JP4580134B2 - 幾何学的エアリアルイメージシミュレーション - Google Patents
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Description
(技術分野)
本出願は、エアリアルイメージのシミュレーションに関し、特に、半導体ウェーハ製造中に集積回路(IC)チップをパターンニングする際に用いられるマスクにより生成されるエアリアルイメージのシミュレーションに関する。
【0002】
(発明の背景)
A.ウェーハ製造
フォトリソグラフィーは、半導体デバイスの製造に用いられる一般技術である。通常、フォトレジストなどの感光材料の層(膜)で半導体ウェーハをコーティングする。パターンニングしたマスク即ちレチクルを用い、投射光にウェーハを露光する。光は通常化学線の光であり、これはフォトレジスト上での光化学効果を明らかにする。引き続いてフォトレジストを化学的にエッチングし、マスク上のパターンに対応するウェーハ上にフォトレジスト「ライン」のパターンを残す。
【0003】
「ウェーハ」は、半導体材料の薄片であり、ウェーハから半導体チップが製造される。ウェーハを製造するために、4つの基本作業即ち(1)成膜化、(2)パターンニング、(3)ドーピング、及び(4)熱処理を行う。
【0004】
成膜化作業では、ウェーハ表面に絶縁体、半導体及び導体などの材料の薄層を付加する。成膜化作業中には、層を成長させるか或いはデポジションするかのいずれか一方を行う。シリコンウェーハ上の二酸化ケイ素(絶縁体)層の成長には酸化が関与している。デポジション技術には、例えば化学蒸着法、蒸発及びスパッタリングがある。半導体のデポジションは通常化学蒸着法により行い、導体のデポジションは通常蒸発またはスパッタリングにより行う。
【0005】
パターンニングは、表面層の選択された部分の除去を含む。材料を除去した後、ウェーハ表面にパターンが形成される。除去した材料は、ホールまたはアイランドを形成し得る。パターンニングプロセスはまた、マイクロリソグラフィー、フォトリソグラフィー、フォトマスキング及びマスキングなど関連性のある技術分野において通常の知識を有する者にも知られている。パターンニング作業は、回路設計に必要な寸法でウェーハ表面に半導体デバイスのパーツを製造してこれをウェーハ表面上のしかるべき位置に配置するのに役立つ。
【0006】
ドーピングは、トランジスタやダイオードなどの個別素子を作動させるためのN-P接合を形成するために必要なn型及びp型ポケットを作り出すために、層の開口からウェーハの表面にドーパントを注入することを含む。ドーピングは通常、熱拡散(ウェーハを熱して所望のドーパントに露光する)及びイオン注入(ドーパント原子をイオン化し、高速に加速して、ウェーハ表面に注入する)によって達成する。
【0007】
半導体製造の分野では、これらのステップを有する半導体ウェーハの製造についてよく知られている。ウェーハ製造プロセスの例については、1997年10月21日にYeeに付与された米国特許証第5,679,598号 "Method of Making a CMOS Dynamic Random-Access Memory (DRAM)"、1997年9月2日にRostokerらに付与された米国特許証第5,663,076号 "Automating Photolithography in the Fabrication of Integrated Circuits"、1997年1月21日にGarzaに付与された米国特許証第5,595,861号 "Method of Selecting and Applying a Top Antireflective Coating of a Partially Fluorinated Compound"、1995年8月22日にHamiltonに付与された米国特許証第5,444,265号 "Method and Apparatus for Detecting Defective Semiconductor Wafers During Fabrication Thereof"、1987年3月24日にPasch らに付与された米国特許証第4,652,134号 "Mask Alignment System"に記載がある。この章で引用した上記5つの特許の仕様は、全文の引用を以って本明細書の一部となす。
【0008】
B.パターンニング及び近接効果
ウェーハ製造における最重要作業の1つであるパターンニングは、ICチップに実装するための電子デバイスの寸法を設定する。パターンニングプロセスでエラーが発生すると、電子デバイスの機能を変化させるような歪みを生じさせ得る。
【0009】
設計ルール限界は、しばしば限界寸法と呼ばれる。回路の限界寸法は通常、ラインの最小幅または2本のライン間の最小間隔として定義される。結果的に、限界寸法はICの全寸及び密度を決定する。現在のIC技術では、最新の回路の最小限界寸法は、ライン幅及びライン間隔が0.3μmである。
【0010】
回路のレイアウトを作成し終わったら、集積回路を製造するための次のステップはレイアウトを半導体基板に転写することである。フォトリソグラフィーは、マスク上に存在する幾何学形状をシリコンウェーハの表面に伝達する公知のプロセスである。ICリソグラフィー処理の分野では、通常、シリコン基板ウェーハにフォトレジストと呼ばれる感光性ポリマー膜を塗布して乾燥させる。露光ツールを利用して、光または放射線のソースによりマスク(レチクルともいう)を介して固有の幾何学パターンでウェーハを露光する。露光後にウェーハを処理し、感光材料に転写したマスクイメージを現像する。次に、マスキングパターンを用いて回路のデバイス機能を作成する。
【0011】
図1Aは、マスク22を用いてICチップ26をパターンニングするためのシステムを示す機能ブロックダイアグラムである。図1を見ると、光21がマスク22に直角に入射している。このようになり得るのは、光源がマスク22の真上にあり、マスク22から十分に離れており、それによってマスク22での波面がほぼ平面になるような場合である。但し、ここで示した光21は説明目的にのみ用いたものであることに留意すべきである。光源は通常、多くの異なる点を含む拡張体となるので、光は通常多数の異なる角度でマスク22に衝当することになる。従って、図1Bに示すように、光源30の点31及び32からの光は、異なる角度でマスク35に衝当することになる。
【0012】
マスク22には透過部及び非透過部が含まれており、これらは光21を効率的に透過及び遮断し、それによってICチップ26に所望のパターンを作成する。光23は、マスク22から出て光学系24を通過して最終的にICチップ26に接触し、光強度パターンを形成する。多くの場合、光学系24にはマスク22とICチップ26との距離しか含まれない。しかし光学系24は、1若しくは数個のレンズ、ミラー及び/またはその他の光学素子を含み得る。
【0013】
露光ツールの重要な制限特性は、その解像度値である。露光ツールに対する解像度は、露光ツールをウェーハに繰返し露光することができる最小機能として定義される。現在、最高度の露光ツールに対する解像度は、約0.2μmである。従って、本リソグラフィー装置の解像度値は、殆どのIC回路設計に対する限界寸法に近い。結果的に、露光ツールの解像度はIC回路の最終的なサイズ及び濃度に影響し得る。レイアウトの限界寸法が小さくなり、リソグラフィー装置の解像度値に近づくにつれて、フォトレジストにおいて現像される実際のレイアウトパターンとマスクされたレイアウトパターンとの一致が著しく減少する。特に、周囲模様のパターン現像の差が模様相互の近接によるものであることが認められる。
【0014】
このような近接効果の大きさは、マスキングパターンに存在する2つの模様の近接または接近に依存する。近接効果は、投射システムにおける光学回折に起因することが知られている。光学回折は、隣接する模様をそのような方法で互いに相互作用させ、パターン依存性変化を生じさせる。
【0015】
