JP4591221B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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本発明は、貯湯式給湯装置に関するものであり、特に、電動式混合弁を用いた湯水混合制御に関するものである。

従来、この種の貯湯式給湯装置は、ヒートポンプ回路で加熱された湯水を貯湯タンクの上部から成層状態で貯湯し、その貯湯された湯水を上部出湯管より取り出し給水管から供給される水と混合して所定の湯温に調節して給湯端末等の負荷側に供給するようにしていた。また、近年、この貯湯水を用いて風呂の追い焚きや暖房に利用する機能を有した貯湯式給湯装置が注目されるようになってきた。しかし、この場合、風呂の追い焚きや暖房に利用した後の温度の低下した湯水は再度貯湯タンク内に回収されるため、貯湯タンク内部には上部の高温水の下方に中温水と呼ばれる中途半端な温度の湯水が多量に蓄えられることになる。この中温水が蓄えられた状態で全量沸き上げ動作が行われると、ヒートポンプ回路への入水温度が高い状態でヒートポンプサイクルの加熱動作が行われるため、効率の悪い、いわゆるCOPの低い沸き上げ動作となる。

そこで、この対策として特許文献1に開示されているように、貯湯タンクの中間部に中温水の取り出し口を設け、この取り出し口より取り出された中温水と上部出湯管より取り出された高温水を混合して所定の湯温を確保し、さらに、この混合水と給水管より供給される水を混合することで設定温度の湯水を精度よく得るようにしていた。この方法によれば中温水を積極的に取り出すことができるため、貯湯タンク下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものである。

しかし、上記特許文献1に開示された構成において具体的に複数の混合弁を制御する場合、その制御方法によって種々の課題を有している。

その制御方法の一例として特許文献2に開示されたようなものがある。この特許文献2に開示された制御方法は図7に示すように、貯湯タンク2の上部からの出湯と、貯湯タンク2の中間部からの出湯と、給水管29からの水とを、上流側の中間混合弁25および下流側の給湯混合弁28により混合し、中間混合弁25の出口温度を混合目標温度になるよう弁開度をフィードバック制御し、給湯混合弁28の出口温度を給湯設定温度になるよう弁開度をフィードバック制御して、給湯設定温度の湯水を給湯する貯湯式給湯装置において、中間混合弁25のフィードバック制御の制御応答速度を給湯混合弁28のフィードバック制御の制御応答速度よりも遅くしたものである。
特開2003−240342号公報 特開2004−340461号公報

上記特許文献2の制御方法によれば、中間混合弁と給湯混合弁を同じ制御応答速度で制御した場合の、中間混合弁からの湯水の温度変化に給湯混合弁のフィードバック制御が追いつかず、湯温のオーバーシュート現象またはアンダーシュート現象が発生するという課題を、中間混合弁からの湯水の温度変化に給湯混合弁のフィードバック制御の制御応答速度が勝るように、中間混合弁の応答速度<給湯混合弁の応答速度の関係で制御することで、給湯温度のオーバーシュートまたはアンダーシュートを大幅に低減し、従来の課題を解決したというものであります。

つまり、この制御方法はカラン等で使用する流量が多い領域において、中間混合弁の高温水と中温水の混合バランスはカラン等の流量変動の影響を受けにくく、給湯温度のオーバーシュートまたはアンダーシュートを抑制して良好に制御を行うことができるものであります。例えば、カランで10Lの流量で湯を使用しているときにカランを絞って7Lの流量に変化させた場合、この流量変動により貯湯タンク側に圧力変動として伝達され中間混合弁の混合バランスに影響を及ぼすことになるが、中間混合弁の流量が多い場合はこの影響度合いは少なく、混合バランスが大きく崩れるという現象は発生せず、中間混合弁の応答速度<給湯混合弁の応答速度の関係で制御することで、所定の混合湯温を安定して確保することができるというものであります。

しかし、上記制御方法はカラン等で使用する流量が少ない領域になると、中間混合弁の高温水と中温水の混合バランスはカラン等の流量変動の影響を大きく受けることになり、中間混合弁の混合湯温が変動する。そして、中間混合弁の混合湯温が変動すると、この変動を吸収するために給湯混合弁は混合水と給水管から供給される水の混合バランスを調節して設定温度になるように制御する。この給湯混合弁の制御によって水側開度が調整されると給水圧が変動することになり、貯湯タンク側に圧力変動として伝達され中間混合弁の混合バランスに影響を及ぼすことになる。この圧力変動による中間混合弁の混合バランスへの影響は流量が少ない場合に大きく、かつ中間混合弁の応答速度を遅く設定しているため、混合バランスの修正に時間を要することになる。これにより中間混合弁からの混合水は変動するようになり、この変動が高速で応答する給湯混合弁により増幅され更に変動幅が大きくなる。この繰り返しにより、中間混合弁と給湯混合弁は安定域に収束することなく変動を継続するため、所定の混合湯温を安定して供給することができないという課題を有するものであった。例えば、カランで10Lの流量で湯を使用しているときにカランを絞って2Lの流量に変化させた場合、この低流量域への流量変動により上記高流量域での流量変動に比べ貯湯タンク側に大きな圧力変動として伝達され中間混合弁の混合バランスに大きく影響を及ぼすことになる。さらに流量が2Lと少ないため、混合バランスが少しでも崩れると大きな湯温変動として現れる。そこで、この変動を修正しようとして中間混合弁を制御するが、中間混合弁の応答速度<給湯混合弁の応答速度の関係で制御するようにしているため、上記のような中間混合弁と給湯混合弁との間で変動の繰り返し現象が発生し、安定した湯温供給ができないものであった。

