状況を加味して現像剤残量表示(%)を切り替えると、検知タイミングと理想値(%)との関係がほぼ合致する、高い検知精度が得られる。
尚、以上では、電圧入力部分の現像ローラ5aから遠い第2板金32の出力信号に基づく現像剤量レベル決定方法に絞って説明してきた。これは次の理由による。つまり、電圧入力部である現像ローラ5aから遠い分だけ、静電容量値の変化が現像剤量の変化に対して非常に小さい。そのため、実質電圧値変化も小さいものとなり、その小さい変化量の中で、より多くの残量%を刻むのは厳しい。このような場合、本実施例の効果は顕著となる。
図8中10%以下に対するプロット(●)は、第1板金31の出力信号に基づく現像剤残量表示(%)の推移である。ここでは、第1板金31の出力信号を用いる現像剤残量(%)範囲(10%から0%まで)では、従来方式同様に、検出電圧値の変化のみにより現像剤残量(%)に関係付ける現像剤残量補正テーブルを用いて、現像剤残量表示(%)を決定しているが、高精度な検知精度が得られている。これは、第1板金31については、上述のように静電容量的に、つまり、電圧値変化的に十分な変化幅の下、現像剤残量表示(%)の刻み数も少ないためである。
しかし、本実施例の方法は、電圧入力部分に近い第1板金31についても同様に適用することができる。第1板金31では、変化できる静電容量値は大きい。しかし、現像剤残量(%)の刻みが細かく、検出電圧値の最小刻み幅(解像度)から見た検知電圧変化数より現像剤残量(%)の刻み数が上回っている時には有効な手段となり得る。
<現像剤量レベル決定シーケンス>
次に、図9のフローチャートを参照して本実施例における現像剤量レベル決定動作について説明する。尚、途中使用される現像剤残量補正テーブル26は表1に示したものである。
S101:装置本体100の電源がオンとされる。
S102:本体制御部22が、メモリ20内にPAF値が記憶されているか否かを確認する。
・Case1:S102で“No”と判断した場合
S103:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S104:本体制御部22が、測定された検出電圧値Xをメモリ20内にPAF値として記憶させ、S105に進む。
・Case2:S102で“YES”と判断した場合
S105:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S106:制御手段25が、メモリ20内に格納されているPAF値と検出電圧値Xとを比較し、検出電圧値Xがメモリ20内に記憶されているPAF値より小さいか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS107に進み、メモリ20内のPAF値を更新し、その後S105に戻る。又、“No”と判断した場合にはS108に進む。
S108:演算部24が、メモリ20に記憶されたPAF値と検出電圧値Xとから、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(X−(PAF値))を算出する。
S109:制御手段25が、S108にて演算部24が算出した値を、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせる。
S110:制御手段25が、S108で算出した検出電圧値差は、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせた場合に現像剤残量表示(%)を更新できる値であるか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS111に進む。又、“No”と判断した場合にはS105に進み、再び検出電圧値の測定に入る。
S111:制御手段25が、現像剤残量表示(%)が所定期間表示されたかを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS112に進む。又、“No”と判断した場合にはS105に進み、再び検出電圧値の測定に入る。
S112:制御手段25は、現像剤残量表示(%)がY%であることを示す信号を、装置本体100の表示部40に発信し、表示部40にその情報を表示させる。
S113:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)が特定の残量(%)か否かを確認する。ここでいう、特定の残量(%)とは、表1の現像剤残量補正テーブル26において、検出電圧値差が指示されていない現像剤残量(%)、即ち、23%、21%、19%、18%、15%のそれぞれに切り替わる前の現像剤残量(%)である。つまり、24%及び22%、20%、19%、16%のことである。そして、“Yes”と判断した場合にはS114に進む。又、“No”と判断した場合にはS120に進む。
S114:制御手段25は、所定期間内は現像剤残量表示(%)の切り替えがないように、検出電圧値を無視し、所定期間が過ぎたらS115へ進む。
S115:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一の検出電圧値差が再び検出されたか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS116に進む。又、“No”と判断した場合にはS117に進む。
S116:制御手段25は、現像剤量レベルが減ったと判断し、現像剤残量表示(%)を1%減じて表示させる。
S120:制御手段25が、現像剤残量Y(%)が0%に達したか否かを確認する。そして、“No”と判断した場合にはS105に進み、上述のシーケンスを繰り返す。又、“Yes”と判断した場合にはS121に進み、シーケンスを終了する。
S117:S115の判断において、検出電圧値差が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一でないことが分かった。ここでは、制御手段25は、この検出電圧値差が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差より大きいか否かを判断する。そして、“YES”、即ち、大きいと判断した場合にはS118に進む。又、“NO”、即ち、小さいと判断した場合にはS119に進む。
