JP4585517B2 - 給水ポンプシステムの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所や火力発電所等における給水ポンプシステムの設計方法に関するものである。
従来より、例えば原子力発電プラントや火力発電プラントにおいては、復水給水系統が採用されている。図6は、このような従来の発電プラントにおける復水給水系統の一例を模式的に示す図であり、原子力発電プラントの場合を例示している。同図において、図示しない原子炉からの熱により蒸気発生器1で発生した蒸気は、高圧蒸気タービン2さらには低圧蒸気タービン3を駆動し、これにより発電機4にて発電が行われる。なお、火力発電の場合は原子炉の代わりにボイラーが採用される。
これら蒸気タービンにて発電に寄与した蒸気は、復水器5にて図示しない海水と熱交換され、凝縮し復水となって復水器5内に一時貯蔵される。復水器5内に一時貯蔵された復水は、互いに並列に配設された2台の復水ポンプ6により昇圧され、さらに、前記復水ポンプ6と直列に接続され互いに並列に配設された2台の復水ブースターポンプ7によりさらに昇圧される。
そして、脱気器水位制御弁10を介して加熱器11で加熱された後、脱気器12へと流入する。脱気器12へ流入した復水は、給水ブースターポンプ13a及び給水ポンプ13bにより昇圧され、加熱器14で加熱された後、蒸気発生器1へ給水される。さて、このような原子力発電プラントの給水ブースターポンプは、原子炉の冷却のため脱気器圧力が急激に低下するといった負荷急減時にも、トリップすることなく運転継続することが要求されている。
そこで従来より、脱気器の圧力低下を緩和するとともに、給水ブースターポンプへの復水の輸送遅れ短縮を行い、NPSH(Net Positive Suction Head:正味有効吸込水頭)を確保するため、いわゆるNPSHコントローラが用いられている(例えば、特許文献1参照)。NPSHコントローラは、復水絞り,脱気器への補助蒸気注入,及びポンプミニマムフロー運転を組み合わせた制御システムであり、具体的には以下の制御を行う。
まず、負荷遮断時には、通常運転時に脱気器を加熱しているタービン抽気が遮断されるので、その遮断信号により脱気器水位制御弁を通常開度から絞り込み、給水に必要な脱気器タンク貯水量を確保しつつ、脱気器への冷水を減少させることにより、脱気器圧力の低下を緩和する。
また、抽気以外の補助蒸気等から加熱蒸気を脱気器へ強制注入し、圧力低下を緩和する。さらに、ポンプのミニマムフロー運転を強制的に行い、タンク・ポンプ間の配管の輸送遅れを緩和する。そして、これらの組み合わせにより、有効NPSH(NPSHav.)を要求NPSH(NPSHreq.)以上に確保する。
一方、NPSHコントローラの設計に用いているシュミレーション手法は、過渡時の脱気器圧力,タンク・ポンプ間の配管の輸送遅れ時間,及び圧力損失から、ポンプ吸込点の圧力と給水温度を求め、有効NPSHを計算するものであり、その精度は実機データと照合して十分であることが確認されている。
ここで、有効NPSH(NPSHav.)は以下のように定義される(図6参照)。
Figure 0004585517
但し、
Pp:ポンプ吸込点圧力
Ps:ポンプ吸込点給水温度の飽和蒸気圧
Pd:脱気器圧力
H:静水頭
ΔP:配管圧損
である。
また、要求NPSH(NPSHreq.)は、プラント出荷時に実機で常温工業用水を用いて実施される試験結果が用いられ、例えば竪型給水ブースターポンプの場合、4m程度の数値となる。そして、給水ポンプシステム設計時の判定には以下の条件式が用いられる。
Figure 0004585517

特公平7−122486号公報
しかしながら、上記従来の計算方法によると、給水ポンプシステムは有効NPSH(NPSHav.)の過大な設計となってしまう。具体的には、タンク据付高さが不必要に高く、またタンク容量が不必要に大きい無駄な設計となる。或いは、先行して決められたシステム配置条件のもとでの不必要な機器設計や、過剰で複雑な制御設計が行われ、コストアップや制御不安定による信頼性の低下を招くこととなる。
