JP4606555B2 - ハイドロプレーニングの検出方法及びハイドロプレーニング検出装置及び車輌制御装置 - Google Patents

ハイドロプレーニングの検出方法及びハイドロプレーニング検出装置及び車輌制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌のハイドロプレーニング状態を検出する方法及びその装置と、上記ハイドロプレーニング状態検出結果に基づいて車輌の走行状態を制御する車輌制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行安定性を高めるため、タイヤと路面間の摩擦を含む路面状態を正確に把握する技術が必要とされている。特に、高速道路など、自動車が高速で走行している状態では、路面状態を正確に把握しないで運転を行っていると大事故につながる可能性が高い。このような高速走行時の危険な状況の代表例としては、ハイドロプレーニング現象がある。
ハイドロプレーニング現象は、降雨時や水溜まりを高速で走行する際に特に多く見られるものである。通常の走行速度では、水溜まりなどからの水は、タイヤ接地圧により踏面外に排斥されるので、実質的にタイヤのグリップ力が失われることはないが、高速走行時においては、路面とタイヤ間に侵入した水膜による圧力によりタイヤが上方へ押上げられ、一時的に路面とタイヤとの接触が断たれる状態となるため、タイヤと路面間の摩擦係数が急減し、タイヤのグリップ力が失われ、減速動作などの車輌の制御が困難となる。したがって、上記ハイドロプレーニング現象を検出しドライバーへ警告するための各種装置が提案されている。
例えば、特開平10−68740号公報では、前,後輪のスリップ率と前後加速度とが、予め設定された所定の範囲内にある時に、路面状態がハイドロプレーニング状態にあると判定している。これは、前,後輪のスリップ率のみではホイールスピンや減速時の車輪ロックと上記ハイドロプレーニングを判定することが困難なため、前後加速度を併用することで上記問題を回避するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ハイドロプレーニング状態の判定に用いられる前後加速度は、車体のピッチングや路面凹凸、更には人・荷物の積載状況などの影響を受け易いため、前,後輪のスリップ率と前後加速度とを併用したとしても、正確な判定を行うことが困難であった。
また、車速が所定値以上で、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差が大きい時に、ハイドロプレーニング状態にあると判定する方法も提案されている(特開平8−324409号公報)。しかしながら、実際のハイドロプレーニングの発生速度は、水膜厚さやタイヤの排水性、更にはタイヤ内圧等の関数であるため、状況に応じて上記車速の所定値を変更しなければ厳密な判定を行うことができないという問題点があった。したがって、水膜厚さやタイヤ因子を判定ステップに組み込む必要があるが、タイヤの摩耗状況やトレッドパターンなど、実際の走行環境に則して判定ステップに修正を加えることは実際上困難である。
【0004】
また、車輪速センサの信号成分において、輪速または車速に対応する主周波数帯域と他の周波数帯域との成分比に基づきハイドロプレーニング現象の有無を判定する方法(特開平7−260637号公報)も提案されているが、ハイドロプレーニング現象の主要因は、上述したように、踏面内へ侵入した水膜がタイヤを押上げる作用であるので、踏面内の部分的で微少の押上げ作用は、輪速信号に反映されないため、ハイドロプレーニング現象の発生初期を検出することが困難である。
上記従来技術に共通して言えることは、いずれもタイヤと路面との間に生じる現象を間接的に捉えているに過ぎず、そのため、外乱因子影響を受け易く、したがって、感度・精度ともに低いといった問題点があった。そして、それらの問題を回避するために複雑なロジックを組み込むなどの手段が不可欠なため、装置としてのコストアップをもたらしていた。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡便な構成でハイドロプレーニング現象を高感度でかつ精度よく検出してする方法と、上記ハイドロプレーニングの検出結果に基づいて車輌の走行状態をフィードバック制御し、車輌の安全性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
求項1に記載のハイドロプレーニングの検出方法は、タイヤ内面の歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出し、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態を検出することを特徴とする。