S119:再び検出電圧値の測定に入り、S115へ進み、上述のシーケンスを繰り返す。
S118:S117の判断において、検出電圧値差が十分大きいと判断した。ここでは、制御手段25は、この検出電圧値差から現像剤残量補正テーブル26に基づいて現像剤残量表示(%)を決定し、表示させる。その後、S120へ進む。
尚、現像剤残量補正テーブル26として、大容量カートリッジ用、小容量カートリッジ用と、複数種類のものを本体制御部22に予め設定しておくことができる。即ち、例えば、本体制御部22が備える記憶媒体としてのROM内のそれぞれの領域に、これら両カートリッジ用の現像剤残量補正テーブル26を記憶させる。そして、例えばカートリッジB側のメモリ20に記憶されている情報、カートリッジ形状等の識別手段によって自動的に、或いは使用者が装置本体100の操作部(或いは装置本体100と通信可能に接続されたホスト機器の操作部)から入力することによって手動にて、制御手段25が装置本体100に装着されているカートリッジの種類を検知し得るようにすることができる。これにより、制御手段25は、検知したカートリッジの種類に応じた現像剤残量補正テーブル26を用い、又検知したカートリッジの種類に応じた現像剤量レベル決定シーケンスにて現像剤量レベルを決定することができる。
上述のように、本実施例では、基本的には従来と同様に、検出電圧値と現像剤量レベルとを関係付ける現像剤残量補正テーブルに基づいて現像剤残量を求める。又、この時、これに限定されるものではないが、好ましくは、生の検出電圧値ではなく、最大の現像剤量に対応する検出電圧値(PAF値)からの検出電圧値のズレと、現像剤量レベルとを関係付ける現像剤残量補正テーブルを用いる。そして、本実施例では更に、検出電圧値の変化が見られない場合でも、現像剤残量を検出できるようにする。
ここで、表示する現像剤量レベルの数より、最小刻み幅(解像度)での検出電圧値の変化数を多くする、つまりは検出電圧値の解像度を上げることにより、前述のような従来方式における問題を解消することが考えられる。しかしながら、必要以上の解像度を持っても、ノイズ等に敏感になり過ぎて、かえって現像剤量の検知精度を悪くすることがある。従って、仕様上の解像度が上がっているだけでは正確に現像剤量を検知できることにはならない。又、検出電圧値の解像度を必要以上に上げようとした場合、演算素子のコストが非常に高くなることがある。
以上、本実施例によれば、検出値の最小変化量(解像度)より小さい検出値の変化で現像剤量の変化を検知しなければならない条件下でも、検知精度を高精度に維持することができる。又、本実施例によれば、検出電圧値が変化した場合に現像剤残量表示を更新するのではなく、検出値の最小変化量(解像度)内での現像剤残量の変化を、同一の検出値を検知したことにより、より詳細には所定期間後に再度同一の検出値を検知したことにより認識し、現像剤残量表示を更新する構成とする。これにより、限られた条件下で現像剤残量の検知精度を落とすことなく検知精度を維持、向上させることができる。
つまり、検出値の最小刻み幅(解像度)を上げることによる演算素子の高コスト化、或いは種類の異なるカートリッジに対して異なる演算素子を設けることによる高コスト化などを招くことなく、所望の変化範囲内での現像剤量レベルの刻み数より検出値の最小刻み数(解像度)が少ない場合でも、検知精度を維持することができる。これにより、装置のコストを抑えることができる。
本実施例によれば、現像剤量レベルを高精度にて検知することができるので、使用者が交換用のカートリッジを用意するタイミングが遅すぎたり、実際よりも現像剤量を少なく検知していた場合などに交換用カートリッジの在庫を必要以上に抱え込んだりする機会は少なくなり、ユーザビリティーに優れている。
実施例2
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は上記実施例のものと同じであるので、ここでは上記実施例の画像形成装置と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
[現像剤量レベル決定方法]
<現像剤量レベル決定の概要>
本実施例では、基本的には実施例1と同様にして、検出電圧値の変化がなくても、現像剤量の変化に応じて現像剤残量表示(%)を切り替え得る構成とする。つまり、基本的には、検出電圧値差(V)が変わらなくても、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値が再び検知された時(より詳細には、所定期間後に再び検知された時)に、現像剤残量表示(%)を切り替える。
本実施例では、更に正確に、精度良く現像剤残量表示(%)を切り替えることを可能とする。更に、現像剤残量表示(%)を、確実に最小刻み幅(本実施例では1%)毎に切り替えることを可能とする。
つまり、実施例1では、ノイズ、或いは検知量のバラツキによって、現像剤残量補正テーブルに従って検出電圧値の仕切り値(最小刻み幅)をジャンプすることがある。そして、現像剤残量表示(%)が2%程度毎となる場合がある。
そこで、本実施例では、現像剤量の検知精度を更より高精度とし、更に現像剤残量表示(%)を確実に最小刻み幅(ここでは、1%)毎とする。つまり、現像剤残量表示(%)が、必ず25%から最小刻み幅毎に順を追って経るシーケンスとする。以下、詳しく説明する。
先ず、本実施例においても、実施例1と同様に、現像剤残量表示(%)が切り替わった後の所定期間は、現像剤残量表示(%)を更新しない。この所定期間は実施例1と同様にして決定する。
そして、本実施例では、この所定期間以降での検出値について、実施例1のように現在の現像剤残量(%)に切り替わる基となった検出電圧値が1回でも検知されれば現像剤残量表示(%)を切り替えるのではなく、この検出電圧値が所定回数検知されるか、又は、この検出電圧値が所定期間連続的に検知され続けた時に初めて現像剤残量表示(%)を更新する。これによって、現像剤量の検知精度を向上させ、又信頼度を上げ、確実に現像剤が減少していくことを検知することができる。
更に、本実施例では、所定期間が経過した後に現像剤残量表示(%)を更新する場合にも、現像剤残量表示(%)の変化は1%ずつとする。