これは、要求NPSH(NPSHreq.)の値が常温・空気飽和・不純物含有状態の工業用水に基づき決定されており、実機における高温・脱気・純水状態の復水使用時での必要値と比較して、不必要に高い数値となっているからである。
本発明は、このような問題点に鑑み、簡単な構成で、実機運転条件での要求NPSHを高精度に導出し、これに基づき小型,簡素化を図った、低コストでしかも信頼性の高い給水ポンプシステムとすることが可能な給水ポンプシステムの設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では、実機運転条件において、ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHを、常温,空気飽和,不純物含有状態の試験水に基づく第1の要求NPSHを補正して、実機運転条件である高温,脱気,純水状態の復水に基づくポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHを導出する一方実機運転条件におけるポンプ入口での減圧沸騰による気相体積から規定される要求NPSHを導出し、前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHと、前記ポンプ入口での減圧沸騰による気相体積から規定される要求NPSHとを比較し、何れか大きい方を第2の要求NPSHとするようにし、該第2の要求NPSHに基づき給水ポンプシステムの設計を行うことを特徴とする。
また、以下の式に基づき前記補正を行うことを特徴とする。
NPSHreq.A=NPSHreq.+f(T)+g(x)+h

但し、
NPSHreq.A:実機運転条件における前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHの値
NPSHreq.:第1の要求NPSHの値
f(T) :試験水温度の影響の補正項
g(x) :溶存酸素量の影響の補正項
h :微粒子不純物の影響の補正項
である。
さらに、常温及び所定の高温における、ポンプ揚程とNPSHとの関係を求めた試験結果から、試験によるNPSHの差即ち飽和蒸気圧の低下量を求めるステップと前記試験によって求まる飽和蒸気圧の低下量と対応する比容積比を求めるステップと、当該比容積比により以下の実験式を用いて所望の更なる高温条件での比容積比を求めるステップと当該所望の高温条件での比容積比に対応する飽和蒸気圧の低下量即ち要求NPSHの低下量を求めるステップを行うことにより、前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHを予測するようにしたことを特徴とする。
(V /V pred =(V /V ref ・(α ref /α) 1.0 ・(U/U ref 0.8 ・(D/D ref 0.2 ・{(Δx/D)/(Δx/D) ref 0.3
但し、前記式中の記号は、
V:蒸発に関与する気液の体積
α:熱拡散率
U:代表速度
D:代表寸法
x:キャビテーション長さ
であり、
添え字は、
l:液体
V:蒸気
ref:参照値として用いる試験値
pred:予測値
である。
本発明によれば、簡単な構成で、実機運転条件での要求NPSHを高精度に導出し、これに基づき小型,簡素化を図った、低コストでしかも信頼性の高い給水ポンプシステムを提供することができる。
[図1]試験水温度の影響の補正項を導出する線図。
[図2]溶存酸素量の影響の補正項を導出する線図。
[図3]各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を示すグラフ。
[図4]ポンプ入口蒸気の影響を示すグラフ。
[図5A]各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を詳しく示すグラフ。
[図5B]各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を詳しく示すグラフ。
[図5C]各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を詳しく示すグラフ。
[図6]従来の発電プラントにおける復水給水系統の一例を模式的に示す図。
符号の説明
