JP4612098B2 - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 生分解性樹脂、及び結晶化度が50%未満であるセルロースを含有してなる、生分解性樹脂組成物、ならびに
〔2〕 前記〔1〕記載の生分解性樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂成形体
に関する。
[生分解性樹脂]
生分解性樹脂としては、上記生分解性を有する樹脂であれば特に限定されるものではないが、結晶化度が50%未満であるセルロースとの相互作用による強度の向上性の観点から、上記生分解性を有するポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
本発明で用いられるセルロースは、結晶化度が50%未満のセルロースである。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6-I18.5)/I22.6]×100 (1)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
ここで、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。従って、セルロースI型結晶化度が50%未満であるセルロースとは、結晶領域量が50%未満であるセルロース、即ち、非晶質部分が50%超えて存在するセルロースであることが分かる。本明細書においては、このように非晶質部分が50%超えて存在するセルロースを非晶質セルロース、結晶領域量が50%以上存在するセルロースを結晶性セルロースということもある。なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度は、セルロースの物理的性質、及び化学的性質とも関係し、その値が大きいほど硬度、密度等は増すが、伸びや柔軟性、化学反応性は低下する。
セルロース含有原料の嵩密度と平均粒径の調整方法としては、特に限定されないが、セルロースの結晶構造を破壊して粉末化させる観点から、圧縮せん断力を作用させて粉砕する方法が好ましい。なお、以降、圧縮せん断力を作用させてセルロース含有原料の嵩密度と平均粒径を調整するために行う粉砕を1次粉砕、1次粉砕により得られたセルロース含有原料又は水分含量が調整されたセルロース含有原料を非晶化するために行う粉砕を2次粉砕という。
一方、セルロース含有原料の水分含量の調整方法としては、乾燥処理を行う工程を含む方法であれば、その処理方法としては限定されず公知の乾燥方法を適宜選択すればよい。乾燥方法としては、例えば、熱風受熱乾燥法、伝導受熱乾燥法、除湿空気乾燥法、冷風乾燥法、マイクロ波乾燥法、赤外線乾燥法、天日乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。これらの乾燥方法は、単独でも又は2種以上組み合わせて行ってもよい。また、乾燥処理はバッチ処理、連続処理のいずれでも可能である。
R1COOR2 (1)
式中、R1、R2は特に限定はないが、生分解性樹脂成形体の耐衝撃性を向上する観点から、R1は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜40、更に好ましくは2〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基又はアルキルエーテル基が、R2は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜30、さらに好ましくは2〜20のアルキル基、アルケニル基、エーテル基、アルキルエーテル基及び水酸基を含むアルキル基、グリセライドから一つのアシルオキシ基を除いた残基、又はアルキレンオキシ基が好ましい。
R3−O−〔(R4O)p−H〕 (2)
式中、R3、R4、pは特に限定はないが、生分解性樹脂成形体の耐衝撃性を向上させる観点から、R3は、水素原子、又は炭素数1〜50のアルキル基もしくはアルケニル基が好ましく、R4は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基がより好ましい。また、pは平均付加モル数を示し、好ましくは2〜400の数、より好ましくは5〜200の数、さらに好ましくは5〜150の数がよい。
R5−O−(C2H4O)s(C3H6O)t−H (3)
式中、R5は、水素原子、又は炭素数1〜22のアルキル基であり、s及びtはそれぞれエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の平均付加モル数を示し、それぞれ独立に0〜200の数、好ましくは2〜100の数であり(ただし、s=0かつt=0であることはない)、EOとPOの両方を含む場合は、ランダムあるいはブロック付加体であっても良い。
本発明の生分解性樹脂組成物に含有される結晶化度が50%未満であるセルロースは、従来の生分解性樹脂組成物に用いられるセルロースに比べて結晶化度が著しく低減されている。そのため、それ自体で可塑剤的な役割を果たすものであるが、生分解性樹脂組成物の強度と可撓性のさらなる向上及び耐衝撃性の観点から、本発明の生分解性樹脂組成物は可塑剤を含有することが好ましい。