さらに、上記課題は中間混合弁の目標出湯温度を設定温度に近づけるほど発生しやすく、中温水を優先的に使用する目的で中間混合弁の目標温度を極力低く設定するということもできにくいものであった。

また、前記特許文献2のものは、負荷としてカラン給湯と風呂注湯を同時に使用した場合も中間混合弁との応答速度の関係は一定で制御するようにしており、同時使用を考慮して応答速度等の条件設定を行うと、単独使用において上記のような課題を有するものであった。

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、単独使用と同時使用において制御モードの使い分けを行うことで、使用流量域に関係なく所定の湯温を安定して供給するとともに、中間混合弁の目標出湯温度を極力低く設定して中温水を優先的に使用可能な湯水混合制御方法を提供し、使い勝手とCOPの向上を図るものである。

上記従来の課題を解決するために、本発明の貯湯式給湯装置は、タンク上部の湯水を取り出す出湯管と、タンクの略中間部の湯水を取り出す中温出湯管と、前記出湯管と前記中温出湯管からの湯水を混合する第1混合弁と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの
水を混合し所定温度の湯水を異なる端末側にそれぞれ供給する複数の利用側混合弁と、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開度制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁を予め定めた弁開閉速度で混合制御を行う第1混合制御モードと、前記第1混合制御モードにおける第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開閉速度の関係を逆転させて混合制御を行う第2混合制御モードを有し、前記複数の利用側混合弁のうち1つを単独で使用する場合は、第1混合制御モードと第2混合制御モードを所定の条件下で切り替えるようにし、前記複数の利用混合混合弁を同時に使用する場合は、第1混合制御モードのみで制御するようにしたものである。

上記発明によれば、複数の利用側混合弁を単独で使用するか、同時に使用するか、において、制御モードの使い分けをするようにしており、単独で使用する場合は、第1混合弁と利用側混合弁の弁開閉速度を所定条件で切り替えるようにしているため、第1混合弁の混合バランスが崩れ湯温変動が発生する恐れが有るような条件になったときは、第1混合弁の混合バランスの崩れを素早く修正可能な弁開閉速度に切り替え第1混合弁が優先的に混合制御を行うことで、第1混合弁からの混合水の湯温の安定化を図りつつ、利用側混合弁の弁開閉速度を第1混合弁の弁開閉速度より遅い設定に切り替えることで、給水圧の変動を緩和し、貯湯タンクへの圧力変動の伝達を抑え、第1混合弁の混合バランスへの影響を低減させることができる。これにより、第1混合弁と利用側混合弁の間の湯温変動の増幅作用を防止し、変動幅の少ない安定した湯温を確保することができる。

また、第1混合弁の混合バランスが崩れる恐れがない条件下では、利用側混合弁が優先的に混合制御を行う弁開閉速度に設定し、第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁より遅い設定とすることで、設定温度に対して精度よく制御することができる。

さらに、第1混合弁が優先的に混合制御を行う条件下では、第1混合弁からの目標出湯温度を設定温度に対して極力近づけて設定することが可能となるため、中温水を積極的に取り出すことができ、貯湯タンク下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものである。

そして、同時に使用する場合は、制御モードの切り替えをせず、予め定めた弁開閉速度の関係で制御するようにしているため、複数の利用側端末に安定した湯温を供給することができる。

本発明の貯湯式給湯装置は、単独使用と同時使用において制御モードの使い分けを行うことで、使用条件に関係なく所定の湯温を安定して供給することができるとともに、中温水を積極的に取り出すことが可能となり、貯湯タンク下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものである。

第1の発明は、ヒートポンプ回路を用いて加熱した湯水をタンク上部から成層状態で貯湯しその湯水を利用して端末側に所望の湯水を供給する貯湯式給湯装置であって、タンク上部の湯水を取り出す出湯管と、タンクの略中間部の湯水を取り出す中温出湯管と、前記出湯管と前記中温出湯管からの湯水を混合する第1混合弁と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を異なる端末側にそれぞれ供給する複数の利用側混合弁と、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開度制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁を予め定めた弁開閉速度で混合制御を行う第1混合制御モードと、前記第1混合制御モードにおける第1混合弁と複数の利用
側混合弁の弁開閉速度の関係を逆転させて混合制御を行う第2混合制御モードを有し、前記複数の利用側混合弁のうち1つを単独で使用する場合は、第1混合制御モードと第2混合制御モードを所定の条件下で切り替えるようにし、前記複数の利用混合混合弁を同時に使用する場合は、第1混合制御モードのみで制御するようにしたことを特徴とするものである。

そして、複数の利用側混合弁を単独で使用するか、同時に使用するか、において、制御モードの使い分けをするようにしており、単独で使用する場合は、第1混合弁と利用側混合弁の弁開閉速度を所定条件で切り替えるようにしているため、第1混合弁の混合バランスが崩れ湯温変動が発生する恐れが有るような条件になったときは、第1混合弁の混合バランスの崩れを素早く修正可能な弁開閉速度に切り替え第1混合弁が優先的に混合制御を行うことで、第1混合弁からの混合水の湯温の安定化を図りつつ、利用側混合弁の弁開閉速度を第1混合弁の弁開閉速度より遅い設定に切り替えることで、給水圧の変動を緩和し、貯湯タンクへの圧力変動の伝達を抑え、第1混合弁の混合バランスへの影響を低減させることができる。これにより、第1混合弁と利用側混合弁の間の湯温変動の増幅作用を防止し、変動幅の少ない安定した湯温を確保することができる。

また、第1混合弁の混合バランスが崩れる恐れがない条件下では、利用側混合弁が優先的に混合制御を行う弁開閉速度に設定し、第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁より遅い設定とすることで、設定温度に対して精度よく制御することができる。