1 蒸気発生器
2 高圧蒸気タービン
3 低圧蒸気タービン
4 発電機
5 復水器
6 復水ポンプ
7 復水ブースターポンプ
10 脱気器水位制御弁
11 加熱器
12 脱気器
13a 給水ブースターポンプ
13b 給水ポンプ
14 加熱器
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。実機運転条件は、飽和蒸気圧が約10ata(飽和温度180℃程度)であり、これに対してポンプの試験状態では常温(飽和蒸気圧0.05ata)となっている。つまり、同一の圧力変化に対する発生蒸気量はほぼ同一であるにもかかわらず、圧力が実機では試験状態の約200倍であるため、発生蒸気の体積は約200分の1となり、気相体積支配のポンプ吐出性能即ち要求NPSHに対する影響は、実機では非常に小さくなる。具体的には、常温の場合と比較して200倍の重量のガスが発生しないと、NPSH不足にはならない。
しかも、周知のように、高温での飽和蒸気圧の温度に対する変化率が常温でのそれよりも遙かに大きいので、高温時に沸騰したとしても周囲の水がサブクールされやすく、即ち加圧状態となりやすいので、ポンプ吐出性能への影響は小さくなる。従って、高温NPSHが常温の場合より小さく、或る程度の減圧沸騰状態であっても、ポンプ吐出圧は低下しない。
また、実機では脱気水(溶存酸素5ppb以下)を用いるが、試験時は上述したように常温工業用水を用いるため、ポンプ吸込点では蒸気の他に空気が発生し、その分、気相体積が大きくなる。即ち、試験時の要求NPSHは実機の場合より大きい値となる。さらに、実機運転で用いる水においては、沸騰核となりうる微小鉄成分の含有量は高々10ppb程度であるが、試験で用いる工業用水には多くのゴミ(不純物)が含まれるので沸騰しやすくなる。即ち、この場合も試験時の要求NPSHは実機の場合より大きい値となる。
本発明では、以上のような実状を考慮し、給水ポンプシステム設計時に通常用いられる、常温工業用水での試験結果に基づく要求NPSHを補正して、実機運転条件での要求NPSHを高精度に導出する。そして、これに基づき給水ポンプシステムを設計する。
まず、実機運転条件での要求NPSHを導出するための基本的な考え方を実施例1として述べる。本実施例では、通常行われている常温工業用水での試験結果である要求NPSHを下記の式にて補正し、実機運転条件での要求NPSHを高精度に導出する。
Figure 0004585517
但し、
NPSHreq.A:実機運転時の要求NPSHの値
NPSHreq.:常温工業用水による試験結果に基づく要求NPSHの値
f(T) :試験水温度の影響の補正項
g(x) :溶存酸素量の影響の補正項
h :微粒子不純物の影響の補正項
である。
図1は、f(T)の導出線図である。同図では横軸に水の温度Tを取っており、縦軸にf(T)を取っている。同図に示すように、試験水温度20〜95℃の範囲で温度変更試験を行い、各温度でのf(T)を求め(図中に・で示す)、これに基づき指数関数や2次関数等の近似曲線(破線で示す)を導出し、実機における温度180℃でのf(T)を推測し決定する。
図2は、g(x)の導出線図である。同図では横軸に溶存酸素量xを取っており、縦軸にg(x)を取っている。なお、横軸は対数目盛を想定している。同図に示すように、溶存酸素量8000ppb(8ppm,空気飽和水)〜50ppbの範囲で溶存酸素量変更試験(脱気水試験)を行い、各温度でのg(x)を求め(図中に・で示す)、これに基づき指数関数や2次関数等の近似曲線(破線で示す)を導出し、実機における溶存酸素量5ppbでのg(x)を推測し決定する。
また、微粒子不純物の影響の補正項hについては、上記図1,図2で説明したものと同様にして、試験水の不純物含有量を管理し、各不純物含有量でのhを求め、これに基づき指数関数や2次関数等の近似曲線を導出し、実機における純水状態でのhを推測し決定する。
次に、実機運転条件での要求NPSHを導出するための更に具体的な手法を実施例2として述べる。NPSHに対する影響因子としては、一つにはポンプ翼間の閉塞がある。これは、給水ブースターポンプの回転する翼間において、流水の速度上昇により静圧が低下することでガスが発生し、これにより翼間の通路が閉塞(空洞になること,キャビテーション)して給水ブースターポンプの揚程が低下するものである。これが、従来より一般的に考えられてきたNPSHの要求メカニズムである。