平均分子量=56,108×(エステル基の数)/鹸化価
有機結晶核剤としては、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、芳香族カルボン酸アミド、ロジン酸アミド等のアミド類;ヒドロキシ脂肪酸エステル類;芳香族スルホン酸ジアルキルエステルの金属塩、フェニルホスホン酸金属塩、リン酸エステルの金属塩、ロジン酸類金属塩等の金属塩類;カルボヒドラジド類、N−置換尿素類、有機顔料類等が挙げられるが、生分解性樹脂組成物の強度と可撓性の両立、成形性、耐熱性、耐衝撃性及び有機結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、これらの少なくとも1種とフェニルホスホン酸金属塩とを併用することがより好ましく、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物とフェニルホスホン酸金属塩を併用することがさらに好ましい。
本発明の生分解性樹脂成形体は、本発明の生分解性樹脂組成物を成形することにより得られる。具体的には、例えば、押出し機等を用いてポリ乳酸樹脂及び結晶化度が50%未満であるセルロースを溶融させながら、必要により、可塑剤、有機結晶核剤や無機充填剤等を混合し、次に得られた溶融物を射出成形機等により金型に充填して成形する。溶融の際に生分解性樹脂の可塑性を促進させるため、超臨界ガスを存在させて溶融混合させてもよい。
相対結晶化度(%)={(ΔHm−ΔHcc)/ΔHm×100}
具体的には、相対結晶化度は、DSC装置(パーキンエルマー社製ダイアモンドDSC)を用い、1stRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度-20℃/分で200℃から20℃まで降温し、20℃で1分間保持した後、さらに2ndRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、1stRUNに観測されるポリ乳酸樹脂の冷結晶化エンタルピーの絶対値ΔHcc、2ndRUNに観測される結晶融解エンタルピーΔHmを用いて求めることができる。
ポリ乳酸樹脂の融点は、DSC装置(パーキンエルマー社製、ダイアモンドDSC)を用いて、JIS−K7121に基づく示差走査熱量測定の昇温法による結晶融解吸熱ピーク温度より求められる。融点の測定は、昇温速度10℃/分で20℃から250℃まで昇温して行う。
ポリ乳酸樹脂のガラス転移点は、DMS装置(セイコーインスツル社製、DMS6100)を用いて、動的粘弾性測定における損失弾性率(E'')のピーク温度より求められる値であり、動的粘弾性測定は、昇温速度2℃/分で-100℃から150℃まで昇温して行う。
目開きXμm、0.9Xμmの篩を用意し、試料50gを篩の上に置いて篩分けする。その際、目開きXμmの篩を通過し、目開き0.9Xμmの篩を通過せずに篩上に残ったセルロースの重量が90重量%(45g)以上である場合を、セルロース含有原料の平均粒径Xμmとする。
1次粉砕により得られたセルロース含有原料、非晶質セルロース及び結晶性セルロースの平均粒径とは、体積中位粒径(D50)のことを意味し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いて測定する。測定条件は、粒径測定前に超音波で1分間処理し、測定時の分散媒体として水を用い、体積中位粒径(D50)を、温度25℃にて測定する。
嵩密度は、ホソカワミクロン社製の「パウダーテスター」を用いて測定する。測定は、ふるいを振動させて、サンプルをシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの重量を測定することにより算出する。ただし綿状化したサンプルについては、ふるいを通さずにシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの重量を測定することにより算出する。
セルロースI型結晶化度は、サンプルのX線回折強度を、リガク社製の「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」を用いて以下の条件で測定し、前記計算式に基づいて算出する。なお、測定用サンプルは、面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮して作製する。
X線源:Cu/Kα−radiation
管電圧:40kv
管電流:120mA
測定範囲:回折角2θ=5〜45°
スキャンスピード:10°/min
水分含量は、赤外線水分計(ケット科学研究所社製、「FD−610」)を使用し、150℃にて測定を行う。
セルロース含有量は、社団法人日本分析化学会編、分析化学便覧(改訂四版、平成3年11月30日、丸善株式会社発行)の1081頁〜1082頁に記載のホロセルロース定量法に準拠して測定する。
Klason-Lignin法により、酸不溶性リグニン量と酸可溶性リグニン量を求め、この合計量をセルロースに含まれるリグニン量とする。