近接効果及びそれを補正する方法(即ち光近接効果補正法(OPC法))については、1997年10月28日にPaschらに付与された米国特許証第5,682,323号 "System and Method for Performing Optical Proximity Correction on Macrocell Libraries"(以下「Pasch'323特許」と呼ぶ)に記載がある。Pasch'323特許の仕様は、全文の引用を以って本明細書の一部となす。Pasch'323特許に記載のシステム及び方法は、ICの製作に用いられるセルのライブラリで光近接効果補正を先ず行うことにより、集積回路マスク設計で光近接効果補正を行う。そして予備試験を行ったセルをマスク設計に取り入れる。異なるセルに完全に組み込まれた素子間に近接効果が生じることがないように、全てのセルを最小距離だけ離隔して配置する。1つのセル内に完全には組み込まれない構成要素(例えばライン)上でしか近接効果補正を行わないことにより、マスク設計で光近接効果補正を行う。
【0016】
また、近接効果およびそれを補正する方法に関する記載は、1998年1月6日にGarzaらに付与された米国特許証第5,705,301号 "Performing Optical Proximity Correction with the Aid of Design Rule Checkers"(以下「Garza'301特許」と呼ぶ)にもある。Garza'301特許の仕様は、全文の引用を以って本明細書の一部となす。Garza'301特許に記載のシステムは、光近接効果補正が最も有用となるような集積回路レイアウト設計の領域を同定し且つこの領域においてのみ光近接効果補正を発揮するような方法を含む。
【0017】
より具体的には、このような方法には、(a)設計ルール・チェッカを用いて集積回路レイアウト設計を分析し、所定の基準に適合する集積回路レイアウト設計の模様を配置する過程と、(b)レチクル設計を行うための基準に適合する模様で光近接効果補正を実行する過程とが含まれる。模様を選択するために設計ルール・チェッカが用いる基準には、パターンの外角、模様の内角、模様サイズ、模様形状及び模様角度がある。
【0018】
C.マスク設計
ここで、図2に示すフローダイアグラムを参照しながら、マスク設計技術の概略について説明する。図2を見ると、ステップ42で初期マスクパターンを得る。通常、チップにパターンが現れると仮定すれば初期マスクパターンの点は振幅1を有することになり、チップにパターンが現れないとすれば振幅0を有することになる。しかしながら、代わりに他の方法で初期マスクパターンを指定することもできる。
【0019】
ステップ44では、マスクパターンを有するマスクによって生成されることになるエアリアルイメージをシミュレートする。以下に、エアリアルイメージをシミュレートする従来技術の例について述べる。
【0020】
ステップ46では、シミュレートされたイメージが許容できるものであるかどうかを判定する。通常この判定の主たる判定基準は、シミュレートされたイメージが、結果としてエラーフリーのデバイスを製造することになるようなパターンニングを可能にする十分な解像度を有するかどうかである。イメージが許容できるものであれば、設計されたパターンを有するマスクを製造するステップ48の処理に進む。そうでなければ、ステップ50の処理に進む。
【0021】
ステップ50では、エアリアルイメージの解像度を向上させる目的で、セリフを付加及び/または置換するなどしてマスクパターンを変換する。このようなプロセスについては、以下に詳細に説明する。マスクパターンを変換し終えたらステップ44の処理に戻り、新たなマスクパターンに基づくエアリアルイメージをシミュレートする。
【0022】
D.近接効果補正
近接効果に関連する技術には、イメージングを向上させるための変更形状または隣接副解像度幾何学(adjacent subresolution geometries)の使用が含まれる。例としては、コンタクトの角にセリフを用いることが挙げられる。光学の解像度限界に近い寸法で接触する場合、レチクル上の正方形パターンはむしろ円形に近い形状としてプリントされることになる。角における追加幾何学は、コンタクトの角を四角くするために役立つことになる。このような技術は、多くの場合に近接効果補正と呼ばれる。このような技術の例は、1998年3月3日に出願された "Method And Apparatus For Application Of Proximity Correction With Relative Segmentation" と題する米国特許出願第09/034,550号に記載されており、該出願の全文の引用を以って本明細書の一部となす。
【0023】
近接効果は、電子線リソグラフィーにおいてよく知られた現象であり、電子散乱により生じる。光学リソグラフィーでは、近接効果は回折現象により生じる。近接効果の結果として、プリントされた模様とレチクル寸法との関係は全く同一というわけではない。このことから、設計者が望むウェーハが得られるようなフォトマスクを製造することは困難であるという状況が生じている。
【0024】
或る種の近接効果補正の初歩的技術は、少なくとも20〜30年間使用されてきた。このようなパターン補正は、通常、ウェーハ技師により特定のプロセスステップの知識に基づいて行われていた。近年では、幾つかの近接効果補正ソフトウェアプログラムが導入されたことで、近接効果補正はより一層科学的になった。近接効果補正プロセスには、ウェーハ上で処理した幾つかの一般的な試験パターンを測定する過程と、測定データから多重レベルルックアップ表を構築する過程とが含まれる。
【0025】
E.エアリアルイメージの数値シミュレーション
リソグラフィックシミュレータは、光学リソグラフィー処理の評価において重要なツールになりつつある。具体的には、エアリアルイメージをシミュレートすることにより、マスクを設計するために必要な時間を短縮できる場合が多い。シミュレータは、光学近接効果を補正するにも有用である。
【0026】
マスク、即ち光学投射システムのイメージ平面における光強度によって生成されるエアリアルイメージは、現像されたフォトレジスト構造がいかによくマスク設計を複製するかを管理するための、マイクロリソグラフィーにおける非常に重要な量である。エアリアルイメージは、大体においてフォトレジスト構造に入力するマスクについての光学情報を表す。当然のことながら、レジスト構造の完全演算は通常、レジスト内の光の伝播、レジストの露光、後の熱プロセスまたは同様のプロセス、レジストの崩壊など他の因子を考慮しなければならない。それにもかかわらず、エアリアルイメージは通常マスクプリント適正の単一の最重要予測子である。
【0027】
従来のエアリアルイメージシミュレータに用いられていたモデルは、スカラー回折理論またはベクトル回折理論のいずれかを基礎としている。スカラー理論に基づくモデルは通常、ホプキンスの分析に従う。ホプキンスの分析では、光強度は光学系を通過して伝わる。マスク平面は部分的にコヒーレントなソース表面として扱われ、コヒーレント伝達関数はマスク平面での点源がレジストの平面でどのように像を描くかを説明する。
【外1】
におけるエアリアルイメージ(光強度)は、次式で与えられる。
【0028】
【数1】
【外2】
【外3】
でのエアリアルイメージの演算に式(1)を用いるのであれば、必要な操作の数は通常L2のオーダーである。ここで、Lは積分領域の点の数である。Lは通常式(1)の数値積分の精度を決定するものであることに留意されたい。N個のノードを有するメッシュにおけるエアリアルイメージを計算するために必要な操作の数は、通常NL2のオーダーである。多くの場合、LはNと同じオーダーである。
【0029】
第2グループのモデル(即ちベクトル回折理論に基づくもの)は通常、光学系を介してフォトレジスト表面上に至るベクトル電界を追跡したYeungの研究に従う。具体的には、各光線は固有のソース点から放射され、マスク及び光学系の異なる部分を通過して進む。この方法の利点の1つは、各ソース点からのコヒーレントイメージの演算に高速フーリエ変換(FFT)を適用し得ることである。ソース点に起因するレジスト表面での電界は、光学系に内在する立体角に対して積分を行うことによって得られ、次式で表すことができる。
【数2】
ここで、
【数3】
【外4】
【0030】