また、請求項2に記載のハイドロプレーニングの検出方法は、タイヤ内面の歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出し、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさと予め作成しておいたタイヤ踏面内ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとらタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定し、上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態を検出することを特徴とする。
以下に、タイヤ内面の歪の時間変化とハイドロプレーニング状態との関係について説明する。
タイヤトレッドの変形は、一般には、タイヤ幅方向に引っ張り変形を受けた場合には、タイヤ周方向には圧縮の変形が生じ、逆に、タイヤ幅方向が圧縮された場合には、タイヤ周方向が引っ張られるという関係にあることが知られている。
発明者らは、タイヤの転動によって生ずるタイヤトレッドの変形状態を、トレッド内面のある地点(以下、測定点という)の歪量の変化として検出することにより、ハイドロプレーニング状態時におけるタイヤの挙動を詳細に検討した結果、ハイドロプレーニング状態では、上記タイヤトレッドの変形が周方向及び幅方向ともに、引っ張り方向へ偏向し、かつ上記変形の偏向状態がタイヤ踏面内に侵入した水膜量に依存することを見出した。
【0007】
次に、タイヤの転動と上記測定点におけるタイヤ内面歪の大きさとの関係について詳細に説明する。
図1は、通常走行時におけるトレッド内面歪の時間的変化を示す図で、実線は幅方向歪量(%)、破線は周方向歪量(%)を示す。
同図のaに示すように、測定点が踏面以外にある場合には、幅方向歪,周方向歪ともに実質的な歪量はほぼゼロである。
タイヤが転動し、測定点が踏面前部、すなわち踏み込み地点に到達すると、トレッド内面の幅方向には引張り歪(同図b)が発生するとともに、上述したように、トレッド内面の周方向には圧縮歪(同図c)が発生する。
タイヤが更に転動し、測定点が踏面中心部近傍に到達すると、同図のd,eに示すように、上記bで発生した幅方向の引張り歪は減少し、上記cの周方向の圧縮歪は急激に減少した後、引張り歪側に移行する。但し、当面直下の周方向歪は、同図のfに示すように、圧縮側にスパイク状のピークを形成する。なお、幅方向では上記スパイク状のピークに対応するものは存在しない。
その後、測定点が踏面後部、すなわち蹴出し地点に到達すると、同図のg,hに示すように、トレッド内面に再び幅方向の引張り歪が増加し、周方向は圧縮歪に転じた後、双方ともその大きさが減少し、測定点が踏面を離れると上記歪はほぼゼロとなる(同図i)。
【0008】
一方、ハイドロプレーニング現象の発生時におけるトレッド内面歪の時間的変化は、図2に示すように、踏面内において、以下に示すような特異な挙動を示す。
すなわち、ハイドロプレーニング現象の発生時には、測定点が踏面中心部近傍に到達すると、上記bで発生した幅方向の引張り歪は、同図のjに示すように、一旦は減少するが、その後、同図のkに示すように、再び増加してピークを形成した後再度減少する(同図l)。このとき、上記cの周方向の圧縮歪は、同図のmに示すように、上記通常走行時に見られたスパイク状のピークが減少し、上記幅方向歪と同じように、引張り方向に偏向する。
したがって、上述したタイヤ内面の幅方向歪あるいは周方向歪の偏向状態から、ハイドロプレーニング状態であるかどうかを判定することが可能となる。
また、タイヤ内面歪と踏面内へ侵入した水膜による押上げ圧(または水膜量)との関係と、上記水膜量とハイドロプレーニング状態の発生との関係を予め把握しておき、タイヤ内面歪から推定された水膜量から、ハイドロプレーニング状態であるかどうかを判定することにより、ハイドロプレーニング状態の判定を更に正確に行うことが可能となる。
【0009】
また、請求項3に記載のハイドロプレーニング検出装置は、タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面歪を計測する手段と、上記計測された歪の時間変化波から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出する手段と、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態であるかかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項4に記載のハイドロプレーニング検出装置は、タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、上記計測された歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出する手段と、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさと予め作成しておいたタイヤ踏面内ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとからタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定する手段と、上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項5に記載のハイドロプレーニング検出装置は、タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、上記計測されたタイヤ内面の歪からタイヤ踏面以外の歪計測点で計測したタイヤ内面の歪の大きさであるベースライン歪値を求めるとともに、タイヤ踏面内の歪の時間変化波形と上記ベースライン歪値との差である歪変位量を算出する手段と、上記算出された歪変位量の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークである踏面内変位量ピークの大きさを検出する踏面内変位量ピーク検出手段と、上記検出された踏面内変位量ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に記載のハイドロプレーニング検出装置は、タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、上記計測されたタイヤ内面の歪からタイヤ踏面以外の歪計測点で計測したタイヤ内面の歪の大きさであるベースライン歪値を求めるとともに、タイヤ踏面内の歪の時間変化波形と上記ベースライン歪値との差である歪変位量を算出する手段と、上記算出された歪変位量の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークである踏面内変位量ピークの大きさを検出する踏面内変位量ピーク検出手段と、上記検出された踏面内変位量ピークの大きさと予め作成しておいた踏面内変位量ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとからタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定する手段と、上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項7に記載のハイドロプレーニング検出装置は、タイヤ内面の歪を計測する手段を複数個設け、タイヤ踏面以外にある歪計測手段で計測したタイヤ内面の歪の大きさを上記ベースライン歪値としたことを特徴とする。
【0010】
請求項に記載のハイドロプレーニング検出装置は、上記タイヤ内面の歪を計測する手段をタイヤトレッドの主溝部の内面側に取り付けてタイヤトレッド主溝部の内面の歪を計測し、上記計測された歪の波形からハイドロプレーニング状態であるかかを判定することを特徴とする。
【0011】
請求項に記載のハイドロプレーニング検出装置は、上記タイヤ内面歪を計測する手段を装着した部分の、前,後あるいは左,右のトレッドゴムのブロック高さを、他の部分のブロック高さの80%〜95%としたことを特徴とする。
【0012】
請求項10に記載のハイドロプレーニング検出装置は、上記タイヤ内の歪を計測する手段を歪ゲージとしことを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載のハイドロプレーニング検出装置は、上記判定手段において、路面がハイドロプレーニング状態であると判定された場合には、警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の車輌制御装置は、請求項3〜請求項11のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置と、上記ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて車輌の走行状態を制御する車輌制御手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の車輌制御装置は、タイヤの空気圧を調整して車輌の走行状態を制御する車輌制御手段を備え、ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいてタイヤの空気圧を増加または低減させる制御を行うことを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の車輌制御装置は、例えば、ABSなどの車輪のロック状態を制御して車輌の走行状態を制御する手段を備え、ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて車輪のロック状態の制御を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の車輌制御装置は、車