JP4610071B2 - 作業車両の前後進切換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両の油圧式前後進切換装置に関するものであり、特に、前後進切換操作具で前後進を切り換えて発進するときのフィーリングを向上する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からトラクタ等の走行車両において、主変速装置の変速や前後進の切換操作が容易にできるように油圧クラッチを用いて行うことは知られており、これらの切換バルブを介して油圧クラッチを作動させるための油圧は略一定となるように設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、旋回時に前後進切換操作を行い発進する場合、油圧クラッチを「接」とするエンゲージ圧力(作動油圧)が十分得られないために発進フィーリングが悪くなるという不具合があった。つまり、エンジンには複数の油圧ポンプを配置して複数の油圧機器を作動できるようにしているが、各油圧機器毎に油圧ポンプを設けると効率が悪くなったり、コストアップとなったりするために、一つの油圧ポンプからの吐出油を並列接続したり、直列接続したりして複数の油圧機器を作動できるようにしている。
【0004】
このように、前後進切換用の油圧クラッチを作動させるための油圧回路も他の油圧機器を作動させるための油圧回路と並列接続または直列接続されており、例えば、パワーステアリング装置や前輪増速機構の油圧装置と接続されていると、旋回するためにステアリングハンドルを回動すると、パワステシリンダに圧油が送油されるために、前後進切換用油圧クラッチへの油圧は低下して、駆動力の接続が若干遅れることになり、発進のタイミングが遅れて走行フィーリングが悪くなっていたのである。また同様に、前輪増速機構と並列または直列に接続されていた場合も、旋回中に前後進切換操作を行うと発進が遅れることがあった。そこで、本発明は旋回操作を行ったときに、前後進切換を行うと、前後進切換用油圧クラッチへの作動圧を上げるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解消すべく、本発明は次のような手段により、課題を解決するものである。
請求項1においては、一つの油圧ポンプ(110)からの吐出油を、前後進切り換えを行う前後進切換装置、及びパワーステアリング装置に供給する作業車両において、前後進切換手段の操作にて、前記前後進切換装置を構成する油圧式前後進用クラッチ(53・54)の切換操作可能とし、該前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧を、変更手段にて変更可能に構成するとともに、前記パワーステアリング装置を操作するステアリングハンドル(6)の切れ角を検出する手段と、前記前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧変更手段を連動連結し、該ステアリングハンドル(6)を設定角度以上切った時に、作動油圧を高くしたものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の前後進切換装置において、前記作動油圧変更手段を、電磁比例弁(127)としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載の作業車両の前後進切換装置において、前記ステアリングハンドル(6)の切れ角の検出手段を、前輪増速切換手段と連動連結したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の作業車両をトラクタとした実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はトラクタの全体側面図、図2はミッションケース内の伝動系を示す側面断面図、図3は変速系とステアリング系の油圧回路図、図4は制御回路ブロック図、図5は前後進切換時の時間と圧力の関係を示す図である。
【0009】
図1より本発明の前後進切換装置を装備した作業車両の全体構成について説明する。前後に前輪2、後輪3を懸架する本機の前部にボンネット4を配設し、該ボンネット4にはエンジン5を内蔵している。ボンネット4の後方にはステアリングハンドル6を設けて、該ステアリングハンドル6の後方にはシート7を配設している。ステアリングハンドル6及びシート7は、運転部1に配置されている。そして、該運転部1に主変速レバー15と副変速レバーとPTO変速レバーと前後進切換手段となる前後進切換レバー16が配置され、本実施例では主変速レバー15はシート7側部のフェンダー上に配置し、前後進切換レバー16をハンドルコラムの側部に配設している。
【0010】