さらに、第1混合弁が優先的に混合制御を行う条件下では、第1混合弁からの目標出湯温度を設定温度に対して極力近づけて設定することが可能となるため、中温水を積極的に取り出すことができ、貯湯タンク下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものである。

そして、同時に使用する場合は、制御モードの切り替えをせず、予め定めた弁開閉速度の関係で制御するようにしているため、複数の利用側端末に安定した湯温を供給することができる。

第2の発明は、第1混合制御モードとして第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁の弁開閉速度より遅く設定し、第2混合制御モードとして第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁の弁開閉速度より速く設定したことを特徴とするものである。

そして、第1混合弁の混合バランスが崩れる恐れがない条件下では、第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁の弁開閉速度より遅く設定し利用側混合弁が優先的に混合制御を行う第1混合制御モードとすることで、設定温度に対して精度よく制御することができる。また、第1混合弁の混合バランスが崩れ湯温変動が発生する恐れが有るような条件になったときは、第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁の弁開閉速度より速く設定し第1混合弁が優先的に混合制御を行う第2混合制御モードとすることで、第1混合弁の混合バランスの崩れを素早く修正し、第1混合弁からの混合水の湯温の安定化を図りつつ、利用側混合弁の弁開閉速度を第1混合弁の弁開閉速度より遅い設定に切り替えることで、給水圧の変動を緩和し、貯湯タンクへの圧力変動の伝達を抑え、第1混合弁の混合バランスへの影響を低減させることができ、第1混合弁と利用側混合弁の間の湯温変動の増幅作用を防止し、変動幅の少ない安定した湯温を確保することができる。

第3の発明は、第1混合制御モードから第2混合制御モードへの切り替えは、複数の利用側混合弁のうち1つを単独で使用している場合に、第1混合弁及び利用側混合弁の出口温度と目標温度の偏差が所定値以内となり、かつ所定時間継続したとき行うようにしたこ
とを特徴とするものである。

そして、単独使用時において、第1混合弁の混合バランスが崩れ湯温変動が発生する恐れが有る条件として、第1混合弁の出口温度が目標温度に近づき第1混合弁が混合制御範囲内に入るとともに、利用側混合弁が目標温度である設定温度に近づき利用側混合弁が混合制御範囲に入り、かつ、その状態が所定時間継続したとき、第1混合弁が優先的に混合制御を行う第2混合制御モードに切り替えるようにしているため、湯温変動が発生する前に最適な混合制御モードに切り替えることができ、変動幅の少ない安定した湯温を確保することができる。

第4の発明は、第1混合制御モードにおける第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開閉速度は、前記各混合弁の出口温度と目標温度の偏差に応じて変更するようにしたことを特徴としたものである。

そして、第1混合弁及び複数の利用側混合弁の出口温度が目標温度に近づくにつれて弁開閉速度を遅く設定することで、目標温度に対する制御精度を高めることができる。

第5の発明は、第2混合制御モードにおける第1混合弁の弁開閉速度は出口温度と目標温度の偏差に応じて変更するようにし、利用側混合弁の弁開閉速度は出口温度と目標温度の偏差に関係なく低速で固定値としたことを特徴とするものである。

そして、第1混合弁が優先的に混合制御を行う第2混合制御モードでは、利用側混合弁の弁開閉速度を低速の固定値とし、第1混合弁の弁開閉速度を利用側混合弁の弁開閉速度より速く、かつ出口温度が目標温度に近づくにつれて弁開閉速度を徐々に遅く設定したものであり、目標温度に対する制御精度を高めるとともに、中間混合弁と負荷側混合弁が干渉しないようにして変動幅の少ない安定した湯温を確保するようにしたものである。

第6の発明は、ヒートポンプ回路を用いて加熱した湯水をタンク上部から成層状態で貯湯しその湯水を利用して複数の端末側に所望の湯水を供給する貯湯式給湯装置であって、タンク上部の湯水を取り出す出湯管と、タンクの略中間部の湯水を取り出す中温出湯管と、前記出湯管と前記中温出湯管からの湯水を混合する第1混合弁と、前記第1混合弁からの混合湯水の温度を検出する第1温度検出器と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を給湯端末に供給する給湯混合弁と、前記給湯混合弁からの混合湯水の温度を検出する給湯温度検出器と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を風呂端末に供給する風呂混合弁と、前記風呂混合弁からの混合湯水の温度を検出する風呂温度検出器と、前記給湯端末及び風呂端末に供給する湯温を設定する温度設定手段と、前記第1混合弁、給湯混合弁、風呂混合弁の弁開度を調節して設定温度の湯水に制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記給湯混合弁または風呂混合弁のうち1つが単独で動作しているときに、前記第1温度検出器の検出温度と設定温度の偏差が所定値以下で、かつ前記給湯温度検出器または風呂温度検出器の検出温度と設定温度の偏差が所定範囲内のとき、前記第1混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した高速パターンに基づき設定するとともに前記給湯混合弁または風呂混合弁の弁開閉速度を予め設定した低速の固定値で混合制御を行うようにし、前記給湯混合弁と風呂混合弁が同時に動作しているときは、前記第1混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した低速パターンに基づき設定するとともに前記給湯混合弁または風呂混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した高速パターンに基づき設定して混合制御を行うようにしたことを特徴とするものである。