酸可溶性リグニン量(%)=100×希釈率×濾液量(L)×(試料溶液の吸光度−3%H2SO4の吸光度)÷{リグニンの吸光係数(=110L/g・cm)×用いた試料の重量(g)×吸光度測定用セル長(cm)}
平均分子量は、JIS K0070に記載の方法で鹸化価を求め、次式より計算で求める。
平均分子量=56,108×(エステル基の数)/鹸化価
融点は、DSC装置(パーキンエルマー社製、ダイアモンドDSC)を用い、昇温速度10℃/分で20℃から500℃まで昇温して測定を行う。
〔シュレッダー処理(粗粉砕)〕
セルロース含有原料として、シート状木材パルプ(Borregard社製「Blue Bear Ultra Ether」、800mm×600mm×1.5mm、結晶化度81%、セルロース含有量96重量%(セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中の含有量、以下同じ)、水分含量7.0重量%)をシュレッダー(明光商会社製、「MSX2000−IVP440F」)にかけ、約10mm×5mm×1.5mmのチップ状パルプにした。
得られたチップ状パルプを二軸押出機(スエヒロEPM社製、「EA−20」)に2kg/hrで投入し、せん断速度660sec−1、スクリュー回転数300r/minで外部から冷却水を流しながら、1パス処理した。なお、前記二軸押出機は、完全噛み合い型同方向回転二軸押出機であり、2列に配置されたスクリューは、スクリュー径40mmのスクリュー部と、互い違い(90°)に12ブロックを組み合わせたニーディングディスク部とを有し、2本のスクリューは、同じ構成を有するものである。また、二軸押出機の温度は、処理にともなう発熱により、30〜70℃であった。押出機処理後(1次粉砕後)に得られたパルプは、平均粒径120μm、嵩密度219kg/m3であった。
押出機処理後に得られたパルプを、粉砕機Aとしてバッチ式攪拌槽型粉砕機(五十嵐機械社製「サンドグラインダー」:容器容積800mL、5mmΦジルコニアビーズを720g充填、充填率25%、攪拌翼径70mm)に50g投入した。容器ジャケットに冷却水を通しながら、攪拌回転数2000r/minで、180分粉砕処理を行った。操作の際の温度は、30〜70℃の範囲であった。
粉砕機処理(2次粉砕)において、粉砕処理時間を180分から45分に変更する以外は、製造例1と同様にして、非晶質セルロースBを得た。
粉砕機処理(2次粉砕)において、粉砕処理時間を180分から90分に変更する以外は、製造例1と同様にして、非晶質セルロースCを得た。
製造例1と同様にして押出機処理後(1次粉砕後)に得られたパルプ50gを、2次粉砕に用いる粉砕機として振動ミル(中央化工機社製、「MB−1」、容器全容量3.5L)に投入し、ロッド(断面形状:円形、直径:30mm、長さ:218mm、材質:ステンレス)11本を振動ミルに充填(充填率48%)して、振幅8mm、回転数1200回転/分の条件で、60分間処理を行った。操作の際の温度は、30℃であった。
〔押出機処理(1次粉砕)〕
セルロース含有原料として、松チップ(ドギーマンハヤシ社製 快適ふんわりベッド、セルロース含有量66重量%、水分含量7.2重量%)を用いる以外は、製造例1と同様にして、1次粉砕を行った。押出機処理後(1次粉砕後)に得られたセルロース含有原料は、平均粒径105μm、嵩密度225kg/m3であった。
押出機処理後(1次粉砕後)に得られたセルロース含有原料50gを、2次粉砕に用いる粉砕機(粉砕機A)として製造例4と同様の粉砕機を用い、製造例4と同様の条件で75分間処理を行った。操作の際の温度は、30℃であった。
セルロース含有原料として、松チップ(ドギーマンハヤシ社製 快適ふんわりベッド、セルロース含有量66重量%、リグニン含有量33重量%、水分含量7.2重量%)740gを、加熱加圧装置(高知県立紙産業技術センター製)を用いて、水酸化ナトリウム132g、アントラキノン0.33g、及び水3300gの存在下において、172℃、0.9MPaの条件で240分間反応を行い、アルカリ蒸解処理による脱リグニン反応を行った。得られた蒸解物は、流水でpH7になるまで洗浄後、105℃で乾燥して、押出機処理(1次粉砕)用の原料(セルロース含有量93重量%、リグニン含有量6.0重量%、水分含量5.2重量%)として用い、製造例5と同様にして、蒸解処理した非晶質セルロースFを得た。
セルロース含有原料を、杉チップ(山陰丸和林業製、杉きのこチップ、セルロース含有量72重量%、水分含量7.5重量%)に変更する以外は、製造例5と同様にして、非晶質セルロースGを得た。
セルロース含有原料を、檜チップ(山陰丸和林業製、檜きのこチップ、セルロース含有量71重量%、水分含量7.4重量%)に変更する以外は、製造例5と同様にして、非晶質セルロースHを得た。
セルロース含有原料を、新聞紙(読売新聞社製、セルロース含有量83重量%、水分含量7.7重量%)に変更する以外は、製造例1と同様にして粗粉砕処理を行った後、製造例5と同様にして1次粉砕以降の処理を行って、非晶質セルロースIを得た。