このようなシーケンスとすることによって、現像剤量の検知精度の更なる高精度化を図れると共に、誤検知防止にも繋がる。
<現像剤量レベル決定動作>
図10は、上記実施例における図5〜7と同様の図である。縦軸及び横軸の表記や刻み、検出電圧値データの平均化処理は、これら上記実施例における各図と同様である。
現像剤残量表示(%)が24%に切り替わるまでは、図5の場合と同様である。そして、本実施例では、図10中矢印にて示す所定期間(ここでは10枚通紙分:検出電圧値のデータ数では10ポイント分)が経過した後に、現像剤残量表示(%)が24%に切り替わった時の検出電圧値差(V)である0.41Vが所定回数(ここでは7ポイント:期間としては7枚通紙分)検出された時点で、現像剤残量表示(%)を23%へ切り替える。
このように、本実施例では、所定期間の後、ノイズ等による誤動作でないことを確かめるためにも、0.41V以上の電圧出力値差(V)が所定回数(又は所定期間)検知されたか否かをモニターする。更に精度良くするために、この電圧出力値差が連続して所定回数検知されたか否かをモニターするようにしてもよい。図示の例では、所定期間の後に0.41Vの検出電圧値差(V)が7回検知されたか、又は、0.41Vの検出電圧値差(V)が7回連続的に検知された時点で、次の現像剤残量表示(%)である23%へ切り替える。
ここで、同一の検出電圧値を所定回数(又は所定期間)検知した際に現像剤残量表示(%)を切り替える時の条件である、所定回数(又は所定期間)は、例えば、次のようにして決めることができる。
つまり、検出電圧値差(V)の変化がなくても現像剤残量表示(%)を変化させる条件である上記所定回数(又は所定期間)は、現像剤消費量が最大の画像を形成した場合に現像剤量レベルの最小刻み幅分の現像剤量を消費するのに要する所定の記録媒体Pに対する画像形成回数(通紙枚数)に設定することができる(又は、画像形成回数に相当する期間以上に設定することができる。)。更に説明すれば、例えば、標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pにベタ画像のように100%印字(全面印字)された画像が連続して形成された場合に、現像剤量が1%(本実施例における現像剤量レベルの最小刻み幅)減少するのに要する画像形成回数(通紙枚数)に達しなければ(画像形成回数に相当する期間以上経過しなければ)、現像剤残量表示(%)を切り替えないようにする。仮に、現像剤量が1%減少するのに、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pの10枚に対するベタ画像の形成が必要である場合を考える。この場合、A4サイズの記録媒体Pを10枚以上通紙するまで(画像形成回数10回以上)、つまりは、10枚未満の通紙枚数では、現像剤が1%減少することはありえない。従って、この場合、例えばA4サイズの記録媒体Pの10枚に画像形成を行う回数(期間)を上記所定回数(所定期間)として設定することができる。
又、この所定回数(又は所定期間は)は、現像剤量検知装置の構成に応じて、検出電圧値のノイズ等が発生する度合等を予め検討することにより、誤検知を防止するのに適当な所定回数(又は相当する期間)に適宜設定してもよい。
22%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って行うが、この場合も、現像剤残量表示(%)が23%に切り替わってから所定期間(ここでは10枚通紙分)は22%への切り替えは行わない。この所定期間以降に0.42Vの検出電圧値差(V)が検知された時点で始めて現像剤残量表示(%)を22%へと切り替える。
又、本実施例では、上述のように現像剤残量表示(%)は、1%ずつ更新する構成(プロテクト)になっているので、仮に23%から22%へ切り替えるポイントにおいて検出電圧値差(V)が0.43Vになっても、現像剤残量補正テーブル26に従って現像剤残量表示(%)を20%へと切り替えることはせず、1%減じて22%へと切り替える。
<現像剤量レベル決定シーケンス>
次に、図11のフローチャートを参照して本実施例における現像剤量レベル決定動作を説明する。尚、途中使用される現像剤残量補正テーブル26は表1に示したものである。
S201:装置本体100の電源がオンとされる。
S202:本体制御部22が、メモリ20内にPAF値が記憶されているか否かを確認する。
・Case1:S202で“No”と判断した場合
S203:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S204:本体制御部22が、測定された検出電圧値Xをメモリ20内にPAF値として記憶させ、S205に進む。
・Case2:S202で“YES”と判断した場合
S205:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S206:制御手段25が、メモリ20内に格納されているPAF値と検出電圧値Xとを比較し、検出電圧値Xがメモリ20内に記憶されているPAF値より小さいか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS207に進み、メモリ20内のPAF値を更新し、その後S205に戻る。又、“No”と判断した場合にはS208に進む。
S208:演算部24が、メモリ20に記憶されたPAF値と検出電圧値Xとから、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(X−(PAF値))を算出する。
S209:制御手段25が、S208にて演算部24が算出した値を、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせる。
S210:制御手段25が、S208で算出した検出電圧値差は、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせた場合に現像剤残量表示(%)を更新できる値であるか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS211に進む。又、“No”と判断した場合にはS205に進み、再び検出電圧値の測定に入る。