そして、負荷側混合弁として給湯混合弁と風呂混合弁で構成し、第1混合弁と給湯混合
弁または風呂混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じてそれぞれ低速パターン及び高速パターンとして設定し、給湯混合弁または風呂混合弁の単独使用の場合は、所定の条件に応じて低速パターンと高速パターンを選択して用いることで、給湯利用または風呂利用において、使用条件に関係なく所定の湯温を安定して供給することができるとともに、中温水を積極的に取り出すことが可能となり、貯湯タンク下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものであり、給湯混合弁と風呂混合弁を同時に使用する場合は、低速パターンと高速パターンを選択する制御モードの切り替えをせず、予め定めた弁開閉速度の関係で制御するようにしているため、複数の利用側端末に安定した湯温を供給することができる。

第7の発明は、給湯混合弁と風呂混合弁の同時運転時における高速パターンに基づく弁開閉速度は、給湯混合弁の方を風呂混合弁の方より速く設定するようにしたことを特徴とするものである。

そして、カラン使用と風呂注湯が同時に行われた場合は、カラン側の湯温制御を優先させる目的で給湯混合弁の弁開閉速度を風呂混合弁より速くしたもので、第1混合弁から供給される湯水の変動に対して風呂側より素早く対応することで、カラン側から変動の少ない安定した湯水供給が可能となる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における貯湯式給湯装置の構成図である。

貯湯タンク101には下部と上部を連通させた沸き上げ配管102を設け、その途中に沸き上げポンプ103と熱交換器104を配設している。この沸き上げ経路によって貯湯タンク101下部の水は、沸き上げポンプ103によって熱交換器104に導かれ、その熱交換器104を通過する過程で加熱されて湯となり、貯湯タンク101上部に導かれる。貯湯タンク101に供給された湯は貯湯タンク101内でその比重差から湯が上部、水が下部に分離し、湯が押し下げられる形で層を成して蓄積される。貯湯タンク101内の湯が使用されると、それに伴い給水管105から貯湯タンク101内に水が給水され、貯湯タンク101内には使用状況に応じて減量した高温の湯が上部に、給水管105より供給された水が下部に分離した状態で貯留される。

また、熱交換器104の熱源となるヒートポンプ回路106は、圧縮機107、膨張弁108、ファン109による強制空冷式の蒸発器110で構成され、冷媒として二酸化炭素を用い、高圧側では臨界圧を越える状態で運転することで90℃に近い高温水を貯湯することができるとともに、レジオネラ菌などを考慮した65℃程度の温水の貯湯は高いCOPで行うことができるものである。

次に、貯湯タンク101内の湯水を負荷側に供給するための利用側回路構成について説明すると、貯湯タンク101の上部には高温水を取り出す出湯管111を設け、この出湯管111と給水管105の略中間部には中温水を取り出す中間出湯管112を設けている。

出湯管111からは浴槽113の湯水と熱交換して追い焚き動作を行うための風呂熱交換器114と接続し循環ポンプ115を介して貯湯タンク101の下部に接続した風呂利用回路116が設けられており、前記風呂熱交換器114の二次側には浴槽113の風呂
アダプター117と接続し風呂ポンプ118により浴槽水を循環させるための風呂循環回路119が構成されている。上記構成により、貯湯タンク101の上部より供給された高温水は風呂熱交換器114で風呂循環回路119を流れる浴槽水と熱交換され温度低下した後、中温水となって貯湯タンク101に戻される。この風呂追い焚き動作が継続すると貯湯タンク101内は上部の高温水の量が減少しその下方に蓄積される中温水の量が増大する。この中温水の増大現象は種々の弊害を招き、大きくは沸き上げ動作時におけるヒートポンプ回路106の運転効率(COP)の低下に関与する。すなわち、貯湯タンク101の下部に中温水が増加すると沸き上げ時の熱交換器104の入水温度が高い状態でヒートポンプ回路106の冷媒と熱交換することになり、冷媒と温水との温度差が減少して加熱能力が低下する。特に、冷媒として二酸化炭素を用いたヒートポンプサイクルにあっては、ヒートポンプの高圧側圧力が高いため入水温度が高くなるとヒートポンプの運転効率(COP)の低下度合いが顕著となる。

さらに、中温水が増加することは、貯湯タンク101の上部高温水が減少することであり、全体として貯湯能力が低下することになり、湯量不足につながるものでもある。

そこで、本実施の形態ではこの中温水対策として、貯湯タンク101の略中間部に中間出湯管112を設け、この中間出湯管112と上部出湯管111より供給される湯水を混合し所定の混合水を得るための第1混合弁120を設け、第1温度検出器121で検出される湯温をフィードバックすることで弁開度の調節を行い所定の目標温度を確保するようにしている。この第1混合弁120を設けたことにより、使用目的に応じた湯温を中温水を優先的に取り出すことが可能となり、貯湯タンク101内の中温水を減少させることができる。

前記第1混合弁120の出力側には用途に応じた負荷側回路が構成され、まず給湯利用として、第1混合弁120からの混合水と給水管105からの水とを混合し設定温度の湯水を得るための負荷側混合弁の1つである給湯混合弁122を設け、カラン124に供給するようにしている。この給湯混合弁122の出力側には給湯温度検出器123が取り付けられ、給湯温度検出器123で検出される湯温をフィードバックすることで弁開度の調節を行い設定温度を確保するようにしている。

また、風呂利用としては、第1混合弁120からの混合水と給水管105からの水とを混合し設定温度の湯水を得るための負荷側混合弁の1つである風呂混合弁125を設け、注湯弁126を介して風呂循環回路119に接続し浴槽113への湯張りを行うようにしている。この風呂混合弁125の出力側には風呂温度検出器127が取り付けられ、風呂温度検出器127で検出される湯温をフィードバックすることで弁開度の調節を行い設定温度を確保するようにしている。

