JP4567387B2 - 高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの製造法 - Google Patents

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本発明は、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの製造法に関する。さらに詳しくは、化学蒸着法(CVD法)によるLSIなどのゲート絶縁膜形成のための薄膜材料などとして好適に使用しうる高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの製造法に関する。
なお、本明細書において、高純度とは、ジルコニウム含有量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下であり、その他の金属不純物の含有量がそれぞれ5ppm以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0.1ppm以下であることを意味する。
一般に、半導体素子の薄膜材料に不純物が含有されている場合、その不純物の含有量がごく微量であっても、薄膜形成に支障をきたすのみならず、薄膜の性能の低下をもたらすことから、その不純物の除去が大きな技術的課題となっている。
特に、薄膜原料としてハフニウム錯体を用いる場合、ハフニウムはジルコニウムと極めて類似した性質を有することから、ハフニウム錯体に混入しているジルコニウムを除去することが困難であるとされている。
ハフニウム錯体の製造法としては、例えば、四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとを反応させ、得られたテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを黄色の液体として単離する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法によって得られるテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの収率は、たかだか55%程度であるため、その純度の向上とともに収率の向上が望まれている。
ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ(J. Chem. Soc.)(A), インオーガニック・フィジカル・セオレティカル(Inorg. Phys. Theor.) 1969年、8巻、980-984 頁
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを収率よく製造しうる方法を提供することを目的とする。
本発明は、不活性ガス雰囲気下、含水量が100ppm以下である有機溶媒中で、四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとを反応させた後、得られた粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを、回転バンド式蒸留塔または充填式蒸留塔を用い、1〜150Paの減圧下で150〜170℃の温度に加熱することにより分留することを特徴とする高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの製造法に関する。
本発明の製造法によれば、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを収率よく得ることができるという効果が奏される。
本発明の目的化合物である高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムは、式(I):
Hf(NR1 2 4 (I)
(式中、R1 は、アルキル基を示す)
で表される化合物である。
式(I)において、R1 は、アルキル基であるが、その中ではメチル基またはエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
本発明の製造法において、原料として、四塩化ハフニウムおよびジアルキルアミノリチウムが用いられる。
四塩化ハフニウムには、通常、その製造の際に使用された原料に含有されている金属に由来の金属塩化物、例えば、四塩化ジルコニウム、四塩化チタン、五塩化タンタル、三塩化アルミニウムなどが不純物として含有されている。
本発明は、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得ることを目的としていることから、四塩化ハフニウムに含有されている不純物の金属塩化物があらかじめできるだけ除去されていることが好ましい。
本発明において、四塩化ハフニウムを10〜1500Paの減圧下で140〜160℃の温度に加熱する減圧加熱処理を行った場合には、四塩化ハフニウムに不純物として含有されている金属塩化物を効率よく除去することができる。かかる処理を行った場合、四塩化ハフニウムに不純物として含有されている低沸点の金属塩化物の約60重量%以上を効率よく除去することができる。
例えば、未精製の四塩化ハフニウムから一般的な製造法によって製造されるテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムには、不純物として、タンタルが通常、10〜30ppm程度含有されている。ところが、前記操作をこの四塩化ハフニウムに行うと五塩化タンタルの98重量%以上を除去することができるため、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムにおけるタンタルの含有量を0.1ppm程度にまで低減させることができる。
四塩化ハフニウムの純度は、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得る観点から、99.9重量%以上であることが好ましく、99.95重量%以上であることがより好ましい。
四塩化ハフニウムに前記処理を施す際には、例えば、昇華精製炉装置などを用いることが好ましい。