輌の姿勢を制御する手段を備え、ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて、例えば、各車輪のブレーキ装置を個別に制御する際のブレーキ圧設定値等を変えるなどして、車輌の姿勢制御を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の車輌制御装置は、車輪空転状態を制御して車輌の走行状態を制御する手段を備え、ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて、ブレーキ装置あるいはエンジン回転数などを制御して車輪空転状態の制御を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の車輌制御装置は、自動運転システムの車間距離設定値を変更する制御を行う車輌制御手段を備え、ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて、上記車間距離設定値を変更し、車間距離を適正に設定する制御を行うことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
実施の形態1.
図3は、本実施の形態1に関わるハイドロプレーニング検出装置10の構成を示すブロック図であり。同図において、11a,11bはタイヤ内面歪を計測する手段である歪ゲージ11a,11bで、歪ゲージ11a,11bは、図4に示すように、タイヤトレッド1の内面1Aの主溝部2に対応する位置(以下、主溝部2の内面側と略す)で、タイヤの転動時において、互いにタイヤ周方向に所定の角度だけ離れた場所、すなわち、一方が路面Lに接する踏面内に位置する時には、他方は踏面以外の位置にあるような場所設置されている。なお、歪ゲージ11a,11bは、は所定の取付方向の歪み量を検出するので、本例では、歪ゲージ11a,11bをともにタイヤ周方向の主溝部2の内面側に取り付け、タイヤの幅方向歪を計測するようにしている。
12は、上記2つの歪ゲージ11a,11bで計測されたタイヤ踏面内でのタイヤ内面歪とタイヤ踏面以外でのタイヤ内面歪との時間変化の波形を演算するとともに、上記タイヤ踏面内とタイヤ踏面以外でのタイヤ内面歪との差である歪変位量を算出する歪変位量算出手段、13は上記算出された歪変位量の2つのピーク、つまり踏込み部と蹴り出し部にそれぞれ発生するピークを規準とし、この両ピーク間に出現する第3のピーク、すなわちハイドロプレーニング現象の発生に伴って現れる幅方向歪のピーク(以下、HYP幅ピークと称す)の高さを検出するHYPピーク検出手段、14はマップ記憶手段15に記憶されている、予め求められたHYP幅ピークの高さとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すHYPマップを用いて、上記算出されたHYP幅ピークの高さから水膜量を推定する水膜量推定手段、16は上記水膜量推定手段14で推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態かどうかを判定するハイドロプレーニング判定手段である。
【0026】
上記歪ゲージ11a,11bとしては、例えば、抵抗線歪ゲージや光ファイバー歪ゲージを用いることができる。また、タイヤの場合には、転動によってゴム部分にヒステリシスロスによる発熱があるため、温度による影響を無視できないため、温度センサを併用して測定環境の補正をすることが望ましい。
なお、タイヤ内面歪を計測する手段としては、上記歪ゲージ11a,11bに限定するものではなく、非接触式の光学センサや磁気センサあるいは圧力センサ等の他のセンサを用いてもよい。
また、上記歪ゲージ11a,11bの取付位置は、タイヤトレッドの歪を検出できる位置であれば特に制約はないが、水膜路量の推定精度を高くするためには、トレッド内面が望ましく、更に望ましくは、トレッドの変形が大きく現われるタイヤトレッド主溝位置の内面側に配置することが望ましい。
【0027】
次に、上記ハイドロプレーニング検出装置10の動作について説明する。
まず、タイヤトレッド主溝部のタイヤ周方向溝の内面に取付けられた歪ゲージ11a,11bにより、タイヤ幅方向の内面歪を連続的に計測する。上記計測されたタイヤ幅方向の内面歪は、順次、歪変位量算出手段12に送られる。歪変位量算出手段12では、上記2つの歪ゲージ11a,11bで計測されたタイヤ内面歪との時間変化の波形をそれぞれ演算するとともに、タイヤの転動時において、踏面内に位置する歪ゲージ11aで計測されたタイヤ内面歪をタイヤ踏面内でのタイヤ内面歪とし、踏面外に位置する歪ゲージ11bで計測されたタイヤ内面歪をタイヤ踏面以外のタイヤ内面歪であるベースライン値として、上記タイヤ内面歪と上記ベースライン値の差である歪変位量を算出する。
なお、上記踏面内のタイヤ内面歪のみを用いてハイドロプレーニング状態の判定を行うことも可能であるが、タイヤの振動の影響や測定のバラツキなどを考慮すると、上記歪変位量を用いた方がより安定したハイドロプレーニング状態の判定を行うことできる。
