JP4599007B2

JP4599007B2 - シート供給装置およびこれを備えた記録装置

Info

Publication number: JP4599007B2
Application number: JP2001281694A
Authority: JP
Inventors: 俊博佐々木
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 2001-09-17
Filing date: 2001-09-17
Publication date: 2010-12-15
Anticipated expiration: 2021-09-17
Also published as: JP2003081460A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート供給装置及びこれを備えた記録装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置においては、通常、シート収納手段に収納された記録媒体としてのシート（例えば紙、樹脂製のフィルムなど）をシート給送手段により送り出すようにしたシート供給装置を備えている。そして、このシート供給装置によって送り出されたシートはシート搬送手段により画像記録部に搬送され、画像記録部においてシート上に画像が記録される。ところで、このシート供給装置を構成するためにいくつかの手段が考案され、実施されている。そのうち、シートを供給する際、シート供給ローラを回転自在に保持しているアームの自重及び下方動作の力により、シート供給時のローラ圧を得るものがある。
【０００３】
この構造は、これとは別の、シート供給ローラまたは、積み重ねたシートにスプリング力を作用させシートまたはシート供給ローラに押し付けることによりシート供給時のローラ圧を得る構造に比べ、構造が簡単になるという利点を持つ。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シート供給ローラを回転自在に保持しているアームの自重及び下方動作の力により、シート供給時のローラ圧を得る構造では、駆動源の力をギア列を利用してシート供給ローラの回転力に変換する構造となっている。また、前記アームはシート供給ローラよりもシート供給方向上流側に位置している支点により回動自在に支持されている。したがって、シート供給方向に反してシートを戻そうとすると、シート供給ローラは自由に回転しないので、シート供給ローラとシートとの間に摩擦力が発生し、シート供給ローラを回転自在に保持しているアームに、意に反して下方動作の力が働いて、シート供給ローラがシートに対して食い込んで勝手に動き、シートを止める方向に作用してシートを戻すことが出来ないという問題があった。
【０００５】
そこで、本発明の目的はこのような実状に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、シート供給方向に反してシートを戻すことが出来るシート供給装置及びこれを備えた記録装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、シート供給ローラを回転自在に保持し、該シート供給ローラよりもシート供給方向上流側に位置している支点を中心に回転自在に支持されたアームと、前記シート供給ローラを回転駆動するための駆動源とを有し、前記アームの自重と回転動作の力とにより、給送するシートに対するローラ圧を得るシート供給装置において、前記駆動源と前記シート供給ローラとの間に、前記駆動源からの回転駆動力を、前記シート供給ローラに対して所定時間遅らせて伝達する遅延手段を設けたことを特徴とする。
【０００７】
上記のシート供給装置においては、シート供給方向に反してシートを戻すとき、該シートを戻す操作に先行して前記遅延手段に、前記シートを戻す量と同等以上の遅延量を蓄積することが好ましい。
【０００８】
また、上記のようなシート供給装置により給送されたシートに対して画像を記録する記録装置をも本発明に属する。
【０００９】
上記のとおりの構成では、前記駆動源と前記シート供給ローラとの間に、前記駆動源からの回転駆動力を、前記シート供給ローラに対して所定時間遅らせて伝達する遅延手段を設けたことにより、シート供給方向に反してシートを戻す前に、駆動源を逆転して、シートを戻す量に対して同等以上の遅延量を遅延手段に蓄積させることで、シートを戻す際のシートとシート供給ローラとの間に発生する摩擦力で、シート供給ローラがシート供給方向と反対に、遅延手段に蓄積した遅延量分、つれ回りすることが可能となる。シート供給ローラがつれ回りしている間は、シート供給ローラを回転自在に保持しているアームに、意に反して下方動作の力が働いて、シート供給ローラがシートに対して食い込み勝手に動くことがなくシートを戻すことが可能となる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【００１１】
図１は本発明の実施の形態に係るシート供給装置を備えた記録装置の一例であるインクジェットプリンタの斜視図である。この図に示すインクジェットプリンタ１は、記録ヘッド３と、記録ヘッド３を載置するキャリア（キャリッジとも呼ばれる）２とを備えた画像記録部３Ａをインクジェットプリンタ本体（以下、本体という）１Ａ内に有する。ここで、記録ヘッド３は記録媒体としてのシートＰ（例えば、紙、樹脂製のフィルムなど）に対向した面に不図示の複数のノズル列を持ち、ノズル列ごとに異なる色のインクを吐出するように構成されている。なお、記録ヘッド３には色のノズルに対して各々の記録液供給チューブ５を介してインクタンク４より各色のインクが供給されるように構成されている。