従って、式(2)に基づくエアリアルイメージ演算は、(1)マスクの空間周波数スペクトルと呼ばれるマスク転送関数のフーリエ変換を見出す過程と、(2)光学系のコヒーレント転送関数によりマスクの空間周波数スペクトルを乗算し、エアリアルイメージの演算に用いられる各ソース点に対してこのステップを繰り返す過程と、(3)(2)のステップで得られた関数の逆フーリエ変換を見出す過程と、(4)(3)のステップで得られた結果にその複素共役を乗算する過程と、(5)全てのソース点からのコヒーレントなエアリアルイメージを合計する過程とを含む。
【0031】
ステップ(1)及び(3)は、FFTアルゴリズムを用いて実行し得る。この演算は、通常P(N+1)IgN演算の命令を必要とするのみであるので、通常はN個のノードを有するメッシュにおけるエアリアルイメージを得るための最速の方法である。ここで、Pはソース点の数であり、Pは通常Nよりも遥かに小さい。
【0032】
種々のシミュレータが市販されており、最も民間に普及しているのは、ベクターテクノロジー(Vector Technologies, Inc.)及びプリンストン大学が開発したFast Aerial Image Model(FAIM)である。FAIMは、計算機援用設計(CAD)レイアウトのセグメントのシミュレーティングが可能である。これは通常精度にばらつきがなく、20 MFLOPSワークステーションでユーザが約12秒間でセグメント(4×12μm)のエアリアルイメージをシミュレートすることを可能にする。
【0033】
上記したように、エアリアルイメージシミュレータはOPCにおいて非常に重要である。OPCでは、シミュレータは反復修正手順を実行するためのループであるので、非常に高速であることが必要である。従って、そのようなシミュレータの速度を向上させることは、OPCでシミュレータを用いるのであれば特に、非常に望ましい。
【0034】
上記したように、Yeungの技術はFFTアルゴリズムを用いて実行することができるので、比較的高速である。しかしながら、Yeungの技術は通常、シミュレーションプロセスに追加エラーを発生させてしまう。特に、上記ステップ(1)でFFTを決定する前に、マスク転送関数を通常先ずラスタ化しなければならない。これに関して、マスク転送関数は通常先ず、マスクパターンの幾何学的説明を提供するようなGDS2フォーマットで表される。ラスタフォーマットへの変換は、矩形メッシュ上のマスクパターンの抽出により達成される。しかしながら、マスク転送関数は通常ポリゴン境界付近では解析的ではなく、従ってGDS2−ラスタ変換はしばしばエラーを引き起こす。一般的には、ポリゴン寸法が小さくなるにつれてこのような面積が大きくなる。
【0035】
エラーの例について、図3A及び3Bを参照しながら説明する。具体的には、メッシュ72上にスーパインポーズしたマスクパターン71を図3Aに示す。メッシュ72には、ノード74などの規則正しく離隔したノードが含まれる。通常は、マスクパターンの透過部が占めるノードが50%以上であるか50%以下であるかを判定することによりラスタ化を実行する。透過部が占める特定のノードが50%以上であれば、全体のノードを透過性と表す。そうでない場合には、全体のノードを非透過性と表す。従って、図3Bはマスクパターン71のラスタ化後に生じるパターン78を示している。図3Bと図3Aを比較すればわかるように、ラスタ化中に幾つかのエラーが発生している。特に、パターン78はパターン74と比較して左及び上方に移行している。更に、パターン74の三角形部分79がパターン78では完全に消去されている。
【0036】
ラスタ化エラーの効果は、より微細なラスタ化メッシュを用いることにより低減し得る。しかしながら、より微細なメッシュを用いることは必要な作業の数を増加させることにもなるので、必要な演算を著しく複雑にする。従って、従来技術では通常、速度と精度とのトレードオフが必要であった。
【0037】
それゆえに、高精度を維持することができ、非常に高速で実行できるようなエアリアルイメージシミュレーションの技術が必要である。
【0038】
(発明の概要)
本発明は、マスクを構成する種々の基本要素の応答を結合し、マスクによって生成されるエアリアルイメージをシミュレーティングすることにより、前記の問題を処理する。
【0039】
従って、本発明では一態様に基づき、マスクの透過部を基本要素に分割することにより、マスクが光源に露光される際に、透過部を有するマスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートする。各基本要素に対して得られた応答関数及び全ての基本要素に対する応答関数を合計し、マスク応答関数を得る。次に、光源の全ての点に対するマスク応答関数を求め、エアリアルイメージをシミュレートする。
【0040】
本発明では別の態様に基づき、マスクの透過部を基本要素に分割することにより、マスクが光源に露光される際に、透過部を有するマスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートする。基本要素が光源の一点に露光される際に各基本要素に対して応答が得られ、次に全ての基本要素及び光源の全ての点に対する応答を結合することによりエアリアルイメージをシミュレートする。
【0041】
本発明は更に別の態様に基づき、透過部を有するマスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートする。マスクの透過部を基本要素に分割することにより各基本要素に対する応答が得られ、次に全ての基本要素に対する応答を結合することによりエアリアルイメージをシミュレートする。
【0042】
マスク透過部を基本要素に分割し、基本要素に対する応答を得て、更に基本要素からの応答に基づき全マスク応答を決定することによって、本発明は先行技術が抱えていた多くの問題を回避することができる場合が多い。具体的には、本発明の幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術は通常、マスクパターンのラスタ化の必要性をなくし、それによってラスタ化エラーを回避することができる。同時に、多くの場合比較的迅速に本技術を実行することができる。これに関連して、多くの例では基本要素の応答のみを用いて基本要素の頂点を見出すことができる。更に、標準基本要素を用いるのであれば、基本要素応答を事前記憶することができ、それによってエアリアルイメージをシミュレートするために必要な時間が更に減少する。
【0043】
最終的には、本発明に基づく幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術を利用することにより、イメージ平面の任意に選択された小部分における光強度のみの演算は多くの場合遥かに容易になる。対照的に、従来技術ではしばしば、通常は全体のイメージ平面のシミュレーションが必要であるようなFFTベースのアルゴリズムを用いていた。イメージ平面の或る選択された部分、例えば特徴稜線付近の光強度さえわかればよい場合が多いので、幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術の利用は本技術の大きな利点となり得る。
【0044】
上記の概要は、本発明の本質についての概略的な理解を提供するに過ぎない。特許請求の範囲と、添付の図面に関連して以下に詳細に説明する好適実施例とを参照することで、本発明をより完全に理解することができる。
【0045】
(発明を実施するための最良の形態)
ここでは、本発明に基づくエアリアルイメージシミュレーション技術について説明する。以下の技術はマスク設計に利用することができ、例えば図2に示すステップ44のエアリアルイメージのシミュレーションに利用し得る。
【0046】
A.幾何学的エアリアルイメージシミュレーション
ここで、本発明に基づく幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術の一実施例について、図4のフローダイアグラムを参照しながら説明する。図4に基づき簡単に説明すると、マスクパターンデータを入力し、マスクの透過部を基本要素に分割し、各基本要素及び単一コヒーレント光源点に対する光学系応答を得て、全ての基本要素に対する応答を結合して全マスク応答を得て、最後に光源点に対する応答を結合することによりイメージ位置で光強度を決定する。
【0047】