発生するガスの種類としては、溶存酸素によるものと減圧沸騰による蒸気とが挙げられる。溶存酸素によるものとは、常温飽和状態での溶存酸素(8ppm)が減圧されて気相となるものであり、これが翼間を閉塞する。また、減圧沸騰による蒸気とは、上述した流水の速度上昇による静圧低下が、加圧量より大きいときに減圧沸騰し、これにより発生する蒸気のことであり、これが翼間を閉塞する。
NPSHに対する影響因子としてもう一つには、ポンプの入口気相体積がある。これは、給水ブースターポンプの入口で既に減圧沸騰が生じているとき、発生した蒸気の気相体積の影響により、給水ブースターポンプの揚程が低下するものである。なお、ポンプの入口で減圧沸騰が生じているときは、有効NPSHが負と表現される。
ここで、上述した蒸気によるポンプ翼間の閉塞は、翼間での減圧沸騰により翼表面で新たに発生した蒸気が翼間通路を閉塞するものであるが、その圧力では既にポンプ入口で沸騰しているので、翼間の閉塞と入口気相体積はそれぞれ独立に検討するべきものとなっている。そして、最終的には両者のうち要求NPSHの大きい方がポンプの吐出性能を支配し、即ちここでの高温NPSHを示すこととなる。つまり、温度によりNPSHの要求根拠とその数値が異なる。
さて、このような高温NPSHを予測するための試験を行った。ここでのポンプ運転条件は、常温空気飽和,常温脱気,及び高温(95℃)脱気の3つとした。ここで、常温とは30℃程度であり、また高温である95℃は試験設備における限界温度から定めた温度であって、これらより高温(150℃)脱気におけるNPSHを予測する。この高温NPSH予測手法については後に詳述する。また、計測流量点は、ポンプの定格流量点,過大流量点,及び部分流量(定格未満の流量)点の3種とした。
図3は、各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を示すグラフである。同図では横軸にNPSHを取っており、縦軸にポンプ揚程を取っている。ここでのポンプ揚程は、揚程係数比により示してある。同図において、実線で示す曲線aは常温空気飽和、破線で示す曲線bは常温脱気、点線で示す曲線Cは高温(95℃)脱気の試験結果である。また、一点鎖線で示す曲線dは高温(150℃)脱気の計算結果、一点鎖線で示す直線eは入口気相体積制限である。
同図に示すように、曲線a〜cで示した各試験結果のデータと後述する高温NPSH予測手法より、曲線dで示した高温(150℃)脱気での計算結果が得られた。また、ポンプ入口蒸気の影響を調べる試験を別途実施し、この試験結果から入口気相体積制限を決定した。
図4は、前述したポンプ入口蒸気の影響を示すグラフである。同図では横軸に気液体積流量比(%)を取っており、縦軸にポンプの全揚程(%)を取っている。この試験結果から、システム設計上最低限必要なポンプの揚程より、そのときの気液体積流量比を読み取り、これを入口気相体積制限としてNPSHで表すことができる。
例えば、同図において、気液体積流量比25%となる全揚程低下点をクリティカルポイントとして、蒸気表から蒸気比25%となる減圧圧力を算出し、この圧力を要求NPSH(入口気相体積制限からのNPSH)とする。但し、気液体積流量比25%は一例であって、これに限定されるものではない。
具体的には、同図より、実際に設計に用いている全揚程低下相当の気相体積を安全側に見て25%として、25%気相割合となる減圧量を求める。一例として、初期温度151.1℃(5.0ata飽和)を選定すると、まず、
Figure 0004585517
但し、
R:気相体積割合
v′:水の比容積(m/kg)
v″:蒸気の比容積(m/kg)
h′:水の比エンタルピー(kcal/kg)
h″:蒸気の比エンタルピー(kcal/kg)
であり、
Figure 0004585517
である。
これより、基準を5.00ataとして4.90ataへの減圧時は、
Figure 0004585517
から、
Figure 0004585517