なお、第1混合弁120の高温水側供給経路には逆止弁128を設け、中間出湯管112からの中温水の逆流を防止するようにしている。また、給湯混合弁122及び風呂混合弁125の湯側供給経路にも逆止弁129、130を設けるとともに、給湯混合弁122の出力側には逆止弁131を設けている。

また、カラン124の近傍には給湯温度の設定をするためのスイッチを有した給湯リモコン132が設けられ、浴室には風呂温度、湯張り量、高温差し湯を指示するためのスイッチを有した風呂リモコン133が設けられている。この給湯リモコン132または風呂リモコン133からの運転指示は機器本体側に設けられた制御部134に無線または有線で送られ、送信された条件に従って制御部134で予め規定された制御動作に基づいて各種動作を行うようにしている。

本実施の形態における貯湯式給湯装置は、図2に示すような沸き上げ回路102により深夜電力時間帯(例えば、23時〜7時)に予め設定された沸き上げモードに従って貯湯タンク101の全量沸き上げ動作を行い、昼間時間帯(7時〜23時)に貯湯タンク101の壁面に取り付けられた残湯湯温検出器135、136、137で検出される温度に基づいて残湯量が減少し湯量不足が発生すると思われる場合は追加沸き上げ動作を行い、貯湯タンク101の上部に必要な高温水湯量を確保するようにしている。以上のような沸き上げ動作によって、貯湯タンク101には上部から高温水、中温水、低温水の順で層をなして蓄積されることになる。

このように蓄積された貯湯水は、給湯リモコン132または風呂リモコン133からの要求により制御部134が利用側回路の負荷側混合弁を制御して所望の湯水を利用側端末に供給するようにしている。

以上のように構成された貯湯式給湯装置において、本実施の形態における利用側回路の動作を説明すると、まず、給湯側端末であるカラン124から単独で給湯使用を行う場合は、給湯リモコン132により所望の給湯温度が設定されカラン124が開栓されると、給水管105から貯湯タンク101に給水が開始され、その給水圧により貯湯タンク101内の高温水及び中温水は出湯管111及び中間出湯管112より排出され、第1混合弁120の湯側a及び水側bに供給される。このとき、第1混合弁120の初期設定として水側bを略全開状態にしておくと貯湯タンク101内の中温水が優先的に排出され、混合出口側cより次段に供給される。この湯温を第1温度検出器121で検出し、検出された湯温が給湯リモコン132で設定された温度より所定温度(例えば2℃)以上ある場合は、第1混合弁120の弁開閉速度を(表1)に示すように目標温度と検出温度の関係で予め定めた低速パターンに基づき目標温度になるように湯側と水側の弁開度を調節する。

上記の場合は、図3に示すように中間出湯管112まで略高温水が貯湯されている貯湯形態における場合で、水側bが略全開状態であるため検出温度を目標温度に合わそうとしても、これ以上水側に弁開度を調節することができないが、例えば、上記初期設定として、湯側と水側が所定の開度で停止している状態とし、この状態においてカラン124が開栓された場合、そのときの検出温度が48℃とし、設定温度が40℃とすると、その差が8℃となり基準の温度差2℃より大きいため、第1混合弁120は水側開度を開いて中温水の量を増加させて出力側cの出口温度を目標温度に合わすように制御する。このときの第1混合弁120の弁開閉速度は検出温度と設定温度の差が所定温度よりも大きいため(表1)の低速パターンに基づき設定されることになる。(表1)に基づき説明すると、目標温度と検出温度の差が4℃未満になるまでは30ppsの速度で水側を開くように制御し、温度差が4℃未満になると15ppsの速度に切り替え、2℃未満になると5ppsの速度に切り替えて弁開度の制御を行うようにし、低速パターンの中にあっても温度差が大きいときは速く、温度差が小さくなると遅くなるように設定している。なお、このときの目標温度は給湯リモコン132の設定温度より所定温度高い温度を設定し、上記の場合であれば設定温度40℃に対して目標温度は41℃としている。この目標温度は極力設定
温度に近づけて低く設定する方が中温水の寄与度を高めることができるため中温水を優先的に使用することができる点で望ましい。

このように第1混合弁120の出口温度と設定温度の差が大きい領域では、第1混合弁120の混合制御は弁開閉速度を遅く設定した低速パターンを用いて行う。

そして、第1混合弁120で確保した設定温度より少し高めの湯水を給湯リモコン132で設定した給湯温度に合わすための負荷側混合弁である給湯混合弁122は、給湯温度検出器123の検出温度を制御部134にフィードバックすることで設定温度になるように湯側開度と水側開度を調節する。このときの弁開閉速度は(表2)に示すように設定温度と検出温度の関係で予め定めた高速パターンに基づき設定するようにしている。

また、上記高速パターンに基づく弁開閉速度は(表3)に示すようにカラン124の給湯流量に応じてそのゲインを変更するようにしている。例えば、給湯流量が多い場合は高ゲインとして設定温度と検出温度の関係で定めた弁開閉速度を速く設定し、給湯流量が中位の場合は中ゲインとして設定温度と検出温度の関係で定めた弁開閉速度を高ゲインより遅く設定し、給湯流量が少ない場合は低ゲインとして設定温度と検出温度の関係で定めた弁開閉速度を中ゲインよりさらに遅く設定している。

この給湯流量の違いにより高速パターンにおける弁開閉速度のパターンを変更することで、給湯混合弁122の応答性を最適化するとともに、第1混合弁120との干渉を防止するようにしている。