詳細に説明すると、ステップ92では、マスクデータを入力する。通常マスクデータはGDS2フォーマットになり、マスクパターンの透過部を特定することになる。
【0048】
ステップ94では、メッシュの透過部を基本要素に分割する。本発明の好適実施例では、以下に詳述するようにマスクパターンの各ポリゴンを別々に処理する。これに関連して、処理したポリゴンは、マスクパターンで自然発生するポリゴンとなり得る。更に、マスクを複数のウィンドウ(矩形ウィンドウ等)に分割することによりポリゴンを作成することができる。ウィンドウは、例えば並列処理を容易にするために分割し得る。このような分割の結果、1つのポリゴンを2つまたはそれ以上のポリゴンに分割することができ、分割後のポリゴンを個々に処理することができる。しかしながら、本発明の技術では並列処理を実行するために通常マスク領域の空間分割を必要としないことに留意されたい。即ち、通常は相対的空間位置に拘らず本発明の技術を用いて個々のポリゴンを独立的に処理できる。
【0049】
好適には、基本要素は矩形及び直角三角形である。しかしながら、本発明はそれに限定されず、基本要素には矩形及び直角三角形に加えて或いはこれらに代えて他の幾何学形状を含めることができる。例えば基本要素には、後述するように、矩形の合計として形成し得るポリゴンが含まれる場合がある。マスクパターンに系統的にカットを入れてパターンをこのような基本要素に分割することにより、ステップ94を実行することもまた好ましい。
【0050】
ここで、そのような技術の一例について、図5に示すフローダイアグラムを参照しながら説明する。具体的には、図5は、本発明の代表的な実施例に基づくマスクパターンでの単一ポリゴンの分割について説明するフローダイアグラムである。マスクパターンの各ポリゴンに対して図5に示すステップを繰り返す。殆どのポリゴンは主として水平及び垂直の辺から構成されることになるが、任意の角度で方向づけられた辺を有することもあるということに留意されたい。殆どの辺は水平または垂直のいずれかであるので、図5に示す方法では、ポリゴンを水平及び垂直にカットすることにより、ポリゴンを矩形及び直角三角形要素に分割する。
【0051】
図5に基づき簡単に説明すると、与ポリゴンの第1頂点を選択し、与頂点が内角且つ水平/垂直頂点であれば頂点を形成する辺の1つを延長してカットを形成し、頂点が水平/垂直頂点でなければポリゴンに水平または垂直カットを入れ、次に一方向(時計回りまたは反時計回り)にポリゴンをトラバースしながら各頂点に対して前記ステップを繰返し、さらにマスクパターンの各ポリゴンに対して前記ステップを繰り返す。
【0052】
詳細に説明すると、先ずステップ122で与ポリゴンの第1頂点を選択する。与えられた実施例では、最初の頂点を任意に選択し得る。しかしながら本発明では、ポリゴンの分割を最適化するために所定のルールに基づき、熟慮して最初の頂点を選択する。
【0053】
ステップ124では、与頂点が(1)内角且つ(2)水平/垂直頂点であるかを判定する。(1)に関しては、頂点を挟むいずれかの辺を延長させた場合に辺がポリゴン内に延長されることになれば、頂点は「内角」である。(2)に関しては、一辺が水平で他辺が垂直ならば頂点は「水平/垂直」頂点である。上記したように、水平及び垂直方向は、マスクパターンの辺の主方向に基づき予め決定されることになる。条件(1)及び(2)が共に真であれば、ステップ126の処理に進む。そうでない場合には、ステップ128の処理に進む。
【0054】
ステップ126では、水平辺及び垂直辺の一方を、頂点から他辺またはカットのいずれかに接するまでポリゴン内に延長する。本実施例では、延長する辺を任意に選択し得る。しかしながら本発明はまた、ポリゴン分割の最適化に向けられた事前定義ルールに基づき、特定の辺の選択についても熟慮する。
【0055】
ステップ128では、頂点が非水平/垂直頂点であるかどうか、即ち辺が水平でも垂直でもないかどうかを判定する。与頂点が非水平頂点であれば、ステップ130の処理に進む。そうでない場合には、ステップ132の処理に進む。
【0056】
ステップ130では、与頂点からポリゴン内に水平または垂直カットを入れる。このカットは、好適には次のように入れる。一辺が水平または垂直のいずれかであれば、(1)辺をポリゴン内に延長できればそのように延長し、或いは(2)辺をポリゴン内に延長できなければ水平辺または垂直辺に関連して90°の方向に方向付けたカットをポリゴン内に入れる。両辺が水平でも垂直でもなければ、頂点から任意に選択した特定の方向に水平または垂直カットを入れる。いずれの場合も、他辺またはカットのいずれかに接するまでポリゴン内にカットを入れる。ステップ130を実行するためには上記の方法が好ましいが、他の方法で代用し得ることに留意されたい。
【0057】
ステップ132では、与頂点が最終頂点かどうかを判定する。最終頂点であれば、与ポリゴンを終了して次のポリゴンを選択する。そうでない場合には、ステップ134の処理に進む。
【0058】
ステップ134では、次の頂点を選択し、好適には一定方向に、例えば一貫して時計回りまたは反時計回り方向にポリゴンの周りをトラバースすることにより、与ポリゴンに対する頂点を選択する。ステップ134が完了したらステップ124の処理に進み、新たな頂点の分析を開始して、頂点にカットを入れるべきかどうかを決定する。
【0059】
以上のようにポリゴンを基本要素にセグメント化するための一方法について説明したが、本発明は上記方法に限定されるものではない。むしろ、任意の方法を用いてマスクパターンを分割し得る。特に、どの特定の方法を選択するかは、使用する基本要素の種類に依存し得る。
【0060】
ここで、図6A及び図6Bを参照して前記方法の例を挙げる。頂点161乃至166を含むポリゴン160を図6Aに示す。この例では、頂点161から開始して時計回り方向に処理することによりポリゴン160をセグメント化する。頂点161は、水平/垂直頂点である。しかしながら、辺181と182のいずれも頂点161から延長した場合にポリゴン160内に延長され得ないので、頂点161は内角ではない。従って、頂点161ではカットを入れない。次の頂点は頂点162であり、これも水平/垂直頂点であるが内角ではない。
【0061】
次に、辺184は水平でも垂直でもないので、頂点163は非水平/垂直頂点である。垂直辺183は、頂点163からポリゴン160内に延長できない。従って、頂点163で辺183に直交するカット172を入れる。カット172は、辺181に接するまでポリゴン160内に延長する。
【0062】
次に、辺184は水平でも垂直でもないので、頂点164は非水平/垂直頂点である。辺185は垂直であり、ポリゴン160内に延長できるので、辺185からポリゴン160内に延長するカット174を入れ、カット172に接するまでポリゴン160内に延長する。
【0063】
頂点165及び166は各々水平/垂直頂点であるが、内角頂点ではない。従って、これらの頂点ではカットを入れない。ポリゴン160の分割はこの点で完了する。図6Aを見てわかるように、3つの基本要素即ち矩形191、192及び直角三角形193が同定されたことになる。
【0064】
次に示す例は、図6Bのポリゴン200に関するものである。頂点201から分割を開始し、時計回り方向に進める。
【0065】
頂点201及び202はそれぞれ、水平/垂直頂点であるが内角ではない。従って、これらの頂点ではカットを入れない。
【0066】
頂点203は、水平/垂直頂点である。更に、辺223または辺224の一方をポリゴン200内に延長することができるので、頂点203は内角である。上記したように、当実施例では延長すべき辺を任意に決定し得る。この例では、辺223が時計回り方向に接する最初の辺であるので、辺223を選択する。従って、辺230に接するまでポリゴン200内に辺223を延長してカット241を入れる。
【0067】
次に、頂点204もまた水平/垂直頂点であり、内角である。従って、辺224(時計回り方向に最初に接する)をポリゴン200内に延長してカット242を形成する。カット242は、辺227に接するまで延長する。
【0068】
次に、頂点205、206、207及び208は、全て水平/垂直頂点であるが、内角ではない。従って、これらの頂点ではカットを入れない。
【0069】
