JP4603424B2 - 衝撃吸収スペーサ - Google Patents
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Description
特開平11−44342号公報(特許文献1)には、シリコーンゲルを振動吸収体として使用する防振ダンパーが開示されている。
平板状のベース部と、前記ベース部に基部を連接されて該ベース部の上面側に立設された一対の板状のブレーキ部とを、板金で一体成形してなる金属材と、
前記ブレーキ部を内包して前記ベース部の上面に当着される弾性樹脂材と
を備えてなり、
前記弾性樹脂材は、一対の脚部と、当該一対の脚部間に掛け渡されて両脚部に連続する橋部とを有する形態になっていて、両脚部間で前記橋部の下方には空間が形成されており、
前記一対のブレーキ部は、前記ベース部の上面に対して傾斜した方向に延出されて、互いの基部間の距離よりも先端間の距離が小さくなる形態になっていて、前記弾性樹脂材の脚部に内包された状態になっており、
さらに、前記弾性樹脂材は、リフローハンダ付け工程に耐え得る耐熱性を有する材質とされるとともに、前記ベース部の下面がハンダ付け可能な面、前記橋部の平坦な上端面が自動実装機のノズルで吸着可能な面とされ、プリント基板に対して前記自動実装機で表面実装される部品である
ことを特徴とする。
上述したとおり、ブレーキ部の先端が弾性樹脂材に刺さり込むことによって圧縮エネルギーを吸収し、衝撃を緩和するので、弾性樹脂材は、その「刺さり込み」が可能な材質、例えばゴム、ゴム弾性を有する熱可塑性エラストマー、多数の高分子が鎖の上の特定部分の結合により互いに部分的につながってできた三次元網目状構造を持つゲル等が用いられる。
そのベースポリマーとしては、例えば、スチレン系(イソプレン−スチレン系(SIS系)、エチレン−プロピレン−スチレン系(SEPS系)、エチレン−ブタジエン−スチレン系(SEBS系)、オレフィン系、エステル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラストマー、並びに、これらの水添、その他による変成物、あるいは、スチレン系、ABS系、オレフィン系、塩化ビニル系、アクリル系、カーボネート系、アセタール系、ナイロン系、ハロゲン化オレフィン系(四フッ化エチレン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレンプロピレン系など)、セルロース系(エチルセルロース系など)の熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂のゴム変成物などが挙げられる。なお、これらの各種熱可塑性樹脂は、単独で用いても、2種以上をブレンドして用いてもよい。
金属材としてリン青銅、チタン銅、ベリリウム銅、ステンレス(SUS)等のばね性の金属を使用すれば、ブレーキ部のばね性も衝撃の緩和に活用できる。
また、本発明の自動実装用衝撃吸収スペーサは、弾性樹脂材の上端面を平坦面にしてあるので、これをノズル吸着面として自動実装することができる。
また、板状のブレーキ部の側端面を凹凸状にすることも、ブレーキ部を波板状にするのと同様、衝撃緩和力の向上に有効であるし、ブレーキ部と弾性樹脂材とが分離するのを防止することにもなる。
[実施例1]
この実施例は、衝撃吸収スペーサを表面実装の衝撃吸収スペーサとして具体化した例である。
また、本実施例では弾性樹脂材20としてシリコーンを使用しているが、上述のゴム、エラストマー、ゲルでリフローハンダ付けに耐えうる材料なら同様に使用できる。
ブレーキ部14は互いに対面状に配されているが、互いの基部14a間の距離よりも先端14b間の距離が小さく、つまり相手方に向かって倒れかかるような姿勢で傾斜している。また、ブレーキ部14には貫通口15が設けられている。
橋部23の上端面23aは平坦面であり、自動実装機の吸引ノズルにて吸着可能である。
以下、いくつかの参考例を説明する。
[参考例1]
実施例1では弾性樹脂材20に一対の脚部21、21と橋部23とを設けて山状の空間22を形成してあるが、図4に示すように弾性樹脂材20をブロック状にして空間22を設けない構造にしてもよい。
[参考例2]
実施例1では2枚のブレーキ部14を設けているが、図5に示すようにブレーキ部14を1枚にしてもよい。この場合、参考例1(図4)と同様に弾性樹脂材20をブロック状にして、ブレーキ部14はベース部11に対して略垂直にして弾性樹脂材20の中央部に配するとよい。