(表2)を用いて具体的動作について説明すると、第1混合弁120から給湯混合弁122の湯側dに混合水が供給されると、そのときの湯側開度と水側開度の状況で水側eより供給される水と混合されて出力側fにある温度の混合水が出湯される。この湯温を給湯温度検出器123が検出し混合水湯温が低い場合は水側eを閉めて湯側dを開くように制御する。このときの弁開閉速度は給湯流量が多く高ゲインが選択されているときは、高ゲインの設定温度と検出温度との関係で設定されたパターンに基づいて設定され、例えば、温度差が10℃ある場合は100ppsの高速で弁開度が制御され、温度差が4℃未満に
なってくると50ppsの速度に切り替え、温度差がさらに設定温度に近づいて2℃未満になると18ppsに切り替えて最終目標である設定温度になるように弁開度を制御する。このときも給湯混合弁122の弁開閉速度は第1混合弁120の弁開閉速度より速くして給湯混合弁122と第1混合弁120が相互に干渉しないようにしているとともに、給湯混合弁122の弁開閉速度を速くすることで設定温度に対する応答性と精度を確保するようにしている。

以上のように、複数の負荷側混合弁のうち1つ、例えば給湯混合弁122を単独で使用する場合において、第1混合弁120の出口温度と目標温度の温度偏差が予め設定した所定温度以上あるときは、第1混合弁120の弁開閉速度を負荷側混合弁である給湯混合弁122の弁開閉速度より遅く設定した低速パターンを用いて混合制御し、給湯混合弁122を第1混合弁120の弁開閉速度より速く設定した高速パターンを用いて混合制御するようにしている。この制御モードを第1制御モードと定義している。

次に、第1混合弁120の出口温度が目標温度に近づき、その温度差が予め設定した所定温度以下になり、給湯混合弁122の出口温度が設定温度に近づいて所定温度範囲内になり、かつ、この状態が所定時間継続した場合は、第1混合弁120が制御域に入ったと判断して、従来の弁開閉速度の関係を逆転させて制御を行うようにし、この制御モードを第2制御モードと定義している。

つまり、従来第1混合弁120の弁開閉速度を低速パターンに基づいて設定していたものを、高速パターンに基づいて設定するようにし、給湯混合弁122の弁開閉速度を給湯流量に関係なく低速の固定値としたもので、第1混合弁120が制御域に入って給水圧の変動等で混合バランスの影響を受けやすい状況になったときは、第1混合弁120に混合制御の優先権を与えるように弁開閉速度の応答性を高めた高速パターンを用いるようにしたものである。この第1混合弁120と給湯混合弁122の弁開閉速度のパターン切り替えは給湯動作が停止するまで保持し、給湯動作が停止されると解除する。

上記動作を図4の貯湯形態において具体的に説明すると、例えば、設定温度を40℃とすると、第1混合弁120の目標温度は41℃となり、この目標温度を確保すべく中間出湯管112から供給される中温水と高温出湯管111から供給される高温水を混合するわけであるが、このとき、図3に示すように中温水の温度が目標温度より高い場合は第1混合弁120は高温水を混合する必要がないため水側が全開状態となって中温水が優先的に供給され、混合バランスの影響も受けないため、給湯混合弁122が優先権を持って設定温度に対して速い応答速度で対応する第1制御モードで制御を行うことになる。

ここで、図4に示すように中温水の温度が低下し設定温度を下回るような状況になると第1温度検出器121からの信号により第1混合弁120は湯側開度を開き高温出湯管111からの高温水を取り入れ中温水と混合して目標温度になるように弁開度の制御を開始する(太線で示す経路で湯水が流れる)。この制御により第1混合弁120の出口温度は徐々に目標温度に近づくことになる。そして、第1混合弁120の出口温度と設定温度の差が予め設定した2℃以下になり、給湯混合弁122の出口温度、すなわちカラン124からの出湯温度が設定温度に対して所定温度範囲内(±2℃以内)になって、第1混合弁120と給湯混合弁122が共に目標温度あるいは設定温度に対して微調節を行う制御域に入ると、第1混合弁120の弁開閉速度を図3に示す高速パターンを用いて設定し、給湯混合弁122の弁開閉速度を給湯流量に関係なく、例えば5ppsの低速の固定値として設定する。この第1制御モードから第2制御モードへの切り替えによって、第1混合弁120の弁開閉速度は、給湯流量が5Lとすると、5ppsから18ppsに切り替わることになり、第1混合弁120が高速、給湯混合弁122が低速の関係で混合制御が行われることになり、従来のように一定の関係で制御を行っていたときの課題である、給湯混
合弁122と第1混合弁120の干渉、すなわち給湯混合弁122の高速制御による第1混合弁120の混合バランスへの影響を回避することができ、第1混合弁120の優先制御による湯温変動を抑えた混合制御が可能となる。

以上の動作は負荷側混合弁として給湯混合弁122を単独で用いた場合について説明したが、負荷側混合弁として風呂混合弁125を単独で用いた場合も同様の制御を行うことで安定して所望の湯水を確保することができ、注湯弁126の開閉制御により風呂循環回路119を介して浴槽113に注湯することができる。具体的な制御動作は給湯利用の場合と同様であるため簡単に説明すると、まず、風呂リモコン125により注湯温度、例えば45℃が設定され湯張り動作の指示が行われると、第1混合弁120は所定の開度比で高温水と中温水を混合して出湯する。例えば、図5で示すように中間出湯管112の近傍まで略高温水が貯湯されているような貯湯形態においては、第1混合弁120は弁を水側全開にしても第1温度検出器121で検出される湯温は目標温度を越えるため、第1混合弁120は水側全開状態で保持する。また、図6で示すように中間出湯管112の近傍の湯温が目標温度より低い状態で貯湯されているような場合において、この時の第1温度検出器121の検出温度が設定温度(45℃)に対して高い場合(例えば60℃)は、第1混合弁120は上記(表1)に示す低速パターンを用いて設定温度より所定温度高い目標温度(例えば46℃)になるように水側bの開度比を増やして中温水を多く取り込むことで調節する。