図5は、FF車の左前輪に、上記歪ゲージ11a,11bを貼り付けた試験タイヤを取り付け、試験路において車速90km/hrで走行させた時の歪波形を示す図で、左側の波形は乾燥アスファルト路、右側の波形は水膜厚さが10mmの特殊路における歪波形である。乾燥アスファルト路では、踏込み部と蹴り出し部において、(+)方向(引張り方向)に2つのピークが検出されるが、水膜厚さが10mmの特殊路においては、上記2つのピーク間に、上記2つのピークと同方向の第3のピークであるHYP幅ピークが出現する。
上記HYP幅ピークの大きさは、図6の破線に示すように、車速に依存する。実線は乾燥アスファルト路における上記2つのピーク間の歪量の大きさを示すもので、車速が約80km/hr近傍までは、水膜厚さが10mmの特殊路においても、上記2つのピーク間の歪量の大きさは略同程度であり、水膜厚さが10mmの特殊路でHYP幅ピークは観察されない。しかしながら、車速が約80km/hrを越えると、上記特殊路ではHYP幅ピークが出現し、これが急速に盛り上がる。
【0028】
HYPピーク検出手段13では、上記算出された歪変位量の波形から、図5に示すような上記HYP幅ピークの高さを検出し、このHYP幅ピーク値を水膜量推定手段14に送る。水膜量推定手段14では、マップ記憶手段15に記憶されている、予め求められたHYP幅ピークの高さとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すHYPマップを用いて、上記算出されたHYP幅ピーク値から水膜量を推定する。ハイドロプレーニング判定手段15では、上記水膜量推定手段14で推定された水膜量に基づいて、路面状態がハイドロプレーニング状態にあるかどうかを判定する。
図7は、上記試験車輌が車速90km/hrで上記特殊路に進入した際の、上記HYP幅ピークの高さと車輪速との関係を示す図で、横軸は進入後の時間、縦軸は歪量の大きさ(同図の●)と車輪速(同図の○)を示す。図7に示すように、車輌が上記特殊路に進入した約0.4sec.(10m走行)後には、歪量が急速に増加するとともに、車輪速が変化し始めることがわかる。
ハイドロプレーニング状態になると、タイヤが路面からの拘束力を失うため、タイヤが宙に浮いたかのように駆動輪の輪速が上昇する。したがって、FF車の場合、駆動輪の輪速をモニターしていればハイドロプレーニング状態を検出することが可能である。
しかしながら、実際の車輌では車輪に大きな慣性重量があるため、図7に示すように、ハイドロプレーニングが発生して輪速が上昇し始めるまである程度の後れ時間が発生する。したがって、輪速の上昇を検出してハイドロプレーニング状態を検知する方法では、上記例の場合、ハイドロプレーニング域に入ってから約1sec.かかり、その間に車輌が約25mも走行してしまうことになる。
これに対して、本発明では、歪量(HYP幅ピークの高さ)によりハイドロプレーニング状態を検出するようにしているので、早期にハイドロプレーニング状態を検出することができる。
【0029】
図8は、車速を90km/hrに固定し、水膜厚さを変化させた時のHYP幅ピークの高さの変化を示す図で、横軸は水膜厚さ(mm)、縦軸はHYP幅ピークの高さに相当する歪量(%)を示す。同図から明らかなように、水膜厚さ(mm)とHYP幅ピークの高さとは高い相関性がある。したがって、単にHYP幅ピークの高さからハイドロプレーニングの発生との関係を把握し、HYP幅ピークの高さが所定の閾値を越えた時にハイドロプレーニング状態であると判定してもよいが、本例のように、タイヤ内面歪から水膜厚さ(水膜量)を推定し、別途に上記水膜量とハイドロプレーニング状態の発生との関係を予め把握してHYPマップを作成し、上記推定された水膜量からハイドロプレーニング状態であるかどうかを判定することにより、ハイドロプレーニング状態の判定を更に正確に行うことできる。
【0030】
このように、本実施の形態1では、タイヤトレッド主溝部のタイヤ周方向溝の内面に歪ゲージ11a,11bを貼付けてタイヤ幅方向の内面歪を連続的に計測し、上記計測されたタイヤ踏面内とタイヤ踏面外の歪の差である歪変位量を算出した後、上記算出された歪変位量の波形のHYP幅ピークの高さを検出し、上記HYP幅ピークの高さから水膜量を推定して、予め求められたHYP幅ピークの高さと水膜量との関係を示すHYPマップを用いて、ハイドロプレーニング状態にあるかどうかを判定するようにしたので、簡便な機構でハイドロプレーニング現象を高感度でかつ精度よく検出するとができる。
なお、ハイドロプレーニング検出装置10に、上記ハイドロプレーニング判定手段16の判定結果に基づいて、搭乗者にハイドロプレーニング状態である警告を発するための警告手段を付加して搭乗者に警告を与え、走行に注意を促すようにすることにより、車輌の安全性を向上させることが可能となる。
【0031】