[参考例3]
実施例1では(参考例1、2も)ベース部11の下面11bをハンダ付けすることでスペーサ1を例えばプリント基板30に固定するが、図6に示すように、ベース部11の下面に両面粘着テープ40を貼着しておいてもよい。こうすれば、両面粘着テープ40の剥離紙を剥がして、所望の位置にベース部11すなわちスペーサ1を粘着させて固定することができる。
[参考例4]
衝撃吸収スペーサを他物体に固定するための固定部をベース部の下面に連接した例を説明する。
弾性樹脂材52は、形状は異なるが材質は実施例1の弾性樹脂材20と同じである。
合成樹脂部材51にはベース部53が設けられ、その上面にブレーキ部54が立設されている。
ブレーキ部54には開口55が設けられていて、弾性樹脂材52は、その開口55内にも充填されている。つまり、ブレーキ部54の両側の弾性樹脂材52が開口55を通って連続している。
まず、ベース部53の下面の中心部からは支柱57がベース部53に対してほぼ垂直に延出されている。支柱57の先端には、一対の弾性片58が連接されていて、鏃型のスナップ頭部59を形成している。また、弾性片58の先端部からは規制片61が延出されている。
このスペーサ50は、板材例えばプリント基板30の取付穴32を用いて、スナップ56にてプリント基板30に取り付けられる。その取り付け方法は公知のスナップと同様である。具体的には、プリント基板30に設けられた取付穴32にスナップ頭部56を合わせて、図7において上方から下方へと取付穴32に押し込む。
スペーサ50がプリント基板30と筐体31との間で圧縮力を受けると、弾性樹脂材52が弾性変形する。この変形は柔軟であるが、弾性樹脂材52がブレーキ部54を内包しているので、弾性樹脂材52が押しつぶされるような過剰な変形を生じることはない。
[ブレーキ部の形状参考例]
ブレーキ部の形状は様々にできるので、そのいくつかを図8に示す。
10・・・金属材、
11・・・ベース部、
11b・・・下面、
12・・・開口、
14・・・ブレーキ部、
14a・・・基部、
15・・・貫通口、
20・・・弾性樹脂材、
21・・・脚部、
21a・・・下端面、
23・・・橋部、
23a・・・上端面、
30・・・プリント基板。
Claims (5)
- 平板状のベース部と、前記ベース部に基部を連接されて該ベース部の上面側に立設された一対の板状のブレーキ部とを、板金で一体成形してなる金属材と、
前記ブレーキ部を内包して前記ベース部の上面に当着される弾性樹脂材と
を備えてなり、
前記弾性樹脂材は、一対の脚部と、当該一対の脚部間に掛け渡されて両脚部に連続する橋部とを有する形態になっていて、両脚部間で前記橋部の下方には空間が形成されており、
前記一対のブレーキ部は、前記ベース部の上面に対して傾斜した方向に延出されて、互いの基部間の距離よりも先端間の距離が小さくなる形態になっていて、前記弾性樹脂材の脚部に内包された状態になっており、
さらに、前記弾性樹脂材は、リフローハンダ付け工程に耐え得る耐熱性を有する材質とされるとともに、前記ベース部の下面がハンダ付け可能な面、前記橋部の平坦な上端面が自動実装機のノズルで吸着可能な面とされ、プリント基板に対して前記自動実装機で表面実装される部品である
ことを特徴とする自動実装用衝撃吸収スペーサ。 - 請求項1記載の自動実装用衝撃吸収スペーサにおいて、
前記ブレーキ部には貫通口が設けられ、
前記脚部は、前記ブレーキ部の表裏両側に位置する部分が、前記貫通口を通じて連続している
ことを特徴とする自動実装用衝撃吸収スペーサ。 - 請求項1又は2記載の自動実装用衝撃吸収スペーサにおいて、
前記弾性樹脂材には、導電性フィラーが添加されている
ことを特徴とする自動実装用衝撃吸収スペーサ。 - 請求項1、2又は3記載の自動実装用衝撃吸収スペーサにおいて、
前記弾性樹脂材には、熱伝導性フィラーが添加されている
ことを特徴とする自動実装用衝撃吸収スペーサ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の自動実装用衝撃吸収スペーサにおいて、
前記一対のブレーキ部は、ぞれぞれ、前記基部から先端まで前記ベース部の上面に対して傾斜し、互いの基部間の距離よりも先端間の距離が小さくなる形態になっていることを特徴とする自動実装用衝撃吸収スペーサ。
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