セルロース含有原料を、雑誌(集英社製「MORE」、セルロース含有量60重量%、水分含量7.7重量%)に変更する以外は、製造例9と同様にして、非晶質セルロースJを得た。
セルロース含有原料を、段ボール(オカジ紙業社製、セルロース含有量84重量%、水分含量7.7重量%)に変更する以外は、製造例9と同様にして、非晶質セルロースKを得た。
セルロース含有原料を、脱墨パルプ(國光社製、セルロース含有量92重量%、水分含量7.7重量%)に変更する以外は、製造例9と同様にして、非晶質セルロースLを得た。
セルロース含有原料を、稲わら(セルロース含有量55重量%、水分含量8.0重量%)に変更する以外は、製造例5と同様にして、非晶質セルロースMを得た。
セルロース含有原料を、籾殻(セルロース含有量60重量%、水分含量13.6重量%)に変更する以外は、製造例5と同様にして、非晶質セルロースNを得た。
〔粉砕機処理(3次粉砕)〕
非晶質セルロースA50gと、粉砕助剤としてステアリルアルコール(花王社製、カルコール8098)5gとを混合し、その混合物の全量を、粉砕機Bとして振動ミル(中央化工機社製、「MB−1」、容器全容量3.5L)に投入し、ロッド(断面形状:円形、外径:30mm、長さ:218mm、材質:ステンレス)11本を振動ミルに充填(充填率48%)して、振幅8mm、回転数1200回転/分の条件で15分間粉砕処理を行って、非晶質セルロースOを得た。
粉砕助剤の種類を、ステアリン酸ナトリウム(花王社製、ルナックS−98)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースPを得た。
粉砕助剤の種類を、OHC18EB(エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製、「スリパックスH」)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースQを得た。
粉砕助剤の種類を、PPA−Zn(無置換のフェニルホスホン酸亜鉛塩、日産化学工業社製、「PPA−Zn」)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースRを得た。
粉砕助剤の種類を、PE−MS(ペンタエリスリトールモノステアレート、花王社製、「エキセパールPE−MS」)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースSを得た。
粉砕助剤の種類を、(MeEO3)2SA(コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、後述の可塑剤の製造例1により調製されたもの)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースTを得た。
粉砕助剤の種類を、ポリエチレングリコール(シグマアルドリッチ社製、ポリエチレングリコール4000、重量平均分子量4000)に変更した以外は、製造例15と同様にして、非晶質セルロースUを得た。
粉砕助剤の添加量を、5gから0.5gに変更した以外は、製造例19と同様にして、非晶質セルロースVを得た。
粉砕助剤の添加量を、5gから45gに変更した以外は、製造例19と同様にして、非晶質セルロースWを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースBに変更した以外は、製造例19と同様にして、非晶質セルロースXを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースCに変更した以外は、製造例19と同様にして、非晶質セルロースYを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースEに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースZを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースFに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAAを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースGに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースABを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースHに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースACを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースIに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースADを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースJに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAEを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースKに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAFを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースLに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAGを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースMに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAHを得た。
3次粉砕に供する非晶質セルロースを非晶質セルロースNに変更した以外は、製造例20と同様にして、非晶質セルロースAIを得た。
〔粗粉砕処理〕
セルロース含有原料として、シート状木材パルプ(Borregard社製「Blue Bear Ultra Ether」、800mm×600mm×1.5mm、結晶化度81%、セルロース含有量96重量%、水分含量7.0重量%)を、シートペレタイザ(ホーライ社製、「SG(E)−220」)にかけ、約4mm×4mm×1.5mmの大きさに粗粉砕した。
粗粉砕処理により得られたパルプを、棚乾燥機〔アドバンテック(ADVANTEC)社製 真空定温乾燥機「DRV320DA」〕を用いて、乾燥後のパルプの水分含量が、0.8重量%になるように乾燥した。
乾燥処理により得られたパルプ50gを、2次粉砕に用いる粉砕機として製造例4と同様の粉砕機を用い、製造例4と同様の条件で、40分間処理(2次粉砕処理)を行った。操作の際の温度は、30℃であった。
乾燥処理において、粗粉砕処理して得られたパルプを乾燥後のパルプの水分含量が2.0重量%になるように乾燥したこと以外は、製造例36と同様の方法で非晶質セルロースAKを得た。
攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル2463g、パラトルエンスルホン酸一水和物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4〜10.7kPa)、110℃で15時間反応させた。反応液の酸価は1.6(KOHmg/g)であった。反応液に吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業社製)27gを添加して80℃、2.7kPaで45分間攪拌してろ過した後、液温115〜200℃、圧力0.03kPaでトリエチレングリコールモノメチルエーテルを留去し、80℃に冷却後、残液を減圧ろ過して、ろ液として、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステルを得た。得られたジエステルは、酸価0.2(KOHmg/g)、鹸化価276(KOHmg/g)、水酸基価1以下(KOHmg/g)、色相APHA200であった。
原料として、表6に示すポリ乳酸樹脂、有機結晶核剤、加水分解抑制剤、及び充填剤(非晶質セルロース又は結晶性セルロース)を用いて、これらを2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM-45)にて190℃で溶融混練し、ストランドカットを行い、ポリ乳酸樹脂組成物A〜K(実施例1〜8及び比較例1〜3)のペレットを得た。なお、得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分含量を1重量%以下とした。
原料として、表7、8、9又は10に示すポリ乳酸樹脂、可塑剤、有機結晶核剤、加水分解抑制剤、及び充填剤(非晶質セルロース又は結晶性セルロース)を用いて、実施例1と同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物L〜Z、AA〜AZ、BA〜BD(実施例9〜49及び比較例4〜7)のペレットを得た。なお、得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分含量を1重量%以下とした。
〔ポリ乳酸樹脂〕
LACEA H−400:三井化学社製、融点166℃、ガラス転移点62℃
〔可塑剤〕
(MeEO3)2SA:可塑剤の製造例1により調製されたコハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、平均分子量410
〔有機結晶核剤〕
OHC18EB:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成社製、スリパックスH、融点145℃)
PPA−Zn:無置換のフェニルホスホン酸亜鉛塩(日産化学工業社製、融点無し)
〔加水分解抑制剤〕
PCI:ポリカルボジイミド化合物(日清紡社製、カルボジライトLA-1)