前記エンジン5の後部には、クラッチハウジング10、その後部にミッションケース11、該ミッションケース11の両側にリアアクスルケースを配置している。ミッションケース11の後方に作業機装着装置13が取り付けられ、ミッションケース11後面より突出したPTO軸96により駆動できるようにしている。エンジン5からの動力は、クラッチハウジング10内のメインクラッチ14を介してミッションケース11内に伝えられて、後述する主変速装置30及び副変速装置60により変速されて、前輪2及び後輪3に動力が伝達される。
【0011】
次に、図2より変速機構を説明する。クラッチハウジング10内のフライホィール20がエンジン5のクランク軸に固設され、該フライホィール20よりダンパーを介して出力軸21に伝えられ、該出力軸21と入力軸22の間に多板式のメインクラッチ14が配設されている。出力軸22の後端に出力歯車23が形成され、該出力歯車23は主変速軸24上に遊嵌した4速歯車44と噛合し、該4速歯車44は主変速伝動軸25上に固設した4速従動歯車48と噛合している。
【0012】
前記主変速軸24上には1速歯車41、2速歯車42、3速歯車43、4速歯車44が遊嵌されて、主変速伝動軸26上に固設した1速従動歯車45、2速従動歯車46、3速従動歯車47、4速従動歯車48とそれぞれ常時噛合されている。また、主変速軸24と1速歯車41、2速歯車42、3速歯車43、4速歯車44の間には、それぞれ主変速装置30を構成する1速油圧クラッチ31、2速油圧クラッチ32、3速油圧クラッチ33、4速油圧クラッチ34が配置されている。
【0013】
このような構成において、主変速1速のときは、入力軸22→出力歯車23→4速歯車44→4速従動歯車48→主変速伝動軸25→1速歯車41→1速油圧クラッチ31→主変速軸24と伝えられる。主変速2速のときは、入力軸22→出力歯車23→4速歯車44→4速従動歯車48→主変速伝動軸25→2速歯車42→2速油圧クラッチ32→主変速軸24と伝えられる。主変速3速のときは、入力軸22→出力歯車23→4速歯車44→4速従動歯車48→主変速伝動軸25→3速歯車43→3速油圧クラッチ33→主変速軸24と伝えられる。主変速4速のときは、入力軸22→出力歯車23→4速歯車44→4速油圧クラッチ34→主変速軸24と伝えられる。
【0014】
前記主変速軸24は後方に延設されて、主変速軸24の後部上に前後進切換装置50を構成する後進歯車52が遊嵌され、前進歯車51がミッションケース11に回転自在に支持された伝動軸35上に固設され、該伝動軸35は主変速軸24の後部延長上に配置されている。そして、該前進歯車51、後進歯車52と主変速軸24の間に油圧式の前進クラッチ53と後進クラッチ54が配設されている。
【0015】
また、前進歯車51は副変速伝動軸26上に固設した歯車55と噛合し、後進歯車52はカウンター軸28上に固設した歯車56と噛合し、該カウンター軸28上には更に歯車57が固設され、該歯車57は前記歯車55と噛合している。そして、副変速伝動軸26及びカウンター軸28はミッションケース11後部に主変速軸24と平行に横架され、該主変速軸24の後部延長上には副変速軸27が横架されている。
【0016】
よって、前進クラッチ53を「接」(ON)とすることによって主変速軸から前進歯車51に動力が伝達され、歯車55→副変速伝動軸26に伝えられる。また、後進クラッチ54を「接」とすることによって後進歯車52に動力が伝達され、歯車56→カウンター軸28→歯車57→歯車55→副変速伝動軸26と伝えられる。
【0017】
そして、副変速装置60が前記副変速伝動軸26と主変速軸24と副変速軸27の間に構成されている。即ち、副変速軸27上には伝動歯車61形成され、副変速軸27上に回転自在に外嵌した遊嵌歯車62と常時噛合し、該遊嵌歯車62には小歯車が形成され、一方、伝動軸35の後端には小歯車63が形成され、該小歯車63と小歯車には副変速軸27上に固設したスプラインカラー上のスライダ64を摺動させることによって噛合可能としている。
【0018】
また、副変速軸27の後部上には高速歯車65と低速歯車66が遊嵌され、該高速歯車65と低速歯車66はそれぞれ走行出力軸29上に固設した高速従動歯車67と低速従動歯車68と噛合している。該高速歯車65と低速歯車66にはそれぞれ小歯車が設けられ、この小歯車の間にはスライダ69が配置されて、前記スライダ64とともに図示しない副変速操作具の操作で摺動して噛合できるように構成している。前記走行出力軸29の後端にはピニオン29aが形成され、デフ装置のリングギヤと噛合され、デフ装置より減速ギヤ、車軸等を介して後輪3に動力を伝えるようにしている。
【0019】