次に、頂点209は、水平/垂直頂点であり、内角である。従って、辺229(時計回り方向に最初に接する)をポリゴン200内に延長してカット243を形成する。カット243は、辺224に接するまで延長する。
【0070】
次に、頂点210は非水平/垂直頂点である。通常であれば、この頂点にカット241に相当するカットを入れることになる。しかし既にカット241が入っているので、この点で更にカットを入れる必要はない。
【0071】
次に、頂点211は非水平/垂直頂点である。辺221は水平辺であるが、頂点211からポリゴン200内に延長できない。従って、辺221に直交するようなカット244を、頂点211からポリゴン200内にカット241に接するまで入れる。
【0072】
この時点でポリゴン200の分割が完了する。ポリゴン200を構成する基本要素は、矩形251乃至254及び直角三角形255である。他の実施例では、追加処理を行って矩形253及び254を1つの矩形に結合し得ることに留意されたい。
【0073】
再び図4を参照すると、ステップ96では、単一のコヒーレント光源点から与えられるような、各基本要素に対する光学系応答を得る。矩形基本要素の場合、辺を
x = x1 = 一定、x = x2 = 一定、y = y1 = 一定、Y = Y2 = 一定
(x1 < x2 であり、y1 < y2 である)
と定義する。マスクが単色波
【数4】
に露光される際には、イメージ平面での電界の複合振幅が次式で与えられることを示し得る。
【数5】
ここで、指数vは矩形の頂点を示す。XV = X2且つYV = Y2であればsv =1、XV = X2且つYV = Y1であればsv =1、それ以外であればsv =−1である。関数Zε(X, k)は、開口の種類による。例えば、出口開口が寸法a×aの正方形ウィンドウであれば、次式のようになる。
【数6】
ここで、km = a/2z、z は出口開口からイメージ平面までの距離、Si及びCinはそれぞれ積分正弦関数及び余弦関数であり、以下のように定義される。
【0074】
【数7】
【0075】
ここで、対象即ち複数の矩形基本要素から構成されるマスクパターン中の要素について考えてみる。パターンは、矩形の合計として表すことができるという制限付きで、1若しくは数個のポリゴンから構成し得る。このパターンへの光学系の応答は、矩形の全ての頂点が占有する形式の積
【数8】
の合計として表すことができる。
【0076】
通常は、構成要素矩形の多くの頂点は、幾つかの異なる矩形に共通となる。先に紹介した負号規則を用いれば、合計項の殆どを相殺できる。例えば矩形の4つの頂点が或る点に集まっていれば、その点からの全寄与は0に等しい。結果的には、パターン内に収まる全ての頂点は、複合マスクパターン要素において一直線の一辺に属する各頂点であるので、合計から除かれる。合計に最終的に残るのは、複合要素の頂点でもある矩形頂点のみである。
【0077】
ここで、マスク平面において矩形を含む複合要素によってレジスト平面での明視野(light field)を決定するための式は、
【数9】
である。
【0078】
式(6)は、要素を矩形に分解する方法が通常無意味であり、ポリゴンを矩形に分解せずに矩形を含むポリゴンへの光学系応答を決定することができることを示している。従って、矩形に分解できるポリゴンは、本発明の基本要素として手軽に用いることができる。同様に、前処理ルーチンに式(6)を利用して矩形頂点の数を低減することができる。矩形頂点の数は、ステップ98で矩形要素への応答を決定する際に考慮する必要がある。
【0079】
図7を参照すると、任意の寸法の直角三角形基本要素300への光学系応答を決定する手順は、好適には次の通りである。
【0080】
1.直角三角形基本要素300は、図7に示すように直角(x1, y1)の座標及び辺の長さにより描かれる。この例では直角三角形基本要素300を二等辺三角形と仮定するが、本発明に基づく三角形要素は二等辺三角形に限定されるものではないことに留意されたい。
【0081】
2.図7に示すように、三角形基本要素300を複数の矩形及び小三角形に分解する。図7に示すように、直角三角形300は、矩形301乃至304などの矩形と、小三角形とから構成されている。これらの小三角形には、正の三角形(正の三角形308、309など)と負の三角形(負の三角形313、314など)とが含まれ、正の三角形の応答は矩形の応答に加算され、負の三角形の応答は矩形の応答から除算される。これらの矩形及び小三角形の寸法を図7に示す。ここで、δ = a/L、a は三角形の辺の長さ、L は整数である。ここで、光学系応答は、矩形及び小三角形の応答の合計として次式で与えられる。
【数10】
【0082】
3.矩形に対応する項は、上式(6)に基づき次式のように変形できる。
【数11】
【0083】
4.λ(入射光の波長)に等しい辺を有する直角三角形が16個の矩形で表される場合には、直角三角形基本要素への光学系応答への小三角形の相対的な寄与が全応答の10−3以下であることを示すことがわかる。
【0084】
5.λ以下の寸法を有する小三角形に対してより高い精度が必要であるならば、小三角形の寄与は次式で与えられる。
【数12】
ここで
【数13】
であり、Z' は1次変数に対するZの1次導関数を表す。
【0085】
JΔを計算するには、以下のガウス型公式(Gauss quadratic formula)を用いる。
【数14】
ここで、
【数15】
【数16】
であり、Xk (n) はルジャンドルの多項式の0、Ak (n) はガウス型公式の係数である。
【0086】
本発明の好適実施例においては、前記方法を利用して三角形基本要素への光学系応答を決定するが、その他の方法を用い得ることにも留意すべきである。更に、上記したように別の種類の基本要素も用い得る。また、ステップ96で基本要素への応答を計算するよりもむしろ、応答を標準基本要素に対して事前記憶しておき、ステップ96でメモリから簡単に検索することができる。標準基本要素への事前記憶応答は、反応式を導出できず、自身に対する応答をオンザフライで計算するのが困難な基本要素を用いる機会を提供するのみならず、シミュレーション処理速度を増加させ得る。
【0087】
再び図4を参照すると、ステップ98では全ての基本要素に対する応答を結合し、全マスク応答関数を得る。好適には、ステップ94で同定された全ての基本要素に対する応答を単純に合計することによりこのステップを実行する。従って本実施例では、全マスク応答関数は次式で与えられる。
【数17】
【0088】
ステップ100では、全ての光源点に対する応答を結合することにより、イメージ平面での光強度を決定する。好適には、次式を用いて全ての光源の点を積分することによりこのステップを実行する。
【数18】
ここで、
【数19】
は2点コヒーレンス関数のフーリエ変換である。例えば、光源が円形開口で、均等に分布しており、コヒーレンスパラメータσ[3]を有する場合には、SBは次のようになることが知られている。
【0089】
【数20】
ここで、k = 2π/λである。
【0090】
幾何学的エアリアルシミュレーションの好適実施例では、マスクの透過部を基本要素に分割し、基本要素に対する応答を決定してから、全マスク応答を決定する。前記実施例では、全ての基本要素の一点光源への応答を合計し、次に全ての光源点で応答を求めて結合する。しかしながら、この固有オーダーは厳密には必要ではないことを理解されたい。代わりに、ステップ98と100を交換するか、1つのステップに結合することができる。
【0091】
マスク透過部を基本要素に分割し、その基本要素に対する応答を得て、次に基本要素からの応答に基づき全マスク応答を決定することにより、本発明は先行技術が抱えていた多くの問題を多くの場合に回避することができる。具体的には、本発明の幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術は通常、マスクパターンをラスタ化する必要性をなくすことができ、それによってラスタ化エラーを回避する。同時に、多くの場合比較的迅速に本発明の技術を実行することができる。これに関しては、上記したように、多くの例では基本要素の頂点のみを用いて基本要素の応答を見つけることができる。更に、標準基本要素を用いれば基本要素応答を事前記憶することができ、それによってエアリアルイメージをシミュレートするのに必要な時間を更に短縮する。