次に、実施例1〜49及び比較例1〜7のペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて射出成形し、金型温度80℃、成形時間10分でテストピース〔角柱状試験片(125mm×12mm×6mm、及び63mm×12mm×5mm)〕を成形し、実施例50〜98及び比較例8〜14の生分解性樹脂成形体を得た。
角柱状試験片(125mm×12mm×6mm)について、JIS K7203に基づいて、テンシロン(オリエンテック製テンシロン万能試験機 RTC−1210A)を用いて、クロスヘッド速度を3mm/minに設定して曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破断歪み率を求めた。いずれも数値が高いほど、強度、可撓性が優れていることを示す。なお、曲げ破断歪み率については、測定範囲内の荷重をかけて破断しなかったものは、破断せずとした。
角柱状試験片(63mm×12mm×5mm)について、JIS K7110に基づいて、衝撃試験機(上島製作所社製 863型)を使用して、Izod衝撃強度(J/m)を測定した。Izod衝撃強度(J/m)が高いほど耐衝撃に優れることを示す。
表13に示すポリ乳酸樹脂、可塑剤、有機結晶核剤、加水分解抑制剤、及び充填剤(非晶質セルロース)を用いて、実施例1と同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物AK、BE、BF(実施例34、99、100)のペレットを得た。なお、得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分含量を1%以下とした。
得られた成形体を、60℃/70%RHの恒温恒湿機(プラチナスシリーズPSL-2、タバイエスペック社製)内に入れ、24時間静置した。静置後の成形体(125mm×12mm×6mm)について、JIS K7203に基づいて、テンシロン(オリエンテック製テンシロン万能試験機 RTC-1210A)を用いて、クロスヘッド速度を3mm/minに設定して曲げ試験を行い、曲げ強度保持率を求めた。曲げ強度保持率は、耐久試験前の曲げ強度を100%としたときの物性保持率のことを示す。物性保持率が高いほど耐久性が優れていることを示す。
Claims (7)
- 生分解性樹脂、及び結晶化度が50%未満であるセルロースを含有してなる、生分解性樹脂組成物において、前記生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂を含有してなる、生分解性樹脂組成物であって、さらに、分子内に2個以上のエステル基を有し、エステルを構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したエステル化合物を含有する可塑剤を含有し、かつ、前記セルロースの含有量が生分解性樹脂100重量部に対して5〜300重量部、前記可塑剤の含有量が生分解性樹脂100重量部に対して5〜50重量部である、生分解性樹脂組成物。
- 結晶化度が50%未満であるセルロースが、結晶化度が50%以上のセルロースを含有する、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1.0mmのセルロース含有原料であって、かつ該原料から水を除いた場合の残余の成分中のセルロース含有量が20重量%以上であるセルロース含有原料を、粉砕機Aで処理して得られたものである、請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
- 結晶化度が50%未満であるセルロースが、結晶化度が50%以上のセルロースを含有する、平均粒径が1.0mm超50mm以下のセルロース含有原料であって、水分含量が4.5重量%以下であり、該原料から水を除いた場合の残余の成分中のセルロース含有量が20重量%以上であるセルロース含有原料を、粉砕機Aで処理して得られたものである、請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
- 結晶化度が50%未満であるセルロースが、粉砕機Aで処理して得られたセルロース100重量部に対して、さらに、0.1〜100重量部の粉砕助剤を添加して粉砕機Bで粉砕処理して得られたものである、請求項2又は3記載の生分解性樹脂組成物。
- 結晶化度が50%未満であるセルロースが、結晶化度を50%未満に調整されたセルロース100重量部に対して、0.1〜100重量部の粉砕助剤を添加して粉砕機Bで粉砕処理して得られたものである、請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
- 粉砕助剤が、アルコール、脂肪族アミド、脂肪酸の金属塩、フェニルホスホン酸金属塩、脂肪酸エステル類及びポリエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項4又は5記載の生分解性樹脂組成物。
- 請求項1〜6いずれか記載の生分解性樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂成形体。
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