このようにして、副変速1速のときは、前進歯車51→歯車55→副変速伝動軸26→伝動歯車61→遊嵌歯車62→スライダ64→副変速軸27→スライダ69→高速歯車65→高速従動歯車67→走行出力軸29と伝えられる。副変速2速のときは、前進歯車51→伝動軸35→小歯車63→スライダ64→副変速軸27→スライダ69→低速歯車66→低速従動歯車68→走行出力軸29と伝えられる。副変速3速のときは、前進歯車51→伝動軸35→小歯車63→スライダ64→副変速軸27→スライダ69→高速歯車65→高速従動歯車67→走行出力軸29と伝えられる。クリープ変速のときは、前進歯車51→歯車55→副変速伝動軸26→伝動歯車61→遊嵌歯車62→スライダ64→副変速軸27→スライダ69→低速歯車66→低速従動歯車68→走行出力軸29と伝えられる。
【0020】
また、前記低速従動歯車68から前輪駆動切換機構70を介して前輪2に動力を伝達できるようにしている。即ち、後述するPTO軸96上にパイプ軸71が遊嵌され、該パイプ軸71上に前記低速従動歯車68と噛合する伝動歯車72と、4駆伝動歯車73と、増速伝動歯車74が固設されている。一方、ミッションケース11下部に前輪駆動軸75が前後方向に回動自在に支持され、該前輪駆動軸75上に4駆伝動歯車73と噛合する4駆歯車76と、増速伝動歯車74と噛合する増速歯車77が遊嵌されている。該4駆歯車76及び増速歯車77と前輪駆動軸75の間に油圧式の4輪駆動クラッチ78と前輪増速クラッチ79が配置されている。
【0021】
こうして、2輪駆動のときは、4輪駆動クラッチ78と前輪増速クラッチ79をOFFとして前輪駆動軸75に動力は伝達されず、後輪3のみに動力が伝達される。4輪駆動のときは、4輪駆動クラッチ78がONとされ、低速従動歯車68からパイプ軸71→4駆伝動歯車73→4駆歯車76→4輪駆動クラッチ78→前輪駆動軸75と伝えられて前輪2と後輪3が駆動される。ステアリングハンドル6が設定角度以上回転されて前輪増速モードとなったときには、前輪増速クラッチ79がONとなって、低速従動歯車68からパイプ軸71→増速伝動歯車74→増速歯車77→前輪増速クラッチ79→前輪駆動軸75と伝えられて、前輪2を通常よりも早く回転させて駆動され、旋回半径を小さくして圃場を荒らさずに旋回できるようにする。
【0022】
次にPTO伝動系について説明する。PTO変速装置90は前記主変速装置30の下方に配置され、前記主変速伝動軸25と平行にPTO変速軸95が横架され、主変速伝動軸25上に固設した1速従動歯車45、2速従動歯車46、3速従動歯車47、4速従動歯車48にはそれぞれPTO変速軸95上に遊嵌したPTO1速歯車91、PTO2速歯車92、PTO3速歯車93、PTO4速歯車94が噛合されている。更に、PTO1速歯車91上にはPTO逆回転歯車97が遊嵌され、図示しない中間歯車を介して1速従動歯車45と噛合させている。
【0023】
そして、PTO1速歯車91、PTO2速歯車92、PTO3速歯車93、PTO4速歯車94、PTO逆回転歯車97にはそれぞれ小歯車が設けられて、PTO変速軸95上に相対回転不能に摺動可能に外嵌したスライダ98・99をそれぞれ小歯車と噛合させることによって1〜4速及び逆転速のPTO変速を可能としている。前記PTO変速軸95の後延長上にはPTO軸96が連設されて、該PTO軸96の後端はミッションケース11より後方に突出されて、作業機装着装置13に装着した作業機を駆動可能としている。
【0024】
次に、変速系の油圧回路について、図3より説明する。エンジン5に油圧ポンプ110が付設されて駆動され、該油圧ポンプ110の吐出側にパワーステアリング油圧ユニット111のポンプポートが接続される。該パワーステアリング油圧ユニット111は切換バルブ112と油圧モータ113からなり、切換バルブ112の二次側にはパワステシリンダ114に接続されている。
【0025】
該パワステシリンダ114のピストンロッドは前輪2のステアリング装置のナックルアームまたはタイロッド等と連結されている。前記切換バルブ112のスプールは油圧モータ113の出力軸とステアリングハンドル6とに連結されている。また、ステアリングハンドル6の回動角(切れ角)は角度センサー115等の検出手段によって検知されている。但し、本実施例ではセンサーの代わりにスイッチを設定角度位置に配置して旋回を検出するようにしているが、検出する手段は限定するものではない。また、本実施例では角度センサーはハンドル軸近傍に配置しているが、ステアリング装置への伝動経路に配置することも可能である。
【0026】
このような構成において、パワーステアリング油圧ユニット111はステアリングハンドル6の回動によって切換バルブ112が切り換えられて、圧油をパワステシリンダ114に送油して前輪2を左右に回動するとともに、油圧モータ113を作動させてステアリングハンドル6の回動に追随させてスプールを逆方向に摺動させて、ステアリングハンドル6の切れ角に応じた前輪2の左右回動となるようにしている。
【0027】