そして、風呂混合弁125は第1混合弁120より供給された混合湯と給水管105より供給された水を混合し、風呂温度検出器127で検出される湯温を制御部134にフィードバックすることにより設定温度(45℃)になるように弁の開度比を調節する。このときの風呂混合弁125の弁開閉速度は、上記(表2)に示す給湯混合弁122の高速パターンに基づく弁開閉速度より遅く設定した(表4)に示す風呂混合弁125の高速パターンに基づいて設定するようにしている。

以上のように、風呂混合弁125の単独動作において、第1混合弁120の弁開閉速度を低速パターンを用いて設定し、風呂混合弁125の弁開閉速度を高速パターンを用いて設定する制御モードを第1混合制御モードと定義している。

次に、上記第1混合制御モードで第1温度検出器121の検出温度が目標温度(46℃)に対して所定温度(例えば2℃)以下になり、風呂温度検出器127の検出温度が設定温度(45℃)に対して所定温度範囲(±2℃)内になり、この関係が所定時間継続すると、第1混合弁120と風呂混合弁125の弁開閉速度の関係を逆転させて制御を行う第2混合制御モードに切り替えるようにしている。つまり、第1混合弁120の弁開閉速度を上記(表2)に示す高速パターンに基づいて設定し、風呂混合弁125を低速の固定値で制御するようにしている。

この第1混合制御モードと第2混合制御モードの使い分けにより、風呂混合弁125の単独使用においても、上記給湯混合弁120の単独使用時と同様の効果を得ることができるものである。

次に、負荷側混合弁である給湯混合弁122と風呂混合弁125を同時に使用した場合の動作について説明する。

まず、給湯混合弁120を用いてカラン124より給湯使用をしている状態において、風呂への湯張り指示が行われた場合、または、風呂湯張り動作中にカラン124が開栓された場合は、同時使用状態になったときの制御モードが第1混合制御モードを選択されている場合は、そのまま第1混合制御モードを継続して、第1混合弁120の弁開閉速度を(表1)で示す低速パターンに基づき設定し、給湯混合弁122の弁開閉速度を(表2)で示す高速パターンに基づき設定し、風呂混合弁125の弁開閉速度を(表4)で示す高速パターンに基づいて設定する。そして、第1混合弁120の目標温度として給湯リモコン132で設定された温度と風呂リモコン133で設定された温度の高い方の設定温度に対して所定温度高い温度を設定する。なお、この同時使用時における目標温度と単独使用時における目標温度は異なる温度を設定するようにしており、単独使用時の場合は設定温度との差が小さく、同時使用の場合は設定温度との差が大きくなるように設定している。例えば、設定温度が45℃の場合、単独使用時の場合は目標温度を46℃とし、同時使用の場合は目標温度を50℃とし、異なる温度を設定するようにしている。単独使用時に目標温度を極力設定温度に近づけて設定することで中温水の寄与度を高め高温水の使用を低減することができ、同時使用時は設定温度との差をある程度保って目標温度を設定することで、第1混合制御モードに限定して混合制御を行う場合の第1混合弁120と風呂混合弁125または給湯混合弁122の設定温度近傍における干渉を回避するようにしている。

また、同時使用時の給湯混合弁122と風呂混合弁125の弁開閉速度の関係は、上記した如く、給湯混合弁122の弁開閉速度>風呂混合弁125の弁開閉速度の関係で制御するようにしており、実際に使用者が直に湯温変動を感じる給湯利用を優先するようにしている。

以上のように本発明の給湯装置は、複数の利用側混合弁を単独で使用するか、同時に使用するか、において、制御モードの使い分けをするようにしており、単独で使用する場合は、第1混合弁120と利用側混合弁である給湯混合弁122または風呂混合弁125の弁開閉速度を所定条件で切り替えるようにしているため、第1混合弁120の混合バランスが崩れ湯温変動が発生する恐れが有るような条件になったときは、第1混合弁120の混合バランスの崩れを素早く修正可能な弁開閉速度に切り替え第1混合弁120が優先的に混合制御を行うことで、第1混合弁120からの混合水の湯温の安定化を図りつつ、利用側混合弁である給湯混合弁122または風呂混合弁125の弁開閉速度を第1混合弁120の弁開閉速度より遅い設定に切り替えることで、給水圧の変動を緩和し、貯湯タンク101への圧力変動の伝達を抑え、第1混合弁120の混合バランスへの影響を低減させることができる。これにより、第1混合弁120と利用側混合弁である給湯混合弁122または風呂混合弁125の間の湯温変動の増幅作用を防止し、変動幅の少ない安定した湯温を確保することができる。

また、第1混合弁120の混合バランスが崩れる恐れがない条件下では、利用側混合弁である給湯混合弁122または風呂混合弁125が優先的に混合制御を行う弁開閉速度に設定し、第1混合弁120の弁開閉速度を利用側混合弁より遅い設定とすることで、設定温度に対して精度よく制御することができる。

さらに、第1混合弁120が優先的に混合制御を行う条件下では、第1混合弁120からの目標出湯温度を設定温度に対して極力近づけて設定することが可能となるため、中温水を積極的に取り出すことができ、貯湯タンク101下方には低温水を確保することができるとともに、貯湯タンク101上方の高温水の使用を最小限に抑えることができ、高COPの沸き上げ動作と湯切れ現象の抑制を図ることができるものである。