【００１２】
また、キャリア２は、本体１Ａのフレーム６に両端部が固定され、互いに平行に配置されたガイドシャフト７とガイドレール８に沿って摺動可能に支持されている。そして、キャリア２を往復動させながら記録ヘッド３よりインクをシートＰに向けて吐出することにより、シート上に画像が記録される。なお、キャリア２は不図示のベルト駆動装置とモータとにより往復動される構成である。
【００１３】
一方、図２はインクジェットプリンタ１の概略構成を示す断面図である。この図２において、シート供給装置１Ｂは本体１Ａに着脱自在に装着されたシート収納手段であるシート収納カセット１０と、シート収納カセット１０に収納されたシートＰを摩擦力で送り出すシート給送手段であるシート供給ローラ１５とを備えている。ここで、シート収納カセット１０には、シート送り出し方向下流側端部にシート供給ローラ１５の回転により送り出されたシートＰに当接してシートＰを分離するための斜面部材である分離板１９が設けられている。また、シート供給ローラ１５は、シート収納カセット１０の上方に設けられ、シート供給ローラ１５よりもシート送り出し方向上流側に位置している支点１４ａにより回動自在に支持されているアーム１４に回転自在に、かつシート供給カセット１０に収納されたシートＰに接離可能に保持されている。そして、シート供給ローラ１５は、画像記録の際には、アーム１４の自重及び下方回動の力によりシート供給カセット１０に積載されたシートＰの最上部（最前列）のシートＰ１に所望の圧力（ローラ圧）で当接するとともに、図３に示すプーリ１６、ベルト１７、及びギア１８介して伝達される不図示の駆動源からの駆動により回転するようになっている。
【００１４】
図４は、プーリ１６と不図示の駆動源との間に構成された遅延手段であるメカタイマーＡを示している。
【００１５】
プーリ１６と不図示の駆動源との間には、伝達ギア（Ａ）２２と伝達ギア（Ｂ）２３を備えていて、駆動源（例えばモーター）からの駆動力を機械的に所定の時間遅らせて伝達する遅延手段であるメカタイマーＡを構成している。具体的には図４に示すように、不図示の駆動源の出力軸に直接または間接的に繋がった軸上に伝達ギア（Ａ）２２が一体固定され、これと同軸上に、プーリ１６と接続された伝達ギア（Ｂ）が回転自由に挿入されている。伝達ギア（Ａ）２２と伝達ギア（Ｂ）２３の向き合う面にはそれぞれ、伝達ギア（Ａ）２２が一方向に所定量（角度）回転すると当接する部材２２ａ，２３ａが設けられている。シート供給時には伝達ギア（Ａ）２２の当接部材２２ａが伝達ギア（Ｂ）２３の当接部材２３ａを押して、伝達ギア（Ｂ）２３を回転させ、プーリ１６を回転させている。
【００１６】
このような遅延手段を用い、シート供給方向に反してシートＰを戻す（バックフィードする）前に、上記の駆動源を逆転して、シートＰを戻す量（バックフィード量）に対して同等以上の遅延量（駆動源を動作してからシート供給ローラの回転が始まるまでのタイムラグ）を遅延手段に蓄積させる。例えば図４のメカタイマーＡの場合は、伝達ギア（Ａ）２２をシート供給時の回転方向と反対側に所定量逆転させる。この逆転量はシート供給方向に反してシートＰを戻した際の伝達ギア（Ｂ）２３の回転量以上の量とする。
【００１７】
これにより、シートＰを戻す際のシートＰとシート供給ローラ１５との間に発生する摩擦力で、シート供給ローラ１５がシート供給方向と反対に、遅延手段に蓄積した遅延量分つれ回りすることが可能となる。シート供給ローラ１５がつれ回りしている間は、シート供給ローラ１５を回転自在に保持しているアーム１４に、意に反して下方動作の力が働いて、シート供給ローラ１５がシートＰに対して食い込み勝手に動くことがなくシートＰを戻すことが可能となる。
【００１８】
また、図２において、符号９は搬送ローラ、符号２１はＵターンローラ（反転ローラ）、符号２０はＵターンローラ２１に対向する位置に設けられたローラガイドを表しており、シート供給ローラ１５の回転により送り出されたシートＰ１は、このＵターンローラ２１とローラガイド２０との間に形成されたシート搬送路Ｒを通過して搬送ローラ９に向かうようになっている。
【００１９】
次に、このような構成のインクジェットプリンタの画像記録動作について説明する。画像記録動作が開始されると、まずアーム１４の下方回動と自重により、シート供給ローラ１５がシート供給カセット１０に積載されたシートＰの最上位（最前列）のシートＰ１に所定の圧力（ローラ圧）で当接する。そして、この状態でシート供給ローラ１５が回転すると、シートＰが送り出され、この後、分離板１９により抵抗力を受けて最上位のシートＰ１のみがシート搬送路Ｒに進入する。このとき、分離性能の安定から、シート供給ローラ１５の外周速度は、シート供給ローラ１５の起動時から分離板１９により抵抗力を受けて最上位のシートＰ１のみがシート搬送路Ｒに進入しようとする直前まで、３インチ／秒（約７６．２ｍｍ／秒）から６インチ／秒（約１５２．４ｍｍ／秒）であることが望ましい。