S211:制御手段25が、現像剤残量表示(%)が所定期間表示されたかを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS212に進む。又、“No”と判断した場合にはS205に進み、再び検出電圧値の測定に入る。
S212:制御手段25は、現像剤残量表示(%)を1%減ずる。
S213:制御手段25は、現像剤残量表示(%)がY%であることを示す信号を、装置本体100の表示部40に発信し、表示部40にその情報を表示させる。
S214:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)が特定の残量(%)か否かを確認する。ここでいう、特定の残量(%)とは、実施例1で説明したものと同じである。そして、“Yes”と判断した場合にはS215に進む。又、“No”と判断した場合にはS223に進む。
S215:制御手段25は、所定期間内は現像剤残量表示(%)の切り替えがないように、検出電圧値を無視し、所定期間が過ぎたらS216へ進む。
S216:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一の検出電圧値差が再び検出されたか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS217に進む。又、“No”と判断した場合にはS220に進む。
S217:制御手段25が、検出電圧値が現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一の検出電圧値差が所定回数検出されたか否かを確認する。そして、 “YES”、即ち、所定回数検知されたと判断した場合にはS218へ進む。又、 “NO”、即ち、所定回数検知されていないと判断した場合にはS219へ進む。
S219:検出電圧値を再び測定する。その後、再びS217へ進み、所定回数所望の検出値が検出されたか否かの判断が行われる。
S218:最初手段25は、現像剤量レベルが減ったと判断し、現像剤残量表示(%)を1%減じて表示させる。
S223:制御手段25が、現像剤残量Y(%)が0%に達したか否かを確認する。そして、“No”と判断した場合にはS205に進み、上述のシーケンスを繰り返す。又、“Yes”と判断した場合にはS224に進み、シーケンスを終了する。
S220:S216の判断において、検出電圧値差が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一でないことが分かった。ここでは、制御手段25は、この検出電圧値差が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差よりが大きいか否かを判断する。そして、“YES”、即ち、大きいと判断した場合にはS221に進む。又、 “NO”、即ち、小さいと判断した場合にはS222に進む。
S222:再び検出電圧値の測定に入り、S216へ進み、上述のシーケンスを繰り返す。
S221:S220の判断において、検出電圧値差が十分大きいと判断した。ここでは、制御手段25は、この検出電圧値差から現像剤残量補正テーブル26に基づいて現像剤残量表示(%)を決定し、表示させる。その後、S223へ進む。
以上、本実施例によれば、より精度の高い残量検知が行えると共に、確実に最小刻み%毎(ここでは、1%毎)に現像剤残量表示(%)を減じていくことができる。又、突然の検出電圧値の変化が、ノイズ等の誤動作によるものであるか否かがはっきりする。これにより、誤動作による現像剤残量表示(%)の切り替わりを防止することで、より精度の高い現像剤量の検知を行うことができる。
つまり、本実施例によれば、検出値が同一の場合でも現像剤量の変化を認識する構成とすることによって実施例1と同様の効果を奏しうると共に、更に、その同一の検出値を所定回数(又は所定期間)、好ましくは連続して検知した場合に現像剤量レベルの変化を検知することにより、検知精度を更に高めることができる。又、本実施例によれば、確実に現像剤残量表示を最小刻み幅毎に切り替えることができる。
実施例3
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は上記実施例のものと同じであるので、上記実施例の画像形成装置と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
[現像剤量レベル決定方法]
<現像剤量レベル決定の概要>
実施例1においては、表1の現像剤残量補正テーブル26中の検出電圧値差が指示されていない現像剤残量表示(%)へ切り替える際に、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差(V)が、所定期間後に再び検知された時に現像剤残量表示(%)を切り替える構成とした。
これに対し、本実施例では、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(V)が変わらなくても、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検知電圧値と同一の検出値を所定回数以上検知した時に、現像剤量が確実に少なくなったことを認識し、現像剤残量表示(%)を切り替える(ここでは、1%下げる)。即ち、本実施例では、複数の現像剤量レベルのうち少なくとも一部の現像剤量レベルに関しては、現像剤量検出手段としての本体現像剤量検出部23からの検出値が同一の値である場合に現像剤量レベルを切り替えるが、特に、本体現像剤量検出部23からの検出値が所定回数同一の値である場合に現像剤量レベルを切り替える。
更に、検知精度を上げるには、同一検出値を所定回数(又は所定期間)連続的に検知した場合に現像剤量レベルを切り替える。つまり、本実施例によれば、好ましくは、複数の現像剤量レベルのうち少なくとも一部の現像剤量レベルに関しては、本体現像剤量検出部23からの検出値が所定回数連続して同一の値である場合に現像剤量レベルを切り替える。或いは、本実施例によれば、好ましくは、複数の現像剤量レベルのうち少なくとも一部の現像剤量レベル関しては、本体現像剤量検出部23からの検出値が所定期間連続して同一の値である場合に現像剤量レベルを切り替える。