となり、即ち0.1ata減圧[1mAq減圧]で35.4%となる。よって、25%気相体積となるのは、
Figure 0004585517
である。
図3に戻って、同図に示されるように、溶存酸素の影響は約0.3mであり、それが無くなったとしても曲線aが曲線bに変化するのみであって、相対的に小さいものとなっている。また、常温では翼間での減圧沸騰から規定されるNPSHにより、ポンプ揚程が決まってくる。このNPSHは正の値であるため、ポンプ入口での減圧沸騰は生じず、ここでの気相の有無の概念は無い。これが従来一般的に考えられていたNPSHの概念である。そして、水の温度が高くなるにつれて、翼間での減圧沸騰から規定されるNPSHは低下し、やがて負の値となる(曲線c,d参照)。この負の絶対値は温度が上がると大きくなり、図の横軸で左側へ移動して行く。
一方、NPSHが負の値となるとポンプ入口で気相となり、その発生蒸気がポンプ揚程に影響する。つまり、NPSHが正の領域では、ポンプ翼間で減圧沸騰の可能性があり、従来一般的に考えられていたNPSHの議論だけで良いが、NPSHが負の領域では、新たにポンプ入口で気相が発生するという現象が現れ、これも翼間を閉塞する可能性があるため検討課題となる。
例えば150℃では、翼間減圧沸騰からの制限はすでに入口気相体積からの制限より小さくなっており、ポンプ入口気相体積制限からの値である約−1mがNPSHとなる。即ち、温度が或る値以上になると、翼間での減圧沸騰によるNPSHが、入口気相体積からの制限(直線e参照)より小さくなり、その温度以上では入口気相体積からNPSHが規定される。以上のようにして、翼間での減圧沸騰と入口気相体積のトータル概念として、高温NPSHが負であると規定される。
加えて、減圧沸騰しているポンプ入口での発生蒸気は、その給水ブースターポンプからガス抜き管により排出され、脱気器に戻されることが確認されており、即ち有効NPSHは概ね0となっている。このことから、計算上はポンプ入口で沸騰している状態でもその給水ブースターポンプが運転継続可能であることが分かる。
ここで、各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を、更に詳しく説明しておく。図5A〜Cは、図3に示した各運転条件におけるNPSHとポンプ揚程との関係を更に詳しく示すグラフである。
まず、図5Aに示すように、常温から少なくとも95℃までは、翼間での減圧沸騰による性能低下、即ち発生ガスが翼間を閉塞することでNPSHが決まる(曲線b,c参照)。このNPSHは正圧であるため、ポンプ入口ではガスは発生しないので、入口気相体積制限(直線e参照)は検討対象にならない。
次に、図5Bに示すように、概ね120〜130℃まで温度が上昇すると、翼間での減圧沸騰による性能低下からの制限値が負の領域へ移動するので、ポンプの入口気相体積からの制限とほぼ同じ値になる(曲線f参照)。
そして、図5Cに示すように、少なくとも150℃以上まで更に温度が上昇すると、例えば150℃では既に翼間での減圧沸騰による性能低下からの制限値が、ポンプの入口気相体積からの制限よりさらに小さくなる(曲線d参照)。この温度域では、NPSHを制限するものはポンプの入口気相体積制限である(直線e参照)。
以下、高温NPSHの予測手法について説明する。まず、キャビテーションによる熱力学的効果について述べる。ポンプの翼面上では、圧力面と比較して負圧面の方が、水の(相対)速度が速くなる。そして、速度が増加すると圧力が低下し、その低下量が水の飽和蒸気圧を下回る領域では、液体(水)が蒸発して気体(水蒸気)となる。これがキャビテーションである。
このように水が蒸発するときは、その周りから熱量が奪われる。即ち、蒸発潜熱が必要となる。つまり、キャビテーションが発生しているときは、蒸発潜熱により、キャビティ近傍の温度が低下する。このような温度低下はキャビティ周辺の局所的領域で生じ、温度が低下すると飽和蒸気圧も低下する。これを、キャビテーションによる熱力学的効果という。
次に、実機高温条件におけるNPSH予測手法を以下に示す。実機でのポンプ運転における水の温度条件は150℃であるが、試験設備の仕様上モデル試験は100℃までしか実施できない。そこで、常温として30℃の試験、及び高温として95℃の試験を実施し、キャビテーションの熱力学的効果を検証する。そして、30℃,95℃試験の結果から、150℃でのキャビテーション性能を予測する。