シート搬送路Ｒに進入すると、Ｕターンローラ２１の回転により搬送ローラ９とピンチローラ１２との間に導かれ、この後、搬送ローラ９及びピンチローラ１２に挟まれた状態で記録ヘッド３と対向する記録位置に設けられたプラテン２４まで搬送される。次に、このようにプラテン２４に搬送されたシートＰ１に対し、キャリア２に搭載された記録ヘッド３による印刷（画像記録）動作が開始される。ここで、本実施の形態においては、記録ヘッド３による１走査分（ガイドシャフト７に沿った１回の移動分）の画像記録が終了すると、一旦記録動作を中断し、プラテン２４上に位置するシートＰ１を搬送ローラ９にて所定量だけ搬送し、ついで再びキャリア２をガイドシャフト７に沿って移動させながら次の１走査分の画像形成を行なうように構成されている。そして、このようにしてプラテン２４上で順次記録ヘッド３による記録が行なわれた後、シートＰはシート排出ローラ２５とこれに当接して従動回転する回転体である拍車２６とによってカセットカバー１３上に排出されるようになっている。なお、図１において、符号１１はヘッド回復手段を表しており、このヘッド回復手段１１はキャリア２が、その移動範囲の一端付近に設けられたホームポジションに移動した際、記録ヘッド３と対向可能な位置に設けられている。そして、ヘッド回復手段１１を待機中、記録動作前後もしくは１行毎の記録の合間に作動させ、記録ヘッド３に対してそのインクジェットノズルのキャッピング及び吸引、ノズル面のワイピング等の動作を行なわせることにより、記録ヘッド３の目詰まり等を防止して記録ヘッド３の性能を保持するようにしている。
【００２０】
上述した実施形態においては、記録媒体にインクなどの記録を吐出して記録を行うインクジェット式の記録装置を例に挙げて説明したが、これに限らず本発明のシート供給装置は適用できる。また、本実施形態においては、記録媒体の搬送と、該記録媒体の送り方向と交差する方向への記録ヘッドの移動とを交互に行うことで記録媒体に記録を行う、いわゆるシリアルタイプの記録装置を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、記録媒体の記録媒体送り方向と交差する方向の幅と同等もしくはそれ以上の長さの記録にかかわる部位を持つ記録ヘッドを用いて、記録媒体を間欠搬送しながら記録媒体に記録を行う、いわゆるラインタイプの記録装置に使用してもよい。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート供給ローラを回転自在に保持し、該シート供給ローラのシート搬送方向上流側に位置している支点を中心に回転自在に支持されたアームとの自重と回転動作の力とにより、給送するシートに対するローラ圧を得るシート供給装置において、前記シート供給ローラを回転駆動するための駆動源と前記シート供給ローラとの間に、前記駆動源からの回転駆動力を、前記シート供給ローラに対して所定時間遅らせて伝達する遅延手段を設けた。この事により、シート供給方向に反してシートを戻す前に、駆動源を逆転して、シートを戻す量に対して同等以上の遅延量を遅延手段に蓄積させることで、シートを戻す際のシートとシート供給ローラとの間に発生する摩擦力で、シート供給ローラがシート供給方向と反対に、遅延手段に蓄積した遅延量分、つれ回りすることが可能となる。シート供給ローラがつれ回りしている間は、シート供給ローラを回転自在に保持しているアームに、意に反して下方動作の力が働いて、シート供給ローラがシートに対して食い込み勝手に動くことがなくシートを戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るシート供給装置を備えた記録装置の一例であるインクジェットプリンタの斜視図である。
【図２】図１のインクジェットプリンタの概略構成を示す断面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るシート供給装置の構成を示す断面図である。
【図４】図２、図３に示すシート供給装置に設けたメカタイマーを示す斜視図である。
【符号の説明】
１インクジェットプリンタ
１Ａインクジェットプリンタ本体
１Ｂシート供給装置
３記録ヘッド
３Ａ画像記録部
４インクタンク
５記録液供給チューブ
７ガイドシャフト
６フレーム
８ガイドレール
９搬送ローラ
１０シート供給カセット
１１回復手段
１２ピンチローラ
１３カセットカバー
１４アーム
１４ａ支点
１５シート供給ローラ
１６プーリ
１７ベルト
１８ギア
１９分離板
２０ローラガイド
２１Ｕターンローラ
２２伝達ギア（Ａ）
２２ａ、２３ａ当接部材
２３伝達ギア（Ｂ）
２４プラテン
２５シート排出ローラ
２６拍車
Ａメカタイマー機構
Ｐシート

Claims

シート供給ローラを回転自在に保持し、該シート供給ローラよりもシート供給方向上流側に位置している支点を中心に回転自在に支持されたアームと、前記シート供給ローラを回転駆動するための駆動源とを有し、前記アームの自重と回転動作の力とにより、給送するシートに対するローラ圧を得るシート供給装置において、前記駆動源と前記シート供給ローラとの間に、前記駆動源からの回転駆動力を、前記シート供給ローラに対して所定時間遅らせて伝達する遅延手段を設け、シート供給方向に反してシートを戻すとき、該シートを戻す操作に先行して前記遅延手段に、前記シートを戻す量と同等以上の遅延量を蓄積することを特徴とするシート供給装置。
請求項１に記載のシート供給装置により給送されたシートに対して画像を記録する記録装置。