つまり、0.41Vの検出電圧値差(V)が1回でも検知されれば、制御手段25は、現像剤残量補正テーブル26を参照することにより、25%だった現像剤残量表示(%)を24%へと切り替える。その後、23%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、現像剤残量補正テーブル26において現像剤残量表示(%)と関係付けられた検出電圧値差(V)ではなく、0.41Vの検出電圧値差(V)値が1回だけではなく、所定回数検知された時に行う。
このようにして、本実施例では、検出電圧値の変化なしに、現像剤残量表示(%)を減ずる(更新する)ことが可能である。
又、現像剤残量表示(%)を変化させる条件の1つとして、現像剤残量表示(%)を切り替えた直後には、所定期間、現像剤残量表示(%)を切り替えないという条件を付加することができる。これにより、突発的な誤検知に対するプロテクトになる。その所定期間とは、実施例1にて説明したものと同様にして決定すればよい。即ち、この所定期間は、現像剤消費量が最大の画像を形成した場合に現像剤量レベルの最小刻み幅分の現像剤量を消費するのに要する所定の記録媒体Pに対する画像形成回数(通紙枚数)に相当する期間以上に設定される。更に説明すれば、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pにベタ画像のように100%印字(全面印字)された画像が連続して形成された場合に、現像剤量が1%(本実施例における現像剤量レベルの最小刻み幅)減少するのに要する画像形成回数(通紙枚数)に相当する期間以上経過しなければ、現像剤残量表示(%)を切り替えないようにする。
仮に、現像剤量が1%減少するのに、例えば標準紙としてのA4サイズの記録媒体Pの10枚に対するベタ画像の形成が必要である場合を考える。この場合、A4サイズの記録媒体Pを10枚以上通紙するまで、つまりは、10枚未満の通紙枚数では、現像剤が1%減少することはありえない。従って、この場合、例えばA4サイズの記録媒体Pの10枚に画像形成を行う期間を上記所定期間として設定することができる。この所定期間内では、検出電圧値を無視することで、現像剤量の誤検知を避けることができる。即ち、例えば標準紙であるA4サイズの記録媒体Pに対しべた画像を形成することにより減少する現像剤の量を画像形成装置における最大の現像剤消費量とした時、現像剤残量表示(%)の最小刻み幅である1%分消費するのに必要な画像形成回数(通紙枚数)を所定期間とする。そして、この条件の下で、所定期間内で検出電圧値が大きく変化しても、それはノイズか、誤検知として判断し、所定期間内では現像剤残量表示(%)を更新しない。
そして、この所定期間以降に所望の検出電圧値(現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基になった検出電圧値)を検知して始めて、現像剤残量表示(%)を減じる。このような条件を設けることで、より実際の現像剤量変化に近く、精度の高い現像剤量の検知を行うことができる。
又、本実施例においては、現像剤残量表示(%)が切り替わった直後の検出電圧値を無視するのではなく、上記のように現像剤量が1%減ずるのに必要な通紙枚数分(ここでは、10枚分)、即ち、上記所定期間と同じ期間に相当する検知回数を、検出電圧値の変化なしで現像剤残量表示(%)を切り替えるための条件である上記の所定回数とする。こうすることで、誤検知防止を含めた精度の高い現像剤量の検知を行うことができる。又、この所定回数(又は相当する所定期間)分連続して同一の検出電圧値が検知されることを条件とすれば、より精度良く現像剤量を検知することができる。
尚、検出電圧値の変化のないところで現像剤残量表示(%)を切り替える際に限らず、現像剤残量表示(%)が切り替わった後は、常に上記所定期間の間は現像剤残量表示(%)を切り替えないようにすることができる。
又、上記実施例と同様に、連続する複数の現像剤量レベルに対して検出電圧値差(V)の指示をせず、検出電圧値差(V)の変化が無しに現像剤残量表示(%)を切り替えるようにしてもよい。例えば、表1に示す現像剤残量補正テーブル26においては、19%及び18%の連続する2刻み分の現像剤残量表示(%)に対して、検出電圧値差(V)が指示されていない。この場合、先ず、現在の現像剤残量表示(%)である20%に切り替わる基となった0.43Vの検出電圧値差(V)が所定回数検知された時(又は、所定回数若しくは所定期間連続して検知された時)に、現像剤残量表示(%)を19%へと切り替える。そして、更に0.43Vの検出電圧値差(V)が所定回数検知された時(又は、所定回数若しくは所定期間連続して検知された時)に、現像剤残量表示(%)を18%へと切り替える。
当然、検出電圧値差(V)が指示されている場合には、その検出電圧値差(V)以上の値が検知された時に、次の現像剤残量表示(%)に切り替える。
<現像剤量レベル決定動作>
図12は、上記実施例における図5〜7及び10と同様の図である。縦軸及び横軸の表記や刻み、検出電圧値データの平均化処理は、これら上記各実施例の各図と同様である。
先ず、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って、検出電圧値差(V)が0.39Vから0.4Vへ変化した最初のポイントで、現像剤残量表示(%)を25%に切り替える。同様に、検出電圧値差(V)が0.41Vになった時点で、現像剤残量表示(%)を24%に切り替える。
そして、24%から23%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、上述のように、検出電圧値差(V)の変化によらずに0.41Vの検出電圧値差(V)が所定回数検知された時に行う。つまり、検出電圧値差(V)が0.41Vのままであるが、この検出電圧値差(V)が始めて検知された時に比べて、図中右に進むにつれ、つまり通紙枚数(検出電圧値データ数)が増えるのに伴って、頻繁に0.41Vの検出電圧値差が検知されてきている。