具体的に述べると、熱力学的効果、即ち飽和蒸気圧の低下量は、近似理論式により、蒸発に関与する蒸気,水の比容積比で表されることが分かっている。ここで、実際に蒸発に関与する比容積比は、試験から求めるしかないので、本実施例では30℃及び95℃の試験結果から、NPSHの差即ち飽和蒸気圧の低下量を求め、それに対応する比容積比を求める。
この場合、温度が異なると比容積比も異なるのであるが、150℃での比容積比は、上記で求めた30℃及び95℃の比容積比から、後述するRuggeriらの実験式を用いることで求められる。そして、上述したように、その温度での蒸発に関与する比容積比が分かれば、飽和蒸気圧の低下量も分かる。即ち、飽和蒸気圧の低下量は要求NPSHの低下量とみなすことができるので、実機での温度条件である150℃でのキャビテーション性能が予測できる。
さて、高温時キャビテーション性能予測手法について説明する。実機高温条件におけるキャビテーション性能予測は、Ruggeriらにより提案された方法に基づき実施される。なお、この方法の出典は、
文献[1]
Ruggeri,R.S.,Moore,R.D.,1969,Method for prediction of pump cavitation performance for various liquids,liquid temperatures,and rotative speeds,NASATN D−5292.
である。
以下に、その予測手法について簡潔に説明する。キャビテーションの発生に伴う気化熱による蒸気圧の低下量Δhは以下の式で表される。
Figure 0004585517
この場合、蒸発に関与する気液の体積比V/Vは、試験から直接計測することができない。そこで、次式に示す相対関係を表す実験式からこれを見積もる。
Figure 0004585517
なお、熱量の関係式は、
Figure 0004585517
である。
ここで、式中の記号は以下のように定義する。
:定圧比熱
:飽和蒸気圧
L :蒸発の潜熱
T :温度
V :蒸発に関与する気液の体積
α :熱拡散率(温度伝導率)
Δh:蒸発による蒸気圧低下
ρ :飽和状態の密度
g :重力加速度
U :代表速度(例えばインペラー周速)
D :代表寸法
x :キャビテーション長さ
また、添え字は以下のように定義する。
l:液体
V:蒸気
ref:参照値として用いる試験値
pred:予測値
具体的には、
〔1〕30℃をrefとし、95℃をpredとする。
〔2〕試験結果から、或る揚程でのNPSHの差すなわちΔhV,ref−ΔhV,predを求める。
〔3〕一方、式(2)から(V/Vrefと(V/Vpredの関係が求まる。
〔4〕このとき、式(3)より、或る任意の(V/Vrefの値に対し、ΔhV,refを求める。また、同様にして、そのときの(V/Vpredに対するΔhV,predを求める。そして、これらの差ΔhV,ref−ΔhV,predを求める。
〔5〕〔4〕で求めたΔhV,ref−ΔhV,predが、〔2〕で求めた試験によるΔhV,ref−ΔhV,predと同じ値になるまで計算を繰り返す。
〔6〕〔5〕により(V/Vrefが求まる。
これにより、形状が相似であるポンプでは、流量係数,揚程係数が等しければ、任意の温度,回転数,大きさに対し、(V/Vpredが算出可能であり、式(1)から、熱力学的効果による蒸気圧の低下量を見積もることができる。
以下、キャビテーション特性予測の計算例を示す。温度T=151.3℃のキャビテーション特性の予測曲線は、ポンプの流量係数と回転数が同じで温度が異なる2つの条件の試験結果から、上述した文献[1]の方法によって求めることができる。この方法を改めて以下に要約する。
用いる数式は次の3つである。
Figure 0004585517
Figure 0004585517
ここで、式中の記号は以下のように定義する。
:定圧比熱
SV:NPSH
:飽和蒸気圧
L:蒸発の潜熱
N:回転数
T:温度
V :飽和状態の体積