なお、上記実施の形態1では、2個の歪ゲージ11a,11bを用いてタイヤ踏面での歪量とタイヤ踏面以外での歪量を計測して歪変位量を算出したが、歪ゲージの個数は2個に限るものではなく、1個でもよいし3個以上でもよい。また、歪ゲージが1個の場合には、上記歪ゲージのタイヤ踏面での歪量とタイヤ踏面以外での歪量とを順次計測し、上記計測された歪量の差を歪変位量とする。
また、上記例では、歪ゲージ11a,11bをタイヤ周方向溝の内面側に配設してタイヤ幅方向歪を計測するようにしたが、歪ゲージ11a,11bをタイヤの幅方向溝の内面側に配設してタイヤ周方向歪を計測して、ハイドロプレーニング状態の判定を行うようにしてもよい。
但し、ハイドロプレーニング現象の発生に伴って現れる周方向歪のピーク(以下、HYP周ピーク)の高さは、図9に示すように、通常の乾燥アスファルト路を走行する際に見られたような(−)方向(圧縮方向)スパイク状のピークが減少して、引張り方向側に偏向するので、HYPピーク検出手段13の構成やマップ記憶手段15に記憶するHYPマップ、更には水膜量推定手段14の構成を、それぞれ、上記HYP周方向高さの引張り方向側への偏向を検出して水膜量を推定するように変更する必要があることは言うまでもない。
なお、HYP周ピークにおいても、上記スパイク状のピークの大きさは、図10の破線に示すように、車速に依存し、車速が約80km/hrを越えると、乾燥アスファルト路では上記ピークの大きさが増加し続けるのに対し、水膜厚さが10mmの特殊路ではHYP周ピークの大きさが減少する。したがって、上記HYP周ピーク高さを検出することにより、ハイドロプレーニング状態の検出を行うことが可能となる。
なお、タイヤの周方向溝と幅方向溝にそれぞれ歪ゲージを配設し、HYP幅ピークの高さとHYP周ピークのの高さの双方を検出して水膜量を推定するようにしてもよい。
【0032】
また、本例では、HYPピーク検出手段13踏込み部と蹴り出し部の位置については、歪変位量の時間的変化から特定することも可能であるが、例えば、図示しない車輪に回転センサを設けて、この回転センサの出力パルスに基づいて、車速V及びタイヤの踏込み部,接地部,蹴り出し部の位置を検出するようにしてもよい。
また、同一路面条件下で走行する場合でも、上記トレッド1に発生する歪量は、タイヤの内圧や温度などでも変わってくるため、上記変化に伴って、上記HYPマップを適宜変更することが望ましい。
例えば、内圧が低下すると、タイヤ撓み量が大きくなるので、ベースライン歪値は低下する。これにより、歪変位量が見かけ上大きくなる。そこで、例えば、ベースライン歪値により上記マップを変更する機能をハイドロプレーニング検出装置内に付加して、ベースライン歪値により採用するマップを適宜変更することにより、ハイドロプレーニング状態の検出精度を更に向上させることができる。
あるいは、内圧が低下すると、タイヤ接地長が長くなるので、1サイクル時間中の歪ピーク幅(ピーク発生時間)から上記接地長を計算し、上記接地長によりマップを変更するようにしてもよい。また、いくつかの補正方法を組み合わせる事により、より精度の高いマップ選択を行うことが可能となる。
【0033】
実施の形態2.
ハイドロプレーニング状態を検出する際には、トレッドパターンを適正化することにより、ハイドロプレーニング検出感度を向上させることができる。
本実施の形態2は、タイヤ内面歪を計測する手段である歪ゲージ11a,11bを装着した部分のトレッドゴムのブロック高さを、他の部分のブロック高さよりも低くすることにより、踏面内に接地圧の低いスポットを故意に形成し、侵入する水膜に対する感度を上げることにより、ハイドロプレーニング検出感度を向上させるようにしたもので、他の部分のブロック高さよりも低くする際の範囲としては、通常高さの80%〜95%、好ましくは85%〜90%がよい。これは、80%未満では路面との接地性を損ない、偏摩耗やロードノイズの増大を招くからであり、95%を越えるとハイドロプレーニングの検出感度が低くなってしまうからである。
なお、発明者らの研究によれば、段差のあるトレッドパターンが走行によって摩耗しても、当初の段差は非常に良く保持されていることが確認されている。
図11は、上記図7で示したものと同様の、試験車輌が車速90km/hrで水膜10mmの特殊路に進入した際の、HYP幅ピークの高さの変化を示す図で、同図の●はブロック加工がない場合のHYP幅ピークの高さを示し、同図の○は、歪ゲージ11a,11bを装着した部分のトレッドゴムのブロック高さを他の部分のブロック高さより20%低くなるように加工した場合のHYP幅ピークの高さを示す。同図から明らかなように、ゴムブロックの高さに加工を施すことにより、踏面内に侵入する水膜量に対する感度が変化する。すなわち、歪ゲージ11a,11bを装着した部分のトレッドゴムのブロック高さを、他のブロックよりも低くすることにより、ハイドロプレーニング状態の検出感度を向上させることができる。
【0034】
実施の形態3.