【0092】
最終的には、本発明に基づく幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術を利用することにより、多くの場合、イメージ平面の任意に選択された小部分における光強度のみの計算がずっと容易になる。対照的に、従来技術はしばしば、全体のイメージ平面のシミュレーションを通常必要とするようなFFTベースのアルゴリズムを用いていた。イメージ平面の或る選択された部分、例えば特徴稜線付近の光強度さえわかればよい場合が多いので、幾何学的エアリアルイメージシミュレーション技術の利用は本技術の大きな利点となり得る。
【0093】
B.ハイブリッドエアリアルイメージシミュレーション
ここで、本発明に基づくハイブリッドエアリアルイメージシミュレーション技術の一実施例について、図8に示すフローダイアグラムを参照しながら説明する。図8に基づき簡単に説明すると、マスクパターンデータを入力し、マスクパターンの透過部を基本要素に分割し、各基本要素に対する空間周波数関数を得て、空間周波数関数を結合して変換マスク転送関数を得て、所望のイメージ平面メッシュに基づき変換マスク転送関数を抽出し、次にマスク転送関数を用いてエアリアルイメージをシミュレートする。
【0094】
詳細に説明すると、ステップ392でマスクパターンデータを入力する。通常は、マスクパターンデータの透過部をGDS2フォーマットで特定する。
【0095】
ステップ394では、マスクパターンデータの透過部を基本要素に分割する。好適には、基本要素は矩形及び直角三角形である。しかしながら、上記したようにその他の種類の基本要素を代わりに用いてもよい。より好適には、このステップをステップ94(上記の図4に示す)と同一の方法で行う。
【0096】
ステップ396では、各基本要素に対する空間周波数関数を得る。好適には、空間周波数関数は、対応する基本要素のフーリエ変換である。しかし、フーリエ変換の代わりに余弦変換など他の種類の変換を用いて空間周波数関数を得ることもできる。また、上記したように、基本要素は矩形及び直角三角形であることが好ましい。図9Aに示す矩形430のような任意の矩形の場合、フーリエ変換は次式で示すことができる。
【数21】
【0097】
ここで、(x1, y1) は矩形430の左下隅431の座標、(x2, y2) は矩形430の右上隅432の座標、λは入射光の波長であり、転送関数は矩形内では1、矩形外では0に等しい。原点435は任意に配置することができるが、ステップ398での相対位相シフトの適用を回避するため、全ての基本要素に対するマスクに関連して原点435を配置するのが好ましい。本発明の当実施例では、矩形基本要素の辺はx軸及びy軸に平行になることに留意されたい。従って、上式(15)を用いて任意の矩形基本要素のフーリエ変換を求めることができる。任意に方向付けられた矩形を基本要素として用いるのであれば、必然的により一般的なフーリエ変換公式を用いることになる。
【0098】
図9Bに示す三角形450などの任意の三角形に対して、フーリエ変換は次式で与えられることを示し得る。
【0099】
【数22】
ここで
【数23】
であり、また(x1, y1)、(x2, y2)及び(x3, y3)は3つの三角形頂点451乃至453の各座標、Aは入射光の波長であり、転送関数は三角形内では1、三角形外では0に等しい。上記したように、原点435は任意に配置することができるが、全ての基本要素に対するマスクに関連して配置するのが好ましい。
【0100】
従って、好適実施例では、基本要素に対する空間周波数関数を解析的にオンザフライで計算する。しかしながら、FFTまたは離散コサイン変換(DCT)などの離散変換を用いてこれらの関数を計算することも可能であることに留意されたい。このことは、例えば、解析変換を容易に決定できないような複雑な形状を有する少なくとも幾つかの基本要素には望ましい。この場合、例えばFFTを用いて全体のマスクパターンを変換しなければならないのであれば、用いることができたものより微細なメッシュを用いることができることができ得る。また、標準基本要素を用いるのであれば、通常は空間周波数変換を事前記憶することができる。
【0101】
ステップ398では、マスクパターンを構成する基本要素に対する空間周波数関数を結合し、変換マスク転送関数を得る。好適実施例では、全ての基本要素に同じ原点435を用いると仮定して式(15)及び(16)を用いて基本要素の空間周波数変換を決定しており、このステップは基本要素に対する空間周波数関数の追加に関与しているに過ぎない。従って、変換マスク転送関数は次式で与えられる。
【数24】
【0102】
しかし、空間周波数関数が事前記憶されているか或いは異なる基本要素に対して異なる原点を用いるのであれば、マスクにおける相対位置を反映するため、基本要素を加算する前に、適切な位相シフトによって基本要素に一部または全部の空間周波数関数を乗算する必要がある場合がある。
【0103】
ステップ400では、変換マスク転送関数を抽出する。抽出ステップサイズは通常、マスク機構、特にマスク機構サイズとは無関係であり得る。代わりに、イメージ平面の所望の解像度及び光学系の限界に基づきステップサイズを選択することができる。後者に関しては、ステップサイズは通常
【数25】
を超えないサイズとすべきである。ここでλは入射光の波長、NAは光学系の開口数、σは光源のコヒーレンスパラメータである。
【0104】
最後にステップ402では、抽出したマスク転送関数を用いてエアリアルイメージをシミュレートする。本発明の好適実施例では、マスク転送関数を光学系コヒーレント転送関数と結合し、逆空間周波数変換を実行し、更に例えば上式(2)に基づき全ての光源点を求めることによりこのステップを実行する。より好適には、複数のプロセッサを用いて式(2)を求め、例えば以下の技術を用いて、エアリアルイメージの一部を別々にシミュレートする。
【0105】
先ず、エアリアルイメージを複数の重なり合わない矩形に分割する。次に、マスク平面を複数の矩形に分割することによりこのような各矩形におけるエアリアルイメージを求める。このとき、マスク平面の各矩形の領域は、主としてエアリアルイメージ平面の対応する矩形におけるエアリアルイメージの一部に寄与する。通常、マスク平面におけるこのような矩形は、イメージ平面における対応する矩形より大きくなるので、必然的に重畳することになる。例えば、マスク平面に光が90°で入射したら、マスク平面での矩形はエアリアルイメージ平面では対応する矩形の真上に位置することになるが、エアリアルイメージ平面の矩形よりも長くなる。マスク平面の矩形の寸法はイメージ平面の矩形寸法の約2倍であるのが好ましい。通常は、少なくとも2λ/(NA) の寸法を有するマスク平面上の矩形と、マスク平面上のエアリアルイメージ平面の中心矩形であり、λ/(NA) の寸法を有するエアリアルイメージ平面において対応する矩形とを用いることにより、正確な結果を得ることができる。ここで、λは入射光の波長、NAは光学系の開口数である。
【0106】
本発明に基づくハイブリッドシミュレーションの代表的な実施例について説明してきたが、多数の変形が可能である。例えば、結合ステップ398の前に抽出ステップ400を行うことができる。また、ステップ402で他のシミュレーション公式を用いてもよい。
【0107】
本発明に基づくハイブリッドエアリアルイメージシミュレーションは、ステップ44(図2に示す)などのマスク設計に用いることができる。エアリアルイメージシミュレーションの後では、セリフなどの補正要素を付加または置換することによってマスクパターンを変換することが望ましいことであり得る。例えば、上記図2に示すステップ50を参照されたい。このようなマスク変換の際には、本ハイブリッド技術を用いて新たな変換マスク転送関数を容易に計算することができる。具体的には、新たな変換マスク転送関数は、前のマスク転送関数に新たな補正要素の空間周波数変換の合計を加え、そこから置換された補正要素の空間周波数変換の合計を引いたものである。数学的には、次式で与えられる。
【数26】
上記した基本要素に対する方法と同じ方法で補正要素の空間周波数関数を決定し得ることに留意されたい。
【0108】