四塩化ハフニウムの減圧加熱時における減圧度は、操作性を高める観点および低沸点の金属塩化物を効率よく除去する観点から、10〜1500Paであることが好ましく、100〜150Paであることがより好ましい。また、四塩化ハフニウムの減圧加熱時における加熱温度は、低沸点の金属塩化物を効率よく除去する観点および四塩化ハフニウムの昇華を抑制し、その回収率を高める観点から、140〜160℃であることが好ましく、145〜155℃であることがより好ましい。
前記処理に要する時間は、その減圧度や加熱温度などによって異なるので一概には決定することができない。通常、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得る観点および処理効率を高める観点から、処理前の四塩化ハフニウムにおける低沸点の金属塩化物の含有量の40重量%以下、好ましくは20重量%以下となるまで、前記操作を行うことが好ましい。
ジアルキルアミノリチウムは、例えば、ジアルキルアミンとアルキルリチウムとを反応させることにより、製造することができる。また、アルキルリチウムは、ハロアルカンとリチウムとを反応させることにより、製造することができる。
ジアルキルアミノリチウムのアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
ジアルキルアミンのアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。アルキルリチウムのアルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
ハロアルカンにおけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。また、ハロアルカンにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
好適なハロアルカンの例としては、クロロブタン、ブロモエタン、ブロモブタン、ヨードエタンなどが挙げられる。これらの中では、反応の制御および副生成物の除去が容易であることから、ブロモエタンがより好ましい。
ハロアルカンとリチウムとの反応は、ハロアルカン1モルに対して化学量論的にリチウム2モルの割合で反応する。しかし、リチウムの量が少ない場合には、副反応が起こり、収率が低下する傾向がある。このことから、ハロアルカン1モルに対するリチウムの量は、通常、1.9〜2.2モル、好ましくは2.0〜2.1モルであることが望ましい。
ハロアルカンとリチウムとの反応は、有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ペンタン、石油エーテルなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
有機溶媒における含水量は、リチウムおよびアルキルリチウムの加水分解を抑制するとともに、副反応が起こることによる収率の低下を抑制する観点から、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが望ましい。
有機溶媒の量は、副反応を抑制する観点および反応を迅速に進行させる観点から、通常、リチウム100gあたり、4000〜8000mL、好ましくは5000〜6000mL程度であることが望ましい。
ハロアルカンとリチウムとの反応は、リチウムをあらかじめ有機溶媒に添加しておき、その混合物にハロアルカンを滴下することによって行うことが好ましい。なお、リチウムは、線状のものを短く裁断した後に用いてもよく、あるいは塊状のものを有機溶媒中で融解し、細かく分散させた後に用いてもよい。ハロアルカンを滴下するときの温度は、反応を迅速に進行させる観点および副反応が起こるのを抑制する観点から、−30〜0℃、好ましくは−20〜−10℃であることが望ましい。
ハロアルカンとリチウムとを反応させる際の雰囲気としては、リチウムおよびアルキルリチウムの加水分解を抑制する観点および副反応による収率の低下を抑制する観点から、含水量が10ppm以下、好ましくは2ppm以下の不活性ガスを用いることが望ましい。
不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ハロアルカンの滴下終了後は、反応速度を高める観点から、反応温度を0〜20℃、好ましくは5〜10℃に調整することが望ましい。
反応時間は、反応条件によって異なるので一概には決定することができないので、かかる反応条件に応じて適宜決定することが好ましい。
かくして、アルキルリチウムが得られる。
次に、ジアルキルアミンとアルキルリチウムとを反応させることにより、ジアルキルアミノリチウムを調製することができる。
ジアルキルアミンにおける含水量は、アルキルリチウムとジアルキルアミノリチウムの加水分解およびそれに伴う副反応による収率の低下を抑制する観点から、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが望ましい。
ジアルキルアミンとアルキルリチウムとの反応は、両者が化学量論的に反応することから、アルキルリチウムを完全に反応させ、収率を高める観点から、通常、ジアルキルアミンを過剰で用いることが好ましく、例えば、アルキルリチウム1モルあたりのジアルキルアミンの量は、1.1〜1.5モル、好ましくは1.1〜1.2モルであることが望ましい。
なお、ジアルキルアミンとアルキルリチウムとの反応に際しては、アルキルリチウムの有機溶媒溶液にジアルキルアミンの有機溶媒溶液を必要により攪拌下で、滴下することが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ペンタン、石油エーテルなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
有機溶媒における含水量は、アルキルリチウムとジアルキルアミノリチウムの加水分解およびそれに伴う副反応による収率の低下を抑制する観点から、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが望ましい。