図12は、本実施の形態3に係わる車輌制御装置20の構成を示す図で、車輌制御装置20は、上記実施の形態1で示したハイドロプレーニング検出装置10と、このハイドロプレーニング検出装置10のハイドロプレーニング判定手段16の判定結果に基づいて、タイヤの空気圧を増加または低減させて車輌の走行状態を制御する車輌制御手段21とを備えている。
上記車輌制御手段21では、ハイドロプレーニング判定手段16がハイドロプレーニングを検出した場合には、タイヤ空気圧を予め設定された内圧まで上昇させ、車輌がハイドロプレーニング状態を脱した場合には、タイヤ空気圧を通常設定値まで戻すようにすることにより、車輌の走行性及び安全性を向上させるようにしたものである。
すなわち、車輌がハイドロプレーニング域に入った場合には、タイヤ空気圧を増加させてタイヤ接地面積を減少させることにより、タイヤ接地面圧を増加させて、踏面内に侵入した水膜を踏面外に排斥させる作用が強まる。したがって、より早期のグリップ力の回復を図ることができ、ハイドロプレーニングの持続時間を短縮することができる。
なお、上記車輌制御手段21は、HYPピーク検出手段13で検出されたHYP幅ピークの高さあるいは水膜量推定手段14で算出された水膜量に基づいて、タイヤ空気圧を制御するようにしてもよい。
また、本実施の形態2では、タイヤ内空気の出し入れはリム部に取り付けられた回転継ぎ手を用い、車載のエアコンプレッサからの給気及び電磁弁を用いての排気の組み合わせによって行った。なお、タイヤ内圧調整システムはいかなるものであっても良いが、例えば、圧力計,コントローラー、圧力調整弁付ホイール、フレキシブルジョイントホース、予備タンク、コンプレッサーなどから構成される。
【0035】
【実施例】
上記車輌制御装置20を搭載し、上記車輌制御手段21によりタイヤ内圧を制御するように構成した車輌を、水膜10mmの走行路にて様々な速度で走行させれ、ハイドロプレーニングが発生する最低速度を調査した結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004606555
本実施例では、車輌制御手段21は、HYP幅ピークの高さが0.3%を越えた時にタイヤ空気圧を280kPaまで上昇させ、HYP幅ピークの高さ0.2%以下まで減少した時にタイヤ空気圧を通常設定値である220kPaまで戻すように設定している。なお、比較例として、タイヤ内圧を制御していない(車輌制御装置20を搭載していない)車輌についても、同様の試験を行った。
また、本実験においては、エンジン出力の変化からハイドロプレーニング発生の速度判定を行った。
表1から明らかなように、車輌制御装置20を搭載してタイヤ内圧制御を行った車輌は、4回の走行全てにおいてハイドロプレーニング発生の速度が高くなっており、ハイドロプレーニングが発生し難くなっていることが確認された。
【0036】
なお、上記実施の形態3では、タイヤ空気圧の制御を行って車輌の走行状態を制御するようにしたが、ABSブレーキシステムの制御ロジックを変更して、ブレーキトルクを与える油圧増加速度やABSモードに入る油圧閾値を低下するような車輌制御を行って走行の安全性を向上させるようにしてもよい。
あるいは、車輌の姿勢を制御する車輌制御手段を設け、ハイドロプレーニング域に入った場合には、例えば、各車輪のブレーキ装置を個別に制御する際のブレーキ圧値等を変えて、車輌の姿勢制御を行うようにしてもよい。
また、車輪空転状態を制御する車輌制御手段を備え、ハイドロプレーニング域に入った場合には、ブレーキ装置あるいはエンジンエンジン回転数などを制御して車輪空転状態の制御を行うことによっても、車輌の走行安全性を向上させることができる。
また、自動運転システムを搭載した車輌において、車間距離設定値を変更する制御を行う車輌制御手段を設けることにより、ハイドロプレーニング域に入った場合には、上記車間距離設定値を変更し、車間距離を適正に設定する制御を行うようにすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タイヤ踏面内に侵入した水膜量に依存するタイヤ内面歪を計測し、このタイヤ内面歪の時間変化あるいはタイヤ内面歪から推定した水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態を検出するようにしたので、簡単な構成で、ハイドロプレーニングを早期にかつ正確に検出することができる。
また、上記ハイドロプレーニング状態の検出に基づいて、ハイドロプレーニング状態の発生を乗員に警告したり、車輌の走行状態をフィードバック制御するようにしたので、車輌の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タイヤ内面の歪の時間的変化を示す図である。
【図2】 ハイドロプレーニング発生時におけるタイヤ内面の歪の時間的変化を示す図である。
【図3】 本実施の形態1に係わるハイドロプレーニング検出装置の構成を示す図である。
【図4】 歪ゲージの設置位置を示す模式図である。
【図5】 タイヤ幅方向歪の偏向状態を示す図である。
【図6】 車速とHYP幅ピークの高さとの関係を示す図である。
【図7】 水膜のある路面に突入した時の歪量と輪速の時間変化を示す図である。
【図8】 水膜厚さと歪量との関係を示す図である。
【図9】 タイヤ周方向歪の偏向状態を示す図である。
【図10】 車速とHYP周ピークの高さとの関係を示す図である。
【図11】 本実施の形態2に係わるトレッドゴムのブロック加工の効果を説明するための図である。
【図12】 本実施の形態3に係わる車輌制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 タイヤトレッド、1A トレッドの内面、2 主溝部、10 ハイドロプレーニング検出装置、11a,11b 歪ゲージ、12 歪変位量算出手段、13 HYPピーク検出手段、14 水膜量推定手段、15 マップ記憶手段、16 ハイドロプレーニング判定手段、20 車輌制御装置、21 車輌制御手段。

Claims (17)

  1. タイヤ内面の歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出し、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態を検出することを特徴とするハイドロプレーニングの検出方法。