そして、同時に使用する場合は、制御モードの切り替えをせず、予め定めた弁開閉速度の関係で制御するようにしているため、複数の利用側端末に安定した湯温を供給することができるものである。

以上のように本発明の給湯装置は、単独使用と同時使用において制御モードの使い分けを行うことで、使用流量域に関係なく所定の湯温を安定して供給するとともに、中間混合弁の目標出湯温度を極力低く設定して中温水を優先的に使用可能な湯水混合制御方法を提供し、使い勝手と効率の向上を図るものであり、給湯風呂暖房装置における混合制御全般に適用できる。

本発明の実施の形態1における貯湯式給湯装置の構成図 同貯湯式給湯装置における沸き上げ動作を示す図 同貯湯式給湯装置における給湯利用時の第1制御モードの動作を示す図 同貯湯式給湯装置における給湯利用時の第2制御モードの動作を示す図 同貯湯式給湯装置における風呂利用時の第1制御モードの動作を示す図 同貯湯式給湯装置における風呂利用時の第2制御モードの動作を示す図 従来の貯湯式給湯装置の構成図

符号の説明

101 貯湯タンク
105 給水管
106 ヒートポンプ回路
111 出湯管
112 中温出湯管
120 第1混合弁
122 給湯混合弁(負荷側混合弁)
125 風呂混合弁(負荷側混合弁)
134 制御部

Claims (7)

  1. ヒートポンプ回路を用いて加熱した湯水をタンク上部から成層状態で貯湯しその湯水を利用して端末側に所望の湯水を供給する貯湯式給湯装置であって、
    タンク上部の湯水を取り出す出湯管と、タンクの略中間部の湯水を取り出す中温出湯管と、前記出湯管と前記中温出湯管からの湯水を混合する第1混合弁と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を異なる端末側にそれぞれ供給する複数の利用側混合弁と、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開度制御を行う制御部とを備え、
    前記制御部は、前記第1混合弁と複数の利用側混合弁を予め定めた弁開閉速度で混合制御を行う第1混合制御モードと、前記第1混合制御モードにおける第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開閉速度の関係を逆転させて混合制御を行う第2混合制御モードを有し、
    前記複数の利用側混合弁のうち1つを単独で使用する場合は、第1混合制御モードと第2混合制御モードを所定の条件下で切り替えるようにし、
    前記複数の利用側混合弁を同時に使用する場合は、第1混合制御モードのみで制御するようにした貯湯式給湯装置。
  2. 第1混合制御モードは、第1混合弁の弁開閉速度を複数の利用側混合弁の弁開閉速度より遅く設定し、第2混合制御モードは第1混合弁の弁開閉速度を複数の利用側混合弁の弁開閉速度より速く設定した請求項1記載の貯湯式給湯装置。
  3. 第1混合制御モードから第2混合制御モードへの切り替えは、複数の利用側混合弁のうち1つを単独で使用している場合に、第1混合弁及び利用側混合弁の出口温度と目標温度の偏差が所定値以内となり、かつ所定時間継続したとき行うようにした請求項1または2記載の貯湯式給湯装置。
  4. 第1混合制御モードにおける第1混合弁と複数の利用側混合弁の弁開閉速度は、前記各混合弁の出口温度と目標温度の偏差に応じて変更するようにした請求項1〜3のいずれか1項記載の貯湯式給湯装置。
  5. 第2混合制御モードにおける第1混合弁の弁開閉速度は、出口温度と目標温度の偏差に応じて変更するようにし、利用側混合弁の弁開閉速度は、出口温度と目標温度の偏差に関係なく低速で固定値とした請求項1〜4のいずれか1項記載の貯湯式給湯装置。
  6. ヒートポンプ回路を用いて加熱した湯水をタンク上部から成層状態で貯湯しその湯水を利用して複数の端末側に所望の湯水を供給する貯湯式給湯装置であって、
    タンク上部の湯水を取り出す出湯管と、タンクの略中間部の湯水を取り出す中温出湯管と、前記出湯管と前記中温出湯管からの湯水を混合する第1混合弁と、前記第1混合弁からの混合湯水の温度を検出する第1温度検出器と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を給湯端末に供給する給湯混合弁と、前記給湯混合弁からの混合湯水の温度を検出する給湯温度検出器と、前記第1混合弁からの湯水と給水管からの水を混合し所定温度の湯水を風呂端末に供給する風呂混合弁と、前記風呂混合弁からの混合湯水の温度を検出する風呂温度検出器と、前記給湯端末及び風呂端末に供給する湯温を設定する温度設定手段と、前記第1混合弁、給湯混合弁、風呂混合弁の弁開度を調節して設定温度の湯水に制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記給湯混合弁または風呂混合弁のうち1つが単独で動作しているときに、前記第1温度検出器の検出温度と設定温度の偏差が所定値以下で、かつ前記給湯温度検出器または風呂温度検出器の検出温度と設定温度の偏差が所定範囲内のとき、前記第1混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した高速パターンに基づき設定するとともに前記給湯混合弁または風呂混合弁の弁開閉速度を予め設定した低速の
    固定値で混合制御を行うようにし、
    前記給湯混合弁と風呂混合弁が同時に動作しているときは、前記第1混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した低速パターンに基づき設定するとともに前記給湯混合弁または風呂混合弁の弁開閉速度を目標温度と出湯温度の偏差に応じて予め設定した高速パターンに基づき設定して混合制御を行うようにした貯湯式給湯装置。
  7. 給湯混合弁と風呂混合弁の同時運転時における高速パターンに基づく弁開閉速度は、給湯混合弁の方を風呂混合弁の方より速く設定するようにした請求項6記載の貯湯式給湯装置。
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