このように、同じ検知電圧値でも、実際に現像剤が減ってくると、その分検出電圧値も安定してくる。本実施例ではこのことを利用する。つまり、検出電圧値が変化しなくとも、同じ検出電圧値が所定回数検知されることによって、現像剤が実際に減っていることを検知することができ、現像剤残量表示(%)を減じることができる。
従って、上述のように検出電圧値の変化なしで現像剤残量表示(%)を切り替える条件としての所定回数を、同じ検出電圧値を10ポイント(10回)検知した場合とすると、11ポイント目(11回目)に0.41Vの検出電圧値差(V)が検知された時から、現像剤残量表示(%)を23%に切り替える。
上述のように、検出電圧値の変化なしで現像剤残量表示(%)を切り替える条件である同じ検出電圧値の検出回数を、最大限現像剤を消費するベタ黒画像を想定した時に、現像剤残量表示(%)の最小刻み幅分の現像剤量(ここでは1%)を最低限消費するのに必要な通紙枚数に相当する回数(ここでは、1枚通紙につき検出電圧値1データを検知するので、通紙枚数は検出電圧値の検出回数に相当する。)に設定することが好ましい。これにより、より検知精度の高い構成となる。
又、所定回数(又は所定期間)連続的に同一検出電圧値が検知された時に現像剤残量表示(%)を切り替えるように設定することで、現像剤が減ったことが更に明白となるので、より高精度の現像剤量の検知を行うことができる。この場合も、現像剤残量表示(%)を切り替えるための条件である、連続的に同一検出電圧値が得られる所定回数(又は所定期間)は、上述と同様に、最大限現像剤を消費するベタ黒画像を想定した時に、現像剤残量表示(%)の最小刻み幅分の現像剤量(ここでは1%)を最低限消費するのに必要な通紙枚数に相当する回数(又は相当する期間)(ここでは、1枚通紙につき検出電圧値1データを検知するので、通紙枚数は検出電圧値の検出回数に相当する。)に設定することが望ましい。
その後、22%への現像剤残量表示(%)の切り替えは、表1の現像剤残量補正テーブル26に従って、検出電圧値差(V)が0.42Vになった時に行う。
図8を参照して実施例1で説明したのと同様に、本実施例に従って決定された現像剤残量(%)と理論値とを比較した。その結果、図8における実施例1に対するプロットと同様に、本実施例による検知タイミングは理論値とほぼ合致し、高い検知精度が得られることが分かった。
<現像剤量レベル決定シーケンス>
次に、図13のフローチャートを参照して本実施例における現像剤量レベル決定動作について説明する。尚、途中使用される現像剤残量補正テーブル26は表1に示したものである。
S301:装置本体100の電源がオンとされる。
S302:本体制御部22が、メモリ20内にPAF値が記憶されているか否かを確認する。
・Case1:S302で“No”と判断した場合
S303:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S304:本体制御部22が、測定された検出電圧値Xをメモリ20内にPAF値として記憶させ、S305に進む。
・Case2:S302で“YES”と判断した場合
S305:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S306:制御手段25が、メモリ20内に格納されているPAF値と検出電圧値Xとを比較し、検出電圧値Xがメモリ20内に記憶されているPAF値より小さいか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS307に進み、メモリ20内のPAF値を更新し、その後S305に戻る。又、“No”と判断した場合にはS308に進む。
S308:演算部24が、メモリ20に記憶されたPAF値と検出電圧値Xとから、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(X−(PAF値))を算出する。
S309:制御手段25が、S308にて演算部24が算出した値を、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせる。
S310:制御手段25は、現像剤残量表示(%)がY%であることを示す信号を、装置本体100の表示部40に発信し、表示部40にその情報を表示させる。
S311:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)が特定の残量(%)か否かを確認する。ここでいう、特定の残量(%)とは、表1の現像剤残量補正テーブル26において、検出電圧値差が指示されていない現像剤残量(%)、即ち、23%、21%、19%、18%、15%のそれぞれに切り替わる前の現像剤残量(%)である。つまり、24%及び22%、20%、19%、16%のことである。そして、“Yes”と判断した場合にはS312に進む。又、“No”と判断した場合にはS313に進む。
S312:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一の検出電圧値差が所定回数検知されたか否かを判断する。そして、所定回数検知した後に、現像剤残量表示(%)を1%減じて表示させる。
S313:制御手段25が、現像剤残量Y(%)が0%に達したか否かを確認する。そして、“No”と判断した場合にはS305に進み、上述のシーケンスを繰り返す。又、“Yes”と判断した場合にはS314に進み、シーケンスを終了する。
以上、本実施例によれば、検出値の最小変化量(解像度)より小さい検出値の変化で現像剤量の変化を検知しなければならない条件下でも、検知精度を高精度に維持することができる。又、本実施例によれば、検出電圧値が変化した場合に現像剤残量表示を更新するのではなく、検出値の最小変化量(解像度)内での現像剤残量の変化を、同一の検出値を所定回数検知したことにより認識し、現像剤残量表示を更新する構成とする。これにより、限られた条件下で現像剤残量の検知精度を落とすことなく検知精度を維持、向上させることができる。又、本実施例によれば、実施例1にて説明したその他の効果も同様に得ることができる。又、同一検出値を所定回数(又は所定期間)連続的に検知した際に現像剤残量表示を切り替えるようにすることで、より確実に現像剤が減ったことを認識し、更に検知精度が高く現像剤残量表示を切り替えることが可能となる。
実施例4