そして、パワーステアリング油圧ユニット111のタンクポート(戻り油)側には前後進切換バルブ121と主変速切換バルブ122と前輪増速切換手段となる前輪駆動切換バルブ123と潤滑油路124が並列接続されている。該主変速切換バルブ122は運転部1に設けた主変速レバー15の回動操作によって切り換えられて、1速油圧クラッチ31、2速油圧クラッチ32、3速油圧クラッチ33、4速油圧クラッチ34に送油可能としている。前輪駆動切換バルブ123は電磁バルブより構成されて、二次側は4輪駆動クラッチ78と前輪増速クラッチ79とブレーキバルブ125とに接続されている。該ブレーキバルブ125は電磁バルブより構成されて、二次側は左右のサイドブレーキを作動させるためのサイドブレーキシリンダ126R・126Lと接続されている。
【0028】
そして、前記前輪駆動切換バルブ123及びブレーキバルブ125のソレノイド123a・123b・125a・125bは図4に示すように、制御手段となるコントローラ130と接続され、前輪駆動切換バルブ123は前輪駆動切換レバー131の操作やステアリングハンドル6の回動や走行速度等によって切り換えられる。
【0029】
即ち、前輪駆動切換レバー131の回動位置は検知手段132によって検知されてコントローラ130に入力され、2輪駆動の場合にはソレノイド123a・123bはOFFとされて中立位置となり、前輪駆動切換レバー131を4駆位置に回動することによってソレノイド123bが作動されて切り換えて、4輪駆動クラッチ78をONとする。
【0030】
増速位置の場合には、作業時においてソレノイド123bを作動させて4輪駆動とし、ステアリングハンドル6の回動により、角度センサー115が設定角度以上回動された検知すると、ソレノイド123aが作動されて前輪駆動切換バルブ123を切り換えて前輪増速クラッチ79をONとする。そして同時に、旋回内側のブレーキバルブ125のソレノイド125a(または125b)を作動させて内側の後輪の走行を停止させてさらに急旋回を可能とする。
【0031】
但し、前記コントローラ130には更に作業機の昇降位置センサー133、主変速レバー15の回動位置センサー134、前後進切換レバー16の位置センサー135、副変速レバーの位置センサー136等が接続されて、作業機が下がっている作業時や高速段に変速された高速走行時や後進時等において、前輪を増速回転させると転倒のおそれがあるので、このようなときにはソレノイド123aはONされず前輪増速できないようにしている。
【0032】
また、前記潤滑油路124はリリーフバルブ141を介して1速油圧クラッチ31、2速油圧クラッチ32、3速油圧クラッチ33、4速油圧クラッチ34、前進クラッチ53、後進クラッチ54と接続され、リリーフバルブ142を介して主クラッチ14と接続されて、余剰作動油を送油して潤滑できるようにしている。
【0033】
そして、前記パワーステアリング油圧ユニット111のタンクポート(戻り油)側と前後進切換バルブ121の間に、作動油圧変更手段となる電磁比例弁127が介装されている。該電磁比例弁127のソレノイド127aは、図4に示すようにコントローラ130と接続され、ステアリングハンドル6を設定角度以上切った前輪増速時に作動圧力を増加するようにしている。
【0034】
即ち、前輪駆動切換レバー131を前輪増速位置に切り換えておいて、作業速度で走行し、圃場端で回行するときに、ステアリングハンドル6を設定角度以上回動した状態では、前輪駆動切換バルブ123が切り換わり前輪増速クラッチ79がONとなり、前輪増速クラッチ79に圧油が送油されると共に、ブレーキバルブ125もONとなってサイドブレーキシリンダ126にも圧油が送油されるために作動圧は通常よりも低下する。更に、パワステシリンダ114を作動させていれば更に作動圧の低下が著しい。このとき 切り返しのために、前後進切換レバー16を前進または後進に回動操作すると、前進クラッチ53または後進クラッチ54へ作動油が送油される。ところが、ステアリングハンドル6を大きく切れば切る程走行抵抗は大きくなるため、この走行抵抗と油圧の低下によって発進時のタイムラグが長くなり、発進フィーリングが悪くなっていた。例えば、従来では図6の如く、一定時間後(前輪増速クラッチ79ON、及びブレーキバルブ125がON後)に急に圧力が上昇するようになっていた。
【0035】
そこで、本発明では電磁比例弁127と角度センサー115をコントローラ130を介して連動連結し、ステアリングハンドル6が設定角度以上切られた状態で、電磁比例弁127を作動させて、前後進切換バルブ121への作動油圧を高くし、タイムラグのない良好な発進が得られるようにしている。このときは、図5に示すように、徐々に油圧(P)が上昇してスムースな発進ができる。
【0036】
即ち、圃場端等で切り返しするときに、ステアリングハンドル6を設定角度以上切った状態で、前後進切換レバー16を操作して前進から後進、または、後進から前進に切り換えると、前輪増速クラッチ79に圧油が送油されると同時に、電磁比例弁127が作動して、圧油が前進クラッチ53または後進クラッチ54に増圧されながら油圧が送油されるようになり、ライムラグは殆どなくスムースな発進が可能となる。
【0037】