アルキルリチウムに対する有機溶媒の量は、副反応を抑制する観点および反応を迅速に進行させる観点から、通常、アルキルリチウム100gあたり、1000〜2000mL、好ましくは1200〜1500mLであることが望ましい。
ジアルキルアミンに対する有機溶媒の量は、特に限定がなく、反応後の反応溶液の全量を少なくする観点から、通常、ジアルキルアミン100容量部あたり、0〜60容量部、好ましくは10〜60容量部、より好ましくは30〜60容量部、さらに好ましくは40〜50容量部であることが望ましい。
ジアルキルアミンとアルキルリチウムとの反応は、アルキルリチウムおよびジアルキルアミノリチウムの分解を回避する観点から、不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。不活性ガスにおける含水量は、10ppm以下、好ましくは2ppm以下であることが、アルキルリチウムおよびジアルキルアミノリチウムの加水分解および副反応による収率の低下を抑制する観点から望ましい。
反応温度は、反応速度を高め、副反応が起こるのを抑制する観点から、好ましくは−30〜0℃、より好ましくは−15〜−5℃であることが望ましい。
反応時間は、反応条件によって異なるので一概には決定することができないので、かかる反応条件に応じて適宜決定することが好ましい。
かくして、ジアルキルアミノリチウムが得られる。
次に、四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとを反応させることにより、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムが得られる。
四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとの反応は、有機溶媒中で行うことができる。
四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとの反応は、ジアルキルアミノリチウムの有機溶媒溶液に四塩化ハフニウムを添加することによって行うことが好ましい。
ジアルキルアミノリチウムの有機溶媒溶液に用いられる有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ペンタン、石油エーテルなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。有機溶媒における含水量は、ジアルキルアミノリチウムと四塩化ハフニウムの加水分解およびそれに伴う副反応による収率の低下を抑制する観点から、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが望ましい。有機溶媒の量は、副反応を抑制する観点および反応後の混合液の全量を少なくする観点から、通常、ジアルキルアミノリチウム1kgあたり、4500〜9000mL、好ましくは5500〜7000mL程度であることが望ましい。
なお、四塩化ハフニウムを添加する際には、操作性を高めるために、四塩化ハフニウムをあからじめ有機溶媒に懸濁させておくことが好ましい。
四塩化ハフニウムを懸濁させる際に用いられる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。有機溶媒における含水量は、ジアルキルアミノリチウムと四塩化ハフニウムの加水分解およびそれに伴う副反応による収率の低下を抑制する観点から、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが望ましい。有機溶媒の量は、特に限定はなく、通常、四塩化ハフニウム100gあたり、300〜1000mL、好ましくは400〜500mL程度であることが望ましい。
ジアルキルアミノリチウムと四塩化ハフニウムとの反応は、化学量論的に進行することから、ジアルキルアミノリチウムの量は、四塩化ハフニウム1モルに対して、化学量論的に4モルである。しかし、四塩化ハフニウム中の塩素を完全に反応させる観点から、ジアルキルアミノリチウムの量は、四塩化ハフニウム1モルあたり、通常、4.0〜4.2モルであることが好ましい。
ジアルキルアミノリチウムの有機溶媒の溶液に四塩化ハフニウムを添加するときのジアルキルアミノリチウムの有機溶媒の溶液の液温は、副反応が起こるのを抑制する観点から、−30〜0℃、好ましくは−10〜0℃であることが望ましい。なお、添加終了後、得られた混合液の液温は、反応速度を高める観点から、30〜60℃、好ましくは45〜60℃に調整することが望ましい。
なお、ジアルキルアミノリチウムと四塩化ハフニウムとの反応の際の雰囲気は、不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
不活性ガスにおける含水量は、ジアルキルアミノリチウムと四塩化ハフニウムの加水分解およびそれに伴う副反応による収率の低下を抑制する観点から、10ppm以下、好ましくは2ppm以下であることが望ましい。
反応時間は、反応条件によって異なるので一概には決定することができないので、かかる反応条件に応じて適宜決定することが好ましい。
反応終了後、得られた反応混合物を濃縮し、n−ヘキサンなどの有機溶媒で抽出し、濾過、濃縮した後、蒸留することにより、粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムが得られる。
次に、得られた粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを分留する。一般に、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムは、熱安定性に劣ると考えられていることから、これを分留すれば、そのときの加熱により、分解するものと考えられている。ところが、かかる従来の技術常識に反して、粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを所定の条件で分留すれば、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分解を抑制して、高純度を有するテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得ることができる。
粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分留は、1〜150Paの減圧下で150〜170℃の温度に加熱することによって行うことができる。
なお、粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを分留する際の減圧度は、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分解を抑制する観点および分留の効率を高める観点から、1〜150Pa、好ましくは1〜100Pa、より好ましくは1〜20Paであることが望ましい。
また、粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを分留する際の加熱温度は、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分解を抑制する観点および分留を迅速に進行させる観点から、150〜170℃、好ましくは155〜165℃であることが望ましい。
分留の際には、回転バンド式蒸留塔、充填式蒸留塔などの蒸留塔を用いることができる。好適な蒸留塔としては、例えば、その長さが400〜800mm程度、好ましくは500〜550mm程度、内径が10〜50mm程度、好ましくは20〜35mm程度である蒸留塔が挙げられる。
回転バンド式蒸留塔においては、その塔内部の回転バンドとしては、SUS316などのステンレス鋼製やフッ素樹脂製のネットバンドが好ましい。
充填式蒸留塔においては、その充填物として、SUS316などのステンレス鋼製のヘリパックやマクマホンが好ましく、ヘリパックがより好ましい。ヘリパックの大きさは、0.9mm×1.8mm×1.8mm〜1.7mm×3.5mm×3.5mmであることが分留の効率を高める観点から好ましい。
分留の際の還流比(留出時間/還流時間)は、分留の効率を高める観点および分留を迅速に進行させる観点から、1/50〜1/3であることが好ましく、1/20〜1/5であることがより好ましい。
留出温度は、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分解を抑制する観点および分留の効率を高める観点から、100〜110℃であることが好ましく、102〜105℃であることがより好ましい。
かくして粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを分留することにより、高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを高収率で得ることができる。
なお、粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分留は、繰り返して行うことが、さらに高純度のテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得る観点から好ましい。粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分留を繰り返す回数は、製品の用途によって好ましい純度が異なるため、一概には決定することができないが、より高純度のテトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを得る観点、最終的な収量の減少を抑制する観点および作業時間を少なくする観点から、2〜10回、好ましくは2〜6回、更に好ましくは3〜4回であることが望ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1〔エチルリチウムの調製〕
粒状リチウム54gと含水量が10ppmのジエチルエーテル2650mLとを混合し、−10℃の温度に冷却した後、得られた混合液に、その液温を−15〜0℃に保ちながら、含水量が10ppmのブロモエタン286mLのジエチルエーテル溶液を3〜4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間撹拌しながら10℃まで昇温させた。
次に、得られた反応溶液を濾過し、エチルリチウム溶液約2700mLを得た。
製造例2〔ジエチルアミノリチウムの調製〕
製造例1で得られたエチルリチウム溶液を−15℃に冷却した後、この溶液に、含水量が85ppmのジエチルアミン354mLのジエチルエーテル溶液を−20〜−10℃の温度に保ちながら、3時間かけて滴下した。滴下終了後、30分間撹拌し、微黄色のジエチルアミノリチウム溶液を得た。
製造例3〔四塩化ハフニウムの精製〕
次に、図1に示される昇華精製炉装置を用いて、四塩化ハフニウムを加熱し、それに含まれている不純物を昇華させた。
図1は、昇華精製炉装置の概略説明図である。図1に示された昇華精製炉装置において、炉内の中央部に、試料として四塩化ハフニウム1kgを入れた石英製のボート1を設置し、炉内温度を一定温度に制御するために温度センサー2とヒーター3を温度制御装置4に接続した。次に、炉内を密閉系にした後、炉管の他端を真空ポンプ5に接続した。
真空ポンプ5で炉内を約100Paにまで減圧し、ヒーター3で炉内温度を150℃にまで昇温させ、6時間加熱することにより、四塩化ハフニウムに含まれている不純物を昇華させた。その後、炉内に窒素ガスを導入することにより、炉内を大気圧に戻し、窒素ガス雰囲気下で炉内からボート1を取り出し、ボート1上の残渣を回収した。その結果、回収率は87%であった。
実施例1〔高純度テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムの調製〕
製造例3で得られた四塩化ハフニウム250gを含水量が10ppmのトルエン1000mLに懸濁させた混合液を、製造例2で得られたジエチルアミノリチウム溶液に0℃以下に保ちながら2時間かけて添加した。添加終了後、液温50℃で3時間還流した。
ジエチルエーテルを留去し、得られた懸濁液に、含水量が10ppmのn−ヘキサン1000mLを加えて1時間還流して抽出を行った。この操作を2回繰り返した。