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は上記実施例のものと同じであるので、ここでは上記実施例の画像形成装置と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
[現像剤量レベル決定方法]
<現像剤量レベル決定の概要>
本実施例では、基本的には実施例3と同様にして、検出電圧値の変化がなくても、現像剤量の変化に応じて現像剤残量表示(%)を切り替え得る構成とする。つまり、基本的には、検出電圧値差(V)が変わらなくても、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値が所定回数検知された時(好ましくは連続的に所定回数若しくは所定期間検知された時)に、現像剤残量表示(%)を切り替える。
本実施例では更に、現像剤残量表示(%)を、確実に最小刻み幅(本実施例では1%)毎に切り替えることを可能とする。
つまり、実施例3では、ノイズ、或いは検知量のバラツキによって、現像剤残量補正テーブルに従って検出電圧値の仕切り値(最小刻み幅)をジャンプすることがある。そして、現像剤残量表示(%)が2%程度毎となることがある。
そこで、本実施例では、現像剤残量表示(%)を確実に最小刻み幅(ここでは、1%)毎とする。つまり、現像剤残量表示(%)が、必ず25%から最小刻み幅毎に順を追って経るシーケンスとする。
先ず、本実施例においても、実施例3と同様に、現像剤残量表示(%)が切り替わった後の所定期間は、現像剤残量表示(%)を更新しない。この所定期間は実施例3と同様にして決定する。
そして、更に本実施例では、所定期間が経過した後に現像剤残量表示(%)を更新する場合にも、現像剤残量表示(%)の変化は1%ずつとする。
このようなシーケンスとすることによって、現像剤量の検知精度の更なる高精度化を図れると共に、誤検知防止にも繋がる。
<現像剤量レベル決定動作>
図14は、上記実施例における図5〜7、10及び12と同様の図である。縦軸及び横軸の表記や刻み、検出値データの平均化処理は、これら上記実施例の各図と同様である。
現像剤残量表示(%)が24%に切り替わるまでは、図12の場合と同様である。図中矢印にて示す所定期間(ここでは10枚通紙分:検出電圧値のデータ数では10ポイント分)は、上述したように、最短で現像剤が1%減少するのに必要な通紙枚数(検知数)と最低同じ(ここでは、10枚)にする。この所定期間中は、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わる基となった検出電圧値差(V)と同一の検出電圧値差(V)が所定回数検知されても現像剤残量表示(%)の切り替えは行わない。これにより、例えば、連続して同じ検出電圧値が検知されて、現像剤残量表示(%)が切り替わっても検知精度は高く、実現像剤量にほぼ一致する。ここでは、0.41Vの検出電圧値差(V)が10回連続して検知された時に、上記所定期間の経過後であるので、現像剤残量表示(%)は23%に切り替わる。
そして、本実施例では更に、上述のように現像剤残量表示(%)は、1%ずつ更新するようになっている。図14において、現像剤残量表示(%)を23%から22%へ切り替えるポイントにおいて、検出電圧値差(V)が0.43Vになっている。通常であれば、この0.43Vの検出電圧値差(V)では、現像剤残量補正テーブル26から読み取ると現像剤残量表示(%)は20%へと切り替わる。しかし、本実施例では、1%ずつ現像剤残量表示(%)を切り替えるような構成(プロテクト)にしている。そのため、ここでは現像剤残量表示(%)は、23%から1%減じて22%へと切り替える。つまり、極短期間で現像剤残量(%)が2%以上少なくなることは考え難いので、このような構成にすることで、より確実に、精度良く現像剤残量表示を行うことができるようになる。
<現像剤量レベル決定シーケンス>
次に、図15のフローチャートを参照して本実施例における現像剤量レベル決定動作を説明する。尚、途中使用される現像剤残量補正テーブル26は表1に示したものである。
S401:装置本体100の電源がオンされる。
S402:本体制御部22が、メモリ20内にPAF値が記憶されているか否かを確認する。
・Case1:S402で“No”と判断した場合
S403:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S404:本体制御部22が、測定された検出電圧値Xをメモリ20内にPAF値として記憶させ、S405に進む。
・Case2:S402で“YES”と判断した場合
S405:本体側現像剤量検出部23が検出電圧値を測定する。
S406:制御手段25が、メモリ20内に格納されているPAF値と検出電圧Xとを比較し、検出電圧Xがメモリ20内に記憶されているPAF値より小さいか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS407に進み、メモリ20内のPAF値を更新し、その後S405に戻る。又、“No”と判断した場合にはS408に進む。
S408:演算部24が、メモリ20に記憶されたPAF値と検出電圧値Xとから、PAF値からの検出電圧値Xの変化量、即ち、検出電圧値差(X−(PAF値))を算出する。
S409:制御手段25が、S408にて演算部24が算出した値を、現像剤残量補正テーブル26で照らし合わせる。
S410:制御手段25が、現像剤残量補正テーブル26で照合された現像剤残量表示(%)は更新されるか否かを確認する。そして、“Yes”と判断した場合にはS411に進む。又、“No”と判断した場合にはS405に進み、上述のシーケンスを繰り返す。
S411:制御手段25は、現像剤残量表示(%)を1%減ずる。
S412:制御手段25は、現像剤残量表示(%)がY%であることを示す信号を、装置本体100の表示部40に発信し、表示部40にその情報を表示させる。
S413:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)が特定の残量(%)か否かを確認する。ここでいう、特定の残量(%)とは、実施例3で説明したものと同じである。そして、“Yes”と判断した場合にはS414に進む。又、“No”と判断した場合にはS415に進む。