なお、作動油圧を変更するための手段は、本実施例では電磁比例弁を用いているが、絞りを用いたり、パイロット油圧で作動油圧を変更したり、油圧ポンプ110と並列に配設された他の油圧ポンプからの圧油を切換バルブを用いて導く構成とすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1に記載の如く、一つの油圧ポンプ(110)からの吐出油を、前後進切り換えを行う前後進切換装置、及びパワーステアリング装置に供給する作業車両において、前後進切換手段の操作にて、前記前後進切換装置を構成する油圧式前後進用クラッチ(53・54)の切換操作可能とし、該前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧を、変更手段にて変更可能に構成するとともに、前記パワーステアリング装置を操作するステアリングハンドル(6)の切れ角を検出する手段と、前記前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧変更手段を連動連結し、該ステアリングハンドル(6)を設定角度以上切った時に、作動油圧を高くしたので、次のような効果を奏するのである。
即ち、従来の技術では、パワーステアリング装置や前輪増速機構の油圧装置と接続されていると、旋回するためにステアリングハンドルを回動すると、パワステシリンダに圧油が送油されるために、前後進切換用油圧クラッチへの油圧は低下して、駆動力の接続が若干遅れることになり、発進のタイミングが遅れて走行フィーリングが悪くなっていたのである。
また同様に、前輪増速機構と並列または直列に接続されていた場合も、旋回中に前後進切換操作を行うと発進が遅れることがあった。
そこで、本発明は旋回操作を行ったときに、前後進切換を行うと、前後進切換用油圧クラッチへの作動圧を上げるようにするものである。
これにより、ステアリングを切った状態で圃場を旋回する場合には走行抵抗が大きく、その時に前後進を切換えて前進または後進油圧クラッチを作動させて発進するときには、タイムラグが生じていたが、作動圧が高くなるために、前進または後進の油圧クラッチの作動圧が高くなり、良好な発進フィーリングが得られることができる。
【0039】
また、請求項2に記載のごとく、前記作動油圧変更手段を、電磁比例弁としたので、作動油圧変更手段とステアリングハンドルの切れ角の検出手段とを簡単に連結して制御できるようになり、その油圧設定等の制御も簡単に行え、設定値の変更も容易にできる。
【0040】
また、請求項3に記載のごとく、前記ステアリングハンドルの切れ角の検出手段を、前輪増速切換手段と連動連結したので、ステアリングハンドルの切れ角の検出手段は、作動油圧を変更する角度を検知する手段と、前輪増速に切り換える角度を検出する手段を兼用できて、コスト低減化を図れる。また、前輪増速の時に作動圧を高めることができて、発進する時のフィーリングを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタの全体側面図である。
【図2】 ミッションケース内の伝動系を示す側面断面図である。
【図3】 変速系とステアリング系の油圧回路図である。
【図4】 制御回路ブロック図である。
【図5】 本発明による前後進切換時の時間と圧力の関係を示す図である。
【図6】 従来の前後進切換時の時間と圧力の関係を示す図である。
【符号の説明】
6 ステアリングハンドル
16 前後進切換レバー
53 前進クラッチ
54 後進クラッチ
115 角度センサー
127 電磁比例弁

Claims (3)

  1. 一つの油圧ポンプ(110)からの吐出油を、前後進切り換えを行う前後進切換装置、及びパワーステアリング装置に供給する作業車両において、前後進切換手段の操作にて、前記前後進切換装置を構成する油圧式前後進用クラッチ(53・54)の切換操作可能とし、該前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧を、変更手段にて変更可能に構成するとともに、前記パワーステアリング装置を操作するステアリングハンドル(6)の切れ角を検出する手段と、前記前後進用クラッチ(53・54)の作動油圧変更手段を連動連結し、該ステアリングハンドル(6)を設定角度以上切った時に、作動油圧を高くしたことを特徴とする作業車両の前後進切換装置。
  2. 前記作動油圧変更手段を、電磁比例弁(127)としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両の前後進切換装置。
  3. 前記ステアリングハンドル(6)の切れ角の検出手段を、前輪増速切換手段と連動連結したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の前後進切換装置。
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