得られた抽出液から溶媒を留去し、約40Paの減圧下で蒸留することにより、粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム330gを得た。その収率は、四塩化ハフニウムに対して90%であり、純度は、99.93%であった。
得られた粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムにおける不純物の含有量をICP発光分析法により分析したところ、表1に示されるように、ジルコニウムの含有量は、650ppmであり、その他の金属の含有量は、それぞれ10ppm以下であった。
なお、得られた生成物がテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムであることは、 1H−NMRにより確認した。その結果を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、C6 6 、25℃)δ1.20(t、24H、J=7.0Hz)、3.40(q、16H、J=7.0Hz)
次に、高さ50cm、内径3cmの充填式蒸留塔にヘリパック充填物(1.5mm×2.5mm×2.5mm、SUS−316)を充填した後、系内圧力20〜50Pa、加熱温度155〜165℃の条件下で前記で得られた粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムを分留し、還流比(留出時間/還流時間)を1/20〜1/5に設定して留出温度102〜105℃の留分を採取した。その結果、高純度テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムが得られ、その収率は、80%であった。
次に、得られた高純度テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムに含まれている金属不純物の濃度をICP発光分析法により分析した。その結果を表1に示す。
前記で得られた高純度テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムを前記と同じ条件でさらに2回分留した。
これにより得られたテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムに含まれている金属不純物の濃度を同様にICP発光分析法により分析した。その結果を表1に示す。
比較例1
製造例1〜2および実施例1において、ジエチルエーテルとして含水量が200ppmの未乾燥ジエチルエーテル、ブロモエタンとして含水量が85ppmの未乾燥ブロモエタン、トルエンとして含水量が50ppmの未乾燥トルエン、n−ヘキサンとして含水量が40ppmの未乾燥n−ヘキサンを用い、また製造例3における精製を行っていない四塩化ハフニウムを用いた以外は、製造例1〜2および実施例1と同様の操作を行い、粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム200gを得た。得られた粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムの収率は、55%であった。
次に、得られた粗製テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムを、充填剤としてガラス製ラッシリング(外径5mm×高さ5mm)を用いた以外は、実施例1と同じ装置を用いて、系内圧力200Pa、加熱温度155〜165℃の条件下で分留し、100〜110℃で留分を採取した。その結果、得られたテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムの収率は、30%であった。
得られたテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムに含まれている金属不純物の濃度を、実施例1と同様にして、ICP発光分析法により分析した。その結果を表1に示す。
Figure 0004567387
実施例1と比較例1との対比結果から、実施例1によれば、高収率で高純度を有するテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウムを得ることができることがわかる。
製造例3で用いられた昇華精製炉装置の概略説明図である。
符号の説明
1 ボート
2 温度センサー
3 ヒーター
4 温度制御装置
5 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 不活性ガス雰囲気下、含水量が100ppm以下である有機溶媒中で、四塩化ハフニウムとジアルキルアミノリチウムとを反応させた後、得られた粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを、回転バンド式蒸留塔または充填式蒸留塔を用い、1〜150Paの減圧下で150〜170℃の温度に加熱することにより分留することを特徴とする高純度テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの製造法。
  2. 不活性ガス雰囲気下、含水量が100ppm以下の有機溶媒中で、ジアルキルアミンとアルキルリチウムとを反応させることにより、ジアルキルアミノリチウムを製造する請求項1記載の製造法。
  3. 不活性ガス雰囲気下、含水量が100ppm以下の有機溶媒中で、ハロアルカンとリチウムとを反応させることにより、アルキルリチウムを製造する請求項2記載の製造法。
  4. あらかじめ四塩化ハフニウムを10〜1500Paの減圧下で140〜160℃の温度に加熱することにより、四塩化ハフニウムに不純物として含有されている金属塩化物を除去する請求項1〜3いずれか記載の製造法。
  5. 粗製テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムの分留を2〜10回繰り返して行う請求項1〜いずれか記載の製造法。
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