従って、本発明に基づくハイブリッドエアリアルイメージシミュレーションは、通常、従来技術に関連する多数の問題点を解消することができる。第1に、多くの従来技術に存在するラスタ化エラーの大部分を排除することができる。第2に、多くの場合に比較的粗いFFTメッシュを利用し、良好な精度を維持したまま演算速度を向上させることができる。第3に、本技術により通常は、演算結果エアリアルイメージにおいて補正要素を付加または置換する効果を比較的容易に演算することができる。第4に、本技術においてシミュレーション精度は通常マスク機能サイズに無関係であるので、通常は、光学系の解像度より遥かに小さい寸法を有する小補正要素の効果を計算することが可能である。
【0109】
C.エアリアルイメージシミュレーションシステム環境
通常、本明細書に記載の方法またはその一部は、1つのプロセッサまたは複数のプロセッサのいずれかを伴う汎用コンピュータを用いて実行されることになる。例えば、マスクパターンを入力し、次にエアリアルイメージをシミュレートする前記ステップをコンピュータにより実行することができる。
【0110】
図10は、上記した発明方法を実行するための複数の適当なコンピュータプラットフォームの1つを表すような汎用コンピュータシステムを示す図である。図10は、本発明に基づく汎用コンピュータシステム550が、中央処理装置(CPU)552、読出し専用記憶素子(ROM)554、ランダムアクセスメモリ(RAM)556、拡張RAM558、出入力(I/O)回路560、ディスプレイアセンブリ562、入力装置564及び拡張バス566を有することを示している。コンピュータシステム550には、ディスクドライブユニットなどのマスストレージ装置568またはフラッシュメモリ及びリアルタイムクロック570などの不揮発性記憶をオプションで含めることもできる。
【0111】
CPU552は、データバス572、制御バス574及びアドレスバス576によってROM554に接続されている。ROM554は、コンピュータシステム550のための基本オペレーティングシステムを有する。CPU552はまた、バス572、574及び576によってRAM556に接続されている。拡張RAM558は、CPU552による使用のためにオプションでRAM556に接続される。CPU552はまた、周辺装置を用いてデータを転送できるようにデータバス572、制御バス574及びアドレスバス576によってI/O回路560に接続されている。
【0112】
I/O回路560には通常、複数のラッチ、レジスタ及びダイレクトメモリアクセス(DMA)コントローラが含まれる。I/O回路560の目的は、ディスプレイアセンブリ562、入力装置564及びマスストレージ装置568などの周辺装置とCPU552との間にインタフェースを提供することである。
【0113】
コンピュータシステム550のディスプレイアセンブリ562は、データバス578によりI/O回路560に接続された出力装置である。ディスプレイアセンブリ562は、I/O回路560からバス578を介してデータを受け取り、適当なスクリーン上にそのデータを表示する。
【0114】
ディスプレイアセンブリ562のためのスクリーンは、様々な製造業者から市販されているタイプの、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などを用いたデバイスとし得る。入力装置564としては、位置検出ディスプレイと協働してスタイラス、キーボード、マウスなどを利用し得る。これらの入力装置は様々な業者から入手可能であり、当分野で公知である。
【0115】
通常望ましいと考えられているマスストレージ装置568もあるが、ユーザアプリケーションプログラム及びデータを保存するのに十分な量のRAM556及び拡張RAM558を提供することにより、マスストレージ装置568を排除することも可能である。その場合には、RAM556及び558にオプションでバックアップバッテリを備え付け、コンピュータシステム550の電源が落ちてもデータが消失しないようにする。しかし通常は、或る種の長期マスストレージ装置568、例えば市販のハードディスクドライブなどのフラッシュメモリや、バッテリ付きRAM、PCデータカードなどの不揮発性記憶を有することが望ましい。
【0116】
取外し可能記憶読出し/書込みデバイス569をI/O回路560に結合して、取外し可能記憶媒体571からの読み出し及び同媒体への書き込みを行うことができる。取外し可能記憶媒体571の代表的なものは、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、光学ディスクなどである。一実施例では、そのような取外し可能記憶媒体を経由して発明の方法を実行するための命令をネットワークに提供し得る。
【0117】
操作中にコンピュータシステム550に情報を入力するには、キーボードで打ち込むか、マウスまたはトラックボールを操作するか、或いはタブレット上またはディスプレイアセンブリ562の位置検出位置感知スクリーン上に「書き込む」。その後、オペレーティングシステムの制御下でCPU552が、データと、ROM554及び/またはRAM556に記憶されたアプリケーションプログラムとを処理する。CPU552は通常、ディスプレイアセンブリ562に出力されるデータを作成し、スクリーンに適切なイメージを生成する。
【0118】
拡張バス566は、データバス572、制御バス574及びアドレスバス576に接続されている。拡張バス566には、ネットワークインタフェース回路、モデム、ディスプレイスイッチ、マイクロホン、スピーカーなどの装置をCPU552に接続するための余分なポートが提供される。ネットワーク通信は、ネットワークインタフェース回路及び適切なネットワークにより達成される。
【0119】
種々の業者から入手し得る適正なコンピュータを用いて本発明を実行し得る。しかしながら、種々のコンピュータは、サイズ及びタスクの複雑さに応じて用いることができる。適正コンピュータには、主コンピュータ、マルチプロセッサコンピュータ、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータがある。汎用コンピュータシステムについて説明してきたが、それに加えて、本発明の方法を実行するために専用コンピュータを更に(または代替として)用いることができる。
【0120】
本発明はまた、本発明の方法を実行するためのプログラム命令が記憶された機械読取り可能媒体にも関連があることを理解されたい。そのような媒体には、例として磁気ディスク、磁気テープ、CD-ROMなどの光学的に読取り可能な媒体、PCMCIAカードなどの半導体等がある。それぞれの場合において、媒体は、小ディスク、ディスケット、カセットなどの携帯用アイテムの形状を取るか或いはコンピュータに備えられたRAMまたはハードディスクドライブなどの比較的大型または固定アイテムの形状を取り得る。
【0121】
D.結論
本発明について典型的実施例及びその図面に関連して詳細に説明してきたが、本発明の精神及び特許請求の範囲から逸脱することなく本発明の種々の適合及び改変を達成し得ることは当業者に明らかである。従って上記本発明は、図示及び上記詳細説明した詳細実施例に限定されるものではない。従って、そのような全ての改変は本発明の精神から逸脱しない限り特許請求の範囲にのみ限定され、特許請求の範囲内にあると考えられる。
【0122】
特許請求の範囲において、「ミーンズ(means for)」の語を含まないものは、35USC(米国特許法)112条第6パラグラフに基づくミーンズとは解釈しないでいただきたい。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 ICチップのパターンニングを示す機能ブロックダイアグラムである。
【図1B】 ICチップのパターンニングを示す機能ブロックダイアグラムである。
【図2】 マスク転送関数の設計方法を説明するフローダイアグラムである。
【図3A】 エアリアルイメージをシミュレートするための従来技術を示す図である。
【図3B】 エアリアルイメージをシミュレートするための従来技術を示す図である。
【図4】 本発明の好適実施例に基づく幾何学的エアリアルイメージシミュレーションを説明するフローダイアグラムである。
【図5】 本発明の好適実施例に基づくマスクパターン分解を説明するフローダイアグラムである。