α :熱拡散率(温度伝導率)
Δh:蒸発による蒸気圧低下
ρ :飽和状態の密度
ψ :揚程係数
ψ :揚程係数比ψ/ψNC
また、添え字は以下のように定義する。
V :蒸気
l :液体
NC:キャビテーションなし
Ref :参照値として用いる実験値
ここでは回転数Nが一定であるから、(a),(b)より、
Figure 0004585517
となる。
式(d)の左辺に式(c)の右辺を代入し、更にその中のV/Vに式(e)の右辺を代入して、(V/Vrefについて解くと、
Figure 0004585517
となる。この式で、参照値の条件を一方の温度条件とし、他方をもう一方の温度条件とすると、前者の温度条件のV/Vが求まり、式(e)より、任意の予測対象温度のV/Vが求まる。
次に、式(d)より、
Figure 0004585517
となり、今度は参照値の項を実験条件とし、他方の項を予測対象条件として、Δh, ΔhV,refを式(c)で計算すれば、目的のNPSHであるHSVが求められる。
本発明は、原子力発電所や火力発電所に限らず、様々なプラントにおける高温ポンプシステムに適用可能である。

Claims (3)

  1. 温,空気飽和,不純物含有状態の試験水に基づく第1の要求NPSHを補正して、実機運転条件である高温,脱気,純水状態の復水に基づくポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHを導出する一方実機運転条件におけるポンプ入口での減圧沸騰による気相体積から規定される要求NPSHを導出し、
    前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHと、前記ポンプ入口での減圧沸騰による気相体積から規定される要求NPSHとを比較し、何れか大きい方を第2の要求NPSHとするようにし、
    該第2の要求NPSHに基づき給水ポンプシステムの設計を行うことを特徴とする給水ポンプシステムの設計方法。
  2. 以下の式に基づき前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の給水ポンプシステムの設計方法。
    NPSHreq.A=NPSHreq.+f(T)+g(x)+h
    但し、
    NPSHreq.A:実機運転条件における前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHの値
    NPSHreq.:第1の要求NPSHの値
    f(T) :試験水温度の影響の補正項
    g(x) :溶存酸素量の影響の補正項
    h :微粒子不純物の影響の補正項
    である。
  3. 常温及び所定の高温における、ポンプ揚程とNPSHとの関係を求めた試験結果から、試験によるNPSHの差即ち飽和蒸気圧の低下量を求めるステップと
    前記試験によって求まる飽和蒸気圧の低下量と対応する比容積比を求めるステップと、
    当該比容積比により以下の実験式を用いて所望の更なる高温条件での比容積比を求めるステップと
    当該所望の高温条件での比容積比に対応する飽和蒸気圧の低下量即ち要求NPSHの低下量を求めるステップを行うことにより
    前記ポンプ翼間での減圧沸騰によるキャビテーションから規定される要求NPSHを予測するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の給水ポンプシステムの設計方法。
    (V /V pred =(V /V ref ・(α ref /α) 1.0 ・(U/U ref 0.8 ・(D/D ref 0.2 ・{(Δx/D)/(Δx/D) ref 0.3
    但し、前記式中の記号は、
    V:蒸発に関与する気液の体積
    α:熱拡散率
    U:代表速度
    D:代表寸法
    x:キャビテーション長さ
    であり、
    添え字は、
    l:液体
    V:蒸気
    ref:参照値として用いる試験値
    pred:予測値
    である。
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