  2. タイヤ内面の歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出し、上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさと予め作成しておいたタイヤ踏面内ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとからタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定し、上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態を検出することを特徴とするハイドロプレーニングの検出方法。
  3. タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面歪を計測する手段と、
    上記計測された歪の時間変化波から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出する手段と、
    上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態であるかかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするハイドロプレーニング検出装置。
  4. タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、
    上記計測された歪の時間変化波形から上記歪の時間変化波形の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークであるタイヤ踏面内ピークの大きさを算出する手段と、
    上記算出されたタイヤ踏面内ピークの大きさと予め作成しておいたタイヤ踏面内ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとからタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定する手段と、
    上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするハイドロプレーニング検出装置。
  5. タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、
    上記計測されたタイヤ内面の歪からタイヤ踏面以外の歪計測点で計測したタイヤ内面の歪の大きさであるベースライン歪値を求めるとともに、タイヤ踏面内の歪の時間変化波形と上記ベースライン歪値との差である歪変位量を算出する手段と、
    上記算出された歪変位量の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークである踏面内変位量ピークの大きさを検出する踏面内変位量ピーク検出手段と、
    上記検出された踏面内変位量ピークの大きさに基づいてハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするハイドロプレーニング検出装置。
  6. タイヤトレッドの内面側に取付けられてタイヤ内面の歪を計測する手段と、
    上記計測されたタイヤ内面の歪からタイヤ踏面以外の歪計測点で計測したタイヤ内面の歪の大きさであるベースライン歪値を求めるとともに、タイヤ踏面内の歪の時間変化波形と上記ベースライン歪値との差である歪変位量を算出する手段と、
    上記算出された歪変位量の踏み込み側のピークと蹴り出し側のピークとの間に出現するピークである踏面内変位量ピークの大きさを検出する踏面内変位量ピーク検出手段と、
    上記検出された踏面内変位量ピークの大きさと予め作成しておいた踏面内変位量ピークの大きさとタイヤ踏面内に侵入した水膜量との関係を示すマップとからタイヤ踏面内に侵入した水膜量を推定する手段と、
    上記推定された水膜量に基づいて、ハイドロプレーニング状態であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするハイドロプレーニング検出装置。
  7. タイヤ内面の歪を計測する手段を複数個設け、タイヤ踏面以外にある歪計測手段で計測したタイヤ内面の歪の大きさを上記ベースライン歪値としたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のハイドロプレーニング検出装置。
  8. 上記タイヤ内面歪を計測する手段をタイヤトレッド主溝部の内面側に取り付けたことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置。
  9. 上記タイヤ内面歪を計測する手段を装着した部分の、前,後あるいは左,右のトレッドゴムのブロック高さを、他の部分のブロック高さの80%〜95%としたことを特徴とする請求項3請求項8のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置。
  10. 上記タイヤ内の歪を計測する手段を歪ゲージとしたことを特徴とする請求項3〜請求項のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置。
  11. 記判定手段において、路面がハイドロプレーニング状態であると判定された場合には、警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置。
  12. 請求項3〜請求項11のいずれかに記載のハイドロプレーニング検出装置と、上記ハイドロプレーニング状態の判定結果に基づいて、車輌の走行状態を制御する車輌制御手段を備えたことを特徴とする車輌制御装置。
  13. イヤの空気圧を調整して車輌の走行状態を制御する手段を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の車輌制御装置。
  14. 輪のロック状態を制御する手段を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の車輌制御装置。
  15. 輌の姿勢を制御する手段を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の車輌制御装置。
  16. 輪空転状態を制御する手段を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の車輌制御装置。
  17. 動運転システムの車間距離設定値を変更する制御を行う手段を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載の車輌制御装置。
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