S414:制御手段25が、現在の現像剤残量表示(%)に切り替わった時の検出電圧値差と同一の検出電圧値差が所定回数検知されたか否かを判断する。そして、所定回数検知した時点で、現像剤残量表示(%)を1%減じて表示させる。
S415:制御手段25が、現像剤残量Y(%)が0%に達したか否かを確認する。そして、“No”と判断した場合にはS405に進み、上述のシーケンスを繰り返す。又、“Yes”と判断した場合にはS416に進み、シーケンスを終了する。
以上、本実施例によれば、確実に最小刻み毎(ここでは、1%毎)に現像剤残量表示(%)を減じていくことができる。又、突然の検出電圧値の変化が、ノイズ等の誤動作によるものであるか否かがはっきりする。これにより、誤動作による現像剤残量表示(%)の切り替わりがなくなり、より精度の高い現像剤量の検知を行うことができる。
(他の実施例)
上記実施例において説明した補正テーブル、各種所定値は画像形成装置、プロセスカートリッジの構成によって異なってくるため、何ら上記実施例におけるものに限定されるものではなく、それぞれの構成によって適宜変更することができる。
上記実施例では、現像剤残量補正補正テーブルを本体制御部22に格納するものとして説明したが、カートリッジ側のメモリ内に格納してもよい。この場合、各々のカートリッジの特性に応じたテーブルをカートリッジ自体に保持させて使用することが可能で、より正確なトナー残量検知を行うことができる。
上記実施例では、検知手段によって検知される静電容量値と、本体側現像剤量検出部の検知出力値との増減関係が逆になる(静電容量値が減少すると、検知出力値が増加する)ように設定されている場合について説明したが、この関係は画像形成装置に備えられる回路によって様々であり、静電容量と電圧の関係が同じ減少関数であっても、増加関数であっても構わない。
上記実施例では、検知手段として現像剤担持体と板金との間の静電容量を測定するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像剤量の検知精度を増すためにより多くの検知部材(板金等の電極部材)を設けても良く、板金等の検知部材間の静電容量を測定するように構成してもよい。又、上記実施例においては、現像剤残量が少量(25%)となった時点からの逐次に現像剤残量を検知し得るものとして説明したが、より多くのトナー量が残っている時点から逐次に現像剤残量を検知するように構成してもよい。このために、他の現像剤残量検知手段を組合せるなどしてもよい。例えば、現像容器の底部にも電極部材を設けることで、現像剤残量がより多い時点からトナー残量を逐次に検知するようにしてもよい。
ここで、現像剤残量を逐次検知するとは、現像剤残量が100%である状態から0%となるまで全ての領域において逐次に検知することのみならず、50%、15%といったより現像剤が減少した状態から逐次に検知することも含む。又、現像剤残量が0%とは、現像装置内の現像剤が完全に無くなったことのみを意味するものではなく、例えば、所定の品質の画像を形成することが困難となる現像剤残量などとして、予め求められた所定量の現像剤が残っている状態も含む。又、当然、例えば「0%」、「1%」等の情報に変えて、現像剤が無い旨、或いは現像剤が近く無くなる旨を示す情報を報知してもよい。
現像剤残量検知手段としては、検知精度が良好であること、回路構成が比較的簡単であることなどから、上記実施例にて説明した静電容量検知方式のものが好適であるが、本発明はこれに限定されるものではない。現像剤収容部内の現像剤の量に応じた信号を逐次に出力し得るものであって、例えば複数種類のカートリッジのうちいずれかに検出値の最小刻み幅が最適化されていることなどから、検出電圧値の最小刻み幅(解像度)から見た検知電圧変化数より現像剤残量(%)の刻み数が上回っていることがあるような場合には、本発明は好適に作用し、上記同様の効果を奏し得る。複数方式の検知手段を組合せて用いてもよい。
上記各実施例では、装置本体に対して着脱可能なカートリッジは、感光ドラム、帯電ローラ、現像装置、クリーニング装置が一体的にカートリッジ化されたプロセスカートリッジであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。プロセスカートリッジには、感光体と、感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも1つと、を一体的にカートリッジ化して装置本体に対し着脱可能としたものが含まれる。又、現像装置(上記実施例における現像ユニットC)が単独で装置本体に対し着脱可能なカートリッジ(現像カートリッジ)とされている場合にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、現像カートリッジの構成は、上記各実施例におけるプロセスカートリッジBから、感光ドラム、帯電ローラ、クリーニング装置を除いた現像ユニットCに相当する。この場合、カートリッジ側のメモリはこの現像カートリッジに設けられるものと考えればよい。更に、画像形成装置に対し着脱可能なカートリッジとして、現像剤収容部が単独で画像形成装置本体に対し着脱可能となっている場合にも、本発明は等しく適用可能である。例えば、上記実施例における現像剤収納容器に相当する機能要素が画像形成装置に対して着脱可能となっている場合が例示される。
上記実施例においては、画像形成装置は単色の画像を形成するものであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像手段を複数有し、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像、或いはフルカラー等)を形成する画像形成装置においても、本発明は等しく適用することができる。この場合、各現像手段で用いる現像剤を収容する各現像剤収容部に対して上記実施例のようにして現像剤量レベル決定制御を適用すればよい。
現像方法としては、上記実施例における1成分磁性現像剤を用いたジャンピング現像のみならず、公知の2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像法等種々の現像法を用いることが可能である。