【図6A】 図5に示す方法を用いたマスクパターン分解の例である。
【図6B】 図5に示す方法を用いたマスクパターン分解の例である。
【図7】 本発明の好適実施例に基づく直角三角形基本要素に対応する光学系を決定する方法を示す図である。
【図8】 本発明の好適実施例に基づくハイブリッドエアリアルイメージシミュレーションを説明するフローダイアグラムである。
【図9A】 矩形基本要素を示す図である。
【図9B】 三角形基本要素を示す図である。
【図10】 本発明の方法を実行するための適正なプラットフォームの1つである汎用コンピュータのブロックダイアグラムである。
Claims (22)
- 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートする方法であって、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答関数を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素に対する前記応答関数を合計してマスク応答関数を得る過程と、
(d)前記光源の全ての点に対して前記マスク応答関数を求めることにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記各応答関数が、前記光源の点の位置に関連する変数の関数であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記各基本要素に対する前記応答関数が、前記光源の点に照らされた場合に該各基本要素によって生成されることになるイメージに対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 少なくとも2つの前記基本要素が、異なる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記基本要素が、少なくとも1つの矩形及び少なくとも1つの三角形を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記基本要素が、矩形の合計により表すことができるポリゴンを含み、前記各ポリゴンに対する応答関数を決定する困難の度合いが、前記ポリゴンの各々の複数の頂点に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 三角形基本要素を1組の矩形及び小三角形に分解することにより該三角形基本要素に対する応答関数が得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 標準基本要素に対する応答関数が、事前記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(b)で得られる前記応答関数が、空間ドメインにおいて特定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- イメージ平面の任意に選択された部分に対して前記エアリアルイメージをシミュレートすることができ、シミュレーションの困難が前記イメージ平面の前記任意に選択された部分のサイズに依存することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートする方法であって、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素及び前記光源の全ての点に対する応答を結合することにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とする方法。 - 少なくとも2つの前記基本要素が、異なる形状を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記基本要素が、少なくとも1つの矩形及び少なくとも1つの三角形を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記基本要素が、矩形の合計により表すことができるポリゴンを含み、ステップ(b)における前記各ポリゴンに対する応答を決定する困難の度合いが、前記各ポリゴンにおける複数の頂点に基づくことを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 三角形基本要素を1組の矩形及び小三角形に分解することにより該三角形基本要素に対する応答関数が得られることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 標準基本要素に対する応答が、事前記憶されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- イメージ平面の任意に選択された部分に対して前記エアリアルイメージをシミュレートすることができ、シミュレーションの困難の度合いが前記イメージ平面の前記任意に選択された部分のサイズに依存することを特徴とする請求項11に記載の方法。
- ステップ(b)で得られる前記応答が、空間ドメインにおいて特定されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートするための、コンピュータ読取り可能媒体に記憶されているコンピュータ実行可能プロセスステップであって、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答関数を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素に対する前記応答関数を合計してマスク応答関数を得る過程と、
(d)前記光源の全ての点に対して前記マスク応答関数を求めることにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とするコンピュータ実行可能プロセスステップ。 - 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートするための、コンピュータ読取り可能媒体に記憶されているコンピュータ実行可能プロセスステップであって、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素及び前記光源の全ての点に対する応答を結合することにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とするコンピュータ実行可能プロセスステップ。 - 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートするための装置であって、
記憶されたプログラム命令ステップを実行するプロセッサと、
前記プログラム命令ステップを記憶するために前記プロセッサに接続されたメモリとを有し、
前記プログラム命令ステップが、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答関数を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素に対する前記応答関数を合計してマスク応答関数を得る過程と、
(d)前記光源の全ての点に対して前記マスク応答関数を求めることにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とする装置。 - 透過部を有するマスクが光源に露光される際に前記マスクにより生成されるエアリアルイメージをシミュレートするための装置であって、
記憶されたプログラム命令ステップを実行するプロセッサと、
前記プログラム命令ステップを記憶するために前記プロセッサに接続されたメモリとを有し、
前記プログラム命令ステップが、
(a)前記マスクの透過部を基本要素に分割する過程と、
(b)前記各基本要素が前記光源の一点により露光される際の該各基本要素に対する応答を得る過程と、
(c)全ての前記基本要素及び前記光源の全ての点に対する応答を結合することにより前記エアリアルイメージをシミュレートする過程とを含むことを特徴とする装置。
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